JP5167860B2 - 面発光半導体レーザ及び面発光レーザを作製する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、面発光半導体レーザ及び面発光半導体レーザを作製する方法に関するものである。
非特許文献1には、埋め込み型トンネル接合面発光レーザが記載されている。この面発光レーザは、InP基板上に設けられたAlGaInAs/InP分布ブラッグリフレクタ(DBR)と、活性層と、メサ形状のトンネル接合領域を埋め込むためのn型InP層とを含み、またn型InP層上には、誘電体分布ブラッグリフレクタ(DBR)が設けられている。高濃度p型半導体層及び高濃度n型半導体層を成長した後に、トンネル接合領域のメサは、マスクを用いてこれら2層の半導体層をエッチングして形成される。
N. Nishiyama et al., Electronics Letters, vol.39, no.5, pp.437-439, 2003.
非特許文献1に記載される面発光レーザでは、高濃度p型半導体層及び高濃度n型半導体層を成長した後に、マスクを用いてこれら2層の半導体層をエッチングして、トンネル接合領域のメサは形成されるので、トンネル接合領域のメサの高さは、2層の半導体層の厚さに等しい。従って、トンネル接合領域を覆うように成長されるn型InP半導体領域の表面には、メサの高さに対応した大きな段差が形成される。このn型InP半導体領域上に誘電体材料を積層することにより誘電体DBRが形成されるので、この段差により誘電体DBRと半導体表面との界面が曲がる。この曲がりによって、活性層からの光が散乱される。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、レーザ共振器における光の散乱を低減可能な構造を有する面発光半導体レーザを提供することを目的とし、この面発光半導体レーザを作製する方法を提供することを目的とする。
本発明に係る面発光半導体レーザは、n型半導体からなる第1の分布ブラッグリフレクタと、第1の分布ブラッグリフレクタ上に設けられた活性層と、活性層上に設けられ、第1のエリアと該第1のエリアを囲む第2のエリアとを含む主面を有するp型半導体スペーサ層と、p型半導体スペーサ層の第1のエリア上に設けられた高濃度p型半導体メサと、高濃度p型半導体メサの上面及び側面を覆うように、p型半導体スペーサ層の第1及び第2のエリア上に設けられた高濃度n型半導体層と、高濃度n型半導体層上に設けられた第1のn型半導体スペーサ層と、第1のn型半導体スペーサ層上に設けられた第2の分布ブラッグリフレクタとを備え、高濃度n型半導体層と高濃度p型半導体メサとはトンネル接合を成すことを特徴とする。
この面発光半導体レーザによれば、高濃度n型半導体層が、高濃度p型半導体メサの上面及び側面を覆う。この高濃度n型半導体層上に第1のn型半導体スペーサ層が設けられる。このため、第1のn型半導体スペーサ層の表面の段差は、高濃度p型半導体メサの高さに対応した程度の大きさになる。この第1のn型半導体スペーサ層上に第2の分布ブラッグリフレクタが設けられるので、第2の分布ブラッグリフレクタと第1のn型半導体スペーサ層との界面の曲がりは小さい。従って、レーザ共振器における光の散乱を低減できる。
また、本発明に係る面発光半導体レーザでは、高濃度n型半導体層は、p型半導体スペーサ層の第2のエリア上にも設けられる。活性層で発光した光は、主にp型半導体スペーサ層の第1のエリアを基板と垂直方向に伝播するが、一部の光はp型半導体スペーサ層の第2のエリアまで拡がり、この第2のエリアにおける半導体層の光吸収を低減する必要がある。一般に、高濃度に不純物がドープされた半導体層は、光吸収量が増加する傾向にある。しかし、n型半導体層に高濃度に不純物をドープした場合の光吸収の増加量は小さく、さらに、高濃度n型半導体層の厚みが比較的薄く形成されるため、p型半導体スペーサ層の第2のエリア上にこの高濃度n型半導体層も設けられていても、光吸収の増大の影響を小さくできる。
本発明に係る面発光半導体レーザでは、p型半導体スペーサ層は、第1の分布ブラッグリフレクタから第2の分布ブラッグリフレクタへ向かう軸上に位置する第1の領域と、第1の領域の周囲に設けられた第2の領域とを有しており、高濃度p型半導体メサは、第1の領域上に位置しており、第2の領域は、前記第1の領域の比抵抗よりも大きな比抵抗を有する。
この面発光半導体レーザによれば、第1の領域は、トンネル接合を通過する電流の経路になる。第2の領域は、この電流の経路を囲むように設けられている。この第2の領域の比抵抗は第1の領域の比抵抗よりも大きいので、面発光半導体レーザ素子全体として素子容量を低減できる。
本発明に係る面発光半導体レーザは、第2の領域は、水素及び酸素の少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。この面発光半導体レーザによれば、p型半導体スペーサ層の第2の領域への水素及び酸素のイオン注入により、第2の領域の高抵抗が実現される。
本発明に係る面発光半導体レーザは、高濃度p型半導体メサは、Ga元素及びAs元素を含む材料からなることが好ましい。また、本発明に係る面発光半導体レーザは、高濃度n型半導体層は、In元素、Ga元素及びAs元素を含む材料からなることが好ましい。さらに、本発明に係る面発光半導体レーザは、第1のn型半導体スペーサ層はGa元素と、As元素またはP元素を含む材料からなることが好ましい。
本発明に係る面発光半導体レーザを作製する方法は、第1の分布ブラッグリフレクタ上に設けられた活性層上に、第1のエリアと該第1のエリアを囲む第2のエリアとを含む主面を有するp型半導体スペーサ層を基板上に形成する工程と、p型半導体スペーサ層上に高濃度p型半導体層を成長する工程と、高濃度p型半導体層をエッチングすることにより、第1のエリア上に位置する高濃度p型半導体メサを形成する工程と、p型半導体スペーサ層上及び高濃度p型半導体メサ上に高濃度n型半導体層を成長する工程と、高濃度n型半導体層上に第1のn型半導体スペーサ層を成長する工程と、第1のn型半導体スペーサ層上に第2の分布ブラッグリフレクタを形成する工程とを備えることを特徴とする。
この方法によれば、高濃度p型半導体層をエッチングすることにより高濃度p型半導体メサを形成した後に、高濃度n型半導体層及び第1のn型半導体スペーサ層を順に成長する。このため、第1のn型半導体スペーサ層の表面には、高濃度p型半導体メサの高さに対応した小さな段差が形成される。第2の分布ブラッグリフレクタは、この小さな段差上に形成されるので、第2の分布ブラッグリフレクタと第1のn型半導体スペーサ層との界面の曲がりは小さい。従って、活性層からの光の散乱が低減される。
本発明に係る面発光半導体レーザを作製する方法は、高濃度n型半導体層を成長する工程の前、且つ高濃度p型半導体層を成長する工程の後に、基板の熱アニール処理を行うことを特徴とする。
この方法によれば、高濃度n型半導体層を成長する前に熱アニール処理を行うので、高濃度n型半導体層とp型半導体メサとの間のドーパントの相互拡散が起こらない。また、熱アニール処理によりp型半導体メサの活性化率を向上できる。
本発明に係る面発光半導体レーザを作製する方法は、高濃度n型半導体層を成長する工程の前に、高濃度p型半導体メサを覆うように、p型半導体スペーサ層上にマスクを形成する工程と、マスクを用いて、p型半導体スペーサ層に酸素及び水素の少なくともいずれか一方のイオン注入を行う工程とを更に備えることを特徴とする。
この方法によれば、トンネル接合を通過する電流の経路を囲む領域の比抵抗を、該電流の経路を含む領域の比抵抗より大きくできるので、素子容量が低減された面発光半導体レーザ素子が作製される。
本発明によれば、レーザ共振する光の散乱を低減可能な構造を有する面発光半導体レーザが提供され、また面発光半導体レーザを作製する方法が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の面発光半導体レーザに係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施の形態に係る面発光半導体レーザの構造を概略的に示す図面である。面発光半導体レーザ11は、第1の分布ブラッグリフレクタ(以下、「第1のDBR」と記す)13と、活性層15と、p型半導体スペーサ層17と、高濃度p型半導体メサ19と、高濃度n型半導体層21と、第1のn型半導体スペーサ層23と、第2の分布ブラッグリフレクタ(以下、「第2のDBR」と記す)25とを備える。
図2(a)は、図1に示す面発光半導体レーザのA−A線に沿う断面を示す図面である。図1及び図2(a)を参照しながら、面発光半導体レーザの構造を説明する。
第1のDBR13は、n型半導体基板27上に設けられている。n型半導体基板27は、例えばn型GaAs半導体といったIII−V化合物半導体からなる。第1のDBR13は、第1の半導体層13a及び第2の半導体層13bを含んでいる。これらの半導体層は交互に配列されており、例えば32対の半導体層が配列されている。第1の半導体層13aは、例えばn型GaAs半導体、n型AlGaAs半導体等であることができる。第2の半導体層13bは、例えばn型AlGaAs半導体、n型InGaP半導体等であることができる。
活性層15は、第1のDBR13上に設けられている。活性層15は、井戸層15a及び障壁層15bを含む量子井戸構造を有することができる。井戸層15aは、例えばノンドープInGaAs半導体、ノンドープGaInNAs半導体、ノンドープGaInNAsSb半導体等であることができる。障壁層15bは、例えばノンドープInGaAs半導体、ノンドープGaAs半導体、ノンドープGaAsP半導体、ノンドープGaNAs半導体等であることができる。
p型半導体スペーサ層17は、活性層15上に設けられており、第1のエリア17bと該第1のエリア17bを囲む第2のエリア17cとを含む主面17aを有する。p型半導体スペーサ層17は、例えばp型GaAs半導体、p型AlGaAs半導体、p型InGaP半導体等であることができる。p型半導体スペーサ層17の厚さは、例えば60nmであることができる。好ましくは、p型半導体スペーサ層17の厚さは、30nm以上であることができる。この場合、トンネル接合のない領域において、p型半導体スペーサ層17と高濃度n型半導体層21によるpn接合で電流ブロックが可能となる。また、p型半導体スペーサ層17の厚さは、1μm以下であることができる。p型半導体スペーサ層が厚すぎると、価電子間帯吸収による光吸収が大きくなり、レーザ特性を損なう。
高濃度p型半導体メサ19は、p型半導体スペーサ層17の主面17a上の第1のエリア17bに設けられている。高濃度p型半導体メサ19は、例えばp型InGaAs半導体、p型GaAs半導体、p型GaAsSb半導体等であることができ、この半導体のドーパント濃度N(正孔濃度)は、例えば1×1020cm−3であることができる。高濃度p型半導体メサ19の高さは、例えば10nmである。好ましくは、高濃度p型半導体メサ19の高さは、4nm以上であることができる。高濃度p型半導体メサ19の厚さが薄すぎると、トンネル接合の抵抗が高くなってしまう。また、高濃度p型半導体メサ19の高さは、30nm以下であることができる。トンネル接合を形成するには充分な厚さであり、これ以上膜厚を厚くすると、光吸収損失の増大によってレーザ特性を損なってしまう。
高濃度n型半導体層21は、高濃度p型半導体メサ19の上面及び側面を覆うように、p型半導体スペーサ層の第1のエリア17b及び第2のエリア17c上に設けられている。このため、高濃度n型半導体層21は、高濃度p型半導体メサ19上の領域と高濃度p型半導体メサ19上でない領域との間に第1の段差Sを有する。第1の段差Sの高さHは、高濃度p型半導体メサ19の高さHに対応する程度の高さを有する。高濃度n型半導体層21は、高濃度p型半導体メサ19とトンネルpn接合TJを形成する。また、p型半導体スペーサ層17の第2のエリア上において、高濃度n型半導体層21は、p型半導体スペーサ層17とpn接合Jを形成する。高濃度n型半導体層21は、例えばn型InGaAs半導体、n型GaAs半導体等であることができ、この半導体のドーパント濃度N(電子濃度)は、例えば5×1018cm−3であることができる。高濃度n型半導体層21の厚さTは、例えば15nmである。好ましくは、高濃度n型半導体層21の厚さTは、4nm以上であることができる。高濃度n型半導体層21の厚さが薄すぎると、トンネル接合の抵抗が高くなってしまう。また、高濃度n型半導体層21の厚さTは、30nm以下であることができる。トンネル接合を形成するには充分な厚さであり、これ以上膜厚を厚くすると、吸収損失の増大によってレーザ特性を損なってしまう。
なお、n型半導体基板27がn型GaAs基板である場合には、高濃度p型半導体メサ19及び高濃度n型半導体層21は、高濃度ドープのGaAs、GaAsSb、InGaAs、GaNAs、GaInP、InGaAsSb、AlGaInP、GaInAsP、GaInNAs及びGaInNAsSbのいずれかの半導体からなることができる。また、n型半導体基板27がn型InP基板である場合には、高濃度p型半導体メサ19及び高濃度n型半導体層21は、高濃度ドープのInP、InGaAs、AlGaInAs、GaInAsP、AlInAs及びAlGaAsSbのいずれかの半導体からなることができる。
第1のn型半導体スペーサ層23は、高濃度n型半導体層21上に設けられている。第1のn型半導体スペーサ層23は、第1の段差Sを有する高濃度n型半導体層21上に設けられるので、第1のn型半導体スペーサ層23は、高濃度p型半導体メサ19上の領域と高濃度p型半導体メサ19上でない領域との間に第2の段差Sを有する。第2の段差Sの高さHは、第1の段差Sの高さHに対応する程度の高さを有する。第1のn型半導体スペーサ層23は、例えばn型GaAs半導体、n型InGaP半導体等であることができる。第1のn型半導体スペーサ層23の厚さは、例えば90nmである。好ましくは、第1のn型半導体スペーサ層23の厚さは、λ/4nの整数倍(λ:発振波長、n:共振器の等価屈折率)であることができる。これによって、光吸収の大きいトンネル接合を、光強度の最小となる場所に設置することができる。また、第1のn型半導体スペーサ層23の厚さは、1μm以下であることができる。共振器が長くなると、しきい値の増大や高周波特性の劣化を招く。
第2のDBR25は、第1のn型半導体スペーサ層23上に設けられている。第2のDBR25は、第1の誘電体層25a及び第2の誘電体層25bを含んでいる。これらの誘電体層は交互に配列されている。第1の誘電体層25aは、例えば、SiO、Al、CaF等であることができる。第2の誘電体層25bは、例えばTiO、SiN、α−Si、ZnS、ZrO等であることができる。
図2(a)に示されるように、本実施の形態に係る面発光半導体レーザでは、高濃度p型半導体メサ19の上面及び側面を覆うように高濃度n型半導体層21が設けられ、この高濃度n型半導体層21上に第1のn型半導体スペーサ層23が設けられる。このため、高濃度n型半導体層21は、高濃度p型半導体メサ19上の領域と高濃度p型半導体メサ19上でない領域との間に第1の段差Sを有する。また、第1のn型半導体スペーサ層23は、高濃度p型半導体メサ19上の領域と高濃度p型半導体メサ19上でない領域との間に第2の段差Sを有する。第1の段差Sの高さHは、高濃度p型半導体メサ19の高さHに対応する程度の高さを有する。第2の段差Sの高さHは、第1の段差Sの高さHに対応する程度の高さを有する。従って、第2の段差Sの高さHは高濃度p型半導体メサ19の高さHに対応する程度であるので、第2の段差Sは小さい。第2のDBR25は、第2の段差Sを含む領域上に設けられるので、第2のDBR25と第1のn型半導体スペーサ層23との界面の曲がりは小さい。この結果、レーザ共振器における光の散乱を低減できる。
面発光半導体レーザ11は、第1のDBR13上に設けられた第2のn型半導体スペーサ層29を備えることができる。第2のn型半導体スペーサ層29は、例えばn型GaAs半導体、n型AlGaAs半導体、n型InGaP半導体等であることができる。第2のn型半導体スペーサ層29の厚さは、例えば40nmであることができる。
また、面発光半導体レーザ11は、コンタクト層31を備えることができる。コンタクト層31は、第1のn型半導体スペーサ層23上に設けられており、開口を有する。開口がない場合、コンタクト層による光吸収が生じるので、レーザ特性が損なわれる。コンタクト層31の該開口内及び第1のn型半導体スペーサ層23上には、第2のDBR25が設けられている。コンタクト層31は、例えばn型GaAs半導体、n型InGaAs半導体等であることができる。コンタクト層31の厚さは、例えば50nmであることができる。
また、本実施の形態に係る面発光半導体レーザでは、高濃度n型半導体層21は、p型半導体スペーサ層17の第2のエリア上にも設けられる。また、高濃度n型半導体層21の電子濃度Nは、高濃度p型半導体メサ19の正孔濃度Nよりも低い。ここで、電子濃度は、添加したn型不純物の中で電気的に活性な不純物濃度を表す。同様に、正孔濃度とは、添加したp型不純物の中で電気的に活性な不純物濃度を表す。GaAs系材料では、急峻なドーピングプロファイルの形成が可能なn型ドーパントを用いる場合、電子濃度を高めることが困難である。これは、一般に高濃度のドープしたn型不純物の活性化率が小さいためである。従って、トンネル接合を低抵抗化するためには電子濃度および正孔濃度を高める必要があるが、n型半導体層における電子濃度があまり高められないため、正孔濃度をできるだけ高くするように形成される。高濃度n型半導体層21の電子濃度Nは高濃度p型半導体メサ19の正孔濃度Nより低くなるように形成される。例えば、高濃度n型半導体層21に、n型不純物としてシリコン(Si)を5x1019cm−3ドープしたときの電子濃度Nは5x1018cm−3である。また、高濃度p型半導体メサ19にp型不純物としてカーボン(C)を1x1020cm−3ドープしたときの正孔濃度Nは、9x1019cm−3である。n型半導体層における光吸収(主に自由電子吸収による)は、n型不純物が高濃度にドープされてもその光吸収の増加量は小さいため、レーザ共振器内に高濃度n型半導体層21が設けられても、レーザ光の吸収損失を抑制できる。また、高濃度n型半導体層21の電子濃度Nは高濃度p型半導体メサ19の正孔濃度Nより低いので、p型半導体スペーサ層17と高濃度n型半導体層21とのpn接合の空乏層は、高濃度n型半導体層21に伸びる。従って、素子容量の増大を抑制できる。
図2(b)は、図1に示す面発光半導体レーザのA−A線に沿う断面を示す図面である。p型半導体スペーサ層17は、第1のDBR13から第2のDBR25へ向かう軸Ax上に位置する第1の領域35と、第1の領域35の周囲に設けられた第2の領域37とを有することができる。また、p型半導体スペーサ層17、活性層15及び第2のn型半導体スペーサ層29は、第1の領域35を含み、活性層15及び第2のn型半導体スペーサ層29を横切るように設けられた第3の領域35aと、第3の領域35aを囲むように設けられた第4の領域37aを有することができる。第2の領域37は、第1の領域35の比抵抗よりも大きな比抵抗を有することができる。大きな比抵抗は、例えば第4の領域37aに対するイオン注入により実現されることが好ましい。注入されるイオンは、例えば水素イオン、酸素イオン等であることができる。
本実施の形態に係る面発光半導体レーザによれば、p型半導体スペーサ層17の第2の領域37の比抵抗が、レーザ共振器内に位置する第1の領域35の比抵抗よりも大きい。従って、面発光半導体レーザ素子全体として素子容量を低減できる。第2の領域はイオン注入によって半絶縁層となるため、pn接合によって生じていた容量を低減することができる。
図1及び図2(a)に示されるように、面発光半導体レーザ11は、コンタクト層31上に設けられた第1の電極(例えば、アノード)33aと、基板27の裏面27b上に設けられた第2の電極(例えば、カソード)33bとを含むことができる。
次いで、図3及び図4を参照しながら、本実施の形態に係る面発光半導体レーザを作製する方法の工程の一例を説明する。
図3(a)に示されるように、n型GaAs基板57上に、第1のDBR43を形成する。第1のDBR43は、例えば、32対のSi添加のGaAs/Al0.9Ga0.1Asからなる半導体層である。第2のn型半導体スペーサ層59は、第1のDBR43上に成長される。第2のn型半導体スペーサ層59は、例えばSi添加のn型GaAs半導体からなり、第2のn型半導体スペーサ層59の厚さは、例えば50nmである。活性層45は、第2のn型半導体スペーサ層59上に成長される。活性層45は、例えば3層のIn0.2Ga0.8As井戸層を含む。p型半導体スペーサ層47は、活性層45上に成長される。p型半導体スペーサ層47は、例えばC添加のp型GaAs半導体からなり、p型半導体スペーサ層47の厚さは、例えば50nmである。高濃度p型半導体メサのための高濃度p型半導体層49aは、p型半導体スペーサ層47上に成長される。高濃度p型半導体層49aは、例えば高濃度C添加のp++型InGaAs半導体からなり、高濃度p型半導体層49aの正孔濃度は、例えば1×1020cm−3であり、高濃度p型半導体層49aの厚さは、例えば15nmである。これらの半導体層をMOVEP法で順に成長して、エピタキシャル基板E1が作製される。
エピタキシャル基板E1をリアクタから取り出した後に、図3(b)に示されるように、フォトリソグラフィによってマスクを形成する。マスクは、例えば円形であり、マスクの直径は、例えば5μmである。マスクを用いてウェットエッチングにより高濃度p型半導体層49aを除去して、第1のエリア47c上に高濃度p型半導体メサ49を形成する。高濃度p型半導体メサ49の直径は、例えば5μmである。
ウエハを洗浄した後に、再びリアクタにウエハを投入する。半導体層の再成長の前に、高濃度p型半導体メサ49の熱アニール処理を行う。熱アニール処理は、例えば水素雰囲気中で行われ、処理温度は例えば600℃であり、処理時間は例えば30分間である。なお、この熱アニール処理は、高濃度p型半導体層49aをMOVEP法で成長した後に、この高濃度p型半導体層49aに対して行われても良い。図3(c)に示されるように、熱アニール処理の後に、高濃度n型半導体層51は、p型半導体スペーサ層47上及び高濃度p型半導体メサ49上に成長される。高濃度n型半導体層51は、例えば高濃度Si添加のn++型InGaAs半導体からなり、高濃度n型半導体層51の厚さは、例えば15nmである。第1のn型半導体スペーサ層53は、高濃度n型半導体層51上に成長される。第1のn型半導体スペーサ層53は、例えばSi添加のn型GaAs半導体からなり、第1のn型半導体スペーサ層53の厚さは、例えば200nmである。コンタクト半導体層61aは、第1のn型半導体スペーサ層53上に成長される。コンタクト半導体層61aは、例えばSi添加のn型GaAs半導体からなり、コンタクト半導体層61aの厚さは、例えば50nmである。
図3(d)に示されるように、コンタクト半導体層61aをウェットエッチングにより除去して、開口61bを有するコンタクト層61を形成する。開口61bは、共振器メサが形成されるエリア上に位置する。
コンタクト層61を形成した後に、図4(a)に示されるように、第1の電極(アノード)63a及び第2の電極(カソード)63bを蒸着により形成する。
図4(b)に示されるように、第2のDBR55のための誘電体積層55aを形成する。誘電体積層55aは、交互に配置された第1の誘電体層及び第2の誘電体層を含む。誘電体積層55aは、例えばSiO/TiOからなる。
次いで、図4(c)に示されるように、誘電体積層55aの一部をリフトオフにより除去して、コンタクト層61の開口61b内に第2のDBR55を形成する。
本実施の形態に係る面発光半導体レーザを作製する方法によれば、高濃度p型半導体層49aをエッチングすることにより高濃度p型半導体メサ49を形成した後に、高濃度n型半導体層51及び第1のn型半導体スペーサ層53を順に成長する。このため、高濃度n型半導体層51の表面には高濃度p型半導体メサ49の高さに対応した段差が形成されると共に、第1のn型半導体スペーサ層53の表面には、高濃度n型半導体層51に形成された段差の高さに対応した段差が形成される。従って、第1のn型半導体スペーサ層53の表面に形成される段差Sは、高濃度p型半導体メサ49の段差に起因しているので、この段差Sは小さい。第2のDBR55は、第1のn型半導体スペーサ層53上における、この小さな段差Sを含む領域上に形成されるので、第2のDBR55と第1のn型半導体スペーサ層53との界面の曲がりは小さい。従って、レーザ共振器における光の散乱を低減できる面発光半導体レーザが作製される。
また、高濃度n型半導体層51は、高濃度p型半導体メサ49の上面及び側面を覆うようにp型半導体スペーサ層47上に成長される。この高濃度n型半導体層51の電子濃度Nは高濃度p型半導体メサ49の正孔濃度Nより低くできるので、レーザ共振器内の高濃度p型半導体メサ49上以外のエリア上に高濃度n型半導体層51が成長されても、レーザ光の吸収損失を抑制できる。n型半導体層における光吸収は、n型不純物が高濃度にドープされてもその光吸収の増加量は小さいため、レーザ共振器内に高濃度n型半導体層51が設けられても、レーザ光の吸収損失が低減される。
また、高濃度n型半導体層51の電子濃度Nは高濃度p型半導体メサ49の正孔濃度Nより低いので、p型半導体スペーサ層47と高濃度n型半導体層51とのpn接合の空乏層は高濃度n型半導体層51に広がる。従って、素子容量の増大を抑制できる。
さらに、本実施の形態に係る面発光半導体レーザを作製する方法によれば、高濃度n型半導体層51を成長する工程の前に、高濃度p型半導体メサ49の熱アニール処理を行うので、高濃度p型半導体メサ49と高濃度n型半導体層51とのpn接合を形成する前に熱アニール処理を行うことができる。従って、ドーパントの相互拡散に起因するトンネル接合の抵抗増加を抑制できると共に、高濃度p型半導体メサ49の活性化率を向上できる。なお、高濃度p型半導体メサ49を形成する工程の前に、高濃度p型半導体層49aに対して熱アニール処理を行っても同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態に係る面発光半導体レーザを作製する方法は、イオン注入の工程を含むことができる。図5(a)に示されるように、高濃度p型半導体メサ49を形成した後に、フォトリソグラフィによってイオン注入のためのマスク67eを高濃度p型半導体メサ49の上面及び側面を覆うようにp型半導体スペーサ層47上に形成する。このマスクは、例えばレジストマスクである。例えば、以下に示す条件でイオン注入を行うことができる。
イオン種:水素イオン
注入加速エネルギー:100keV
ドーズ量:1×1015cm−2
図5(b)に示されるように、p型半導体スペーサ層47は第1の領域47aと第1の領域47aを囲むように設けられる第2の領域47bを有することができる。また、p型半導体スペーサ層47、活性層45及び第2のn型半導体スペーサ層59は、これらの層を横切るように設けられ且つ第1の領域47aを含む第3の領域67aと、第3の領域67aを囲むように設けられる第4の領域67bを有することができる。上記条件のイオン注入により、水素イオンは、p型半導体スペーサ層47の表面から約500nmの深さまで到達するので、水素イオンは第4の領域67bに注入される。この注入により、p型半導体スペーサ層47の第2の領域47bの比抵抗は、第1の領域47aの比抵抗より大きくなる。なお、イオン種は、水素イオンに替えて、酸素イオンであってもよい。イオン注入の工程の後に、高濃度p型半導体メサ49の熱アニール処理の工程を行うことができる。
本実施の形態に係る面発光半導体レーザを作成する方法によれば、p型半導体スペーサ層47の第2の領域47bの比抵抗を、第1の領域47aの比抵抗より大きくできる。さらに、第2の領域はイオン注入によって半絶縁層となるため、pn接合によって生じていた容量を低減することができるので、面発光半導体レーザ素子全体として素子容量を低減できる。
本実施の形態に係る面発光半導体レーザ(以下、「半導体レーザA」と記す)との比較のために、図6(a)及び図6(b)に示される構造の面発光半導体レーザを作製した。半導体レーザAは、図2(a)に示される。半導体レーザAの構造は、以下に示される。なお、半導体レーザAは、イオン注入の工程を経ずに作製された。
n型半導体基板27:n型GaAs基板
第1のDBR13:Si添加のGaAs/Al0.9Ga0.1As、32対
第2のn型半導体スペーサ層29:Si添加のn型GaAs、厚さ50nm活性層15:In0.2Ga0.8As井戸層、3層
p型半導体スペーサ層17:C添加のp型GaAs、厚さ50nm
高濃度p型半導体メサ19:高濃度C添加のp++型InGaAs、正孔濃度1×1020cm−3、厚さ15nm
高濃度p型半導体メサ19の熱アニール処理条件:600℃、30分間、水素雰囲気
高濃度n型半導体層21:高濃度Si添加のn++型InGaAs、厚さ15nm、電子濃度5×1018cm−3
第1のn型半導体スペーサ層23:Si添加のn型GaAs、厚さ200nm
コンタクト層31:Si添加のn型GaAs、厚さ50nm
第2のDBR25:SiO/TiO、7対
図6(a)に示す面発光半導体レーザ(以下、「比較例A」と記す)では、トンネル接合メサ77は、高濃度p型半導体メサ69及び高濃度n型半導体メサ71を含む。高濃度p型半導体メサ69と高濃度n型半導体メサ71との間には、トンネルpn接合TJが形成される。比較例Aの作製において、高濃度p型半導体メサ69を形成した後、高濃度n型半導体メサ71を形成する工程の前に、高濃度p型半導体メサ69を熱アニール処理する工程は行われていない。比較例Aの構造は、以下に示される。
n型半導体基板20:n型GaAs基板
第1のDBR12:Si添加のGaAs/Al0.9Ga0.1As、32対
第2のn型半導体スペーサ層14:Si添加のn型GaAs、厚さ50nm活性層16:In0.2Ga0.8As井戸層、3層
p型半導体スペーサ層18:C添加のp型GaAs、厚さ50nm
高濃度p型半導体メサ69:高濃度C添加のp++型InGaAs、正孔濃度1×1020cm−3、厚さ15nm
高濃度n型半導体メサ71:高濃度Si添加のn++型InGaAs、厚さ15nm、電子濃度5×1018cm−3
第1のn型半導体スペーサ層73:Si添加のn型GaAs、厚さ200nm
コンタクト層22:Si添加のn型GaAs、厚さ50nm
第2のDBR75:SiO/TiO、7対
図6(b)に示す面発光半導体レーザ(以下、「比較例B」と記す)では、トンネルpn接合TJは、高濃度p型半導体層79と高濃度n型半導体メサ81とにより形成される。比較例Bの作製において、高濃度p型半導体層79を形成した後、高濃度n型半導体メサ81を形成する工程の前に、高濃度p型半導体層79を熱アニール処理する工程は行われていない。比較例Bの構造は、以下に示される。
n型半導体基板40:n型GaAs基板
第1のDBR32:Si添加のGaAs/Al0.9Ga0.1As、32対
第2のn型半導体スペーサ層34:Si添加のn型GaAs、厚さ50nm活性層36:In0.2Ga0.8As井戸層、3層
p型半導体スペーサ層38:C添加のp型GaAs、厚さ50nm
高濃度p型半導体層79:高濃度C添加のp++型InGaAs、正孔濃度1×1020cm−3、厚さ15nm
高濃度n型半導体メサ81:高濃度Si添加のn++型InGaAs、厚さ15nm、電子濃度5×1018cm−3
第1のn型半導体スペーサ層83:Si添加のn型GaAs、厚さ200nm
コンタクト層42:Si添加のn型GaAs、厚さ50nm
第2のDBR46:SiO/TiO、7対
半導体レーザA、比較例A及び比較例Bの、室温におけるレーザ発振の閾値、最大光出力及び電流値10mAにおける微分抵抗を測定した。測定した結果は、以下に示される。
半導体レーザA:閾値 0.4mA、最大光出力 3.2mW、微分抵抗 45ohm
比較例A:閾値 0.8mA、最大光出力 2.7mW、微分抵抗 60ohm
比較例B:閾値 0.9mA、最大光出力 2.6mW、微分抵抗 60ohm
比較例Aの閾値は半導体レーザAの閾値より大きく、比較例Aの最大光出力は半導体レーザAの最大光出力より小さい。比較例Aにおいて、第1のn型半導体スペーサ層73はトンネル接合メサ77を埋め込むように成長されるので、第1のn型半導体スペーサ層73は、トンネル接合メサ77上の領域とトンネル接合メサ77上でない領域との間に第3の段差Sを有する。第3の段差Sの高さHは、トンネル接合メサ77の高さHに対応する程度の高さを有するので、第3の段差Sの高さHは、高濃度p型半導体メサ69及び高濃度n型半導体メサ71の2層分の高さHに対応する。一方、第2の段差Sの高さHは、高濃度p型半導体メサ19の1層分の高さHに対応する。従って、第3の段差Sの高さHは、第2の段差Sの高さHよりも高い。大きな第3の段差Sを含む領域上に第2のDBR75が形成されるので、n型半導体スペーサ層73と第2のDBR75との界面の曲がりは大きい。この界面の曲がりは、レーザ共振器における光の散乱を増加させる。光の散乱の増加は、レーザ発振の閾値を増加させ、且つ最大光出力を減少させる。
比較例Bの閾値は半導体レーザAの閾値より大きく、比較例Bの最大光出力は半導体レーザAの最大光出力より小さい。比較例Bにおいて、高濃度p型半導体層79がレーザ共振器内に存在する。一般に、n型の不純物をドープしたときの光吸収は自由電子吸収が支配的であり、一方、p型の不純物をドープしたときの光吸収は価電子帯間吸収が支配的である。また、自由電子吸収による光吸収は、価電子帯間吸収により光吸収より、その光吸収量が小さい。従い、高濃度p型半導体層79がレーザ共振器内に存在することにより、高濃度n型半導体層が共振器内に存在する場合に比較して、光吸収は増大する。さらに、高濃度p型半導体層79の正孔濃度は高濃度n型半導体メサ81の電子濃度に比較して大きいので、さらに光吸収が増加し、高濃度p型半導体層79の存在に起因してレーザ光の光吸収損失が増加する。レーザ光の光吸収損失は、レーザ発振の閾値を増加させ、且つ最大光出力を減少させる。
半導体レーザAの微分抵抗は、比較例A及び比較例Bの微分抵抗より小さい。半導体レーザAにおいて、高濃度p型半導体メサ19は、高濃度n型半導体層21を成長する前に、熱アニール処理される。このため、高濃度p型半導体メサ19のドーパント活性化率は、比較例A及び比較例Bに比して大きい。また、高濃度n型半導体層21を成長する前に、熱アニール処理されるので、高濃度p型半導体メサ19と高濃度n型半導体層21との間で、ドーパントの相互拡散は起こらない。ドーパント活性化率の増加は、微分抵抗を減少させる。
また、図2(b)に示される、本実施の形態に係る面発光半導体レーザ(以下、「半導体レーザB」と記す)は、第4の領域37aへのイオン注入の工程を経て作製された。イオン注入は、以下に示す条件により行われた。
イオン種:水素イオン
注入加速エネルギー:100keV
ドーズ量:1×1015cm−2
半導体レーザA、半導体レーザB、比較例A及び比較例Bの素子パラメータS11を抽出した。抽出した結果は、以下に示されるとおりである。
半導体レーザA:0.4pF
半導体レーザB:0.2pF
比較例A:0.4pF
比較例B:0.5pF
半導体レーザBの素子容量は、半導体レーザAの素子容量に比して小さい。半導体レーザBでは、第4の領域37aに水素イオンが注入されるので、p型半導体スペーサ層17の第2の領域37の比抵抗は、第1の領域35の比抵抗よりも大きくなる。さらに、第2の領域はイオン注入によって半絶縁層となるため、pn接合によって生じていた容量を低減することができるので、半導体レーザBの素子容量が低減される。
半導体レーザAの素子容量は、比較例A及び比較例Bの素子容量に比して増加していない。半導体レーザAにおいて、高濃度n型半導体層21がレーザ共振器内に存在するけれども、高濃度n型半導体層21のドーパント濃度は高濃度p型半導体メサ19のドーパント濃度より小さいので、高濃度n型半導体層21とp型半導体スペーサ層17との界面近傍に形成される空乏層は高濃度n型半導体層21に広がる。故に素子容量の増加が抑制される。
比較例Bの素子容量は、半導体レーザA及び比較例Aの素子容量に比して大きい。比較例Bでは、高濃度p型半導体層79のドーパント濃度は高濃度n型半導体メサ81のドーパント濃度より大きいので、高濃度p型半導体層79とn型半導体スペーサ層83との界面近傍に形成される空乏層が薄くなる。故に素子容量が増加される。
図1は、本発明の実施の形態に係る面発光半導体レーザの構造を概略的に示す図である。 図2(a)及び図2(b)は、図1の所定の軸Axに沿う断面図である。 図3(a)、図3(b)、図3(c)及び図3(d)は、面発光半導体レーザの作製工程を示す図である。 図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、面発光半導体レーザの作製工程を示す図である。 図5(a)及び図5(b)は、面発光半導体レーザの作製工程を示す図である。 図6(a)及び図6(b)は、面発光半導体レーザの比較例の構造を概略的に示す図である。
符号の説明
11 面発光半導体レーザ、13,43…第1のDBR、15,45…活性層、17,47…p型半導体スペーサ層、19,49…高濃度p型半導体メサ、21,51…高濃度n型半導体層、23,53…第1のn型半導体スペーサ層、25,55…第2のDBR、27,57…n型半導体基板、29,59…第2のn型半導体スペーサ層、31,61…コンタクト層、17b…第1のエリア、17c…第2のエリア。

Claims (2)

  1. 面発光半導体レーザを作製する方法であって、
    第1の分布ブラッグリフレクタ上に設けられた活性層上に、第1のエリアと該第1のエリアを囲む第2のエリアとを含む主面を有するp型半導体スペーサ層を基板上に形成する工程と、
    前記p型半導体スペーサ層上に高濃度p型半導体層を成長する工程と、
    前記高濃度p型半導体層をエッチングすることにより、前記第1のエリア上に位置する高濃度p型半導体メサを形成する工程と、
    前記p型半導体スペーサ層上及び前記p型半導体メサ上に高濃度n型半導体層を成長する工程と、
    前記高濃度n型半導体層上に第1のn型半導体スペーサ層を成長する工程と、
    前記第1のn型半導体スペーサ層上に第2の分布ブラッグリフレクタを形成する工程と、を有し、
    前記高濃度n型半導体層を成長する工程の前、且つ前記高濃度p型半導体層を成長する工程の後に、前記基板の熱アニール処理を行う、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記高濃度n型半導体層を成長する工程の前に、
    前記p型半導体メサを覆うように、前記p型半導体スペーサ層上にマスクを形成する工程と、
    前記マスクを用いて、前記p型半導体スペーサ層に酸素及び水素の少なくともいずれか一方のイオン注入を行う工程と
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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