JP5193113B2 - Mtf測定装置およびmtf測定プログラム - Google Patents

Mtf測定装置およびmtf測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置およびMTF測定プログラムに関する。
従来、撮像系(デジタルカメラ)品質評価を行うため、空間周波数特性を表すMTF(Modulation Transfer Function)をその指標として用いる手法が知られている。このMTFは、撮像対象である被写体の持つコントラストをどの程度忠実に再現できるかを空間周波数特性として表現したものである。
このMTFの測定法としては、MTF測定用のチャートに記載された傾きを有するエッジ画像を用いる方法(Slanted-edge法;非特許文献1、特許文献1参照)や、正弦波を円周上に配置したMTF測定用のチャート(Modulated Siemens Starチャート)を用いる方法(Modulate Siemens Star法;非特許文献2参照)が知られている。
このSlanted-edge法は、まず、垂直(または水平)方向から数度傾いた境界が直線となる白黒パタンを撮影した測定対象部分の画像(ROI:Region Of Interest)において、エッジの傾きと同じ角度で水平(または垂直)軸に画素値を投影し、エッジプロファイルを求める。そして、Slanted-edge法は、エッジプロファイルを微分することで、線広がり関数(LSF:Line1 Spread Function)を求め、そのLSFをフーリエ変換することでMTFを求める。例えば、Slanted-edge法は、MTF測定用のチャート内において、図10(a)の(a−1)に示した傾きを有するエッジが水平方向に存在するROI画像を用いることで、MTFとして垂直周波数特性を求め、図10(a)の(a−2)に示した傾きを有するエッジが垂直方向に存在するROI画像を用いることで、MTFとして水平周波数特性を求めている。
また、Modulated Siemens Star法は、例えば、図10(b)のMTF測定用のチャートに示したように、異なる空間周波数の正弦波が円周上に配置されており、半径に対応した空間周波数の正弦波の変調度を求めている。このように、Modulated Siemens Star法は、円周上の正弦波によりMTFを求めるため、水平方向および垂直方向以外に任意の方向のMTFを測定することができる。
特許第4092853号公報
ISO 12233:2000,"Photography−Electronic Still-picture Cameras−Resolution Measurements" C. Loebich, D. Wueller, B. Klingen, A. Jaeger,"Digital camera resolution measurement using sinusoidal Siemens stars", Proc. SPIE, 6502, 65020N(2007)
従来のSlanted-edge法は、エッジ画像により、水平方向または垂直方向のMTFを求めることはできるが、任意の方向のMTFを測定することができないという問題がある。
これに対し、従来のModulated Siemens Star法は、水平方向および垂直方向以外に斜め方向等の任意の方向のMTFを求めることができる。しかし、Modulated Siemens Star法は、複雑なレイアウトと濃淡のついたチャートを利用するため、チャートの作成が困難で、チャート自体の階調精度の影響を受けやすく、Slanted-edge法のROIと比較して、解析に必要な面積が広いのでMTFの測定が照明の不均一性の影響を受けやすいという問題がある。
また、Modulated Siemens Star法は、使用するMTF測定用チャートの画像中心と周辺とで周波数が異なるため、MTFの測定がチャートサイズにより測定できる空間周波数範囲が限定されるという問題がある。
本発明は、ジーメンススターのような中心から放射状に予め定めた等分割角でコントラストが異なる色のパタンを有するチャートを用いて、チャートサイズによる制約が比較的小さい状態で当該角度に応じた予め定めた任意の方向のMTFを測定することが可能なMTF測定装置およびMTF測定プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載のMTF測定装置は、チャート面の所定位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを含むチャートを用いて、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置であって、チャート画像記憶手段と、画像位置特定手段と、画像抽出手段と、演算手段と、を備える構成とした。
かかる構成において、MTF測定装置は、チャート画像記憶手段に、被測定対象となる撮像系により所定角度回転して撮像されたチャートの撮像画像であるチャート画像を記憶する。このチャートは、ジーメンススターあるいはフランジバック調整用パタンのような中心から放射状に等分割角でコントラストの異なる色(例えば、黒白)で配色したパタンからなるチャートである。また、所定角度とは、Slanted-edge法で多様な位相を測定することが可能な角度として予め定められた角度であって、例えば、1°〜数度程度である。なお、チャート画像は、一般的な画像のように正方形の画素の行列であってもよいし、ベイヤ配列のようにモザイク状の配列や、ハニカム構造その他、任意の配列であってもよい。また、チャート画像の各画素値とその座標の並びは、画素値と座標の対応が取れている限り、任意でよい。
そして、MTF測定装置は、画像位置特定手段によって、チャート画像内の中心位置とチャート画像内の水平方向または垂直方向においてコントラストが異なる放射領域間に跨った測定対象の基準となる基準測定対象画像の領域とに基づいて、中心位置を基準に、基準測定対象画像を等分割角ごとに回転した画像領域となる角度別測定対象画像の領域を特定する。
その後、MTF測定装置は、画像抽出手段によって、基準測定対象画像および角度別測定対象画像をチャート画像記憶手段から抽出し、角度別測定対象画像を、基準測定対象画像からの回転角に応じて、当該基準測定対象画像の位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像を生成する。これによって、すべての回転測定対象画像は、基準測定対象画像と略同一形状、同一向きとなり、以降のMTFを同一の処理で算出することが可能になる。
そして、MTF測定装置は、演算手段によって、等分割角ごとの回転測定対象画像および基準測定対象画像の各測定対象画像についてMTFを算出する。これによって、等分割角ごとの各方向に対応したMTFが測定されることになる。
また、請求項2に記載のMTF測定装置は、チャート面の所定位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを含むチャートを用いて、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置であって、チャート画像記憶手段と、チャート中心取得手段と、基準画像領域情報取得手段と、相対位置判定手段と、角度別画像領域特定手段と、測定対象画像抽出手段と、測定対象画像回転手段と、MTF算出手段と、を備える構成とした。
かかる構成において、MTF測定装置は、チャート画像記憶手段に、被測定対象となる撮像系により所定角度回転して撮像されたチャートの撮像画像であるチャート画像を記憶する。
そして、MTF測定装置は、チャート中心取得手段によって、チャート画像内の放射領域の放射中心である中心位置を取得する。なお、この中心位置は、チャート画像を表示装置に表示させ、操作者によって指示されることで取得することとしてもよいし、画像処理により放射領域の境界から複数の直線を検出し、その交点を求めることで取得することとしてもよい。
さらに、MTF測定装置は、基準画像領域情報取得手段によって、チャート画像内の水平方向または垂直方向においてコントラストが異なる放射領域間に跨った領域を指定されることで、測定対象の基準となる基準測定対象画像の領域を示す領域情報を取得する。この基準測定対象画像は、放射領域間に跨った領域であるため、コントラスト差による放射領域の境界となるエッジを含んでいる。なお、この領域の指定は、チャート中心取得手段と同様、チャート画像を表示装置に表示させ、操作者によって指示されることで取得することができる。
そして、MTF測定装置は、相対位置判定手段によって、基準画像領域情報取得手段で取得した基準測定対象画像の領域情報と、チャート中心取得手段で取得した中心位置とに基づいて、基準測定対象画像の中心位置に対する相対位置を判定する。
そして、MTF測定装置は、角度別画像領域特定手段によって、相対位置判定手段で判定した相対位置と基準画像領域情報取得手段で取得した基準測定対象画像の領域情報とに基づいて、チャート画像において、中心位置を基準に、基準測定対象画像を等分割角ごとに回転した画像領域となる角度別測定対象画像の領域を特定する。これによって、1箇所の基準測定対象画像の領域を指定されることで、等分割角ごとに対応する角度別測定対象画像の領域を特定することができる。
その後、MTF測定装置は、測定対象画像抽出手段によって、基準測定対象画像および角度別測定対象画像をチャート画像記憶手段から抽出して読み出す。
さらに、MTF測定装置は、測定対象画像回転手段によって、測定対象画像抽出手段で抽出した角度別測定対象画像を、中心位置を基準に、基準測定対象画像からの回転角に応じて、当該基準測定対象画像の位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像を生成する。これによって、すべての回転測定対象画像は、基準測定対象画像と略同一形状、同一向きとなり、以降のMTFを同一の処理で算出することが可能になる。
そして、MTF測定装置は、MTF算出手段によって、測定対象画像回転手段で生成した等分割角ごとの回転測定対象画像および基準測定対象画像の各測定対象画像についてMTFを算出する。これによって、等分割角ごとの各方向に対応したMTFが測定されることになる。
さらに、請求項3に記載のMTF測定プログラムは、チャート面の所定位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを含むチャートを被測定対象となる撮像系により所定角度回転して撮像し、チャート画像記憶手段に記憶されたチャート画像から、前記撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するために、コンピュータを、画像位置特定手段、画像抽出手段、演算手段、として機能させる構成とした。
かかる構成において、MTF測定プログラムは、画像位置特定手段によって、チャート画像内の中心位置とチャート画像内の水平方向または垂直方向においてコントラストが異なる放射領域間に跨った測定対象の基準となる基準測定対象画像の領域とに基づいて、中心位置を基準に、基準測定対象画像を等分割角ごとに回転した画像領域となる角度別測定対象画像の領域を特定する。
その後、MTF測定プログラムは、画像抽出手段によって、基準測定対象画像および角度別測定対象画像をチャート画像記憶手段から抽出し、角度別測定対象画像を、基準測定対象画像からの回転角に応じて、当該基準測定対象画像の位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像を生成する。これによって、すべての回転測定対象画像は、基準測定対象画像と略同一形状、同一向きとなり、以降のMTFを同一の処理で算出することが可能になる。
そして、MTF測定プログラムは、演算手段によって、等分割角ごとの回転測定対象画像および基準測定対象画像の各測定対象画像についてMTFを算出する。これによって、等分割角ごとの各方向に対応したMTFが測定されることになる。
また、請求項4に記載のMTF測定プログラムは、チャート面の所定位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを含むチャートを被測定対象となる撮像系により所定角度回転して撮像し、チャート画像記憶手段に記憶されたチャート画像から、前記撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するために、コンピュータを、チャート中心取得手段、基準画像領域情報取得手段、相対位置判定手段、角度別画像領域特定手段、測定対象画像抽出手段、測定対象画像回転手段、MTF算出手段、として機能させる構成とした。
かかる構成において、MTF測定プログラムは、チャート中心取得手段によって、チャート画像内の放射領域の放射中心である中心位置を取得する。なお、この中心位置は、チャート画像を表示装置に表示させ、操作者によって指示されることで取得することとしてもよいし、画像処理により放射領域の境界から複数の直線を検出し、その交点を求めることで取得することとしてもよい。
また、MTF測定プログラムは、基準画像領域情報取得手段によって、チャート画像内の水平方向または垂直方向においてコントラストが異なる放射領域間に跨った領域を指定されることで、測定対象の基準となる基準測定対象画像の領域の位置を示す領域情報を取得する。
そして、MTF測定プログラムは、相対位置判定手段によって、基準画像領域情報取得手段で取得した基準測定対象画像の領域情報と、チャート中心取得手段で取得した中心位置とに基づいて、基準測定対象画像の中心位置に対する相対位置を判定する。
そして、MTF測定プログラムは、角度別画像位置特定手段によって、相対位置判定手段で判定した相対位置と基準画像領域情報取得手段で取得した基準測定対象画像の領域情報とに基づいて、チャート画像において、中心位置を基準に、基準測定対象画像を等分割角ごとに回転した画像領域となる角度別測定対象画像の領域を特定する。これによって、1箇所の基準測定対象画像の領域を指定されることで、等分割角ごとに対応する角度別測定対象画像の領域を特定することができる。
その後、MTF測定プログラムは、測定対象画像抽出手段によって、基準測定対象画像および角度別測定対象画像をチャート画像記憶手段から抽出して読み出す。
さらに、MTF測定プログラムは、測定対象画像回転手段によって、測定対象画像抽出手段で抽出した角度別測定対象画像を、中心位置を基準に、基準測定対象画像からの回転角に応じて、当該基準測定対象画像の位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像を生成する。
そして、MTF測定プログラムは、MTF算出手段によって、測定対象画像回転手段で生成した等分割角ごとの回転測定対象画像および基準測定対象画像の各測定対象画像についてMTFを算出する。これによって、等分割角ごとの各方向に対応したMTFが測定されることになる。
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
本発明によれば、チャート面を放射状に等分割角でコントラストの異なる放射領域に区分した簡易な構成のチャートを用いて、水平方向または垂直方向以外にも、等分割角に応じた角度方向のMTFを測定することができる。また、本発明によれば、レイアウトが簡易なチャートを用いるため、従来のような複雑なレイアウトと濃淡のついたチャートを利用する場合に比べ、チャートのサイズや照明の影響を抑えて、MTFを測定することができる。
本発明の実施形態に係るMTF測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態で用いるMTF測定用チャートのパタン例を示す図であって、(a)は分割角が10°、(b)は分割角が15°、(c)は分割角が30°、(d)は分割角が45°のチャートである。 MTF測定用チャートと当該MTF測定用チャートを撮像したチャート画像との関係を説明するための説明図である。 チャート画像上の中心位置および基準測定対象画像(基準ROI)の位置を説明するための説明図である。 チャート画像上の水平方向、垂直方向および斜め方向の測定対象画像の位置を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係るMTF測定装置におけるエッジプロファイルの生成手法を説明するための説明図であって、(a)は回転角が0°の場合、(b)は回転角が0°以外の場合の例を示す図である。 本発明の実施形態に係るMTF測定装置のグラフ生成手段が生成するグラフ図の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るMTF測定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るMTF測定装置が用いるMTF測定用チャートの他のパタン図であって、(a)は放射領域をグレーのコントラストが異なる色で配色したチャート、(b)は放射領域を黒白の領域とコントラストが異なるグレーの領域とに区分したチャートである。 従来のMTF測定用チャートのパタン図であって、(a)はSlanted-edge法で用いられるチャートの一部、(b)はModulated Siemens Starチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[MTF測定装置の構成]
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係るMTF測定装置の構成について説明する。このMTF測定装置1は、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するものである。ここでは、MTF測定装置1は、チャート画像記憶手段10と、画像位置特定手段11と、画像抽出手段12と、演算手段13と、グラフ生成手段14と、を備えている。なお、ここでは、MTF測定装置1は、被測定対象の撮像系(レンズ、カメラ等)2と、MTF測定装置1を操作するユーザインタフェースを提供する表示装置3とを接続しているものとする。
チャート画像記憶手段10は、被測定対象の撮像系(レンズ、カメラ等)2で、MTF測定用チャートCHを撮像した画像(チャート画像)を記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。
ここで、図2および図3を参照(適宜図1参照)して、MTF測定用チャートおよび当該チャートを撮像したチャート画像について説明する。
図2に示すように、MTF測定用チャートCHは、チャート面の所定位置を中心位置として、当該中心位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを有している。例えば、図2(a)のMTF測定用チャートCHは分割角が10°、図2(b)のMTF測定用チャートCHは分割角が15°、図2(c)のMTF測定用チャートCHは分割角が30°、図2(d)のMTF測定用チャートCHは分割角が45°でそれぞれ黒白の放射領域を有するパタン例を示している。
MTF測定装置1は、このようにパタン構成されたMTF測定用チャートCHを用いて、当該チャートを撮像した画像でMTFを測定する際に、各分割角で区分されたコントラストの異なる領域に跨った領域において、その分割角の向きに応じた周波数特性を測定する。よって、周波数特性を測定したい角度に応じて、適宜、どのMTF測定用チャートCHを用いるかを決めればよい。本実施の形態においては、分割角30°のMTF測定用チャートCH(CH)を用いてMTFを測定する例について説明することとする。
図3に示すように、チャート画像記憶手段10に記憶されるチャート画像は、MTF測定用チャートCH(図2参照)の水平または垂直の境界が、被測定対象となる撮像系2により所定角度回転して撮像された画像である。この回転角度θは、Slanted-edge法で多様な位相を測定することが可能な角度として予め定められた角度であって、例えば、1°〜数度程度である。なお、このチャート画像IMGCHは、MTF測定用チャートCHを測定時に壁面に添付する際に予め角度θ分回転させて撮像したものであってもよいし、撮像系2を角度θ分回転させて撮像したものであってもよい。あるいは、チャート画像IMGCHは、チャートそのものが、予め角度θ分回転させて配色されたものであってもよい。
なお、チャート画像は、一般的な画像のように正方形の画素の行列であってもよいし、ベイヤ配列のようにモザイク状の配列や、ハニカム構造その他、任意の配列であってもよい。また、チャート画像の各画素値とその座標の並びは、画素値と座標の対応が取れている限り、任意でよい。
また、後記する画像位置特定手段11、画像抽出手段12(図1参照)において、チャート画像を解析するために、撮像系の画素構造が正方配列の場合は、画素中心の位置について画素幅を単位とした座標を用いて解析を行うこととする。一方、正方配列でない場合は、操作者が座標を与える必要があるが、それぞれの画素中心の相対位置が分かればよいので、座標単位は任意とすることができる。例えば、すべての画素が同じサイズの正方形であれば、その画素幅を座標単位とすればよいし、正方形でなければ、センサの代表的な画素間の物理サイズを座標単位としてもよい。
図1に戻って、MTF測定装置1の構成について説明を続ける。
画像位置特定手段11は、MTF測定用チャートCHを撮像したチャート画像から、MTF測定を行う測定対象部分の画像(ROI:Region Of Interest)の位置を特定するものである。ここでは、画像位置特定手段11は、チャート中心取得手段111と、基準ROI領域情報取得手段112と、相対位置判定手段113と、角度別ROI領域特定手段114と、を備えている。
チャート中心取得手段111は、チャート画像記憶手段10に記憶されているチャート画像において、放射線状の境界の中心位置(中心座標)を取得するものである。このチャート中心取得手段111は、表示装置3上に図4に示したチャート画像IMGCHを表示し、例えば、タッチペン31等のポインティングデバイス(入力手段)によって、操作者がチャート画像IMGCHの中心を指定することで、チャート画像IMGCHの中心位置(中心座標)Oを取得する。なお、このチャート中心取得手段111は、チャート画像において、エッジ検出により等分割角で区分された放射領域の境界である複数の直線を抽出し、この直線の交点によって中心座標を求めることとしてもよい。
ここで、チャート中心取得手段111は、中心位置を設定された場合、当該中心位置がチャート画像の中心座標(0,0)となるように、座標系を設定し、チャート画像の各画素の座標をシフトすることとする。なお、チャート画像の中心座標が既知の場合には、他のチャート画像を入力するときの座標を、その中心が中心座標(0,0)になるように入力することで、次のチャート画像の中心位置の取得を省略することもできる。
このチャート中心取得手段111は、取得した中心位置(中心座標)を相対位置判定手段113および角度別ROI領域特定手段114に出力する。
基準ROI領域情報取得手段(基準画像領域情報取得手段)112は、チャート画像において水平または垂直のコントラストが異なる放射領域間に跨った矩形領域を指定されることで、測定対象の基準となる基準測定対象画像(基準ROI)の領域を示す領域情報を取得するものである。この基準ROI領域情報取得手段112は、表示装置3上に表示された図4に示したチャート画像IMGCHで、例えば、タッチペン31等のポインティングデバイスによって、操作者が矩形領域を指定することで、基準となる測定対象画像である基準ROIの位置および大きさを領域情報として取得する。なお、図4において、放射領域が隣接している垂直境界上で、かつ、中心位置よりも上側の領域を基準ROI(R)として指定した例を示しているが、中心位置よりも下側の領域を指定してもよい。あるいは、放射領域が隣接している水平境界上で、かつ、中心位置よりも右側、あるいは、左側の領域を指定してもよい。
この基準ROI領域情報取得手段112は、基準ROIの領域情報(座標値)を、相対位置判定手段113に出力する。
相対位置判定手段113は、基準ROI領域情報取得手段112で取得した基準ROIの領域情報と、チャート中心取得手段111で取得した中心位置とに基づいて、基準ROIの中心位置に対する相対位置を判定するものである。すなわち、相対位置判定手段113は、基準ROIが、中心位置(中心座標)に対して、どの方向(上下左右)に存在する画像であるのかを判定する。この相対位置判定手段113は、判定結果を角度別ROI領域特定手段114に出力する。
角度別ROI領域特定手段(角度別画像領域特定手段)114は、チャート画像の中心位置を中心として、チャート画像を区分する放射領域の中心角である予め定めた等分割角ごとに、基準ROIを回転した画像領域(角度別画像領域;角度別ROI)を特定するものである。
この角度別ROI領域特定手段114は、相対位置判定手段113で判定した相対位置に基づいて、基準ROIの位置と回転方向(およびその角度)を特定する。
例えば、図5に示すように、チャート画像IMGCHの垂直境界上の中心Oよりも上側で基準ROI(ここでは、R)が選択された場合、角度別ROI領域特定手段114は、基準ROI(R)を、中心Oを基準に、時計回りに30°,60°,90°,〜,330°と、分割角である30°ごとに回転した位置でR,R,R,〜,R12(角度別ROI)を特定する。また、大きさについては、基準ROIを回転したものであるため、角度別ROI(R〜R14)は、方向の違いはあるが、基準ROI(R)と略同じ大きさである。
このように、角度別ROI領域特定手段114は、基準ROIの領域をチャート画像の放射領域の等分割角で回転させて角度別ROIの領域を特定するため、各角度別ROIは、その領域内に放射領域間のコントラストが異なるエッジが含まれていることになる。
なお、角度別ROI領域特定手段114は、特定した角度別ROI(基準ROIを含む)の領域情報(座標値)を画像抽出手段12に出力する。
画像抽出手段12は、画像位置特定手段11で特定された各角度別のROIの画像を、チャート画像から抽出するものである。ここでは、画像抽出手段12は、ROI抽出手段121と、ROI回転手段122と、を備えている。
ROI抽出手段(測定対象画像抽出手段)121は、画像位置特定手段11で特定された各角度別ROI(基準ROIを含む)の画像(画素値)を、チャート画像記憶手段10から抽出して読み出すものである。ROI抽出手段121は、抽出した画像(角度別ROI)を図示を省略したメモリに記憶し、ROI回転手段122に通知する。
ROI回転手段(測定対象画像回転手段)122は、ROI抽出手段121で抽出した角度別ROIを、中心位置を基準に、基準ROI(基準測定対象画像)からの回転角に応じて座標変換を行うことで、当該基準ROIの位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像(回転角度別ROI)を生成するものである。
このROI回転手段122は、各角度別ROIの画素値の座標値(なお、この座標系は任意でよい)を、極座標系に変換し、回転角に応じて回転させた後、デカルト座標系(xy座標値)に変換することで、各角度別ROIの回転後の座標と対応する画素値を求めることができる。
以上説明したように、画像抽出手段12は、チャート画像から、基準ROIとともに、等分割角ごとの角度別ROIを基準ROIと同一の向き、略同一形状となる回転角度別ROIとして抽出することができる。この各方向のROI(角度別ROI、回転角度別ROI)は、画素構造(の傾き)は異なるが、略同じエッジ画像となる。また、各ROIのエッジは、撮像系のひずみがなく、中心が正しく選択されていれば、同じ傾きとなる。
演算手段13は、ROI(基準ROI、回転角度別ROI)から、空間周波数特性(MTF)を演算するものである。ここでは、演算手段13は、エッジプロファイル生成手段131と、トリミング手段132と、MTF算出手段133と、を備えている。
エッジプロファイル生成手段131は、各ROIのエッジの傾きを検出し、当該エッジの向きに応じたエッジプロファイルを生成するものである。例えば、エッジプロファイル生成手段131は、チャート画像における水平方向および垂直方向の軸を2軸とする座標系(xy座標系)において、ROI(基準ROI、回転角度別ROI)のxy座標値とその画素値とからエッジの傾きを求める。このエッジの傾きは、正規累積密度関数等によるフィッティングにより求めることができる。また、このフィッティングは、エッジの傾きを求めるためだけに行うだけで、画像に完全にフィッティングさせる必要はなく、また、任意の画素構造において行うことができる。
そして、エッジプロファイル生成手段131は、基準ROIが垂直方向にエッジを含んだ画像である場合(すなわち、図5のRまたはRを基準ROIとした場合)、ROI(基準ROI、回転角度別ROI)ごとに、エッジの傾きに沿って画素値を水平方向の軸(x軸)に投影し、平均化することでエッジプロファイルを生成する。なお、平均化する軸のビンのサイズは、画素よりも小さいサイズを用いることとする。例えば、1画素の1/4の幅をビンのサイズとする。そして、エッジプロファイル生成手段131は、生成した回転角ごとのROIのエッジプロファイルをトリミング手段132に出力する。
ここで、図6を参照(適宜図1参照)して、エッジプロファイルの生成手法について説明する。なお、ここでは、ROIとして、図5のR(回転角0°)とR(回転角60°)を例として説明を行うが、他のROIにおいても同様である。
図6(a)の(a−1)に示すように、回転角が0°である基準ROI(図5のR)のエッジプロファイルを生成する場合、エッジプロファイル生成手段131は、図6(a)の(a−2)に示すように、基準ROI内でエッジを検出し、そのエッジの傾きθに沿って、基準ROIの各画素値をx軸に投影し、x座標のビンごとに画素値を平均化する。
一方、図6(b)の(b−1)に示すように、回転角が0°以外のROI(ここでは60°方向の角度別ROI(図5のR))の場合、まず、ROI回転手段122が、角度別ROIを基準ROI相当の位置に回転させることで、図6(b)の(b−2)に示す回転角度別ROIを生成する。そして、エッジプロファイル生成手段131は、回転角度別ROI内でエッジeを検出し、そのエッジeの傾きθに沿って、回転角度別ROIの各画素値をx軸に投影し、x座標のビンごとに入った画素値の平均を得る。
これによって、エッジプロファイル生成手段131は、水平方向、垂直方向以外にも、任意の等分割角に対応した方向のエッジに対して、エッジプロファイルを生成することができる。
図1に戻って、MTF測定装置1の構成について説明を続ける。
トリミング手段132は、エッジプロファイル生成手段で生成した各ROI(測定対象画像)のエッジプロファイルの長さが同じになるように、最短のエッジプロファイルを基準として、各エッジプロファイルをトリミングするものである。例えば、最短のエッジプロファイルの長さ以下で8の倍数の最大値をnとすると、それより長いエッジプロファイルについては、n画素分を超過する両端のエッジプロファイルを削除し、同一の長さのエッジプロファイルを生成する。これによって、すべてのROI(測定対象画像)について、MTFを算出するためのエッジプロファイル長が同一となり、後記するMTF算出手段133において撮像系のナイキスト周波数を含み、同一の空間周波数ステップ幅でMTFが算出されることになる。
MTF算出手段133は、等分割角ごとの回転角度別ROI(回転測定対象画像)および基準ROI(基準測定対象画像)のROIごとに、MTFを算出するものである。このMTF算出手段133は、一般的なSlanted-edge法を用いて、エッジプロファイルから、MTFを算出する。すなわち、MTF算出手段133は、測定対象画像ごとに、エッジプロファイルに順次、窓をかけて微分することで線広がり関数(LSF)を求めた後、フーリエ変換を行うことでMTFを求める。
これによって、MTF算出手段133は、図5に示した各測定対象画像(R〜R12)において、R,Rについては白黒画像の水平周波数成分、R,R10については白黒画像の垂直周波数成分、それ以外のROIについては、それぞれの角度に対応した周波数成分等、各方向に応じたMTFを得ることができる。なお、MTF算出手段133は、算出したMTFをグラフ生成手段14に出力する。
以上説明したように、演算手段13は、画像抽出手段12によってチャート画像から抽出された測定対象画像から、予め定めたチャート画像の放射領域間における境界の方向に応じて、任意の方向のMTFを算出することができる。
グラフ生成手段14は、MTF算出手段で算出した空間周波数ごとのMTFをグラフ化するものである。
このグラフ生成手段14は、例えば、図7(a)に示すように、横軸に周波数、縦軸にMTFをとった座標上にMTF算出手段133で算出した空間周波数ごとのMTFをプロットすることで、視覚化可能なグラフを生成する。
あるいは、グラフ生成手段14は、図7(b)に示すように、チャート画像の放射領域と同じ等分割角ごと(例えば、0°、30°、60°、〜、300°、330°)の放射状の軸上に、MTF算出手段133で算出したMTFの値を、空間周波数ごとにプロットし、同一の空間周波数ごとに、軸上にプロットした点を連結することでレーダチャートを生成することとしてもよい。
なお、MTF算出手段133において、同一長のエッジプロファイルからMTFを算出し、同一の周波数についてそれぞれのMTFが算出されているため、例えば、図7(a)のグラフにおいては、同一周波数を基準にMTFの値を比較することができる。また、図7(b)においては、同一周波数を基準に軸上にプロットした点を連結するため、一目で同一周波数におけるMTFの性能の認識することができる。
このグラフ生成手段14で生成されたグラフは、例えば、表示装置3に出力され、操作者が撮像系2のMTFの解析結果を視認することができる。
このように、MTF測定装置1を構成することで、MTF測定装置1は、MTF測定用チャートCHを撮像したチャート画像から、チャート画像の等分割角に応じた方向のMTFを測定することができる。また、MTF測定装置1は、斜め方向の画像を基準ROI相当の画像に回転して処理するため、正確に斜め方向のMTFを測定することができる。
なお、このMTF測定装置1は、図示を省略したCPUやメモリを搭載した一般的なコンピュータで実現することができる。このとき、MTF測定装置1は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるMTF測定プログラムによって動作する。
[MTF測定装置の動作]
次に、図8を参照(構成については適宜図1参照)して、本発明の実施形態に係るMTF測定装置の動作について説明する。
まず、MTF測定装置1は、撮像系2によって、MTF測定用チャートCHを撮像し、撮像したチャート画像をチャート画像記憶手段10に記憶する(ステップS1)。
そして、MTF測定装置1は、画像位置特定手段11のチャート中心取得手段111によって、表示装置3上にチャート画像を表示し、操作者によって中心を指定されることで、チャート画像の中心位置(中心座標)を取得する(ステップS2)。
さらに、MTF測定装置1は、画像位置特定手段11の基準ROI領域情報取得手段112によって、表示装置3上に表示されたチャート画像において、操作者によって領域を指定されることで、基準となる測定対象画像である基準ROIの領域情報(位置および大きさ)を取得する(ステップS3)。なお、このステップS2およびS3の動作は、その順序を入れ替えて行ってもよい。
そして、MTF測定装置1は、相対位置判定手段113によって、ステップS2で取得したチャート画像の中心位置と、ステップS3で取得した基準ROIの領域情報とに基づいて、基準ROIの位置がチャート画像の中心位置に対して上、下、左または右のいずれの位置(相対位置)を指定されたのか判定する(ステップS4)。
そして、MTF測定装置1は、角度別ROI領域特定手段114によって、ステップS4で判定した相対位置に基づいて、ステップS2で取得した中心位置を中心として、チャート画像を区分する放射領域の中心角である予め定めた等分割角ごとに、基準ROIを回転した画像領域(角度別ROI)を特定する(ステップS5)。
その後、MTF測定装置1は、画像抽出手段12のROI抽出手段121によって、ステップS5で特定された角度別ROI(基準ROIを含む)の画像を、チャート画像記憶手段10に記憶されているチャート画像から抽出して読み出す(ステップS6)。
また、MTF測定装置1は、画像抽出手段12のROI回転手段122によって、ステップS6で読み出した角度別ROIを、中心位置を基準に、基準ROIからの回転角に応じて、当該基準ROIの位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像(回転角度別ROI)を生成する(ステップS7)。
そして、MTF測定装置1は、演算手段13のエッジプロファイル生成手段131によって、各ROIのエッジの傾きに応じて、水平または垂直の軸にROIの画素値を投影することで、エッジプロファイルを生成する(ステップS8)。
さらに、MTF測定装置1は、演算手段13のトリミング手段132によって、各ROI(測定対象画像)のエッジプロファイルの長さが同じになるように、最短のエッジプロファイルを基準として、各エッジプロファイルをトリミングする(ステップS9)。
その後、MTF測定装置1は、演算手段13のMTF算出手段133によって、ステップS9でトリミングされた各ROI(測定対象画像)のエッジプロファイルについて、線広がり関数(LSF)を求めた後、フーリエ変換を行うことでMTFを算出する(ステップS10)。
そして、MTF測定装置1は、グラフ生成手段14によって、ステップS10で算出したMTFを、周波数ごとにプロットしたグラフを生成し、表示装置3に出力する(ステップS11)。
以上の動作により、MTF測定装置1は、MTF測定用チャートCHを撮像したチャート画像から、等分割角の方向のMTFを一度に測定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、基準ROI領域情報取得手段112は、矩形領域を指定される際に、チャート画像とともに、矩形枠ならびにその中心を表示し、操作者が、その中心がエッジ上に重なるように矩形枠を移動させることで、基準ROIの位置を特定することとしてもよい。また、基準ROI領域情報取得手段112は、エッジを含んでいれば、その領域を必ずしも矩形領域とする必要はない。例えば、楕円、俵型、あるいは、任意の形状とすることができる。その場合、基準ROI領域情報取得手段112は、形状を特定するための情報を入力することとする。
また、ここでは、角度別ROI領域特定手段114において、等分割角すべての方向におけるROIを特定することとしたが、必ずしもすべての方向のROIを特定する必要はない。すなわち、測定対象の方向に応じて、例えば、チャート画像の中心位置を2次元座標の中心としたとき、第1象限の領域についてのみROIを特定する簡易な構成としてもよい。
また、ここでは、グラフ生成手段14が、各方向のMTFをグラフ化して表示装置3に出力することとしたが、演算手段13によって求められた各方向における周波数ごとのMTFを数値データとして、そのまま出力することとしてもよい。この場合、構成から、グラフ生成手段14を省略して構成することができる。
さらに、ここでは、図2に示したように、黒白の放射領域を有するパタンを有するMTF測定用チャートCHを例に説明を行ったが、当該チャートは、図9(a)に示すように、グレー色でコントラストの異なる2色を配色したチャート(MTF測定用チャートCH)であってもよい。このようなグレー色で配色したMTF測定用チャートCHを用いることで、MTF測定装置1は、例えば、MTFの被測定対象(例えば、カメラ)のダイナミックレンジが狭く、チャートの白い部分がオーバークリップしたり、黒い部分がアンダークリップしたりする場合であっても、被測定対象のMTFを測定することができる。
また、MTF測定用チャートは、図9(b)に示すように、図2に示したMTF測定用チャートCHにおいて、水平または垂直の境界の任意の1つに対して中心位置において所定角度(例えば、10°〜30°)を有する直線を境界として、コントラスト差の異なる色を配色してもよい。このようなMTF測定用チャートCHを用いることで、MTF測定装置1は、角度別の方向のMTFを測定するのみならず、被測定対象である撮像系のコントラスト差に基づくMTFの測定が可能になる。
なお、図9では、分割角が30°のチャートを例に示しているが、この角度は図2に示したように種々の角度であってもよい。
1 MTF測定装置
10 チャート画像記憶手段
11 画像位置特定手段
111 チャート中心取得手段
112 基準ROI領域情報取得手段(基準画像領域情報取得手段)
113 相対位置判定手段
114 角度別ROI領域特定手段(角度別画像領域特定手段)
12 画像抽出手段
121 ROI抽出手段(測定対象画像抽出手段)
122 ROI回転手段(測定対象画像回転手段)
13 演算手段
131 エッジプロファイル生成手段
132 トリミング手段
133 MTF算出手段
14 グラフ生成手段
2 撮像系
3 表示装置
CH MTF測定用チャート
IMGCH チャート画像

Claims (4)

  1. チャート面の所定位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを含むチャートを用いて、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置であって、
    被測定対象となる撮像系により所定角度回転して撮像された前記チャートの撮像画像であるチャート画像を記憶するチャート画像記憶手段と、
    前記チャート画像内の中心位置と前記チャート画像内の水平方向または垂直方向においてコントラストが異なる放射領域間に跨った測定対象の基準となる基準測定対象画像の領域とに基づいて、前記中心位置を基準に、前記基準測定対象画像を前記等分割角ごとに回転した画像領域となる角度別測定対象画像の領域を特定する画像位置特定手段と、
    前記基準測定対象画像および前記角度別測定対象画像を前記チャート画像記憶手段から抽出し、前記角度別測定対象画像を、前記基準測定対象画像からの回転角に応じて、当該基準測定対象画像の位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像を生成する画像抽出手段と、
    前記等分割角ごとの前記回転測定対象画像および前記基準測定対象画像の各測定対象画像について前記MTFを算出する演算手段と、
    を備えることを特徴とするMTF測定装置。
  2. チャート面の所定位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを含むチャートを用いて、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置であって、
    被測定対象となる撮像系により所定角度回転して撮像された前記チャートの撮像画像であるチャート画像を記憶するチャート画像記憶手段と、
    前記チャート画像内の前記放射領域の放射中心である中心位置を取得するチャート中心取得手段と、
    前記チャート画像内の水平方向または垂直方向においてコントラストが異なる放射領域間に跨った領域を指定されることで、測定対象の基準となる基準測定対象画像の領域を示す領域情報を取得する基準画像領域情報取得手段と、
    この基準画像領域情報取得手段で取得した基準測定対象画像の領域情報と、前記チャート中心取得手段で取得した中心位置とに基づいて、前記基準測定対象画像の前記中心位置に対する相対位置を判定する相対位置判定手段と、
    この相対位置判定手段で判定した相対位置と前記基準画像領域情報取得手段で取得した基準測定対象画像の領域情報とに基づいて、前記チャート画像において、前記中心位置を基準に、前記基準測定対象画像を前記等分割角ごとに回転した画像領域となる角度別測定対象画像の領域を特定する角度別画像領域特定手段と、
    前記基準測定対象画像および前記角度別測定対象画像を前記チャート画像記憶手段から抽出して読み出す測定対象画像抽出手段と、
    この測定対象画像抽出手段で抽出した角度別測定対象画像を、前記中心位置を基準に、前記基準測定対象画像からの回転角に応じて、当該基準測定対象画像の位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像を生成する測定対象画像回転手段と、
    この測定対象画像回転手段で生成した前記等分割角ごとの回転測定対象画像および前記基準測定対象画像の各測定対象画像について前記MTFを算出するMTF算出手段と、
    を備えることを特徴とするMTF測定装置。
  3. チャート面の所定位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを含むチャートを被測定対象となる撮像系により所定角度回転して撮像し、チャート画像記憶手段に記憶されたチャート画像から、前記撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するために、コンピュータを、
    前記チャート画像内の中心位置と前記チャート画像内の水平方向または垂直方向においてコントラストが異なる放射領域間に跨った測定対象の基準となる基準測定対象画像の領域とに基づいて、前記中心位置を基準に、前記基準測定対象画像を前記等分割角ごとに回転した画像領域となる角度別測定対象画像の領域を特定する画像位置特定手段、
    前記基準測定対象画像および前記角度別測定対象画像を前記チャート画像記憶手段から抽出し、前記角度別測定対象画像を、前記基準測定対象画像からの回転角に応じて、当該基準測定対象画像の位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像を生成する画像抽出手段、
    前記等分割角ごとの前記回転測定対象画像および前記基準測定対象画像の各測定対象画像について前記MTFを算出する演算手段、
    として機能させることを特徴とするMTF測定プログラム。
  4. チャート面の所定位置から予め定めた等分割角で放射状に区分された放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色したパタンを含むチャートを被測定対象となる撮像系により所定角度回転して撮像し、チャート画像記憶手段に記憶されたチャート画像から、前記撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するために、コンピュータを、
    前記チャート画像内の前記放射領域の放射中心である中心位置を取得するチャート中心取得手段、
    前記チャート画像内の水平方向または垂直方向においてコントラストが異なる放射領域間に跨った領域を指定されることで、測定対象の基準となる基準測定対象画像の領域の位置を示す領域情報を取得する基準画像領域情報取得手段、
    この基準画像領域情報取得手段で取得した基準測定対象画像の領域情報と、前記チャート中心取得手段で取得した中心位置とに基づいて、前記基準測定対象画像の前記中心位置に対する相対位置を判定する相対位置判定手段、
    この相対位置判定手段で判定した相対位置と前記基準画像領域情報取得手段で取得した基準測定対象画像の領域情報とに基づいて、前記チャート画像において、前記中心位置を基準に、前記基準測定対象画像を前記等分割角ごとに回転した画像領域となる角度別測定対象画像の領域を特定する角度別画像領域特定手段、
    前記基準測定対象画像および前記角度別測定対象画像を前記チャート画像記憶手段から抽出して読み出す測定対象画像抽出手段、
    この測定対象画像抽出手段で抽出した角度別測定対象画像を、前記中心位置を基準に、前記基準測定対象画像からの回転角に応じて、当該基準測定対象画像の位置に相当する位置に回転させた回転測定対象画像を生成する測定対象画像回転手段、
    この測定対象画像回転手段で生成した前記等分割角ごとの回転測定対象画像および前記基準測定対象画像の各測定対象画像について前記MTFを算出するMTF算出手段、
    として機能させることを特徴とするMTF測定プログラム。
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