JP5184446B2 - 生中華麺の製造方法、冷凍茹で中華麺の製造方法、茹で中華麺の製造方法、及び中華麺 - Google Patents

生中華麺の製造方法、冷凍茹で中華麺の製造方法、茹で中華麺の製造方法、及び中華麺 Download PDF

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Description

本発明は、生中華麺の製造方法、冷凍茹で中華麺の製造方法、茹で中華麺の製造方法、及び中華麺に関する。
中華麺は、小麦粉を主成分とする原料粉を、かん水、食塩、及び水と混合して練り、麺状に成型し、それを茹でることによって製造される。小麦粉の蛋白質含量および灰分含量は、中華麺の食感および色調に大きく影響する。
中華麺の硬さ、粘り脆さ等の食感は、小麦粉の蛋白質含量によって大きく左右される。小麦粉に水を加えて捏ねることにより、小麦粉の蛋白質であるグリアジンとグルテニンからグルテンが形成されるが、このとき水にアルカリ塩であるかん水を加えると、中華麺に独特のコシと弾力のある食感が作り出される。
一般には、中華麺の原料粉に適した蛋白質含量を有する小麦粉として、準強力粉(蛋白質含量10.5〜11.5質量%)が用いられる(非特許文献1参照)。
中華麺の色調は、明るい淡黄色が一般に好まれ、主に小麦粉に含まれる色素及び灰分の量に左右される。小麦粉中の色素は、製麺時にかん水を含むアルカリ性の水によって淡い黄色に発色し、中華麺に適した色合いとなる。一方、灰分を多く含む中華麺は、くすんだ暗い色合いとなり易い。これは、灰分が麺の色調を暗くすることの他に、小麦の製粉過程で灰分と共に含まれることが多い酵素等の影響によるともいわれる。
生物分類学的にコムギ属(Triticum)に分類される小麦は、1小穂の稔実粒数、染色体数、及びゲノム構成の違いによって、1粒系、2粒系、普通系、及びチモフェービ系の4種類の異なる系として区別される。商業用に栽培される小麦の多くは普通系であり、普通小麦(パン小麦とも呼ばれる)、スペクトル小麦、クラブ小麦等がこれに属するが、これらのうち普通小麦から製粉された小麦粉は普通小麦粉と呼ばれる。一般に知られる小麦粉(薄力粉、中力粉、(準)強力粉)は、普通小麦粉である。一方、パスタに使用されるデュラム小麦粉は、2粒系の小麦(Triticum durum)から製粉された小麦粉であり、普通小麦粉ではない。
小麦粉の種類は上記のように小麦の品種によって区別されるが、各小麦粉の等級は製粉工程で作られる。すなわち、製粉工程において、小麦粒はロールで粉砕され、ふるい機やピュリファイヤーという装置で純化されることによって、灰分含量等が異なる30〜40もの小麦粉に分けられるが、最終的にはおのおのの粉の特性を活かすように組合わせて、3〜4段階の等級の小麦粉製品にまとめられる(非特許文献1参照)。その結果、三等粉としてまとめられた小麦粉には、小麦粒の胚乳のなかでも主として外縁部分が多く含まれ、二等粉としてまとめられた小麦粉には、小麦粒の胚乳の比較的中心部に近い部分が多く含まれ、一等粉としてまとめられた小麦粉には、小麦粒の胚乳の中心部が主に含まれる(非特許文献1参照)。
このように、これら一等粉〜三等粉としてまとめられた小麦粉は、小麦粒の胚乳の異なる部位から得られたものなので、前記のように灰分含量が異なる他にも、含有される成分(例えば蛋白質、糖、ビタミン類等)の種類や組成が異なる。
小麦粉中の灰分の量は、中華麺の色合いを決定する唯一の要因ではないが、中華麺に適した色合いを呈する小麦粉を選別する一つの指標としては有効である。すなわち、中華麺の原料粉に適した小麦粉の等級としては、灰分含量が少ない順に、一等粉(灰分含量0.3〜0.4%)、二等粉(灰分含量0.5%前後)、三等粉(灰分含量1.0%前後)の順で好ましいといわれている。このため、従来の中華麺の原料粉には、準強力一等粉が主に使用されている。また、例は少ないが、デュラム小麦を使用した中華麺も知られる(特許文献1及び2)。
このような小麦粉を原料粉とする中華麺においても、近年の社会的なダイエット志向により、そのカロリーを低減させることが望まれている。例えば、低カロリー麺とするために、コンニャクに多く含まれるグルコマンナン等の多糖類を原料粉に配合することなどが行われている(特許文献3参照)。
特開平04−330256号公報 特開2006−101728号公報 特開2004−357571号公報
長尾 精一(編)、「シリーズ<食品の科学> 小麦の科学」、1995年2月25日、朝倉書店、P.62−65。
従来のグルコマンナン等の多糖類を多く含む原料粉から製造された中華麺は、食感が従来の中華麺とはかなり異なるため、必ずしも消費者の満足を得られるものではない。
また、生中華麺を高加水で茹でる(茹で歩留まりを高める)ことにより、単位重量あたりの中華麺のカロリーを低くすることができるが、従来の生中華麺を、例えば茹で歩留まり280%以上の高加水状態に茹でた場合、食感が損なわれるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、デュラム小麦粉を使用した中華麺であって、従来の中華麺よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、中華麺として適当な色調をもつ、生中華麺の製造方法、冷凍茹で中華麺の製造方法、茹で中華麺の製造方法、及び中華麺を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載の生中華麺の製造方法は、原料粉、かん水、および水を混合して混合物を調製する工程(ア)、および該混合物から麺線を調製する工程(イ)を有し、前記原料粉に対する歩留まりが280%以上となるように調理して喫食される生中華麺の製造方法であって、前記原料粉は、デュラム小麦粉と、蛋白質含量が12.5〜16.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.70質量%であるデュラム小麦粉以外の小麦粉との混合小麦粉を主成分として有し、前記混合小麦粉は、前記デュラム小麦粉と前記デュラム小麦粉以外の小麦粉との質量比が、デュラム小麦粉:デュラム小麦粉以外の小麦粉=8.9:1.1〜2.6:7.4の範囲となるように混合されたものであることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の生中華麺の製造方法は、請求項1において、前記原料粉中、前記混合小麦粉の含有量が80〜100質量%であることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の冷凍茹で中華麺の製造方法は、請求項1又は2に記載の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺を、茹で歩留まりが280%以上となるように茹でることにより茹で麺を調製する工程(ウ)、および該茹で麺を冷凍する工程(エ)を有することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の茹で中華麺の製造方法は、請求項1又は2記載の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺を、茹で歩留まりが280%以上となるように茹でることにより茹で麺を調製する工程(ウ)を有することを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の中華麺は、請求項1又は2記載の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺が、該生中華麺の原料粉に対する歩留まりが280%以上となるように調理されてなることを特徴とする。
本特許請求の範囲および明細書中において、「歩留まり」とは、当該中華麺の生麺線の原料粉の質量に対する、中華麺の質量の比を百分率で表したものである。すなわち、330%の歩留まりに調理された中華麺は、当該中華麺の生麺線の原料粉の質量の3.3倍の質量になるまで吸水するように調理された中華麺の意である。また、「茹で歩留まり」とは、当該生中華麺の原料粉の質量に対する、茹でた後の中華麺の質量の比を百分率で表したものである。すなわち、280%の茹で歩留まりに茹でられた中華麺は、当該生中華麺の原料粉の質量の2.8倍の質量になるまで吸水するように茹でられた中華麺の意である。
また、本特許請求の範囲および明細書中において示す小麦粉の蛋白質含量は、公知の方法で測定されたものであり、より具体的には、その測定において標準方法とされるケルダール法によって測定されたものである。小麦粉の灰分含量は、公知の方法で測定されたものである。その灰分含量の公知の測定方法としては、例えば特開2004−147549の[0014]〜[0015]に開示された方法で行うことができる。
本発明の生中華麺の製造方法によれば、歩留まりが280%以上となるように調理された場合、従来の中華麺よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ中華麺として喫食することができる、生中華麺を製造することができる。
本発明の冷凍茹で中華麺の製造方法によれば、従来の中華麺よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ中華麺を、冷凍状態で製造することができる。
本発明の茹で中華麺の製造方法によれば、従来の中華麺よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ茹で中華麺を製造することができる。
本発明の中華麺は、従来の中華麺よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の生中華麺の製造方法は、少なくとも下記の(ア)及び(イ)の2工程を有する。
工程(ア)は、原料粉、かん水、および水を混合して混合物を調製する工程である。
工程(イ)は、該混合物から麺線を調製する工程である。
工程(ア)において使用する原料粉は、デュラム小麦粉と、蛋白質含量が12.5〜16.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.70質量%であるデュラム小麦粉以外の小麦粉との混合小麦粉を主成分として有する。
前記デュラム小麦粉は、硬質小麦の二粒系に分類される公知の小麦品種であるデュラム小麦(Triticum durum)の小麦粒の胚乳を、公知の方法で製粉して得られた粉体である。当該デュラム小麦粉は市販のものを用いることができる。
前記デュラム小麦粉の粒度としては、特に制限されないが、いわゆるデュラムセモリナ粉の粒度(300μm〜1400μm)の平均値(850μm)よりも細かい粒度であることが好ましく、50μm〜500μmがより好ましく、50μm〜300μmがさらに好ましく、50μm〜200μmが最も好ましい。上記範囲の上限値以下の粒度のデュラム小麦粉を用いることにより、麺の食感がツルツルした好ましいものとなり、上記範囲の下限値以上の粒度のデュラム小麦粉を用いることにより、麺の製造工程において、小麦粉の取扱いがより容易となる。
前記デュラム小麦粉の蛋白質含量としては、11.0〜15.0質量%が好ましく、11.5〜14.5質量%がさらに好ましく、12.0〜14.0質量%が最も好ましい。
当該デュラム小麦粉の灰分含量としては、0.5〜1.3質量%が好ましく、0.6〜1.2質量%がさらに好ましく、0.7〜1.1質量%が最も好ましい。
前記デュラム小麦粉以外の小麦粉は、前記デュラム小麦(Triticum durum)以外の品種の小麦粉から製粉された小麦粉であれば特に制限されず、公知の小麦粉を用いることができる。例えば、入手が容易であり本発明の効果を十分に発揮できることから普通小麦粉が好ましい。これらの普通小麦粉は、普通系に分類される公知の小麦品種の小麦粒の胚乳を、公知の方法で製粉して得られた粉体である。当該普通小麦粉は市販のものを用いることができる。
本発明で用いるデュラム小麦粉以外の小麦粉は、1種の小麦粉だけからなるものであってもよく、2種以上の小麦粉を混合した混合小麦粉であってもよい。
製粉メーカーにて小麦粉を製粉する際、用途に応じた小麦粉を作るために各種の小麦が選択され、必要に応じて何種類かが配合されて製粉される(非特許文献1を参照。)。製粉工程においては、小麦粒はロールで粉砕され、ふるい機で分けられたり、ピュリファイヤーという装置で純化されることによって、品質が異なる30〜40もの小麦粉に分けられるが、最終的にはおのおのの粉の特性を活かすように組合わせて、3〜4段階の等級の小麦粉製品にまとめられる(非特許文献1参照。)。通常入手可能な小麦粉は、このような、複数種の小麦粉から選択されて混合された混合小麦粉であることが多い。よって、本発明で用いるデュラム小麦粉以外の小麦粉は、1種類の小麦粉だけからなる小麦粉であってもよく、製粉メーカーにて2種類以上の小麦粉が混合された混合小麦粉1種類だけからなる小麦粉であってもよく、それらの混合小麦粉を複数混合した混合小麦粉であってもよい。
すなわち、前記原料粉におけるデュラム小麦粉以外の小麦粉は、原料粉に含有されるデュラム小麦粉以外の全ての小麦粉を合わせたものであり、そのデュラム小麦粉以外の小麦粉の蛋白質含量が12.5〜16.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.70質量%であれば、その小麦粉の種類は特に制限されない。
前記デュラム小麦粉以外の小麦粉の粒度としては、特に制限はなく、市販の小麦粉の一般的な粒度である50μm〜300μmであることが、麺のつるつるした食感をもたせる観点から好ましい。
前記デュラム小麦粉以外の小麦粉の蛋白質含量としては、12.5〜16.0質量%が好ましく、12.5〜15.0質量%がさらに好ましい。
前記デュラム小麦粉以外の小麦粉の灰分含量としては、0.45〜0.70質量%が好ましく、0.45〜0.65質量%がより好ましく、0.45〜0.60質量%が最も好ましい。
当該蛋白質含量および灰分含量を有するデュラム小麦粉以外の小麦粉としては、普通小麦粉が好ましい。その普通小麦粉の具体例としては、例えば強力二等粉として市販されているものが例示できる。
製粉メーカーから販売されている強力粉と準強力粉との区別は、一般には、その蛋白質含有量で区別され(非特許文献1のP.64参照)、蛋白質含量が11.5質量%以上のものを強力粉とし、蛋白質含量が10.5〜12.5質量%であるものを準強力粉とすることが慣用的に行われている。ここで、蛋白質含量が11.5〜12.5質量%のものは、強力粉及び準強力粉の両方に分類されうるが、これは慣用的な分類に基づくためである。
本明細書においては、これらの区別を明確にするため、蛋白質含量が11.5質量%以下のものは準強力粉とし、蛋白質含量が11.5質量%より多いものを強力粉とする。
なお、従来の中華麺の原料粉に用いられる準強力粉の蛋白質含量は、一般に10.5〜11.5質量%である(非特許文献1のP.63参照)。
本発明で用いるデュラム小麦粉以外の小麦粉として普通小麦粉を用いた場合、その普通小麦粉は、前記範囲の蛋白質含量及び灰分含量を有する普通小麦粉であればよく、単一の普通小麦粉(例えば、強力二等粉)からなる普通小麦粉であってもよいし、二種以上の普通小麦粉(例えば、強力一等粉と強力三等粉の混合物)からなる普通小麦粉であってもよい。なお、前記強力一等粉の灰分含量は0.3質量%以上0.42質量%以下であり、前記強力二等粉の灰分含量は0.42質量%よりも多く0.70質量%以下であり、前記強力三等粉の灰分含量は0.70質量%よりも多いものである。
また、前記普通小麦粉は、前記範囲の蛋白質含量及び灰分含量を有する普通小麦粉であればよく、単一の小麦品種からなる普通小麦粉であってもよいし、二種以上の小麦品種の普通小麦粉からなる普通小麦粉であってもよい。
さらに、前記普通小麦粉に対して、スペクトル小麦、クラブ小麦等をブレンドして使用することもできる。
本発明の生中華麺の製造方法では、前記デュラム小麦粉と、蛋白質含量および灰分含量が上記の範囲である前記デュラム小麦粉以外の小麦粉との質量比が、前記デュラム小麦粉:前記デュラム小麦粉以外の小麦粉=8.9:1.1〜2.6:7.4の範囲となるように混合した混合小麦粉を、当該生中華麺の原料粉の主成分として用いる。
前記混合小麦粉において、前記デュラム小麦粉と前記デュラム小麦粉以外の小麦粉との質量比としては、デュラム小麦粉:デュラム小麦粉以外の小麦粉=8.9:1.1〜2.6:7.4の範囲が好ましく、デュラム小麦粉:デュラム小麦粉以外の小麦粉=8.2:1.8〜3.2:6.8の範囲がより好ましく、デュラム小麦粉:デュラム小麦粉以外の小麦粉=7.5:2.5〜3.6:6.4の範囲が最も好ましい。
上記範囲であることにより、本発明の効果がより十分に得られる。また、上記の最も好ましい範囲において製造された生中華麺を、後述のように、茹で歩留まりが280%以上で茹でることにより、従来の中華麺と同様の食感(硬さ、粘り脆さ)をもつことに加えて、従来の中華麺と同様の色調をもつ中華麺とすることができる。
前記混合小麦粉は前記原料粉の主成分であり、その含有割合は、前記原料粉全体の50質量%以上である。
このとき、前記原料粉における前記混合小麦粉の含有割合としては、80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がさらに好ましく、95〜100質量%が最も好ましい。上記範囲であることにより、本発明の効果が十分に得られる。
前記原料粉におけるデュラム小麦粉の含有割合としては、30〜85質量%が好ましく、36〜80質量%がより好ましく、51〜80質量%が最も好ましい。
上記範囲であることにより、本発明の効果がより十分に得られる。また、上記の最も好ましい範囲において製造された生中華麺を、後述のように、茹で歩留まりが280%以上で茹でることにより、従来の中華麺と同様の食感(硬さ、粘り脆さ)をもつことに加えて、従来の中華麺と同様の色調をもつ中華麺とすることができる。
前記原料粉には、原料粉成分として、前記混合小麦粉以外の副素材を含んでいてもよい。
該副素材としては、従来の中華麺の原料粉に含まれる副素材を使用することができ、例えば、生澱粉類、加工澱粉類、生澱粉類の油脂コーティング澱粉類等が挙げられる。より具体的には、前記生澱粉類として、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、米澱粉、サゴ澱粉、小麦澱粉等が挙げられ;前記加工澱粉類として、前記生澱粉類をアセチル化、リン酸架橋化、エーテル化、または酸処理したものが挙げられる。
これらの副素材を用いることにより、中華麺の食感を微調整することができる。
また、これらの副素材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記原料粉に副素材として澱粉を入れる場合、当該原料粉における澱粉の含有割合としては、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がさらに好ましい。
上記範囲であることにより、本発明の効果を損なわずに、中華麺の食感を微調整することができる。
工程(ア)において、原料粉または水には、従来の中華麺に含まれる添加剤を添加してもよい。
該添加剤としては、乾燥卵白製剤、アルギン酸エステル製剤、アルブミン製剤、寒天末等の増粘剤類、焼成カルシウム類、アルコール、有機酸類、乳化剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これらの添加剤を添加する方法としては、当該原料粉または水に均一に混合できる方法であれば特に制限されず、予め当該原料粉に添加してもよく、または予め当該水に添加して溶解させてもよい。
なお、これらの添加剤を添加した場合は、該添加剤の質量は原料粉の質量に含まれるものとする。
工程(ア)において、原料粉と混合する水は、食塩を含有する食塩水であることが好ましい。
該食塩水の塩分濃度としては、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.5〜2.5質量%がより好ましく、1.0〜2.0質量%が最も好ましい。
上記範囲の塩分濃度の食塩水とすることで、製麺時の作業性を安定させ、当該中華麺に適切な食感をもたせるように茹でることができ、また当該中華麺の風味を向上させることができる。
なお、前記食塩水に含まれる食塩の質量は、原料粉の質量には含まれないものとする。
工程(ア)において、原料粉と混合するかん水は、従来の中華麺に使用される公知のかん水を使用することができる。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が好ましいものとして挙げられる。
かん水の質量は、原料粉の質量には含まれないものとする。
かん水を混合する方法としては、原料粉または水に均一に混合できる方法であれば特に制限されず、予め当該原料粉に添加してもよく、または予め当該水に添加して溶解させてもよい。
また、工程(ア)において、原料粉と混合する水は、色素を溶解したものであってもよい。当該色素としては、従来の中華麺に使用される公知の色素を使用することができる。例えば、クチナシ色素等が好ましいものとして挙げられる。色素を原料粉、かん水、および水からなる混合物に加えることによって、当該中華麺がより好ましい黄色を呈するものとなる。ただし、当該色素は、小麦粉に含まれる灰分による麺のくすみ(黒ずんだ色の出ること)を防ぐものではない。当該色素の質量は、原料粉の質量には含まれないものとする。
工程(ア)において、原料粉、かん水、および水を混合する方法としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、ミキサー等で原料粉を攪拌しながらかん水を溶解した水をシャワー状に投入する方法が好ましいものとして挙げられる。この方法により、原料粉に対してかん水を溶解した水を均一に混合することができる。また、かん水を溶解した水を投入して均一に混合した後で、減圧下でさらに混合することが好ましい。この方法により、原料粉とかん水を溶解した水とをより均一に混合することができる。
前記減圧下としては、真空度60〜200mmHg(−700〜−560mmHg)が好ましい。上記範囲の真空度であると、原料粉とかん水を溶解した水とをより均一に混合することができ、また生地の密度を高めて麺の品質を向上させることができる。
工程(ア)において、原料粉、かん水、水、および添加剤は、均一に混合された混合物となり、次の工程(イ)において、麺線に成型される。
工程(イ)において、前記混合物を麺線に成型する方法としては、従来の中華麺の製造方法が適用できる。例えば、巾麺帯機のローラーを通すことによって、前記混合物を帯状の麺生地にし、それを切り出し機で麺線状に切り出すことによって、麺線に成型する方法が好ましいものとして挙げられる。
前記巾麺帯機に混合物を通す方法としては、例えば、ローラーのクリアランスを変更して、複数回通すことが好ましい。
また、巾麺帯機に通した帯状の麺生地を、巻き取り棒に巻き取り、ポリ袋等に包んで密閉した状態で、室温(20℃程度)にて10〜60分程度の間静置して、当該麺生地を熟成させることが、中華麺の食感を向上させる観点から好ましい。その後、麺生地を再び巾麺帯機に通して、適当な厚さの帯状の麺生地にすることが好ましい。
該帯状の麺生地を切り出し機で麺線状に切り出す方法としては、特に限定されず公知の方法で行うことができる。
当該麺線の幅としては、1.0〜3.0mmが好ましく、1.2〜2.0mmがより好ましく、1.3〜1.7mmが最も好ましい。この範囲の幅とすることで、適当な茹で時間(4〜10分程度)で、高い茹で歩留まり(280%以上)に茹でることができる。
当該麺線の厚みとしては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されず、例えば、公知の中華麺の厚みと同様に、当該麺線の幅の約0.85倍にすればよい。
当該成型した麺線は、打ち粉をして回収することが好ましい。該打ち粉によって、当該麺線の取り扱いを容易にすることができる。
本発明の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺は、歩留まりが280%以上となるように調理されて、喫食される。
歩留まりが上記値以上であることにより、従来の中華麺よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ中華麺として喫食することができる。
一方、歩留まりが上記値未満であると、中華麺の食感としては硬すぎ、好ましい粘りを欠き、その色調もくすんだものとなる。
また、当該中華麺が、ふやけて柔らかくなり過ぎ、のびきった麺となる等の問題が発生することを防止し、良好な食感を維持する観点から、前記歩留まりとしては、280〜360%が好ましく、300〜350%がより好ましく、300〜340%が最も好ましい。
その調理の方法としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、公知の方法が適用される。例えば、茹でる、煮る、蒸す、および電子レンジで加熱する方法が好ましいものとして挙げられる。これらの調理方法のなかでも、当該生中華麺をより均一に加熱できることから、茹でる方法が最も好ましい。
前記範囲の歩留まりとなるように、当該生中華麺を茹でる方法としては、本発明の効果を損なわないものでなければ特に制限されず、公知の方法が適用できる。例えば、沸騰した湯3L程度に、当該生中華麺200gを茹でカゴを用いて投入し、4〜10分程度茹でることによって、茹で歩留まり280%以上となるように茹でることができる。茹で時間は、当該生中華麺の太さおよび所望の茹で歩留まりによって適宜調整すればよい。
以上で説明したように、本発明にかかる生中華麺の製造方法によって、喫食時の茹で歩留まりが280%以上となるように茹でた場合、従来の中華麺(約167kcal/100g)よりも低カロリー(119kcal/100g以下)でありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ中華麺として喫食することができる、生中華麺を製造することができる。
本発明の冷凍茹で中華麺の製造方法は、前述した本発明の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺を、茹で歩留まりが280%以上となるように茹でることにより茹で麺を調製する工程(ウ)、および該茹で麺を冷凍する工程(エ)を有することを特徴とする。
工程(ウ)では、茹で歩留まりが280%以上となるように当該生中華麺を茹でる。
茹で歩留まりが上記値以上であることにより、従来の中華麺よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ中華麺として喫食することができる。
一方、茹で歩留まりが上記値未満であると、中華麺の食感としては硬すぎ、好ましい粘りを欠き、その色調もくすんだものとなる。
また、当該中華麺が、ふやけて柔らかくなり過ぎ、のびきった麺となる等の問題が発生することを防止し、良好な食感を維持する観点から、前記茹で歩留まりとしては、280〜360%が好ましく、300〜350%がより好ましく、300〜340%が最も好ましい。
前記範囲の茹で歩留まりとなるように、当該麺線を茹でる方法としては、本発明の効果を損なわないものでなければ特に制限されず、公知の方法が適用できる。例えば、沸騰した湯3L程度に、当該麺線200gを茹でカゴを用いて投入し、4〜10分程度茹でることによって、茹で歩留まり280%以上となるように茹でることができる。茹で時間は、当該生中華麺の太さおよび所望の茹で歩留まりによって適宜調整すればよい。
工程(エ)では、工程(ウ)で茹でた茹で麺を湯から出した後、直ぐに流水で洗い、つづいて氷水で冷却することが好ましい。流水および氷水で該茹で麺を冷却することによって、麺が引き締まり、茹で後の麺の伸びを抑制することができる。
冷却後、水を切った当該茹で麺を200g程度(1食分)に計量し、冷凍庫に入れることによって、急速凍結することが好ましい。急速凍結することで、中華麺の食感および色調を良好に保ちながら、長期間保存することができる。前記冷凍庫の温度としては、当該茹で麺を短時間で凍結できる温度であれば特に制限はなく、通常−40〜−30℃で行うことができる。
冷凍保存された冷凍茹で中華麺は、解凍することによって喫食することができる。その解凍方法としては、公知の方法が適用できる。例えば、当該冷凍茹で中華麺を沸騰した湯に投入して2分間茹でることで、行うことができる。
以上で説明したように、本発明にかかる冷凍茹で中華麺の製造方法によって、従来の中華麺(約167kcal/100g)よりも低カロリー(119kcal/100g以下)でありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ中華麺を、冷凍状態の茹で中華麺として製造することができる。
本発明の茹で中華麺の製造方法は、前述した本発明の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺を、茹で歩留まりが280%以上となるように茹でることにより茹で麺を調製する工程(ウ)を有することを特徴とする。
その工程(ウ)の説明は、前述の本発明の冷凍茹で中華麺の製造方法における工程(ウ)の説明と同様である。
本発明にかかる茹で中華麺の製造方法によって、従来の中華麺(約167kcal/100g)よりも低カロリー(119kcal/100g以下)でありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ茹で中華麺を製造することができる。
本発明の中華麺は、前述した本発明の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺が、該生中華麺の原料粉に対する歩留まりが280%以上となるように調理されてなることを特徴とする。
その調理の方法としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、公知の方法が適用される。例えば、茹でる、煮る、蒸す、および電子レンジで加熱する方法が好ましいものとして挙げられる。これらの調理方法のなかでも、当該生中華麺をより均一に加熱できることから、茹でる方法が最も好ましい。
前記茹でる方法としては、例えば、沸騰した湯2リットルに、当該生中華麺100gを茹でカゴによって投入し、3〜10分程度茹でることによって、歩留まりが280%以上となるように茹でられる。その茹で時間は、麺線の太さおよび所望の歩留まりによって適宜調整される。
本発明にかかる中華麺は、従来の中華麺(約167kcal/100g)よりも低カロリー(119kcal/100g以下)でありながら、従来の中華麺のもつ食感(硬さ、粘り脆さ)を維持し、適当な色調をもつ。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜12、比較例1〜25]
表1〜7に示すデュラム小麦粉、普通小麦粉、および添加剤を室温(20℃)、湿度30%においてポリ袋中で混合し、原料粉(A)を調製した。また、12℃に調整した水に、食塩、かん水、および色素(クチナシ色素)を溶解させて水溶液(B)とした。その水、食塩、かん水、および色素の量を表1〜7に示す。
前記原料粉(A)を真空ミキサーTVM03−0043(トーキョーメンキ株式会社製)に投入し、120回転/分で運転しながら、前記水溶液(B)をシャワー状に噴霧しながら添加し、3分間混合した。つぎに、回転数を50回転/分に落として、減圧下(−600mmHg)で7分間混合した。その後、そぼろ状になった生地を巾麺帯機HR8−215(トーキョーメンキ株式会社製)に投入し、ローラーのクリアランスを4mmに設定し、幅215mmの麺帯(帯状の麺生地)に成型した。つづいて成型された麺帯を長手方向二つ折りに畳み、該ローラーのクリアランスを5.6mmに設定した巾麺帯機に通して複合した。さらにローラーのクリアランスを4mmに設定した巾麺帯機に通し、巻き取り棒に麺帯を巻き取った状態でポリ袋に包んで、30分間、室温(20℃)に置いて熟成させた。その後、熟成した麺帯を、ローラーのクリアランスの設定を3.2mm、2.2mm、1.5mmに順次変えた巾麺帯機に通して圧延した。その圧延された生地を、切出機GW4−215(トーキョーメンキ株式会社製)の#20番切り刃によって、1.5mmの厚みで切り出して、商品名「うちっこ101」(昭和産業株式会社製)を打ち粉し、生中華麺として回収した。沸騰させた湯10Lに600gの生中華麺を茹でカゴで投入して、表1〜7に示す茹で歩留まりになるように茹でた。このとき、茹で歩留まり330%の場合の茹で時間は約7分、茹で歩留まり300%の場合の茹で時間は約5〜6分、茹で歩留まり220%の場合の茹で時間は約1.5分で行った。その後、茹で麺の入った茹でカゴの湯を切って、茹でカゴのまま流水で約30秒間洗い、さらに氷水で約30秒間冷却した。水を切った麺を茹でカゴから取り出し、1玉あたり200gとなるように計量した後、樹脂製のトレーに移して−35℃にて急速凍結した。
[官能評価]
得られた冷凍茹で中華麺を沸騰した湯に投入して2分間茹でて、流水で約30秒間洗い、氷水で約30秒間冷却し、水を切ったものを官能評価に用いた。
官能評価は6名のパネラーが、食感(硬さ、粘り脆さ)および色調について、下記の評価基準によって行った。
<食感(硬さ)の評価基準>
前記パネラーが、実施例1〜14および比較例1〜25で得た中華麺の食感(硬さ)について、9段階の評点(5点=硬い、4.5点=かなり硬い、4点=やや硬い、3.5点=少し硬い、3点=基準の硬さ、2.5点=少し柔らかい、2点=やや柔らかい、1.5点=かなり柔らかい、1点=柔らかい)を付けた。なお、基準の硬さ(3点)は、比較例18で得た中華麺(従来の中華麺)のもつ硬さとした。
各パネラーの評点を平均し、下記の評価基準によって硬さを判断した。
○(2.5点以上3.5点以下):中華麺として適当な硬さである。
×(1点以上2.5点未満):中華麺としては柔らかすぎる。
×(3.5点よりも大きく5点以下):中華麺としては硬すぎる。
その結果を表1〜7に示す。
<食感(粘り脆さ)の評価基準>
前記パネラーが、実施例1〜14および比較例1〜25で得た中華麺の食感(粘り脆さ)について、9段階の評点(5点=粘る、4.5点=かなり粘る、4点=やや粘る、3.5点=少し粘る、3点=基準の粘り、2.5点=少し粘らない(少し脆い)、2点=やや粘らない(やや脆い)、1.5点=かなり粘らない(かなり脆い)、1点=粘らない(脆い))を付けた。なお、基準の粘り(3点)は、比較例18で得た中華麺(従来の中華麺)のもつ粘りとした。
各パネラーの評点を平均し、下記の評価基準によって粘り脆さを判断した。
○(2.5点以上3.5点以下):中華麺として適当な粘りである。
×(1点以上2.5点未満):中華麺としては粘らなすぎる(脆すぎる)。
×(3.5点よりも大きく5点以下):中華麺としては粘りすぎる。
その結果を表1〜7に示す。
<色調の評価基準>
前記パネラーが、実施例1〜14および比較例1〜25で得た中華麺の色調について、6段階の評点(5点=くすんでいる、4.5点=かなりくすんでいる、4点=やや暗い、3.5点=少し暗い、3点=基準の色調、2.5点=少し明るい)を付けた。なお、基準の色調(3点)は、比較例18で得た中華麺(従来の中華麺)のもつ色調とした。
各パネラーの評点を平均し、下記の評価基準によって色調を判断した。
○(3.5点以下):従来の中華麺の色調を維持しており、中華麺として適当な色調である。
△(3.5点よりも大きく4点以下):従来の中華麺より暗い色調であるが、中華麺として適当な色調である。
×(4点よりも大きく5点以下):中華麺としては不適当なくすんだ色調である。
その結果を表1〜7に示す。
[カロリー計算]
得られた冷凍茹で中華麺のカロリー計算は、次の式で計算した。
茹で中華麺100gのカロリー=原料粉100gのカロリー/{茹で歩留まり(%)/100}
前記原料粉100gのカロリーは、当該原料粉に含まれるデュラム小麦粉、普通小麦粉、および添加剤のカロリーの和である。当該デュラム小麦粉、普通小麦粉、および添加剤のそれぞれのカロリーは、後述の規格値を用いた。なお、本明細書中のカロリー数値は、全て小数点第一位を四捨五入して、整数で表記した。
その結果を表1〜7に示す。
なお、当該茹で中華麺のカロリーを実測すると、上記式で計算したカロリー値(表1〜7に記載)の約84%となる傾向がある。これは、当該中華麺の一部が、茹で湯や冷却水等へ溶出したためであると考えられる。
Figure 0005184446
Figure 0005184446
Figure 0005184446
Figure 0005184446
Figure 0005184446
Figure 0005184446
Figure 0005184446
表1〜7中、[ ]内の数値は配合量(質量部)を示す。また、表1〜7中の記号はそれぞれ以下のものを示す。
(A)−1:デュラム小麦粉(蛋白質含量=12.50質量%;灰分含量=0.77質量%){商品名「シルクロード」(昭和産業株式会社製);349kcal/100g(規格値);粒度200μm以下}
(A)−2:デュラム小麦粉(蛋白質含量=13.50質量%;灰分含量=1.00質量%){商品名「ジョーカーフラワー」(日本製粉株式会社製);349kcal/100g(規格値);粒度150μm以下、平均粒度90〜100μm}
(B)−1:強力二等粉(蛋白質含量=13.30質量%,灰分含量=0.48質量%){商品名「赤ネオン」(昭和産業株式会社製);351kcal/100g(規格値)}
(B)−2:強力二等粉(蛋白質含量=13.50質量%,灰分含量=0.55質量%){商品名「紫牡丹」(日本製粉株式会社製);350kcal/100g(規格値)}
(B)−3:強力一等粉(蛋白質含量=11.80質量%,灰分含量=0.40質量%){商品名「カメリヤ」(日清製粉株式会社製);367kcal/100g(規格値)}
(B)−4:強力三等粉(蛋白質含量=16.50質量%,灰分含量=0.75質量%){商品名「K青鶏」(日清製粉株式会社製);367kcal/100g(規格値)}
(B)−5:準強力一等粉(蛋白質含量=10.50質量%,灰分含量=0.36質量%){商品名「麗華」(日清製粉株式会社製);367kcal/100g(規格値)}
(C)−1:グルテン(蛋白質含量=70.30質量%,灰分含量=0.7質量%){商品名「A−グルG」(グリコ栄養食品株式会社製);402kcal/100g(規格値)}
(D)−1:タピオカアセチル化澱粉(蛋白質含量=0質量%,灰分含量=0質量%){商品名「松谷あじさい」(松谷化学工業株式会社製);343kcal/100g(規格値)}
表1〜7中、かん水は、商品名「太洋号かんすい」(有限会社大洋食化学製)である炭酸カリウムを使用し、色素は、商品名「クチナシカラー750GS」(グリコ栄養食品株式会社製)を使用した。
表1〜7に示すように、本発明にかかる実施例1〜12の中華麺は、いずれも、硬さ、および粘り脆さが従来の中華麺(比較例18)と同様に良好であった。また、実施例1〜4、実施例7〜9、および実施例12の中華麺は、いずれも従来の中華麺と同様の色調であった。実施例5,6,10,11の中華麺は、従来の中華麺よりも暗い黄色味を呈する色調であるが、中華麺として適当な色調であった。また、これらの実施例1〜12の中華麺のカロリーはいずれも、従来の中華麺よりも低カロリーである。
したがって、本発明にかかる実施例1〜12の中華麺は、従来の中華麺(比較例18)よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺の食感を維持し、中華麺として適当な色調をもつことが明らかである。
[せん断荷重測定]
上記の実施例1、実施例3、比較例18および比較例19の官能評価に用いた中華麺を、せん断荷重測定に用いた。
測定対象とするサンプルは、冷凍状態の中華麺100gを2リットルの沸騰水中に投入し、3分間ボイルして完全に解凍した後、冷水中に30秒晒し、次いで氷水中に30秒晒し、水切りすることにより調製し、その後直ちに測定器のサンプル台に移し、麺の長軸方向に直角な横断面形状にて長い方の辺が上下になるように載置して、測定に供した。
測定は、測定器であるレオメーターCR−500DX(株式会社サン科学製)に、せん断用感圧アダプタ・プランジャ(剃刀型プランジャーの刃の無い側を使用するため、先端形状が幅28mm・厚さ0.25mmの平面からサンプル上面に当接し降下、せん断に供される)およびせん断用感圧アダプタ・サンプル台(縦20mm、横59mm、高さ20mmの直方体の上面の縦方向に幅1mmのスリットが設けられているもの)を装着し、当該サンプル台のスリットに対し長軸方向が直角に載るように置いた麺に向かって、プランジャーをスリットに挿入するように、垂直に、120mm/分の速度で降下させることにより実施した。ランダムに麺を選び、延べ15箇所を測定した。
測定器のロードセル出力(g)は、プランジャーがサンプルに接触後、降下にともない上昇し、サンプルの高さの半分程度までめり込んだところで減少傾向に転じたため、その最大値を当該麺線のせん断荷重(g)とみなした。その平均値と標準偏差を表8に示す。
Figure 0005184446
また、上記の実施例1、実施例3、比較例18および比較例19の中華麺について測定した、せん断荷重のT検定の結果を表9に示す。なお、該T検定は、両側分布を使用し、等分散の2標本を対象とするt検定であり、統計解析ソフト(JSTAT for Windows)を使用して、一元配置での多重比較(Holm法)を実施した。
Figure 0005184446
表8、9の結果から、本発明にかかる実施例1および3の中華麺は、比較例19の中華麺と比べて、比較例18で得た中華麺(従来の中華麺)に近いせん断力をもつことが確認された。ここで、該せん断力は、中華麺の食感である硬さに対応するものである。したがって、本発明にかかる実施例1および3の中華麺は、従来の中華麺よりも低カロリーでありながら、従来の中華麺の食感を維持していることが明らかである。

Claims (5)

  1. 原料粉、かん水、および水を混合して混合物を調製する工程(ア)、および該混合物から麺線を調製する工程(イ)を有し、前記原料粉に対する歩留まりが280%以上となるように調理して喫食される生中華麺の製造方法であって、
    前記原料粉は、デュラム小麦粉と、蛋白質含量が12.5〜16.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.70質量%であるデュラム小麦粉以外の小麦粉との混合小麦粉を主成分として有し、
    前記混合小麦粉は、前記デュラム小麦粉と前記デュラム小麦粉以外の小麦粉との質量比が、デュラム小麦粉:デュラム小麦粉以外の小麦粉=8.9:1.1〜2.6:7.4の範囲となるように混合されたものであることを特徴とする、生中華麺の製造方法。
  2. 前記原料粉中、前記混合小麦粉の含有量が80〜100質量%であることを特徴とする、請求項1記載の生中華麺の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺を、茹で歩留まりが280%以上となるように茹でることにより茹で麺を調製する工程(ウ)、および該茹で麺を冷凍する工程(エ)を有することを特徴とする、冷凍茹で中華麺の製造方法。
  4. 請求項1又は2記載の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺を、茹で歩留まりが280%以上となるように茹でることにより茹で麺を調製する工程(ウ)を有することを特徴とする、茹で中華麺の製造方法。
  5. 請求項1又は2記載の生中華麺の製造方法によって製造された生中華麺が、該生中華麺の原料粉に対する歩留まりが280%以上となるように調理されてなることを特徴とする、中華麺。
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