JP5159419B2 - 負帯電性電荷調整剤及びこれを含有するトナー - Google Patents

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Description

本発明は、高い負帯電性を有する電荷調整剤及びこれを含有してなり、優れた帯電特性を有するトナーに関する。
電子写真は、光導電性物質等により構成された感光体上に潜像を形成し、これをトナーと呼ばれる粉末現像剤で現像して顕像化、ついで熱や圧力によって紙上に定着する方法が一般的である。
トナーは、結着樹脂に着色剤、電荷調整剤、流動化剤等を分散させたものと鉄粉またはフェライト粉のキャリアとの混合物よりなる2成分系現像剤と、結着樹脂、着色剤、電荷調整剤、流動化剤及び磁性体よりなる1成分系現像剤とに分けられる。
2成分系現像剤は、キャリアとの摩擦により荷電させたトナーを静電潜像に付着させて現像し、1成分系現像剤は、2成分系現像剤のキャリアと同様の機能を有するブラシ状やプレート状の摩擦部材と摩擦させて現像する、あるいは前記摩擦部材の代わりに磁性体微粉末を分散状態に保ち、該磁性体微粉末と相互摩擦させて現像する。
感光体は、正または負に荷電できるので、オリジナルに基づく露光により正または負の静電潜像が得られる。得られた静電潜像の極性に応じて、トナーは正または負に保持される。
トナーに荷電を保つためには、キャリア及びその表面の材質とトナーの主成分である樹脂との摩擦帯電性を利用することも提案されているが、トナーの荷電が小さく、かつ固体表面抵抗値が大きいため、得られた画像はカブリ易く、不鮮明なものとなる。そこで所望の摩擦帯電性をトナーに付与するために、電荷調整剤が添加される。
電荷調整剤は、帯電極性により正帯電性、負帯電性の2種類に分けられ、正帯電性電荷調整剤としては、ニグロシン、第4級アンモニウム塩化合物等が、負帯電性電荷調整剤としては、含金属アゾ化合物、サリチル酸誘導体の金属化合物等があげられる。
特許文献1には、Cr、Zn等の重金属を含まないため人体に対して安全であり、且つ環境負荷が小さい負帯電性電荷調整剤として、ベンジル酸誘導体の錯体からなる化合物が開示されている。
この化合物を負帯電性電荷調整剤に用いた場合、帯電特性に優れ、溶融混練が充分できる温度まで熱安定性を有しており、樹脂成分への分散性が良好で、更には本化合物が白色である為色調障害を起こす事が無く、カラートナー用としても好適である。
このようにベンジル酸誘導体のホウ素またはアルミニウム錯体からなる負帯電性電荷調整剤は、優れた負帯電性電荷調整剤であるが、帯電の立ち上がりの早さ、および連続印刷時におけるトナーの帯電量の環境に対する安定性には、十分に満足のいくものではなく改良する必要があった。
特開2000−010345号公報
本発明の目的は、低温から高温に至るまで広い温度範囲及び低湿から高湿に至るまで広い湿度範囲にて優れた負帯電性を発現でき、安定性に優れた電荷調整剤を提供することである。
また、該電荷調整剤を含有することで、トナー粒子間やトナーとキャリア間の摩擦帯電特性を安定させることができ、かつ、摩擦帯電分布量がシャープで均一になり、帯電立ち上がりに優れ、トナー飛散の恐れが少ない電子写真用トナーの提供をするものである。そのようなトナーの提供は、連続した複写においても画像のカブリがなく、適切な画像濃度が得られる良好な現像剤の製造に資するものと期待される。
本発明者等は、鋭意検討した結果、ホウ素またはアルミニウムを中心とした特定構造を有する有機錯体アニオンのアルカリ金属塩に着目し、該有機錯体アニオン骨格の少なくとも一部が、フッ素原子あるいはフッ化アルキル基で置換された化合物が、優れた電荷調整剤としての特性を有する事を見出し、これを負帯電性電荷調整剤として用いたトナーは、帯電の立ち上がりが早く、環境安定性に優れ、低温低湿環境下および高温高湿環境下の幅広い環境下において連続印刷時におけるトナーの安定した帯電量を維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の(1)〜(8)に示すものである。
(1)下記一般式(A)、
Figure 0005159419
(A式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R〜Rはそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。Xは、アルカリ金属を表す。)
で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
(2)下記一般式(B)、
Figure 0005159419
(B式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R〜Rはそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜5の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
(3)下記一般式(C)、
Figure 0005159419
(C式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R〜R12はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜5の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
(4)下記一般式(D)、
Figure 0005159419
(D式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R13〜R16はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜4の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
(5)下記一般式(E)、
Figure 0005159419
(E式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R17、R18はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜4の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
(6)下記一般式(F)、
Figure 0005159419
(F式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R19〜R22はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。Xは、アルカリ金属を表す。)
で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
(7)下記一般式(G)、
Figure 0005159419
(G式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R23、R24はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜4の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の負帯電性電荷調整剤と、結着樹脂とが含有されてなることを特徴とするトナー。
更には、該結着樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とするトナーである。
本発明の負帯電性電荷調整剤は、フッ素原子あるいはフルオロアルキル基を有するホウ素またはアルミニウムを中心とした有機アニオン錯体であり、該有機アニオン錯体のカウンターカチオンがアルカリ金属からなる化合物である。その為、溶融混練が充分できる温度まで熱安定性を有しており、樹脂成分への分散性が良好である。さらに、白色であるために色調障害を起こすことがなく、カラートナー用電荷調整剤として好適である。
本発明の負帯電性電荷調整剤を含有させたトナーは、トナー粒子間やトナーとキャリア間の摩擦帯電特性が安定し、かつ摩擦帯電量分布がシャープで均一になり、画像へのカブリやトナーの飛散のない、使用する現像システムに適した帯電量に制御することができる。また、従来の負帯電性電荷調整剤と比較し、帯電の立ち上がりが早く、環境安定性にも優れ、低温低湿環境下および高温高湿環境下までの幅広い環境化において帯電量の変化が小さく、更にはこれらの環境下において連続印刷時におけるトナーの安定した帯電量を維持でき、印字密度の変化や画像濃度変化のない電子写真画像を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は下記(A)〜(G)のいずれかに示す化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤である。
本発明の負帯電性電荷調整剤は、上記化合物中の有機錯体アニオン骨格に少なくとも一つのフッ素原子基あるいはフッ化アルキル基で置換されていることを特徴とする。
Figure 0005159419
ここで、A式中、R〜Rは水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基を示し、その少なくとも一つがフッ素原子あるいはフッ化アルキル基である。
前記フッ化アルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐鎖状のフッ化アルキル基を挙げることができ、具体的には、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、トリフルオロブチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、iso−パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、iso−パーフルオロブチル基、sec−パーフルオロブチル基、tert−パーフルオロブチル基が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキル基を挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
A式中、Mは、ホウ素またはアルミニウムを示し、帯電特性の面でホウ素がより好ましい。また、Xは、アルカリ金属を示し、カチオンのイオン半径とブローオフ帯電量との相関関係により、好ましくは、Li、NaまたはKからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、トナーの耐湿性の面から、より好ましくはNaまたはKである。
Figure 0005159419
ここで、B式中、R、Rは水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基を示し、その少なくとも一つがフッ素原子あるいはフッ化アルキル基である。
前記フッ化アルキル基としては、A式の説明に記載したものと同様のものを挙げることができ、また、前記アルキル基としても、A式同様のものが挙げられる。前記MについてもA式同様のものが挙げられる。また、nは1〜5の整数を表す。
Figure 0005159419
ここで、C式中、R〜R12は水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基を示し、その少なくとも一つがフッ素原子あるいはフッ化アルキル基である。
前記フッ化アルキル基としては、A式の説明に記載したものと同様のものを挙げることができ、また、前記アルキル基としても、A式同様のものが挙げられる。前記MについてもA式同様のものが挙げられる。また、nは1〜5の整数を表す。
Figure 0005159419
ここで、D式中、R13〜R16は水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基を示し、その少なくとも一つがフッ素原子あるいはフッ化アルキル基である。
前記フッ化アルキル基としては、A式の説明に記載したものと同様のものを挙げることができ、また、前記アルキル基としても、A式同様のものが挙げられる。前記MについてもA式同様のものが挙げられる。また、nは1〜4の整数を表す。
Figure 0005159419
ここで、E式中、R17、R18は水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基を示し、その少なくとも一つがフッ素原子あるいはフッ化アルキル基である。
前記フッ化アルキル基としては、A式の説明に記載したものと同様のものを挙げることができ、また、前記アルキル基としても、A式同様のものが挙げられる。前記MについてもA式同様のものが挙げられる。また、nは1〜4の整数を表す。
Figure 0005159419
ここで、F式中、R19〜R22は水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基を示し、その少なくとも一つがフッ素原子あるいはフッ化アルキル基である。
前記フッ化アルキル基としては、A式の説明に記載したものと同様のものを挙げることができ、また、前記アルキル基としても、A式同様のものが挙げられる。前記MについてもA式同様のものが挙げられる。
Figure 0005159419
ここで、G式中、R23、R24は水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基を示し、その少なくとも一つがフッ素原子あるいはフッ化アルキル基である。
前記フッ化アルキル基としては、A式の説明に記載したものと同様のものを挙げることができ、また、前記アルキル基としても、A式同様のものが挙げられる。前記MについてもA式同様のものが挙げられる。また、nは1〜4の整数を表す。
次に、本発明の負帯電性電荷調整剤の製造方法について述べる。
上記一般式(A)〜(G)に示される負帯電性電荷調整剤は以下の方法により得ることができる。すなわち、ホウ酸又は塩化アルミニウムを、NaOH、KOHまたはLiOHの水溶液に、下式で示される原料化合物をそれぞれ等量ずつ加え、例えば温度80℃で約2時間撹拌しながら反応し、得られた生成物を濾別することにより、容易に得ることができる。
Figure 0005159419
原料化合物を表す上式中、R、R、R、R、R、R10、R13、R14、R17、R19、R20及びR23は、上述したものと同様のものを示す。また、nは上述したものと同様のものを示す。
以下に、本発明の負帯電性電荷調整剤として好適なものの具体例を示す。なお、化合物番号は、実施例中でも共通に用いる。
Figure 0005159419
本発明の負帯電性電荷調整剤は、優れた負帯電性を有しており、すなわちこれを負帯電性電荷調整剤として用いたトナーは、帯電の立ち上がりが早く、また繰返し使用時および休止時においてトナーの安定した帯電量を維持できるため、画像濃度の変化を少なくすることができる。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤及び本発明の負帯電性電荷調整剤の他に、必要に応じて添加される内添剤または外添剤よりなる。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、周知のトナー用樹脂が用いられ、例えばポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、パラフィンワックス等から選ばれる1種または2種以上があげられ、得られたトナーの帯電特性を考慮すると、好ましくはポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂またはエポキシ樹脂であり、さらに好ましくはポリエステル樹脂である。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、周知の顔料や染料が用いられ、通常用いられているものであれば特に限定されない。例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の黒色着色剤、黄鉛、カドミウムイエロー等の黄色着色剤、パーマネントオレンジ、モリブデンオレンジ等の橙色着色剤、酸化鉄、アンバー等の褐色着色剤、ベンガラ、ローズベンガラ等の赤色着色剤、コバルト紫、ファーストバイオレット等の紫色着色剤、メチレンブルー、アニリンブルー等の青色着色剤、クロムグリーン、ピグメントグリーンB等の緑色着色剤があげられる。
内添剤としては、溶融トナーを基材に融着固定させる時の強度向上用定着剤となるポリプロピレン、溶融トナーのローラー付着を防止する離型剤となるポリエチレン、ポリプロピレン等の合成ワックスや天然ワックスがあげられる。
外添剤としては、トナー粉体の流動性を向上させる流動化剤となる疎水性シリカ、感光体上のクリーニング特性を向上させるクリーニング剤となるアルミナ、酸化チタン、樹脂系超微粒子等があげられる。
本発明のトナーは、通常、キャリアと混合して2成分系現像剤として用いられるが、磁性材料を含有させて1成分系現像剤としても用いられる。
2成分系現像剤でのキャリアとしては、鉄、フェライト、鋼、磁鉄鉱、ニッケル等の磁性材料をシリコーン樹脂またはアクリル樹脂で被覆した周知のものが用いられる。
また、1成分系現像剤での磁性材料としては、周知のマグネタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケル等の金属またはアルミニウム、コバルト、銅、鉛、亜鉛、ビスマス、カルシウム等の合金あるいはその混合物が用いられる。
本発明のトナーは、まず結着樹脂中に、着色剤及び本発明の負帯電性電荷調整剤、さらに必要に応じて添加剤、磁性材料を加え、ブレンダーで混合後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の加熱混練機を用いて溶融、混練して、分散または溶解させ、ついで、冷却、固化させた後、ハンマーミル、カッターミル等で粗粉砕し、ジェットミルで1〜20μmに粉砕、分級することにより得られる。
他の方法としては、結着樹脂中に、着色剤及び本発明の負帯電性電荷調整剤を分散させた後に、噴霧乾燥する方法、あるいは結着樹脂となる単量体に、着色剤及び本発明の負帯電性電荷調整剤を混合させて、乳化懸濁液とした後、重合させる方法が挙げられる。
本発明のトナーにおいて、本発明の負帯電性電荷調整剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部より少ない場合、帯電が不均一となりトナー飛散が生じやすく、10重量部より多い場合、トナー中で電荷調整剤が凝集し、帯電が不均一となる。
本発明のトナーは、トナー粒子間やトナーとキャリア間の摩擦帯電特性が安定し、かつ摩擦帯電量分布がシャープで均一になり、画像へのカブリやトナーの飛散のない、使用する現像システムに適した帯電量に制御することができる。
また、長期の連続使用でも、トナーが凝集せず、帯電特性も変化せず、環境変化による影響を受けない安定した画像を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。なお、本発明は、これらの実施例等によりなんら限定されない。また、実施例及び比較例中の「部」は、「重量部」を表す。
尚、評価方法として、実施例及び比較例に掲げた負帯電性電荷調整剤を原料に用い、2成分系現像剤を作製し、まず、当該現像剤のブローオフ帯電量を測定し、次いでOPC感光ドラムを有する市販複写機で連続複写による現像試験を実施した。これらの試験から、帯電立ち上がり、トナー飛散状況、画像濃度、カブリの状態、耐久性の各特性について比較した。
実施例1
結着樹脂としてポリエステル樹脂(ポリエスターHP301(登録商標)、日本合成化学工業社製)100部、着色剤としてカーボンブラック(以下、「CB」と略記する。)5部、負帯電性電荷調整剤として「化合物1」(単体ブローオフ帯電量−54μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−56μC/g)1部、内添剤としてポリプロピレン系ワックス(ビスコール550P(登録商標)、三洋化成工業社製)5部をブレンダーで混合した後、二軸押出し型混練機で溶融混練し、放冷後、ハンマーミル(不二パウダル社製)を用いて粗粉砕し、さらにジェットミル(セイシン企業社製)を用いて平均粒径10μmに微粉砕、分級した。得られた微粒子に外添剤として疎水性シリカ0.4部を混合して黒色トナーを得た。この黒色トナー4部とシリコーン被覆フェライトキャリア100部とを、ブレンダーを用いて混合し、2成分系現像剤を得た。
得られた現像剤をブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)により、窒素ガス中、1kg/cmの圧力下で30秒間ブローし、現像剤のブローオフ帯電量を測定した。
測定した現像剤のブローオフ帯電量は、常温、常湿下(25℃、50%RH)では−51μC/g、高温、高湿下(35℃、80%RH)では−47μC/g、低温、低湿下(10℃、15%RH)では−49μC/gであった。結果を表1に示す。
常温、常湿下(25℃、50%RH)、OPC感光ドラムを有する市販複写機で1,000枚の連続複写を行う現像試験を行ったところ、帯電の立ち上がりが早く、トナーの飛散がなく、白地への汚れであるカブリのない、高濃度の鮮明な画像が得られ、1,000枚の連続複写後も良好な画像で、耐久性も良好であった。また、高温、高湿下および低温、低湿下においても同様の試験を実施したが、常温、常湿下の結果と等しく良好な結果であった。結果を表2にそれぞれ示す。
実施例2
実施例1において結着樹脂としてポリエスターHP313を100部、着色剤としてC.I.ピグメントレッド57:1を5部、負帯電性電荷調整剤として「化合物2」(単体ブローオフ帯電量−56μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−57μC/g)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。
実施例3
実施例1において、結着樹脂としてポリエスターHP313を100部、着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:3を5部、負帯電性電荷調整剤として「化合物3」(単体ブローオフ帯電量−53μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−55μC/g)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。
実施例4
実施例1において、結着樹脂としてエポキシ樹脂(旭エポキシレジン330R、旭化成工業社製)100部、着色剤としてPB15:3を5部、負帯電性電荷調整剤として「化合物4」(単体ブローオフ帯電量−57μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−58μC/g)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。
実施例5
実施例1において、結着樹脂としてスチレン−アクリル樹脂(ハイマーSB101(登録商標)、三洋化成工業社製)、着色剤としてC.I.ピグメントレッド57:1を5部、負帯電性電荷調整剤として「化合物5」(単体ブローオフ帯電量−49μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−52μC/g)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。
実施例6
実施例1において、結着樹脂としてハイマーSB101を100部、着色剤としてPY12を5部、負帯電性電荷調整剤として「化合物6」(単体ブローオフ帯電量−48μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−50μC/g)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。
実施例7
実施例1において、結着樹脂としてポリエスターHP313を100部、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー12を5部、負帯電性電荷調整剤として「化合物7」(単体ブローオフ帯電量−56μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−58μC/g)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。
比較例1
実施例1において、負帯電性電荷調整剤として「化合物8」(下式に示す。単体ブローオフ帯電量−51μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−56μC/g)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。帯電立ち上がりおよび現像試験結果から実用上問題はないが、実施例1〜7と比較し特性上劣る結果であった。
比較例2
実施例2において、負帯電性電荷調整剤として「化合物9」(下式に示す。単体ブローオフ帯電量−47μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−53μC/g)1部を用いた以外は、実施例2と同様にして、2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。帯電立ち上がりおよび現像試験結果から、実施例1〜7と比較し特性上劣る結果であり、特に低温低湿、高温高湿下での特性が劣っていた。
比較例3
実施例6において、負帯電性電荷調整剤として「化合物10」(下式に示す。単体ブローオフ帯電量−46μC/g、ポリエステル樹脂混合物ブローオフ帯電量−48μC/g)1部を用いた以外は、実施例6と同様にして、2成分現像剤を得た。
実施例1と同様に測定した現像剤のブローオフ帯電量と帯電の立ち上がりの結果および、現像試験の結果を表1、2に示す。帯電立ち上がりおよび現像試験結果から、実施例1〜7と比較し特性上劣る結果であり、低温低湿、高温高湿下のみならず常温常湿下での特性も劣っていた。
Figure 0005159419
Figure 0005159419
表1中、◎は良好、○は可、△は不良
Figure 0005159419
表1中、○は良好、△は可、×は不良

Claims (8)

  1. 下記一般式(A)、
    Figure 0005159419
    (A式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R〜Rはそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。Xは、アルカリ金属を表す。)
    で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
  2. 下記一般式(B)、
    Figure 0005159419
    (B式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R〜Rはそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜5の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
    で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
  3. 下記一般式(C)、
    Figure 0005159419
    (C式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R〜R12はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜5の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
    で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
  4. 下記一般式(D)、
    Figure 0005159419
    (D式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R13〜R16はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜4の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
    で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
  5. 下記一般式(E)、
    Figure 0005159419
    (E式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R17、R18はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜4の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
    で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
  6. 下記一般式(F)、
    Figure 0005159419
    (F式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R19〜R22はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。Xは、アルカリ金属を表す。)
    で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
  7. 下記一般式(G)、
    Figure 0005159419
    (G式中、Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。R23、R24はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、その少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。nは1〜4の整数を表す。Xは、アルカリ金属を表す。)
    で表される化合物からなることを特徴とする負帯電性電荷調整剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の負帯電性電荷調整剤と、結着樹脂とが含有されてなることを特徴とするトナー。
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