JP3709439B2 - テラヘルツ電磁波による物体の画像表示装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテラヘルツ電磁波による物体の画像表示装置および方法に関するものである。特に、テラヘルツ電磁波を利用して、物体の厚さに関わりなく物体の材質の相違が明確になるように画像表示する、あるいは物体の厚さの相違が明確になるように画像表示するようにした画像表示装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テラヘルツ電磁波を利用することにより、X線では不可能なプラスチック等の物体の検出が可能である。そのため、空港の安全チェック等においてX線にかわるものとして利用可能なものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図12はテラヘルツ電磁波分光により試料を画像化する方法を原理的に示したものである。図12において、5、6、7、8は反射鏡である(5は半透鏡である)。21はテラヘルツ電磁波発生器であって、半絶縁性GaAs基板上に低温成長によりGaAsエピタキシャル膜を形成し、その上にダイポールアンテナ23とコプラナー伝送路(AuGe /Ni /Au )24を配設したものである。26は入射ビームであって、レーザによる光パルスである。27は半透鏡を透過したパルス光Aである。28は半透鏡で反射して時間τだけ遅延されたパルス光Bである。29はテラヘルツ電磁波発生器で発生したテラヘルツ電磁波である。40は測定対象の試料である。53は時間遅延部であって、半透鏡5で反射したパルス光を時間τだけ遅延させるものである。61はロックイン・アンプであって、テラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号を信号処理するものである。62は画像処理部であって、ロックイン・アンプ61から出力される信号をもとに画像化のための処理をするものである。
【0004】
図12の構成の動作を説明する。テラヘルツ電磁波発生器21のダイポールアンテナは直流バイアスされる。パルス光Aがテラヘルツ電磁波発生器21のダイポールアンテナ23の間隙に照射されると、ダイポールアンテナ23からテラヘルツ電磁波が発生し、反射鏡6で反射したテラヘルツ電磁波29は試料40に入射される。テラヘルツ電磁波29は試料40を通過することにより、試料の材質に応じて電界強度、伝搬位相が変化する。試料40を通過したテラヘルツ電磁波はテラヘルツ電磁波受信器22のダイポールアンテナで受信される。一方、時間τだけ遅延したパルス光Bがテラヘルツ電磁波受信器22のダイポールアンテナの間隙部分を照射する。テラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号は、テラヘルツ電磁波29の電界強度がパルス光Bでサンプリングされたかたちになるので時間τにおけるテラヘルツ電磁波29の電界強度に応じた大きさをもつ信号である。試料40をx−y方向に走査しさらに、試料40のx−y平面の各点において遅延時間τを変化させることにより、試料40のτに対応するz座標におけるx−y面での画像を得ることができる。本願発明の発明者は粉体中の異物を観測する検査装置を開発した(特許文献2参照)。
【0005】
従来、テラヘルツ画像装置で物体を観測する場合、その表示モードは、時間領域での波形、例えば、振幅モード、到着時間もしくはメインピークの幅(パルス幅モードと称する)で従来は物体の画像表示をしていた。
【0006】
図9、図10、図11は、図1のシステムを利用して、従来の観測方法により約0.5THzのテラヘルツ電磁波で粉体中の物体を観測した例を示す。
【0007】
図9は、様々な表示モードでの粉砂糖の中の二つの物体を示す。左側に卵殻があり、右側にプラスチックの破片がある。左上画像(a)は定時間モード(一定時刻の一画面データをもとに画像表示する)観測したものである。粉体中の物体を画像化する時、この表示モードには本質的問題がある。粉体は上部より下部において密度が高い傾向があり、そのためパルス到着時間に上下で違いがあり物体を明瞭に画像表示することができない。下部半分(a)において、物体の画像は大部分白くなっている。画像の上部は黒くなっている。画像上部と下部で、位相もしくは時間差は、ほぼ0.5THz電磁波の半サイクル、即ち1ps程度の違いがある。これは、パルスTHz電磁波は粉体の垂直密度分布および局所変動を研究する有効な手段になることを意味するが、粉体中の物体の画像化を難しくする。
【0008】
図9(b)は図9(a)と同じ測定値をもとに振幅モードで表示したものであり、各サンプル位置においてパルス振幅のピークをマップしたものである。二つの物体の存在を図9(a)における場合よりも明確に画像化している。卵殻の破片はプラスチック破片および周囲の粉体より黒っぽく見える。これは、テラヘルツ電磁波の強い吸収により透過光が減少したことによる。
【0009】
左下の図9(c)は時間遅延モードであって、パルス最大値の到着時間での表示モードを示す。上記の粉体密度の垂直変化を補償するために、上部と下部の時間差をもとに求めたオフセット面を使用した。卵殻はプラスチック破片よりかなり薄かったが(それぞれ約0.4mmと1.5mm)、二つの物体が同じ程度のパルス遅延を生じた。これは、卵殻の屈折率がプラスチックの屈折率より大きい(それぞれ約2.7と1.6)ことを反映している。
【0010】
図9(d)はパルス最大値の幅による表示モードでの画像表示である。両物体は背景に比べて黒っぽくなり、これはパルス幅が減少したことを表している。この理由は、テラヘルツ電磁波の高周波成分が粉体を透過しにくいことによるものと考えられる(図3参照)。
【0011】
図10(a)、(b)は、プラスチックの小片とガラスの小片をテラヘルツ電磁波により撮影したものである。上部にプラスチック小片があり下部にガラス小片がある。図10(a)は振幅モードであり、図10(b)は時間遅延モードである。
【0012】
図11は、小麦粉の中のケーブルクランプの画像を示す。図11(a)はケーブルクランプのスケッチである。図11(b), (c)および(d)は、それぞれ、テラヘルツ電磁波による振幅モード、時間遅延モードおよびパルス幅モードによる画像である。図11(b)と(c)における物体の背景に対するコントラストは高く、これは、テラヘルツ電磁波のビームが通過するプラスチック材料の部分の量が多いことを表している。これは、堅いプラスチック材料で作られたクランプのフック(右側)に特によく表れている。クランプの本体(左側)は空洞があり、そのため側面と底部の壁により強いコントラストが生じている。その空洞の上部は開いている。本体部分の底部にある孔は直径1.5mmであり、粉体を通過するテラヘルツ電磁波の光学的解像度より小さいものであるが、画像ではっきりとあらわれている。クランプの底部は、実際より厚く画像表示されている。その理由は、箱の中に粉体を一様に満たすようにサンプルを振ったため、クランプが図11(a)のスケッチの状態から紙面の水平軸を中心に回転したためと考えられる。図11(c)の時間遅延モードにおけるクランプ本体の頂部と中の暗部は、本体の中空部がおそらく小麦で薄い密度で満たされていることを示している。これは、パルス幅モード(d)において確認でき、そこでは、周囲の小麦粉と同じようにパルス幅が減少している。
【特許文献1】
特表2000−514549号公報
【特許文献2】
特開2001−66375号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の画像表示装置は、物体を通過したテラヘルツ電磁波の振幅変化もしくは伝搬位相の変化量等をもとに、時間領域で振幅モード、時間遅延モード、パルス幅モード等で画像表示していた。そのようなモードでは、厚さおよび材質の異なる複数の物体の違いを厚さにかかわりなく材質の違いのみで表示することはできなかった。あるいは、物体の厚さの相違がはっきりとわかるように画像表示することはできなかった。
【0014】
本発明は、テラヘルツ電磁波を利用して、物体の厚さに関わりなく物体の材質の相違が明確になるように画像表示する、あるいは物体の厚さの相違が明確になるように画像表示するようにした画像表示装置および方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のテラヘルツ電磁波による物体の画像表示装置は、物体にテラヘルツ電磁波を照射する照射手段と、物体を通過したテラヘルツ電磁波を受信して電気信号に変換する受信手段と、該受信手段の出力をもとに該物体を通過したテラヘルツ電磁波の振幅と通過しないテラヘルツ電磁波の振幅を取得する手段と、伝搬時間の時間差を取得する手段と、該振幅および時間差に基づいてテラヘルツ電磁波が通過する物体の厚さに依存しないパラメータを求める手段と、物体の厚さに対する依存性が大きくかつ材質についての依存性が小さいパラメータを求める手段の少なくとも一方の手段と、該パラメータに基づいて画像表示する画像表示手段とを備える。
【0016】
また本発明のテラヘルツ電磁波による物体の画像表示方法は、物体にテラヘルツ電磁波を照射し、物体を通過したテラヘルツ電磁波を受信し、該受信手段の出力をもとに該物体を通過したテラヘルツ電磁波の振幅と該物体を通過しないテラヘルツ電磁波の振幅および伝搬時間の時間差を取得し、該振幅および時間差に基づいてテラヘルツ電磁波が通過する物体の厚さに依存しないパラメータ、および物体の厚さに対する依存性が大きくかつ材質についての依存性が小さいパラメータの少なくとも一方のパラメータを求め、該パラメータに基づいて画像表示する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、テラヘルツ電磁波を利用して粉体の物理的状態を観測するための実施の形態を示す。図1において、1は気密容器であって、テラヘルツ電磁波発生器21、テラヘルツ電磁波受信器22、凹面反射鏡1、凹面反射鏡2、凹面反射鏡3、凹面反射鏡4および試料40を収納しているものである。テラヘルツ電磁波は水蒸気による吸収のため減衰が大きいのでできるだけ減衰の少ない状態で測定結果を得るためのものである。必要に応じて真空ポンプで真空にする。
【0018】
2は励起光源であって、半導体レーザ等である。3はレーザ光源であって、励起光源2の励起光により駆動されてパルスレーザ光を発生するものであり、例えば、Ti:Sapphireレーザ等である。レーザ光源3は780〜800nm、パルス幅が10〜150fsのパルス光を出力する。電気的駆動部51により駆動されて、繰り返し周波数として、例えば1kHzでそのパルス光を発生する。
【0019】
4、5、6、7、8、9、10、11、12は反射鏡であって、レーザ光源3で発生するレーザ光を反射するものである(5は半透鏡である)。31、32、33、34はそれぞれ凹面反射鏡1、凹面反射鏡2、凹面反射鏡3、凹面反射鏡4であって、軸はずし放物面鏡である。凹面反射鏡1はテラヘルツ電磁波発生器21に焦点が合わされている。凹面反射鏡2、凹面反射鏡3は試料40に焦点が合わされている。凹面反射鏡4はテラヘルツ電磁波受信器22に焦点が合わされている。
【0020】
21はテラヘルツ電磁波発生器(テラヘルツ電磁波発生手段)であり、パルスレーザ光を受光してテラヘルツ電磁波を発生するものである。22はテラヘルツ電磁波受信器(テラヘルツ電磁波受信手段)であって、テラヘルツ電磁波を照射された時に入射電界強度に応じた電気信号を発生するものである。15はチョッパー(分周手段)であって、レーザ光源3から出力される光パルスをチョップするもので、例えば、1kHzの繰り替し周波数のパルスレーザ光を500Hzのパルス光Aに変換するものである。チョッパーの代わりにシェーカ等により光パルスの光路長を低周波の振動数で変調する変調手段でもよい。
【0021】
40は試料であって、測定対象の物体が粉体中に埋もれているものであり、容器に収納されているものである。試料40の容器の材料はテラヘルツ電磁波の吸収の小さいものであればどのようなものでも良く、例えばテラヘルツ電磁波を吸収しないプラスチックの容器で良い。51は電気的駆動部であって、レーザ光源3およびチョッパー駆動部52を電気的に駆動するものである。例えば、レーザ光源3から出力されるフェムト秒の光パルスを1kHz周期で出力するように駆動するものである。52はチョッパー駆動部であって、チョッパー15を駆動するものである。チョッパー駆動部52はレーザ光源3の出力に同期するように動作するものであって、例えば、電気的駆動部51が1kHz周期で光パルスを出力するようにレーザ光源3を駆動している時、チョッパー15がパルス光Aを500Hzでチョップするように駆動する。53は時間遅延部であって、パルス光Bの光路長を変更するものである。61はロックイン・アンプであって、チョッパー駆動部52のチョップ周期の信号を参照信号として、テラヘルツ電磁波受信器22の出力する電気信号を処理するものである。
【0022】
図1(b)は試料40のy−z面の断面を示す。図1(c)は試料40のx−y面の断面図を示す。試料40は載置台41の上に置かれ、x−y面内を移動でき、テラヘルツ電磁波の照射が試料のx−y面を走査するようにする。
【0023】
図1(a)の構成の動作を説明する。レーザ光源3は電気的駆動部51により電気的に駆動され、励起光源2の出力光により光学的に励起されて、波長が780〜800nmでパルス幅が130fsのレーザパルス光を繰り返し周期1kHzで出力する。レーザ光源3で出力されたパルス光は凹面反射鏡4で反射され、さらにその一部は半透鏡5で反射されて、チョッパー15でチョップされ、繰り返し周波数が500Hzのパルス光Aとなって、反射鏡7で反射し、テラヘルツ電磁波発生器21のアンテナの間隙を照射する。一方、レーザ光源3から出力されて、凹面反射鏡4で反射したパルス光の一部は半透鏡5を透過し、反射鏡8で反射し、さらに反射鏡9で反射して、時間遅延部53の反射鏡10と11および反射鏡12で反射し、テラヘルツ電磁波受信器22のアンテナの間隙に照射される。
【0024】
テラヘルツ電磁波発生器21は、パルス光Aを照射され、テラヘルツ電磁波を発生する。パルス光Aが照射されるテラヘルツ電磁波発生器21のアンテナの間隙は、凹面反射鏡1の焦点の位置にあるので、凹面反射鏡1で反射して凹面反射鏡1の光軸に平行な光線となり、凹面反射鏡2に入射される。凹面反射鏡2で反射したテラヘルツ電磁波は試料40に入射され、試料の内部を伝搬して凹面反射鏡3に入射される。凹面反射鏡2と凹面反射鏡3の焦点はいずれも試料40のx−y面内にあり、試料を通過したテラヘルツ電磁波は凹面反射鏡3で反射しその光軸に平行に進んで、凹面反射鏡4に入射される。テラヘルツ電磁波受信器22のアンテナの間隙は凹面反射鏡4の焦点の位置にあるので、凹面反射鏡4で反射したテラヘルツ電磁波はテラヘルツ電磁波受信器22のアンテナを照射する。
【0025】
一方、レーザ光源3から出力されて、半透鏡5を通過したパルス光は時間遅延部53で光路を時間τに相当する距離を遅延されてパルス光Bとなり、反射鏡12で反射して、テラヘルツ電磁波受信器22のプローブ光として、テラヘルツ電磁波受信器22のアンテナ間隙を照射する。プローブ光(パルス光B)はパルスAより時間τだけ遅れてテラヘルツ電磁波受信器22のアンテナ間隙を照射するので、テラヘルツ電磁波受信器22からは時間τにおけるテラヘルツ電磁波の電界強度に応じた電気信号が出力される。時間τを連続的に変化させることにより、x−y面を通過するテラヘルツ電磁波の各時刻τでの電界強度を測定でき、電界強度の時間変化、伝搬位相を測定できる。
【0026】
ロックイン・アンプ61は、チョッパー周期信号を参照信号としてテラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号を処理し、画像処理部62はロックイン・アンプ61から出力されるテラヘルツ電磁波の強度について、τを変化させることにより得られた各z座標毎の各x−y面の電界強度を画像データとして、メモリに保持する。さらに、画像処理部は測定目的に応じて、各座標間の電界強度の差、あるいはz軸方向での最大電界強度の差に基づいて伝搬時間の差(位相)等を求める処理をし、その結果をメモリに保持する。さらに、表示装置は画像処理された画像データを表示出力する。
【0027】
図2は、x−y面内の走査とパルス光Bの時間遅延走査(z軸方向の走査に相当する)のフローチャートである。(a)はx、y、z軸の走査のフローチャートである。(b)は時間遅延走査(z軸走査)の詳細フローチャートである。
【0028】
図2(a)において、S1でx−y面内の初期値を設定する。S2において、座標移動をする。S3で時間遅延走査をする(時間遅延の詳細は図2(b)参照)。S4でx=m(mはx座標の最大値)か判定しx=mでなければ、xの値を1加算して、S2以降の処理を繰り返す。S4でx=mであれば、S5でy=n(y座標の最大値)か判定する。y=nでなければS6でx=1、y=y+1として、S2以降の処理を繰り返す。S5でy=nであれば、S8において初期位置(x−y面の中央)に移動し、走査を終了する。
【0029】
図2(b)は、時間遅延走査の詳細フローチャートである(図2(a)のS3のフローチャート)。時間遅延走査は、標準モードと高速モードの二通りがあり、予めどちらで処理するかを定めておく。S30で標準モードか高速モードかを選択する。標準モードであればS31以降の方法で測定をし、標準モードでなければ高速モードとして、S41以降の方法で測定する。
【0030】
標準モードについて説明する。S30で標準モードであれば、S31で、z=1とする。S32でz方向に移動する(時間遅延をする)。次にS33で測定する。S34でz=k(z軸の最大値(最大遅延時間))であるか判定する。z=kでなければ、S36でz=z+1として、S32以降の処理を繰り返す。S34でz=kであれば、S35でx、y座標の走査処理(図2(a)のS4以降の処理)をする。
【0031】
次に高速モードの処理を説明する。S41でz=1にする。S42で時間軸を連続的に遅延する。S43で測定する。S44でz=kであるか判定する。z=kでなければ、S47でz=z+1として、S43以降の処理を繰り返す。S=44でz=kであれば、S45で時間遅延部が初期位置に戻るのを待つ。さらにS46でx、y座標の走査処理をする。
【0032】
図3は、粉の砂糖、小麦粉およびベビーパウダーについてテラヘルツ電磁波の透過率を測定したものである。砂糖については0.1THzから0.3THzで透過し、小麦粉については0.1THz〜0.5THzで透過することが示されている。ベビーパウダーについては、0.1THz〜1.2THzの範囲で透過することが示されている。図3から、砂糖については0.1THzから0.3THzのテラヘルツ電磁波が物理的性状の測定に使用でき、小麦粉については0.1THz〜0.5THzのテラヘルツ電磁波が使用できる。また、ベビーパウダーについては、0.1THz〜1.2THzの範囲のテラヘルツ電磁波が使用できる。
【0033】
粉体中の物体により生じるテラヘルツ電磁波の到着時間と振幅の変化は、物体の屈折率と消衰係数にそれぞれ依存する。物体の厚さが既知の場合、屈折率と消衰係数は測定データから容易に決定できる。しかし、物体の厚さが不明の場合にはそれは不可能である。そこで、本発明者は粉体中の物体の厚さに依存しない量(パラメータ)をもとめ、それに基づいて画像表示するようにした。
【0034】
物体を通過したテラヘルツ電磁波のパルスと物体を通過しないテラヘルツ電磁波のパルスの伝搬時間の時間差Δtは次のようになる。
【0035】
Δt=t−t0 =Δn d/c (1)
ここに、Δn=物体と粉体の屈折率の差であり、dは物体の厚さであり、cは真空中の光速度であり、添え字0は物体を通過しないパルスを表し、添え字のない変数は物体を透過するパルスについてのものであることを表す。振幅は、
A/A0 =exp(−Δk ωc d/c) (2)
である。ここに、Δkは物体と粉体の消衰係数の差であり、ωc はテラヘルツ電磁波の中心角振動数であり、ここではスケーリング定数としてのみ使われている。式(2)では物体表面における反射による損失は無視している。しかし、この損失は (n−n0 )2 /(n+n0 )2 であり、通常、小さい値である(物質による屈折率の差は小さい)。例えば、プラスチックでn=1.6であり、小麦粉、砂糖、粉砂糖でn=1.3〜1.4である(但し、粉の密度に依存する。)振幅誤差は1% 以下である。
【0036】
式(2)は次のように表される。
【0037】
ln(A0 /A) =Δk ωc d/c (3)
d の2つの線形方程式を得るため、次のパラメータQを導入する。
【0038】
【数3】
【0039】
αは1、1.5等の任意に定める定数である。Qは物体の厚さdに依存しない量である。
【0040】
(1)と(3)を基に、
P2 =βωc Δtln(A0 /A)=Δk Δn(ωc /c) 2 d2
であるPを導入する。βは1、1.5等の任意に定める定数である。このP2 は、厚さに強く依存し、材質による依存の程度は小さい量である。本発明は測定データ(A0 、A、ωc 、Δt)をもとにこのパラメータQとP2 の値を求め、そのパラメータをもとに物体の画像表示をするようにした。
【0041】
図4は、小麦粉中の3つのプラスチックのサンプルをテラヘルツ電磁波による測定結果をもとに、従来の振幅モード、時間遅延モード、およびパラメータQ、P2 をもとに画像表示した例を示す。
【0042】
左上、右上および下側に一つずつのプラスチックの小片がある。下側と右上の物体はポリオキシメチレン(POM)の小さい板である。上左の小片はアクリルニトリル−ブタジエン−スチロール コポリマ−(ASB)の小さい板である。下側のPOM板の厚さは2.8mmであり、上部の二つの板の厚さは1.0mmである。
【0043】
図4(a)は振幅モードであり、図4(b)は時間遅延モードでの画像表示である。厚いPOM板は(a)と(b)ともにコントラストがはっきりしているが、二枚の薄い板のコントラストは厚い板ほどはっきりしていない。図4(c)において、P2 は明度で表現している。板が厚い程P2 の値は大きくなり、明るく(白く)表している。また、Qは赤から緑までの彩度で表している。緑側は大きいQを表し、赤側が小さいQを表している。図4(c)ではABSは赤で表され、POMは緑で表されている。図4(c)から明らかなように、本発明によれば物体の厚さに関係なく物体の材質による違いがわかるように画像表示することが可能になる。
【0044】
図5は、本発明のQモードにより物体を画像表示した別の例を示す(但し、物体は粉体中に含まれていない)。POM棒の画像が画面の上部にあり、野球のホームベースの形状の二枚のPP(ポリプロピレン)板(図6(b)参照)の画像が画面の下側の左右にある。POMの棒は厚さが左側から右側に向かって、1.5mmから3.0mmまで連続的に変化するものである(図6(a)参照)。二枚のPP板は厚さがそれぞれ1.8mmと2.8mmであり、左側は薄い方であり、右側は厚い方である。
【0045】
図5(a)は振幅モードで表示したものである。図5(b)は時間遅延モードで表した画像である。右側に向かって厚さが厚くなり、明度が高くなる(白くなる)ように表している。POMの画像では厚さの変化が画像で明度変化として表れている。PPの画像では厚さの厚い方は白く表示されているが、厚さの薄い方は黒く表され、厚さの違いが表されている。図5(c)はQで表した画像である。POMはピンクで表され、PPは青く表され、材料の違いが明瞭に表示されている。
【0046】
図6は、図5の画像化の対象になったPOM棒とPP板の形状を示す。図6(a)はPOM棒であり、厚さが左側から右側に向かって、1.5mmから3.0mmまで連続的に変化している。図6(b)は、PP板であり、厚さが1.8mmと2.8mmについて、画像化された。
【0047】
図7は本発明の画像処理部のフローチャ−トを示す。
【0048】
測定データを入力し保持する(S1)。さらに、A0 、A、Δt、ωc を求め、保持する(S2)。A0 、A、Δt、ωc によりQを計算し、保持する(S3)。次に、A0 、A、Δt、ωc によりをP2 を計算し、保持する(S4)。Qに基づいて画像表示するか判定する(S5)。S5において、Qに基づく画像表示をするのであれば、S6において、Qの値に基づいて画像表示するための処理をする(S6)。S5において、Qに基づく画像表示をするのでなければ、S7において、P2 に基づいて画像表示するか判断する(S7)。S7において、P2 に基づいて画像表示するのであれば、S8においてP2 の値に基づいて画像表示するための処理をする。S9で画像表示をする。S6のQの値に基づいて画像表示する方法は、例えば、Qの値に応じて画像表示する彩度を定めるものである。また。S8におけるP2 の値に基づいた画像表示は、例えば、P2 の値に応じて画像表示の明度(輝度)を定めるものである。
【0049】
図8は、本発明の画像処理部の構成であり、CPUとメモリにより構成されるものである。図8において、62は画像処理部である。80は測定データ入力部であって、ロック・インアンプから送られてくる測定データを入力するものである。81は測定データ保持部であって、測定データを保持するものである。測定データは、テラヘルツ電磁波の周波数91、試料の位置と測定時間(時刻)に対応したテラヘルツ電磁波の信号値92である。82は演算部であり、最大振幅演算、時間遅延演算、Q演算、P2 演算を行うものである。83は演算データ保持部であって、最大振幅、時間遅延、Q、P2 を保持するものである。84は表示処理部であって、演算データをもとに画像表示データを作成するものである。85は表示装置である。
【0050】
測定データ保持部81において、周波数91は測定されたテラヘルツ電磁波の周波数をあらわす。位置−時間−信号値92は測定されたテラヘルツ電磁波の試料における位置、測定時間(時刻)、信号値を表す。
【0051】
演算部82において、93は最大振幅演算であって、試料を透過するテラヘルツ電磁波の振幅の最高値と最低値の差を求めるものである。94は時間遅延演算部であって、物体を通過したテラヘルツ電磁波と物体を通過しなかったテラヘルツ電磁波のパルス最大値の時間差を求めるものである。95はQ演算部であって、Qを物体を通過しなかったテラヘルツ電磁波の最大振幅、物体を通過したテラヘルツ電磁波の最大振幅、伝搬遅延時間(時間遅延)、ωc に基づいてQを演算するものである。96はP2 演算部であって、物体を通過しなかったテラヘルツ電磁波の最大振幅、物体を通過したテラヘルツ電磁波の最大振幅、時間遅延、ωc に基づいてP2 を演算するものである。
【0052】
演算データ保持部83において、最大振幅97、時間遅延98、Q99、P2 100は、それぞれ最大振幅演算部93、時間遅延演算部94、Q演算部95、P2 演算部96で演算されたデータを表す。表示処理部84において、彩度付与101は画像表示するデータに彩度を付与する処理を表す。例えば、Qの値に応じてあらかじめ決められている彩度を付与する処理である。明度付与102は画像表示するデータに明度を付与する処理を表す。例えば、P2 の値に応じてあらかじめ決められている明度を付与する処理である。
【0053】
図8の構成の動作を説明する。測定されたテラヘルツ電磁波の周波数、試料の位置、観測時間(時刻)に対応した信号値が入力され測定データ保持部に保持される。最大振幅演算部93は、測定データをもとに試料を透過するテラヘルツ電磁波の振幅の最高値と最低値の差を求める時間遅延演算部94は、測定データをもとに物体を通過したテラヘルツ電磁波と物体を通過しなかったテラヘルツ電磁波のパルス最大値の時間差を求める。Q演算部95は、物体を通過しなかったテラヘルツ電磁波の最大振幅、物体を通過したテラヘルツ電磁波の最大振幅、時間遅延、ωc に基づいてQを演算する。P2 演算部96は、物体を通過しなかったテラヘルツ電磁波の最大振幅、物体を通過したテラヘルツ電磁波の最大振幅、時間遅延、ωc に基づいてP2 を演算するものである。
【0054】
各演算部で測定されたデータは演算データ保持部83に保持する。表示処理部84は演算データ保持部83に保持されている演算データをもとに表示装置85に座像表示するデータを作成する。例えば、Qの値に応じてあらかじめ決められている彩度を付与する。また、P2 の値に応じてあらかじめ決められている明度を付与する。表示装置85は表示処理部84で作成された表示データを画像表示する。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、テラヘルツ電磁波を利用して、物体の厚さに関わりなく物体の材質の相違が明確になるように画像表示できる、あるいは物体の厚さの相違が明確になるように画像表示することができる。特に、本発明は粉体中に埋もれている複数の物体をその材料の相違がわかるように表示することができる。あるいは、粉体中に埋もれている厚さの異なる複数の物体を厚さの違いがわかるように画像表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の試料の走査のフローチャートを示す図である。
【図3】テラヘルツ電磁波の各周波数における各種粉体の透過率を示す図である。
【図4】本発明で測定した物体の画像の例である。
【図5】本発明で測定した物体の画像の例である。
【図6】図5における物体の形状を表す図である。
【図7】本発明の画像処理部のフローチャートである。
【図8】本発明の画像処理部の構成である。
【図9】テラヘルツ電磁波による従来の表示モードの画像である。
【図10】テラヘルツ電磁波による従来の表示モードの画像である。
【図11】テラヘルツ電磁波による従来の表示モードの画像である。
【図12】テラヘルツ電磁波分光により試料を画像化するための原理的説明図である。
【符号の説明】
1:気密容器
2:励起光源
3:レーザ光源
4、5、6、7、8、9、10、11、12: 反射鏡
15:チョッパー
21:テラヘルツ電磁波発生器
22:テラヘルツ電磁波受信器
31:凹面反射鏡1
32:凹面反射鏡2
33:凹面反射鏡3
34:凹面反射鏡4
40: 試料
41: 載置台
43:物体
51:電気的駆動部
52:チョッパー駆動器
53:時間遅延部
61:ロックイン・アンプ
62:画像処理部
63:表示装置
Claims (2)
- 容器に収容された粉体中の物体にテラヘルツ電磁波を照射する照射手段と,
物体を通過したテラヘルツ電磁波を受信して電気信号に変換する受信手段と,
該受信手段の出力をもとに該物体を通過したテラヘルツ電磁波の振幅と該物体を通過しないテラヘルツ電磁波の振幅を取得する手段と,伝搬時間の時間差を取得する手段と,
該振幅および時間差に基づいてテラヘルツ電磁波が通過する物体の材質に依存するが,物体の厚さに依存しないパラメータをQとした時,物体を通過しない時のテラヘルツ電磁波の振幅をA0 ,該物体を通過した時の振幅をA,該伝搬時間の時間差をΔt,粉体の透過テラヘルツ電磁波の中心角振動数をωc ,Δkを物体と粉体との屈折率の差,Δnを物体と粉体の消衰係数の差,αを任意の定数として,
Q=α(ln(A0 /A))/(ωc Δt)=αΔk/Δn
を求める手段と,
物体の厚さに対する依存性が大きくかつ材質についての依存性が小さいパラメータをP2 としたとき,cを真空中の光の速度,dを物体の厚さ,βを任意の定数として,
P2 =βωc Δtln(A0 /A)=ΔkΔn(ωc /c)2 d2
を求める手段と,
前記各パラメータを求める手段により得られたパラメータに基づいて画像処理を行う画像処理部と,画像処理された画像を表示する表示装置とを備えたことを特徴とするテラヘルツ電磁波による物体の画像表示装置。 - 容器に収容された粉体中の物体にテラヘルツ電磁波を照射し,
物体を通過したテラヘルツ電磁波を受信し,
該受信手段の出力をもとに該物体を通過したテラヘルツ電磁波の振幅と該物体を通過しないテラヘルツ電磁波の振幅を取得し,および伝搬時間の時間差を取得し,
該振幅および時間差に基づいてテラヘルツ電磁波が通過する物体の材質に依存するが,物体の厚さに依存しないパラメータをQとした時,物体を通過しない時のテラヘルツ電磁波の振幅をA 0 ,該物体を通過した時の振幅をA,該伝搬時間の時間差をΔt,粉体の透過テラヘルツ電磁波の中心角振動数をω c ,Δkを物体と粉体との屈折率の差,Δnを物体と粉体の消衰係数の差,αを任意の定数として,
Q=α( ln (A 0 /A))/(ω c Δt)=αΔk/Δn
を求め,
物体の厚さに対する依存性が大きくかつ材質についての依存性が小さいパラメータをP 2 としたとき,cを真空中の光の速度,dを物体の厚さ,βを任意の定数として,
P 2 =βω c Δt ln (A 0 /A)=ΔkΔn(ω c /c) 2 d 2
を求め,
前記各パラメータに基づいて画像処理を行って画像表示することを特徴とするテラヘルツ電磁波による物体の画像表示方法。
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