JP5179309B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、
(工程1)エチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液に、該溶液に対して0.0001〜0.03モル/lの範囲でアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ触媒を加えて混合した後;
(工程2)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液をアセタール化触媒に接触させ;
(工程3)前記工程2でアセタール化触媒に接触を終えた後のエチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液を、アルカリ触媒を用いてケン化すること;
を特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法である。
また、好適には、前記アルコールはメタノールである。
さらに、好適には、前記アセタール化触媒は、無機酸、有機スルホン酸、カルボン酸、ルイス酸または酸性陽イオン交換樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である。
そして、好適には、工程2に付した後のエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化度が5モル%以下である。
好適には、本発明の製造方法における前記工程3において、前記工程2でアセタール化触媒に接触を終えた後のエチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液を塔式反応器の塔上部に供給し、塔下部からアルコール溶媒を蒸気として供給して、塔頂部からアルコール溶媒および酢酸エステルを蒸気として排出するとともに、塔内にアルカリ触媒を供給してエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化する。
EVAc溶液中に残存する酢酸ビニルエステル類を酢酸とアセトアルデヒドに変換しつつも、アセトアルデヒドの副反応が進行しないようにアルカリ触媒の濃度を調整することが肝要である。一般に、酢酸ビニルエステル類の加水分解または加アルコール分解は、EVAcの酢酸エステル基のケン化よりも反応性が高く、希薄な濃度のアルカリ性溶液で反応が進行する。本発明はこの点に着目したものであり、EVAcのアルコール溶液を希薄な濃度のアルカリ性溶液にすることで、EVAcの酢酸エステル基のケン化を行う前に、酢酸ビニルエステル類の加水分解または加アルコール分解のみを行うことを特徴としている。
工程1におけるより好適なアルカリ触媒の濃度の範囲は0.0002〜0.02モル/lであり、さらに好適には0.0004〜0.01モル/lである。
水酸化ナトリウム(NaOH:純度97%以上)またはナトリウムメトキシド(NaOMe:純度95%以上)を室温でメタノールに溶解させて、各実施例および比較例で用いる所定濃度のメタノール溶液を調製した。
硫酸(純度95%以上)、トリフルオロ酢酸(TFA:純度98%以上)またはp−トルエンスルホン酸1水和物(TsOH:純度99%以上)を室温でメタノールに溶解させて、各実施例および比較例で用いる所定濃度のメタノール溶液を調製した。
分析するEVAc溶液5mlをヘキサン100ml中に投入して、EVAcを析出させて、ろ別した後、回収した溶液について島津製作所製ガスクロマトグラフGC−14B(カラム:J&W Scientific DB−1710(30m)、注入口温度:150℃、分析温度:100℃(8分保持)→20℃/分で昇温→250℃(5分保持)、キャリアガス:ヘリウム)で酢酸ビニルの含有量を定量した。なお、定量に際しては、濃度の異なる酢酸ビニルのヘキサン溶液を標準液として上記分析条件で予め検量線を作成した。
乾燥したEVOH0.5gに、1000mg/lの2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を含有する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール/酢酸混合溶液(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール/酢酸=9:1(質量比))を10ml加えて、50℃で1時間攪拌した。当該溶液を50mlのアセトニトリル中に投入して、EVOHを析出させた後、孔径0.45μmのフィルターでろ過した。引き続き、ロータリーエバポレーターで溶液を濃縮した後、アセトニトリルで希釈して全容量を10mlとした。当該溶液を島津製作所製高速液体クロマトグラフ(カラム:資生堂CAPCELL PAK C18 MGタイプ、カラム温度45℃、溶媒:アセトニトリル/水(アセトニトリル/水=70/30(質量比))、流量1ml/分、UV検出器(360nm))を用いて分析し、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ソルブアルデヒドをDNPH化物として、その合計含有量(単位:ppm)を定量した。なお、定量に際しては、市販のアルデヒド−DNPH化物で作成した検量線を用いた。
各実施例および比較例における工程2終了後のEVAc溶液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、40℃の真空乾燥機で10時間乾燥させて乾燥EVAcを得た。当該EVAc20mgを重クロロホルム0.6mlに溶解した後、下記の測定条件で1H−NMRの測定を行い、3.1〜4.1ppmに観測されるビニルアルコール単位のメチン水素(ケン化された部位)の積分値と4.5〜5.2ppmに観測される酢酸ビニル単位のメチン水素(未ケン化部位)の積分値の比からケン化度を求めた。
測定条件 装置名:日本電子製 超伝導核磁気共鳴装置Lambda 500、観測周波数:500MHz、測定温度:25℃、積算回数:1024回
各実施例および比較例で得られた乾燥EVOHのペレットを粉砕し、その粉末20mgを重ジメチルスルホキシド/重トリフルオロ酢酸の混合溶液(質量比:重ジメチルスルホキシド/重トリフルオロ酢酸=95/5)0.6mlに溶解した後、下記の測定条件で1H−NMRの測定を行い、3.1〜4.1ppmに観測されるビニルアルコール単位のメチン水素の積分値(ケン化された部位)と1.9〜2.0ppmに観測される酢酸ビニル単位のメチル基水素(未ケン化部位)の積分値の比からケン化度を求めた。
測定条件 装置名:日本電子製 超伝導核磁気共鳴装置Lambda 500、観測周波数:500MHz、測定温度:80℃、積算回数:128回
〔工程1〕
攪拌翼を供えた容量10lの反応容器に、エチレン含有量35モル%のEVAc含有量が48質量%、未反応の残存酢酸ビニルの濃度が0.014モル/lのメタノール溶液を8.5l仕込み、液温を60℃に調整した。次に、1.3モル/lの水酸化ナトリウムのメタノール溶液を一括添加して、反応容器内の水酸化ナトリウム濃度を0.023モル/lにして、10分間攪拌を続けた。反応後、EVAc溶液中の酢酸ビニル濃度を測定したところ、検出されず0モル/lであった。
〔工程2〕
引き続き、2.0モル/lの硫酸のメタノール溶液を少しずつ添加して、反応容器内の硫酸濃度を工程1で添加した水酸化ナトリウムの1.5モル当量に調整した。液温を60℃に保持したまま、30分間攪拌した。反応後のEVAcのケン化度は、2.4モル%であった。
〔工程3〕
続いて、攪拌翼、ガス吹込み口および冷却コンデンサを備えた容量15lの反応器に、前記工程2を終了したEVAc溶液を仕込んでメタノールを加えて混合し、EVAc含有量を20%とした。なお、冷却コンデンサで凝結した液体は、反応系外に除去・回収できるような装置とした。反応器内に窒素を5l/分で吹き込みながら、液温を60℃とした。そこへ、2モル/lのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液をEVAcの残存酢酸エステル基に対して、0.4モル当量(エチレン含有量および工程2の後のケン化度より算出)添加した。ケン化反応中は、反応効率を上げるために、反応系内に副生成物として発生する酢酸メチルを、反応系内のメタノールと一緒に反応系外に追い出すために、反応器内に窒素を吹き込み続けた。これを冷却コンデンサを用いて凝縮させて回収した。反応開始から6時間後、ナトリウムメトキシドと当モル量の酢酸を添加して中和し、ケン化反応を停止させた。
上記で得られた中和後の反応液100質量部あたり水50質量部を加えて、溶液中のEVOHをケーキ状に固化させた。その後、遠心分離機を用いて、前記ケーキ状のEVOHからの脱液操作を行なった。次に、遠心分離機の上方より水を60l/分で供給しながら10分間脱液し、前記EVOHを水洗した。
このようにして得られた塊状のEVOHを、真空乾燥機を用いて60℃で10時間乾燥した。続いて、水/メタノールの混合溶媒(水/メタノール=35/65(質量比))に80℃で5時間、撹拌しながら溶解させて35質量%のEVOH溶液を得た。次に、撹拌を止めて温度を65℃に下げて5時間放置し、前記EVOH溶液を脱泡した。このEVOH溶液を、直径3.5mmの円形の開口部を有する金板から、5℃の水/メタノール=9/1(質量比)の混合液中に押出してストランド状に析出させ、切断することで円柱状のペレットを得た。得られたEVOHペレットの水分率は70質量%(湿質量基準)であった。
このようにして得られた含水状態のEVOHペレット1.5kgに20lの水を加え、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を2回繰り返した。次に、1.0g/lの酢酸水溶液で、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を2回繰り返し、さらに、20Lの水で、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を6回繰り返した。次に、5.4mmol/lの酢酸ナトリウムおよび12mmol/lの酢酸を含有する水溶液15lに上記EVOHペレットを投入し、25℃で5時間、浸漬及び撹拌を行った。処理後のEVOHペレットを脱液した後、80℃にて3時間、引き続き120℃にて30時間、窒素雰囲気下の乾燥機で乾燥し、乾燥したEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットのケン化度は99.5モル%であり、MIは2.0g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は15ppmであった。
得られたEVOHペレットを(株)東洋精機製作所製20mm押出機D2020(D(mm)=20、L/D=20、圧縮比=2.0、スクリュー:フルフライト)を用いて単層製膜を以下の条件で行い、単層フィルムを得た。
押出温度:C1/C2/C3/Die=180/200/220/220℃
スクリュー回転数:80rpm
吐出量 :2.5kg/hr
引取りロール温度:80℃
引取りロール速度:6.1m/min.
フィルム厚み :20μm
上記方法で作製された単層フィルムを紙管に巻き取り、フィルム端面の着色度を肉眼で以下のように判定したところ、A判定であった。
判定基準 A:着色なし
B:やや黄変
C:黄変
実施例1において、工程2で添加したアセタール化触媒を2.0モル/lのトリフルオロ酢酸のメタノール溶液とし、添加量を工程1で添加した水酸化ナトリウムの1.5モル当量とした以外は、実施例1と同様にしてEVOHペレットを得た。なお、工程1を終了したときのEVAc溶液中に酢酸ビニルは検出されず(0モル/l)、工程2を終了したときのEVAcのケン化度は2.3モル%であった。得られたEVOHペレットのケン化度は99.5モル%であり、MIは1.9g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は12ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はA判定であった。
〔工程1〕
攪拌翼を供えた容量10lの反応容器に、エチレン含有量35モル%のEVAc含有量が48質量%、未反応の残存酢酸ビニルの濃度が0.014モル/lのメタノール溶液を8.5l仕込み、液温を60℃に調整した。次に、1.3モル/lの水酸化ナトリウムのメタノール溶液を一括添加して、反応容器内の水酸化ナトリウム濃度を0.023モル/lにして、10分間攪拌を続けた。反応を終了したときのEVAc溶液中に酢酸ビニルは検出されなかった(0モル/l)。
〔工程2〕
引き続いて、予め酸性型に活性化した酸性陽イオン交換樹脂(IER;Dowex MONOSPHERE M31(商品名、ダウケミカル社製))100g(乾燥重量基準)を1lのメタノールに膨潤させた後、工程1で得られたEVAc溶液に添加して、30分間攪拌した。反応後のEVAc溶液を孔径100μmのスクリーンメッシュでろ過し、酸性陽イオン交換樹脂を除去した。反応後のEVAcのケン化度は、2.0モル%であった。
工程3以降の操作は、実施例1と同様にしてEVOHペレットを得た。EVOHペレットのケン化度は99.6モル%であり、MIは2.1g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は10ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はA判定であった。
実施例1の工程1において、反応容器内の水酸化ナトリウム濃度を0.019モル/lとして、反応時間を2分とした以外は、実施例1と同様にしてEVOHペレットを得た。なお、工程1を終了したときのEVAc溶液中に酢酸ビニルは検出されず(0モル/l)、工程2を終了したときのEVAcのケン化度は1.2モル%であった。得られたEVOHペレットのケン化度は99.6モル%であり、MIは2.1g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は10ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はA判定であった。
〔工程1〕
攪拌翼を供えた容量10lの反応容器に、エチレン含有量35モル%のEVAc含有量が50質量%、未反応の残存酢酸ビニルの濃度が0.002モル/lのメタノール溶液を8.2l仕込み、液温を60℃に調整した。次に、1.3モル/lの水酸化ナトリウムのメタノール溶液を一括添加して、反応容器内の水酸化ナトリウム濃度を0.008モル/lにして、2分間攪拌を続けた。反応を終了したときのEVAc溶液中に酢酸ビニルは検出されなかった(0モル/l)。
〔工程2〕
引き続き、2.0モル/lの硫酸のメタノール溶液を少しずつ添加して、反応容器内の硫酸濃度を工程1で添加した水酸化ナトリウムの1.5モル当量に調整した。液温を60℃に保持したまま、30分間攪拌した。反応後のEVAcのケン化度は、0.4モル%であった。
工程3以降の操作は、実施例1と同様にしてEVOHペレットを得た。EVOHペレットのケン化度は99.5モル%であり、MIは2.1g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は5ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はA判定であった。
〔工程1〕
スタティックミキサーを内蔵した管式反応器2機を配管で接続し、エチレン含有量29モル%のEVAc含有量が47質量%、未反応の残存酢酸ビニルの濃度が0.002モル/lのメタノール溶液(液温60℃)を1.0kg/時の速度で第一の管式反応器に供給した。同時に、第一の管式反応器に2.0モル/lのナトリウムメトキシドのメタノール溶液を供給することで、反応器内のナトリウムメトキシドの濃度を0.008モル/lにした。なお、ナトリウムメトキシドとEVAcが混合されてから、工程2に至るまでの反応時間は0.5分であった。
〔工程2〕
引き続き、第二の管式反応器内で2.0モル/lのp−トルエンスルホン酸のメタノール溶液と混合して、p−トルエンスルホン酸濃度がナトリウムメトキシドの1.5モル当量となるように調整した。このようにして、混合された液を10lの容器に導出し、液温60℃で30分間攪拌した。反応後のEVAcのケン化度は、0.4モル%であった。反応を終了したときのEVAc溶液中の酢酸ビニルは検出されなかった(0モル/l)。
〔工程3〕
続いて、上記のEVAc溶液を棚段塔(ケン化塔、総段数10)の9段目の棚板に0.9kg/時の速度で導入し、さらに、2モル/lの水酸化ナトリウムのメタノール溶液を8段目より供給して、当該EVAcの残存酢酸エステル基に対して0.05当量(エチレン含有量および工程2の後のケン化度より算出)とした。一方、2段目より4.0kg/時の速度でメタノールの蒸気を供給して、搭頂部からケン化反応により生成した酢酸メチルを含むメタノール蒸気を追い出した。塔内温度は112℃、塔圧は0.51MPaであった。塔底より得られたEVOH溶液(EVOH濃度:36%)に供給した水酸化ナトリウムと等モル量の酢酸を逐次添加することで中和した。
以降の工程は、実施例1と同様にしてEVOHペレットを得た。EVOHペレットのケン化度は99.8モル%であり、MIは2.0g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は0.7ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はA判定であった。
実施例1において工程2を省略した以外は、実施例1と同様にしてEVOHペレットを得た。なお、工程1を終了したときのEVAcのケン化度は2.1モル%であり、EVAc溶液中に酢酸ビニルは検出されなかった(0モル/l)。EVOHペレットのケン化度は99.6モル%であり、MIは2.0g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は52ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はB判定であった。
実施例1において、工程1における水酸化ナトリウム濃度を0.1モル/lとした以外は、実施例1と同様にしてEVOHペレットを得た。なお、工程2を終了したときのEVAcのケン化度は10.2mol%であり、EVAc溶液中に酢酸ビニルは検出されなかった(0モル/l)。EVOHペレットのケン化度は99.6モル%であり、MIは2.1g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は65ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はC判定であった。
実施例5において工程2を省略した以外は、実施例5と同様にしてEVOHペレットを得た。なお、工程1を終了したときのEVAcのケン化度は0.5モル%であり、EVAc溶液中に酢酸ビニルは検出されなかった(0モル/l)。EVOHペレットのケン化度は99.9モル%であり、MIは2.0g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は40ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はB判定であった。
実施例6において工程1および工程2を省略した以外は、実施例6と同様にしてEVOHペレットを得た。EVOHペレットのケン化度は99.9モル%であり、MIは2.0g/10分(190℃、2160g荷重下)であった。また、アルデヒド類の含有量は42ppmであり、単層製膜後の耐着色性評価の判定結果はB判定であった。
Claims (6)
- (工程1)エチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液に、該溶液に対して0.0001〜0.03モル/lの範囲でアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ触媒を加えて混合した後;
(工程2)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液をアセタール化触媒に接触させ;
(工程3)前記工程2でアセタール化触媒に接触を終えた後のエチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液を、アルカリ触媒を用いてケン化すること;
を特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。 - 前記工程1で用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液中の酢酸ビニルの含有量が0.015モル/l以下である請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
- 前記アルコールがメタノールである請求項1または2に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
- 前記アセタール化触媒が、無機酸、有機スルホン酸、カルボン酸、ルイス酸または酸性陽イオン交換樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
- 工程2に付した後のエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化度が5モル%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
- 前記工程3において、前記工程2でアセタール化触媒に接触を終えた後のエチレン−酢酸ビニル共重合体のアルコール溶液を塔式反応器の塔上部に供給し、塔下部からアルコール溶媒を蒸気として供給して、塔頂部からアルコール溶媒および酢酸エステルを蒸気として排出するとともに、塔内にアルカリ触媒を供給してエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
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