JP2013155614A - 過給エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒内吸入空気量の予測値に基づいて過給エンジンを制御する制御装置において、特に過渡運転時の筒内吸入空気量の予測精度を高める。
【解決手段】過給エンジンの物理モデルを用いてスロットル開度の予測値eta0からコンプレッサ流量の予測値mcpvlvとその補正量を計算する。補正量の計算では、物理モデルを用いてスロットル開度の計測値TAからコンプレッサ流量の推定値を計算し、流量センサの応答モデルを用いてコンプレッサ流量推定値をディレイ処理する。そして、流量センサによる吸気流量の計測値とディレイ処理されたコンプレッサ流量推定値mcpcrtsmとの差分を補正量としてコンプレッサ流量予測値mcpvlvを補正する。補正されたコンプレッサ流量予測値mcpfwdから過給圧の予測値epicfwdを計算し、過給圧予測値epicfwdとスロットル開度予測値eta0とに基づいて筒内吸入空気量の予測値を計算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、過給エンジンの制御装置に関し、詳しくは、筒内吸入空気量の予測値に基づいて過給エンジンを制御する制御装置に関する。
今日の自動車のエンジンには電子制御式のスロットルが用いられている。電子制御式のスロットルを備えたエンジンでは、ドライバのアクセル操作量に基づいて目標スロットル開度が決定され、目標スロットル開度に従ってスロットルが操作される。このとき、決定した目標スロットル開度を直ぐにスロットルに与えるのではなく、ある時間だけ遅らせてスロットルに与えるようにすることもできる。このような演算処理をスロットルディレイ制御という。スロットルディレイ制御によれば、目標スロットル開度の変化に対し実際のスロットル開度はディレイ時間分だけ遅れて変化することになるので、ディレイ時間分だけ将来のスロットル開度を目標スロットル開度から予測することができる。将来のスロットル開度が予測可能であることは、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射型エンジンやポート噴射と筒内直接噴射を併用するエンジンにとって空燃比の制御精度を高める上で有用である。筒内吸入空気量は吸気弁の閉時点において確定するが、ポート噴射を行うエンジンの場合、吸気弁の閉時点の前に燃料噴射の開始時期が到来する。このため、目標空燃比の実現に必要な燃料噴射量を正確に計算するためには、将来確定する筒内吸入空気量を燃料噴射の開始時点において予測することが必要となる。スロットルディレイ制御によれば、将来の吸気弁の閉時点でのスロットル開度を目標スロットル開度から予測することができるので、その予測スロットル開度に基づいて筒内吸入空気量を予測することができる。
予測スロットル開度に基づく筒内吸入空気量の計算では、吸気通路内の空気の挙動を物理的にモデル化した物理モデルが用いられる。自然吸気エンジンの場合、筒内吸入空気量の計算のための物理モデルは、スロットルモデル、吸気管モデル、及び吸気弁モデルで構成することができる。スロットルモデルは、スロットルを通過する空気の流量を算出するためのモデルである。具体的には、スロットルの前後の差圧とスロットル開度により決まる流路面積と流量係数とを基本とするオリフィスの流量式がスロットルモデルとして用いられる。吸気管モデルは、吸気管内の空気に関する保存則に基づいて構築されたモデルである。具体的には、エネルギー保存則の式と流量保存則の式とが吸気管モデルとして用いられる。吸気弁モデルは、吸気弁流量と吸気管圧との関係について調べた実験ベースのモデルである。実験で得られた経験則により、吸気弁モデルにおいては吸気弁流量と吸気管圧との関係が1又は複数の直線で近似されている。
上記の物理モデルを用いた計算では、モデル化誤差の影響を如何に排除するかが筒内吸入空気量の予測精度を担保する上で重要である。物理モデルによる筒内吸入空気量の予測精度を高める方法の一例としては、特許第3760757号公報に開示された方法を挙げることができる。この公報に開示された方法によれば、スロットル開度に基づき演算されるスロットル流量に基づいて現在から所定時間経過後の第1吸気管圧力が算出されるとともに、エアフローメータの出力に基づいて第2吸気管圧力が算出される。また、現在のスロットル流量をエアフローメータモデルに入力することによって時間遅れを含むエアフローメータ出力が演算され、そのエアフローメータ出力に基づいて第2吸気管圧力と同応答の吸気管圧力が算出される。そして、第1吸気管圧力と第2吸気管圧力を加算したものから同応答吸気管圧力を減じることにより予測圧力が算出され、その予測圧力に基づいて吸気弁流量の推定値が算出される。この方法により算出された吸気弁流量の推定値は、定常運転時にはエアフローメータの出力に一致する。つまり、上記公報に開示された方法によれば、定常運転時のモデル化誤差が補償されることによって筒内吸入空気量の予測精度が高められる。
特許第3760757号公報 特開2011−163301 特開2010−242693
物理モデルを用いた筒内吸入空気量の予測方法は、自然吸気エンジンだけでなく、ターボ過給機や機械式過給機を備えた過給エンジンにも適用することができる。ただし、過給エンジンと自然吸気エンジンとではスロットル上流圧力に関する前提が大きく異なっている。自然吸気エンジンの場合、スロットル上流圧力は大気圧とほぼ等しいとみなすことができる。ところが、過給エンジンの場合、スロットル上流圧力はコンプレッサの回転数やスロットル開度によって変化する。吸気弁流量の推定にはスロットル流量の計算が必要であり、スロットル流量の計算にはスロットル上流圧力が用いられる。図2は、スロットル上流圧力に対するスロットル下流圧力の圧力比“Pm/Pic”とスロットル流量“mt”との関係を示す図である。この図に示すように、スロットル開度が“TA1”から“TA2”に変化したときのスロットル流量“mt”の変化の感度は圧力比“Pm/Pic”に依存する。このため、計算に用いるスロットル上流圧力の精度が低ければスロットル流量の計算精度が低くなり、ひいては筒内吸入空気量の予測精度も低くなる。よって、物理モデルを用いた筒内吸入空気量の予測手法を過給エンジンに適用する上では、スロットル上流圧力、すなわち、過給圧に関する精度の高い情報が必要となる。
前述の物理モデルを用いれば、予測スロットル開度から将来の過給圧を予測することができる。吸気弁の閉時点での過給圧を予測できれば、その予測値と予測スロットル開度から筒内吸入空気量の予測値を得ることができる。しかし、物理モデルによる計算には、物理モデル作成時の適合誤差、エンジン構成部品の製造ばらつき、環境変化や経年変化、アクチュエータのヒステリシス誤差などの様々な要因によるモデル化誤差が含まれうる。よって、物理モデルによる過給圧の予測値から筒内吸入空気量の予測値を計算する場合、筒内吸入空気量の予測値と実際値(吸気弁の閉時点での実際値)との間にはモデル化誤差に起因する誤差が生じる可能性がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、筒内吸入空気量、特に過渡運転時の筒内吸入空気量の予測精度を高めることのできる過給エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記の課題を達成するため、本発明に係る過給エンジンの制御装置は、以下の動作を行うように構成される。
本発明の1つの形態によれば、本制御装置は、現時点よりも所定時間先の時点におけるスロットル開度の予測値を取得する。そして、過給エンジンの物理モデルを用いて、スロットル開度の予測値からコンプレッサ流量の予測値を計算する。また、それと並行して、本制御装置は、流量センサによる吸気流量の計測値を取得するとともに、スロットル開度センサによるスロットル開度の計測値を取得し、前記物理モデルを用いてスロットル開度の計測値からコンプレッサ流量の推定値を計算し、さらに、流量センサの応答モデルを用いてコンプレッサ流量の推定値をディレイ処理する。
流量センサの応答モデルは、流量センサによる吸気流量の計測値の実際値に対する応答遅れをモデル化したものである。よって、物理モデルで計算されるコンプレッサ流量を流量センサの応答モデルでディレイ処理した値は、理論的には流量センサによる吸気流量の計測値と一致するはずである。吸気流量の計測値とコンプレッサ流量のディレイ処理された推定値との間に差分が生じるのであれば、物理モデルのモデル化誤差に起因する流量誤差が原因であると言える。
本制御装置は、吸気流量の計測値とコンプレッサ流量のディレイ処理された推定値との差分を計算し、当該差分を補正量としてコンプレッサ流量の予測値を補正する。これにより、コンプレッサ流量の予測値に含まれる物理モデルのモデル化誤差の影響は補償される。本制御装置は、このようにモデル化誤差の影響を補償されたコンプレッサ流量の予測値から過給圧の予測値を計算し、過給圧の予測値とスロットル開度の予測値とに基づいて筒内吸入空気量の予測値を計算する。
本制御装置によれば、過給エンジンの筒内吸入空気量を予測し、その予測値に基づいて過給エンジンを制御する制御装置において、筒内吸入空気量、特に過渡運転時の筒内吸入空気量の予測精度を高めることができる。
本発明の実施の形態の過給エンジンの制御装置で用いられている筒内吸入空気量予測モデルを示すブロック図である。 スロットル開度の変化の直後におけるスロットル流量の変化の感度がスロットル前後圧力比に依存していることを示す図である。
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態の制御装置が適用される過給エンジンは、スロットルによる空気量の調整によってトルクを制御する火花点火式の4サイクルレシプロエンジンである。本実施の形態の過給エンジンが備える過給機は、吸気通路に配置されたコンプレッサを排気通路に配置されたタービンの回転によって駆動するターボ式の過給機である。タービンにはその開度を能動的に制御することのできるウエストゲートバルブが付設されている。コンプレッサとスロットルとの間には、コンプレッサによる圧縮によって温度が上昇した空気を冷却するためのインタークーラが設けられている。また、本実施の形態の過給エンジンは、各気筒の吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射型のエンジンでもある。
本実施の形態の制御装置は、過給エンジンを制御するECU(Electronic Control Unit)の機能の一部として実現される。ECUには、流量センサであるエアフローメータやスロットル開度センサ等の各種のセンサから、エンジンの運転状態や運転条件に関する様々な情報や信号が入力される。ECUは、それら情報や信号に基づいてスロットルやウエストゲートバルブ等の各種のアクチュエータを操作する。なお、過給エンンジンには過給圧センサが取り付けられている場合があるが、次に説明する筒内吸入空気量の予測では過給圧センサの信号は用いられない。
制御装置としてのECUは、筒内吸入空気量を予測する機能を有している。ポート噴射型エンジンの場合、吸気弁が閉弁して筒内吸入空気量が確定するよりも前に必要な燃料噴射量を計算し、燃料噴射を開始しなければならない。このため、燃料噴射量を計算する時点において、将来確定する筒内吸入空気量を予測することが必要とされる。ECUによる筒内吸入空気量の予測には、プログラムされている筒内吸入空気量予測モデルが用いられる。筒内吸入空気量予測モデルは、過給エンジンにおける空気の挙動を物理的にモデル化したものであって、その概要は図1のブロック図によって表される。
図1に示すように、本実施の形態で用いられる筒内吸入空気量予測モデルは、符号2,4,6,8で示される4つの計算ブロックから構成されている。以下、図1に示す各計算ブロックの構成と機能について説明する。
計算ブロック2は、スロットル開度の予測値から将来の時点におけるコンプレッサ流量の予測値を計算するための計算ブロックである。スロットル開度の予測値は、ECUにより別途実施されるスロットルディレイ制御において、アクセル操作量に基づき決定された目標スロットル開度から先読みされる。本実施の形態では、現時点よりも所定制御周期分だけ将来の時点におけるスロットル開度が目標スロットル開度から予測されているものとする。
計算ブロック2は1つの物理モデルであり、複数の要素モデル、すなわち、ターボ回転数モデルM1、コンプレッサモデルM2、インタークーラモデルM3、スロットルモデルM4、吸気管モデルM5、及び吸気弁モデルM6によって構成されている。以下、計算ブロック2が備えるこれら要素モデルの内容について説明する。ただし、これらの要素モデルはそれぞれに公知であり、また、それ自体は本発明における特徴点ではないことから、数式やマップ等の各要素モデルの詳細については記載を省略する。
ターボ回転数モデルM1は、ターボ過給機の回転挙動のモデルであって、吸気弁流量とウエストゲートバルブ開度とターボ回転数との間に成り立つ関係がモデル化されている。ターボ回転数モデルM1は、数式或いは実験データに基づくマップによって構成されている。ターボ回転数モデルM1では、ウエストゲートバルブの操作量から推定されたウエストゲートバルブ開度“wgv”と、後述する吸気弁モデルM6で算出された吸気弁流量“mc”とが入力され、それらの入力情報からターボ回転数“Ntb”が算出される。
コンプレッサモデルM2は、ターボ過給機のコンプレッサのモデルであって、ターボ回転数と過給圧とコンプレッサ流量との間に成り立つ関係がモデル化されている。コンプレッサモデルM2は、数式或いは実験データに基づくマップによって構成されている。コンプレッサモデルM2では、ターボ回転数モデルM1で算出されたターボ回転数“Ntb”と、後述するインタークーラモデルM3で算出された過給圧“Pic(epicvlv)”等の情報が入力され、それらの入力情報からコンプレッサ流量“mcp”が算出される。なお、過給圧を示す符号である“Pic”に付された“epicvlv”は、他の計算ブロック内で計算される過給圧と区別するための符号である。図中及び本明細書内では、過給圧以外の他のパラメータに関しても、必要に応じてそのような区別用の符号を付したり、或いは、そのような区別用の符号のみでパラメータの内容を表したりしている。
インタークーラモデルM3は、吸気通路におけるインタークーラ内の空気に関する保存則に基づいて構築された物理モデルである。インタークーラモデルM3としては、具体的にはエネルギー保存則の式と流量保存則の式とが用いられている。インタークーラモデルM3では、コンプレッサモデルM2で算出されたコンプレッサ流量“mcp”と後述するスロットルモデルM4で算出されたスロットル流量“mt”等の情報が入力され、それらの入力情報からスロットル上流圧力としての過給圧“Pic”が算出される。なお、過給エンジンでは、コンプレッサからスロットルに至る経路の途中にエアバイパスバルブが接続されている。エアバイパスバルブが開いているときには、エアバイパスバルブ流量分の空気がインタークーラから抜き出される。その場合は、インタークーラへの入力をコンプレッサ流量mcpからエアバイパスバルブ流量を差し引いた値に置き換えればよい。
スロットルモデルM4は、スロットルを通過する空気の流量を算出するためのモデルであって、具体的には、スロットルの前後の差圧、スロットル開度により決まる流路面積、及び流量係数を基本とするオリフィスの流量式が用いられている。スロットルモデルM4では、スロットルディレイ制御によって先読みされたスロットル開度予測値“eta0”、インタークーラモデルM3で算出された過給圧“Pic”、及び後述する吸気管モデルM5で算出された吸気管圧“Pm(epmvlv)”等の情報が入力され、それらの入力情報からスロットル流量“mt”が算出される。
吸気管モデルM5は、吸気管内の空気に関する保存則に基づいて構築された物理モデルである。吸気管モデルM5としては、具体的にはエネルギー保存則の式と流量保存則の式とが用いられている。吸気管モデルM5では、スロットルモデルM4で算出されたスロットル流量“mt”、及び後述する吸気弁モデルM6で算出された吸気弁流量“mc”等の情報が入力され、それらの入力情報から吸気管圧“Pm”が算出される。なお、過給エンジンでは、スロットルから吸気弁に至る経路の途中にEGRバルブが接続されている。EGRバルブが開いているときには、EGR流量分のEGRガスが吸気管へ導入される。その場合は、吸気管への入力をスロットル流量mtにEGR流量を加算した値に置き換えればよい。
吸気弁モデルM6は、吸気弁流量と吸気管圧との関係について調べた実験ベースのモデルである。実験で得られた経験則により、吸気弁モデルM6においては吸入空気量と吸気管圧との関係が直線で近似されている。その直線の方程式の係数は定数ではなく、エンジン回転数、ウエストゲートバルブ開度、吸気弁のバルブタイミング、排気弁のバルブタイミング等によって決まる変数である。吸気弁モデルM6では、吸気管モデルM5で算出された吸気管圧“Pm”の他、エンジン回転数“NE”、ウエストゲートバルブ開度“wgv”、吸気弁のバルブタイミング“InVT”、排気弁のバルブタイミング“ExVT”等の情報が入力され、それらの入力情報から吸気弁流量“mc(eklvlv)”が算出される。
ECUは、計算ブロック2で計算される各種パラメータのうち、コンプレッサモデルM2で算出されたコンプレッサ流量“mcpvlv”を取り出す。このコンプレッサ流量“mcpvlv”は、スロットル開度の予測値“eta0”から計算されたものであり、所定制御周期分だけ将来の時点におけるコンプレッサ流量の予測値である。ECUは、取り出したコンプレッサ流量予測値“mcpvlv”を後述する計算ブロック6に入力する。
計算ブロック4は、スロットル開度センサによるスロットル開度の計測値から現時点におけるコンプレッサ流量の推定値を計算するための計算ブロックである。計算ブロック4は、前述の計算ブロック2と同構成の物理モデルであって、ターボ回転数モデルM1、コンプレッサモデルM2、インタークーラモデルM3、スロットルモデルM4、吸気管モデルM5、及び吸気弁モデルM6によって構成されている。これらの要素モデルM1,M2,M3,M4,M5,M6間における情報の入出力は、計算ブロック2におけるそれと共通している。ただし、計算ブロック4では、スロットル開度センサによるスロットル開度の計測値“TA”がスロットルモデルM4に入力される。
ECUは、計算ブロック4で計算される各種パラメータのうち、コンプレッサモデルM2で算出されたコンプレッサ流量“mcpcrt”を取り出す。コンプレッサ流量“mcpcrt”は現時点におけるコンプレッサ流量の推定値である。ECUは、取り出したコンプレッサ流量推定値“mcpcrt”をエアフローメータモデルM7に入力する。エアフローメータは固有の応答特性に基づく応答遅れを有している。エアフローメータモデルM7は、エアフローメータの応答特性をシミュレートしたモデルであり、入力されたコンプレッサ流量推定値“mcpcrt”に対してエアフローメータの応答遅れ分のディレイ処理を施す。ECUは、エアフローメータモデルM7でディレイ処理されたコンプレッサ流量推定値“mcpcrtsm”を計算ブロック6に入力する。
計算ブロック6には、計算ブロック2で計算されたコンプレッサ流量予測値“mcpvlv”とディレイ処理後のコンプレッサ流量推定値“mcpcrtsm”とに加え、エアフローメータによる吸気流量の計測値“egaafm”が入力される。ディレイ処理後のコンプレッサ流量“mcpcrtsm”は、理論的にはエアフローメータによる吸気流量の計測値“egaafm”に一致するはずである。しかし、実際には、ディレイ処理後のコンプレッサ流量“mcpcrtsm”と吸気流量計測値“egaafm”との間には、計算ブロック4で用いられている物理モデルのモデル化誤差に起因する流量誤差が存在する。そこで、ECUは、計算ブロック6において吸気流量計測値“egaafm”とコンプレッサ流量推定値“mcpcrtsm”との差分を計算する。そして、上記の差分を補正量としてコンプレッサ流量予測値“mcpvlv”に加算することにより、コンプレッサ流量予測値“mcpvlv”に含まれる物理モデルのモデル化誤差の影響を補償する。補正後のコンプレッサ流量予測値“mcpfwd”は、次の式(1)によって表される。
Figure 2013155614
定常運転時にはスロットル開度の計測値“TA”と予測値“eta0”とが等しくなることから、同じ構成のモデルを用いて計算されるコンプレッサ流量予測値“mcpvlv”とコンプレッサ流量推定値“mcpcrt”とは一致する。さらに、定常運転時にはエアフローメータの応答遅れの影響も無くなることから、コンプレッサ流量予測値“mcpvlv”とディレイ処理後のコンプレッサ流量推定値“mcpcrtsm”も一致するようになる。結果、式(1)から分かるように、定常運転時には、補正後のコンプレッサ流量予測値“mcpfwd”とエアフローメータによる吸気流量計測値“egaafm”とを一致させることができる。これにより、過渡運転時においてもコンプレッサ流量予測値が実際の値から大きく乖離することを防ぐことができ、筒内吸入空気量予測のモデル化誤差に対するロバスト性が高められる。
ECUは、計算ブロック6で計算された補正後のコンプレッサ流量予測値“mcpfwd”を計算ブロック8に入力する。計算ブロック8は、補正後のコンプレッサ流量予測値とスロットル開度の予測値とから吸気弁流量を計算するための計算ブロックである。計算ブロック6は、計算ブロック2の物理モデルの一部を構成するサブモデルであって、インタークーラモデルM3、スロットルモデルM4、吸気管モデルM5、及び吸気弁モデルM6によって構成されている。これらの要素モデルM3,M4,M5,M6間における情報の入出力は、計算ブロック2におけるそれと共通している。ただし、計算ブロック8では、補正後のコンプレッサ流量予測値“mcpfwd”がインタークーラモデルM3に入力され、コンプレッサ流量予測値“mcpfwd”から計算された過給圧予測値“epicfwd”とスロットル開度予測値“eta0”とがスロットルモデルM4に入力される。計算ブロック8では、過給圧予測値“epicfwd”とスロットル開度予測値“eta0”とに基づいて吸気弁流量“eklfwd”が算出される。この吸気弁流量“eklfwd”は、所定制御周期分だけ将来の時点における吸気弁流量の予測値である。ECUは、燃料噴射量の計算タイミングが到来したとき、吸気弁流量予測値“eklfwd”に基づいて吸気弁の閉弁時点において予測される筒内吸入空気量を算出する。そして、筒内吸入空気量の予測値と目標空燃比とを用いて必要な燃料噴射量を計算する。
その他.
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施の形態で用いている要素モデルは、そのうちのいくつかを統合して1つのモデルとしてもよい。また、本発明はポート噴射型エンジンだけでなく、ポート噴射と筒内直接噴射の両方を併用可能なエンジンにも適用可能である。また、ターボ過給機のみならず機械式過給機を備えた過給エンジンにも本発明を適用可能である。
2,4,6,8 計算ブロック
M1 ターボ回転数モデル
M2 コンプレッサモデル
M3 インタークーラモデル
M4 スロットルモデル
M5 吸気マニホールドモデル
M6 吸気弁モデル
M7 エアフローメータモデル

Claims (1)

  1. 過給エンジンの筒内吸入空気量を予測し、その予測値に基づいて前記過給エンジンを制御する制御装置において、
    現時点よりも所定時間先の時点におけるスロットル開度の予測値を取得する手段と、
    前記過給エンジンの物理モデルを用いて、スロットル開度の前記予測値からコンプレッサ流量の予測値を計算する手段と、
    流量センサによる吸気流量の計測値を取得する手段と、
    スロットル開度センサによるスロットル開度の計測値を取得する手段と、
    前記物理モデルを用いて、スロットル開度の前記計測値からコンプレッサ流量の推定値を計算する手段と、
    前記流量センサの応答モデルを用いてコンプレッサ流量の前記推定値をディレイ処理する手段と、
    吸気流量の前記計測値とコンプレッサ流量の前記ディレイ処理された推定値との差分を計算し、当該差分を補正量としてコンプレッサ流量の前記予測値を補正する手段と、
    コンプレッサ流の前記補正された予測値から過給圧の予測値を計算し、過給圧の前記予測値とスロットル開度の前記予測値とに基づいて筒内吸入空気量の前記予測値を計算する手段と、
    を備えることを特徴とする過給エンジンの制御装置。
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