JP5160065B2 - 液晶配向膜の製造方法 - Google Patents

液晶配向膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5160065B2
JP5160065B2 JP2006290379A JP2006290379A JP5160065B2 JP 5160065 B2 JP5160065 B2 JP 5160065B2 JP 2006290379 A JP2006290379 A JP 2006290379A JP 2006290379 A JP2006290379 A JP 2006290379A JP 5160065 B2 JP5160065 B2 JP 5160065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
transparent conductive
conductive film
walled carbon
crystal alignment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006290379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008108575A (ja
Inventor
高広 北野
眞康 大串
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2006290379A priority Critical patent/JP5160065B2/ja
Priority to TW096139645A priority patent/TWI434904B/zh
Priority to CN2011102304597A priority patent/CN102408105A/zh
Priority to CNA2007800400267A priority patent/CN101528595A/zh
Priority to US12/447,377 priority patent/US20100297449A1/en
Priority to PCT/JP2007/070708 priority patent/WO2008050794A1/ja
Priority to EP07830442A priority patent/EP2088122A4/en
Priority to KR1020097008532A priority patent/KR101273961B1/ko
Priority to EP09161029A priority patent/EP2143686A1/en
Publication of JP2008108575A publication Critical patent/JP2008108575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5160065B2 publication Critical patent/JP5160065B2/ja
Priority to US13/938,850 priority patent/US20140017417A1/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は透明導電膜に関するものであり、より詳しくはカーボンナノチューブを用いた透明電極基板に関する。
近年、電子手帳、携帯電話、ビデオカメラ、コンピューターのディスプレイ、液晶テレビなどに液晶表示素子が広く使用されている。
液晶表示素子としては、透明電極基板上にポリアミック酸や、ポリイミドからなる液晶配向膜を形成した2枚の基板間に正の誘電異方性を有するネマチック液晶層を挟持してサンドイッチ構造のセルとした、液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって90°ねじれた構造を有する、いわゆるTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、該TN型よりコントラスト、視角依存性の点で優れるSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子が知られている。
透明電極基板の電極として用いられる材料はインジウム錫酸化物などの金属酸化物が主流である。透明電極基板上に液晶配向膜を形成する方法としてはポリアミック酸や、溶剤に可溶なポリイミドなどの溶液を凸版印刷法、フレキソ印刷法などにより印刷し、焼成した後、ナイロンやレーヨンなどの布(ラビング材)で一方向に擦ることで形成される方法が主流である。この配向処理方法は通常「ラビング法」と呼ばれており、一定方向の微細な凹凸に沿って液晶分子を配列させることで液晶の配向を制御する。
ポリアミック酸を用いる場合は良好な印刷性が得られるものの電気的特性が低い。
一方、ポリイミド溶液を用いる場合は良好な電気的特性が得られるが、印刷性が悪く、均一な膜を得ることが困難である。ポリイミドの溶解性の観点からアミド系溶剤を用いることが多いが、アミド系溶媒は一般に表面張力が高く、これが印刷性の悪い原因となっている。
従来は、これを解決するために脂肪族環状構造を有する酸無水物のオリゴマーと、芳香族環がエーテル結合等で結合した化合物のオリゴマーの混合物を用いることで溶解性を向上させる方法(特許文献1)、N,N−ジメチルアセトアミドを溶媒として濡れ性を改善する方法(特許文献2)、表面張力の低い溶剤を加える(特許文献3)方法が提案されている。
いずれの方法も電極基板への濡れ性を向上させる方法としては優れた方法であるが、特許文献1および2に開示されている方法は、上述のポリアミック酸の場合同様にポリアミック酸を用いているため電気的特性が低下する可能性があり、特許文献3に開示されている方法は、ハロゲン系溶媒を用いるため環境への負荷が大きい。このため、電気的特性を下げることなく均一な配向膜が得られる配向膜の作製方法が望まれていた。
特開2002−88241号公報 特開2006−53380号公報 特開2006−154158号公報
従って、本発明の課題は電気的特性を下げることなく均一な配向膜が得られる配向膜の製造方法を提供することである。
本発明者らは、濡れ性の高い透明電極基板を用いることによって上述の課題が解決できることを見出した。さらに濡れ性の高い透明電極基板を得る具体的方法としてはカーボンナノチューブを主成分とする薄膜層を用いることで透明性、導電性を有し、かつ、膜状態でのカーボンナノチューブの形状を制御することで濡れ性を高くできることを見出し、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成させた。
即ち本発明は、透明導電膜の主成分が単層カーボンナノチューブであって、該単層カーボンナノチューブがバンドル状態で存在しており、走査型電子顕微鏡観察にてバンドルの集合状態であるロープ形状が確認できる透明導電膜を備える透明電極基板に、液晶配向膜を形成することを特徴とする液晶配向膜の製造方法である
そして本発明は、前記単層カーボンナノチューブが、波長532nmのレーザーを照射して検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、前記第1の吸収強度をID、第2の吸収強度をIGとしたときに式(1)
0<ID/IG≦0.03 (1)
を満たすものであり、透明導電膜に対するN−メチル−2−ピロリドンの静的接触角が0°以上5°以下であることが好ましいものである。
また本発明において、透明導電膜の膜厚が10nm以上500nm以下であることが好ましい
本発明による透明電極基板は濡れ性の高い透明電極を有しているため、液晶配向膜を形成するための材料を均一に塗工することができる。このため液晶表示素子の作製に際し有利に利用することができる。
本発明は透明導電膜の主成分が単層カーボンナノチューブであって、該単層カーボンナノチューブがバンドル状態で存在しており、走査型電子顕微鏡観察にてバンドルの集合状態であるロープ形状が確認できることを特徴とする透明導電膜である。単層カーボンナノチューブは側壁を構成するベンゼン環の相互作用によって数本が束状に集まったいわゆるバンドル状態で存在することが一般的である。
従来、カーボンナノチューブを用いた透明導電膜については、次のように報告されている。例えばL.Huらの報告(Nano Lett.,Vol.4,No.12,2004 2513−2517)、Zhuangchun Wuらの報告(Science Vol.305,2004 1273−1276)、M.Kaempgenらの報告(Applied Surface Science Vol.252,2005 425−429)では、いずれも単層カーボンナノチューブがバンドル状態で存在しているが、バンドル同士が更に集まった形状は確認できない。上記報告ではバンドルの太さは10nm程度であるため、これらの単層カーボンナノチューブを積層して透明導電膜を作製しても表面の凹凸が小さいので濡れ性を向上させることはできない。
本発明では、単層カーボンナノチューブのバンドルが更に数本集まってロープ形状を構成していることが必要である。ロープ形状を構成することによって太さを20〜100nmとし、表面の凹凸が大きくなり、これによって濡れ性を向上させることができる。
バンドル状態とバンドルが集合したロープ状態とは、走査型電子顕微鏡観察によって判別することができる。例えば、図1ではバンドルは1本の繊維状に見え、バンドルが数本集まったロープ状態も確認することができる。
本発明による透明導電膜は走査型電子顕微鏡観察にてバンドルの集合状態であるロープ形状が確認できることが必要であるが、存在する全てのバンドルがロープ状態になっている必要はなく、5万倍の走査型電子顕微鏡観察においてロープ状態を確認できる部分が1箇所以上あればよい。
ロープ状態を作る方法としては特に制限はないが、単層カーボンナノチューブあるいはそのバンドルに対し機械的せん断力を加える方法が好ましく、具体的には単層カーボンナノチューブを液体中に分散させた状態でビーズミル処理、中空糸膜処理を行う方法などが挙げられる。
本発明による透明導電膜は、主成分が単層カーボンナノチューブであれば例えば界面活性剤などのその他の成分があっても良い。本発明において主成分が単層カーボンナノチューブであるとは、具体的には透明導電膜を走査型電子顕微鏡観察した場合に、カーボンナノチューブあるいはそのバンドル、バンドルが集まったロープ形状の存在が確認できる程度の単層カーボンナノチューブが含まれている状態のことである。また、本発明の効果を損なわない範囲において、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、分散剤、導電性高分子、顔料などを含むことが可能である。
本発明による透明導電膜に用いる基材は透明なシートまたはフィルムなどであれば特に制限はなく、アクリル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン-アクリル共重合体、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、シクロオレフィン系樹脂、セルロース樹脂、ガラスなどが挙げられる。また、必要に応じて基材と導電層間あるいは基材に対して導電層とは反対面上にハードコート層、防汚層、防眩層、反射防止層、粘着層などを積層したものを用いることも可能である。
本発明に用いる透明導電膜は、用いる用途によっても異なるが、表面抵抗率が1Ω/□以上10000Ω/□以下かつ、全光線透過率が40%以上であることが好ましい。
本発明に用いるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであれば特に制限はなく、化学修飾、物理修飾したものであっても良い。また単層カーボンナノチューブの製法についても特に制限はなく、化学蒸発法、レーザー蒸発法、アーク放電法など公知の製法を用いることができる。特に結晶性と生産性の観点からアーク放電法によって作製された単層カーボンナノチューブを用いることが好ましい。
また、一般に単層カーボンナノチューブは製造時にアモルファスカーボンや触媒として用いた金属粒子などの不純物を含むことが多いが、本発明において用いる単層カーボンナノチューブは純度が高い程より好ましい。
カーボンナノチューブの精製方法としては、硝酸や硫酸などを用いた液相酸処理や、酸素や空気雰囲気中での気相酸化処理あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
単層カーボンナノチューブの純度はラマン測定によって測定することが可能であり、本発明による透明導電膜は、単層カーボンナノチューブが波長532nmのレーザーを照射して検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、前記第1の吸収強度をID、第2の吸収強度をIGとしたときに式(1)
0<ID/IG≦0.03 (1)
を満たすことがより好ましい。
式(1)において、ID/IGの値が小さいほど単層カーボンナノチューブの純度が高いことを表している。本発明においては、ID/IGの値は0.03以下であることが好ましく、0.02以下であることがより好ましい。ID/IGの値が0.03より大きい場合は純度が低く透明性が低下する可能性がある。本発明に用いる透明導電膜は用いる用途によっても異なるが、透明導電膜の膜厚が10nm以上500nm以下であることが好ましい。透明導電膜の膜厚が10nm以下の場合は導電性が不足することがあり、500nm以上の場合は透明性が不足することがある。
基材上に導電層を形成する方法としては、カーボンナノチューブを溶媒中に分散させた後、基材上に塗工し、溶剤を加熱によって除去する方法が好ましい。
カーボンナノチューブを溶媒中に分散させる方法としては公知の分散法であれば特に制限はないが、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの極性基を有する化合物を分散剤としてカーボンナノチューブの表面を修飾する方法や、ロールミル、ビーズミル、ボールミル、超音波照射など機械的せん断力を用いて分散させる方法が挙げられる。
溶媒は一般的に塗料に用いられるものであれば特に制限はないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物、水などを挙げることができる。
カーボンナノチューブの溶媒に対する比率は、総重量を100wt%とした時に0.01wt%以上10wt%以下が好ましく0.1wt%以上1wt%以下がより好ましい。また必要に応じてアクリル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン-アクリル共重合体、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、シクロオレフィン系樹脂、酢酸ビニル、ブチラール、エポキシ、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂を本発明の効果を損なわない範囲で加えることも可能である。
基材上に塗工する方法は公知の方法であれば特に制限はないが、含浸法、ロールを用いた塗工法、ダイコート、基材に噴霧するようなスプレー法、カーテンフローコートなどが挙げられる。また、通常金属酸化物の導電フィルムを用いたときに導電膜を所望の形状に加工する必要がある場合は、一旦全面に透明導電膜を形成した後、不要な部分を除去するエッチングと呼ばれる工程が必要であるが、本発明において用いる塗工法の場合は、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷などの方法によって所望の形状に印刷するだけで目的とするパターンを形成することが可能である。
溶剤を加熱によって除去する工程は公知の方法であれば特に制限はないが、加熱炉、遠赤外炉などが挙げられる。
また本発明は、透明導電膜に対するN−メチル−2−ピロリドンの静的接触角が0°以上5°以下である透明導電膜を提供する。N−メチル−2−ピロリドンは、配向膜を製造する際に用いるポリイミドを溶解する際に一般的に用いられている有機溶剤であり、N−メチル−2−ピロリドンに対する濡れ性の高い基材を用いることによって透明電極層上に均一なポリイミド薄膜を形成することができる。
本発明において静的接触角とは、N−メチル−2−ピロリドンを基材に滴下した後、平衡状態における基材と液滴の接点の接線と基材との角度をいう。静的接触角が小さいほど濡れ生が高いことを表し、本発明においては透明電極層に対するN−メチル−2−ピロリドンの静的接触角が0°以上5°以下である透明導電膜である。静的接触角が5°以上の場合は濡れ性が低く、透明電極層上にポリイミド溶液を塗布した場合もはじきやピンホールが発生し、均一な膜が得られない可能性がある。
具体的には、透明導電膜表面が微細凹凸形状を有するものであれば特に制限はないが、透明導電膜の主成分が単層カーボンナノチューブであって、該単層カーボンナノチューブがバンドル状態で存在しており、走査型電子顕微鏡観察にてバンドルの集合状態であるロープ形状が確認できる透明導電膜や、金属酸化物からなる透明導電層表面を擦傷し凹凸形状を形成したものなどが挙げられる。
本発明は、上記の透明導電膜を用いた透明電極基板を提供する。
本発明による透明電極基板は本発明による透明導電膜を用いたものであれば特に制限はなく、基材表面全面が電極で覆われているものであってもよいし、パターニングされたものであってもよい。パターニングされた透明電極の場合は、一旦基板表面全体に透明導電膜を配置した後、一部除去する方法であってもよいし、パターン印刷によって透明電極を配置する方法であってもよい。また基板と透明電極間にカラーフィルター層や誘電体層などがあってもよい。透明電極板に用いられる透明導電膜の膜厚は、10nm以上500nm以下であることが好ましい。透明導電膜の膜厚が10nm以下の場合は導電性が不足することがあり、500nm以上の場合は透明性が不足することがある。
本発明は、本発明による透明電極基板を用いた液晶配向膜の製造方法を提供する。
本発明による配向膜の製造方法は、本発明による透明電極基板を用いるものであれば特に制限はないが、本発明による透明電極基板上にポリイミド溶液あるいはポリイミド前駆体の溶液を塗布する方法が好ましい。配向膜の膜厚は、少なくとも透明導電層の凹凸の段差よりも厚いことが好ましく、具体的には100nm以上10μm以下が好ましい。
さらに、必要に応じて加熱し、ポリイミド前駆体からポリイミド膜を作製したり、溶剤を除去したりすることができる。加熱する温度は、用いる基材が変形しない範囲が好ましい。
液晶を配向させる方法としては公知の方法であれば特に制限はないが、ポリイミド膜表面を物理的に擦る方法や、活性エネルギー線を照射する方法などが挙げられる。
<実施例>
5Lセパラブルフラスコにアーク放電法によって作製した未精製の単層カーボンナノチューブ(Carbolex社製)30g、蒸留水300mlを投入し、単層カーボンナノチューブを完全に蒸留水にて湿潤させた。
メカニカルスターラーにて攪拌しつつ、69%硝酸(和光純薬工業社製)2700mlを滴下した後、85℃にて48時間攪拌した。
反応液を室温まで冷却後、攪拌しつつ反応液のpHが10になるまで炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を紛体状態で投入した。この時点での未精製の単層カーボンナノチューブに対する回収率は51%であった。
pHが10になった反応液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ソフト型)(東京化成工業株式会社製)を固形分換算で6g投入後、コーン型超音波照射機(装置名ULTRASONIC HOMOGENIZER MODEL UH−600SR、エスエムテー社製)にて超音波を5分間照射した。
反応液より300mlを取り出し、13000rpmにて1時間遠心分離を行った(製品名CR26H 日立工機株式会社製)。上澄み液を回収し粗精製液とした。この時点での未精製の単層カーボンナノチューブに対する回収率は20%であった。
粗精製液を300mlのフラスコに投入し、クロスフローろ過に供した。使用した中空糸膜モジュールは孔径200nm、膜面積105cm(製品名ミディクロス・クロスフローモジュール SPECTRUM社製)であり、洗浄液は0.005M水酸化ナトリウム水溶液に0.2wt%になるようにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ソフト型))を加えた弱アルカリ性水溶液である。粗精製液を20.0Lの洗浄液で洗浄することによって精製単層カーボンナノチューブの分散液を得た。
精製単層カーボンナノチューブの分散液300mlに対し、イソプロピルアルコール300mlを投入し精製単層カーボンナノチューブを凝集させ、20000rpmにて10分間遠心分離を行った(製品名CR26H 日立工機株式会社製)。残渣を回収し、ラマン測定を行った(波長532nm、装置名:HoloLab5000株式会社島津製作所製)。ID/IGは0.016であった。
残渣を回収し、300mlの蒸留水に投入後コーン型超音波照射機(装置名ULTRASONIC HOMOGENIZER MODEL UH−600SR、エスエムテー社製)にて超音波を5分間照射し、精製カーボンナノチューブの水分散液を得た。
得られた精製カーボンナノチューブの水分散液を125μm厚ポリエステルフィルム(商品名 コスモシャインA4100 東洋紡社製)にスプレーコートし、透明電極基板を得た。
得られた透明電極基板に対するN−メチル−2−ピロリドンの接触角は0°であった(装置名:エルマ ゴニオメータ式 接触角測定器 エルマ光学株式会社製)。
表面抵抗率を4端子2探針法(装置名ロレスタ−FP、ダイアインスツルメンツ社製)にて測定したところ170Ω/□、全光線透過率を測定したところ(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)60.5%であった。
実施例で得られた透明電極基板表面の走査型電子顕微鏡写真を図1に記す。
図1から分かるようにカーボンナノチューブはバンドル状態で存在し、バンドルの集合状態であるロープ形状が図1中央部など確認できる。
<比較例1>
ポリエステルフィルム上にITO膜を積層した透明電極基板(商品名 300RK(CL) 東洋紡社製)に対するN−メチル−2−ピロリドンの接触角は11°であった(装置名:エルマ ゴニオメータ式 接触角測定器 エルマ光学株式会社製)。
表面抵抗率を4端子2探針法(装置名ロレスタ−FP、ダイアインスツルメンツ社製)にて測定したところ250Ω/□、全光線透過率を測定したところ(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)88.5%であった。
<比較例2>
化学蒸発法によって作製した単層カーボンナノチューブ(CNI社製)10mgを0.5%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ソフト型)水溶液10gに投入後コーン型超音波照射機(装置名ULTRASONIC HOMOGENIZER MODEL UH−600SR、エスエムテー社製)にて超音波を5分間照射し、3000rpmにて20分間遠心分離を行った(製品名CR26H 日立工機株式会社製)後、上澄み液を回収し、精製カーボンナノチューブの水分散液を得た。
得られた分散液を実施例と同様にスプレーコートし透明電極基板を得た。
得られた透明電極基板に対するN−メチル−2−ピロリドンの接触角は10°であった(装置名:エルマ ゴニオメータ式 接触角測定器 エルマ光学株式会社製)。
表面抵抗率を4端子2探針法(装置名ロレスタ−FP、ダイアインスツルメンツ社製)にて測定したところ1500Ω/□、全光線透過率を測定したところ(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)65.0%であった。
比較例2で得られた透明電極基板表面の走査型電子顕微鏡写真を図2に記す。
図2から分かるようにカーボンナノチューブはバンドル状態で存在するが、バンドルの集合状態であるロープ形状は確認できない。
上記の、実施例並びに比較例1および2の結果から、カーボンナノチューブを用い、かつSEM観察にてバンドルの集合状態であるロープ形状が確認できる透明電極基板の方が濡れ性の高いことが分かる。したがって、配向膜を作製するに際し、実施例で得られる透明電極基板の方が比較例1および2で得られる透明電極基板に比べ、はじきやピンホールのない均一な膜が得られることがわかる。
実施例によるカーボンナノチューブを用いた透明電極基板の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2によるカーボンナノチューブを用いた透明電極基板の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

  1. 透明導電膜の主成分が単層カーボンナノチューブであって、該単層カーボンナノチューブが、波長532nmのレーザーを照射して検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、前記第1の吸収強度をID、第2の吸収強度をIGとしたときに式(1)
    0<ID/IG≦0.03 (1)
    を満たし、かつ、該単層カーボンナノチューブがバンドル状態で存在しており、走査型電子顕微鏡観察にてバンドルの集合状態であるロープ形状が確認できる透明導電膜を備える透明電極基板上に、液晶配向膜を形成することを特徴とする液晶配向膜の製造方法。
  2. 前記透明導電膜に対するN−メチル−2−ピロリドンの静的接触角が0°以上5°以下である請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  3. 前記透明導電膜の膜厚が10nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶配向膜の製造方法。
JP2006290379A 2006-10-25 2006-10-25 液晶配向膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5160065B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006290379A JP5160065B2 (ja) 2006-10-25 2006-10-25 液晶配向膜の製造方法
TW096139645A TWI434904B (zh) 2006-10-25 2007-10-23 透明導電膜、透明電極基板及使用它之液晶配向膜之製法、以及碳奈米管及其製法
CNA2007800400267A CN101528595A (zh) 2006-10-25 2007-10-24 透明导电膜、透明电极基板及使用其的液晶取向膜的制造方法、以及碳纳米管及其制造方法
US12/447,377 US20100297449A1 (en) 2006-10-25 2007-10-24 Transparent conductive film, transparent electrode substrate and method for producing liquid crystal alignment film by using the same, and carbon nanotube and method for producing the same
PCT/JP2007/070708 WO2008050794A1 (en) 2006-10-25 2007-10-24 Transparent conductive film, transparent electrode substrate and method for producing liquid crystal alignment film by using the same, and carbon nanotube and method for producing the same
EP07830442A EP2088122A4 (en) 2006-10-25 2007-10-24 TRANSPARENT CONDUCTIVE FILM, TRANSPARENT ELECTRODE SUBSTRATE, AND PROCESS FOR PRODUCING LIQUID CRYSTAL ALIGNMENT FILM USING THE SAME, AND CARBON NANOTUBE AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
CN2011102304597A CN102408105A (zh) 2006-10-25 2007-10-24 透明导电膜、透明电极基板及使用其的液晶取向膜的制造方法、以及碳纳米管及其制造方法
KR1020097008532A KR101273961B1 (ko) 2006-10-25 2007-10-24 투명 도전막, 투명 전극 기판 및 이것을 사용한 액정 배향막의 제조 방법 그리고 카본 나노 튜브 및 그 제조 방법
EP09161029A EP2143686A1 (en) 2006-10-25 2007-10-24 Transperent conductive film, transparent electrode substrate and method for producing liquid crystal alignment film by using the same, and carbon nanotube and method for producing the same
US13/938,850 US20140017417A1 (en) 2006-10-25 2013-07-10 Transparent conductive film, transparent electrode substrate and method for producing liquid crystal alignment film by using the same, and carbon nanotube and method for producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006290379A JP5160065B2 (ja) 2006-10-25 2006-10-25 液晶配向膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008108575A JP2008108575A (ja) 2008-05-08
JP5160065B2 true JP5160065B2 (ja) 2013-03-13

Family

ID=39441751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006290379A Expired - Fee Related JP5160065B2 (ja) 2006-10-25 2006-10-25 液晶配向膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5160065B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5498058B2 (ja) * 2009-05-22 2014-05-21 東京エレクトロン株式会社 導電膜の製造方法及び製造装置並びに導電膜
WO2011100661A1 (en) * 2010-02-12 2011-08-18 Nantero, Inc. Methods for controlling density, porosity, and/or gap size within nanotube fabric layers and films
JP2011175890A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Toray Ind Inc 導電性フィルム
JP2013077415A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Mitsubishi Materials Corp 導電性反射膜用組成物および導電性反射膜の製造方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03200118A (ja) * 1989-12-28 1991-09-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 液晶セル
JPH0675225A (ja) * 1992-08-25 1994-03-18 Ube Ind Ltd 配向制御膜
US6183714B1 (en) * 1995-09-08 2001-02-06 Rice University Method of making ropes of single-wall carbon nanotubes
JP2002515847A (ja) * 1997-05-29 2002-05-28 ウィリアム・マーシュ・ライス・ユニバーシティ 単層カーボンナノチューブ類から形成された炭素繊維類
US6790425B1 (en) * 1999-10-27 2004-09-14 Wiliam Marsh Rice University Macroscopic ordered assembly of carbon nanotubes
JP5298398B2 (ja) * 2000-07-07 2013-09-25 日産化学工業株式会社 液晶配向処理剤およびこれを用いた液晶表示素子
AU2002307283A1 (en) * 2001-04-12 2002-10-28 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Purification of carbon filaments and their use in storing hydrogen
JP2004156057A (ja) * 2002-09-10 2004-06-03 Ulvac Japan Ltd 炭素薄膜の形成方法および得られた炭素薄膜
JP4213616B2 (ja) * 2004-03-31 2009-01-21 大日本印刷株式会社 液晶パネル用ベースフィルム、液晶パネル用機能フィルム、機能フィルムの製造方法、および機能フィルムの製造装置
US8481158B2 (en) * 2004-04-19 2013-07-09 Technology Research Institute Of Osaka Prefecture Carbon-based fine structure array, aggregate of carbon-based fine structures, use thereof and method for preparation thereof
JP3952476B2 (ja) * 2004-07-26 2007-08-01 学校法人 名城大学 単層カーボンナノチューブ及びその製造方法
JP2006053380A (ja) * 2004-08-12 2006-02-23 Seiko Epson Corp 液晶配向膜形成用組成物及び液晶表示装置の製造方法
JP2006154158A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Hitachi Displays Ltd 液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008108575A (ja) 2008-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101273961B1 (ko) 투명 도전막, 투명 전극 기판 및 이것을 사용한 액정 배향막의 제조 방법 그리고 카본 나노 튜브 및 그 제조 방법
JP5320287B2 (ja) 透明導電膜および透明導電膜の製造方法
TWI428275B (zh) 單層碳奈米管分散液及單層碳奈米管分散液之製法
JP5194480B2 (ja) カーボンナノチューブコーティング膜およびその製造方法
US20090032777A1 (en) Carbon nanotube dispersion liquid and transparent conductive film using same
TWI460123B (zh) 金屬性碳奈米管之製法、碳奈米管分散液、含有碳奈米管之膜及透明導電膜
KR20120098823A (ko) 도전 적층체 및 그것을 이용하여 이루어지는 터치 패널
KR102038206B1 (ko) 도전성 필름, 편광판 및 터치 패널 부착 표시 장치
JP5428924B2 (ja) 導電積層体およびそれを用いてなるタッチパネル
JP5160065B2 (ja) 液晶配向膜の製造方法
WO2009125788A1 (ja) カーボンナノチューブを用いた導電膜およびその製造方法
WO2016009915A1 (ja) 導電性フィルム、タッチパネル付き表示装置
JP2011082165A (ja) 電極基板の製造方法
KR20080107688A (ko) 탄소나노튜브로 구성되는 투명한 디스플레이용 전도성필름의 제조방법
JP2009282865A (ja) タッチパネル用透明電極基板、及びタッチパネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees