JP5194124B2 - 酢酸sec−ブチルを製造する反応生成物から重質炭化水素を除去する方法 - Google Patents

酢酸sec−ブチルを製造する反応生成物から重質炭化水素を除去する方法 Download PDF

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Description

本発明は有機反応生成物の分離プロセスに関し、特に酢酸とブテンまたはC4混合物との反応により酢酸sec−ブチルを製造する工程における生成物を分離するプロセスに関する。
酢酸sec−ブチルは酢酸s−ブチル、酢酸第2級ブチルとも言い、酢酸ブチル類の4つの異性体の1つであり、無色透明、可燃性、果実芳香を持つ液体で、多くの場合にその他の異性体の特性と類似し、多くの種類の樹脂及び有機物を溶解できる。その沸点は常用のn−ブチルエステルとイソブチルエステルに比べて低く、蒸発速度が速く、主に溶媒、反応媒体、抽出剤成分、金属洗浄剤、果実香料等として利用されている。
従来方法と比較して、1−ブテン、2−ブテンを原料にし、酢酸との反応による酢酸sec−ブチルを製造する方法は、原料が広くかつ安価に入手でき、経済性が良く、環境にやさしい等の長所をもっている。従って、多くの研究者はその製造プロセスに注目しているものの、酢酸と1−ブテン、2−ブテンとの反応による酢酸sec−ブチルを製造する分離精製プロセスに関する研究例はまだ少ない。
米国特許US5457228には、酢酸と1−ブテン、2−ブテンとの反応を用いた酢酸sec−ブチルを合成する方法が開示され、オレフィン転化率及び生成物選択率がいずれも相対的に高い。分離方法について、前記特許は蒸留を利用して反応混合物から酢酸sec−ブチルを分離できると言及しているが、具体的な分離方法および分離後の製品の純度を開示していない。
本発明者らの200710200148.X中国特許出願には、酢酸とブテンまたはC4混合物とが反応した後の混合物から酢酸sec−ブチルを分離する方法が開示されている。その方法は、下記の工程を含んでなる。
(1)酢酸とC4混合物とが反応した後の混合物をフラッシュ塔に導入し、フラッシュによりフラッシュ塔の頂上から未反応のC4混合物および軽質成分を分離する工程。
(2)フラッシュ塔の底部より生成物を共沸精留塔に導入し、共沸剤Aを加えて、共沸精留により酢酸sec−ブチルと酢酸を分離する工程。
(3)共沸精留塔の頂上物を精製塔に導入し、精留により酢酸sec−ブチルを得る工程。
(4)共沸精留塔の下部から出てきた酢酸に含有される共沸剤Aの量が反応または触媒の活性と寿命に悪い影響を与える時、共沸精留塔の下部から出てきたものを酸濃縮塔に導入し、共沸剤Bを加えて、再度の共沸精留を行い、酢酸を濃縮して循環再利用する、もしくは、共沸精留塔の下部から出てきた酢酸に含有される共沸剤Aの量が反応ならびに触媒の活性と寿命に悪い影響を与えない時、共沸精留塔の下部から出てきたものを反応系に直接に循環して再利用する。
上記の酢酸とブテンまたはC4混合物を原料として用いた酢酸sec−ブチルの製造プロセスにはいずれも原料のブテンまたはC4混合物が重合して重質炭化水素を形成することは言及しておらず、さらに反応混合物の酢酸、酢酸sec−ブチルと重質炭化水素を分離したり、除去する方法についても言及していない。
本発明が解決しようとする技術課題は、前記従来技術の欠点を克服し、エネルギーロスと物質ロスが低く、重質炭化水素除去及び分離の効率が高く、且つプロセス操作条件が改善されて、製品の品質を高める酢酸sec−ブチルを製造する反応生成物から重質炭化水素を除去する方法を提供する。
本発明者らは上記技術課題を解決するため、本発明が提供する技術方案は、「重質炭化水素を多く含む領域から材料(materials)を抜き出し、その材料を水と充分に接触させ、材料中の重質炭化水素と水が自然に分層化し、上層の重質炭化水素層を排出し、下層の水層を系に改めて注入することを特徴とする酢酸sec−ブチルを製造する反応生成物から重質炭化水素を除去する方法」である。
本発明の重質炭化水素とは、原料C4が重合した生成物を指す。本発明の方法を利用して炭素数が8以上の重質炭化水素を除去でき、特に炭素数が10以上の重質炭化水素を容易に除去できる。本発明の重質炭化水素を多く含む領域とは、混合材料中の重質炭化水素の含量が相対的に高い領域で、その重質炭化水素の含量が1質量%を超え、特に、重質炭化水素の含量が5質量%を超える領域を指す。酢酸sec-ブチルの製造反応が完了して、生成物中の未反応C4成分と軽質成分を分離し、酢酸sec−ブチルと酢酸が共沸分離された後、共沸精留塔の底部に形成される区域は前記重質炭化水素を多く含む領域に属す。前記酢酸sec−ブチルと酢酸の共沸分離プロセスとは、酢酸sec−ブチル、酢酸及び重質炭化水素を含有する反応混合生成物を共沸精留塔に仕込み、共沸剤を加えて共沸精留を行い、酢酸sec−ブチルと共沸剤からなる共沸物が共沸精留塔の塔頂から留出し、酢酸と重質炭化水素が塔の底部に移動するプロセスである。共沸剤は、酢酸sec−ブチルと共沸物を形成できて、かつその共沸点は酢酸の沸点との差が10度以上の物質である。
上記技術方案において、重質炭化水素を多く含む領域から抜き出す材料とは、共沸精留塔の下部の側線より酢酸の一部を抜き出した後の残留材料を指す。この材料は主に重質炭化水素、酢酸を含有し、少量の酢酸sec−ブチルと水を含有する。重質炭化水素を共沸精留塔の塔底部から適時に排出しないと、塔の底部に累積される。重質炭化水素が多く累積されると、共沸精留塔の塔底部におけるリボイラーにスケールを形成し、伝熱の効果に影響を与え、分離効果が悪くなり、エネルギーロスが大きくなり、製造操作が難しくなり、装置全体の正常な運転を脅かすため、共沸精留塔の塔底部の材料を処理しなければならない。酢酸が水に易溶で、酢酸sec−ブチルが水に微溶で、重質炭化水素が水に難溶で、かつ重質炭化水素および酢酸sec−ブチルの比重が水より小さいので、重質炭化水素を多く含む領域から抜き出す材料は水と充分に接触した後、自然に分層化し、重質炭化水素が上の層にあり、水が下の層にあり、上層の重質炭化水素層を排出し、下層の水層を改めて系に再注入する。酢酸sec−ブチルが重質炭化水素を伴って系から排出するため、材料ロスが増えてしまい、そのため抜き出す材料中の酢酸sec−ブチルの含量をできるだけ低減しなければならない。当然、共沸精留過程において酢酸sec−ブチルが水と共沸物を形成し、共沸精留塔の塔頂から留出するので、共沸精留塔の塔底部の酢酸sec−ブチルは相対的に少ない。
重質炭化水素を多く含む領域から抜き出した材料が水と充分に接触する過程において、水の質量流量と材料の質量流量の比は、0〜20の範囲、好ましくは0〜10の範囲である。もし水の質量流量と材料の質量流量の比が20を超えると、消費量が大きくなる。水の質量流量と材料の質量流量の比が0であることは、材料が静置の水層を通過するように供給されることを意味する。
材料と水の充分な接触に用いる重質炭化水素の水洗装置は、物質移動に用いる装置であればいずれでもよい。たとえば、水洗缶、塔またはタンクなど。重質炭化水素の水洗装置において、塔底の材料と接触した水は酢酸を含有し、その水を共沸精留塔に改めて再注入できる。注入の場所は共沸精留塔の任意な部分でよいが、好ましくは仕込み口から注入する。但し、一つの特殊な状況としては、水の質量流量と塔底の材料の質量流量の比が0、すなわち塔底の材料が静置の水層を通過するように供給される場合に、重質炭化水素の水洗装置の頂部から分離した重質炭化水素中の酢酸含量を適時に測定する必要がある。重質炭化水素中の酸含量が1%を超えると、水中の酸濃度が高すぎて、塔底の材料中の酢酸を充分に溶解できず、その結果、一部の酢酸が重質炭化水素に溶解して重質炭化水素に伴い排出される。この場合に、重質炭化水素の水洗装置中の水を共沸精留塔に注入して、重質炭化水素の水洗装置に水を補充しなければならない。
本発明において分離しようとする酢酸sec−ブチル、酢酸及び重質炭化水素の混合物は、主に酢酸とブテンまたはC4混合物との反応により酢酸sec−ブチルを製造する工程から由来するものである。たとえば、触媒蒸留プロセスを利用した反応であれば、酢酸sec−ブチル、未反応の酢酸、重質炭化水素を含む反応混合物が得られ、パイプ式固定床プロセスを利用した反応であれば、酢酸sec−ブチル、未反応の酢酸、未反応のブテンまたはC4混合物および軽質成分、重質炭化水素を含む反応混合物が得られる。ブテンまたはC4混合物および軽質成分の沸点は、酢酸sec−ブチル、酢酸および重質炭化水素の沸点よりはるかに低いので、フラッシュ蒸留により混合物から未反応のブテンまたはC4混合物および軽質成分を先に除去できる。そのため、上記の酢酸sec−ブチルの製造反応プロセスのいずれを利用しても、本発明において分離しようとする反応生成物はすべて主に酢酸sec−ブチル、酢酸と重質炭化水素を含有する。上記の技術方案は、すでにそれら混合生成物から重質炭化水素の分離プロセスに言及している。重質炭化水素を分離する前に、酢酸sec−ブチルと酢酸との共沸分離は主に以下に述べる工程に従って行う。
酢酸sec−ブチルと酢酸の沸点は非常に近いので、共沸精留は酢酸sec−ブチルと酢酸との分離に適している。本発明においては、共沸剤を選択して、それが酢酸sec−ブチルと共沸物を形成できて、かつその共沸物の沸点と酢酸の沸点との差が相対的に大きい特性を利用して、酢酸から酢酸sec−ブチルを充分に分離できる。本発明において、水は好ましい共沸剤である。共沸剤の添加量は、共沸剤と酢酸sec−ブチルによって形成される共沸混合物の組成に従って決定される。水を共沸剤とする場合、水は、酢酸sec−ブチル/水=4/1(質量%)の比で共沸精留塔に添加される。
共沸精留過程において、共沸精留塔の底部温度は100〜130℃、好ましくは105〜125℃の範囲に制御する。温度が130℃を超えると、酢酸が塔頂に来てしまい、温度が100℃より低いと、酢酸sec−ブチルと共沸剤との共沸物は塔頂に有効的に来ない。共沸精留塔の頂部温度は75〜100℃、好ましくは78〜90℃の範囲に制御する。酢酸sec−ブチルと共沸剤とは共沸精留塔の塔頂から留出し、冷却されて、酢酸sec−ブチルと共沸剤とは自然に分層化する。共沸剤または共沸剤と酢酸sec−ブチルとを共沸精留塔の還流成分として、共沸精留塔の塔頂に還流し、少量の共沸剤が混じった酢酸sec−ブチルは更なる精製をしてもよい。酢酸、重質炭化水素および少量の酢酸sec−ブチルは共沸精留塔の底部に移動し、共沸精留塔の下部側線から一定量の酢酸を抜き出して酢酸sec−ブチルを製造する反応系に循環し、残っている材料は水洗装置に入れて前記の重質炭化水素の分離を行う。
従来技術と比べて、本発明の長所は、酢酸とブテンまたはC4混合物との反応により酢酸sec−ブチルを製造する工程において、本発明の方法により生成混合物の有効的な分離を実現できることにある。すなわち、生成混合物中の酢酸sec−ブチルと酢酸とを有効的に分離できると同時に、系から重質炭化水素などの不純物も分離できる。上記の生成物の分離プロセスにより、共沸精留塔の塔釜のリボイラーが容易にスケールを形成する状況を有効的に緩和できて、装置の長期間運転を保証できることのみならず、製品の品質を高めることができて、操作条件を改善し、エネルギーロス、物質ロスも低下できる。
図1は本発明の各実施例の生成物分離工程を示す図である 図2は実施例3で用いた水洗塔を示す図である。
以下に実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
酢酸sec−ブチルを製造する工程において、反応後の混合物より未反応のC4および軽質成分を除去してから、水と混合し、水を共沸剤として、酢酸と酢酸sec−ブチルを共沸分離した。共沸精留塔の底部は重質炭化水素を多く含む領域であった。図1に示すように、共沸精留塔の底部から材料を抜き出して水洗塔の下部に質量流量100Kg/hrで導入した。水を水洗塔の上部に質量流量800Kg/hrで注入した(水の質量流量と材料の質量流量の比は8)。水と材料とは逆方向で接触させ、重質炭化水素を水洗塔の上層部(水洗塔の頂部)から排出し、水を水洗塔の底部から抜き出して改めて系(共沸精留塔)に注入した。
以上の操作により、反応で生成した重質炭化水素および系に累積した重質炭化水素を適時に排出できて、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素を1〜5質量%程度に制御できて、かつ共沸精留塔底部のリボイラーのスケール形成を減少し、装置は1ヶ月間連続運転しても、共沸精留塔底部のリボイラーには明確なスケール形成を確認できなかった。
実施例2
水洗塔下部の材料の質量流量を100Kg/hr、水洗塔上部に注入する水の質量流量を150Kg/hr(即ち、水の質量流量と材料の質量流量の比が1.5である)とする以外は、実施例1と同じ手順、プロセス条件で行った。以上の操作により、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素を1〜5質量%程度に制御できて、装置は6ヶ月間連続運転しても、共沸精留塔底部のリボイラーには明確なスケール形成を確認できなかった。
比較例1
共沸精留塔の底部から材料を抜き出さず、かつ水洗操作をしなかったこと以外は、実施例2と同様に操作した。その結果、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素の含量は次第に増えて、1ヶ月後に共沸精留塔の底部にある材料の重質炭化水素の含量は30質量%程度になり、共沸精留塔底部のリボイラーにはスケール形成があり深刻だった。リボイラーにスケールが形成されると、リボイラーの伝熱性が悪くなり、酢酸sec−ブチルと水との共沸物が塔頂まで来なくなり、分離の効果が悪くなった。
実施例3
酢酸sec−ブチルを製造する工程において、反応後の混合物より未反応のC4および軽質成分を除去してから、水と混合し、水を共沸剤とし、酢酸と酢酸sec−ブチルを共沸分離した。共沸精留塔の底部は重質炭化水素を多く含む領域であった。図2に示すように、共沸精留塔の底部から材料を抜き出して水を張っている水洗塔の下部に、材料の質量流量100Kg/hrで導入した。水洗塔中の水が静置して動かない、すなわち水の質量流量と材料の質量流量の比は0であった。材料を塔内に流し込み、水と材料とを充分に接触させ、重質炭化水素を水洗塔の頂部から排出した。その間、重質炭化水素中の酸含量が0.5%を超える場合に、水洗塔の水を系に注入し、水洗塔に水を補充した。
以上の操作により、反応で生成した重質炭化水素および系に累積した重質炭化水素を適時に排出できて、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素を1〜5質量%程度に制御できて、共沸精留塔底部のリボイラーのスケール形成を減少し、プラント装置は80日間連続運転しても、共沸精留塔底部のリボイラーには明確なスケール形成を確認できなかった。
実施例4
図1に示すように、酢酸sec−ブチル52.28質量%、酢酸43.22質量%、炭化水素類及びその他の物質4.5質量%からなる混合物を共沸精留塔に仕込み、同時に酢酸sec−ブチル/水=4/1(質量%)の比で共沸精留塔に共沸剤とする水を加えた。共沸精留塔の塔底温度が120℃、塔頂温度が85.5℃、共沸精留後得た塔頂留出物の組成は、酢酸sec−ブチル94.613質量%、酢酸0.007質量%、水0.98質量%、炭化水素類及びその他の物質4.4質量%であった。この塔頂留出物はさらに精製を行ってもよい。
共沸精留塔の下部側線から抜き出した留分の組成は、酢酸sec−ブチル7.28質量%、酢酸89.3質量%、水0.42質量%、炭化水素類及びその他の物質3質量%であった。側線から抜き出した留分を反応系に循環した。
共沸精留塔の底部の材料を水洗塔の下部に質量流量100Kg/hrで導入した。水は水洗塔の上部に質量流量800Kg/hrで注入した(水の質量流量と塔底の材料の質量流量の比は8)。水と塔底の材料とは逆方向で接触させ、重質炭化水素を水洗塔の頂部から排出し、水層を水洗塔の下部から排出して改めて共沸精留塔の仕込み口に注入した。水洗操作により、反応で生成した重質炭化水素および系に累積した重質炭化水素を適時に排出できて、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素を1〜5質量%程度に制御できて、装置は1ヶ月間連続運転しても、共沸精留塔底部のリボイラーには明確なスケール形成を確認できなかった。
比較例2
共沸精留塔の底部から材料を抜き出さず、かつ水洗操作をしていない以外実施例1と同じ反応混合物、同じ共沸精留条件で操作した。その結果、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素の含量が次第に増えて、1ヶ月後に共沸精留塔の底部にある重質炭化水素の含量は30質量%程度になり、共沸精留塔底部のリボイラーにはスケール形成があり深刻だった。リボイラーにスケールが形成されると、リボイラーの伝熱性が悪くなり、酢酸sec−ブチルと水との共沸物が塔頂まで来なくなり、分離の効果が悪くなり、エネルギーロスが大きかった。
実施例5
酢酸sec−ブチル56.26質量%、酢酸40.24質量%、炭化水素類及びその他の物質3.5質量%からなる混合物を共沸精留塔に仕込み、同時に酢酸sec−ブチル/水=4/1(質量%)の比で共沸精留塔に共沸剤とする水を加えた。共沸精留塔の塔底温度が105℃、塔頂温度が78.1℃、共沸精留後得た塔頂留出物の組成は、酢酸sec−ブチル95.99質量%、酢酸0.01質量%、水0.9質量%、炭化水素類及びその他の物質3.1質量%であった。この塔頂留出物はさらに精製を行ってもよい。
共沸精留塔の下部側線から抜き出した留分の組成は、酢酸sec−ブチル8.32質量%、酢酸88.17質量%、水0.51質量%、炭化水素類及びその他の物質3質量%であった。側線から抜き出した留分を反応系に循環した。
共沸精留塔の底部の材料を水洗塔の下部に質量流量100Kg/hrで導入した。水は水洗塔の上部に質量流量500Kg/hrで注入した(水の質量流量と塔底の材料の質量流量の比は5)。その他の工程は実施例1と同様に行った。水洗操作により、反応で生成した重質炭化水素および系に累積した重質炭化水素を適時に排出できて、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素を1〜5質量%程度に制御できて、装置は6ヶ月間連続運転しても、共沸精留塔底部のリボイラーには明確なスケール形成を確認できなかった。
実施例6
酢酸sec−ブチル52.79質量%、酢酸42.71質量%、炭化水素類及びその他の物質4.5質量%からなる混合物を共沸精留塔に仕込み、同時に酢酸sec−ブチル/水=4/1(質量%)の比で共沸精留塔に共沸剤とする水を加えた。共沸精留塔の塔底温度が128℃、塔頂温度が86.5℃、共沸精留後得た塔頂留出物の組成は、酢酸sec−ブチル95.94質量%、酢酸0.01質量%、水1質量%、炭化水素類及びその他の物質3.05質量%であった。この塔頂留出物はさらに精製を行ってもよい。
共沸精留塔の下部側線から抜き出した留分の組成は、酢酸sec−ブチル13.68質量%、酢酸77.61質量%、水4.5質量%、炭化水素類及びその他の物質4.21質量%であった。側線から抜き出した留分を反応系に循環した。
共沸精留塔の底部の材料を水洗塔の下部に質量流量100Kg/hrで導入した。水は水洗塔の上部に質量流量1000Kg/hrで注入した(水の質量流量と塔底の材料の質量流量の比は10)。その他の工程は実施例1と同様に行った。水洗操作により、反応で生成した重質炭化水素および系に累積した重質炭化水素を適時に排出できて、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素を1〜5質量%程度に制御できて、装置は20日間連続運転しても、共沸精留塔底部のリボイラーには明確なスケール形成を確認できなかった。
実施例7
酢酸sec−ブチル52.53質量%、酢酸42.75質量%、炭化水素類及びその他の物質4.72質量%からなる混合物を共沸精留塔に仕込み、同時に酢酸sec−ブチル/水=4/1(質量%)の比で共沸精留塔に共沸剤とする水を加えた。共沸精留塔の塔底温度が125℃、塔頂温度が89.5℃、共沸精留後得た塔頂留出物の組成は、酢酸sec−ブチル95.09質量%、酢酸0.01質量%、水0.9質量%、炭化水素類及びその他の物質4質量%であった。この塔頂留出物はさらに精製を行ってもよい。
共沸精留塔の下部側線から抜き出した留分の組成は、酢酸sec−ブチル14.7質量%、酢酸80.2質量%、水0.9質量%、炭化水素類及びその他の物質4.2質量%であった。側線から抜き出した留分を反応系に循環した。
共沸精留塔の底部の材料を水洗塔の下部に質量流量100Kg/hrで導入した。共沸精留塔中の水が静置して動かない、すなわち水の質量流量と材料の質量流量の比は0であった。重質炭化水素中の酸含量が1%を超えると、水洗塔の水を共沸精留塔に注入し、かつ水洗塔に水を補充した。その他の工程は実施例1と同様に行った。水洗操作により、反応で生成した重質炭化水素および系に累積した重質炭化水素を適時に排出できて、共沸精留塔の底部にある重質炭化水素を1〜5質量%程度に制御できて、装置は80日間連続運転しても、共沸精留塔底部のリボイラーには明確なスケール形成を確認できなかった。

Claims (9)

  1. 酢酸とブテンまたはC4混合物との反応により酢酸sec−ブチルを製造する方法において、原料のブテンまたはC4混合物が重合して重質炭化水素を形成し、共沸分離過程において共沸精留塔の底部に形成される重質炭化水素を多く含む領域から材料を抜き出し、該材料を水と充分に接触させ、該材料中の重質炭化水素と水が自然に分層化し、上層の重質炭化水素層を排出し、下層の水層を共沸精留塔に改めて再注入することを特徴とする酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
  2. 前記重質炭化水素を多く含む領域から抜き出した材料が水と充分に接触する過程において、水の質量流量と材料の質量流量の比が0〜20の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
  3. 前記重質炭化水素を多く含む領域から抜き出した材料が水と充分に接触する過程において、水の質量流量と材料の質量流量の比が0〜10の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
  4. 前記共沸分離過程は、酢酸sec−ブチル、酢酸及び重質炭化水素を含有する混合物を共沸精留塔に仕込み、共沸剤を加えて共沸精留を行い、酢酸sec−ブチルと共沸剤からなる共沸物を共沸精留塔の塔頂から留出し、酢酸と重質炭化水素を塔の底部に移動させる工程を含んでなり、前記重質炭化水素を多く含む領域から抜き出した材料は共沸精留塔の下部側線から酢酸を抜き出して残った物質であり、前記共沸剤は酢酸sec−ブチルと共沸物を形成できて、かつ該共沸点は酢酸の沸点との差が10℃以上の物質であることを特徴とする請求項に記載の酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
  5. 前記共沸剤が水であることを特徴とする請求項に記載の酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
  6. 前記共沸精留塔の底部温度を100〜130℃の範囲に制御し、共沸精留塔の頂部温度を75〜100℃の範囲に制御することを特徴とする請求項に記載の酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
  7. 前記共沸精留塔の底部温度を105〜125℃の範囲に制御し、共沸精留塔の頂部温度を78〜90℃の範囲に制御することを特徴とする請求項に記載の酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
  8. 前記共沸精留塔の下部側線から抜き出した酢酸を酢酸sec−ブチルを製造する反応系に循環することを特徴とする請求項に記載の酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
  9. 前記共沸精留塔の下部側線から抜き出した酢酸を酢酸sec−ブチルを製造する反応系に循環することを特徴とする請求項に記載の酢酸sec−ブチル製造反応生成物中の重質炭化水素を除去する方法。
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