JP5460099B2 - 耐食性と衝撃曲げ靭性に優れた高強度鋼管およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐食性と衝撃曲げ靭性に優れた高強度鋼管およびその製造方法に関する。
自動車、自転車等の構造部材に使用する鋼管には高強度と高疲労特性が要求される。最近では構造部材に対する軽量化の要求が高くなり、構造用鋼管には薄肉化に伴う更なる高強度化が求められる状況にある。ただし、高強度化に必要なコスト上昇をできるだけ抑えることが強く望まれるところである。
鋼材の強化手法としては、固溶強化、変態組織強化、加工強化が挙げられる。このうち固溶強化および変態組織強化の場合には、それらの機構を効果的に生じさせるために特殊な合金成分を含有する鋼を採用することが必要となり、必然的に素材コストの上昇を伴う。この点、加工強化によれば、特殊な元素を添加することなく高強度化が可能であり、コスト上昇を抑える上で有利となる。特許文献1、2には、加工強化された素材鋼板を使用することによって電縫鋼管の高強度化を図る手法が開示されている。
一方、構造部材に使用する鋼管は、長期の使用に耐えるために、良好な耐食性を有していることが望まれる。特許文献3には、電縫鋼管の裸での耐食性を改善する手法としてPとCuを複合添加する手法が開示されている。
特開2002−327245号公報 特開2005−29882号公報 特開2004−225137号公報
自動車等の乗り物に使用する構造用鋼管では、高強度特性と耐食性が重要であるとともに、衝突時の衝撃を受けた際に、湾曲部に裂け疵が発生しにくい性質、すなわち「衝撃曲げ靭性」に優れることが望まれる。しかし従来の高強度鋼管においては、衝撃曲げ靭性を向上させることまでは十分考慮されていない。発明者らの調査によれば、耐食性を良好に維持しながら衝撃曲げ靭性を改善することは容易でないことがわかった。特に、鋼管の引張強さを例えば980N/mm2以上という高レベルに維持しながら、耐食性と衝撃曲げ靭性を同時に改善することは、従来の知見において一層難しいのが現状である。
本発明はこのような現状に鑑み、耐食性と衝撃曲げ靭性を同時に改善した溶接鋼管を安価な手法により提供することを目的とする。特に、耐食性と衝撃曲げ靭性を同時に改善し、かつ高い強度レベルを具備した溶接鋼管を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:1.5%以下、Mn:2.5%以下、P:0.005〜0.03%、S:0.005%以下、Cu:0.05〜0.5%、酸可溶Al:0.005〜0.1%であり、必要に応じてさらにTi:0.15%以下、Nb:0.15%以下の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、マトリクスがフェライト単相である金属組織、またはマトリクスがフェライト相+50体積%以下の第2相からなり、前記第2相はマルテンサイト、ベイナイト、パーライトを意味し、マトリクス中のパーライトの存在量が10体積%以下である金属組織を有し、かつ下記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFが5.0以上である未焼鈍冷延鋼板を圧延方向が長手方向となるように溶接造管してなる耐食性と衝撃曲げ靭性に優れた高強度鋼管が提供される。
F=N1/N2 …(1)
ここで、
F:圧延板のフェライト結晶粒展伸度。
1:圧延方向および板厚方向に平行な断面(L断面)の顕微鏡視野において板厚方向の一定長さXの線分によって切断される結晶粒の数。ただし顕微鏡視野および線分の長さXはN1が10以上となるように設定する。
2:前記視野において圧延方向の前記長さXの線分によって切断される結晶粒の数。
上記のN1およびN2は、JIS G0551:2005の附属書2(旧JIS G0552)の切断法に規定される測定方法に従って求めることができる。ただし、1本の線分で切断されるフェライト結晶粒の数を10個以上とする点については、N1の測定にのみ適用する。「未焼鈍冷延鋼板」は、冷間圧延後に焼鈍を受けていない状態の鋼板である。
この高強度鋼管は、例えば管の肉厚が0.6〜2.4mm、外径が22〜70mmである。
また、上記において特に引張強さ980N/mm2以上の高強度を有する鋼管として、下記[1]または[2]の化学組成を有するものが提供される。
[1]質量%で、C:0.1〜0.2%、Si:1.5%以下、Mn:1.5超え〜2.5%、P:0.005〜0.03%、S:0.005%以下、Cu:0.05〜0.5%、酸可溶Al:0.005〜0.1%、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成。
[2]質量%で、C:0.03〜0.2%、Si:1.5%以下、Mn:1.5超え〜2.5%、P:0.005〜0.03%、S:0.005%以下、Cu:0.05〜0.5%、酸可溶Al:0.005〜0.1%であり、Ti:0.15%以下、Nb:0.15%以下の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、TiとNbの合計含有量が0.03%以上である化学組成。
任意選択元素としてさらにNi:1%以下、Cr:1%以下、Mo:0.3%以下、V:0.3%以下、Zr:0.3%以下の1種以上を含有する化学組成を採用することができる。
上記の高強度鋼管の製造方法として、熱間圧延、スケール除去処理、冷間圧延、溶接造管の工程により鋼管を製造するに際し、熱間圧延において熱延仕上温度を(Ar3点−20℃)以上、仕上圧延最終パス終了後、巻取までの平均冷却速度を20〜100℃/秒、巻取温度を450〜650℃として上記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFが2.0以上の熱延鋼板を作り、冷間圧延において圧延率を40〜80%として同フェライト結晶粒展伸度EFが5.0以上の冷延鋼板を作り、溶接造管において未焼鈍のままの冷延鋼板をその圧延方向が管の長手方向となるように造管する手法が提供される。
本発明によれば、耐食性と衝撃曲げ靭性を顕著に向上させた溶接鋼管を、安価な手法で安定して提供することが可能になった。これらにおいて特に引張強さ980N/mm2以上の高強度を具備するものが提供できる。本発明の鋼管は、変態組織強化のDP鋼やTRIP鋼を素材とした電縫鋼管と比較して衝撃曲げ靭性に優れ、衝突時の衝撃を受けた際に湾曲部の側面に裂け疵が極めて発生しにくい。また、耐食性も改善されている。したがって、本発明の鋼管は、特に自動車や自転車などの乗り物に使用する構造部材に好適である。
発明者らは検討の結果、フェライト結晶粒を十分に展伸させ繊維状の組織状態とした加工硬化鋼板を溶接造管して得られる高強度鋼管において、衝撃曲げ靭性が顕著に改善されることを見出した。しかしながら、その手法を例えば特許文献3に開示されているようなPとCuを複合添加して耐食性を改善した鋼に適用しても、安定して衝撃曲げ靭性を改善することが困難であった。そこで詳細に検討を行った結果、以下の知見を得た。
(i)衝撃曲げ靭性の向上にはPを低減することが極めて有効である。
(ii)Pを低減した場合であっても、P含有量を0.005〜0.03質量%の狭い含有量範囲に厳密にコントロールすることにより、Cu添加による耐食性向上効果を十分に得ることが可能である。
ただし、Pは高強度化を担う元素でもある。Pの低減は強度レベルの高い鋼管を得る上では非常に不利となる。そこで更に検討を進めたところ、P低減鋼で極めて高い強度レベルを得るためにはMn含有量の増量が有効であることがわかり、以下の知見を得た。
(iii)Mn含有量を1.5質量%を超える量としたうえで、C含有量を0.1%以上と高めに規定することが好ましい
(iv)あるいは、C含有量の下限を0.03質量%まで緩和させる場合は、Mn含有量を1.5質量%を超える量としたうえで、Ti、Nbの1種以上を適量含有させることが望ましい。
本発明はこのような新たな知見に基づいて完成したものである。
以下、本発明を特定するための事項について説明する。
〔化学組成〕
化学組成における「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
Cは、鋼の高強度化に有効な元素である。0.01%未満ではその作用を十分に得ることが難しい。ただし、P低減鋼で極めて高い強度レベルを得るためには、Mnの増量およびTi、Nbの1種以上の含有と相俟って、0.03%以上のC含有量を確保することが望まれる。また、Ti、Nbを含有させない場合は、Mnの増量とともに0.1%以上のC含有量とすることが好ましい。一方、多量のC含有は延性および溶接部の靭性を低下させる。種々検討の結果、C含有量は0.01〜0.2%の範囲で設定する必要がある。
Siは、鋼の強度上昇に有効な元素である。また、Cuを含有するP低減鋼において極低Sとしたときに、Siは裸での耐食性改善にも有効に作用する。すなわちSiとCuの複合添加による耐食性の向上作用が発揮される。この作用を十分に得るためには0.05%以上のSi含有量を確保することがより効果的である。ただし、1.5%を超えて多量にSiを含有させると、強度は上昇するが、冷間加工性および表面性状が劣化する。したがってSi含有量は1.5%以下とする必要があり、1.0%以下とすることがより好ましい。上記の耐食性改善作用は0.5%のSi含有量でほぼ飽和するので、Si含有量の上限を0.5%に管理しても構わない。
Mnは、鋼の強度上昇に有効な元素である。その作用を発揮させるためには0.1%以上のMn含有量を確保することがより効果的である。本発明ではP含有量を0.03%以下に低減していることから、極めて高い強度レベルを安定して得るためには1.5%を超えるMn含有量とすることが重要であり、1.55%以上とすることがより好ましい。しかし、Mn含有量が2.5%を超えると、含有量増大に伴い強度は上昇するものの、溶接性が著しく劣化する。また、Mnが多量に含まれると溶接部で焼入れ硬化が生じやすくなり、溶接部の加工性を劣化させ割れの原因にもなる。したがってMn含有量は2.5%以下とする必要があり、2%以下の範囲に管理しても構わない。
Pは、Cuとの複合添加により鋼管の裸での耐食性を向上させる作用を有する。また、鋼管の高強度化にも寄与する元素である。しかしながら、Pは衝撃曲げ靭性を阻害する要因を有することが明らかになった。発明者らの検討によれば、P含有量を0.03%以下に抑えることによって衝撃曲げ靭性への悪影響を回避することが可能になる。一方、耐食性については、従来Cuとの複合添加による耐食性向上作用を十分に得るためにはP含有量を0.05%以上とする必要があると考えられていた(特許文献3参照)。ところが、詳細に検討したところ、より低いP含有量においても他の成分元素の含有量を適正化することによって耐食性向上作用が得られることが明らかになった。具体的には、後述のように極低Sとした場合において、P含有量を0.005%以上とすることによりCu添加による耐食性改善作用を引き出すことができるのである。Siを前述のように0.05%以上としたものにおいては、より顕著な効果が得られやすい。また、Pを低減することに伴う強度の低下は、C含有量、Mn含有量、Ti、Nbの含有などによって補うことができ、Pを低減した場合でも引張強さ980N/mm2以上の高強度鋼管の製造が可能であることが確認された。このようなことから、本発明ではP含有量を0.005〜0.03%の範囲に厳密にコントロールすることによって、耐食性と衝撃曲げ靭性の両立を図ることとした。
Sは、鋼管の裸での耐食性を劣化させる要因を有する元素である。Pを低減した本発明の鋼管において、耐食性を十分に確保するためにはS含有量はできるだけ低いことが望ましい。種々検討の結果、S含有量は0.005%以下に制限される。
Cuは、鋼管の裸での耐食性を向上させるために有効な元素であり、通常はPとの複合添加によってその作用が引き出される。本発明ではP含有量を低減しているが、極低S化、あるいはさらに0.05%以上のSi含有との相乗効果によって、Cuは顕著な耐食性向上作用を発揮する。そのためには少なくとも0.05%以上のCu含有量が必要となる。ただし、Cuを0.5%を超えて多量に含有させても耐食性改善効果は飽和し、不経済となる。このためCu含有量は0.05〜0.5%とする。
Alは、脱酸剤として添加される元素であり、十分な脱酸効果を得るためには酸可溶Alとして0.005%以上の添加が必要である。Al脱酸の効果は0.1%程度で飽和しそれ以上の添加は鋼材のコストの上昇を招く。したがって本発明では酸可溶Alの含有量を0.005〜0.1%の範囲とする。
Tiは、C、S、Nと析出物を形成し、析出強化により鋼材の高強度化に寄与する元素である。また、これらの析出物により溶接熱影響部の加工歪の回復が抑制されるとともに溶接加熱時の固溶、再析出により熱影響部の軟化が防止できる。このため必要に応じてTiを添加することができる。Ti添加量は0.005%以上とすることがより効果的である。ただし0.15%を超えて添加しても上記効果が飽和するとともに製造コストの上昇を招く。したがってTiを添加する場合は0.15%以下の範囲で行う。
Nbは、Tiと同様に炭化物を形成し、析出強化により鋼材の高強度化に寄与する。また、鋼板の金属組織を微細化して強度を向上させる。さらに溶接部においてはTiの効果と同様に析出物により溶接熱影響部の加工歪の回復が抑制されるとともに固溶、再析出により熱影響部の軟化が防止できる。このため必要に応じてNbを添加することができる。Nb添加量は0.005%以上とすることがより効果的である。ただし0.15%を超えて添加しても上記効果が飽和するとともに製造コストの上昇を招く。したがってNbを添加する場合は0.15%以下の範囲で行う。
前述のように、引張強さ980N/mm2以上の高強度鋼管を得る場合には、Cを0.03%以上とし、かつMnを1.5%を超える含有量とした上で、Ti、Nbの1種以上を含有させる手法を採用することができる。その場合、TiとNbの合計含有量を0.03%以上とすること(Ti、Nbのいずれか1種を単独で添加する場合は、当該添加元素の含有量を0.03%以上とすること)が極めて効果的である。
Niは、高強度化と溶接部の靭性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。その効果を十分に得るためには0.05%以上のNi含有量を確保することがより好ましい。ただし、ただし1%を超えて添加しても上記効果が飽和するとともに製造コストの上昇を招く。したがってNiを添加する場合は1%以下の範囲で行う。
Mo、Vは、TiやNbと同様に炭化物を形成し、析出強化により鋼材の高強度化に有効な元素である。さらに溶接部においてはTi、Nbの効果と同様に熱影響部の軟化防止に有効である。このためMo、Vの一方または双方を必要に応じて添加することができる。Mo、Vとも、それぞれ0.01%以上の含有量を確保することがより効果的である。ただし、過剰に添加しても上記効果が飽和するとともに製造コストの上昇を招く。またCrの多量添加は焼入れ性を高めて溶接部の加工性を劣化させる要因となる。種々検討の結果、Mo、Vを添加する場合はそれぞれ0.3%以下の範囲で行う。
Cr、Zrは、高強度化と溶接部の靭性向上に有効な元素である。このためCr、Zrの一方または双方を必要に応じて添加することができる。Crの場合は0.05%以上、Zrの場合は0.01%以上の含有量を確保することがより効果的である。ただし、過剰に添加しても上記効果が飽和するとともに製造コストの上昇を招く。またCrの多量添加は焼入れ性を高めて溶接部の加工性を劣化させる要因となる。種々検討の結果、Crを添加する場合は1%以下の範囲で行い、Zrを添加する場合は0.3%以下の範囲で行う。
〔金属組織〕
本発明の鋼管は、加工硬化した組織を有し、かつフェライト結晶粒が長手方向に伸びた繊維状組織を呈するものである。具体的には、前記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFが5.0以上の未焼鈍冷延鋼板を造管用の素材として用いたものである。発明者らの検討によれば、前述の化学組成を有するとともに、このような繊維状組織を長手方向に持つ鋼管において、衝撃曲げ靭性が顕著に改善されることがわかった。なお、造管に供する未焼鈍冷延鋼板は、マトリクスがフェライト単相であるか、またはフェライト相+50体積%以下の第2相からなるものである。第2相の量が多くなりすぎるとフェライト結晶粒展伸度を5.0以上とすることによる衝撃曲げ靱性の改善効果が十分に発揮できない場合がある。第2相は、マルテンサイト、ベイナイト、パーライト等であるが、パーライトが多量に生成すると強度および衝撃曲げ靭性の低下を招くので、マトリクス中のパーライトの存在量は10体積%以下に抑えられていることが望ましい。
〔強度レベル〕
本発明に従えば、鋼管としての長手方向の引張強さが980N/mm2以上という高強度を有するものを得ることが可能である。これはいわゆる100キロ級の高強度鋼管であり、自動車をはじめとする各種機械構造物において特に高強度を必要とする部材に適したものである。
〔製造工程〕
本発明の高強度鋼管は、上記のように成分組成が調整された鋼を溶製し、熱間圧延、スケール除去処理(例えば酸洗)、冷間圧延、溶接造管の工程により製造することができる。
〔熱間圧延〕
熱間圧延工程では、熱延仕上温度を(Ar3点−20℃)以上とする。Ar3点より低温になるとフェライト+オーステナイトの2相混合組織となる。このような混合組織で圧延すると、変形抵抗が板の内部で不均一となって熱延鋼帯の板厚精度が低下しやすいが、(Ar3点−20℃)以上であればフェライト相の量が比較的少ないため、板厚精度を一般的な許容範囲に収めることが可能である。しかし、熱延仕上温度が(Ar3点−20℃)を下回ると圧延方向の板厚変動が大きく変動するいわゆるゲージハンチングが生じやすくなる。このため熱延仕上温度はAr3点以上とすることがより好ましい。熱延仕上温度があまり高いと動的再結晶が起こりやすくなり、過度に動的再結晶が起こると熱延板でのフェライト結晶粒の展伸度を安定して2.0以上とすることが難しくなる。検討の結果、熱延仕上温度を(Ar3点+50℃)以下の範囲とすることがより効果的である。
仕上圧延最終パス終了後、巻取までの平均冷却速度を20〜100℃/秒とする。平均冷却速度が20℃/秒未満ではパーライトが生成しやすくなり、目的とする強度および衝撃曲げ靭性を得ることが難しくなる。一方、100℃/秒を超えるとベイナイトの生成量が増大してフェライト相が少なくなり、フェライト結晶粒の展伸による本発明の効果が享受できないばかりか高強度となり冷延が困難となる。
巻取温度を450〜650℃とする。巻取温度が高くなるほどパーライトの生成が多くなり、鋼材の強度レベルが低下する。また所定の展伸度が得られなくなって衝撃曲げ靭性が低下しやすくなる。検討の結果、巻取温度は650℃以下とする。特に高強度を要する部材用途では巻取温度を600℃以下に管理することがより好ましい。一方、巻取温度が450℃を下回ると変態組織強化により強度は著しく上昇するが、次工程の冷間圧延において冷間圧延率、板厚、強度のバランス調整が難しくなる。
以上の熱延条件の範囲で、前記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFが2.0以上の熱延鋼板を作る。この段階で展伸度を2.0以上としておかないと、冷間圧延後に展伸度5.0以上を得るためには高い冷間圧延率を余儀なくされ、所望の製品板厚において展伸度5.0以上に調整することが難しくなりやすい。
〔冷間圧延〕
冷間圧延工程では、冷間圧延率を40〜80%とする。冷延率40%未満では鋼管にしたときの前記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFを安定して5.0以上とすることが難しくなる。また、引張強さ980N/mm2以上を狙う場合には強度不足となりやすい。一方、冷延率が80%を超える場合は、冷延パス回数が著しく増加し、製造コストの大幅な増大を招く場合がある。
上記冷間圧延率の範囲で前記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFが5.0以上の冷延鋼板を得る。すなわち、予め判っている製品板厚に応じて、冷間圧延率40〜80の範囲でフェライト結晶粒展伸度が5.0以上が得られるように、前記熱間圧延条件と冷間圧延率の組み合わせを設定することが重要である。この条件の組み合わせは、化学組成に応じて予め予備実験を行うことなどによって定めることができる。
〔造管〕
フェライト結晶粒展伸度が5.0以上の冷延鋼板をそのまま未焼鈍の状態で溶接造管に供する。その際、圧延方向すなわちフェライト結晶粒が伸びている方向が管の長手方向となるように造管する。造管は、所定幅の鋼帯をロールフォーミングによって円筒状に成形していき、鋼帯の両エッジ部同士を付き合わせて溶接する一般的な溶接造管方法が適用できる。溶接は高周波溶接、プラズマ溶接、TIG溶接などが挙げられるが、高周波溶接による電縫鋼管とすることが好ましい。このようにして得られた鋼管は、優れた衝突曲げ靱性を呈する。
表1に示す組成の鋼スラブを1250℃に加熱したのち抽出して熱間圧延した。熱延条件は表2に示すとおりとした。表2中には各鋼のAr3点も示してある。次いで酸洗によりスケールを除去した後、表2に示す冷間圧延率にて冷間圧延を行った。冷延鋼板を未焼鈍の鋼帯の状態で造管ラインに通板し、高周波溶接にて造管して肉厚1.0mm、外径31.8mmの電縫鋼管を得た。なお、仕上圧延最終パス終了後、巻取までの平均冷却速度は、表2に示した本発明例のものはいずれも20〜100℃/秒の範囲に収まっている。
Figure 0005460099
酸洗後の熱延鋼板および冷延鋼板からサンプルを採取し、L断面について顕微鏡観察を行い、前述の方法で熱延鋼板および冷延鋼板のフェライト結晶粒展伸度を調べた。その際、圧延材のL断面を研磨およびエッチングし、板厚中心部近傍を観察した。
なお、本発明例のものはいずれも熱延鋼板における結晶粒展伸度EFが2.0以上であった。また、本発明例のものはいずれもマトリクスはフェライト相が70体積%以上を占めており、第2相はベイナイトまたはマルテンサイトからなり、パーライトの量は10体積%以下であった。
得られた鋼管からJIS Z2201の11号引張試験片を作製し、引張試験を行い、降伏応力YSおよび引張強さTSを測定した。また、得られた鋼管について、以下の方法で低温落重試験および耐食性試験を実施した。
〔低温落重試験〕
鋼管から長さ900mmの試料を採取し、これを−30℃に冷却した後、直ちに、300mmの間隔で固定された2箇所の支持治具の上に水平に置き、114kgの重錘を落下距離300mmにて試料鋼管の支持治具間の中央位置に落下・衝突させた。支持治具はR=30mmの逆U字型断面を有し、重錘は衝突部に先端R=25mmのポンチを有している。溶接ビード位置は上端から0°の位置になるようにした。試験後、湾曲した試験片の側面に裂け疵が発生しておらず、かつ溶接部に割れが認められないものを○(衝突曲げ靭性;良好)、それ以外のものを×(衝突曲げ靭性;不良)と評価した。
〔耐食性試験〕
鋼管から長さ150mmの試料を切り出し、切断端面および鋼管内面側に塗装を施してシールした後、溶接ビード部を上面にして75°に立掛けた状態で促進腐食試験に供した。腐食試験の条件は、「塩水噴霧:4h→乾燥:8h」の12hを1サイクルとする条件とし50サイクルまで実施した。腐食試験後にシールを除去し、鋼管外面の最大侵食深さを測定した。なお、塩水噴霧は、35℃、0.5%の濃度のNaCl水溶液を用いた。また、乾燥は湿度60%で、20℃に調整した外気を導入して行った。試験後の試料を光学顕微鏡で観察し、最大侵食深さが0.2mm以下のものを○(耐食性良好)、0.2mmを超えるものを×(耐食性不良)と評価した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 0005460099
表2からわかるように、本発明例の鋼管はフェライト結晶粒展伸度が5.0以上である冷延鋼板を素材に用いたことにより低温落重試験において優れた衝突曲げ靭性を有し、かつ所定の化学組成を有することにより良好な耐食性を有することが確認された。また、化学組成の調整により、引張強さ980N/mm2以上の高強度を兼備するものが得られることが確認された。
これに対し、比較例No.31〜33は、いずれも冷延率が低すぎたことにより、冷延鋼板のフェライト結晶粒展伸度EFが5.0に達しなかった。その結果、低温落重試験において湾曲部に割れ疵が発生し、衝撃曲げ靭性に劣る。No.34はC含有量が高く、No.35はP含有量が高いため、いずれも衝撃曲げ靭性が劣っている。No.36はCu含有量が少なく、No.37、38はS含有量が多いため、これらはいずれも耐食性に劣り、このうちNo.38はMn含有量が多いため衝撃曲げ靭性にも劣る。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:1.5%以下、Mn:2.5%以下、P:0.005〜0.03%、S:0.005%以下、Cu:0.05〜0.5%、酸可溶Al:0.005〜0.1%、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、マトリクスがフェライト単相である金属組織、またはマトリクスがフェライト相+50体積%以下の第2相からなり、前記第2相はマルテンサイト、ベイナイト、パーライトを意味し、マトリクス中のパーライトの存在量が10体積%以下である金属組織を有し、かつ下記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFが5.0以上である未焼鈍冷延鋼板を圧延方向が長手方向となるように溶接造管してなる耐食性と衝撃曲げ靭性に優れた高強度鋼管。
    F=N1/N2 …(1)
    ここで、
    F:圧延板のフェライト結晶粒展伸度。
    1:圧延方向および板厚方向に平行な断面(L断面)の顕微鏡視野において板厚方向の一定長さXの線分によって切断される結晶粒の数。ただし顕微鏡視野および線分の長さXはN1が10以上となるように設定する。
    2:前記視野において圧延方向の前記長さXの線分によって切断される結晶粒の数。
  2. さらにTi:0.15%以下、Nb:0.15%以下の1種以上を含有する請求項1に記載の高強度鋼管。
  3. 質量%で、C:0.1〜0.2%、Si:1.5%以下、Mn:1.5超え〜2.5%、P:0.005〜0.03%、S:0.005%以下、Cu:0.05〜0.5%、酸可溶Al:0.005〜0.1%、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、マトリクスがフェライト単相である金属組織、またはマトリクスがフェライト相+50体積%以下の第2相からなり、前記第2相はマルテンサイト、ベイナイト、パーライトを意味し、マトリクス中のパーライトの存在量が10体積%以下である金属組織を有し、かつ下記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFが5.0以上である未焼鈍冷延鋼板を圧延方向が長手方向となるように溶接造管してなる耐食性と衝撃曲げ靭性に優れた引張強さ980N/mm2以上の高強度鋼管。
    F=N1/N2 …(1)
    ここで、
    F:圧延板のフェライト結晶粒展伸度。
    1:圧延方向および板厚方向に平行な断面(L断面)の顕微鏡視野において板厚方向の一定長さXの線分によって切断される結晶粒の数。ただし顕微鏡視野および線分の長さXはN1が10以上となるように設定する。
    2:前記視野において圧延方向の前記長さXの線分によって切断される結晶粒の数。
  4. 化学組成が、質量%で、C:0.03〜0.2%、Si:1.5%以下、Mn:1.5超え〜2.5%、P:0.005〜0.03%、S:0.005%以下、Cu:0.05〜0.5%、酸可溶Al:0.005〜0.1%であり、Ti:0.15%以下、Nb:0.15%以下の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、TiとNbの合計含有量が0.03%以上である請求項3に記載の高強度鋼管。
  5. さらにNi:1%以下、Cr:1%以下、Mo:0.3%以下、V:0.3%以下、Zr:0.3%以下の1種以上を含有する化学組成を有する請求項1〜4のいずれかに記載の高強度鋼管。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の化学組成を有するスラブを熱間圧延したのち、スケール除去処理、冷間圧延、溶接造管の工程により鋼管を製造するに際し、熱間圧延において熱延仕上温度を(Ar3点−20℃)以上、仕上圧延最終パス終了後、巻取までの平均冷却速度を20〜100℃/秒、巻取温度を450〜650℃として下記(1)式により定まるフェライト結晶粒展伸度EFが2.0以上の熱延鋼板を作り、冷間圧延において圧延率を40〜80%として、マトリクスがフェライト単相である金属組織、またはマトリクスがフェライト相+50体積%以下の第2相からなり、前記第2相はマルテンサイト、ベイナイト、パーライトを意味し、マトリクス中のパーライトの存在量が10体積%以下である金属組織を有し、かつ同フェライト結晶粒展伸度EFが5.0以上の冷延鋼板を作り、溶接造管において未焼鈍のままの冷延鋼板をその圧延方向が管の長手方向となるように造管する高強度鋼管の製造方法。
    F=N1/N2 …(1)
    ここで、
    F:圧延板のフェライト結晶粒展伸度。
    1:圧延方向および板厚方向に平行な断面(L断面)の顕微鏡視野において板厚方向の一定長さXの線分によって切断される結晶粒の数。ただし顕微鏡視野および線分の長さXはN1が10以上となるように設定する。
    2:前記視野において圧延方向の前記長さXの線分によって切断される結晶粒の数。
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