JP5169072B2 - 液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、着色層が形成された基板上にポジ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、上記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、上記ポジ型感光性樹脂からなる高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を同時に形成する露光・現像工程とを有する液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、上記階調マスクが、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された遮光膜および半透明膜とを有し、上記透明基板が露出した透過領域、上記透明基板上に上記遮光膜が設けられた遮光領域および上記透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた半透明領域を有し、上記透過領域および上記半透明領域が隣接するパターンを有し、この階調マスクを用いて露光する際の光強度分布のシミュレーションを行った場合に、上記透過領域および上記半透明領域の境界から5μm以内の距離の領域で、上記透過領域から上記半透明領域に向けて光強度が単調に減少し、光強度分布に変曲点をもたないものであることを特徴とするものである。
図1は、本発明に用いられる階調マスクの一例を示す模式図である。なお、図1(a)は図1(b)のA−A線断面図である。図1(a)に例示するように、階調マスク1は、透明基板2上にパターン状に半透明膜3および遮光膜4が形成されたものである。また、図1(b)に例示するように、階調マスク1は、透明基板2上に遮光膜4が設けられた遮光領域11a,11bと、透明基板2上に半透明膜3のみが設けられた半透明領域12と、透明基板2が露出した透過領域13とを有しており、半透明領域12と透過領域13とが隣接するパターンを有している。
図2は、下記の数式(1)による基板31上の点Pでの光強度分布の計算を説明するための図であり、階調マスク1の開口部(透過領域13)の任意の点Qと、基板31上の任意の点Pとの位置関係を示した模式図である。図2において、点Sは点Qを通過した露光光32が直進した場合の基板31上の位置である。
ここで、数式(2)において、EP *はEPの共役複素数である。
図4は、図3(b)のような光強度分布を示す階調マスクを用いて、配向制御用突起および高さの異なるスペーサ(低スペーサ・高スペーサ)を形成する例である。まず、図4(a)に例示するように、基板21上に遮光部22および着色層23を形成し、着色層23上に透明電極層24を形成し、その透明電極層24上にポジ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層25を形成する。次いで、図4(b)に例示するように、上記階調マスク1を介してポジ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層25に光50を照射すると、光の位相のずれ等の影響で干渉が生じ、配向制御用突起53の膜厚が半透明領域12と透過領域13との境界付近で薄膜になり、露光不良パターンが生じてしまう。この場合、実際に得られるパターンとシミュレーション結果とは一致しているといえる。
図5は、図3(a)のような光強度分布を示す階調マスクを用いて、配向制御用突起および高さの異なるスペーサ(低スペーサ・高スペーサ)を形成する例である。まず、図5(a)に例示するように、基板21上に遮光部22および着色層23を形成し、着色層23上に透明電極層24を形成し、その透明電極層24上にポジ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層25を形成する。次いで、図5(b)に例示するように、上記階調マスク1を介してポジ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層25に光50を照射すると、光の干渉による露光不良パターンは発生せず、図5(c)に例示するように、所望のパターンに高スペーサ51、低スペーサ52および配向制御用突起53を形成することができる。この場合も、実際に得られるパターンとシミュレーション結果とは一致しているといえる。
図5(b)に例示する階調マスク1は、遮光領域として、高スペーサ51に対応する第1遮光領域11aと、低スペーサ52に対応する第2遮光領域11bとを有している。図5(c)に示すように、高スペーサの高さh1と低スペーサの高さh2とはh1>h2の関係にあり、高スペーサの幅w1と低スペーサの幅w2とはw1>w2の関係にある。そして、図5(b)に示すように、階調マスク1の第1遮光領域11aの幅d1および第2遮光領域11bの幅d2は、それぞれ高スペーサの幅w1および低スペーサの幅w2に対応し、d1>d2の関係にある。
シミュレーションにより得られる光強度分布は、露光ギャップ、露光波長、露光方式などに応じて異なるので、シミュレーション条件は、実際に階調マスクを用いる際の露光条件と同様とすればよい。
また、「変曲点をもたない」とは、上に凸の状態から上に凹の状態に変わる点、または、上に凹の状態から上に凸の状態に変わる点を有さないことをいう。
透過領域および半透明領域の境界から所定の距離の領域で、透過領域から半透明領域に向けて光強度が単調に減少し、光強度分布に変曲点をもたないことは、シミュレーション結果により確認するものとする。この際、階調マスクを通過する前の露光光の相対強度、すなわち透過領域を通過した露光光の相対強度を1としたときに、±0.001以内の変化は誤差とする。
本発明における感光性樹脂層形成工程は、着色層が形成された基板上にポジ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する工程である。
着色層の厚みは、例えば0.5〜3.0μmの範囲で設定することができる。
遮光部は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等によりクロム等の金属薄膜を形成し、この金属薄膜をパターニングすることにより形成することができる。この場合、遮光部の厚みは、200〜5000Å程度とすることができる。
また、遮光部は、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物等を用いて樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングすることにより形成することもできる。さらに、遮光部は、カーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂組成物を用いて樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングすることにより形成することもできる。
透明電極層の形成材料としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、またはその合金等を挙げることができる。
透明電極層の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法を用いることができる。
この透明電極層の厚みは、例えば200〜5000Å程度とすることができる。
本発明における露光・現像工程は、感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、ポジ型感光性樹脂からなる高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を同時に形成する工程である。
以下、階調マスク、ならびに、高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起の形成方法について説明する。
本発明に用いられる階調マスクは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された遮光膜および半透明膜とを有し、上記透明基板が露出した透過領域、上記透明基板上に上記遮光膜が設けられた遮光領域および上記透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた半透明領域を有し、上記透過領域および上記半透明領域が隣接するパターンを有する階調マスクであって、この階調マスクを用いて露光する際の光強度分布のシミュレーションを行った場合に、上記透過領域および上記半透明領域の境界から5μm以内の距離の領域で、上記透過領域から上記半透明領域に向けて光強度が単調に減少し、光強度分布に変曲点をもたないものである。
以下、階調マスクの各構成について説明する。
本発明に用いられる階調マスクにおける透過領域は、透明基板が露出した領域である。
また、本発明に用いられる階調マスクにおける半透明領域は、透明基板上に半透明膜のみが設けられた領域である。
また、半透明領域の波長365nmでの透過率Tは、階調マスクの透明基板の透過率をリファレンス(100%)として、半透明領域の透過率を測定することにより算出することができる。透過率を測定する装置としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、またはフォトダイオードアレイを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD等)を用いることができる。
なお、第1半透明領域の透過率および第2半透明領域の透過率とは、波長365nmでの透過率をいう。上記透過率は、上述の方法により算出することができる。
本発明に用いられる階調マスクにおける遮光領域は、透明基板上に遮光膜が設けられた領域である。
本発明に用いられる階調マスクにおける半透明膜は、透明基板上にパターン状に形成されるものであり、透過率調整機能を有するものである。
このような光の位相差を実現可能な半透明膜の材料としては、例えば、クロム、チタン、ニッケル、ニッケル合金、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、コバルト、コバルト合金等の金属が挙げられる。これらの中でも、パターニング性の観点から、クロム、チタン、ニッケル、ニッケル合金、タンタルが好ましい。すなわち、半透明膜が、クロム、チタン、ニッケル、ニッケル合金およびタンタルからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。
このような屈折率が比較的小さい材料としては、例えば、クロム、タンタル、チタン等の金属、およびこれらの金属を含む化合物などが挙げられる。
例えば、スパッタリング法によりクロムを用いて半透明膜を成膜する場合は、Arガス等のキャリアガスを反応装置内に導入し、Crターゲットを用いた反応性スパッタリング法にて半透明膜を成膜することができる。この際、Arガス等のキャリアガスの他に、窒素ガス等が反応装置内に導入されることがあるが、各ガスの流量の割合を制御することで半透明膜の組成が制御されることから、Arガスの流量を1とすると窒素ガスの流量比は0.2以下であることが好ましい。
本発明に用いられる階調マスクにおける遮光膜は、透明基板上にパターン状に形成されるものである。
遮光膜は、実質的に露光光を透過しないものであり、露光波長における平均透過率が0.1%以下であることが好ましい。このような遮光膜としては、一般にフォトマスクに用いられる遮光膜を用いることができ、例えば、クロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、チタン等の金属の膜、あるいは、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素等の金属の酸化物や窒化物などの膜が挙げられる。また、ニッケル合金、コバルト合金、ニッケル−コバルト合金、およびこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物などの膜も用いることができる。
本発明に用いられる階調マスクにおける透明基板は、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用することができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。中でも、石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れている。
本発明に用いられる階調マスクは、上記の透過領域、半透明領域および遮光領域が形成されているものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて例えばアライメント用の領域等が形成されていてもよい。
本発明においては、ポジ型感光性樹脂からなる高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を同時に形成することができる。
本発明においては、感光性樹脂層形成工程前または露光・現像工程後に、カラーフィルタにおける各種部材を形成する工程を必要に応じて行うことができる。
配向膜の厚みは、500〜1000Å程度とすることができる。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、所定の階調マスクを用いていることから、特に大型の液晶表示装置用のカラーフィルタの製造に適している。
また、本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、モノクロの液晶表示装置用の基板の製造に適用することもできる。
本発明のカラーフィルタは、上述した液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタは、ポジ型感光性樹脂からなる高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を有するものであり、この高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を構成するポジ型感光性樹脂が同一であるものである。
また、カラーフィルタのその他の構成としては、一般的なカラーフィルタと同様とすることができる。
[参考例1]
(階調マスクの作製)
光学研磨された390mm×610mmの合成石英基板上にクロム膜(遮光膜)が厚み100nmで成膜されている常用のマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製 ip−3500)を厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置(マイクロニック社製 LRS11000−TFT3)で、所望の遮光膜中間パターンを描画した。
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製 NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望の遮光膜中間パターンを得た。クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。クロム膜のエッチング時間は、60秒であった。
<成膜条件>
・ガス流量比 Ar:N2=5:1
・パワー:1.3kW
・ガス圧:3.5mTorr
次に、半透明膜上に市販のフォトレジスト(東京応化製 ip−3500)を再度、厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。
続いて半透明膜パターンとなる像を再度、レーザ描画装置(マイクロニック社製 LRS11000−TFT3)で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製 NMD3)で現像し、レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)で半透明膜および遮光膜をエッチングし、半透明膜パターンおよび遮光膜パターンを得た。エッチングは半透明膜および遮光膜に対して行った。
最後に残ったレジストを剥膜し、パターン寸法検査、パターン欠陥検査などの検査工程を経て、必要に応じてパターン修正を行い、階調マスクを得た。
基板として、大きさが100mm×100mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み1000Å)を形成した。このクロム薄膜上にポジ型感光性レジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像してレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとして、クロム薄膜をエッチングして、線幅20μm、ピッチ100μmのブラックマトリックスを形成した。
・赤顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B) 4.8重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・緑顔料(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C) 4.2重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F) 6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) 0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
その後、緑色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、青色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を用いて、同様の操作により、緑色パターン、青色パターンを形成した。これにより、赤色パターン、緑色パターン、青色パターンが配列された着色層を形成した。
<露光条件>
・露光量:50mJ/cm2(I線換算)
・露光ギャップ:150μm
次いで、水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、その後、230℃、30分間の加熱処理を施し、スペーサおよび配向制御用突起を同時形成した。
(階調マスクの作製)
下記のように半透明膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして階調マスクを作製した。
遮光膜中間パターンが形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行い、よく洗浄した後、酸化窒化炭化クロム膜(半透明膜)を下記の条件でスパッタリング法にて成膜した。このとき、酸化窒化炭化クロム膜の膜厚は33nmとした。
<成膜条件>
・ガス流量比 Ar:CO2:N2=1:0.5:0.5
・パワー:1.5kW
・ガス圧:3mTorr
参考例1と同様にして、カラーフィルタを作製した。
参考例1,2の階調マスクについて、光強度分布をシミュレーションにより求めた。シミュレーション条件は、露光ギャップ:150μm、Collimation:1.5°、露光波長:365nm、半透明領域の透過率T:30%(365nm)、透過領域を通過した露光光に対する半透明領域を通過した露光光の位相の遅れ(位相差)δ:0.02radまたは1.22rad、半透明領域の線幅:15μm、露光方式:プロキシミティ露光方式とした。シミュレーション結果を図3に示す。
参考例1の階調マスク(図3(a))では、透過領域および半透明領域の境界から5μm以内の距離の領域で、透過領域から半透明領域に向けて光強度が単調に減少し、光強度分布に変曲点をもたないことがわかった。一方、参考例2の階調マスク(図3(b))では、透過領域および半透明領域の境界から5μm以内の距離の領域で、透過領域から半透明領域に向けて光強度が単調に減少せず、光強度分布に変曲点をもっていた。
(階調マスクの作製)
図8に示すような、透明基板2上に半透明膜3が設けられた半透明領域12と、透明基板2が露出した透過領域13とを有し、半透明領域12と透過領域13とが隣接するパターンを有する階調マスク1について、光強度分布をシミュレーションにより求めた。なお、図8(a)は図8(b)のC−C線断面図である。
(階調マスクの作製)
半透明膜の膜厚を16nmとし、高スペーサを形成するための遮光領域と、低スペーサを形成するための半透明領域とを有するように、遮光膜および半透明膜をパターン描画した以外は、参考例1と同様にして階調マスクを作製した。
スペーサおよび配向制御用突起を形成するかわりに、上記階調マスクを使用して高さの異なるスペーサ(高スペーサ・低スペーサ)を形成する以外は、参考例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(階調マスクの作製)
半透明膜の膜厚を52nmとし、高スペーサを形成するための遮光領域と、低スペーサを形成するための半透明領域とを有するように、遮光膜および半透明膜をパターン描画した以外は、参考例2と同様にして階調マスクを作製した。
スペーサおよび配向制御用突起を形成するかわりに、上記階調マスクを使用して高さの異なるスペーサ(高スペーサ・低スペーサ)を形成する以外は、参考例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
参考例4,5の階調マスクについて、光強度分布をシミュレーションにより求めた。シミュレーション条件は、露光ギャップ:150μm、Collimation:1.5°、露光波長:365nm、半透明領域の透過率T:15%(365nm)、透過領域を通過した露光光に対する半透明領域を通過した露光光の位相の遅れ(位相差)δ:0.03radまたは1.93rad、半透明領域の直径:30μm、露光方式:プロキシミティ露光方式とした。シミュレーション結果を図9に示す。
参考例4の階調マスク(図9(a))では、透過領域および半透明領域の境界から5μm以内の距離の領域で、透過領域から半透明領域に向けて光強度が単調に減少し、光強度分布に変曲点をもたないことがわかった。一方、参考例5の階調マスク(図9(b))では、透過領域および半透明領域の境界から5μm以内の距離の領域で、透過領域から半透明領域に向けて光強度が単調に減少せず、光強度分布に変曲点をもっていた。
(階調マスクの作製)
参考例1と同様にして、図10に示すような、透明基板2上に遮光膜4が設けられ、高スペーサに対応する第1遮光領域11aと、透明基板2上に遮光膜4が設けられ、低スペーサに対応する第2遮光領域11bと、透明基板2上に半透明膜3のみが設けられ、配向制御用突起に対応する半透明領域12と、透明基板2が露出した透過領域13とを有し、半透明領域12と透過領域13とが隣接するパターンを有する階調マスク1を作製した。なお、図10(a)は図10(b)のD−D線断面図である。
第1遮光領域の幅(直径)d1は30μm、第2遮光領域の幅(直径)d2は15μm、半透明領域の幅d3は15μmとした。また、半透明膜の透過率特性は、波長365nmでの透過率が30%、波長406nmでの透過率が30%、波長436nmでの透過率が30%であった。
参考例1と同様にして、基板上にブラックマトリックスおよび着色層を形成し、さらに透明電極層を形成した。
<露光条件>
・露光量:50mJ/cm2(I線換算)
・露光ギャップ:150μm
次いで、水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、その後、230℃、30分間の加熱処理を施し、高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を同時形成した。これにより、図11に示すような、基板2上に遮光部(ブラックマトリックス)22、着色層(赤色パターン23R,緑色パターン23G,青色パターン23B)および透明電極層24が形成され、その上に高スペーサ51、低スペーサ52および配向制御用突起53が形成されたカラーフィルタを得た。なお、図11(a)は図11(b)のE−E線断面図である。
得られた高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起の断面形状を走査型電子顕微鏡にて観察し、寸法を測定した。
(階調マスクの作製)
参考例1と同様にして、図12に示すような、透明基板2上に遮光膜4が設けられ、高スペーサに対応する遮光領域11と、透明基板2上に半透明膜3のみが設けられ、低スペーサに対応する第1半透明領域12aと、透明基板2上に半透明膜3のみが設けられ、配向制御用突起に対応する第2半透明領域12bと、透明基板2が露出した透過領域13とを有し、各半透明領域12a,12bと透過領域13とが隣接するパターンを有する階調マスク1を作製した。なお、図12(a)は図12(b)のF−F線断面図である。
遮光領域の幅(直径)d4は30μm、第1半透明領域の幅(直径)d5は30μm、第2半透明領域の幅d6は15μmとした。また、第1半透明領域の波長365nmでの透過率は15%、第2半透明領域の波長365nmでの透過率は30%であった。
実施例1と同様にして、基板上にブラックマトリックスおよび着色層を形成し、さらに透明電極層を形成し、そして高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を同時形成した。
得られた高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起の断面形状を走査型電子顕微鏡にて観察し、寸法を測定した。
(階調マスクの作製)
参考例1と同様にして遮光膜をパターニングし、図13に示すような、透明基板102上に遮光膜104が設けられた、高スペーサに対応するパターン121と、低スペーサに対応するパターン122と、配向制御用突起に対応するパターン123とを有する階調マスク101を作製した。なお、図13(a)は図13(b)のG−G線断面図である。
パターン121の幅(直径)d7は30μm、パターン122の幅(直径)d8は15μm、パターン123の幅d9は7μmとした。
実施例1と同様にして、基板上にブラックマトリックスおよび着色層を形成し、さらに透明電極層を形成し、そして高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を同時形成した。
得られた高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起の断面形状を走査型電子顕微鏡にて観察し、寸法を測定した。
また、配向制御用突起は、プロセスのばらつきの影響を受けやすく、高さが1.3〜2.4μm、線幅が7〜12μmであり、大きなばらつきがあった。
2 … 透明基板
3 … 半透明膜
4 … 遮光膜
11 … 遮光領域
12 … 半透明領域
13 … 透過領域
21 … 基板
23 … 着色層
25 … 感光性樹脂層
51 … 高スペーサ
52 … 低スペーサ
53 … 配向制御用突起
Claims (5)
- 着色層が形成された基板上にポジ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、前記ポジ型感光性樹脂からなる高スペーサ、低スペーサおよび配向制御用突起を同時に形成する露光・現像工程とを有する液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、
前記階調マスクが、透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された遮光膜および半透明膜とを有し、前記透明基板が露出した透過領域、前記透明基板上に前記遮光膜が設けられた遮光領域および前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域を有し、前記透過領域および前記半透明領域が隣接するパターンを有し、
前記階調マスクが、前記半透明領域の露光光の波長365nmでの透過率をT(%)、前記透過領域を通過した露光光に対する前記半透明領域を通過した露光光の位相の遅れをΔ(rad)とした場合に、−Δ/ln(T/100)が0.4以下となるように、前記半透明膜の材料の屈折率、および前記半透明膜の膜厚の少なくとも一方を調整されたものであり、
当該階調マスクを用いて露光する際の光強度分布のシミュレーションを行った場合に、前記透過領域および前記半透明領域の境界から5μm以内の距離の領域で、前記透過領域から前記半透明領域に向けて光強度が単調に減少し、光強度分布に変曲点をもたないものであることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。 - 前記階調マスクにおいて、前記遮光領域が、前記高スペーサに対応する第1遮光領域と、前記低スペーサに対応する第2遮光領域とを有し、前記第1遮光領域の幅が前記第2遮光領域の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 前記階調マスクにおいて、前記半透明領域が、前記低スペーサに対応する第1半透明領域と、前記配向制御用突起に対応する第2半透明領域とを有し、前記第1半透明領域の透過率が前記第2半透明領域の透過率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 前記階調マスクにおける前記半透明膜が、クロム、チタン、ニッケル、ニッケル合金およびタンタルからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むこと特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
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