JP5187003B2 - 成形性と耐疲労特性に優れた高張力鋼材およびその製造方法 - Google Patents

成形性と耐疲労特性に優れた高張力鋼材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トーションビーム、アスクルビーム、トレーリングアーム、サスペンションアーム等の自動車構造部材用として好適な高張力鋼材に係り、とくに成形性と耐疲労特性の向上に関する。なお、ここでいう「高張力鋼材」とは、引張強さ:590MPa以上の鋼材をいうものとする。また、ここでいう「鋼材」には、鋼管、鋼板等を含むものとする。
近年の地球環境の保全という観点から、自動車の燃費向上が強く求められている。そのため、自動車等の車体の徹底した軽量化が指向されている。自動車等の構造部材についても例外ではなく、軽量化と安全性との両立を図るために、一部の構造部材では、高強度化された電縫鋼管が採用されつつある。従来では、素材(電縫鋼管)を所定の形状に成形した後、焼入れ処理等の調質処理を施して、部材の高強度化が図られていた。しかし、調質処理を採用することは工程が複雑になり、部材の製造期間が長期化するうえ、部材製造コストの高騰を招くという問題がある。
このような問題に対し、例えば特許文献1には、自動車等の構造部材用超高張力電縫鋼管の製造方法が記載されている。特許文献1に記載された技術では、C、Si、Mn、P、S、Al、Nを適正量に調整したうえ、B:0.0003〜0.003%を含み、さらにMo、Ti、Nb、Vのうちの1種以上を含有する組成の鋼素材に、950℃以下Ar変態点以上で仕上圧延を終了し、250℃以下で巻取る熱間圧延を施し管用鋼帯とし、該管用鋼帯を造管して電縫鋼管としたのち、500〜650℃で時効処理を施す、電縫鋼管の製造方法である。この技術によれば、Bの変態組織強化とMo,Ti,Nb等の析出硬化により、調質処理を施すことなく、1000MPaを超える超高張力鋼管を得ることができるとしている。
また、特許文献2には、自動車のドアインパクトビーム用及びスタビライザー用として好適な、引張強さ:1470N/mm以上の高強度とかつ高延性を有する電縫鋼管の製造方法が記載されている。特許文献2に記載された技術では、C:0.18〜0.28%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.60〜1.80%を含み、P、Sを適正範囲に調整したうえ、Ti:0.020〜0.050%、B:0.0005〜0.0050%を含有し、さらにCr、MoおよびNbのうちの1種以上を含有する組成の素材鋼からなる鋼板を用いて製造した電縫鋼管に850〜950℃でノルマ処理を施し、さらに、焼入れ処理を施す、電縫鋼管の製造方法である。この技術によれば、1470N/mm以上の高強度と、10〜18%程度の延性を有する電縫鋼管が得られ、自動車のドアインパクトビーム用及びスタビライザー用として好適であるとしている。
特許第2588648号公報 特許第2814882号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術で製造された電縫鋼管は、伸びElが14%以下と低延性であるため成形性に劣り、プレス成形あるいはハイドロフォーム成形を伴うトーションビーム、アクスルビーム、トレーリングアーム、サスペンションアーム等の自動車構造部材用としては不適であるという問題があった。
一方、特許文献2に記載された技術で製造された電縫鋼管は、伸びElが高々18%であり、曲げ加工により成形されるスタビライザー用としては好適であるが、プレス成形あるいはハイドロフォーム成形を伴う部材用としては、延性が不足し、プレス成形あるいはハイドロフォーム成形を伴うトーションビーム、アクスルビーム等の自動車構造部材用としては不適であるという問題があった。また、特許文献2に記載された技術では、ノルマ処理および焼入れ処理を必要とし、工程が複雑であり、寸法精度、経済性という観点からも問題を残していた。
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、とくに、トーションビーム、アクスルビーム、トレーリングアーム、サスペンションアームなどの、自動車構造部材用として好適な、引張強さ:590MPa以上を有し、低温靭性、成形性、および断面成形加工後の耐疲労特性、とくに耐ねじり疲労特性に優れた高張力鋼材およびその製造方法を提供することを目的とする。
なお、本発明でいう、「優れた成形性」とは、JIS X 2248−1996の規定に準拠した曲げ試験で得られた限界曲げ内側半径rと肉厚tとの比、r/tが3.0以下である場合を言うものとする。
また、本発明でいう「断面成形加工後の優れた耐ねじり疲労特性」とは、図1(特開2001−321846号公報の図11)に示すように、鋼管の長手中央部分をV字形状に断面を成形加工したのち、両端部をチャッキングにより固定してねじり疲労試験を、1Hz、両振りの条件で行い5×10繰返し疲れ限度σを求め、得られた5×10繰返し疲れ限度σと鋼管引張強さTSとの比、(σ/TS)が0.45以上である場合をいうものとする。
また、本発明でいう「優れた低温靭性」とは、図1(特開2001‐321846号公報の図11)に示すように、試験材(鋼管)の長手中央部分をV字形状に断面を成形加工したままで、試験材の平坦部分より、管円周方向(C方向)が試験片長さとなるように展開し、JIS Z 2242の規定に準拠してVノッチ試験片(1/4サイズ)を切出し、シャルピー衝撃試験を実施した場合の破面遷移温度vTrsが、いずれも−50℃以下である場合をいうものとする。
本発明者らは、強度、低温靭性、成形性、断面成形加工後の耐ねじり疲労特性という相反する特性を高度なレベルで両立させた鋼材を安定して製造するために、これら特性に影響する各種要因、とくに鋼材の組成、製造条件について系統的な検討を鋭意実施した。その結果、Cと、炭化物形成元素Xとして少なくとも1種、好ましくはNbを含有する組成の鋼素材に、特定条件の熱履歴および加工を施し、炭化物形成元素Xの微細析出物量と固溶量との比を適正範囲に制御することにより、所定の高強度で、高い成形性、優れた低温靭性を有し、さらに断面成形後の耐ねじり疲労特性に優れた高強度鋼材が製造できることを知見した。
本発明は、上記したような知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、次の通りである。
)質量%で、C:0.03〜0.24%、Si:0.002〜0.95%、Mn:1.01〜1.99%、Al:0.01〜0.08%を含み、炭化物形成元素XとしてNb:0.001〜0.15%を含有し、さらにP、S、N、Oを、P:0.019%以下、S:0.010%以下、N:0.008%以下、O:0.003%以下に調整して含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、粒径20nm未満の析出物中のNb量Nbspと、固溶Nb量Nbsolとの比、Nbsp /Nbsolが0.80〜8.0である組織を有することを特徴とする成形性と耐疲労特性に優れた高張力鋼材。
)(1)において、前記組成に加えてさらに、炭化物形成元素Xとして、質量%で、V:0.001〜0.15%、Ti:0.001〜0.15%、Mo:0.001〜0.45%、W:0.001〜0.15%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とし、前記組織がさらに、Vを含有する場合は、粒径20nm未満の析出物中のV量Vspと固溶V量Vsol との比、Vsp /Vsolが0.20〜2.0であり、Tiを含有する場合は、粒径20nm未満の析出物中のTi量Tispと固溶Ti量Tisolとの比、Tisp /Tisolが0.8〜8.0であり、Moを含有する場合は、粒径20nm未満の析出物中のMo量Mospと固溶Mo量Mosolとの比、Mosp /Mosolが0.10〜1.0であり、Wを含有する場合は、粒径20nm未満の析出物中のW量Wspと固溶W量Wsolとの比、Wsp/Wsolが0.10〜1.0である組織とすることを特徴とする高張力鋼材。
)(または2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.001〜0.45%、Cu:0.001〜0.45%、Ni:0.001〜0.45%、B:0.0001〜0.0009%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高張力鋼材。
)()ないし()のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0001〜0.005%を含有する組成とすることを特徴とする高張力鋼材。
)()ないし()のいずれかにおいて、前記高張力鋼材が、管内外表面の算術平均粗さRaが2μm以下、最大高さ粗さRzが30μm以下、十点平均粗さRz JISが20μm以下であり、前記組織に加えてさらに、最外表面および最内表面から肉厚方向に50μmまでの領域の組織が体積率で60%以上のフェライト相を有し、該フェライト相の円周方向断面での平均結晶粒径が2〜8μmである、中空管状体であることを特徴とする高張力鋼材。
)質量%で、C:0.03〜0.24%を含み、炭化物形成元素Xとして少なくともNb:0.001〜0.15%を含有する組成の鋼素材に、前記炭化物形成元素Xの炭化物が固溶する温度以上に加熱したのち、所定の熱履歴と所定の加工とを施し、鋼材とするにあたり、前記所定の熱履歴を、次(1)式
ΣAi=Σ{Ti・(20+log ti)} ‥‥(
(ここで、ti:i番目の工程での熱処理時間(hr)、Ti:i番目の工程での熱処理温度(K))
で定義される累積熱処理パラメータΣAi、が850〜1150℃の温度域で28000〜21000、かつ500〜700℃の温度域で20000〜13000を満足する熱履歴とし、前記所定の加工を850〜1050℃の温度域での累積圧下率が87〜97%となる加工とすることを特徴とする成形性と耐疲労特性に優れた高張力鋼材の製造方法。
)()において、前記組成が、質量%で、C:0.03〜0.24%、Si:0.002〜0.95%、Mn:1.01〜1.99%、Al:0.01〜0.08%を含み、炭化物形成元素XとしてNb:0.001〜0.15%を含有し、さらにP、S、N、Oを、 P:0.019%以下、S:0.010%以下、N:0.008%以下、O:0.003%以下に調整して含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成であることを特徴とする高張力鋼材の製造方法。
)(6)または(7)において、前記組成に加えてさらに炭化物形成元素Xとして、質量%で、V:0.001〜0.15%、Ti:0.001〜0.15%、Mo:0.001〜0.45%、W:0.001〜0.15%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高張力鋼材の製造方法。
)()ないし()のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.0001〜0.45%、Cu:0.001〜0.45%、Ni:0.001〜0.45%、B:0.0001〜0.0009%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高張力鋼材の製造方法。
10)()ないし()のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.001〜0.005%を含有する組成とすることを特徴とする高張力鋼材の製造方法。
本発明によれば、590MPa以上の引張強さを有し、優れた低温靭性、優れた成形性と断面成形加工後の優れた耐ねじり疲労特性とを有する高張力鋼材を安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、自動車構造部材の特性向上に顕著に寄与するという効果もある。
まず、本発明高張力鋼材の組成限定理由について説明する。以下、とくに断らない限り、質量%は単に%で記す。
本発明高張力鋼材は、C:0.03〜0.24%を含み、さらに炭化物形成元素Xとして少なくとも1種、好ましくはNb:0.001〜0.15%を含有する組成を有する。炭化物形成元素Xとしては、Nb以外に、V、Ti、Mo、Wのうちの1種または2種以上とする。
C:0.03〜0.24%
Cは、固溶強化あるいは炭化物形成元素Xと結合し析出物(炭化物)として析出物強化を介して、鋼の強度を増加させる元素であり、鋼材強度、疲労強度を確保するうえで必須の元素である。このような効果は、0.03%以上の含有で認められる。0.03%未満の含有では所望の析出物量が得られず、所望の耐ねじり疲労特性を確保することができない。一方、0.24%を超える含有は、鋼材の延性が低下し所望の成形性が確保できなくなるとともに、低温靭性が低下する。このためCは0.03〜0.24%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.08〜0.20%である。
Nb:0.001〜0.15%
Nbは、Cと結合し炭化物として析出し、所望の高強度の確保および疲労強度の向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.001%以上の含有を必要とする。一方、0.15%を超える含有は、析出物の過剰な析出により延性低下が顕著となる。このため、Nbは0.15%以下に限定する。なお、好ましくは0.010〜0.049%である。
本発明では、炭化物形成元素Xとして、上記したNbに加えて、さらにV:0.001〜0.15%、Ti:0.001〜0.15%、Mo:0.001〜0.45%、W:0.001〜0.15%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有してもよい。
V、Ti、Mo、Wはいずれも、Nbと同様に炭化物形成元素であり、微細炭化物として析出し、疲労強度を向上させる作用を有する元素であり、Nbに加えて、必要に応じて1種または2種以上を選択して含有できる。
Vは、Cと結合し微細炭化物として析出して、疲労強度を向上させる作用を有する。このような効果は、0.001%以上の含有で発現する。一方、0.15%を超える含有は、成形性、低温靭性を低下させる。このため、含有する場合、Vは0.001〜0.15%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは、0.06%以下である。
また、Tiは、まずNと結合して固溶Nを低減させる作用を有し、鋼材の成形性確保に有効に寄与するとともに、窒化物となった以外のTi、すなわち余剰Tiは、Cと結合し炭化物として析出して、疲労強度を向上させる作用を有する。このような効果は、0.001%以上の含有で顕著となるが、0.15%を超える含有は、析出物(炭化物)による強度上昇が著しくなり、それに伴い延性が顕著に低下し、成形性が低下する。このため、含有する場合、Tiは0.001〜0.15%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは、0.0010〜0.080%である。
また、Moは、Nb、V等と同様に、Cと結合し炭化物として析出して、疲労強度を向上させる作用を有する。このような効果は0.001%以上の含有で発現するが、0.45%を超える含有は、成形性を低下させる。このために、含有する場合、Moは0.001〜0.45%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは0.12〜0.20%である。
また、Wは、Nb、V等と同様に、Cと結合し炭化物として析出して、疲労強度を向上させる作用を有する。このような効果は0.001%以上の含有で発現する。一方、0.15%を超える含有は、成形性、低温靭性を低下させる。このため、含有する場合、Wは0.001〜0.15%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは、0.06%以下である。
上記したC、およびNbをはじめとした炭化物形成元素以外は、つぎのような成分とすることが好ましい。
Si:0.002〜0.95%
Siは、フェライト形成元素であり、熱履歴中に、オーステナイト(γ)→フェライト(α)変態を促進し、成形性の向上に寄与する。このような効果は、0.002%以上の含有で顕著となる。一方、0.95%を超える含有は、表面性状が低下する。このため、Siは0.002〜0.95%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは0.10〜0.30%である。
Mn:1.01〜1.99%
Mnは、鋼材の強度増加に寄与するとともに、疲労強度を向上させる作用を有する元素である。このような効果は、1.01%以上の含有で発現する。1.99%を超える含有は、延性の低下が著しく、所望の成形性を確保できなくなる。このため、Mnは1.01〜1.99%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは1.20〜1.80%である。
Al:0.01〜0.08%
Alは、製鋼時の脱酸剤として作用するとともに、Nと結合し熱履歴中のオーステナイト粒の成長を抑制し、結晶粒を微細化し、疲労強度を向上させる作用を有する元素である。このような効果は、0.01%以上の含有で認められるようになる。一方、0.08%を超える含有は、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となるうえ、かえって酸化物系介在物の増大に繋がり、耐疲労特性の低下が著しくなる。このため、Alは0.01〜0.08%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは、0.02〜0.06%である。
なお、本発明では、不純物元素である、P、S、N、Oを、P:0.019%以下、S:0.010%以下、N:0.008%以下、O:0.003%以下に調整して含むことが好ましい。
Pは、Mnとの凝固共偏析を介し、低温靭性を低下させるとともに、電縫溶接性を低下させる悪影響を有する元素であり、できるだけ低減することが好ましい。0.019%を超えて含有すると、上記した悪影響が顕著となるため、Pは0.019%以下に限定した。
Sは、鋼中ではMnS等の介在物として存在し、成形時の微細割れや疲労亀裂の起点として、成形性、耐疲労特性を低下させる。また、鋼材の電縫溶接性、低温靭性等を低下させる悪影響を有する元素であり、できるだけ低減することが好ましい。0.010%を超えて含有すると、上記した悪影響が顕著となるため、Sは0.010%を上限とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.005%以下である。
Nは、鋼中に固溶Nとして残存すると、鋼材の成形性、低温靭性を低下させる悪影響を有する元素であり、本発明ではできるだけ低減することが好ましい。0.008%を超えて含有すると、上記した悪影響が顕著となるため、Nは0.008%を上限とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.0049%以下である。
Oは、鋼中では酸化物系介在物として存在し、鋼材の耐疲労特性、低温靭性を低下させる悪影響を有する元素であり、本発明ではできるだけ低減することが好ましい。0.003%を超えて含有すると、上記した悪影響が顕著となるため、Oは0.003%を上限とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.002%以下である。
上記した成分に加えてさらに、Cr:0.001〜0.45%、Cu:0.001〜0.45%、Ni:0.001〜0.45%、B:0.0001〜0.0009%のうちから選ばれた1種または2種以上、および/またはCa:0.001〜0.005%を含有することができる。
Cr、Cu、Ni、Bはいずれも、疲労強度を向上させるか、疲労強度を向上させる作用を補完する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。
Crは、疲労強度を向上させる作用を有する元素であり、このような効果は、0.001%以上の含有で発現する。一方、0.45%を超える含有は、成形性を低下させる。このため、含有する場合には、Crは0.001〜0.45%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは0.08〜0.29%である。
Cu、Niは、いずれも疲労強度を向上させる作用を補完する元素であるが、さらに鋼材の耐食性を向上させる作用をも元素である。これらの効果は0.001%以上の含有で発現する。一方、0.45%を超える含有は、成形性を低下させる。このため、含有する場合には、Cuは0.001〜0.45%、Niは0.001〜0.45%の範囲に限定することが好ましい。なお、さらに好ましくは、Cu、Niともに0.2%以下である。
Bは、同様に、疲労強度を向上させる作用を補完する元素である。このような効果は、0.0001%以上の含有で発現する。一方、0.0009%を超える含有は、成形性を低下させる。このため、含有する場合には、Bは0.0001〜0.0009%の範囲に限定することが好ましい。
Caは、展伸した介在物(MnS)を粒状の介在物(Ca(Al)S(O))とする、いわゆる介在物の形態を制御する作用を有する。このような介在物の形態制御を介して、成形時の微細割れおよび疲労亀裂発生を抑制し、成形性、耐疲労特性、低温靭性を向上させる作用を有する元素である。このような効果は、0.0001%以上の含有で顕著となるが、0.005%を超える含有は、非金属介在物が増加しかえって耐疲労特性が低下する。このため、含有する場合には、Caは0.0001〜0.005%の範囲に限定することが好ましい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
さらに、本発明の高張力鋼材は、上記したようにCと、炭化物形成元素Xとして少なくとも1種、好ましくはNbを含有する組成と、粒径20nm未満の析出物中のX量Xspとの固溶X量Xsolとの比、Xsp/Xsolが所定の範囲内となる組織、Nbを含有する場合は粒径20nm未満の析出物中のNb量Nbspと固溶Nb量Nbsolとの比、Nbsp/Nbsolが0.80〜8.0である組織を有する。なお、析出物のサイズ別定量方法は、後述する。
炭化物形成元素Xの粒径20nm未満の微細析出物(Nb炭化物)は、鋼材の降伏強度を高め、疲労強度を上昇させる。しかし、粒径20nm未満の微細析出物を過剰に析出させると、鋼材の成形性が低下するとともに、初期疲労亀裂の発生段階において、応力集中部での応力緩和特性も低下する。
一方、固溶X(固溶Nb)は、組織の微細化を介して鋼材の成形性、とくに曲げ成形性の低下を抑制するとともに、鋼材の疲労強度を高める効果を有する。しかし、固溶X(固溶Nb)の耐疲労特性への寄与は、粒径20nm未満の微細析出物の寄与に比較し小さいため、粒径20nm未満の微細析出物(Nb炭化物)量と固溶X量(固溶Nb量)とをバランスさせる必要がある。
図2に、r/t、断面成形加工後の(σ/TS)とNbsp/Nbsolとの関係を示す。本発明では、成形性(曲げ成形性)は、限界曲げ半径rと肉厚tの比、r/tで代表し、耐ねじり疲労特性は、断面成形後の5×10繰返し疲れ限度σと鋼管引張強さTSとの比、(σ/TS)で代表する。
図2から、Nbsp/Nbsolを0.80〜8.0の範囲とすることにより、所望の優れた曲げ成形性および優れた断面成形加工後の耐ねじり疲労特性を兼備する鋼材とすることができることがわかる。Nbsp/Nbsolが、0.80未満では(σ/TS)で示される耐ねじり疲労特性が、また8.0超えではr/tで代表される成形性が、それぞれ低下する。このようなことから、本発明では、Nbsp/Nbsolを0.80〜8.0の範囲に限定した。なお、好ましくは1.6〜6.0である。
また、炭化物形成元素Xは、Nbに加えてさらに、V、Ti、Mo、Wのうちから選ばれた1種または2種以上を含有してもよい。
炭化物形成元素Xとして、Vを含有する場合には、粒径20nm未満の析出物中のV量Vspと、固溶V量Vsolとの比、Vsp /Vsolを0.20〜2.0に調整する。これにより、所望の優れた曲げ成形性および優れた断面成形加工後の耐ねじり疲労特性を兼備させることができる。なお、好ましくは0.40〜1.6である。
また、炭化物形成元素Xとして、Tiを含有する場合には、粒径20nm未満の析出物中のTi量Tispと、固溶Ti量Tisolとの比、Tisp /Tisolを0.80〜8.0に調整する。これにより、所望の優れた曲げ成形性および優れた断面成形加工後の耐ねじり疲労特性を兼備させることができる。なお、好ましくは1.6〜6.0である。
また、炭化物形成元素Xとして、Moを含有する場合には、粒径20nm未満の析出物中のMo量Mospと、固溶Mo 量Mosolとの比、Mosp /Mosolを0.10〜1.0に調整する。これにより、所望の優れた曲げ成形性および優れた断面成形加工後の耐ねじり疲労特性を兼備させることができる。なお、好ましくは0.20〜0.80である。
また、炭化物形成元素Xとして、Wを含有する場合には、粒径20nm未満の析出物中のW量Wspと、固溶W量Wsolとの比、Wsp /Wsolを0.10〜1.0に調整する。これにより、所望の優れた曲げ成形性および優れた断面成形加工後の耐ねじり疲労特性を兼備させることができる。なお、好ましくは0.20〜0.80である。
さらに本発明高張力鋼材は、上記した組成を有し、JIS B 0601-2001の規定に準拠して測定された表面粗さで、管内外表面の算術平均粗さRaが2μm以下、最大高さ粗さRzが30μm以下、十点平均粗さRz JIS が20μm以下であり、前記組織に加えてさらに、最外表面および最内表面から肉厚方向に50μmまでの領域の組織が体積率で60%以上のフェライト相を有し、該フェライト相の円周方向断面での平均結晶粒径が2〜8μmである、中空管状体(鋼管)とすることが好ましい。
上記した領域のフェライト相の体積率が60%未満では、延性が低下し所望の成形性を確保できない。また、延性の低下に伴う、局所的な減肉、表面肌荒れ、微細割れが応力集中部となり耐疲労特性が大きく低下する。このため、上記した領域のフェライト相の体積率を60%以上に限定することが好ましい。なお、より好ましくは75%以上である。
ここでいうフェライト相は、ポリゴナルフェライトに加え、アシキュラフェライト、ウィッドマンステッテンフェライト、ベイニティックフェライト等を含むものとする。なお、フェライト相以外の第二相としては、カーバイト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトおよびそれらの混合相が例示できる。
また、上記した領域のフェライト相の、円周方向断面での平均結晶粒径は2〜8μmとすることが好ましい。平均粒径が2μm未満では、所望の成形性を確保できないうえ、局所的な減肉、表面肌荒れ、微細割れが応力集中部となり耐疲労特性が大きく低下する。一方、平均粒径が8μmを超えて大きくなると、成形性が低下するとともに、表面硬さが低下し耐疲労特性が低下する。このため、管最外表面および最内表面から肉厚方向に50μmまでの領域でのフェライト相の平均粒径は2〜8μmの範囲に限定することが好ましい。さらに好ましくは5μm以下である。
つぎに、本発明鋼材の好ましい製造方法について説明する。
本発明では、上記した組成を有する鋼素材(スラブ、鋼板、鋼管等)に、炭化物形成元素Xの炭化物が固溶する温度(固溶温度)以上に加熱したのち、熱間圧延等の熱履歴および加工、さらに熱処理等の熱履歴を適正条件で施して、微細析出物量と炭化物形成元素の固溶量との比が上記したような適正範囲となる高張力鋼材とすることが好ましい。
鋼素材は、まず、炭化物形成元素Xの炭化物が固溶する温度(固溶温度)以上の温度に加熱される。加熱温度が、炭化物の固溶温度未満では、粗大な炭化物が残存し、所望量の粒径20nm未満の微細析出物を所望量確保できず、疲労強度が低下する。加熱温度の上限はとくに限定する必要はないが、結晶粒の粗大化が顕著となる1300℃程度とすることが好ましい。ここで炭化物の固溶温度は、次式で定義される各炭化物の平衡固溶温度とする。
log[Nb][C+12/14N]=−6770/T+2.26
log[Ti][C]=−7000/T+2.75
log[V][C]=−9500/T+6.72
なお、Mo、Wの場合は次式で定義されるAc1変態点以上とする(なお、含有しない元素は零として計算するものとする)。
c1変態点(℃)=721−10.7Mn−16.9Ni+29.1Si+16.9Cr+290As+6.38W
(ここで、Mn、Ni、Si、Cr、As、W:各元素の含有量(質量%))
ついで、微細析出物量と炭化物形成元素の固溶量との比が上記したような適正範囲となるように、所定の熱履歴および所定の加工を施す。
所定の熱履歴は、累積熱処理パラメータΣAi
ΣAi=Σ{Ti・(20+logt)}
(ここで、t:i番目の工程での熱処理時間(hr)、Ti:i番目の工程での熱処理温度(K))
が、850〜1150℃の温度域でΣAi=28000〜21000、かつ500〜700℃の温度域でΣAi=20000〜13000の範囲となるような、熱履歴とすることが好ましい。また所定の加工は、850〜1050℃の温度域での累積圧下率が87〜97%となる加工とすることが好ましい。これにより、上記したような適正な範囲の、炭化物形成元素Xの微細析出物量と炭化物形成元素Xの固溶量との比を確保できる。ここで、累積熱処理パラメータΣAiは、公知のパラメータで、例えば、日本鉄鋼協会編「改訂5版 鋼の熱処理 p.164」に、Lanson−Millerパラメータとして記載されている。
850℃〜1150℃のオーステナイト域では、主として粒径20nm以上の析出物が析出する。その析出量は、温度、時間を内包する累積熱処理パラメータΣAiと関連する。850℃〜1150℃のオーステナイト域でのΣAiが、28000を超えて大きくなると、所望の範囲の、炭化物形成元素Xの粒径20nm未満の微細析出物量と炭化物形成元素Xの固溶量との比、を確保できなくなる。なお、850℃〜1150℃のオーステナイト域でのΣAiが、21000未満では、加工における所望の累積圧下率を確保できなくなる。
所定の加工は、850〜1050℃の温度域での累積圧下率が87〜97%となる加工とする。
上記したオーステナイト域の熱履歴中に、加工を施し加工歪を付与する。850〜1050℃の温度域は、オーステナイトの再結晶温度域に該当し、この温度域での加工は、鋼材表層部の組織を微細化し、それにより成形性(曲げ成形性)の向上に寄与する。累積圧下率が87%未満では、最外表面および最内表面から肉厚方向に50μmまでの領域の組織を、体積率で60%以上のフェライト相を有し、該フェライト相の円周方向断面での平均結晶粒径が2〜8μmである、所望の組織とすることができず、成形性が低下する。一方、累積圧下率が97%を超えると、析出が促進され析出物量が増加し、所望のNbsp/Nbsol等を確保できなくなる。このため、加工における850〜1050℃の温度域での累積圧下率を87〜97%の範囲に限定することが好ましい。なお、好ましくは90〜95%である。
500〜700℃のフェライト域では、主として粒径20nm未満の析出物が析出する。その析出量は温度、時間を内包する累積熱処理パラメータΣAiと関連する。500〜700℃のフェライト域でのΣAiが、20000を超えて大きくなると、粒径20nm未満の微細析出物量が過剰となり成形性が低下する。一方、ΣAiが、13000未満では、粒径20nm未満の微細析出物量が少なく、疲労強度が低下する。このため、500〜700℃のフェライト域でのΣAiを20000〜13000の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは19000〜15000である。
図3に、Cと、炭化物形成元素としてNbを含有する鋼材における、Nbsp/Nbsol値に及ぼす、 850〜1050℃の温度域での累積圧下率と、500〜700℃の温度域での累積熱処理パラメータΣAiとの関係の影響を示す。なお、850〜1150℃の温度域での累積熱処理パラメータΣAiは、約25000とした。図3から、850〜1050℃の温度域での累積圧下率が87〜97%、500〜700℃の温度域での累積熱処理パラメータΣAiが20000〜13000の範囲に囲まれる領域で、Nbsp/Nbsol値が、望ましい範囲である0.8〜8.0となることがわかる。
本発明の高張力鋼材は、上記した条件の熱履歴で熱処理された、例えば、溶接鋼管、冷延鋼板や、上記した条件の熱履歴や、上記した条件の加工を施された、例えば、熱延鋼帯、厚板、継目無鋼管など、が該当する。
以下に、中空管状体(溶接鋼管)の製造方法について、熱間圧延された熱延鋼帯を用いて電縫溶接により閉断面素材(中空管状体:鋼管)とする電縫造管工程を利用する場合を例に説明する。
上記した組成を有する鋼素材に、上記した条件の加熱、熱履歴、および加工を施されて製造された熱延鋼帯は、熱延ままでもよいが、酸洗、ショットブラスト等を施して表面の黒皮を除去して用いることが好ましい。さらに、耐食性、塗膜密着性の観点からこの鋼帯に亜鉛メッキ、アルミメッキ、ニッケルメッキ、有機皮膜処理などの表面処理を施すこともできる。酸洗まま、あるいは表面処理を施された鋼帯は、幅絞り率10%以下の電縫造管を施して鋼管とされることが好ましい。
なお、溶接鋼管の素材は、熱延鋼帯に限定されることはない。上記した熱延鋼帯を素材として、冷間圧延、焼鈍等を施された冷延焼鈍鋼帯、あるいはさらに各種表面処理を施された表面処理鋼帯を用いてもなんら問題はない。また、電縫造管に代えて、ロールフォーミング、切板のプレス閉断面化、造管後の冷間・温間・熱間での縮径および焼鈍などの熱処理等を組合せた造管工程としてもよい。さらに電縫溶接に代えて、レーザー溶接、アーク溶接、プラズマ溶接、スポット溶接などを用いてもなんら問題はない。本発明の鋼材、例えば中空管状体(閉断面素材)は、部材成形ままで優れた特性を発揮するが、付加的に部材成形後に残留応力除去焼鈍等の熱処理、あるいはショットピーニング等による表面の高硬度化や圧縮残留応力付与を施すこともなんら問題ない。
また、このようにして製造された中空管状体は、JIS B 0601-2001の規定に準拠して測定された表面粗さ表示で、好ましくは管内外表面の算術平均粗さRaが2μm以下、最大高さ粗さRzが30μm以下、十点平均粗さRz JIS が20μm以下である表面性状の中空管状体とすることが好ましい。これにより、とくに、疲労の起点となる管内外表面の凹凸に起因する応力集中が緩和されることにより、耐ねじり疲労特性が顕著に向上する。
また、このようにして製造された中空管状体は、上記した析出物分布に加えてさらに、好ましくは最外表面および最内表面から肉厚方向に50μmまでの領域の組織が体積率で60%以上のフェライト相を有し、該フェライト相の円周方向断面での平均結晶粒径が2〜8μmである組織を有する。これにより、成形性、および耐ねじり疲労特性が顕著に向上する。
表1に示す組成の鋼スラブに、含有する炭化物形成元素Xの炭化物の固溶温度以上である1230℃に加熱し、表2に示す850〜1050℃の温度域における累積圧下率で加工を施し、かつ850〜1150℃の温度域での累積熱処理パラメータΣAiが約24500となる熱履歴とを施し、引続き、表2に示すように、500〜700℃の温度域でΣAi=11500〜22500の範囲となる熱履歴を施し、板厚:約3mmの熱延鋼帯とした。各熱延鋼帯の熱履歴、加工の累積圧下率を纏めて表2に示す。
ついで、これら熱間圧延鋼帯に酸洗を施したのち、所定の幅寸法にスリット加工を施し管素材とした。これら管素材に、連続成形してオープン管とし、該オープン管を高周波抵抗溶接により電縫溶接する電縫造管を施して、中空管状体である溶接鋼管(製品管)(外径89.1mmφ×肉厚約3mm)とした。なお、電縫造管では、幅絞り率は4%とした。
得られた溶接鋼管から、試験材を採取し、引張試験、曲げ試験、析出物量・固溶量の定量試験、組織観察、ねじり疲労試験、低温靭性試験、表面粗さ試験を実施した。試験方法はつぎの通りとした。
(1)引張試験
これら溶接鋼管から、管軸方向が引張方向となるように、JIS Z 2201の規定に準拠してJIS12号試験片を切出し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性(引張強さTS、降伏強さYS、El)を求めた。
(2)曲げ試験
これら溶接鋼管から、円周方向にJIS 1号相当の短冊状試験片を採取し、管内面、管外面がポンチ側となるように、JIS X 2248−1996の規定に準拠して曲げ試験を実施し、限界曲げ半径rと肉厚tとの比、r/tを求めた。なお、管内面、管外面で限界曲げ半径rが相違する場合には大きいほうを採用した。
(3)析出物量・固溶量定量試験
これら溶接鋼管から、20×30mm×肉厚約3mmの大きさの試片を切出し、10vol%アセチルアセトン−1mass%塩化テトラメチルアンモニウム−メタノール系電解液(以下、10%AA系電解液という)中で、約0.2gを電流密度20mA/cm2で定電流電解した。電解後の、表面に析出物が付着している試片を電解液から取り出して、ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液(500mg/l)(以下、SHMP水溶液という)中に浸漬し、超音波振動を付与して、析出物を試片から剥離し、SHMP水溶液中に抽出した。次いで、析出物を含むSHMP水溶液を、穴径100nmフィルタ、および、穴径20nmフィルタを順に用いて濾過した。濾過後のフィルタ上の残渣と、濾液とに対してICP発光分光分析装置を用いて分析し、フィルタ上の残渣および濾液中の炭化物形成元素X(Mo、V、W、Ti、Nb)の絶対量を測定し、粒径100nmを超える析出物中、粒径100〜20nmの析出物中、粒径20nm未満の析出物中にそれぞれ含まれるX(Mo、V、W、Ti、Nb)の絶対量Xlp、Xmp、Xspを得た。なお、電解重量は、析出物剥離後の試片に対して重量を測定し、電解前の試片重量から差し引くことにより算出した。
炭化物形成元素Xの固溶量は、電解後の電解液を分析溶液とし、ICP質量分析法を利用し、炭化物形成元素Xおよび比較元素としてFeの液中濃度を測定した。得られた濃度を基に、Feに対する炭化物形成元素Xの濃度比をそれぞれ算出し、さらに試片中のFeの含有率を乗じることで、固溶状態にある炭化物形成元素Xの量(固溶X量)を算出した。なお、試片中のFeの含有量は、Fe以外の成分含有量の合計を、100%から減じることにより求めることができる。
(4)組織観察
これら溶接鋼管から、観察面が円周方向断面となるように組織観察用試験片を採取し、研磨、ナイタール腐食して走査型電子顕微鏡(倍率:3000倍)を用いて組織を観察し、撮像して、得られた組織写真について画像解析装置を用いて、フェライト相の組織分率(体積率)、フェライト相の平均結晶粒径を測定した。なお、フェライト相の各結晶粒の占有面積を測定し、さらに円相当径に換算してフェライトの結晶粒径(μm)とした。測定位置は、最外表面、最内表面から深さ50μmまでの領域を、深さ方向に3ブロックにわけ、各ブロックごとの測定値の総平均(n=6)を求め、各試験片のフェライト相の組織分率、フェライト相の平均結晶粒径とした。
(5)ねじり疲労試験
得られた溶接鋼管から、試験用管材(長さ:1500mm)を採取した。そして、採取した試験用管材の中央部約1000mmLを図1(特開2001−321846号公報の図11)に示すように円周方向断面がV字形状となるように断面成形加工し、ねじり疲労試験用試験材とした。
ねじり疲労試験は、1Hz、両振りの条件で応力水準を種々変化させて行い、負荷応力Sにおける破断までの繰返し回数Nを求めた。得られたS−N線図より5×105繰返し限度σB(MPa)を求め、σに対する管引張強さTSの比(σB/TS)で、耐ねじり疲労特性を評価した。なお、負荷応力Sは最初にダミー片でねじり試験を行い、疲労亀裂位置を確認し、その位置に3軸歪ゲージを貼付けて実測した。
(6)低温靭性試験
得られた溶接鋼管から、試験用管材(長さ:1500mm)を採取し、採取した試験用管材の中央部約1000mmLを図1(特開2001−321846号公報の図11)に示すように円周方向断面がV字形状となるように断面成形加工し、試験材平坦部分より、管円周方向(C方向)が試験片長さとなるように展開し、JIS Z 2242の規定に準拠してVノッチ試験片(1/4サイズ)を切出し、シャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrsを求め、低温靭性を評価した。
(7)表面粗さ試験
得られた溶接鋼管の内外表面の表面粗さを、触針式粗度計を用いて、JIS B 0601−2001の規定に準拠して、粗さ曲線を測定し、粗さパラメータとして、算術平均粗さRa、最大高さ粗さRz、十点平均粗さRzJISを求めた。なお、粗さ曲線の測定方向は、管の円周方向(C方向)とし、低域カットオフ値0.8mm、評価長さ4mmとした。代表値としては、内表面又は外表面のうち、値の大きい方を採用した。
得られた結果を表3、表4に示す。
Figure 0005187003
Figure 0005187003
Figure 0005187003
Figure 0005187003
本発明はいずれも、伸びElが16%以上、r/tが3.0以下で成形性に優れ、(σB/TS)が0.45以上で断面成形加工後の耐ねじり疲労特性に優れ、断面成形加工後の破面遷移温度vTrsが−50℃以下と低温靭性に優れた溶接鋼管(鋼材)である。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、r/tが3.0より大きく成形性が低下しているか、(σB/TS)が0.45未満で断面成形加工後の耐ねじり疲労特性が低下しているか、あるいはvTrsが−50℃超えと低温靭性が低下した製品管となっている。
850〜1050℃の温度域での累積圧下率が本発明の好適範囲より小さいか、500〜700℃の温度域のΣAiが本発明の好適範囲よりも小さい比較例(管No.1、No.4、No.7、No.10、No.13、No.16、No.19、No.22、No.25、No.28)はいずれも、粒径20nm未満の析出物中のNb、Ti、V、Mo、W量と、Nb、Ti、V、Mo、Wの固溶量との比Nbsp/Nbsol、Tisp/Tisol、Vsp/Vsol、Mosp/Mosol、Wsp/Wsolのうち少なくとも一つが本発明範囲より小さく、断面成形加工後の(σB/TS)が0.45未満と耐ねじり疲労特性が低下している。また、850〜1050℃の温度域での累積圧下率が本発明の好適範囲より大きいか、500〜700℃の温度域のΣAiが本発明の好適範囲よりも大きい比較例(管No.3、No.6、No.9、No.12、No.15、No.18、No.21、No.24、No.27、No.30)はいずれもNbsp/Nbsol、Tisp/Tisol、Vsp/Vsol、Mosp/Mosol、Wsp/Wsolのうち少なくとも一つが本発明範囲よりも大きく、Elが16%未満と低く、r/tが3.0より大きく、成形性が低下し、かつ断面成形後の(σB/TS)が0.45未満と耐ねじり疲労特性が低下している。
また、850〜1050℃の温度域での累積圧下率および500〜700℃の温度域のΣAiがいずれも本発明の好適範囲内であるが、組成が本発明の好適範囲を外れる比較例(管No.31〜No.40)はいずれも、r/tが3.0より大きく成形性が低下し、かつ断面成形加工後の(σB/TS)が0.45未満で、耐ねじり疲労特性が低下している。なお、これら比較例は、管No.31、No.40を除いて、vTrsが−50℃超えと低温靭性も低下している。
C量が本発明の好適範囲を外れる比較例(管No. 31、No.32)は、Nbsp/Nbsolが本発明範囲より大きく、また、Nb、V、W、Ti、Mo量が本発明の好適範囲を上回る比較例(管No.36〜No.40)は、いずれもNbsp/Nbsol、Tisp/Tisol、Vsp/Vsol、Mosp/Mosol、Wsp/Wsolのうち少なくとも一つが本発明範囲より小さく、r/tが3.0を超え、成形性が低下し、かつ断面成形加工後の(σB/TS)が0.45未満で、耐ねじり疲労特性が低下している。Si量が本発明の好適範囲を下回る比較例(管No.33)は、フェライト組織分率が本発明の好適範囲より低く、r/tが3.0を超え、成形性が低下し、かつ断面成形加工後の(σB/TS)が0.45未満で、耐ねじり疲労特性が低下している。一方、Si量が本発明の好適範囲を上回る比較例(管No.34)は、管内外面の表面粗さが大きく、また、炭化物形成元素を含有しない比較例(管No.35)は、フェライトの平均結晶粒径が本発明の好適範囲より大きく、r/tが3.0を超え成形性が低下し、かつ断面成形加工後の(σB/TS)が0.45未満で耐ねじり疲労特性が低下している。
なお、製品管(管No.1〜No.33、No.35〜No.40)の管内外表面の表面粗さは、算術平均粗さRaが2μm以下、最大高さ粗さRzが30μm以下、十点平均粗さRzJISが20μm以下と良好であった。なお、表3では製品管(管No.1〜No.33)の表面粗さは省略している。
実施例におけるねじり疲労試験、低温靭性試験に用いる試験材の断面成形加工状態を示す説明図である。 粒径20nm未満の析出物中のNb量Nbspと固溶Nb量Nbsolとの比、Nbsp/Nbsolと、曲げ試験での限界曲げ半径rと肉厚tとの比r/t、断面成形加工後の(σB/TS)との関係を示すグラフである。 Nbsp/Nbsol 値に及ぼす、 850〜1050℃の温度域での累積圧下率と、500〜700℃の温度域での累積熱処理パラメータΣAiとの関係の影響を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 質量%で、
    C:0.03〜0.24%、 Si:0.002〜0.95%、
    Mn:1.01〜1.99%、 Al:0.01〜0.08%
    を含み、炭化物形成元素Xとして、Nb:0.001〜0.15%を含有し、さらにP、S、N、Oを、P:0.019%以下、S:0.010%以下、N:0.008%以下、O:0.003%以下に調整して含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、粒径20nm未満の析出物中のNb量Nbspと、固溶Nb量Nbsolとの比、Nbsp /Nbsolが0.80〜8.0である組織を有することを特徴とする成形性と耐疲労特性に優れた高張力鋼材。
  2. 前記組成に加えてさらに、炭化物形成元素Xとして、質量%で、V:0.001〜0.15%、Ti:0.001〜0.15%、Mo:0.001〜0.45%、W:0.001〜0.15%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とし、前記組織がさらに、
    Vを含有する場合は、粒径20nm未満の析出物中のV量Vspと、固溶V量Vsol との比、Vsp /Vsolが0.20〜2.0であり、
    Tiを含有する場合は、粒径20nm未満の析出物中のTi量Tispと、固溶Ti量Tisolとの比、Tisp /Tisolが0.80〜8.0であり、
    Moを含有する場合は、粒径20nm未満の析出物中のMo量Mospと、固溶Mo量Mosolとの比、Mosp /Mosolが0.10〜1.0であり、
    Wを含有する場合は、粒径20nm未満の析出物中のW量Wspと、固溶W量Wsolとの比、Wsp/Wsolが0.10〜1.0である組織とすることを特徴とする請求項に記載の高張力鋼材。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.001〜0.45%、Cu:0.001〜0.45%、Ni:0.001〜0.45%、B:0.0001〜0.0009%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の高張力鋼材。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0001〜0.005%を含有する組成とすることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の高張力鋼材。
  5. 前記高張力鋼材が、管内外表面の算術平均粗さRaが2μm以下、最大高さ粗さRzが30μm以下、十点平均粗さRz JISが20μm以下であり、前記組織に加えてさらに、最外表面および最内表面から肉厚方向に50μmまでの領域の組織が体積率で60%以上のフェライト相を有し、該フェライト相の円周方向断面での平均結晶粒径が2〜8μmである、中空管状体であることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の高張力鋼材。
  6. 質量%で、C:0.03〜0.24%を含み、炭化物形成元素Xとして少なくともNb:0.001〜0.15%を含有する組成の鋼素材に、前記炭化物形成元素Xの炭化物が固溶する温度以上に加熱したのち、所定の熱履歴と所定の加工を施し、鋼材とするにあたり、
    前記所定の熱履歴を、下記(1)式で定義される累積熱処理パラメータΣAi、が850〜1150℃の温度域で28000〜21000、かつ500〜700℃の温度域で20000〜13000を満足する熱履歴とし、
    前記所定の加工を850〜1050℃の温度域での累積圧下率が87〜97%となる加工とすることを特徴とする成形性と耐疲労特性に優れた高張力鋼材の製造方法。

    ΣAi=Σ{Ti・(20+log ti)} ‥‥(1)
    ここで、ti:i番目の工程での熱処理時間(hr)
    Ti:i番目の工程での熱処理温度(K)
  7. 前記組成が、質量%で、
    C:0.03〜0.24%、 Si:0.002〜0.95%、
    Mn:1.01〜1.99%、 Al:0.01〜0.08%
    を含み、炭化物形成元素XとしてNb:0.001〜0.15%を含有し、さらにP、S、N、Oを、 P:0.019%以下、S:0.010%以下、N:0.008%以下、O:0.003%以下に調整して含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成であることを特徴とする請求項に記載の高張力鋼材の製造方法。
  8. 前記組成に加えてさらに炭化物形成元素Xとして、質量%で、V:0.001〜0.15%、Ti:0.001〜0.15%、Mo:0.001〜0.45%、W:0.001〜0.15%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項またはに記載の高張力鋼材の製造方法。
  9. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.001〜0.45%、Cu:0.001〜0.45%、Ni:0.001〜0.45%、B:0.0001〜0.0009%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の高張力鋼材の製造方法。
  10. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0001〜0.005%を含有する組成とすることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の高張力鋼材の製造方法。
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