JP5176292B2 - 発光活性測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ルシフェラーゼの発光活性の測定方法に関する。
ドラッグのスクリーニングにおいて、スクリーニング対象の低分子化合物が難水溶性の場合には、通常、低分子化合物をメタノール、エタノール、ジメチルスルホオキサイド、アセトニトリルなどの有機溶媒に溶解して使用する。しかし、一般に、酵素蛋白質は、有機溶媒中を含む水溶液中で不安定であり(例えば、特許文献1参照)、容易に失活することが知られている。同様に、セレンテラジンを発光基質とする発光酵素群(例えば、レニラルシフェラーゼ、ガウシアルシフェラーゼ、コンケシアルシフェラーゼ)について、有機溶媒を含む水溶液中での発光反応については、詳細に検討されておらず、高感度レポーターアッセイ系も確立は確立されていなかった。
特開2002-199877号公報
上記のような現状に鑑み、発光酵素が有機溶媒中であっても発光活性を有し、この発光活性によって、目的物質の検出が可能な発光反応方法が求められている。
そこで、本発明は、有機溶媒存在下において発光酵素の発光活性を測定する方法を提供することを課題とする。
オプロフォーラスルシフェラーゼは、静岡県駿河湾の水深800〜1000メートルに棲息し、分類学上十脚類に属するヒメヒオドシエビ(Oplophorus gracilorostris)が有する分泌型エビルシフェラーゼである。この分泌型ルシフェラーゼは、19kDa及び35kDaの蛋白質より構成される分子量106kDaの複合体である(Inouye,S, Watanabe, K., Nakamura, H., Shimomura, O.(2000)FEBS Lett.481:19-25.)が、19kDa蛋白質(以下「19k0Lase」ともいう)が、発光基質であるセレンテラジン(発光基質)への酸素添加により発光反応を触媒する機能を有するのに対し、35kDaの蛋白質は、発光活性をもつ19kDa蛋白質の安定化に寄与している可能性が高く、直接発光反応に関与しない(特開2002-320482号公報)。
本発明者らは、上記課題の解決法を求めて鋭意努力した結果、レニラルシフェラーゼ、ガウシアルシフェラーゼ、コンケシアルシフェラーゼ等の発光酵素は、有機溶媒を含む水溶液中で非常に不安定であるため、有機溶媒が反応系に持ち込まれるような場合には用いることができないが、オプロフォーラスルシフェラーゼ19kOLaseの発光活性は、有機溶媒存在下においてもその活性を測定できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]以下の(a)又は(b)のペプチドが有する発光活性を測定する方法であって、有機溶媒存在下において、発光基質と該ペプチドを反応させることを特徴とする測定方法。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド。
[2]前記有機溶媒が、アルコール類又は水溶性有機溶媒であることを特徴とする前記[1]に記載の測定方法。
[3]前記アルコール類が脂肪族アルコールであることを特徴とする前記[2]に記載の測定方法。
[4]前記脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール又は1−ブタノールであることを特徴とする前記[3]に記載の測定方法。
[5]前記水溶性有機溶媒が、2−メルカプトエタノール、アセトン、ジメチルスルホオキサイド又はアセトニトリルであることを特徴とする前記[2]〜[4]のいずれかに記載の測定方法。
[6]前記発光基質が、セレンテラジン又はセレンテラジン類縁化合物であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の測定方法。
[7]前記セレンテラジン類縁化合物が、下記化学式(1)又は(2)で表わされることを特徴とする前記[6]に記載の測定方法。
Figure 0005176292
Figure 0005176292
(式中、R1は、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、又は脂肪族環式基によって置換されていてもよい直鎖あるいは分枝鎖のアルキル基であり、
2は、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、又は脂肪族環式基によって置換されていてもよい直鎖あるいは分枝鎖のアルキル基、脂肪族環式基によって置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖のアルケニル基、又は複素環式基であり、
3は、水素原子、又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
1は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシル基又はアミノ基であり、
2は、水素原子又は水酸基であり、
Yは1〜4個の炭素原子を有する2価の炭化水素基である。)
[8]前記化学式(1)又は(2)において、
1が非置換のアリール基、非置換のアリールアルキル基、水酸基もしくはハロゲン原子で置換されたアリールアルキル基、又はシクロヘキシル基で置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基であり、
2が非置換のアリール基、水酸基で置換されたアリール基、非置換のアリールアルキル基、水酸基で置換されたアリールアルキル基、非置換のアリールアルケニル基、非置換の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、脂肪族環式基によって置換されていてもよい直鎖のアルキル基、分枝鎖のアルケニル基、又は硫黄を含む複素環式基であり、
3は、水素原子、メチル基又は2−ヒドロキシエチル基であり、
1は、水素原子、水酸基、フッ素原子、メトキシ基又はアミノ基であり、
Yはメチレン基、エチレン基、プロピレン基又はビニレン基であること、
を特徴とする前記[7]に記載の測定方法。
[9]前記化学式(1)又は(2)において、
1がフェニル基、ベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、3,4−ジフルオロベンジル基、ペンタフルオロベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、メチル基、1−メチルプロピル基又は2−メチルプロピル基であり、
2がフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、ベンジル基、α−ヒドロキシベンジル基、フェニルエチル基、フェニルビニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−メチルプロピル基、2−メチルプロペニル基、アダマンチルメチル基、シクロペンチルメチル基又はチオフェン−2−イル基であること、
を特徴とする前記[7]又は[8]に記載の測定方法。
[10]ルシフェラーゼの発光活性の反応測定用溶液であって、有機溶媒を含有することを特徴とする溶液。
[11]前記ルシフェラーゼが(a)又は(b)のペプチドであることを特徴とする前記[10]に記載の溶液。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド。
[12]前記有機溶媒が、アルコール類又は水溶性有機溶媒であることを特徴とする前記[10]又は[11]に記載の溶液。
[13]前記アルコール類が脂肪族アルコールであることを特徴とする前記[12]に記載の溶液。
[14]前記脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール又は1−ブタノールであることを特徴とする前記[13]に記載の溶液。
[15]前記水溶性有機溶媒が、2−メルカプトエタノール、アセトン、ジメチルスルホオキサイド又はアセトニトリルであることを特徴とする前記[12]〜[14]のいずれかに記載の溶液。
[16]ルシフェラーゼの発光活性を測定するためのキットであって、前記[10]〜[15]のいずれかに記載の反応測定用溶液を含有することを特徴とするキット。
[17]前記ルシフェラーゼの基質となる発光基質を含有することを特徴とする前記[16]に記載のキット。
[18]以下の(a)又は(b)のペプチドが有する発光活性を増強させる方法であって、有機溶媒存在下において、発光基質と該ペプチドを反応させることを特徴とする増強方法。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド。
[19]前記有機溶媒が、アルコール類又は水溶性有機溶媒であることを特徴とする前記[18]に記載の増強方法。
[20]前記発光基質が、セレンテラジン類縁化合物であることを特徴とする前記[18]又は[19]に記載の増強方法。
[21]前記発光基質が、h−セレンテラジン、n−セレンテラジン又はf−セレンテラジンであることを特徴とする前記[18]〜[20]のいずれかに記載の増強方法。
[22]前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−メルカプトエタノール、又はアセトンであり、
前記発光基質が、hcp−セレンテラジン又はBis−セレンテラジンであることを特徴とする前記[18]〜[20]のいずれかに記載の増強方法。
[23]ルシフェラーゼの発光活性の増強剤であって、有機溶媒を含有することを特徴とする増強剤。
[24]前記ルシフェラーゼが、以下の(a)又は(b)のペプチドであることを特徴とする前記[23]に記載の増強剤。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド。
[25]前記有機溶媒が、アルコール類又は水溶性有機溶媒であることを特徴とする前記[23]又は[24]に記載の増強剤。
[26]前記アルコール類が脂肪族アルコールであることを特徴とする前記[25]に記載の増強剤。
[27]前記脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール又は1−ブタノールであることを特徴とする前記[26]に記載の増強剤。
[28]前記水溶性有機溶媒が、2−メルカプトエタノール、アセトン、ジメチルスルホオキサイド又はアセトニトリルであることを特徴とする前記[25]に記載の増強剤。
[29]ルシフェラーゼの発光活性を増強するためのキットであって、前記[23]〜[28]のいずれかに記載の増強剤を含有することを特徴とするキット。
[30]前記ルシフェラーゼの基質となる発光基質を含有することを特徴とする前記[29]に記載のキット。
本発明により、有機溶媒存在下において発光酵素の発光活性を測定する方法を提供することができる。
実施の形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いる場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
===発光活性測定方法===
ルシフェラーゼの発光活性を測定する際、有機溶媒存在下において、発光基質と前記ペプチドを反応させることができる。対象となるルシフェラーゼは、以下の(a)又は(b)のペプチドであることが好ましい。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド。
ペプチド(a)は、ヒメヒオドシエビルシフェラーゼを構成する19kDaのサブユニット(以下、「19k0Lase」ともいう)である。このペプチドは、天然由来の蛋白質であっても、遺伝子組換え蛋白質であってもよい。なお、この反応によって生じる発光活性は、市販の発光測定装置によって測定することができる。
19k0Laseを生物学的実験における検出マーカー等として利用する場合、マーカーの発現レベルを発光活性として測定する。例えば、常法に従い、19k0Laseをコードする遺伝子を単離し、この遺伝子を含む組換えベクターを構築し、この組換えベクターを動物個体や培養細胞などに導入し、所定の目的に合わせて発現させればよい。そして、細胞内で発現させた後、常法に従い、細胞を適当な溶解用緩衝液で溶解する。その後、精製しても精製しなくてもよいが、組換え19k0Lase蛋白質を含む抽出液に発光基質を加えて反応させ、発光活性として発光強度を測定する。この時、19k0Lase蛋白質を発光基質と反応させるための反応測定用溶液中に有機溶媒を含有していても、19kOLase蛋白質の発光活性を測定可能できる。なお、19k0Lase蛋白質を精製しない場合、溶解用緩衝液で細胞を溶解し、その溶液中で反応させてもよく、その際には、溶解用緩衝液が反応測定用溶液を兼ねることになり、溶解用緩衝液に有機溶媒を含有させてもよい。精製する場合は、その精製方法は公知の任意の方法から適宜選択することができる。例えば、ヒスチジンタグ、S−グルタチオントランスフェラーゼ、その他のタグ配列を19k0Laseに融合させた融合蛋白質を発現させれば、それぞれ、ニッケルキレートアフィニティークロマト法、グルタチオン結合ゲルによるアフィニティークロマト法、抗体アフィニティークロマト法を用いて、融合蛋白質を精製することができる。
有機溶媒としては、アルコール類又は水溶性有機溶媒を例示できる。例えば、アルコール類は、脂肪族アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチルプロパノール、1−ペンタノール、2,2−ジメチルプロパノール、1−ヘキサノール、エテン−オール、2−プロペン−1−オール、2−ブテン−1−オール、2−プロピン−1−オール、1,2−エタンジオール、1,2,3−プロパントリオール等が例示できるが、これらに限定されない。また、水溶性有機溶媒としては、例えば、2−メルカプトエタノール、アセトン、ジメチルスルホオキサイド、アセトニトリル等が挙げられるが、これらに限定されない。80%以上のルシフェラーゼ活性を確保するためには、有機溶媒の濃度に関して、メタノールは20%以下、エタノールは12%以下、1−ブタノールは3.5%以下、2−メルカプトエタノールは6%以下、アセトンは12%以下、ジメチルスルホオキサイドは20%以下にすることが好ましい。
また、使用される発光基質としては、例えば、セレンテラジン、セレンテラジン類縁化合物等が挙げられ、特にセレンテラジン、Bis-セレンテラジンが好ましい。セレンテラジン類縁化合物は、例えば、下記化学式(1)又は(2)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 0005176292
Figure 0005176292
ここで、式中、R1は、例えば、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、又は脂肪族環式基によって置換されていてもよい直鎖あるいは分枝鎖のアルキル基であることが好ましく、R2は、例えば、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、又は脂肪族環式基によって置換されていてもよい直鎖あるいは分枝鎖のアルキル基、脂肪族環式基によって置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖のアルケニル基、又は複素環式基であることが好ましく、R3は、例えば、水素原子、又は置換もしくは非置換のアルキル基であることが好ましく、X1は、例えば、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシル基又はアミノ基であることが好ましく、X2は、例えば、水素原子又は水酸基であることが好ましく、Yは、例えば、1〜4個の炭素原子を有する2価の炭化水素基であることが好ましいが、これらに限定されない。
また、上記化学式(1)又は(2)において、R1は、例えば、非置換のアリール基、非置換のアリールアルキル基、水酸基もしくはハロゲン原子で置換されたアリールアルキル基、又はシクロヘキシル基で置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基であることが好ましく、R2は、例えば、非置換のアリール基、水酸基で置換されたアリール基、非置換のアリールアルキル基、水酸基で置換されたアリールアルキル基、非置換のアリールアルケニル基、非置換の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、脂肪族環式基によって置換されていてもよい直鎖のアルキル基、分枝鎖のアルケニル基、又は硫黄を含む複素環式基であることが好ましく、R3は、例えば、水素原子、メチル基又は2−ヒドロキシエチル基であることが好ましく、X1は、例えば、水素原子、水酸基、フッ素原子、メトキシ基又はアミノ基であることが好ましく、Yは、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基又はビニレン基であることが好ましいが、これらに限定されない。
さらに、上記化学式(1)又は(2)において、R1は、例えば、フェニル基、ベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、3,4−ジフルオロベンジル基、ペンタフルオロベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、メチル基、1−メチルプロピル基又は2−メチルプロピル基であることが好ましく、R2は、例えば、フェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、ベンジル基、α−ヒドロキシベンジル基、フェニルエチル基、フェニルビニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−メチルプロピル基、2−メチルプロペニル基、アダマンチルメチル基、シクロペンチルメチル基又はチオフェン−2−イル基であることが好ましいがこれらに限定されない。
==発光活性測定用キット==
本発明のルシフェラーゼ反応測定用キットは、有機溶媒を含有したルシフェラーゼの発光反応測定用溶液を含む。このキットの対象となるルシフェラーゼは、以下の(a)又は(b)のペプチドであることが好ましい。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド、である。
ここで、反応測定用溶液は、これらの発光酵素を用いて発光反応させるための単一目的であってもよいが、発光活性の測定以前に他の反応を行い、連続して発光反応を行う場合、前に行う反応用緩衝液を兼ねていてもよい。
また、このキットは、反応測定用溶液以外に、発光酵素の基質となる上記発光基質を含んでいてもよい。
==ルシフェラーゼ反応増強剤及び増強方法==
ルシフェラーゼ反応測定溶液中に有機溶媒を含有させて反応を行なう際、有機溶媒の濃度及び反応基質を適切に選択することにより、ルシフェラーゼの反応活性を増強することができる。従って、有機溶媒を含有させることによって、ルシフェラーゼの反応活性を増強するための発光活性増強剤を製造することができる。この際、増強剤に反応測定用溶液に添加する適量の有機溶媒を含有させればよく、増強剤の形状は限定されない。
ルシフェラーゼ反応測定溶液中に有機溶媒を含有させてルシフェラーゼの発光活性を増強させるためには、発光基質として、セレンテラジン類縁化合物を使用すればよい。ここで使用するセレンテラジン類縁化合物は、h-セレンテラジン、n-セレンテラジン、f-セレンテラジン等であることが最も好ましく、この場合、使用する有機溶媒は、アルコール類又は水溶性有機溶媒が好ましい。アルコール類は、脂肪族アルコールが好ましく、特に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチルプロパノール、1−ペンタノール、2,2−ジメチルプロパノール、1−ヘキサノール、エテン−オール、2−プロペン−1−オール、2−ブテン−1−オール、2−プロピン−1−オール、1,2−エタンジオール、1,2,3−プロパントリオール等が例示でき、メタノール、エタノール、1−ブタノールが特に好ましい。また、水溶性有機溶媒は、特に限定されないが、2−メルカプトエタノール、アセトン、ジメチルスルホオキサイド、アセトニトリル等が特に好ましい。Bis-セレンテラジン、又はhcp-セレンテラジンを用いた場合は、有機溶媒として、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−メルカプトエタノール、アセトンを用いればよい。
このような発光基質を使用すれば、ルシフェラーゼの発光活性を増強させることができるので、より高感度に発光活性を測定することができる。
==発光活性測定方法の応用==
本発明の発光活性測定方法は、ヒメヒオドシエビルシフェラーゼを生物学的実験におけるマーカー(例えば、検出マーカー)や医薬診断用マーカー(例えば、高感度プローブ)として使用する際に、利用することができる。特に、発光酵素の反応系に、有機溶媒が持ち込まれるような場合に、有効に利用できる。例えば、薬物のスクリーニングに発光反応を用いるような場合、スクリーニング対象の低分子化合物が難水溶性の場合には、低分子化合物を有機溶媒に溶解して使用することが多い。その時、発光酵素の反応系に、低分子化合物の溶媒からの有機溶媒の持ち込みがあれば、有機溶媒で失活してしまう発光酵素は、検出マーカーや高感度プローブとして使用することができない。しかし、本発明の発光活性測定方法は、このような場合においても、ヒメヒオドシエビルシフェラーゼ等の発光酵素を使用することによって、発光活性を測定することができる。また、本発明の発光活性増強方法に従ってヒメヒオドシエビルシフェラーゼを利用すれば、さらに高感度に発光活性を利用できる。
以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、これは例示であって、本発明をこの実施例に限定するものではない。
===天然エビルシフェラーゼの調製===
エビ由来の天然発光酵素の調製法は、すでにShimomura らが報告している文献(Biochemistry(1978)17巻pp994-998)に記載のイオン交換クロマト法、ゲルろ過クロマト法の組み合せ、及びInouyeらが報告している文献(Inouye,S, Watanabe, K., Nakamura, H., Shimomura, O.(2000)FEBS Lett.481:19-25.)の疎水性クロマト法、ゲルろ過方法に従い精製した。
===KAZ遺伝子発現ベクターの構築===
本実施例では、以下に記載の通り、常温発現ベクター又は低温発現ベクターを用いて19kOLaseを発現させた。
(1)常温発現ベクターを用いたKAZ遺伝子発現ベクターの構築
まず、大腸菌で発現ベクターを用いて組換え蛋白質の発現を大腸菌生育の至適温度37℃で行った(以下、この至適温度での発現系を「常温発現系」ともいう)。
続いて、19kOLaseをコードするKAZ遺伝子DNA断片を、PCR法を用いて調製し、このDNA断片を、市販のヒスチジンタグを有する常温発現ベクターpTrcHis−Bベクター(インビトロゲン社製)の制限酵素NheI/XhoI部位に挿入することによって、KAZ遺伝子発現ベクターを作製した。具体的には、pKAZ−412(Inouye,S, Watanabe, K., Nakamura, H., Shimomura, O.(2000)FEBS Lett.481:19-25.)を鋳型としてPCRプライマーペア:KAZ−3(5’ ccgGCTAGCTTTACGTTGGCAGATTTCGTTGGA 3’)(配列番号2)及びT7−BcaBEST(5’ TAATACGACTCACTATAGGG 3’)(配列番号3)を用いて、PCRキット(日本ジーン社製)にてPCR(サイクル条件:25サイクル;1分/94℃、1分/50℃、1分/72℃)を行った。得られた断片をPCR精製キット(キアゲン社製)で精製し、制限酵素NheI/XhoIで消化した後、pTrcHis−Bの制限酵素NheI/XhoI部位に挿入することによって、発現ベクターpHis−KAZを構築した。なお、DNA シークエンサー(ABI社製)により塩基配列を決定することにより、インサートDNAの確認を行った。
(2)低温発現ベクターを用いたKAZ遺伝子発現ベクターの構築
低温で機能するcsp (cold shock protein)プロモーターを有する低温発現ベクターpCold II(タカラバイオ株式会社)を用いて、10〜15℃で発現誘導できるベクターを構築した(以下、「低温発現系」ともいう)。具体的には、前述のpTricHisB を用いたKAZ遺伝子発現ベクターpHis-KAZをテンプレートとし、N末端にNdeI(KAZ-17N/NedI:5’ gcg CATATGTTTACGTTGGCAGATTTCGTT 3’)(配列番号4)及びC末端にEcoR Iサイトを付加させるようプライマー (KAZ-12C/EcoRI: 5’ cgcGAATTCTTAGGCAAGAATGTTCTCGCAAAGCCT 3’)(配列番号5)を設計しPCR(サイクル条件:25サイクル;1分/94℃、1分/50℃、1分/72℃)を行って得られたKAZ遺伝子断片を、PCR精製キット(キアゲン社製)で精製し、Nde I及びEcoR Iで消化後、pCold II(タカラバイオ株式会社)のNde I/EcoR I部位に挿入し、発現ベクターpCold-KAZを作成した。なお、DNA シークエンサー(ABI社製)により配列を決定することにより、塩基配列の確認を行った。
===低温発現ベクターによる組換え19k0Laseの調製===
(1)大腸菌において組換え19k0Laseを発現させるために、KAZ遺伝子が挿入された低温発現ベクターpCold-KAZを用いた。まず、pCold-KAZで大腸菌BL21(アマシャムバイオサイエンス社)を形質転換した。得られた形質転換体を固形培地上でシングルコロニーにして37℃で一晩培養後、アンピシリン(50μg/ml)を含有する10mlのLB液体培地(水1リットルあたり、バクトトリプトン10g、イーストイクストラクト5g、塩化ナトリウム5g、pH7.2)に植菌し、さらに37℃で18時間培養を行った。次いで、その培養菌を新たなLB液体培地400mlに添加し、さらにクレット測定計での菌体濁度が200クレットになるまで培養し、15℃に冷却した。冷却培養液に、ラクトースオペロン誘導剤IPTGを、最終濃度が0.1mMになるように添加し、15℃で18時間培養した。培養後、菌体を遠心回収(5,000rpm×5分間、3,000×g)し、19k0Laseの抽出出発材料とした。
(2)培養菌体からの組換え19k0Laseの抽出
本条件では、大腸菌の中で発現した19k0Lase蛋白質は封入体となるため、得られた封入体を6M尿素によって以下のように可溶化した。
まず、集菌した菌体を50mM Tris-HCl(pH7.6)100mlで懸濁し、氷冷下で超音波破砕処理 (ブランソン社製、モデル 250)を3分間、3回行い、その菌体破砕液を10,000rpm (12,300×g)で20分間遠心し、不溶性沈澱画分を得た。得られた不溶性沈澱画分を、2M尿素を含む20mM Tris-HCl (pH7.6)20mlに懸濁し、この懸濁液を超音波破砕処理を行い、10,000rpm (12,300×g)で10分間遠心した。この作業を再度繰り返し、最終的に得られた2M尿素不溶性画分を、6M尿素を含む20mM Tris-HCl (pH7.6)30mlに懸濁し、Voltex及び超音波破砕処理で溶解させた。この画分を一晩4℃におき、−20℃にて保存した。これを19k0Laseの精製出発材料とした。
(3)尿素溶解画分からの組換え19k0Laseの精製
組換え蛋白質はアミノ末端に6個のヒスチジン配列を有しているので、ニッケルキレートゲルによるアフィニティークロマト法により組換え蛋白質を精製した。
まず、6M尿素溶解画分を、6M 尿素を含む20mM Tris-HCl (pH7.6)で平衡化したニッケルキレートカラム(アマシャムバイオサイエンス社、カラムサイズ:直径1.5×5 cm)に添加してKAZを吸着させた。吸着19k0Laseを、6M尿素を含む0.3 Mイミダゾール(和光純薬工業社製)で溶出させ、得られた発光活性画分を5Lの0.1M炭酸アンモニウム溶液(pH 8.0)に対して、一晩4℃で透析した。
透析した発光活性画分50mlに最終濃度6Mになるように尿素を溶解させ、再度ニッケルキレートカラム(アマシャムバイオサイエンス社、カラムサイズ:直径1.5×5 cm)に吸着させ、イミダゾール濃度0〜0.3Mまで直線濃度勾配で溶出させたところ、イミダゾール濃度0.08〜0.12Mの画分にて発光活性が溶出した。最後に、12%SDS-ポリアクリルアミド電気泳動法で、その画分が、純度は95%以上の16mgの19k0Laseを含んでいることを確認した。表1に精製収率(%)等をまとめた。
表1:低温発現ベクターを用いた、400mlの培養菌体からの組換え19kOLaseの精製
Figure 0005176292
===常温発現ベクターによる組換え19k0Laseの調製===
pTrcHis Bから構築したKAZ遺伝子発現ベクターpHis-KAZを、常温発現ベクターとして用いた。なお、菌体培養温度以外の条件は、低温発現ベクターpCold IIを用いたKAZ遺伝子発現精製法と同様であった。端的に言うと、常温(37℃)において、組換え19k0Laseを大腸菌で発現させ、得られた封入体を尿素処理(6M尿素)により可溶化し、ニッケルキレートを結合させたカラム(アマシャムバイオサイエンス社、カラムサイズ:直径1.5×5 cm)に2回流すことにより19k0Lase蛋白質を精製した。この蛋白質の収率及び純度は、上記「低温発現ベクターでの組換え19kOLaseの調製法」によって得られたものと同等であった。
===天然エビルシフェラーゼ及び19k0Laseの基質特異性===
上記のように調整した天然エビルシフェラーゼ及び19k0Laseを用い、有機溶媒を含まない通常の条件で発光反応を測定し、各酵素の基質特異性を調べた。
すなわち、10mM EDTA−30mM Tris-HCl (pH 7.6)溶液(200μl)を反応測定用溶液とし、天然エビルシフェラーゼ又は精製19k0Lase(1μg)及び市販のセレンテラジン(チッソ株式会社)又はその類縁体化合物(h-セレンテラジン(チッソ株式会社)、hcp-セレンテラジン(和光純薬工業社製)、f-セレンテラジン(和光純薬工業社製)、n-セレンテラジン(和光純薬工業社製)、Bis-セレンテラジン(チッソ株式会社)、e-セレンテラジン(和光純薬工業社製)を1μg加えて撹拌し、発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200 (アトー社製)で60秒間発光活性の測定を行い、最大発光強度(Imax)で表記した。得られた結果を表2に示す。なお、ここで用いたセレンテラジン又はその誘導体の構造は、図1に示す通りである。
表2:組換え19kOLase及び天然エビルシフェラーゼの基質特異性の比較
Figure 0005176292
このように、組換え19kOLaseは、天然エビルシフェラーゼと同様に、幅広い基質特異性を示した。特にBis-セレンテラジン及びe-セレンテラジンを用いた時、これらの酵素は、セレンテラジンを用いた時と同等の活性を示し、Bis-セレンテラジン及びe-セレンテラジンが、これらの酵素にとって好ましい基質類縁体であることがわかった。
===セレンテラジンを発光基質とした場合の、有機溶媒存在下における組換え19k0Lase発光活性===
発光反応系の有機溶媒最終濃度が0.5〜100%なるように、各種の有機溶媒(メタノール、エタノール、1−ブタノール、2-メルカプトエタノール、アセトン、ジメチルスルホオキサイド)の存在下において、セレンテラジンを発光基質とした場合の組換え19k0Laseの発光への影響を調べた。発光反応測定法は、10mM EDTA−30mM Tris-HCl (pH 7.6)溶液(200μl)に精製19k0Lase(1μg)及び市販のセレンテラジン1μg加え撹拌後、発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200 (アトー社製)で60秒間発光活性の測定を行い、最大発光強度(Imax)で表記した。溶媒の濃度に対して、最大発光強度をプロットした。その結果を図2に示す(なお、図2における相対発光強度は、最大発光強度を意味する)。
80%以上の活性が保持できる有機溶媒濃度は、10%メタノール、3%エタノール、1%1−ブタノール、1.5% 2-メルカプトエタノール、3%アセトン、8%ジメチルスルホオキサイドであった。
===Bis-セレンテラジンを発光基質とした場合の、有機溶媒存在下における組換え19k0Lase発光活性===
セレンテラジンを発光基質とした場合と同様な有機溶媒存在下での発光反応条件で、Bis-セレンテラジン1μgを発光基質とした場合の組換え19k0Laseの発光活性化について検討を行った。その結果を図3に示す。
80%以上の発光活性が保持できる有機溶媒の濃度は、20%メタノール、12%エタノール、3.5%1−ブタノール、6%2−メルカプトエタノール、12%アセトン、20%ジメチルスルホオキサイドであった。
また、有機溶媒の添加によって、顕著な発光活性の増強が認められた。具体的には、各溶媒での最大活性化率は、10%メタノールで465%、5%エタノールで313%、2%1−ブタノールで323%、3% 2-メルカプトエタノールで491%、5%アセトンで260%、15%ジメチルスルホオキサイドで302%であった。
以上より、Bis-セレンテラジンを発光基質とした場合、有機溶媒存在下においても、発光酵素の発光活性を測定できること、さらに、有機溶媒を適量加えることにより発光酵素の発光活性を増強できることが明らかになった。
===チオール還元剤を用いた天然エビルシフェラーゼ及び組換え19k0Laseの活性測定===
19k0Laseのアミノ酸配列(配列番号1)において、164番目のシステイン残基の役割を調べるため、代表的な還元試薬である2-メルカプトエタノール(和光純薬)の、天然エビルシフェラーゼ及び組換え19k0Laseの発光活性への影響を、セレンテラジン及びBis-セレンテラジンを基質として調べた。具体的には、上記反応測定用溶液に0.5%の2-メルカプトエタノールを添加し、これら基質に対するルシフェラーゼの活性を測定した。その結果を表3に示す。
表3:最終濃度0.5%の2-メルカプトエタノール(2ME)存在下における、Bis-セレンテラジンとの組み合わせによる発光酵素の活性
Figure 0005176292
天然エビルシフェラーゼにおいても、組換え19kOLaseと同様、セレンテラジン及びBis-セレンテラジンのどちらを基質とした場合でも、2-メルカプトエタノール(2ME)の存在下で顕著な発光活性の減少は認められなかった。従って、天然エビルシフェラーゼであっても、組換え19kOLaseと同様、有機溶媒の存在下で発光反応を測定することができる。
===セレンテラジン類縁化合物を発光基質とした場合の、各種有機溶媒存在下における組換え19k0Lase発光活性===
上述したように、Bis-セレンテラジンを発光基質とした場合において、80%以上の発光活性が保持できる有機溶媒の濃度は、20%メタノール、12%エタノール、3.5%1−ブタノール、6%2−メルカプトエタノール、12%アセトン、20%ジメチルスルホオキサイドであることが明らかになった。そこで、このような80%以上の活性が保持できる各種有機溶媒存在下において、セレンテラジン類縁化合物を発光基質とした場合の組換え19k0Laseの発光活性化について検討を行った。その結果を表4に示す。
表4:セレンテラジン類縁化合物を発光基質とした場合の、各種有機溶媒存在下における組換え19k0Lase発光活性
Figure 0005176292
Bis-セレンテラジン、h-セレンテラジン、hcp-セレンテラジン、n-セレンテラジン、f-セレンテラジンを発光基質とした場合、ほとんどの種類の有機溶媒の添加によって、発光活性の増強が認められた。特に、h−セレンテラジン、n−セレンテラジン、f−セレンテラジンを発光基質として使用した場合には、全ての種類の溶媒有機溶媒において、その有機溶媒の添加による発光活性の増強が認められ、有機溶媒の種類に関わらずルシフェラーゼの発光活性を増強できることが明らかになった。
セレンテラジン及びセレンテラジン類縁化合物の構造を示す図である。 本発明の一実施例において、各濃度の有機溶媒存在下に組換え19kOLase-セレンテラジンの組み合わせによる発光反応の結果を示す図である。 本発明の一実施例において、各濃度の有機溶媒存在下に組換え19kOLase-bis-セレンテラジンの組み合わせによる発光反応の結果を示す図である。

Claims (4)

  1. 以下の(a)又は(b)のペプチド:
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、又は
    (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド
    が有する発光活性を増強させる方法であって、
    有機溶媒存在下において、発光基質と該ペプチドを反応させ、
    前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、アセトン、ジメチルスルホオキサイド、又は2−メルカプトエタノールであり、
    前記発光基質が、−セレンテラジンある
    ことを特徴とする増強方法。
  2. 以下の(a)又は(b)のペプチド:
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、又は
    (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド
    が有する発光活性を増強させる方法であって、
    有機溶媒存在下において、発光基質と該ペプチドを反応させ、
    前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、又は2−メルカプトエタノールであり、
    前記発光基質が、hcp−セレンテラジンである
    ことを特徴とする増強方法。
  3. 以下の(a)又は(b)のペプチド:
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、又は
    (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド
    が有する発光活性を増強させる方法であって、
    有機溶媒存在下において、発光基質と該ペプチドを反応させ、
    前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、ジメチルスルホオキサイド、又は2−メルカプトエタノールであり、
    前記発光基質が、n−セレンテラジンである
    ことを特徴とする増強方法。
  4. 以下の(a)又は(b)のペプチド:
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、又は
    (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド
    が有する発光活性を増強させる方法であって、
    有機溶媒存在下において、発光基質と該ペプチドを反応させ、
    前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、アセトン、ジメチルスルホオキサイド、又は2−メルカプトエタノールであり、
    前記発光基質が、f−セレンテラジンである
    ことを特徴とする増強方法。
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