JP5169854B2 - 内燃機関の吸入空気量推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の吸入空気量推定装置に関する。
空燃比制御を実施するために、気筒内へ供給された吸入空気量を把握することが必要となる。エアフローメータは応答遅れを有するために、機関過渡時において正確な吸入空気量を検出することができず、機関過渡時においても正確な吸入空気量を把握するために、各時刻の吸気管圧力を算出して、算出された各時刻の吸気管圧力に基づき各時刻の吸入空気量を推定することが提案されている。
吸気管圧力の算出及び吸入空気量の推定に使用するモデル式は、推定対象の吸気系に完全に適合させることが好ましいが、そのためには非常に莫大な工数が必要となるために、予め設定されているモデル式から推定対象の吸気系に近いものを選択して使用することがある。それにより、当然のことながら、算出された吸気管圧力と実際の吸気管圧力との間には無視できないほどの誤差が発生し、この誤差を小さくするために、誤差関数等を設定し、算出された吸気管圧力を設定された誤差関数等により補正することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−159439 特開平1−271642 特開昭63−263238 国際公開WO2003/033897
しかしながら、誤差関数等により補正された比較的正確な吸気管圧力に基づき吸入空気量が推定されても、吸入空気量の推定に使用するモデル式も推定対象の吸気系に完全に適合するものではないために、実際の吸入空気量との間に無視できないほどの誤差が発生する。この誤差を小さくするために、誤差関数等により補正された吸気管圧力は、さらに補正しなければならず、比較的正確な吸入空気量が算出されるまでに、吸気管圧力を算出するモデル式により発生する誤差を吸収する誤差関数と、吸入空気量を推定するモデル式により発生する誤差を吸収する補正量とを別に設定することとなり、多大な工数が必要となる。
従って、本発明の目的は、算出された吸気管圧力に基づき吸入空気量を推定する吸入空気量推定装置において、それほど多大な工数を必要とすることなく、比較的正確な吸入空気量の推定を可能とすることである。
本発明による請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量推定装置は、スロットル弁下流側の吸気管圧力を算出する吸気管圧力算出手段と、前記吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力に基づき吸入空気量を算出する吸入空気量算出手段とを具備し、前記吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力は、実際の吸気管圧力との誤差を吸収する補正関数や誤差関数により補正されることなく、その後に、前記誤差と前記吸入空気量算出手段により吸入空気量を算出する際の誤差とを同時に吸収する第一補正値として補正されることを特徴とする。
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の吸入空気量推定装置は、請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量推定装置において、前記吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力は、前記第一補正値とは別に、実際の吸気管圧力との誤差を吸収するように第二補正値として補正されることを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量推定装置によれば、スロットル弁下流側の吸気管圧力を算出する吸気管圧力算出手段と、吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力に基づき吸入空気量を算出する吸入空気量算出手段とを具備し、吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力は、実際の吸気管圧力との誤差を吸収する補正関数や誤差関数により補正されることなく、その後に、この誤差と吸入空気量算出手段により吸入空気量を算出する際の誤差とを同時に吸収する第一補正値として補正されるために、現在の吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力を第一補正値とする補正は、現在の吸気管圧力算出手段により発生する誤差及び現在の吸入空気量算出手段により発生する誤差を同時に吸収するものとされ、それほど多大な工数を必要とすることなく、比較的正確な吸入空気量の推定が可能となる。
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の吸入空気量推定装置によれば、請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量推定装置において、吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力は、第一補正値とは別に、実際の吸気管圧力との誤差を吸収するように第二補正値として補正されるようになっており、必要ならば比較的正確な吸気管圧力も得ることができる。
本発明による吸入空気量推定装置が取り付けられる内燃機関の概略図である。 スロットル弁開度TAと流量係数μとの関係を示すマップである。 スロットル弁開度TAとスロットル弁の開口面積Aとの関係を示すマップである。 吸気管圧力Pmと大気圧Paとの比と、関数Φとの関係を示すマップである。 本発明による内燃機関の吸入空気量推定装置による吸入空気量の推定手順を示すブロック図である。
図1は、本発明による吸気量推定装置が取り付けられる内燃機関を示す概略図である。同図において、1は機関本体であり、2は各気筒共通のサージタンクである。3はサージタンク2と各気筒とを連通する吸気枝管であり、4はサージタンク2の上流側の吸気通路である。各吸気枝管3には燃料噴射弁5が配置され、吸気通路4におけるサージタンク2の直上流側にはスロットル弁6が配置されている。スロットル弁6は、アクセルペダルに連動するものではなく、ステップモータ等の駆動装置によって自由に開度設定可能なものである。7は吸気通路4のスロットル弁6より上流側の吸気流量を検出するエアフローメータである。機関本体1において、8は吸気弁であり、9は排気弁であり、10はピストンである。
内燃機関1における燃焼空燃比を、例えば、理論空燃比等の所望空燃比にするためには、機関過渡時を含めて気筒内へ流入した吸入空気量を正確に推定することが必要とされる。エアフローメータ7は、機関定常時においては、比較的正確に吸入空気量を測定することができる。しかしながら、機関過渡時においては、急激に変化する吸入空気量に対してエアフローメータ7の出力が直ぐに応答せず、正確な吸入空気量の測定は不可能である。
本吸入空気量推定装置は、機関過渡時においても、正確な吸入空気量を把握することを可能とするために、機関吸気系をモデル化して吸入空気量を推定するようになっている。
先ず、スロットル弁6をモデル化することにより、吸気がスロットル弁6を通過する際のエネルギ保存則、運動量保存則、及び、状態方程式を使用して、今回のスロットル弁通過空気量mt(i)(g/sec)が、次式(1)によって表される。以下の式を含めて、スロットル弁通過空気量等の変数の添え字(i)は今回を示し、(i−1)は前回を示している。
Figure 0005169854
ここで、μ(i)はスロットル弁の流量係数であり、A(i)はスロットル弁6の開口面積(m3)である。もちろん、機関吸気系にアイドルスピードコントロールバルブ(ISC弁)が設けられている時には、A(i)には、ISC弁の開口面積が加えられる。流量係数及びスロットル弁の開口面積は、それぞれがスロットル弁開度TA(i)(度)の関数となっており、図2及び3には、それぞれのスロットル弁開度TAに対するマップが図示されている。Rは気体定数であり、Taはスロットル弁上流側の吸気温度(K)であり、Paはスロットル弁上流側の吸気通路圧力(kPa)であり、Pm(i)はスロットル弁下流側の吸気管圧力(kPa)である。また、関数Φ(Pm(i)/Pa)は、比熱比κを使用して次式(2)によって表されるものであり、図4にはPm/Paに対するマップが図示されている。
Figure 0005169854
次いで、吸気弁をモデル化する。気筒内へ供給される吸入空気量mc(i)(g/sec)は、吸気管圧力Pm(i)に基づきほぼ線形に変化するものであるために、次式(3)によって表すことができる。
Figure 0005169854
ここで、Tm(i)はスロットル弁下流側の吸気温度(K)であり、a及びbは経験則から得られた定数である。但し、bは気筒内の残留既燃ガス量に相当する値であり、バルブオーバーラップがある場合には、吸気管へ既燃ガスが逆流するために、bの値は無視できないほど増加する。それにより、バルブオーバーラップの有無と、機関回転数NEとに基づき、正確な吸入空気量mcが算出されるように、a及びbの値をマップ化することが好ましい。また、バルブオーバーラップがある場合において、吸気管圧力Pmが所定圧力以上である時には、吸気管圧力が高いほど既燃ガスの逆流が顕著に減少するために、所定値以下である時に比較して、aの値を大きくしbの値を小さくすることが好ましい。
ところで、機関定常時においては、この時のスロットル弁通過空気量mtTAと吸入空気量とが一致するために、式(1)において、吸気管圧力をこの機関定常時の吸気管圧力PmTAとしたスロットル弁通過空気量mtTAは、吸入空気量(a・PmTA−b)と等しく、それにより、式(1)は、次式(4)と書き換えることもできる。
Figure 0005169854
ここで、機関定常時の吸気管圧力PmTAは、現在を定常時とした時の今回のスロットル弁開度TA(i)、機関回転数NE(i)、及び、バルブオーバーラップの大きさVT(i)に基づいて予めマップ化しておくことができる。
次いで、吸気管をモデル化する。吸気管内に存在する吸気の質量保存則、エネルギ保存則、及び、状態方程式を使用して、吸気管圧力Pmとスロットル弁下流側の吸気温度Tmとの比における時間変化率は次式(5)によって表され、また、吸気管圧力Pmの時間変化率は次式(6)によって表される。ここで、Vは吸気管の容積(m3)であり、具体的には、サージタンク2と吸気枝管3との合計容積である。
Figure 0005169854
式(5)及び式(6)は離散化され、それぞれ、次式(7)及び(8)が得られ、式(8)によって今回の吸気管圧力Pm(i)が得られれば、式(7)によって今回の吸気管内の吸気温度Tm(i)を得ることができる。式(7)及び(8)において、離散時間Δtは、現在の吸入空気量mc(i)を算出するためのフローチャート(図5)の実行間隔とされ、例えば8msである。
Figure 0005169854
こうして各モデル式が設定されれば、機関始動完了した時に、式(8)を使用して吸気管圧力Pm(i)が算出される。式(8)は、前回の吸気管圧力Pm(i-1)と、前回のスロットル弁通過空気量mt(i-1)と、前回の吸入空気量mc(i-1)と、前回の吸気管内の吸気温度Tm(i-1)とに基づき、今回の吸気管圧力Pm(i)を算出するようになっている。これらの初期値として、Pm(i-1)には大気圧Paが、Tm(i-1)にはスロットル弁上流側の吸気温度Taがそれぞれ実測されて使用され、mt(i-1)には、これらのPm(i-1)及びTm(i-1)を使用して式(1)又は(4)から算出された値が使用され、また、mc(i-1)には、これらのPm(i-1)及びTm(i-1)を使用して式(3)により算出された値が使用される。
次いで、こうして算出された今回の吸気管圧力Pm(i)に基づき、式(7)を使用して今回の吸気管内の吸気温度Tm(i)が算出される。次いで、式(1)又は(4)を使用して今回のスロットル弁通過空気量mt(i)が算出される。この式(1)又は(4)を使用するスロットル弁通過空気量mt(i)の算出において、現在のスロットル弁開度TAは、スロットル弁の駆動装置(ステップモータ)の応答遅れが考慮される。
次いで、式(3)を使用して今回の吸入空気量mc(i)が算出される。その後は、今回の吸気管圧力Pm(i)は前回の吸気管圧力Pm(i-1)とされ、今回の吸気管内の吸気温度Tm(i)は前回の吸気管内の吸気温度Tm(i-1)とされ、今回のスロットル弁通過空気量mt(i)は前回のスロットル弁通過空気量mt(i-1)とされ、今回の吸入空気量mc(i)は前回の吸入空気量mc(i-1)とされる。こうして、吸入空気量mcは、機関始動完了と同時に逐次算出される吸気管圧力Pmに基づき、逐次推定されることとなる。
前述の各モデル式は、吸入空気量mcを推定する内燃機関に完全に適合するように設定されることが好ましいが、そのためには、例えば、スロットル弁のモデル式(1)における流量係数μ、スロットル弁のモデル式(4)における機関定常時の吸気管圧力PmTA、及び、吸気弁のモデル式(3)における定数a及びbを推定対象の内燃機関に完全に適合させるための莫大な試験工数が必要となるために、既に設定されているモデル式から推定対象の内燃機関に近いものを選択して使用することが考えられる。
しかしながら、このようなスロットル弁、吸気管、及び吸気弁の各モデル式を使用して算出される各時刻の吸気管圧力Pm(i)は、当然のことながら各時刻の実際の吸気管圧力との間に無視できないほどの誤差が発生するために、各時刻の吸気管圧力Pm(i)は、算出される際の誤差を吸収するように誤差関数等によって補正されなければならない。
しかしながら、こうして誤差関数等により補正された比較的正確な吸気管圧力Pm(i)に基づき吸入空気量mc(i)が推定されても、吸入空気量の推定に使用する吸気弁のモデル式も推定対象の内燃機関に完全に適合するものではないために、推定に際して実際の吸入空気量との間に無視できないほどの誤差が発生する。従って、誤差関数等により補正された各時刻の吸気管圧力Pm(i)は、さらに、吸入空気量の推定に際して発生する誤差を吸収するための補正量ΔPm(i)により補正されることが必要となり、比較的正確な吸入空気量の推定が可能となるまでには、吸気管圧力を算出する際の誤差を吸収するための誤差関数と、吸入空気量を推定する際の誤差を吸収する補正量ΔPm(i)との両方を設定しなければならず、多大な工数が必要となる。
このような多大な工数を必要とすることなく比較的正確な吸入空気量の推定を可能とするために、本発明による内燃機関の吸入空気量推定装置は、図5に示すブロック図のように吸入空気量mcを推定するようになっている。すなわち、現在の吸気管モデルMP(式(8))により算出された今回の吸気管圧力Pm(i)は、今回の実際の吸気管圧力との誤差を吸収するように補正されることなく、現在の吸気弁モデルMV(式(3))により比較的正確な吸入空気量が算出されるように補正量ΔPm(i)を使用して第一補正値として補正されるために、第一補正値は、現在の吸気管モデル(現在のスロットル弁モデルに基づき吸気管圧力を算出する)により発生する誤差及び現在の吸入弁モデルにより発生する誤差を同時に吸収するものとされ、それほど多大な工数を必要とすることなく、現在の吸気弁モデルMVにより比較的正確な吸入空気量の推定が可能となる。
それにより、各時刻の第一補正値は、各時刻の実際の吸気管圧力とは異なる値であり、もし、各時刻の比較的正確な吸気管圧力が必要ならば、図5に示すように、現在の吸気管モデルMP(式(8))により算出された今回の吸気管圧力Pm(i)は、第一補正値とは別に、誤差関数f(Pm(i))により第二補正値Pm(i)’として補正されるようにしても良い。
ここで、吸気管モデルMPにより算出された吸気管圧力Pm(i)を補正するための補正量ΔPm(i)(D1,・・・,Dn)は、現在のスロットル弁開口面積A(i)に基づき算出された吸気管圧力Pm(i)の値に対して、運転状態(機関回転数、点火時期、及び、バルブオーバーラップ量)毎(n通りの組み合わせ)に設定されており、例えば、現在のスロットル弁開口面積A(i)の時の複数(例えば、D1,D11,D21,・・,Dn)の運転状態において測定されたそれぞれの吸入空気量とほぼ等しい吸入空気量mc(i)が吸気弁モデルMVにより推定されるように各運転状態の吸気管圧力PM(i)(D1,D11,D21,・・,Dn)を逆算し、こうして逆算された吸気管圧力PM(i)(D1,D11,D21,・・,Dn)と各運転状態において吸気管モデルMPにより算出された吸気管圧力Pm(i)(D1,D11,D21,・・,Dn)との差を各運転状態における補正量ΔPm(i)(D1,D11,D21,・・,Dn)とする。
第1機関回転数、第1点火時期、及び、第1バルブオーバーラップの組み合わせの第1運転状態D1と、第11機関回転数、第11点火時期、及び、第11バルブオーバーラップの組み合わせの第11運転状態D11との間の運転状態に対する吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)は、第1運転状態D11の時の吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)(D1)と、第11運転状態D11の時の吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)(D11)とに基づき、例えば、機関回転数、点火時期、バルブオーバーラップのそれぞれに対する線形又は非線形補完により推定することができる。同様に、第11運転状態D11と、第21運転状態D21との間の運転状態に対する吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)は、第11運転状態D11の時の吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)(D11)と、第21運転状態D21の時の吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)(D21)とに基づき推定することができる。こうして、全ての運転状態の補正量ΔPm(i)(D1,・・・,Dn)が設定され、また、同様に、スロットル弁開口面積毎の吸気管圧力Pmに対して、全ての運転状態の補正量ΔPmが設定される。
また、吸気管モデルMPにより算出された吸気管圧力Pm(i)に対する補正量ΔPm(i)は、算出された吸気管圧力Pm(i)と、現在の機関回転数NE(i)と、現在の点火時期S(i)と、現在のバルブオーバーラップVT(i)との関数として、例えば、次式(9)のような統計モデルを設定して算出するようにしても良い。
ΔPm(i)=a0+a1・Pm(i)+a2・NE(i)+a3・S(i)+a4・VT(i)
+a5・Pm(i)・NE(i)+a6・NE(i)・S(i)
+a7・S(i)・VT(i)+・・・・・・
…(9)
ここで、a0,a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7・・・は、前述同様な推定対象の内燃機関において吸気管圧力Pm(i)が算出される今回のスロットル弁の開口面積A(i)に対して複数の運転状態での吸入空気量を測定する試験により定められた係数である。
また、現在の吸気管モデルMP(式(8))により算出された今回の吸気管圧力Pm(i)を実際の吸気管圧力に近い第二補正値Pm(i)’とするために誤差関数f(Pm(i))は、算出された吸気管圧力Pm(i)と、現在の機関回転数NE(i)と、現在の点火時期S(i)と、現在のバルブオーバーラップVT(i)との関数として、例えば、次式(10)のような統計モデルを設定して算出することができる。
Pm(i)’=b0+b1・Pm(i)+b2・NE(i)+b3・S(i)+b4・VT(i)
+b5・Pm(i)・NE(i)+b6・NE(i)・S(i)
+b7・S(i)・VT(i)+・・・・
…(10)
ここで、b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7・・・は、推定対象の内燃機関において吸気管圧力Pm(i)が算出される今回のスロットル弁の開口面積A(i)に対して複数の運転状態での吸気管圧力を測定する試験により定められた係数である。
もちろん、現在の吸気管モデルMP(式(8))により算出された今回の吸気管圧力Pm(i)を実際の吸気管圧力に近い第二補正値Pm(i)’とするために、運転状態毎に設定された補正量ΔPm’を使用するようにしても良い。
この補正量ΔPm(i)(D1,・・・,Dn)’は、現在のスロットル弁開口面積A(i)に基づき算出された吸気管圧力Pm(i)の値に対して、運転状態(機関回転数、点火時期、及び、バルブオーバーラップ量)毎(n通りの組み合わせ)に設定されており、例えば、現在のスロットル弁開口面積A(i)の時の複数(例えば、D1,D11,D21,・・,Dn)の運転状態において測定されたそれぞれの吸気管圧力PM(i)(D1,D11,D21,・・,Dn)’と各運転状態において吸気管モデルMPにより算出された吸気管圧力Pm(i)(D1,D11,D21,・・,Dn)との差を各運転状態における補正量ΔPm(i)(D1,D11,D21,・・,Dn)’とする。
第1機関回転数、第1点火時期、及び、第1バルブオーバーラップの組み合わせの第1運転状態D1と、第11機関回転数、第11点火時期、及び、第11バルブオーバーラップの組み合わせの第11運転状態D11との間の運転状態に対する吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)’は、第1運転状態D11の時の吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)(D1)’と、第11運転状態D11の時の吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)(D11)’とに基づき、例えば、機関回転数、点火時期、バルブオーバーラップのそれぞれに対する線形又は非線形補完により推定することができる。同様に、第11運転状態D11と、第21運転状態D21との間の運転状態に対する吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)’は、第11運転状態D11の時の吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)(D11)’と、第21運転状態D21の時の吸気管圧力Pm(i)の補正量ΔPm(i)(D21)’とに基づき推定することができる。こうして、全ての運転状態の補正量ΔPm(i)(D1,・・・,Dn)’が設定され、また、同様に、スロットル弁開口面積毎の吸気管圧力Pmに対して、全ての運転状態の補正量ΔPm’を設定することができる。
ところで、式(3)の吸気弁モデルに代えて、次式(11)に示す吸気弁モデルを使用して吸入空気量mc(i)を推定するようにしても良い。
Figure 0005169854
ここで、μ(i)’は吸気弁の流量係数であり、A(i)’は吸気弁の開口面積(m3)である。流量係数及び吸気弁の開口面積は、それぞれが吸気弁のリフト量の関数となっており、スロットル弁に関する図2及び3と同様に、吸気弁のリフト量に対してマップ化することができる。Pc(i)は筒内圧力(kPa)である。
筒内圧力Pc(i)は、次式(12)により算出される。
Figure 0005169854
ここで、V(i)は、現在のクランク角度に基づき定められる筒内容積であり、Mc(i)は、吸気弁開弁時から現在までの吸入空気量mc(i)を積分することにより得られる筒内吸入空気量であり、Tc(i)は、筒内温度である。
このような吸気弁モデルを使用して、例えば、1クランク角度毎(又は数クランク角度毎)のスロットル弁開度及び吸気弁リフト量に基づき1クランク角度毎(又は数クランク角度毎)の吸入空気量mc(i)(吸入空気流量)を推定して、吸気弁の開弁期間において積算することによって、吸気弁開弁中に気筒内へ吸入された正確な筒内吸入空気量Mcを推定することができる。
このような吸気弁モデルにおいても、吸気弁の流量係数μ(i)’等を推定対象の内燃機関に完全に適合させるには莫大な時間が必要となるために、前述の本願発明の考え方を適用することが好ましい。
1 機関本体
2 サージタンク
3 吸気枝管
4 吸気通路
6 スロットル弁
7 エアフローメータ

Claims (2)

  1. スロットル弁下流側の吸気管圧力を算出する吸気管圧力算出手段と、前記吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力に基づき吸入空気量を算出する吸入空気量算出手段とを具備し、前記吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力は、実際の吸気管圧力との誤差を吸収する補正関数や誤差関数により補正されることなく、その後に、前記誤差と前記吸入空気量算出手段により吸入空気量を算出する際の誤差とを同時に吸収する第一補正値として補正されることを特徴とする内燃機関の吸入空気量推定装置。
  2. 前記吸気管圧力算出手段により算出された吸気管圧力は、前記第一補正値とは別に、実際の吸気管圧力との誤差を吸収するように第二補正値として補正されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量推定装置。
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