JP5161638B2 - 車両用冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用冷却装置に関する。
車両には、駆動による発熱を冷却するラジエータを有する冷却装置が備わり、例えば燃料電池車両には、駆動モータや変速機などの駆動ユニットを冷却するための駆動ユニット用ラジエータ、燃料電池(Fuel Cell)を冷却するための燃料電池用ラジエータ、及びエアコンディション用の空調用ラジエータを有する冷却装置が備わる。
冷却装置を構成するラジエータは、例えば冷媒が通流するチューブと、チューブに備わる放熱用フィンからなり、放熱用フィンの間に、車両の走行によって発生する走行風を通過させて、チューブを通流する冷媒を冷却するように構成される。以下、ラジエータにおいて、走行風が当たる面を放熱面と称する。
各ラジエータは、例えば車両の前方に形成されるパワープラント収容室(エンジン室など)に備えられ、車両の前方に備わるフロントグリルに開口する導風口からパワープラント収容室に取り込まれる走行風が、ラジエータを通過するように構成される。さらに、ラジエータの後方にファンシュラウドと電動ファンを備えて、パワープラント収容室に強制的に外気を取り込んで走行風と合流させ、ラジエータを通過する走行風の通過量を多くすることで、各ラジエータの冷却効率を向上している。
そして、複数のラジエータを車両の前後方向に沿って重ねて配置し、冷却装置の配置スペースを小さくする技術が例えば特許文献1に開示されている。
特開2006−327325号公報(図1参照)
しかしながら、例えば特許文献1に開示される技術では、パワープラント収容室に車両の前方から取り込まれる走行風は、ラジエータを重ねることによって通過圧損が増大するため、重ねたラジエータを走行風が効率よく通過できず、走行風だけでは、重ねたラジエータを効率よく冷却できないという問題がある。
そして、走行風によるラジエータの冷却を補助するため、大口径ファンを大出力モータで駆動する電動ファンをラジエータの後方に備えて外気を取り込み走行風に合流させるように構成すると、重量の増加、及び消費電力の増加に伴って、車両の燃費が悪化するという問題がある。
また、電動ファンが停止しているときは、電動ファンが抵抗となって走行風を効率よくパワープラント収容室に取り込めないという問題がある。
このように、ラジエータを重ねて配置した場合に、走行風を効率よく利用できないという問題がある。
そこで、本発明は、車両の燃費を低下させることなく、走行風を効率よく利用可能な、車両用冷却装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、車両に搭載されるとともに、前記車両の前方から後方に向かって通風する走行風に対して略垂直に起立する複数のラジエータが、前記走行風の通風方向に直列に配置される車両用冷却装置であって、前記複数のラジエータは、少なくとも一部が、前記走行風の上流から見て相互に重なり、前記複数のラジエータのうち、最前の第1ラジエータの後方に配置される第2ラジエータの少なくとも一部は、前記第1ラジエータより下方に突出して前記走行風の上流に臨み、前記第1ラジエータの面方向の面積は、前記第2ラジエータより小さく、前記第1ラジエータは、前記走行風の上流から見て、全面が前記第2ラジエータと重なり、前記複数のラジエータの後方に、上下方向の長さが前記第2ラジエータの放熱面の上下方向の長さよりも短く形成されて前記第1ラジエータに対応して配置されたファンシュラウドと、前記ファンシュラウドと一体に配置されたラジエータファンと、を備えていることを特徴とした。
係るこの発明によると、走行風の通風方向に対して起立し、かつ、走行風の上流から見て少なくとも一部が相互に重なって車両に備わる複数のラジエータのうち、最前の第1ラジエータの後方に配置される第2ラジエータの一部に、走行風を直接当てることができる。この走行風は、最前の第1ラジエータを通過していないことから温度が低く、第2ラジエータを効率よく冷却できる。
また、係るこの発明によると、第1ラジエータの下方で第2ラジエータが走行風の上流に臨み、走行風を直接当てることができる。
また、係るこの発明によると、前記走行風の上流から見て、第1ラジエータの全面を第2ラジエータと重ねることができる。
また、係るこの発明によると、ラジエータファンが吸い込む外気を走行風に合流させ、第1ラジエータに供給できる。
また、本発明は、前記ファンシュラウドの上下左右方向の長さが、前記第1ラジエータの放熱面の上下左右方向の長さと同じであることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数のラジエータの前方に備わるフロントグリルに、前記第2ラジエータの一部が前記第1ラジエータより下方に突出している下部領域に前記走行風を供給するための導風口が、前記下部領域の位置に対応して形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記フロントグリルに、前記導風口から取り込まれる前記走行風を前記下部領域に案内する整流板が備わっていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第2ラジエータは、上部に配置される上部タンクと、下部に配置される下部タンクと、上下に沿って配管されて前記上部タンクと前記下部タンクとを接続し、冷媒が通流する複数のチューブと、を備え、前記冷媒は、前記複数のチューブを下向きに流れることを特徴とした。
係るこの発明によると、第2ラジエータは、冷媒を上部タンクから下部タンクに向けて下向きに通流させることができる。
また、本発明は、前記車両のアンダカバーには、前記複数のラジエータの少なくとも1つを通過して前記車両の内部に取り込まれる前記走行風を外部に排出する排出口が形成されていることを特徴とした。
係るこの発明によると、複数のラジエータの少なくとも1つを通過して車両の内部に取り込まれる走行風を排出口から排出でき、効率よく走行風が複数のラジエータを通過できる。
また、本発明は、前記複数のラジエータの後方には、タイヤハウスを形成するインナフェンダが備わり、前記インナフェンダには、前記複数のラジエータの少なくとも1つを通過して前記車両の内部に取り込まれる前記走行風を外部に排出する排出口が形成されていることを特徴とした。
係るこの発明によると、複数のラジエータの少なくとも1つを通過して車両の内部に取り込まれる走行風をインナフェンダを介してタイヤハウスから排出でき、効率よく走行風が複数のラジエータを通過できる。
また、本発明は、前記車両は、駆動輪を駆動する駆動ユニットと、車室の温度調節をする空調装置と、を備え、前記第1ラジエータは、前記空調装置を経由する冷媒を冷却する空調用ラジエータであり、前記第2ラジエータは、前記駆動ユニットを経由する冷媒を冷却する駆動ユニット用ラジエータであることを特徴とした。
係るこの発明によると、空調用ラジエータを最前に配置し、駆動ユニット用ラジエータを空調用ラジエータの後方に配置することで、駆動ユニット用ラジエータの一部を、走行風の上流に臨ませることができる。
また、本発明は、前記車両は、燃料電池を備える燃料電池車両であり、前記第2ラジエータの後方には、前記複数のラジエータを構成するとともに、前記燃料電池を経由する冷媒を冷却する燃料電池用ラジエータが配置されていることを特徴とした。
係るこの発明によると、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用冷却装置を燃料電池車両に適用することができ、燃料電池用ラジエータを、第2ラジエータの後方に配置することができる。
また、本発明は、前記燃料電池用ラジエータは、上部に配置される燃料電池用上部タンクと、下部に配置される燃料電池用下部タンクと、上下に沿って配管されて前記燃料電池用上部タンクと前記燃料電池用下部タンクとを接続し、前記燃料電池を経由する冷媒が通流する複数の燃料電池用チューブと、を備え、前記燃料電池を経由する冷媒は、前記複数の燃料電池用チューブを下向きに流れることを特徴とした。
係るこの発明によると、燃料電池用ラジエータは、冷媒を燃料電池用上部タンクから燃料電池用下部タンクに向けて下向きに通流させることができる。
また、本発明は、前記燃料電池と、前記燃料電池に空気を供給するエアポンプを接続する空気供給配管の少なくとも一部は、前記第2ラジエータが前記走行風の上流に臨んでいる部分の後方であって、前記燃料電池用ラジエータの後方に配管されることを特徴とした。
係るこの発明によると、空調用ラジエータを通過しない走行風によって、燃料電池に空気を供給するエアポンプから吐出された空気を冷却することができる。
本発明によれば、車両の燃費を悪化させることなく、走行風を効率よく利用可能な、車両用冷却装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、燃料電池車両を例に、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る燃料電池車両の模式図である。本実施形態に係る燃料電池車両(車両)10は、車室11の空調(例えば冷房又は暖房)を行う空調装置12を備えるとともに、車体後部に水素タンク21、及び高圧バッテリ(蓄電池)22を備える。さらに、燃料電池車両10は、車体中央の床下に燃料電池23を備え、前方のパワープラント収容室13に、燃料電池車両10の駆動輪である前輪28を駆動する駆動モータ24、エアポンプ25及び冷却装置26を備えている。
なお、本実施形態において、図1に示すように燃料電池車両10の前方(Fr)、及び後方(Rr)を設定する。
燃料電池23は、固体高分子型の単セルを複数枚積層したスタックからなり、エアポンプ25によって空気が供給されるとともに、水素タンク21から水素が供給されることにより、空気中の酸素と水素を電気化学反応させることで電力を発生させるものであり、例えばシステムボックス(燃料電池ケース)27に内蔵される。燃料電池23によって発電した電力の一部は一時的に高圧バッテリ22に蓄えられ、燃料電池23の出力が不足するときなどに、高圧バッテリ22から駆動モータ24等に電力が供給される。
駆動モータ24は、燃料電池23や高圧バッテリ22の電力を受けて駆動輪である前輪28を駆動し、燃料電池車両10の走行用動力を発生する電動モータであり、図示しない変速機を備える。
なお、図1に示す水素タンク21、燃料電池23、高圧バッテリ22の配置は限定されるものではない。
また、燃料電池車両10には後輪29が備わるが、後輪29を駆動輪とする構成であってもよい。
パワープラント収容室13の前方には、空調用ラジエータ(以下、ACラジエータと称する)52、駆動ユニット用ラジエータ(以下、DT(ドライブトレイン)ラジエータと称する)41、及び燃料電池用ラジエータ(以下、FCラジエータと称する)31が、燃料電池車両10の前方の側からこの順に、前後方向に直列に備わり、FCラジエータ31の後方に、ラジエータファン61が配置される。すなわち、燃料電池車両10の車体前方に形成されるパワープラント収容室13の前方に、放熱面55aが起立するようにACラジエータ52が備わり、ACラジエータ52の後方には、放熱面45aが起立するようにDTラジエータ41が備わる。さらに、DTラジエータ41の後方には、放熱面35aが起立するようにFCラジエータ31が備わる。そして、FCラジエータ31の後方には、ファンの回転面がFCラジエータ31の放熱面35aと略平行になるように、ラジエータファン61が備わる。
そして、ACラジエータ52は最前面に配置されることから、請求項に記載の第1ラジエータであり、DTラジエータ41はACラジエータ52の後方に配置されることから、請求項に記載の第2ラジエータである。
以下、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31をまとめてラジエータRadと称する場合がある。
燃料電池車両10の前方には、例えば上下に配置される2つの導風口81b、81bが開口し、走行風Airやラジエータファン61によって吸い込まれる外気をパワープラント収容室13に取り込むように構成される。
走行風Airは、燃料電池車両10の走行によって発生し、導風口81bからパワープラント収容室13に向かって取り込まれ、その主な通風方向は燃料電池車両10の前後方向になる。
したがって、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31は、燃料電池車両10の前後方向に通風する走行風Airに対して、放熱面55a、45a、35aが起立して備わる。さらに、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31は通風方向に直列に配置され、走行風Airの上流から見て、放熱面55a、45a、35aの少なくとも一部が相互に重なっている。
図2は、本実施形態に係る燃料電池車両の冷却装置の系統図である。図2に示すように、冷却装置26は、燃料電池23を冷媒で冷却するFC冷却ライン30と、駆動モータ24や図示しない変速機を含んだ駆動ユニットを冷媒で冷却するDT冷却ライン40と、空調装置12の冷媒を冷却するAC冷却ライン50と、ラジエータファン61を含んでなる。これらの冷却ライン30、40、50は互いに独立している。冷媒は例えば冷却水である。
FC冷却ライン30は、燃料電池23とFCラジエータ31との間を、冷媒が循環可能にFC冷却配管32で接続した系統であり、冷媒を循環させるFC冷却ポンプ33を備える。
FCラジエータ31は、燃料電池23の放熱を、燃料電池23を経由してFC冷却配管32を通流する冷媒を介して外気と熱交換して大気に放出する機能を有する。
DT冷却ライン40は、駆動モータ24を含んだ駆動ユニットとDTラジエータ41との間を、冷媒が循環可能にDT冷却配管42で接続した系統であり、冷媒を循環させるDT冷却ポンプ43を備える。DTラジエータ41は、駆動モータ24や図示しない変速機を含んだ駆動ユニットの放熱を、駆動ユニットを経由してDT冷却配管42を通流する冷媒を介して外気と熱交換して大気に放出する機能を有する。
AC冷却ライン50は、空調装置12に内蔵された、図示しないエバポレータとコンプレッサ51とACラジエータ52との間を、空調装置12を経由する冷媒が循環可能にAC冷却配管53で接続した、一般的な蒸気圧縮式冷凍方式の冷房系統である。ACラジエータ52は、コンプレッサ51で圧縮された高温高圧のガス状の冷媒と熱交換することで、AC冷却配管53を通流する冷媒からの放熱を大気に放出する機能を有する。なお、ACラジエータ52は、二酸化炭素(CO)を冷媒とした空調装置12にも適用できる。
ラジエータファン61は、外気を強制的にパワープラント収容室13(図1参照)に取り込む機能を有するファンである。
通常状態において、燃料電池23の運転温度(放熱温度)TFCは80〜95℃前後であり、駆動モータ24を含んだ駆動ユニットの運転温度TDTは60〜70℃である。
また、冷房動作時の空調装置12において、コンプレッサ51の運転温度TACは50〜55℃である。
このように、燃料電池23の運転温度TFCは、駆動モータ24を含んだ駆動ユニットの運転温度TDTよりも高温になり、駆動ユニットの運転温度TDTは、空調装置12のコンプレッサ51の運転温度TACよりも高温になる。
冷却装置26に備わる、FCラジエータ31は、燃料電池23の放熱温度TFCを冷却する装置であり、DTラジエータ41は、駆動モータ24を含んだ駆動ユニットの運転温度TDTを冷却する装置である。また、ACラジエータ52は、コンプレッサ51の運転温度TACを冷却する装置である。
そして、後方に配置されるラジエータRadに供給される走行風の温度を可能な限り低く保つため、図1に示すように、最も低温の運転温度TACを冷却するACラジエータ52を最も前方に配置し、最も高温の運転温度TFCを冷却するFCラジエータ31を最も後方に配置する。
そして、ラジエータRadをパワープラント収容室13(図1参照)の前方に配置するため、パワープラント収容室13の前方に、枠体からなるバルクヘッド連結体130(図4参照)を形成し、ラジエータRadをバルクヘッド連結体130で支持する構成とする。
図3は本実施形態に係る冷却装置のACラジエータ、DTラジエータ、及びFCラジエータの概要図である。図3に示すように、FCラジエータ31は、ヘッダ等の枠部材34と、この枠部材34に保持される、平面の形状が矩形のコア35と、左右の枠部材34の上端面から上方へ延びる上部支持ピン36、36と、左右の枠部材34の下端面から下方へ延びる下部支持ピン37、37とを含んでなる。
また、コア35の上部には燃料電池用上部タンク351が配置され、下部には燃料電池用下部タンク352が配置される。さらに、燃料電池用上部タンク351と燃料電池用下部タンク352とを連結する、上下方向に沿って配管される多数の燃料電池用チューブ38、38、・・・と、これら多数の燃料電池用チューブ38の外周面に一体的に設けた多数の放熱用フィン39、39、・・・とを含んでなる。そして、多数の放熱用フィン39によって、放熱面35aが形成される。
燃料電池23(図2参照)を経由してFC冷却ライン30(図2参照)を循環する冷媒は、FCラジエータ31のコア35の上部に配置される燃料電池用上部タンク351から、上下方向に配管される多数の燃料電池用チューブ38、38、・・・を燃料電池用下部タンク352まで流れる。
走行風Air(図1参照)は、多数の燃料電池用チューブ38、38、・・・の間を通過する間に、多数の放熱用フィン39、39、・・・を介して冷媒と熱交換をして、冷媒を冷却する。
以下、図3に示すように、燃料電池車両10(図1参照)の前方(Fr)に向かって右(R)と左(L)を設定する。
DTラジエータ41は、ヘッダ等の枠部材44と、この枠部材44によって保持される、平面の形状が矩形のコア45と、左右の枠部材44の上端面から上方へ延びる上部支持ピン46、46と、左右の枠部材44の下端面から下方へ延びる下部支持ピン47、47とを含んでなる。また、コア45は、図示しない多数のチューブと、これら多数のチューブの外周面に一体的に設けた多数の放熱用フィン49、49、・・・とを含んでなる。そして、多数の放熱用フィン49によって、放熱面45aが形成される。
本実施形態におけるDTラジエータ41の図示しない多数のチューブは、FCラジエータ31と同様に上下方向に沿って配管されていてもよいし、左右方向に配管されていてもよい。
仮に、多数のチューブが上下方向に沿って配管される場合、DTラジエータ41の上部には、図示しない上部タンクが配置されるとともに、下部には図示しない下部タンクが配置される。
そして、駆動モータ24(図2参照)を含んだ駆動ユニットを経由して、DT冷却ライン40(図2参照)を循環する冷媒は、上部タンクから下部タンクに向かって、図示しないチューブを下向きに流れる。
一方、多数のチューブが左右方向に配管される場合、DTラジエータ41の左右には、図示しない冷媒タンクが配置される。
そして、駆動モータ24(図2参照)を含んだ駆動ユニットを経由して、DT冷却ライン40(図2参照)を循環する冷媒は、一方の冷媒タンクから他方の冷媒タンクに向かって、図示しないチューブを左右方向に流れる。
さらに、ACラジエータ52は、ヘッダ等の枠部材54と、この枠部材54によって保持される、平面の形状が矩形のコア55と、左右の枠部材54の上端面から上方へ延びる上部支持ピン56、56と、左右の枠部材54の下端面から下方へ延びる下部支持ピン57、57とを含んでなる。また、コア55は、図示しない多数のチューブと、これら多数のチューブの外周面に一体的に設けた多数の放熱用フィン59、59、・・とを含んでなる。そして、多数の放熱用フィン59によって、放熱面55aが形成される。
ACラジエータ52の図示しない多数のチューブは、例えば左右方向に配管されてなる。
多数のチューブが左右方向に配管される場合、ACラジエータ52の左右には、図示しない冷媒タンクが配置される。
そして、空調装置12(図2参照)を経由して、AC冷却ライン50(図2参照)を循環する冷媒は、一方の冷媒タンクから他方の冷媒タンクに向かって、図示しないチューブを左右方向に流れる。
FCラジエータ31のコア35の上下方向(縦方向)の長さをH1、左右方向(横方向)の長さをW1、DTラジエータ41のコア45の上下方向(縦方向)の長さをH2、左右方向(横方向)の長さをW2とすると、DTラジエータ41のコア45の上下方向の長さH2は、FCラジエータ31のコア35の上下方向の長さH1と略等しく、コア45の左右方向の長さW2は、コア35の左右方向の長さW1と略等しく構成される。すなわち、FCラジエータ31のコア35の放熱面35aと、DTラジエータ41のコア45の放熱面45aは、略おなじ形状に形成される。
また、本実施形態に係るACラジエータ52のコア55の左右方向の長さW3は、DTラジエータ41のコア45の左右方向の長さW2と略等しく形成されるが、ACラジエータ52のコア55の上下方向の長さH3は、DTラジエータ41のコア45の上下方向の長さH2より短く形成される。
すなわち、ACラジエータ52のコア55の左右方向(横方向)の長さW3と、DTラジエータ41のコア45の左右方向(横方向)の長さW2は略等しく、かつ、ACラジエータ52のコア55の上下方向(縦方向)の長さH3は、DTラジエータ41のコア45の上下方向(縦方向)の長さH2より短く形成され、ACラジエータ52の放熱面55aの面積(面方向の面積)は、DTラジエータ41の放熱面45aの面積より小さい。
図4は、燃料電池車両の前部の斜視図であり、ボディのフレーム構造を示す図である。図4に示すように、燃料電池車両10の車体を構成するボディ131は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金を素材とするフレーム構造からなり、前後方向に沿って延在する一対のフロントサイドフレーム132a、132bを備える。
そして、ボディ131の前部には、バルクヘッド連結体130が形成される。バルクヘッド連結体130は、略矩形状の枠体として、一対のフロントサイドフレーム132a、132bの前端部に形成される。バルクヘッド連結体130の上端部には、バルクヘッドアッパフレーム130aが備わり、バルクヘッドアッパフレーム130aの両端には、一対のバルクヘッドサイドフレーム130c、130cが下方に延びて備わる。そして、一対のバルクヘッドサイドフレーム130c、130cの下端を連結するように、バルクヘッドロアフレーム130bが備わる。このように、バルクヘッド連結体130は、バルクヘッドアッパフレーム130a、バルクヘッドロアフレーム130b、及び一対のバルクヘッドサイドフレーム130c、130cで囲まれた枠体として形成される。
また、一対のフロントサイドフレーム132a、132bの中央部付近には、図示しないストラットを支持するストラットタワー135が設けられ、ストラットタワー135の下端部は、一対のフロントサイドフレーム132a、132bにそれぞれ連結される。図示しないストラットは、例えば、ショックを吸収するコイルスプリングと振動を減衰させるショックアブソーバとによって前輪ダンパとして構成される(図示せず)。
なお、図示しないストラットの下方には、例えば、前輪28のバネ下部材(図示せず)が連結される。さらに、ストラットタワー135の左右外側には、前輪28を収納するタイヤハウスを形成するインナフェンダ136が、例えばフロントサイドフレーム132a、132bに固定されて備わる。
バルクヘッド連結体130の下部を構成するバルクヘッドロアフレーム130bの上側(枠体内部の側)には、バルクヘッドロアフレーム130bに沿って左右方向にロアクロスメンバ76が固定され、このロアクロスメンバ76は、ラジエータRadを下方から支持する支持部材の機能を有する。
燃料電池車両10の前部に形成されるパワープラント収容室13は、バルクヘッド連結体130の後方に、一対のフロントサイドフレーム132a、132bの間の空間として形成される。すなわち、バルクヘッド連結体130は、パワープラント収容室13の前面の側を形成する。
そして、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の放熱面45a、35a(図3参照)が、バルクヘッド連結体130の枠体内部を全面にわたって塞ぐように、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31が前後方向に直列に備わる。
さらに、DTラジエータ41の前方には、走行風Airの上流からみて、放熱面55a(図3参照)の全てが放熱面45aと重なるように、ACラジエータ52(図3参照)が備わる。
前記したように、走行風Air(図1参照)の通風方向は、主に燃料電池車両10(図1参照)の前後方向であることから、走行風Airの上流から見て、前記ACラジエータ52の放熱面55a(図1参照)は、全面が前記DTラジエータ41の放熱面45a(図1参照)と重なって備わることになる。
パワープラント収容室13には、一対のフロントサイドフレーム132a、132bの下方に、左右方向に懸架されるサブフレーム85が備わる。サブフレーム85は、駆動モータ24(図1参照)を固定するための台座となるフレームで、一対のフロントサイドフレーム132a、132bの下側に、下方に延びるサイドフレーム85a、85aの下端を連結するように備わる。この、サイドフレーム85a、85aの長さによって、パワープラント収容室13に備わる駆動モータ24の設置高さを調節できる。
図5の(a)は、燃料電池車両の前部を上面の側から見た図である。図5の(a)に示すように、燃料電池車両10の前部に形成される導風口81bは、例えば左右の前照燈L、Lの間に形成され、バルクヘッド連結体130は、左右の前照燈L、Lが配置される領域の間に、左右方向の全域にわたって形成される。このようにバルクヘッド連結体130、及び導風口81bを形成することで、導風口81bからパワープラント収容室13に取り込まれる走行風Airは、バルクヘッド連結体130の左右方向に漏れることなく、全てがバルクヘッド連結体130の枠体内部を通過してパワープラント収容室13に取り込まれる。
前記したように、バルクヘッド連結体130の枠体内部を、放熱面45a、35a(図3参照)が全面にわたって塞ぐように、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31が直列に備わり、走行風Airの上流から見たとき、放熱面55a(図3参照)が全面にわたってDTラジエータ41の放熱面45aと重なるように、DTラジエータ41と直列にACラジエータ52が備わることから、導風口81bから取り込まれる走行風Airは、その全てがラジエータRadを通過する。このことによって、パワープラント収容室13に取り込まれる走行風AirによるラジエータRadの冷却効率を向上できる。
図5の(b)は、図5の(a)のX−X断面図である。図5の(b)に示すように、燃料電池車両10の前部は、前面を覆うフロントグリル81と、前上部の開口を開閉可能に覆うフード83とを備える。フロントグリル81には、前記した導風口81bが形成される。
フロントグリル81の下端部は後方へ延びて、燃料電池車両10の前部のアンダカバーとなるスプラッシュシールド81aを形成する。図5の(b)に示すように、スプラッシュシールド81aは、バルクヘッドロアフレーム130bの下面に、クリップやビス等の締付け部材84で固定されるとともに、さらに後方に延びるように形成され、その後端部は、例えば駆動モータ24を固定するサブフレーム85の下面に、クリップやビス等の締付け部材84で固定される。
なお、スプラッシュシールド81aの後端部と、サブフレーム85の間に、駆動モータ24の下面を保護するモータアンダカバー24aの前端部を重ねて固定してもよい。
バルクヘッドロアフレーム130bは、例えば断面がコ字型の部材からなり、開口を上側、すなわちバルクヘッド連結体130(図4参照)の枠体内部の側に向けて固定され、下側の面には、スプラッシュシールド81aが密着するように備わる。このようにバルクヘッドロアフレーム130bとスプラッシュシールド81aを密着することで、バルクヘッド連結体130の下方を通る走行風Airを遮断することができる。
さらに、バルクヘッド連結体130の上側を形成するバルクヘッドアッパフレーム130aとフード83との間隙を塞ぐように構成することで、バルクヘッド連結体130の上方を通る走行風Airを遮断できる。
このように、バルクヘッド連結体130の上方、及び下方を通る走行風Airを遮断することで、導風口81b、81bから流入した走行風Airは、上下方向に漏れることなく、全てがバルクヘッド連結体130の枠体内部を通過してパワープラント収容室13に取り込まれる。
前記したように、導風口81b、81bから流入した走行風Airは、バルクヘッド連結体130の左右方向に漏れないことから、導風口81b、81bから流入した走行風Airは、全てがバルクヘッド連結体130の枠体内部を通過して、パワープラント収容室13に流入することになる。
図5の(b)に示すように、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31は、燃料電池車両10の前後方向に直列に配置され、それぞれの下端は、ロアクロスメンバ76に支持される。
すなわち、ACラジエータ52の放熱面55aの後面55bにDTラジエータ41の放熱面45aを対向させて配置し、DTラジエータ41の放熱面45aの後面45bに、FCラジエータ31の放熱面35aを対向させて配置する。
また、図3に示すように、ACラジエータ52のコア55の左右方向の長さW3は、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31のコア45、35の左右方向の長さW2、W1と略同等に構成し、ACラジエータ52のコア55の上下方向の長さH3は、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31のコア45、35の上下方向の長さH2、H1より短く構成する。そして、ACラジエータ52の上端部は、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の上端部と揃えて配置する。
このように構成することで、ACラジエータ52の放熱面55aの後面55bは全面にわたって、DTラジエータ41の放熱面45aと対向して備わる。
なお、ラジエータRadを、燃料電池車両10の前後方向に対して後傾するように備えることで、放熱面55a、45a、35aの面積を広げることができ、冷却効率を向上できる。
さらに、図5の(b)に示すように、ACラジエータ52とDTラジエータ41の間の周囲、及びDTラジエータ41とFCラジエータ31の間の周囲をそれぞれシール部材91、92でシールする。すなわち、ACラジエータ52とDTラジエータ41とを、前後方向に直列に配置し、放熱面55aの後面55bと放熱面45aの周囲をシール部材91でシールするとともに、DTラジエータ41とFCラジエータ31を前後方向に直列に配置し、放熱面45aの後面45bと放熱面35aの周囲をシール部材92でシールして、ACラジエータ52とDTラジエータ41の間、及びDTラジエータ41とFCラジエータ31の間からの走行風Airの漏洩を抑制する。
このような構成によって、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の3枚が重なる領域と、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の2枚のみが重なる領域が形成される。
換言すると、燃料電池車両10の下方の側では、DTラジエータ41の放熱面45aの一部がACラジエータ52の放熱面55aの下方に突出し、走行風Airの上流に臨んでいる。
そして、DTラジエータ41の放熱面45aが走行風Airの上流に臨んでいる部分には、導風口81bから取り込まれる走行風Airが直接当たることになる。
なお、本実施形態においては、ACラジエータ52の放熱面55aの面積をDTラジエータ41の放熱面45aの面積より小さく形成したが、これは限定されるものではない。
例えば、ACラジエータ52の放熱面55aの面積をDTラジエータ41の放熱面45aと同等に形成し、ACラジエータ52をDTラジエータ41に対して上方にずらすように配置してもよい。
このような配置であっても、燃料電池車両10の下方の側で、DTラジエータ41の放熱面45aの一部が走行風Airの上流に臨むように構成できる。
また、DTラジエータ41の放熱面45aの一部をACラジエータ52の放熱面55aの下方に突出するとしたが、これは限定されるものではなく、DTラジエータ41の放熱面45aの一部をACラジエータ52の放熱面55aの上方に突出させる構成であってもよいし、左右方向に突出させる構成であってもよい。
以下、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の3枚が重なる部分を上部領域Upと称し、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の2枚のみが重なる領域、すなわち、DTラジエータ41の放熱面45aが走行風Airの上流にに臨んでいる部分を下部領域Dnと称する場合がある。
また、フロントグリル81に形成される、導風口81bの配置は限定するものではないが、本実施形態においては、図5の(b)に示すように、上下の2箇所に形成し、上方の導風口81bは、主に上部領域Upに供給される走行風Airを取り込み、下方の導風口81bは、主に下部領域Dnに供給される走行風Airを取り込むように構成した。
さらに、図5の(b)に示すように、燃料電池車両10(図1参照)の左右方向に延びる整流板81cを、前方からACラジエータ52の側に向けて、例えばフロントグリル81の上側の導風口81bと下側の導風口81bの間に固定して備えてもよい。
このような整流板81cを備えると、上側の導風口81bから取り込まれる走行風Airの流れと下側の導風口81bから取り込まれる走行風Airの流れの合流を抑制できる。このことによって、上側の導風口81bから取り込まれる走行風Airで上部領域Upを効率よく冷却できるとともに、下側の導風口81bから取り込まれる走行風Airで下部領域Dnを効率よく冷却できる。
図6は、ラジエータの固定方法を示す図、図7は、ファンシュラウドを示す図である。図6に示すように、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31は、下端部をロアクロスメンバ76に直接に取付けるとともに、上端部を連結部材93によってバルクヘッドアッパフレーム130aに固定する。
具体的には、DTラジエータ41、FCラジエータ31の両端(図6には、左端を図示)に備わる枠部材44、34から下方に延伸する下部支持ピン47、37を、マウント用ブッシュ94、94を介して、ロアクロスメンバ76に開口している固定孔76a、76aに嵌合して、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の下端部を、ロアクロスメンバ76で支持する。
また、本実施形態に係るACラジエータ52は、図3に示すように、コア55の上下方向の長さH3が、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31のコア45、35の上下方向の長さH2、H1より短く形成される。そこで、例えば枠部材54は、図6に示すように、上下方向の長さがDTラジエータ41の枠部材44と略同等の長さになるように、ACラジエータ52の下方に延伸する構成とする。そして、枠部材54から下方に延伸する下部支持ピン57を、マウント用ブッシュ94を介してロアクロスメンバ76の固定孔76aに嵌合する。このようにして、ACラジエータ52の上端が、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31と同等の高さになるように、ロアクロスメンバ76で支持することができる。
連結部材93は、例えば、鋼板のプレス成形品からなる平板状の部材であり、バルクヘッドアッパフレーム130aの左右両端部に上から重ねて複数のボルト95、95、・・・で取り外し可能に取付けるものである。この連結部材93は上下貫通した3個の支持用孔93a、93a、93aが開口している。
一方、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の枠部材54、44、34には、上方に延伸する上部支持ピン56、46、36が形成され、上部支持ピン56、46、36は、マウント用ブッシュ96、96、96を介して連結部材93の支持用孔93a、93a、93aに嵌合するとともに、連結部材93をバルクヘッドアッパフレーム130aに、複数のボルト95、95、・・・で固定することで、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の上端部をバルクヘッドアッパフレーム130aに取り外し可能に取り付けられる。
また、図7に示すように、FCラジエータ31の後方には、ファンシュラウド61aを有するラジエータファン61が備わる。ファンシュラウド61aは、ラジエータファン61がパワープラント収容室13(図5の(b)参照)に吸い込む外気と合流する走行風Airが、ラジエータRadを迂回して流れることを防止するカバーであり、例えば、図7に示すように、ラジエータRadの後方の側を覆うように備わる。そして、ラジエータファン61は、ファンシュラウド61aを介して、例えばFCラジエータ31の枠部材34(図3参照)に固定される。
ラジエータファン61に吸い込まれる外気は、走行風Airと合流してラジエータRadを通過した後、ファンシュラウド61aの内部を通流して、パワープラント収容室13(図5の(b)参照)に流入する。
そして、本実施形態においては、図7に示すように、ファンシュラウド61aの上下方向の長さを、ACラジエータ52の放熱面55aの上下方向の長さと略同等にすることを特徴とする。すなわち、ファンシュラウド61aは、その上下方向の長さが、DTラジエータ41、FCラジエータ31の放熱面45a、35aの上下方向の長さより短く形成され、いわゆるハーフシュラウドを形成する。そして、ファンシュラウド61aの上端部が、FCラジエータ31の上端部と略同等の高さになるように配置する。
また、ファンシュラウド61aの左右方向の長さは、ACラジエータ52の放熱面55aの左右方向の長さと略同等に形成する。
このような構成によって、ファンシュラウド61aは、ACラジエータ52の放熱面55aに対応した位置に備わる。
さらに、ファンシュラウド61aの上端部をFCラジエータ31の上端部と略同等の高さになるように配置することで、ファンシュラウド61aに備わるラジエータファン61を駆動する図示しないモータが、燃料電池車両10(図1参照)の上方に配置される。
燃料電池車両10の下方には、導風口81b(図1参照)から例えば水が流入することがあるため、ラジエータファン61を駆動する図示しないモータを燃料電池車両10の上方に配置したことで、導風口81bから流入する水が、図示しないモータに到達することを防止できる。このことによって、ラジエータファン61が導風口81bから流入する水によって破損することを防止できる。
このようにラジエータファン61を配置することで、ACラジエータ52、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の3枚のラジエータが重なる部分(上部領域Up)には、ラジエータファン61が吸い込む外気が走行風Airと合流して供給される。
なお、燃料電池車両10(図1参照)が停車していて、走行風Airが発生しない場合は、ラジエータファン61が吸い込む外気のみが上部領域Upに供給されることになる。
上部領域Upは、重なるラジエータの数が多いことから、走行風Airの通過圧損が大きくなり、走行風Airのみでは、最も後方に配置されるFCラジエータ31の冷却効果が低下する。
このように、走行風Airの通過圧損が大きい部分は、ラジエータファン61で強制的に外気を吸い込んで走行風Airに合流して供給し、走行風Airの通過圧損による冷却効果の低下を軽減する。
また、図5の(b)に示す整流板81cを備えることで、ラジエータファン61が吸い込む外気を効率よく上部領域Upに供給でき、上部領域Upの冷却効率を向上できる。
さらに、燃料電池車両10(図1参照)が停車中であっても、空調装置12(図1参照)を駆動する必要があることから、ACラジエータ52は、燃料電池車両10の停車中にも冷却する必要がある。
図7に示すように、ファンシュラウド61aをACラジエータ52の放熱面55aに対応して備えたことで、ラジエータファン61が強制的に吸い込む外気は、ACラジエータ52に供給されることから、燃料電池車両10が停車中で走行風Airが発生しない場合においても、ラジエータファン61を駆動して、ACラジエータ52を効率よく冷却できる。
また、ACラジエータ52の放熱面55aの上下方向の長さがDTラジエータ41、及びFCラジエータ31の放熱面45a、35aの上下方向の長さより短いことから、ACラジエータ52の放熱面55aより下方(下部領域Dn)は、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の2枚のみが重なる領域であり、走行風Airの通過圧損が小さい。
このことから、ラジエータファン61で強制的に吸い込んだ外気を走行風Airに合流しなくても、燃料電池車両10(図1参照)の走行によって発生して導風口81b(図1参照)から取り込まれる走行風Airで、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31を効率よく冷却できる。
このように、ファンシュラウド61aの上下方向の長さを短くしてハーフシュラウドとすることで、ラジエータファン61のファンの口径、及びラジエータファン61を駆動するモータの出力を小さくすることができ、燃料電池車両10(図1参照)の重量の増加、及び消費電力の増加に伴う燃費の悪化を抑制できるという優れた効果を奏する。
なお、本実施形態においては、図7に示すように、ファンシュラウド61a及びラジエータファン61をFCラジエータ31の後方に備えた構成としたが、例えばラジエータファン61をACラジエータ52の前方に備える構成であってもよい。そして、この場合、ラジエータRadを通過する走行風Airの通過圧損の低下を軽減するため、ファンシュラウド61aを備えることなく、ラジエータファン61を、例えばACラジエータ52の枠部材54(図3参照)に固定する構成とすればよい。
さらに、ラジエータファン61のファンの口径をACラジエータ52に対応した大きさとすることで、DTラジエータ41及びFCラジエータ31に対する走行風Airの通過圧損の低下を軽減できる。
図8は、ラジエータを通過する走行風の状態を示す模式図であって、(a)は燃料電池車両の停車時を示す図、(b)は、走行時を示す図である。図8の(a)に示すように、燃料電池車両10(図1参照)が停車しているとき、ラジエータファン61の駆動によって、強制的に導風口81b(上側の導風口81b)から取り込まれる外気は、ACラジエータ52を通過した後、DTラジエータ41、及びFCラジエータ31の上部領域Upを通過する。そして、ファンシュラウド61aの内部を通過して、パワープラント収容室13に流入する。
このように、燃料電池車両10が停車中であってもラジエータファン61を駆動することで、ACラジエータ52を冷却できる。
一方、燃料電池車両10が走行中のときに発生する走行風Airは、図8の(b)に示すように、フロントグリル81の導風口81b(下側の導風口81b)から取り込まれて、DTラジエータ41の下部領域Dnを通過する。
下部領域Dnは、燃料電池車両10(図1参照)の下方に位置するが、この位置は、例えばフロントグリル81の導風口81bを大きく開口するなど、導風口81bの形状や大きさに対する設計の自由度が大きく、走行風Airを効率よく取り込める位置である。したがって、DTラジエータ41の下部領域Dnは、導風口81bから取り込まれた走行風Airで効率よく冷却できる。
さらに、DTラジエータ41の下部領域Dnを通過した走行風Airは、FCラジエータ31の下部領域Dnに到達する。
FCラジエータ31の下部領域Dnに到達する走行風Airは、DTラジエータ41を通過しているだけであり、FCラジエータ31の放熱面35aに到達する走行風Airの通過圧損は上部領域Upより小さい。すなわち、ラジエータファン61を駆動しない場合に、FCラジエータ31の放熱面35aに到達する走行風Airの通過圧損は、上部領域Upより下部領域Dnのほうが小さい。
したがって、下部領域Dnでは、放熱面35aにおける走行風Airの風圧が大きく、効率よくFCラジエータ31を通過できることから、FCラジエータ31の下部領域Dnを効率よく冷却できる。
なお、本実施形態においては、図3に示すように、DTラジエータ41の放熱面45aの面積とFCラジエータ31の放熱面35aの面積とを略等しく形成したがこれは限定されるものではなく、例えばFCラジエータ31のコア35の上下方向の長さH1をDTラジエータ41のコア45の上下方向の長さH2より長く形成してもよい。
このように形成することで、例えば下部領域DnにおいてFCラジエータ31が、DTラジエータ41の下方から突出し、FCラジエータ31の放熱面35aの一部が走行風Airの上流に臨むように構成できる。
そして、放熱面35aの走行風Airの上流に臨む部分を効率よく冷却することができ、その結果としてFCラジエータ31を効率よく冷却できる。
この場合においても、ファンシュラウド61a(図8の(a)参照)は、ACラジエータ52の放熱面55aに対応するように構成すればよい。
また、スプラッシュシールド81a(図5の(b)参照)の、パワープラント収容室13(図5の(b)参照)の床部分を形成する部分に排出口を設けてもよい。図9の(a)は、スプラッシュシールドの排出口を示す模式図である。図9の(a)に示すように、例えば、バルクヘッドロアフレーム130bとサブフレーム85の間に、スプラッシュシールド81aが下方に窪んだ凹部81a1を形成し、サブフレーム85の前方には、凹部81a1の底部81a2からサブフレーム85に向かって傾斜する傾斜部81a3を形成する。そして、傾斜部81a3に、スプラッシュシールド81aを貫通するように、少なくとも1つの排出口81a4を開口する。
さらに、例えば、駆動モータ24(図9の(b)参照)の後方を支持するように、サブフレーム86を燃料電池車両10のボディ131(図4参照)に形成し、その下方にモータアンダカバー24aを固定する構成としてもよい。この場合、サブフレーム86は、図4に示すサブフレーム85と略同等の構成とすればよい。
そして、サブフレーム86の前方には、モータアンダカバー24aが下方に向かって傾斜する傾斜部24a1を形成し、傾斜部24a1に、モータアンダカバー24aを貫通するように、少なくとも1つの排出口24a2を開口する。
図9の(b)は、図9の(a)のY−Y断面図で、ラジエータが備わったときの走行風の通風の状態を示す模式図、(c)は、上面側から見た、走行風の通風の状態を示す模式図である。図9の(b)に示すように、走行風Airは、ラジエータRadを通過してパワープラント収容室13に流入する。すなわち、走行風Airは、燃料電池車両10の内部に取り込まれる。
そこで、図9の(a)、(b)に示すように、スプラッシュシールド81aに排出口81a4を形成して走行風Airをパワープラント収容室13から排気することで、走行風Airをパワープラント収容室13へ効率よく流入できる。すなわち、パワープラント収容室13への走行風Airの流入量が増大し、ラジエータRadを通過する走行風Airの通過量が増大する。このことによって、ラジエータRadを効率よく冷却できる。
また、図9の(b)に示すようにモータアンダカバー24aに排出口24a2を形成することで、排出口24a2からも走行風Airを排気することができ、パワープラント収容室13からの排気効率を向上できる。その結果として走行風Airをパワープラント収容室13に効率よく流入することができ、ラジエータRadを効率よく冷却できる。
スプラッシュシールド81a及びモータアンダカバー24aの下方は、燃料電池車両10(図1参照)が走行する路面と対向することから、燃料電池車両10の走行によってスプラッシュシールド81a及びモータアンダカバー24aの下方に空気流が発生する。そして、この空気流による負圧が、パワープラント収容室13に流入する走行風Airを排出口81a4、24a2を介して吸引することで、パワープラント収容室13からの排気効率が向上する。
さらに、図9の(b)に示すように、スプラッシュシールド81aに傾斜部81a3を設けて排出口81a4を開口し、モータアンダカバー24aに傾斜部24a1を設けて排出口24a2を開口したことで、走行風Airをパワープラント収容室13から効率よく排気できる。
すなわち、スプラッシュシールド81aの傾斜部81a3、及びモータアンダカバー24aの傾斜部24a1は、スプラッシュシールド81aやモータアンダカバー24aから後方に向けて起立することから、燃料電池車両10(図1参照)の前方に形成される導風口81b(図1参照)からパワープラント収容室13に流入する走行風Airは、その流れの方向を大幅に変えることなく排出口81a4、24a2から排気される。
このことによって、走行風Airはパワープラント収容室13から効率よく排気される。走行風Airが、パワープラント収容室13から効率よく排気されると、走行風Airは、パワープラント収容室13に効率よく流入し、パワープラント収容室13への走行風Airの流入量が増大する。したがって、ラジエータRadを通過する走行風Airの通過量が増大して、ラジエータRadを効率よく冷却できる。
なお、スプラッシュシールド81aに形成される傾斜部81a3(図9の(a)参照)は、バルクヘッドロアフレーム130b(図9の(a)参照)とサブフレーム85(図9の(a)参照)の高低差を吸収する機能を有することから、例えば、サブフレーム85がバルクヘッドロアフレーム130bより高い位置に備わる場合、スプラッシュシールド81aに凹部81a1(図9の(a)参照)を形成することなく、傾斜部81a3を形成する構成であってもよい。
また、前記したように、燃料電池車両10(図1参照)には、タイヤハウスを形成するインナフェンダ136(図4参照)が備わる。そこで、図9の(c)に示すように、インナフェンダ136の前方に、排出口136aを形成してもよい。タイヤハウスは前輪28を収納する空間であって、燃料電池車両10の走行中に前輪28の回転で、タイヤハウスが大気圧に対して負圧になる場合がある。図9の(c)に示すように、インナフェンダ136に排出口136aを形成することで、パワープラント収容室13に流入する走行風Airは、タイヤハウスの負圧で吸引され、タイヤハウスを経由して排気されることから、パワープラント収容室13からの走行風Airの排気効率が向上し、走行風Airは、パワープラント収容室13に効率よく流入する。そして、ラジエータRadを効率よく冷却できる。
図10の(a)は、FCラジエータの冷媒が上方から下方に流れることを示す模式図、(b)は、FCラジエータの冷媒が下方から上方に流れることを示す参考図である。前記したように、FCラジエータ31は、冷媒が通流する燃料電池用チューブ38(図3参照)に放熱用フィン39(図3参照)が備わって形成される。本実施形態においては、燃料電池用チューブ38を上下方向に配管して、冷媒が、図10の(a)に示すように上方から下方に下向きに流れるように構成する。
ラジエータRad(例えばFCラジエータ31)は、走行風Airと冷媒の温度差によって放熱量が決まるため、FCラジエータ31の放熱面35aの走行風Airの温度分布に合わせて冷媒の流し方を決定すると冷却効率を向上できる。図10の(a)に示すように、冷媒を上方から下方に流すことで、FCラジエータ31の放熱面35aで走行風Airと冷媒の温度差を高くすることができ、FCラジエータ31の冷却効率を向上できる。
すなわち、図10の(a)に示すように、FCラジエータ31の上部領域Upは、通過する走行風Airの温度が高い。これは、FCラジエータ31を通過する走行風Airが、ACラジエータ52、及びDTラジエータ41を通過した走行風Airであることによる。
しかしながら、FCラジエータ31において冷媒を上方から下方に流す場合、上部領域Upでは、冷媒も燃料電池23(図1参照)の放熱をそのまま含んで非常に高温であることから、走行風Airと冷媒の温度差が大きく、FCラジエータ31の上部領域Upで効率よく冷媒を冷却できる。
そして冷媒は、FCラジエータ31の上部領域Upでは走行風Airの温度以下に冷却されることはなく、上部領域Upの走行風Airの温度以上の温度で下部領域Dnを通流する。FCラジエータ31の下部領域Dnは、DTラジエータ41のみを通過した走行風Airが通過することから、下部領域Dnにおいて、FCラジエータ31の放熱面35aにおける走行風Airの温度は、上部領域Upにおける放熱面35aの走行風Airの温度より低い。したがって、FCラジエータ31の下部領域Dnにおいて、冷媒と走行風Airの温度差は、FCラジエータ31の上部領域Upと下部領域Dnの走行風Airの温度差以上の温度差を確保できる。このことによって、走行風Airと冷媒との温度差が大きく、FCラジエータ31の下部領域Dnは、冷媒を効率よく冷却できる。
ところで、図10の(b)に示すように、冷媒の通流方向を下方から上方に流れるように構成すると、FCラジエータ31の下部領域Dnにおいては、冷媒と走行風Airの温度差が大きく、冷媒の温度降下が大きい。そして、冷媒が上部領域Upを通流するとき、冷媒は温度が低くなった状態であることから、冷媒と走行風Airの温度差が小さくなる場合がある。このことによって、FCラジエータ31の上部領域Upにおいて、冷媒の冷却効率が低下する場合がある。
したがって、図10の(a)に示すように、本実施形態において、FCラジエータ31は、冷媒が上方から下方に下向きに流れるように構成して、下部領域Dnと上部領域Upのいずれの領域でも冷却効率を向上できる構成とする。
なお、DTラジエータ41も、冷媒が上方から下方に下向きに流れるように構成してもよい。
また、FCラジエータ31において、冷媒を左右方向に通流する場合、FCラジエータ31の上下で冷媒の温度が異なると、燃料電池用チューブ38(図3参照)が左右方向に膨張する割合がFCラジエータ31の上下で異なることから、例えば上側が高温の場合には、コア35(図3参照)が上側に広がった台形に変形することが考えられる。
例えば図6に示すように、FCラジエータ31は、左右に備わる枠部材34で支持されることから、コア35の左右方向の変形を吸収するためには構造が複雑になる。
図10の(a)に示すように、冷媒を下向きに通流する場合、FCラジエータ31の上下で冷媒の温度が異なっても、全ての燃料電池用チューブ38(図3参照)が上下方向に膨張するため、FCラジエータ31の変形は上下方向の伸び縮みになる。
この場合、全ての燃料電池用チューブ38は、左右方向への膨張量が少なく、枠部材34にコア35(図3参照)の変形を吸収するための複雑な構造が不要になる。
さらに、例えば図6に示すようにFCラジエータ31を固定した場合、コア35(図3参照)の燃料電池用下部タンク352の下方に空間を設けることができ、この空間をコア35の変形を吸収するスペースにできる。
例えば、燃料電池用チューブ38の上下方向の膨張に対応して、燃料電池用下部タンク352が上下に微動するように構成すればよい。
このように、冷媒を下向きに通流する構成とすることで、FCラジエータ31のコア35の変形を簡単な構造で吸収できる。
図11は、FCラジエータの下部領域の後方に、エアポンプ出口配管を配置したことを示す図である。図1に示すように、燃料電池車両10には燃料電池23に酸素を供給するエアポンプ25が備わり、空気供給配管を介して燃料電池23に空気を送り込んでいる。このとき、エアポンプ25が送出する空気は加圧されるため温度が上昇する。しかしながら、燃料電池車両10に備わる図示しない加湿器での加湿性能を向上するため、燃料電池23に供給される空気の温度は低いほうが好ましい。
そこで、本実施形態においては、図11に示すように、FCラジエータ31の下部領域Dnの後方、且つスプラッシュシールド81aに形成される排出口81a4の前方に、エアポンプ出口配管(空気供給配管)25aを配管した。図11は、エアポンプ出口配管25aを、燃料電池車両10(図1参照)の左右方向(すなわち、図11の手前から奥に向かった方向)に配置したことを示す。
前記したように、FCラジエータ31の下部領域Dnを通過する走行風Airは、通過するラジエータが少ないことから、温度上昇が少なく温度が低い。図11に示すように、エアポンプ出口配管25aを、FCラジエータ31の下部領域Dnの後方に配置することで、温度の低い走行風Airでエアポンプ出口配管25aを冷却でき、エアポンプ出口配管25aを通流する空気の温度を下げることができる。また、エアポンプ出口配管25aをスプラッシュシールド81aに形成される排出口81a4の前方に配置することで、導風口81bから排出口81a4に向かって流れる走行風Airの流路にエアポンプ出口配管25aが配置されることになり、エアポンプ出口配管25aを効率よく冷却できる。そして、図示しない加湿器での加湿性能を向上できる。
また、図示しない加湿器を構成する中空糸膜は熱に弱く、エアポンプ25(図1参照)に図示しないインタークーラを備えてエアポンプ25が吐出する空気を冷却している。
本実施形態のように、エアポンプ出口配管25aをFCラジエータ31の下部領域Dnの後方、且つスプラッシュシールド81aに形成される排出口81a4の前方に配置し、走行風Airでエアポンプ出口配管25aを通流する空気を冷却することで、図示しないインタークーラを小型化しても、加湿器を通流する空気の温度を下げることができる。そして、図示しないインタークーラを小型化すると、例えば軽量化を図ることができ、燃料電池車両10(図1参照)の燃費を向上できるという優れた効果を奏する。
なお、エアポンプ出口配管25aを、FCラジエータ31の下部領域Dnの後方、且つインナフェンダ136に形成される排出口136a(図9の(c)参照)の前方に配置してもよい。この場合、導風口81bから排出口136aに向かって流れる走行風Airの流路にエアポンプ出口配管25aが配置されることになり、エアポンプ出口配管25aを効率よく冷却できる。
以上のように、本実施形態においては、ACラジエータ、DTラジエータ、及びFCラジエータを燃料電池車両の前後方向に直列に配置するとともに、最も前方に配置するACラジエータの上下方向の長さを短くした。さらに、FCラジエータの後方に備わるラジエータファンのファンシュラウドの上下方向の長さを、ACラジエータの上下方向の長さと略同等にした。
そして、ACラジエータ、DTラジエータ、FCラジエータ、及びファンシュラウドの上端部を揃えて配置し、ACラジエータ、DTラジエータ、FCラジエータ、及びラジエータファンが走行風の上流からみて重なって配置される上部領域と、DTラジエータ、及びFCラジエータが走行風の上流からみて重なって配置される下部領域と、を形成した。
下部領域は、DTラジエータ、及びFCラジエータのみ重なる領域であり、走行風の通過圧損が小さいことから、燃料電池車両の走行で発生する走行風で、DTラジエータ、およびFCラジエータを効率よく冷却できるという優れた効果を奏する。
上部領域は、ラジエータファンによって強制的に吸い込まれる外気を走行風に合流して冷却することができ、例えば燃料電池車両が走行していない状態であっても、ACラジエータを冷却できるという優れた効果を奏する。
さらに、ファンシュラウドを小さくしたことで、ラジエータファンのファンの口径、及びラジエータファンを駆動するモータの出力を小さくすることができ、燃料電池車両の重量の増加、及び消費電力の増加に伴う燃費の悪化を抑制できるという優れた効果を奏する。
なお、以上は燃料電池車両を例に説明したが、本実施形態は、複数のラジエータを備える必要のある車両であれば、燃料電池車両に限らず適用できる。
また、本実施形態においてはラジエータを燃料電池車両の前方に配置したが、これは限定されるものではなく、例えばパワープラント収容室が燃料電池車両の後方に形成される場合、ラジエータを燃料電池車両の後方に配置する構成であってもよい。
本実施形態に係る燃料電池車両の模式図である。 本実施形態に係る燃料電池車両の冷却装置の系統図である。 本実施形態に係る冷却装置のACラジエータ、DTラジエータ、及びFCラジエータの概要図である。 燃料電池車両の前部の斜視図であり、ボディのフレーム構造を示す図である。 (a)は、燃料電池車両の前部を上面の側から見た図、(b)は、図5の(a)のX−X断面図である。 ラジエータの固定方法を示す図である。 ファンシュラウドを示す図である。 ラジエータを通過する走行風の状態を示す模式図であって、(a)は燃料電池車両の停車時を示す図、(b)は、走行時を示す図である。 (a)は、スプラッシュシールドの排出口を示す模式図、(b)は、図9の(a)のY−Y断面図で、ラジエータが備わったときの走行風の通風の状態を示す模式図、(c)は、上面から見た、走行風の通流の状態を示す模式図である。 (a)は、FCラジエータの冷媒が上方から下方に流れることを示す模式図、(b)は、FCラジエータの冷媒が下方から上方に流れることを示す参考図である。 FCラジエータの下部領域の後方に、エアポンプ出口配管を配置したことを示す図である。
符号の説明
10 燃料電池車両(車両)
11 車室
12 空調装置
23 燃料電池
24 駆動モータ
25a エアポンプ出口配管(空気供給配管)
26 冷却装置
28 前輪(駆動輪)
30 FC冷却ライン
31 FCラジエータ
35a、45a、55a 放熱面
38 燃料電池用チューブ(チューブ)
40 DT冷却ライン
41 DTラジエータ(第2ラジエータ)
50 AC冷却ライン
52 ACラジエータ(第1ラジエータ)
61 ラジエータファン
61a ファンシュラウド
81a スプラッシュシールド(アンダカバー)
81a4 排出口
351 燃料電池用上部タンク(上部タンク)
352 燃料電池用下部タンク(下部タンク)
Up 上部領域
Dn 下部領域
Air 走行風

Claims (11)

  1. 車両に搭載されるとともに、前記車両の前方から後方に向かって通風する走行風に対して略垂直に起立する複数のラジエータが、前記走行風の通風方向に直列に配置される車両用冷却装置であって、
    前記複数のラジエータは、少なくとも一部が、前記走行風の上流から見て相互に重なり、
    前記複数のラジエータのうち、最前の第1ラジエータの後方に配置される第2ラジエータの少なくとも一部は、前記第1ラジエータより下方に突出して前記走行風の上流に臨み、
    前記第1ラジエータの面方向の面積は、前記第2ラジエータより小さく、
    前記第1ラジエータは、前記走行風の上流から見て、全面が前記第2ラジエータと重なり、
    前記複数のラジエータの後方に、上下方向の長さが前記第2ラジエータの放熱面の上下方向の長さよりも短く形成されて前記第1ラジエータに対応して配置されたファンシュラウドと、前記ファンシュラウドと一体に配置されたラジエータファンと、を備えていることを特徴とする車両用冷却装置。
  2. 前記ファンシュラウドの上下左右方向の長さは、前記第1ラジエータの放熱面の上下左右方向の長さと同じであることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
  3. 前記複数のラジエータの前方に備わるフロントグリルには、前記第2ラジエータの一部が前記第1ラジエータより下方に突出している下部領域に前記走行風を供給するための導風口が、前記下部領域の位置に対応して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用冷却装置。
  4. 前記フロントグリルには、前記導風口から取り込まれる前記走行風を前記下部領域に案内する整流板が備わっていることを特徴とする請求項3に記載の車両用冷却装置。
  5. 前記第2ラジエータは、上部に配置される上部タンクと、下部に配置される下部タンクと、上下に沿って配管されて前記上部タンクと前記下部タンクとを接続し、冷媒が通流する複数のチューブと、を備え、
    前記冷媒は、前記複数のチューブを下向きに流れることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
  6. 前記車両のアンダカバーには、前記複数のラジエータの少なくとも1つを通過して前記車両の内部に取り込まれる前記走行風を外部に排出する排出口が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
  7. 前記複数のラジエータの後方には、タイヤハウスを形成するインナフェンダが備わり、前記インナフェンダには、前記複数のラジエータの少なくとも1つを通過して前記車両の内部に取り込まれる前記走行風を外部に排出する排出口が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
  8. 前記車両は、
    駆動輪を駆動する駆動ユニットと、
    車室の温度調節をする空調装置と、を備え、
    前記第1ラジエータは、前記空調装置を経由する冷媒を冷却する空調用ラジエータであり、
    前記第2ラジエータは、前記駆動ユニットを経由する冷媒を冷却する駆動ユニット用ラジエータであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
  9. 前記車両は、
    燃料電池を備える燃料電池車両であり、
    前記第2ラジエータの後方には、前記複数のラジエータを構成するとともに、前記燃料電池を経由する冷媒を冷却する燃料電池用ラジエータが配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
  10. 前記燃料電池用ラジエータは、上部に配置される燃料電池用上部タンクと、下部に配置される燃料電池用下部タンクと、上下に沿って配管されて前記燃料電池用上部タンクと前記燃料電池用下部タンクとを接続し、前記燃料電池を経由する冷媒が通流する複数の燃料電池用チューブと、を備え、
    前記燃料電池を経由する冷媒は、前記複数の燃料電池用チューブを下向きに流れることを特徴とする請求項9に記載の車両用冷却装置。
  11. 前記燃料電池と、前記燃料電池に空気を供給するエアポンプを接続する空気供給配管の少なくとも一部は、
    前記第2ラジエータが前記走行風の上流に臨んでいる部分の後方であって、前記燃料電池用ラジエータの後方に配管されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の車両用冷却装置。
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