JP2005283718A - 変倍光学系及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光学機能面を回転させて光束の光学機能面通過位置を変化させることで変倍を行い、かつ、コンパクトで収差を良好に保ったまま変倍比が大きくした変倍光学系。
【解決手段】 絞り2より物体側及び像側にそれぞれ少なくとも1面の光学機能面11、12、13、21、22、23を有する光学素子10、20を1つ以上備え、遠方の物体Oの像を変化する倍率で結像する変倍光学系であって、それぞれの光学機能面の少なくとも1面12、22は連続した面からなり、断面の一端から他端に向かって少なくとも断面方向の曲率半径が連続的に変化する形状に構成され、変倍の際に、物体側及び像側の少なくとも1つの光学素子10、20を、1面の光学機能面と接しない点S1、S2を中心にして回転させて変倍する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変倍光学系及びそれを用いた電子機器に関するものであり、特に、コンパクトな変倍光学系、及び、そのような変倍光学系を用いた電子機器に関する。この電子機器には、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、携帯電話、情報携帯端末がある。
自由曲面プリズムで変倍撮像光学系を構成するものとして、特許文献1、特許文献2、特許文献3等のものが知られている。
特開平8−292372号公報 特開2002−139670号公報 特開2002−328302号公報
しかし、特許文献1のものは、複数のプリズムを移動させることにより変倍する構成である。そのため、プリズムの移動空間を予め装置内に確保しておく必要があり、装置の大型化を招くことになる。また、プリズムを正確に直線移動させるための機構に精度が要求されるために、構造が複雑になりコストアップと組み立ての大きな妨げとなる。
次に、特許文献2では、プリズムに対して開口を移動させ、光線の入射位置を変えて変倍を行っている。しかしながら、1次像を形成する光学系のため、光学系が大型になる。また、開口に明るさ調整機能を持たせようと、移動機構に加えて開口径の大きさを変える機構が必要になる。その結果、機構が複雑化、大型化する。
特許文献3も、1次像を形成する光学系のため、光学系が大型になる。また、1次像の位置を回転中心として、像側のプリズムを回転させて変倍を行っている。この場合、収差を良好に保ちつつ変倍比を大きくすることは困難である。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンパクトで収差を良好に保ったまま変倍比が大きな変倍光学系、及び、それを用いた電子機器を提供することである。
本発明の変倍光学系は、絞りと、該絞りより物体側に少なくとも1面の光学機能面を有する光学素子を1つ以上備え、かつ、前記絞りより像側に、少なくとも1面の光学機能面を有する別の光学素子を1つ以上備える変倍光学系であって、
前記光学素子の前記光学機能面の少なくとも1面は連続した面からなり、
遠方の物体に向かう方向ベクトルと絞りの中心を通り絞り面に垂直なベクトルとによって規定される平面を基準面としたとき、前記基準面と前記光学機能面が交わることで形成される交線の形状が、一端から他端に向かって少なくとも曲率半径が連続的に変化する形状となるように、前記光学機能面が構成され、
また、前記別の光学素子の光学機能面の少なくとも1面は連続した面からなり、
前記基準面と前記別の光学素子の光学機能面が交わることで形成される交線の形状が、一端から他端に向かって少なくとも断面方向の曲率半径が連続的に変化する形状となるように、前記別の光学素子の光学機能面が構成されており、
前記基準面内において、前記光学素子の前記光学機能面と接しない点を通り前記基準面に垂直な軸を回転軸としたとき、前記回転軸を中心にして、前記光学素子が回転され、かつ、前記別の光学素子の前記光学機能面と接しない点を通り前記基準面に垂直な軸を回転軸としたとき、前記回転軸を中心にして、前記別の光学素子が回転されることを特徴とするものである。
また、変倍光学系は、前記光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面、及び、前記別の光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面は反射面であることを特徴とする。
また、変倍光学系は、前記絞り直前の平面でない光学機能面と、前記絞り直後の平面でない光学機能面とが、変倍の際に、前記絞りに対して互いに異なる向きに回転することを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、上記の変倍光学系と、その像側に配置された撮像素子とを備えていることを特徴とする。
以下、本発明において上記構成をとる理由と作用を説明する。
本発明の変倍光学系は、反射面や屈折面からなる光学機能面を有する光学素子を、絞りよりも物体側及び像側に、それぞれ少なくとも1つ配置している。そして、それらの光学機能面を、その光学機能面から離れた点を中心に回転させるものである。このような構成により、光学機能面を通過(反射又は屈折)する光線(光束)の位置を変化させることができる。そして、これにより、変倍を行うようにしている。その結果、少ない光学素子数及び低コストで、コンパクトな変倍光学系を実現している。また、絞り位置は固定なので、絞りの機構が簡単になる。
像面に対して1つの光学素子を回転させても変倍の効果は得られるが、像点位置は回転に伴いずれてしまう。像点位置がずれないように回転させることは必ずしも不可能ではないが、変倍比を大きくしようとすると、面形状が複雑になり、良好な性能が得られない。あるいは、良好な性能を得るために光学素子が大型化になったり、回転以外の移動機構が必要となり好ましくない。しかし、2つ以上の光学素子を回転させることで、像点位置がずれないままで、より少ない光学素子数及びコンパクトな体積で、より大きな変倍効果を得ることが可能になる。
より具体的に説明する。図1は、変倍光学系の構成を示す模式図である。この変倍光学系は、遠方の物体Oの像を、中間像を形成することなく像面3に形成する光学系である。ここで、この変倍光学系から遠方の物体(被写体)Oに向かう方向ベクトルをベクトルAとする。また、光学系の開口絞り2の中心を通り、絞り面に垂直な方向ベクトルをベクトルBとする。このベクトルAとベクトルBとによって1つの平面が規定されるので、本発明ではその面を基準面(Y−Z平面)とする。この基準面は、図1では紙面内にある。この変倍光学系は、この基準面に対して面対称に構成されている。
変倍光学系は、絞り2より物体側と像側に、それぞれ、少なくとも1面の光学機能面を有する光学素子10、20を1つ以上備えている。図1の場合は、絞り2より物体側の光学素子10は3つの光学機能面11、12、13を備えており、1つの反射プリズムを構成している。また、絞り2より像側の光学素子20も3つの光学機能面21、22、23を備えており、1つの反射プリズムを構成している。ただし、それぞれの光学素子10、20は光学機能面は1面でもよく、あるいは4面以上でもよい。また、図1の場合は、光学機能面12は反射面として図示してあるが、必ずしも反射面でなくともよく、屈折面であってもよい。なお、図1の場合は、光学機能面11、13、21、23は屈折面である。
この変倍光学系は、基準面に垂直な回転軸(中心軸)S1を中心にして、光学素子10を回転させるようになっている。それに伴って、基準面に垂直な回転軸(中心軸)S2を中心にして、光学素子20も回転させるようになっている。すなわち、この変倍光学系は、2つの光学素子10、20の回転によって、変倍を行おうとするものである。
光学機能面12、22は、次のような形状であることが好ましい。まず、光学機能面12、22は、連続した面で構成されていることが好ましい。連続した面とは、例えば、形状が滑らかに変化する面である。次に、光学機能面12、22は、曲率半径が異なる領域を含む面で構成されていることが好ましい。この点について説明する。基準面と光学機能面が交わることで、交線が形成される。この交線は、当然のことながら光学機能面12、22に含まれる。この交線の形状は、一端から他端に向かって、少なくとも曲率半径(図の面内での曲率半径)が連続的に変化する形状であるのが好ましい。すなわち、光学機能面12、22は、このような形状の交線を含む面で構成されていることが必要である。なお、光学系の焦点距離を連続的に変化させるためには、(1) 光学機能面12、22と交差する軸上主光線1の位置が、回転に伴って変化すること、(2) 交線に沿う方向において、光学機能面12、22の曲率半径が連続的に変化していること、が必要である。もちろん、基準面に垂直な方向の曲率半径も、同様に連続的に変化していることが望ましい。なお、軸上主光線1とは、絞り2の中心を通り、像面3中心に達する光線である。
ここで、回転軸S1、S2の位置としては、交線上にない点(基準面内においてその光学機能面12、22と接しない点)であることが必要である。このようにすると、光学素子10、20の回転に伴って、光学機能面12、22と交差する軸上主光線1の点が変化する。特に、回転軸S1、S2の位置を交線から離れた位置にすると、光学機能面12、22と交差する軸上主光線1の点を大きく変化させることができる。その結果、変倍比を大きくすることが可能になる。
そして、2つ以上の光学素子10、20を連携して回転させることで、像面3の平面位置を変えずに、より少ない光学素子数及びコンパクトな体積で、より大きな変倍効果を得ることが可能となる。
なお、基準面と光学機能面11、21とが交わることでも、交線が形成される。また、基準面と光学機能面13、23とが交わることでも、交線が形成される。回転軸S1、S2は、これらの交線上に位置していても(光学機能面12、22以外の光学機能面11、13、21、23と接していても)、もちろんよい。なお、プリズム10、20の内部あるいはその近傍に回転軸S1、S2があれば、プリズム10、20を回転させたときに、プリズム10、20の移動量を小さくすることができる。
このように、1つの断面内において曲率半径が連続的に変化する形状の面としては、回転非対称面な面が考えられる。その代表的なものとして自由曲面が使用できるが、自由曲面とは以下の式で定義されるものである。この定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
66
Z=cr2 /[1+√{1−(1+k)c2 2 }]+Σ Cj m n
j=2
・・・(a)
ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。
球面項中、
c:頂点の曲率
k:コーニック定数(円錐定数)
r=√(X2 +Y2
である。
自由曲面項は、
66
Σ Cj m n
j=2
=C2 X+C3
+C4 2 +C5 XY+C6 2
+C7 3 +C8 2 Y+C9 XY2 +C103
+C114 +C123 Y+C132 2 +C14XY3 +C154
+C165 +C174 Y+C183 2 +C192 3 +C20XY4
+C215
+C226 +C235 Y+C244 2 +C253 3 +C262 4
+C27XY5 +C286
+C297 +C306 Y+C315 2 +C324 3 +C333 4
+C342 5 +C35XY6 +C367
・・・・・・
ただし、Cj (jは2以上の整数)は係数である。
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、Xの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。また、Yの奇数次項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。
また、上記の回転非対称な曲面形状の面である自由曲面の他の定義式として、Zernike多項式により定義できる。この面の形状は以下の式(b)により定義する。その定義式(b)のZ軸がZernike多項式の軸となる。回転非対称面の定義は、X−Y面に対するZの軸の高さの極座標で定義され、RはX−Y面内のZ軸からの距離、AはZ軸回りの方位角で、X軸から測った回転角で表せられる。
x=R×cos(A)
y=R×sin(A)
Z=D2
+D3 Rcos(A)+D4 Rsin(A)
+D5 2 cos(2A)+D6 (R2 −1)+D7 2 sin(2A)
+D8 3 cos(3A) +D9 (3R3 −2R)cos(A)
+D10(3R3 −2R)sin(A)+D113 sin(3A)
+D124cos(4A)+D13(4R4 −3R2 )cos(2A)
+D14(6R4 −6R2 +1)+D15(4R4 −3R2 )sin(2A)
+D164 sin(4A) +D175 cos(5A) +D18(5R5 −4R3 )cos(3A)
+D19(10R5 −12R3 +3R)cos(A)
+D20(10R5 −12R3 +3R)sin(A)
+D21(5R5 −4R3 )sin(3A) +D225 sin(5A)
+D236cos(6A)+D24(6R6 −5R4 )cos(4A)
+D25(15R6 −20R4 +6R2 )cos(2A)
+D26(20R6 −30R4 +12R2 −1)
+D27(15R6 −20R4 +6R2 )sin(2A)
+D28(6R6 −5R4 )sin(4A) +D296sin(6A)・・・・・
・・・(b)
ただし、Dm (mは2以上の整数)は係数である。なお、X軸方向に対称な光学系として設計するには、D4 ,D5 ,D6 、D10,D11,D12,D13,D14,D20,D21,D22…を利用する。
上記定義式は、回転非対称な曲面形状の面の例示のために示したものであり、他のいかなる定義式に対しても同じ効果が得られることは言うまでもない。
なお、自由曲面の他の定義式の例として、次の定義式(c)があげられる。
Z=ΣΣCnmXY
例として、k=7(7次項)を考えると、展開したとき、以下の式で表せる。
Z=C2
+C3 Y+C4 |X|
+C5 2 +C6 Y|X|+C7 2
+C8 3 +C9 2 |X|+C10YX2 +C11|X3
+C124 +C133 |X|+C142 2 +C15Y|X3 |+C164
+C175 +C184 |X|+C193 2 +C202 |X3
+C21YX4 +C22|X5
+C236 +C245 |X|+C254 2 +C263 |X3
+C272 4 +C28Y|X5 |+C296
+C307 +C316 |X|+C325 2 +C334 |X3
+C343 4 +C352 |X5 |+C36YX6 +C37|X7
・・・(c)
なお、回転非対称面としては、アナモフィック面、トーリック面を用いることもできる。
そして、本発明においては、固定された絞り2に対して像面3は固定されている(後記の実施例2)かあるいは固定された面内で移動する(後記の実施例1)ように構成することができる。像面3が固定されているかあるいは固定された面内で移動する構成の場合は、像面に配置する撮像素子等の受光部を移動させずにすむようになり、その受光部に関する構造が簡素になり、そのためよりコンパクト化が可能になる。
また、物体Oに面した第1面(図1では、光学機能面11)に入射する軸上主光線1が、固定になった状態でなくてもよい。例えば、倍率の変化に応じて軸上主光線1が平行移動するように、変倍光学系を構成してもよい。
また、絞り2の物体側にある光学素子10及び絞り2の像側にある別の光学素子20を回転させて変倍する際に、絞り2の直前に位置する光学機能面13と、絞り2の直後に位置する光学機能面21とが、絞り2に対して互いに異なる向きに回転するように、結像光学系を構成することが望ましい。このような構成だと、軸上主光線1は絞り2中心を通るため、光学機能面13に対する光学機能面21の相対的な位置変化を大きくとることができる。その結果、倍率の変化を大きくすることができる。ただし、ここでは、光学機能面12、21は平面でない面を意味する。
また、光学素子10、20が、少なくとも1面の反射面を有することが望ましい。光学素子が回転するには、スペースが必要となる。そこで、光学素子10、20が少なくとも1面の反射面を有することで、光線を折り返すことができる。すなわち、同じスペースを、複数回光線が通過するようにさせることが可能となる。よって、スペースの利用効率が上がり、光学系の小型化につながる。また、少なくとも1面の反射面を有することで、色収差等の発生を少なくできる。
また、光学素子10、20が、3面以上の面を有することが望ましい。光学素子10、20が3面以上の面を有することで、光学素子内の光路長が長くなる。そのため、回転に伴う光学素子内の光路長の変化を大きくすることができる。その結果、より少ない光学素子数及びコンパクトな体積で、より大きな変倍効果を得ることができる。
また、光学素子10、20が3面以上の面を有することで、その光学素子の面を屈折面として利用できる。これらの面が屈折力を有していれば、回転に伴う光学素子内のパワー配置の変化を大きくすることができる。よって、より少ない光学素子数及びコンパクトな体積で、より大きな変倍効果を得ることができる。
また、光学素子10、20が少なくとも1面の回転非対称面を有することが望ましい。光学素子10、20が回転すると、偏心収差が発生する。そこで、光学素子10、20が少なくとも1面の回転非対称面を有することで、偏心収差の発生を光学素子10、20内で良好に抑制できる。
また、光学素子10、20の変倍時の回転角が、以下の条件式を満たすことが望ましい。
0°<θ<120° ・・・(1)
ただし、θ:光学素子の回転角である。
この条件式(1)を満たす回転角で光学素子が回転することで、光学素子10、20内での光路長の変化、及び、パワー配置の変化を大きくすることができる。よって、より少ない光学素子数及びコンパクトな体積で、より大きな変倍効果を得ることができる。条件式(1)の上限の120°を越えると、光学素子10、20から射出する光線の射出方向の変動が大きくなりすぎる。そのため、光学素子10、20の射出側に位置する光学機能面の面積を、大きくせざるを得なくなる。その結果、光学系が全体的に大型化してしまうので、好ましくない。下限の0°を下回ると、光路を選択すること自体が不可能になる。そのため、光学的パラメーターを変化させることが不可能となる。
あるいは、下記の条件式(1−1)を満足することが望ましい。
5°<θ<90° ・・・(1−1)
条件式(1−1)の上限の90°を越えると、条件式(1)と同じような結果となる。下限の5°を下回ると、回転に伴う変倍効果はほとんど得られない。若しくは、変倍効果を得るには、光学機能面の形状の変形量を大きくしなくはならなくなる。そうすると、収差を抑制して性能を得るのが難しくなるので、好ましくない。
あるいは、下記の条件式(1−2)を満足することがより望ましい。
10°<θ<60° ・・・(1−2)
また、変倍比が下記の条件式を満たすことが望ましい。
1.01<β<20 ・・・(2)
ただし、β:変倍比である。
条件式(2)を満たす変倍比で変倍することで、性能を保ったまま大きな変倍効果を得ることができる。条件式(2)の上限の20を越えると、必要な回転角が大きくなる。この場合、光学素子Fから射出する光線の射出方向の変動が大きくなりすぎる。そのため、光学素子Fの射出側に位置する光学機能面の面積を、大きくせざるを得なくなる。その結果、光学系が全体的に大型化してしまうので、好ましくない。あるいは、変倍比を実現するためには、光学機能面の形状の変形量を大きくせざるを得ない。この場合、収差を抑制して性能を得るのが難しくなり好ましくない。下限の1.01を下回ると、変倍比が小さくなるので、好ましくない。
あるいは、下記の条件式(2−1)を満足することが望ましい。
1.5<β<18 ・・・(2−1)
あるいは、下記の条件式(2−2)を満足することがより望ましい。
1.8<β<16 ・・・(2−2)
また、下記の条件式を満たすことが望ましい。
0<νmax −νmin <100 ・・・(3)
ただし、νmax :光学系に含まれる光学素子の最大アッベ数、
νmin :光学系に含まれる光学素子の最小アッベ数、
である。
条件式(3)を満たす光学素子(光学素子10及び光学素子20)を用いることで、光学系で発生する色収差を、より少ない光学素子数及びコンパクトな体積で良好に抑制することができる。条件式(3)の上限の100を越えると、資源が存在しない。下限の0を越えると、1種類の材料若しくは全く等しいアッベ数の材料で光学系を構成することになる。この場合、色収差の発生を良好に抑制することができないので、好ましくない。
あるいは、下記の条件式(3−1)を満足することが望ましい。
5<νmax −νmin <100 ・・・(3−1)
条件式(3−1)の上限の100を越えると、資源が存在しない。下限の5を越えると、用いる光学材料のアッベ数の差が小さすぎるために、色収差の発生を良好に抑制することができず好ましくない。
あるいは、下記の条件式(3−2)を満足することがより望ましい。
10<νmax −νmin <100 ・・・(3−2)
また、本発明の電子機器は、以上のような変倍光学系と、その像側に配置された電子撮像素子とを備えている。上記の変倍光学系は、小型・コンパクトで低コストなものである。よって、このような変倍光学系を撮像光学系として電子機器に搭載すれば、これらの電子機器の小型化・低コスト化を図ることができる。なお、電子機器としては、デジタルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、携帯電話、情報携帯端末、電子内視鏡等がある。
この場合に、変倍光学系で形成された像の形状を電気的に補正する手段を、電子機器が備えるのが好ましい。上記の変倍光学系においては、回転非対称で倍率によって異なる形状の像歪みや色収差が発生しやすい。このような収差を光学系で良好に補正しようとすると、光学素子数が増え光学系が大型化する。そこで、光学系で補正し切れないこれらの収差を、電気的に補正するようにすることで、光学系をよりコンパクトにすることができる。
その補正としては、焦点距離毎に異なる補正パラメータをテーブルに用意しておいて、また、波長領域(色)毎に異なる補正パラメータを用意しておいて用いることが望ましい。
本発明の変倍光学系及びそれを用いた電子機器によると、反射面や屈折面からなる光学機能面を絞りより物体側と像側にそれぞれ少なくとも1つ配置して、その光学機能面をその光学機能面から離れた点を中心に回転させている。これにより、絞りを経て結像に寄与する光束の光学機能面通過(反射又は屈折)位置を変化させることによって、収差を良好に保ったまま変倍比が大きな変倍を行うようにしている。その結果、少ない光学素子数及び低コストでコンパクトで変倍比の大きな変倍光学系、及び、それを用いた電子機器を提供することができる。
以下に、本発明の変倍光学系(撮像光学系)の実施例について、図面を用いて説明する。
各実施例の構成パラメータにおいては、例えば図2の断面図に示すように、順光線追跡で、軸上主光線1を、光学系の最も物体側の第1面(図2では、カバーガラスCG1の第1面CG1a)に対して垂直に入射し、光学系の絞り2の中心を通り、像面3の中心に至る光線で定義する。そして、光学系の最も物体側の第1面(図2では、カバーガラスCG1の第1面CG1a)と広角端での軸上主光線1とが交差する位置を、偏心光学系の偏心光学面の原点としている。また、軸上主光線1に沿う方向をZ軸方向とし、物体から第1面に向かう方向をZ軸正方向とする。また、光軸が折り曲げられる平面をY−Z平面とし、原点を通りY−Z平面に直交する方向をX軸方向とする。そして、図2の紙面の表から裏へ向かう方向をX軸正方向とする。さらに、X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。
後述の実施例1〜2では、このY−Z平面内で各面(光学機能面)の偏心を行っており、また、各回転非対称自由曲面の唯一の対称面をY−Z面としている。
偏心面については、光学系の原点からその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のシフト量をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自由曲面については、前記の(a)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の周りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の周りで反時計回りにβ回転させると共に、1度回転した座標系もY軸の周りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の周りで時計回りにγ回転させるものである。
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面(光学機能面)の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には、面間隔が与えられており、その他、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
図2(a)〜(c)は、本発明の実施例1に係る変倍光学系を示している。ここで、各図はそれぞれ光軸(軸上主光線)1に沿う断面図であって、広角端、中間状態、望遠端での配置と光路を示している。この実施例の光学系の広角端、中間状態、望遠端での横収差図を、それぞれ図3、図4、図5に示す。各収差図において、それぞれ(a)はX方向画角がゼロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収差、(b)はX方向画角がゼロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のX方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、Y負方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差、(d)はX方向画角がゼロ、Y負方向最大画角を通る主光線のX方向の横収差、(e)はX正方向最大画角、Y負方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差、(f)はX正方向最大画角、Y負方向最大画角を通る主光線のX方向の横収差、(g)はX正方向最大画角、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収差、(h)はX正方向最大画角、Y方向画角がゼロを通る主光線のX方向の横収差、(i)はX正方向最大画角、Y正方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差、(j)はX正方向最大画角、Y正方向最大画角を通る主光線のX方向の横収差、(k)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差、(l)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通る主光線のX方向の横収差を示している。
実施例1の変倍光学系は、物体側から順に、カバーガラスCG1と、前群の光学素子10と、開口絞り2と、後群の光学素子20と、カバーガラスCG2とを有している。図中、3は像面(撮像面)である。カバーガラスCG1、CG2は、平行平板状に形成されている。また、開口絞り2の位置は固定である。また、その開口径は、固定あるいは可変となっている。
光学素子10は、光学機能面として、入射面11、反射面12、反射面13及び射出面14とを有する。この光学素子10は偏心プリズムである。入射面11を経て入射した軸上主光線1は、反射面12で内部反射され、次いで反射面13で内部反射され、射出面14で屈折されて、光学素子10の外に射出する。また、光学素子10では、入射面11から反射面12に向かう軸上主光線1と反射面13から射出面14に向かう軸上主光線1とは、光学素子10内で交差している。すなわち、入射面11、反射面12、反射面13及び射出面14は、軸上主光線1が交差するように、それぞれ配置されている。ここで、X軸の正方向から見たとき、軸上主光線1は、光学素子10内で右回りに回転するように進む。
光学素子20は、光学機能面として、入射面21、反射面22、反射面23及び射出面24とを有する。この光学素子20も、偏心プリズムである。入射面21を経て入射した軸上主光線1は、反射面22で内部反射され、次いで反射面23で内部反射され、射出面24で屈折されて、光学素子20の外に射出する。入射面21から反射面22に向かう軸上主光線1と、反射面23から射出面24に向かう軸上主光線1とは、光学素子20内で交差している。すなわち、入射面21、反射面22、反射面23及び射出面24は、軸上主光線1が交差するように、それぞれ配置されている。ここで、X軸の正方向から見たとき、軸上主光線1は、光学素子20内で左回りに回転するように進む。これは、光学素子10とは逆の進み方である。
光学素子10の入射面11、反射面12、反射面13及び射出面14、光学素子20の入射面21、反射面22、反射面23及び射出面24は、何れも、自由曲面形状に形成されている。そして、これらの面は、回転非対称なパワーを有する。また、これらの面は、Y−Z面内で偏心している。
この実施例の変倍光学系において、遠方の物体の中心から出た軸上主光線1は、光学素子10、開口絞り2の中心、光学素子20及びカバーガラスCG2を経て、像面3にその物体の像を結像する。この実施例の変倍光学系において、像は像面3に形成されるだけで、その間に像(中間像)が形成されることはない。すなわち、結像面はただ1つである。
また、変倍のために、本実施例では、光学素子10及び光学素子20を回転させている。ここで、回転方向は、X軸の正方向から見た時の方向である。また、回転軸は、何れもY−Z面に垂直な軸である。光学素子10は、回転軸S1を中心にして、右回りに回転している。そして、それに伴って、光学素子20は、中心軸S2を中心にして、右回りに回転している。よって、本実施例の変倍光学系では、より大きな変倍比を実現することが可能となる。ここで、回転軸S1は、光学素子10の内部にある。また、中心軸S2は、光学素子20の内部にある。
なお、変倍は、図2(a)の広角端から、同(b)の中間状態を経て、同(c)の望遠端へというように行われる。
この実施例の変倍光学系では、光学素子10内と光学素子20内で、軸上主光線1がY−Z面内を進行する。そして、上記のように、相互に反対回りに進行するように、各反射面が配置されている。そのため、異なる変倍状態においても、偏心収差を相互に補償しあうことになるので、全体として収差を良好に補正できる。このように、本実施例の各面の配置は、収差補正上、より望まし配置となっている。
ここで、実施例1の各光学作用面11〜14、21〜24を規定するために用いられる自由曲面の面の形状は、前記(a)式により定義される自由曲面であり、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。偏心光学系のパワーと焦点距離の定義については、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の図15に基づいて定義されるものである。なお、以上の自由曲面の面の形状、偏心光学系のパワーと焦点距離の定義については、以下の実施例においても同じである。
この実施例の数値データは後記するが、その数値データ中、“FFS”は自由曲面、“REF”は反射面を示している。また、屈折率、アッベ数はd線のものである。これらは、以下の実施例の数値データにおいて共通である。
この実施例では、変倍時に、光学素子10は、回転軸S1を中心に回転される。また、光学素子20は、中心軸S2を中心に回転される。そして、像面3の位置は、Y方向に偏心(シフト)する。なお、回転軸S1及び中心軸S2は、仮想面の面頂位置で示される平面中を通る。
後記の数値データ中の偏心量において、面番号4〜7に関しては、面番号3の仮想面に対する偏心量を表している。また、面番号10〜13に関しては、面番号9の仮想面に対する偏心量を表している。また、その際、座標系は原点から平行移動したものとしている。その他の面に関しては、全て第1面(図2では、カバーガラスCG1の第1面CG1aに設定された原点)を基準とした偏心量で示してある。
本実施例では、変倍に伴い、結像位置が同一面内で異なる。そこで、撮像素子として広い撮像範囲を持つ撮像素子を用いれている。このようにすれば、図6に示すように、図中の実線の範囲中の異なる領域に、像が形成される。よって、結像位置が異なっても、撮像素子の位置を固定させたまま撮像ができる。図6では、X方向に長い撮像範囲を持つ撮像素子を用いるものとしているが、図7に示すように、Y方向に長い撮像範囲を持つ撮像素子を用いるようにしてもよい。もちろん、変倍時に撮像素子をY方向に移動させるようにしてもよい。
また、本実施例では波長領域毎に異なる補正パラメータを用いて、電気的に像形状を補正するようにしている。これにより、非対称な像歪や色にじみを効果的に補正することができる。その結果、、好ましい像形状・画質を得ることができる。
図8(a)〜(c)は、本発明の実施例2に係る変倍光学系を示している。ここで、各図はそれぞれ光軸(軸上主光線)1に沿う断面図であって、広角端、中間状態、望遠端での配置と光路を示している。この実施例の光学系の広角端、中間状態、望遠端での横収差図をそれぞれ図9、図10、図11に示す。各収差図における(a)〜(l)の意味は、図3〜図5と同様である。
実施例2の変倍光学系は、物体側から順に、カバーガラスCG1と、前群の光学素子10と、開口絞り2と、後群の光学素子20と、カバーガラスCG2とを有している。図中、3は像面(撮像面)である。カバーガラスCG1、CG2は、平行平板状に形成されている。また、開口絞り2の位置は固定である。また、その開口径は、固定あるいは可変となっている。
光学素子10は、光学機能面として、入射面11、反射面12、反射面13及び射出面14とを有する。この光学素子10は、偏心プリズムである。入射面11を経て入射した軸上主光線1は、反射面12で内部反射され、次いで反射面13で内部反射され、射出面14で屈折されて、光学素子10の外に射出する。また、光学素子10では、入射面11から反射面12に向かう軸上主光線1と反射面13から射出面14に向かう軸上主光線1とは、光学素子10内で交差している。すなわち、入射面11、反射面12、反射面13及び射出面14は、軸上主光線1が交差するように、それぞれ配置されている。ここで、X軸の正方向から見たとき、軸上主光線1は、光学素子10内で右回りに回転するように進む。
光学素子20は、光学機能面として、入射面21、反射面22、反射面23及び射出面24とを有する。この光学素子20も、偏心プリズムである。入射面21を経て入射した軸上主光線1は、反射面22で内部反射され、次いで反射面23で内部反射され、射出面24で屈折されて、光学素子20の外に射出する。入射面21から反射面22に向かう軸上主光線1と反射面23から射出面24に向かう軸上主光線1とは、光学素子20内で交差している。すなわち、入射面21、反射面22、反射面23及び射出面24は、軸上主光線1が交差するように、それぞれ配置されている。ここで、X軸の正方向から見たとき、軸上主光線1は、光学素子20内で左回りに回転するように進む。これは、光学素子10とは逆の進み方である。
光学素子10の入射面11、反射面12、反射面13及び射出面14、光学素子20の入射面21、反射面22、反射面23及び射出面24は、何れも、自由曲面形状に形成されている。そして、これらの面は、回転非対称なパワーを有する。また、これらの面は、Y−Z面内で偏心している。
この実施例の変倍光学系において、遠方の物体の中心から出た軸上主光線1は、光学素子10、開口絞り2の中心、光学素子20及びカバーガラスCG2を経て、像面3にその物体の像を結像する。この実施例の変倍光学系において、像は像面3に形成されるだけで、その間に像(中間像)が形成されることはない。すなわち、結像面はただ1つである。
また、変倍のために、本実施例でも、光学素子10及び光学素子20を回転させている。ここで、回転方向は、X軸の正方向から見た時の方向である。また、回転軸は、何れもY−Z面に垂直な軸である。光学素子10は、回転軸S1を中心にして、右回りに回転している。そして、それに伴って、光学素子20は、中心軸S2を中心にして、右回りに回転している。よって、本実施例の変倍光学系では、より大きな変倍比を実現することが可能となる。ここで、回転軸S1は、光学素子10の内部にある。また、中心軸S2は、光学素子20の外部にあるが、光学素子20の近傍に位置している。
なお、変倍は、図2(a)の広角端から、同(b)の中間状態を経て、同(c)の望遠端へというように行われる。
この実施例の変倍光学系では、光学素子10内と光学素子20内で、軸上主光線1がY−Z面内を進行する。そして、上記のように、相互に反対回りに進行するように、各反射面が配置されている。そのため、異なる変倍状態においても、偏心収差を相互に補償しあうことになるので、全体として収差を良好に補正できる。このように、本実施例の各面の配置は、収差補正上、より望まし配置となっている。
この実施例では、変倍時に、光学素子10は、回転軸S1を中心に回転される。また、光学素子20は、中心軸S2を中心に回転される。なお、回転軸S1及び中心軸S2は、仮想面の面頂位置で示される平面中を通る。
後記の数値データ中の偏心量において、面番号4〜7に関しては、面番号3の仮想面に対する偏心量を表し、面番号10〜13に関しては、面番号9の仮想面に対する偏心量を表していおり、その際、座標系は原点から平行移動したものとしている。その他の面に関しては、全て第1面(図2では、カバーガラスCG1の第1面CG1aに設定された原点)を基準とした偏心量で示してある。
なお、本実施例では、変倍に伴って結像位置は移動しない。
また、本実施例では波長領域毎に異なる補正パラメータを用いて、電気的に像形状を補正するようにしている。これにより、非対称な像歪や色にじみを効果的に補正することができる。その結果、、好ましい像形状・画質を得ることができる。
以下に、実施例1〜2の数値データを示す。

実施例1
広角端 中間状態 望遠端
入射瞳径 : 1.25 〜 1.63 〜 2.26
入射半画角[X] : 26.6°〜 16.1°〜 9.5°
入射半画角[Y] : 20.6°〜 12.2°〜 7.1°
焦点距離[X] : 3.5 〜 6.2 〜 10.6
焦点距離[Y] : 3.6 〜 6.2 〜 10.8
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数 反射面
物体面 ∞ ∞
1 ∞ 偏心(1) 1.4950 65.0
2 ∞ 偏心(2)
3 ∞(仮想面・回転軸S1) 偏心(3)
4 FFS[1] 偏心(4) 1.6069 27.0
5 FFS[2] 偏心(5) 1.6069 27.0 REF
6 FFS[3] 偏心(6) 1.6069 27.0 REF
7 FFS[4] 偏心(7)
8 ∞(絞り面) 偏心(8)
9 ∞(仮想面・回転軸S2) 偏心(9)
10 FFS[5] 偏心(10) 1.5256 56.4
11 FFS[6] 偏心(11) 1.5256 56.4 REF
12 FFS[7] 偏心(12) 1.5256 56.4 REF
13 FFS[8] 偏心(13)
14 ∞ 偏心(14) 1.5163 64.1
15 ∞ 偏心(15)
像 面 ∞ 偏心(16)
FFS[1]
4 4.1199 ×10-36 1.6579 ×10-28 -8.3836 ×10-3
10 -6.6784 ×10-311 -9.7981 ×10-413 -4.9007 ×10-4
15 -6.1790 ×10-417 -1.3628 ×10-419 -6.6807 ×10-6
21 -9.1886 ×10-522 -8.0055 ×10-624 -7.2830 ×10-6
26 1.0665 ×10-528 -1.2506 ×10-6
FFS[2]
4 8.0634 ×10-36 4.2472 ×10-28 -3.7988 ×10-3
10 -6.9592 ×10-311 -3.8963 ×10-413 -3.3523 ×10-5
15 -1.2394 ×10-417 8.2006 ×10-619 2.6962 ×10-5
21 -3.6475 ×10-522 2.1198 ×10-524 -2.3662 ×10-5
26 9.1054 ×10-628 5.2718 ×10-5
FFS[3]
4 -1.8610 ×10-26 3.6558 ×10-28 5.9500 ×10-3
10 -1.6255 ×10-411 -2.6417 ×10-413 -1.1929 ×10-3
15 1.7306 ×10-517 2.0293 ×10-419 1.9287 ×10-4
21 5.5190 ×10-622 -4.4072 ×10-624 -3.6117 ×10-5
26 -1.7387 ×10-528 -9.9860 ×10-7
FFS[4]
4 1.6475 ×10-26 1.2591 ×10-18 1.1965 ×10-2
10 1.4529 ×10-211 -1.0843 ×10-313 -2.1214 ×10-3
15 -3.2103 ×10-317 1.1666 ×10-419 -7.1671 ×10-4
21 -7.9641 ×10-422 -3.1475 ×10-524 4.3413 ×10-5
26 -5.4493 ×10-528 -5.4977 ×10-5
FFS[5]
4 6.2235 ×10-26 -1.2737 ×10-18 -2.2386 ×10-2
10 -2.9728 ×10-211 -1.4407 ×10-313 -6.2840 ×10-3
15 1.5064 ×10-317 -7.8959 ×10-419 -1.2080 ×10-3
21 1.2138 ×10-322 -3.5433 ×10-524 -1.7885 ×10-4
26 -8.9528 ×10-528 1.3578 ×10-4
FFS[6]
4 -2.8201 ×10-26 -1.0644 ×10-28 -1.6319 ×10-3
10 -4.0777 ×10-311 1.9865 ×10-413 -1.7651 ×10-4
15 -4.6771 ×10-517 -9.9306 ×10-519 -4.4615 ×10-5
21 4.8739 ×10-522 -1.1266 ×10-524 -3.1473 ×10-5
26 9.9422 ×10-628 -3.5723 ×10-6
FFS[7]
4 -1.7230 ×10-26 -1.2568 ×10-38 8.3942 ×10-3
10 -2.2244 ×10-311 -2.4421 ×10-413 -1.7785 ×10-3
15 -1.0150 ×10-417 -4.7562 ×10-419 5.2911 ×10-4
21 1.4342 ×10-422 -7.7146 ×10-524 4.8956 ×10-6
26 -8.8928 ×10-528 -1.4534 ×10-5
FFS[8]
4 -5.7194 ×10-36 -1.5926 ×10-18 4.0000 ×10-2
10 -1.0419 ×10-111 3.0000 ×10-313 6.4694 ×10-2
15 7.0466 ×10-217 3.2443 ×10-319 -2.1180 ×10-2
21 -1.5618 ×10-222 1.0000 ×10-324 -5.5078 ×10-4
26 2.3414 ×10-328 1.2251 ×10-3
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.50
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y -2.63 Z 3.70
α (可変)β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y 2.52 Z -3.10
α -1.53 β 0.00 γ 0.00
偏心[5]
X 0.00 Y 3.60 Z 2.86
α 37.08 β 0.00 γ 0.00
偏心[6]
X 0.00 Y -2.76 Z 2.99
α 96.04 β 0.00 γ 0.00
偏心[7]
X 0.00 Y 5.29 Z -1.72
α 90.03 β 0.00 γ 0.00
偏心[8]
X 0.00 Y 3.74 Z 4.43
α 95.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[9]
X 0.00 Y 9.35 Z 4.55
α (可変)β 0.00 γ 0.00
偏心[10]
X 0.00 Y -5.18 Z -0.73
α 101.89 β 0.00 γ 0.00
偏心[11]
X 0.00 Y -0.24 Z -0.02
α 76.29 β 0.00 γ 0.00
偏心[12]
X 0.00 Y -2.79 Z -3.30
α 29.86 β 0.00 γ 0.00
偏心[13]
X 0.00 Y -5.13 Z 2.53
α -18.08 β 0.00 γ 0.00
偏心[14]
X 0.00 Y 5.74 Z 8.07
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[15]
X 0.00 Y 5.74 Z 8.38
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[16]
X 0.00 Y (可変)Z 9.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
(可変偏心量)
広角端 中間状態 望遠端
偏心[3] α -8.24 -17.35 -25.59
偏心[9] α 5.21 -5.00 -18.08
偏心[16]Y 6.34 5.74 6.23 。

実施例2
広角端 中間状態 望遠端
入射瞳径 : 1.28 〜 1.49 〜 2.05
入射半画角[X] : 26.6°〜 16.1°〜 9.5°
入射半画角[Y] : 20.6°〜 12.2°〜 7.1°
焦点距離[X] : 3.5 〜 6.2 〜 10.2
焦点距離[Y] : 3.6 〜 6.2 〜 10.7
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数 反射面
物体面 ∞ ∞
1 ∞ 偏心(1) 1.4950 65.0
2 ∞ 偏心(2)
3 ∞(仮想面・回転軸S1) 偏心(3)
4 FFS[1] 偏心(4) 1.6069 27.0
5 FFS[2] 偏心(5) 1.6069 27.0 REF
6 FFS[3] 偏心(6) 1.6069 27.0 REF
7 FFS[4] 偏心(7)
8 ∞(絞り面) 偏心(8)
9 ∞(仮想面・回転軸S2) 偏心(9)
10 FFS[5] 偏心(10) 1.5256 56.4
11 FFS[6] 偏心(11) 1.5256 56.4 REF
12 FFS[7] 偏心(12) 1.5256 56.4 REF
13 FFS[8] 偏心(13)
14 ∞ 偏心(14) 1.5163 64.1
15 ∞ 偏心(15)
像 面 ∞ 偏心(16)
FFS[1]
4 1.3055 ×10-26 1.7158 ×10-28 -3.3085 ×10-3
10 -1.2693 ×10-311 -3.3452 ×10-413 -2.7224 ×10-4
15 3.2997 ×10-517 -3.1454 ×10-519 -1.1086 ×10-5
21 7.3638 ×10-622 -6.8410 ×10-724 -4.7836 ×10-7
26 5.9583 ×10-728 6.0346 ×10-7
FFS[2]
4 9.0685 ×10-36 4.7493 ×10-28 -2.5602 ×10-3
10 -4.4964 ×10-311 -2.9943 ×10-413 -6.0927 ×10-5
15 3.0623 ×10-417 2.4440 ×10-519 -6.0912 ×10-8
21 -2.9859 ×10-522 7.0423 ×10-624 -2.6415 ×10-6
26 -3.2025 ×10-628 3.3034 ×10-6
FFS[3]
4 -1.2835 ×10-26 2.6766 ×10-28 1.8145 ×10-3
10 -1.6486 ×10-411 -1.7716 ×10-513 -2.3532 ×10-4
15 5.3085 ×10-617 6.3578 ×10-619 2.1391 ×10-5
21 1.1118 ×10-622 9.5390 ×10-624 -1.4798 ×10-6
26 -1.1533 ×10-628 -4.7863 ×10-8
FFS[4]
4 -1.9619 ×10-26 5.9100 ×10-28 4.5013 ×10-3
10 3.1570 ×10-311 7.7245 ×10-413 -4.5883 ×10-4
15 -4.0660 ×10-417 -4.6753 ×10-519 1.4733 ×10-5
21 5.9345 ×10-522 2.4486 ×10-724 -7.0868 ×10-6
26 1.6459 ×10-528 9.1560 ×10-6
FFS[5]
4 4.2989 ×10-26 -3.3188 ×10-28 -5.4964 ×10-3
10 -9.1914 ×10-311 1.0796 ×10-313 -3.6182 ×10-4
15 3.5713 ×10-417 -1.2943 ×10-419 -3.2968 ×10-4
21 -2.0586 ×10-522 -3.8154 ×10-524 -3.8740 ×10-5
26 -4.8478 ×10-528 -2.1636 ×10-5
FFS[6]
4 -2.0836 ×10-26 2.7763 ×10-38 -1.1247 ×10-3
10 -1.7864 ×10-311 1.5683 ×10-413 1.5867 ×10-4
15 -1.2701 ×10-417 -3.8900 ×10-519 -6.8193 ×10-6
21 6.1266 ×10-522 -6.6793 ×10-624 -2.2776 ×10-5
26 -1.1595 ×10-528 -7.1054 ×10-6
FFS[7]
4 -1.3581 ×10-26 1.9321 ×10-28 5.5282 ×10-3
10 -3.1081 ×10-411 3.6371 ×10-513 -5.6046 ×10-4
15 -7.8799 ×10-517 -8.2839 ×10-519 2.3033 ×10-5
21 4.4212 ×10-522 -5.5188 ×10-524 -3.8246 ×10-5
26 -3.3481 ×10-528 -1.7515 ×10-5
FFS[8]
4 -1.0000 ×10-26 -2.7063 ×10-18 -3.4215 ×10-2
10 -4.7806 ×10-211 -1.0852 ×10-313 6.6446 ×10-2
15 7.1896 ×10-217 4.4063 ×10-319 -1.9200 ×10-2
21 -1.8416 ×10-222 1.0000 ×10-324 -7.4672 ×10-4
26 2.1747 ×10-328 1.5095 ×10-3
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.50
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y -3.59 Z 7.95
α (可変)β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y 1.77 Z -6.07
α -3.67 β 0.00 γ 0.00
偏心[5]
X 0.00 Y 4.48 Z 3.79
α 37.88 β 0.00 γ 0.00
偏心[6]
X 0.00 Y -5.33 Z 2.56
α 91.28 β 0.00 γ 0.00
偏心[7]
X 0.00 Y 6.75 Z -2.44
α 88.85 β 0.00 γ 0.00
偏心[8]
X 0.00 Y 5.37 Z 10.01
α 95.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[9]
X 0.00 Y 10.85 Z 13.20
α (可変)β 0.00 γ 0.00
偏心[10]
X 0.00 Y -5.30 Z -1.66
α 111.37 β 0.00 γ 0.00
偏心[11]
X 0.00 Y -0.30 Z -2.49
α 85.22 β 0.00 γ 0.00
偏心[12]
X 0.00 Y -3.88 Z -5.57
α 39.37 β 0.00 γ 0.00
偏心[13]
X 0.00 Y -4.11 Z 1.53
α -4.78 β 0.00 γ 0.00
偏心[14]
X 0.00 Y 8.39 Z 14.54
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[15]
X 0.00 Y 8.39 Z 14.84
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[16]
X 0.00 Y 8.39 Z 15.47
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
(可変偏心量)
広角端 中間状態 望遠端
偏心[3] α -17.24 -26.85 -40.46
偏心[9] α -9.26 -28.58 -42.09 。
上記実施例1〜2における条件式(1)〜(3)の値を以下に示す。
条件式(1) 条件式(2) 条件式(3)
プリズム10 プリズム20 X方向 Y方向
実施例1 17.4° 23.3° 3.0 3.0 29.4
実施例2 23.2° 32.8 2.9 3.0 29.4 。
以上の実施例では、絞りの前後にそれぞれ1個の光学素子(偏心プリズム)を配置していたが、何れか一方あるいは両方に複数の光学素子(偏心プリズム)を配置してもよい。また、光学素子としてプリズム以外の素子、例えばミラーを配置してもよい。また、光学素子が偏心プリズムである場合、偏心プリズムとしては、図2、図8に示したような、内部反射回数が2回の偏心プリズムに限定されない。例えば、内部反射回数が1回以上の種々の偏心プリズムを用いることができる。
光学素子として利用できる偏心プリズムの例を、以下に示す。なお、何れも、順光線追跡を行った場合として説明する。すなわち、偏心プリズムPは、遠方に位置する物体を、瞳131を経て像面136に結像するプリズムとして説明する。しかしながら、これらの偏心プリズムPは、像面136側から光線が入射し、瞳131側に結像する偏心プリズムPとしても使用することができる。
図12の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面133、第4面135からなる。入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射する。偏心プリズムPに入射した光は、第2面133で内部反射し、第3面134でZ字型の光路を形成するように内部反射する。更に、この光は、第4面135に入射して屈折されて、像面36に結像する。
図13の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなる。入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射する。偏心プリズムPに入射した光は、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して全反射し、第4面135に入射して内部反射する。更に、この光は、再び第3面134に入射して今度は屈折されて、像面36に結像する。
図14の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなる。入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射する。偏心プリズムPに入射した光は、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して内部反射し、第2面133に再度入射して内部反射する。更に、この光は、第4面135に入射して屈折されて、像面36に結像する。
図15の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなる。入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射する。偏心プリズムPに入射した光は、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して内部反射する。続いて、この光は、第2面133に再度入射して内部反射し、第4面135に入射して内部反射する。更に、この光は、第2面133に再度入射して今度は屈折されて、像面36に結像する。
図16の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134からなる。入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射する。偏心プリズムPに入射した光は、第2面133で内部反射し、再び第1面132に入射して今度は全反射する。続いて、この光は、第3面134で内部反射し、三たび第1面132に入射して全反射する。更に、この光は、第3面134に再度入射して今度は屈折されて、像面36に結像する。
図17の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134からなる。入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射する。偏心プリズムPに入射した光は、第2面133で内部反射し、再び第1面132に入射して今度は全反射する。続いて、この光は、第3面134で内部反射し、三たび第1面132に入射して全反射する。更に、この光は、再び第3面134に入射して内部反射し、四たび第1面132に入射して今度は屈折されて、像面36に結像する。
さらには、後記の図18の偏心プリズム20のように、第1面21乃至第4面24からなり、プリズム内で3回の反射をするものであってもよい。あるいは、後記の図19の偏心プリズム20のように、第1面21乃至第3面23からなり、その第2面22が全反射面と射出面を兼用するプリズム内で2回の反射をするものであってもよい。あるいは、後記の図20の偏心プリズム20のように、第1面21乃至第3面23からなり、その第1面21が入射面と全反射面を兼用し、プリズム内で2回の反射をするものであってもよい。これらを、前群の光学素子(偏心プリズム)あるいは、後群の光学素子(偏心プリズム)として用いるようにすることもできる。
以下の図18〜図21に、前記実施例1〜2の場合とは異なる光学素子(偏心プリズム)の組み合わせの本発明の変倍光学系の例を示す。ただし、数値データは省く。また、偏心プリズムを、単にプリズムと記載する。
図18の場合は、プリズム10は図2、図8の場合と同じである。また、プリズム20は、光学機能面として、第1面21乃至第4面24を有する。その第1面21は、入射面と第2反射面を兼用する兼用面、第2面22は第1反射面、第3面23は第3反射面、第4面24は射出面である。プリズム10及び絞り2を経た光は、入射面21を透過し、第1反射面22で反射され、今度は第1面21で全反射される。続いて、この光は、第3反射面23で内面反射され、射出面24を透過して像面3上に結像する。このプリズム20においては、プリズム中で、光線はM字型の光路を形成するように内部反射する。
図19の場合は、プリズム10は、光学機能面として第1面11乃至第3面13を有する。その第1面11は入射面、第2面12は反射面、第3面13射出面である。物体からの光線は、入射面11を透過し、反射面12で反射され、第3面13で屈折されて、プリズム10の外に射出し、絞り2に入射する。また、プリズム20は、光学機能面として、第1面21乃至第3面23を有する。その第1面21は入射面、第2面22は第1反射面と射出面を兼用する兼用面、第3面23は第2反射面である。プリズム10及び絞り2を経た光線は、入射面21を透過し、第1反射面22で全反射され、第2反射面23で内面反射され、今度は第2面22を透過して像面3上に結像する。
図20の場合は、プリズム10は図19のプリズム10と同じである。また、プリズム20は、光学機能面として、第1面21乃至第3面23を有する。その第1面21は入射面と第2反射面を兼用する兼用面、第2面22は第1反射面、第3面23は射出面である。前群のプリズム10及び絞り2を経た光線は、入射面21を透過し、第1反射面22で反射され、今度は第1面21で全反射され、射出面23を透過して像面3上に結像する。
図21は、本発明の変倍光学系を構成する場合を示す図である。図21では、絞り2より前側に1つのプリズム10を、絞り2より後側に2つのプリズム20、20’を配置している。何れのプリズム10、20、20’も、プリズム内で1回の反射をするプリズムである。
以上の図18〜図21何れの場合も、少なくともプリズム10を、変倍のために、Y−Z面に垂直な中心軸S1を中心にして回転させる。望ましくは、全てのプリズムを連携して回転させることが好ましい。
また、実施例1〜2では光学素子の材料として樹脂材料を用いているが、代わりに有機無機複合材料を用いてもよい。本発明で利用可能な有機無機複合体について説明する。
有機無機複合体は、有機成分と無機成分とが分子レベル、若しくはナノスケールで混合複合化されたものである。その形態は、(1) 有機骨格からなる高分子マトリックスと無機骨格からなるマトリックスが相互に絡み合い、互いのマトリックスへ貫入された構造のもの、(2) 有機骨格からなる高分子マトリックス中に、ナノスケールの光の波長より十分小さな無機微粒子(いわゆるナノ粒子)が均一分散したもの、及び、(3) これらの複合構造になったものがある。有機成分と無機成分との間には、水素結合や分散力、クーロン力等の分子間力や、共有結合、イオン結合、π電子雲の相互作用による引力等、何らかの相互作用が働いている。有機無機複合体では、前述のように有機成分と無機成分が分子レベル、若しくは光の波長より小さなスケール領域で混合されている。このため、光の散乱に対する影響がほとんどなくなっており、透明体が得られる。また、マックスウェル方程式からも導かれるように、有機成分、無機成分それぞれの光学特性を反映した材料となる。よって、有機成分、無機成分の種類と存在量比率に応じて、種々の光学特性(屈折率、波長分散性)を発現するようになる。このことから、 有機成分と無機成分を任意の比率で配合することで、 種々の光学特性が得られるようになる。
以下の表1は、アクリレート樹脂(紫外線硬化型)とジルコニア(ZrO2 )ナノ粒子の有機無機複合体の組成例を示す。表2は、アクリレート樹脂とジルコニア(ZrO2 )/アルミナ(Al2 3 )ナノ粒子の有機無機複合体の組成例を示す。表3は、アクリレート系樹脂とニオブ酸化物(Nb2 5 )ナノ粒子の有機無機複合体の組成例を示す。表4は、アクリレート樹脂とジルコニウムアルコキシドとアルミナ(Al2 3 )ナノ粒子の有機無機複合体の組成例を示す。

表1
┌────┬────┬────┬────┬────┬────┬─────┐
│ジルコニ│nd │νd │nC │nF │ng │ 備考 │
│ア含有量│ │ │ │ │ │ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0 │1.49236 │57.85664│1.48981 │1.49832 │1.50309 │アクリル │
│ │ │ │ │ │ │100 % │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.1 │1.579526│54.85037│1.57579 │1.586355│1.59311 │ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.2 │1.662128│53.223 │1.657315│1.669756│1.678308│ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.3 │1.740814│52.27971│1.735014│1.749184│1.759385│ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.4 │1.816094│51.71726│1.809379│1.825159│1.836887│ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.5 │1.888376│51.3837 │1.880807│1.898096│1.911249│ │
└────┴────┴────┴────┴────┴────┴─────┘

表2
┌───┬───┬────┬────┬────┬────┬────┬────┐
│Al2O3 │ZrO2 │nd │νd │nC │nF │ng │ 備考 │
│存在率│存在率│ │ │ │ │ │ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.1 │0.4 │1.831515│53.56672│1.824851│1.840374│1.851956│アクリレ│
│ │ │ │ │ │ │ │ート50%│
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.2 │0.3 │1.772832│56.58516│1.767125│1.780783│1.790701│ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.3 │0.2 │1.712138│60.97687│1.707449│1.719127│1.727275│ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.4 │0.1 │1.649213│67.85669│1.645609│1.655177│1.661429│ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.2 │0.2 │1.695632│58.32581│1.690903│1.702829│1.774891│ │
└───┴───┴────┴────┴────┴────┴────┴────┘

表3
┌───┬───┬────┬────┬────┬────┬────┐
│Nb2O5 │Al2O3 │nd │νd │nC │nF │ng
│含有量│含有量│ │ │ │ │ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.1 │ 0 │1.589861│29.55772│1.584508│1.604464│1.617565│
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.2 │ 0 │1.681719│22.6091 │1.673857│1.70401 │1.724457│
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.3 │ 0 │1.768813│19.52321│1.758673│1.798053│1.8251 │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.4 │ 0 │1.851815│17.80818│1.839583│1.887415│1.920475│
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.5 │ 0 │1.931253│16.73291│1.91708 │1.972734│2.011334│
└───┴───┴────┴────┴────┴────┴────┘

表4
┌─────┬──────┬────┬────┬────┬────┐
│Al2O3(膜)│ジルコニアア│nd │νd │nC │nF
│含有量 │ルコキシド │ │ │ │ │
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0 │ 0.3 │1.533113│58.39837│1.530205│1.539334│
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0.1 │ 0.27 │1.54737 │62.10192│1.544525│1.553339│
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0.2 │ 0.24 │1.561498│66.01481│1.558713│1.567219│
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0.3 │ 0.21 │1.575498│70.15415│1.572774│1.580977│
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0.4 │ 0.18 │1.589376│74.53905│1.586709│1.594616│
└─────┴──────┴────┴────┴────┴────┘
さて、以上のような本発明の変倍光学系を備えた電子機器について説明する。この電子機器には、撮影ユニットが用いられている。この撮影ユニットでは、上記変倍光学系で物体像を形成し、その像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影が行われる。この撮像ユニットは、小型の撮像素子を用いた光学装置、例えば内視鏡のの撮像光学系としても用いることができる。また、この撮像ユニットは、物体像を接眼レンズを通して観察する観察装置、とりわけカメラのファインダー部の対物光学系としても用いることが可能である。当然のことながら、この撮像ユニットは、カメラの撮像光学系として用いることもできる。
そして、電子機器には、デジタルカメラやビデオカメラ、デジタルビデオユニット、情報処理装置の例であるパーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話、情報携帯端末、電子内視鏡等がある。以下に、その実施形態を例示する。
図22〜図24は、電子カメラのファインダー部の対物光学系に、本発明の光学系を組み込んだ構成の概念図を示す。図22は電子カメラ40の外観を示す前方斜視図、図23は同後方斜視図、図24は電子カメラ40の構成を示す断面図である。
電子カメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含む。このような構成において、使用者が、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影用対物光学系48を通して撮影が行われる。
撮影用対物光学系48によって形成された物体像は、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルター51を介して、CCD49の撮像面50上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段52を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段52にはメモリ等が配置され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、このメモリは処理手段52と別体に設けらてもよいし、フロッピー(登録商標)ディスク等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
さらに、ファインダー用光路44上には、ファインダー用対物光学系53が配置されている。このファインダー用対物光学系53は、カバーレンズ54、前群のプリズム10、開口絞り2、後群のプリズム20、フォーカス用レンズ66からなる。ここでは、カバーレンズ54あるいは第1プリズム10から第2プリズム20までの光学系に、本発明による光学系を用いている。
また、カバー部材として用いられているカバーレンズ54は、負のパワーを有するレンズであり、画角を拡大している。また、後群のプリズム20の後方には、フォーカス用レンズ66が配置されている。このフォーカス用レンズ66は光軸の前後方向へ位置調節可能になっており、ファインダー用対物光学系53のピント調節に用いられる。このファインダー用対物光学系53によって結像面67上に形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。なお、視野枠57は、ポロプリズム55の第1反射面56と第2反射面58との間を分離し、その間に配置されている。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。
このように構成されたカメラ40は、撮影用対物光学系48と連動して変倍するファインダー用対物光学系53を、少ない光学部材で構成できる。そして、高性能・低コスト化が実現できると共に、対物光学系53の光路自体を折り曲げて構成できる。そのため、カメラ内部での配置の自由度が増し、設計上有利となる。
なお、図22の構成において、撮影用対物光学系48の構成については言及しなかったが、撮影用対物光学系48としては屈折型同軸光学系を用いることができる。あるいは、本発明の変倍光学系、すなわち前群のプリズム10、及び後群のプリズム20を有する光学系を用いることも当然可能である。
次に、図25は、電子カメラ40の撮影部の対物光学系48に、本発明の光学系を組み込んだ構成の概念図を示す。この場合は、撮影用光路42上に配置された撮影用対物光学系48に、前群のプリズム10、開口絞り2、後群のプリズム20からなる本発明による光学系を用いている。
この撮影用対物光学系48により形成された物体像は、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルター51を介して、CCD49の撮像面50上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段52を介し、液晶表示素子(LCD)60上に電子像として表示される。また、この処理手段52は、記録手段61の制御も行う。なお、記録手段61は、CCD49で撮影された物体像を電子情報として記録するためのものである。LCD60に表示された画像は、接眼光学系59を介して観察者眼球Eに導かれる。
この接眼光学系59は偏心プリズムからなり、この例では、入射面62と、反射面63と、反射と屈折の兼用面64の3面から構成されている。また、2つの反射作用を持った面63、64のうち、少なくとも一方の面、望ましくは両方の面が、光束にパワーを与え、かつ、偏心収差を補正する唯一の対称面を持つ面対称自由曲面にて構成されている。そして、この唯一の対称面は、撮影用対物光学系48のプリズム10、20が有する面対称自由曲面の唯一の対称面と略同一平面上に形成されている。また、この撮影用対物光学系48は他のレンズ(正レンズ、負レンズ)をプリズム10、20の物体側、プリズム間あるいは像側にその構成要素として含んでいてもよい。
このように構成されたカメラ40は、撮影用対物光学系48を少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、光学系全体を同一平面上に並べて配置できる。そのため、この配置平面と垂直方向の厚みの簿型化が実現できる。
なお、本例では、撮影用対物光学系48のカバー部材65はとして、平行平面板を配置しているが、前例と同様に、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
ここで、カバー部材を設けずに、本発明の光学系中の最も物体側に配置された面をカバー部材と兼用することもできる。
次に、図26〜図28は、情報処理装置の一例であるパソコンに、本発明の光学系を内蔵した構成を示す概念図である。
図26はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図27はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図28は図26の状態の側面図である。図26〜図28に示されるように、パソコン300は、キーボード301と、情報処理手段や記録手段と、モニター302と、撮影光学系303とを有している。
ここで、キーボード301は、外部から繰作者が情報を入力するためのものである。また、情報処理手段や記録手段は、図示を省略している。モニター302は、情報を操作者に表示するためのものである。また、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、撮影光学系303は、操作者自身や周辺の像を撮影するためのものである。なお、撮影光学系303は、図中、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限られない。撮影光学系303は、例えば、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明の変倍光学系からなる対物光学系100と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
ここで、撮像素子チップ162上には、付加的にlRカットフィルター180が貼り付けられている。すなわち、撮像素子チップ162とlRカットフィルター180は、撮像ユニット160として一体に形成されている。そして、撮像ユニット160は、対物光学系100の鏡枠101の後端に、ワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっている。そのため、対物光学系100と撮像素子チップ162の中心合わせや、面間隔の調整が不要であり、組み立てが簡単となっている。また、鏡枠101の先端には、対物光学系100を保護するためのカバーガラス102が配置されている。
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力され、電子画像としてモニター302に表示される、図27には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を経て外部に送信可能となる。よって、インターネットや電話を介して、遠隔地にいる通信相手に送信できる。これにより、通信相手のパソコンに、画像305を表示させることも可能である。
次に、情報処理装置の他の例として電話、特に、その中でも持ち運びに便利な携帯電話に本発明の光学系を内蔵した例を図29に示す。
図29(a)は携帯電話400の正面図、図29(b)は側面図、図29(c)は撮影光学系405の断面図である。図29(a)〜(c)に示されるように、携帯電話400は、マイク部401と、スピーカ部402と、入力ダイアル403と、モニター404と、撮影光学系405と、アンテナ406と、処理手段(図示せず)とを有している。
ここで、マイク部401は、操作者の声を情報として入力するためのものである。スピーカ部402は、通話相手の声を出力するためのものである。入力ダイアル403は、操作者が情報を入力するためのものである。モニター404は、操作者自身や通話相手等の撮影像や、電話番号等の情報を表示するためのものである。また、モニター404は液晶表示素子である。アンテナ406は、通信電波の送信と受信を行うためのものである。処理手段は、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行うためのものである。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。
この撮影光学系405は、本発明の変倍光学系からなる対物光学系100と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。ここで、対物光学系100は本発明の光学系が用いられており、撮影光路407上に配置されている。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
ここで、撮像素子チップ162上には、付加的にlRカットフィルター180が貼り付けられている。すなわち、撮像素子チップ162とlRカットフィルター180は、撮像ユニット160として一体に形成されている。そして、撮像ユニット160は、対物レンズ12の鏡枠13の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっている。そのため、対物レンズ12と撮像素子チップ162の中心合わせや、面間隔の調整が不要であり、組み立てが簡単となっている。また、鏡枠101の先端には、対物光学系100を保護するためのカバーガラス102が配置されている。
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
次に、図30は、電子内視鏡の観察系の対物光学系82に、本発明による変倍光学系を組み込んだ構成の概念図を示す。この例の場合、観察系の対物光学系82は、実施例1と同様の形態の変倍光学系を用いている。
この電子内視鏡は、図30(a)に示すように、電子内視鏡71と、照明光を供給する光源装置72と、ビデオプロセッサ73と、モニター74と、VTRデッキ75、及び、ビデオディスク76と、ビデオプリンタ77と、頭部装着型画像表示装置(HMD)78と共に構成されている。ここで、ビデオプロセッサ73は、電子内視鏡71に対応する信号処理を行うためのものである。モニター74は、ビデオプロセッサ73から出力される映像信号を表示するためのものである。VTRデッキ75及びビデオディスク76は、ビデオブロセッサ73と接続され、映像信号等を記録するためのものである。ビデオプリンタ77は、映像信号を映像としてプリントアウトするためのものである。
電子内視鏡71の挿入部79の先端部80と、その接眼部81は、図30(b)に示すように構成されている。光源装置72から照明された光束は、ライトガイドファイバー束88を通って照明用対物光学系89により、観察部位を照明する。そして、この観察部位からの光が、カバー部材85を介して、本発明の変倍光学系からなる観察用対物光学系82によって物体像として形成される。この物体像は、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルター83を介してCCD84の撮像面上に形成される。さらに、この物体像は、CCD84によって映像信号に変換され、その映像信号は、図30(a)に示すビデオプロセッサ73により、モニター74上に直接表示される。
また、映像信号は、VTRデッキ75、ビデオディスク76中に記録される。あるいは、映像として、ビデオプリンタ77からプリントアウトされる。また、映像信号はHMD78の画像表示素子に表示され、HMD78の装着者に表示される。また、同時に、CCD84によって変換された映像信号は、接眼部81の液晶表示素子(LCD)86上に電子像として表示される。そして、その表示像は接眼光学系87を経て観察者眼球Eに導かれる。
このように構成された内視鏡は、少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できる。更に、対物光学系80が内視鏡の長軸方向に並ぶため、細径化を阻害することなく上記効果を得ることができる。
また、本発明の変倍光学系は投影光学系としても用いることができる。図31に、パソコン90と液晶プロジェクタ91とを組み合わせたプレゼンテーションシステムの概念図を示す。この図31において、液晶プロジェクタ91の投影光学系96に、本発明による変倍光学系を用いられている。この例の場合は、投影光学系96に、第1プリズム10、開口絞り2、第2プリズム20からなる本発明による光学系を用いている。
同図において、パソコン90上で作成された画像・原稿データは、モニター出力から分岐して液晶プロジェクタ91の処理制御部98に出力される。液晶プロジェクタ91の処理制御部98では、この入力されたデータが処理され、液晶パネル(LCP)93に出力される。液晶パネル93では、この入力画像データに応じた画像が表示される。そして、光源92からの光は、液晶パネル93に表示した画像の階調によってその透過量が決定された後、液晶パネル93直前に配置したフィールドレンズ95と、本発明の光学系を構成する第1プリズム10、開口絞り2及び第2プリズム20と、正レンズのカバーレンズ94とからなる投影光学系96を介してスクリーン97に投影される。
このように構成されたプロジェクタは、少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、小型化が可能である。
以上の本発明の変倍光学系及びそれを用いた電子機器は、例えば次のように構成することができる。
〔1〕 絞りと、該絞りより物体側に少なくとも1面の光学機能面を有する光学素子を1つ以上備え、かつ、前記絞りより像側に、少なくとも1面の光学機能面を有する別の光学素子を1つ以上備える変倍光学系であって、
前記光学素子の前記光学機能面の少なくとも1面は連続した面からなり、
遠方の物体に向かう方向ベクトルと絞りの中心を通り絞り面に垂直なベクトルとによって規定される平面を基準面としたとき、前記基準面と前記光学機能面が交わることで形成される交線の形状が、一端から他端に向かって少なくとも曲率半径が連続的に変化する形状となるように、前記光学機能面が構成され、
また、前記別の光学素子の光学機能面の少なくとも1面は連続した面からなり、
前記基準面と前記別の光学素子の光学機能面が交わることで形成される交線の形状が、一端から他端に向かって少なくとも断面方向の曲率半径が連続的に変化する形状となるように、前記別の光学素子の光学機能面が構成されており、
前記基準面内において、前記光学素子の前記光学機能面と接しない点を通り前記基準面に垂直な軸を回転軸としたとき、前記回転軸を中心にして、前記光学素子が回転され、かつ、前記別の光学素子の前記光学機能面と接しない点を通り前記基準面に垂直な軸を回転軸としたとき、前記回転軸を中心にして、前記別の光学素子が回転されることを特徴とする変倍光学系。
〔2〕 前記光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面、及び、前記別の光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面の前記基準面と直交する方向の曲率半径が連続的に変化する形状に構成されていることを特徴とする上記1記載の変倍光学系。
〔3〕 前記光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面、及び、前記別の光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面は反射面であることを特徴とする上記1又は2記載の変倍光学系。
〔4〕 前記光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面、及び、前記別の光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面は屈折面であることを特徴とする上記1又は2記載の変倍光学系。
〔5〕 前記絞り直前の平面でない光学機能面と、前記絞り直後の平面でない光学機能面とが、変倍の際に、前記絞りに対して互いに異なる向きに回転することを特徴とする上記1から4の何れか1項記載の変倍光学系。
〔6〕 前記光学素子又は前記別の光学素子は少なくとも1面の反射面を有することを特徴とする上記1から5の何れか1項記載の変倍光学系。
〔7〕 前記光学素子が3面以上の面を有することを特徴とする上記1から6の何れか1項記載の変倍光学系。
〔8〕 前記別の光学素子が3面以上の面を有することを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の変倍光学系。
〔9〕 前記光学素子が3が少なくとも1面の回転非対称面を有することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の変倍光学系。
〔10〕 前記別の光学素子が3が少なくとも1面の回転非対称面を有することを特徴とする上記1から9の何れか1項記載の変倍光学系。
〔11〕 前記光学素子又は前記別の光学素子は少なくとも一方の変倍時の回転角が、以下の条件式を満たすことを特徴とする上記1から10の何れか1項記載の変倍光学系。
0°<θ<120° ・・・(1)
ただし、θ:光学素子の回転角である。
〔12〕 変倍比が下記の条件式を満たすことを特徴とする上記1から11の何れか1項記載の変倍光学系。
1.01<β<20 ・・・(2)
ただし、β:変倍比である。
〔13〕 下記の条件式を満たすことを特徴とする上記1から12の何れか1項記載の変倍光学系。
0<νmax −νmin <100 ・・・(3)
ただし、νmax :光学系に含まれる光学素子の最大アッベ数、
νmin :光学系に含まれる光学素子の最小アッベ数、
である。
〔14〕 結像面をただ1つ有することを特徴とする上記1から13の何れか1項記載の変倍光学系。
〔15〕 上記1から14の何れか1項記載の変倍光学系と、その像側に配置された撮像素子とを備えていることを特徴とする電子機器。
〔16〕 前記変倍光学系で形成された像の形状を電気的に補正する手段を備えていることを特徴とする上記15記載の電子機器。
〔17〕 前記補正は焦点距離毎に異なるパラメータを用いることを特徴とする上記16記載の電子機器。
〔18〕 前記補正は波長領域毎に異なるパラメータを用いることを特徴とする上記16又は17記載の電子機器。
本発明の変倍光学系の基本的構成を示す模式図である。 本発明の実施例1に係る変倍光学系のそれぞれ広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(d)での配置と光路を示す断面図である。 実施例1の光学系の広角端での横収差図である。 実施例1の光学系の中間状態での横収差図である。 実施例1の光学系の望遠端での横収差図である。 実施例1に用いる撮像素子の撮像範囲に対する変倍時の撮像領域を示す図である。 実施例1に用いる別の撮像素子の撮像範囲に対する変倍時の撮像領域を示す図である。 本発明の実施例2に係る変倍光学系のそれぞれ広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(d)での配置と光路を示す断面図である。 実施例2の光学系の広角端での横収差図である。 実施例2の光学系の中間状態での横収差図である。 実施例3の光学系の望遠端での横収差図である。 本発明の変倍光学系に使用可能な偏心プリズムの1つの変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 実施例1〜2とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の変倍光学系の例を示す図である。 実施例1〜2とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の変倍光学系の別の例を示す図である。 実施例1〜2とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の変倍光学系の別の例を示す図である。 実施例1〜2とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の変倍光学系の別の例を示す図である。 本発明の変倍光学系を適用した電子カメラの外観を示す前方斜視図である。 図22の電子カメラの後方斜視図である。 図22の電子カメラの構成を示す断面図である。 本発明の変倍光学系を適用した別の電子カメラの概念図である。 本発明の変倍光学系が対物光学系として組み込れたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。 パソコンの撮影光学系の断面図である。 図26の状態の側面図である。 本発明の変倍光学系が対物光学系として組み込れた携帯電話の正面図(a)、側面図(b)、その撮影光学系の断面図(c)である。 本発明の変倍光学系を適用した電子内視鏡のシステム構成図(a)と光学系の概念図(b)である。 本発明の変倍光学系を適用したプレゼンテーションシステムの概念図である。
符号の説明
O…物体
S、S1、S2…回転軸
CG1…カバーガラス
CG1a…カバーガラスの第1面
CG1b…カバーガラスの第2面
CG2…カバーガラス
E…観察者眼球
1…軸上主光線
2…開口絞り
3…像面
10…光学素子(偏心プリズム、前群のプリズム)
11…光学機能面(第1面)
12…光学機能面(第2面)
13…光学機能面(第3面)
14…第4面
20…光学素子(偏心プリズム、後群のプリズム)
21…第1面
22…第2面
23…第3面
24…第4面
40…電子カメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
48…撮影用対物光学系
49…CCD
50…撮像面
51…フィルター
52…処理手段
53…ファインダー用対物光学系
54…カバーレンズ
55…ポロプリズム
56…第1反射面
57…視野枠
58…第2反射面
59…接眼光学系
60…液晶表示素子(LCD)
61…記録手段
62…入射面
63…反射面
64…反射と屈折の兼用面
65…カバー部材
66…フォーカス用レンズ
67…結像面
71…電子内視鏡
72…光源装置
73…ビデオプロセッサ
74…モニター
75…VTRデッキ
76…ビデオディスク
77…ビデオプリンタ
78…頭部装着型画像表示装置(HMD)
79…挿入部
80…先端部
81…接眼部
82…観察用対物光学系
83…フィルター
84…CCD
85…カバー部材
86…液晶表示素子(LCD)
87…接眼光学系
88…ライトガイドファイバー束
90…パソコン
91…液晶プロジェクタ
92…光源
93…LCP(液晶パネル)
94…カバーレンズ
95…フィールドレンズ
96…投影光学系
97…スクリーン
98…処理制御部
100…対物光学系
101…鏡枠
102…カバーガラス
160…撮像ユニット
162…撮像素子チップ
166…端子
180…lRカットフィルター
300…パソコン
301…キーボード
302…モニター
303…撮影光学系
304…撮影光路
305…画像
400…携帯電話
401…マイク部
402…スピーカ部
403…入力ダイアル
404…モニター
405…撮影光学系
406…アンテナ
407…撮影光路

Claims (4)

  1. 絞りと、該絞りより物体側に少なくとも1面の光学機能面を有する光学素子を1つ以上備え、かつ、前記絞りより像側に、少なくとも1面の光学機能面を有する別の光学素子を1つ以上備える変倍光学系であって、
    前記光学素子の前記光学機能面の少なくとも1面は連続した面からなり、
    遠方の物体に向かう方向ベクトルと絞りの中心を通り絞り面に垂直なベクトルとによって規定される平面を基準面としたとき、前記基準面と前記光学機能面が交わることで形成される交線の形状が、一端から他端に向かって少なくとも曲率半径が連続的に変化する形状となるように、前記光学機能面が構成され、
    また、前記別の光学素子の光学機能面の少なくとも1面は連続した面からなり、
    前記基準面と前記別の光学素子の光学機能面が交わることで形成される交線の形状が、一端から他端に向かって少なくとも断面方向の曲率半径が連続的に変化する形状となるように、前記別の光学素子の光学機能面が構成されており、
    前記基準面内において、前記光学素子の前記光学機能面と接しない点を通り前記基準面に垂直な軸を回転軸としたとき、前記回転軸を中心にして、前記光学素子が回転され、かつ、前記別の光学素子の前記光学機能面と接しない点を通り前記基準面に垂直な軸を回転軸としたとき、前記回転軸を中心にして、前記別の光学素子が回転されることを特徴とする変倍光学系。
  2. 前記光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面、及び、前記別の光学素子の前記の少なくとも1面の光学機能面は反射面であることを特徴とする請求項1記載の変倍光学系。
  3. 前記絞り直前の平面でない光学機能面と、前記絞り直後の平面でない光学機能面とが、変倍の際に、前記絞りに対して互いに異なる向きに回転することを特徴とする請求項1記載の変倍光学系。
  4. 請求項1から3の何れか1項記載の変倍光学系と、その像側に配置された撮像素子とを備えていることを特徴とする電子機器。
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