JP4139337B2 - 二成分現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤に関する。
現像剤を用いた画像形成方法には、カールソンプロセスを応用した電子写真方式が広く用いられている。電子写真方式を利用した画像形成装置は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程および定着工程などによって画像が形成される。帯電工程では、感光体の表面を暗所で均一に帯電する。露光工程では、帯電した感光体に原稿像を投射することにより、光の当たった部分の帯電が除去されて感光体の表面に静電潜像を形成する。現像工程では、感光体表面に形成された静電潜像に現像剤のトナーを付着させることにより可視像を形成する。転写工程では、感光体表面に形成された可視像に紙およびシートなどの記録媒体を接触させ、可視像と接触している記録媒体の面とは反対側からコロナ放電を行い、トナーとは逆の極性の電荷を記録媒体に与えることにより、可視像を記録媒体に転写する。定着工程では、加熱および加圧などの手段により記録媒体に転写された可視像を定着する。クリーニング工程では、記録媒体に転写されずに感光体の表面に残ったトナーを回収する。以上の工程を繰り返すことによって、電子写真プロセスを利用した画像形成装置は、記録媒体上に所望の画像を形成する。
従来、電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる現像剤としては、粉砕法および重合法などによって製造されるトナーを含むことが知られている。粉砕法とは、熱可塑性樹脂、着色剤、帯電制御剤およびオフセット防止剤としてのワックスなどを溶融混練した後、冷却して固化させて溶融混練物を調製し、その溶融混練物を粉砕および分級することによってトナーを調製する方法である。また、重合法とは、懸濁重合法および乳化重合法などによってトナーを調製する方法である。
現在、複写機およびプリンタなどの画像形成装置は、高速化および小型化が図られており、長期間高画質な画像が得るために、耐久性および環境安定性の優れた現像剤の開発が求められている。
現像剤がトナーとキャリアとからなる二成分現像剤の場合、耐久性および環境安定性の優れた現像剤を開発するためには、画像形成装置内で、現像剤を安定して帯電させるために、コア材の種類、コート材の種類およびコート材の量の最適化などのキャリアの開発が、トナーの開発とともに重要である。
キャリアの開発の典型的な従来の技術は、特許文献1に記載されている。特許文献1のカラー現像剤は、トナーとキャリアからなる現像剤で、キャリアが、キャリア芯材(コア材)重量に対して、所定の樹脂(コート材)を0.1〜5.0重量%被覆しているカラー現像剤である。
また他の従来の技術は、特許文献2に記載されている。特許文献2の電子写真用二成分現像剤は、トナーとキャリアからなる現像剤で、キャリアが、キャリア芯材の重量に対して、被覆材(コート材)を5.0重量%を超えて被覆している電子写真用二成分現像剤である。
特開平4−177369号公報 特開2003−255591号公報
現像剤は、感光体の表面に形成された静電潜像に現像剤のトナーが円滑に付着できるような適度な流動性および帯電性を有する必要がある。現像剤の流動性および帯電性は、トナーおよびキャリアの組成に依存する。
特許文献1に開示されているカラー現像剤によると、キャリア芯材に、所定の樹脂をキャリア芯材の重量に対して0.1〜5.0重量%となるように被覆しているキャリアを用いることによって、キャリア表面にトナーが薄膜を形成するなどの汚染を防ぐことができ、耐久性および環境安定性に優れた現像剤となる。しかし、近年、画像形成装置は、高速化および小型化されており、そのような画像形成装置を用いて画像形成を行うと、現像剤に与えられるストレスが、以前の画像形成装置より大きいので、上記トナーをそのまま長期間使用すると、樹脂がキャリア芯材からはがれ落ち、キャリア芯材が表面に露出してしまう。つまり、高速化および小型化された画像形成装置を用いて画像形成する場合においては、初期状態のキャリア特性を維持できない耐久性が不充分な現像剤であり、得られた画像は、画像濃度の低下などを引き起こしたものとなってしまう。
また、特許文献2に開示されている電子写真用二成分現像剤によると、キャリア芯材に、被覆材を5.0重量%を超えて被覆することによって、高速化および小型化された画像形成装置において長期間使用しても、キャリア芯材が表面に露出しにくくなり、キャリア特性を長期間維持できる耐久性のより優れた現像剤である。しかし、キャリア芯材に多量の被覆材を被覆することになるので、被覆材の種類によっては、環境特性などのキャリア特性を確保できない可能性があり、また、画像形成時において、高温高湿下では、現像剤中のトナー濃度が安定せず、トナー飛散および白地カブリなどを起こす可能性もあるので、トナーにマグネタイトを外添することによって解決している。
さらに、本願発明者らは、キャリアのコート量がコア材に対して5.0重量%以上であっても、トナー濃度をトナーのキャリアに対する被覆率で規定することによって、耐久性および環境安定性の優れた現像剤を得ることができることを見出した。ここで、トナーのキャリアに対する被覆率とは、トナーおよびキャリアの形状を凸凹のない球形として算出したものである。トナーおよびキャリアの形状が凸凹の小さい球体である場合において、トナー濃度を被覆率で規定された範囲内にすることによって、耐久性および環境安定性の優れたトナーが得られた。しかしながら、凸凹の大きく、比表面積の大きいトナーまたはキャリアを用いると、トナー濃度を規定された範囲より高めにしても、トナーとキャリアとの接触する機会が増えるので、耐久性および環境安定性の優れた現像剤を得ることができる場合のあることがわかった。
そこで、本発明の目的は、二成分現像剤を構成するトナーおよびキャリアの形状が、凹凸の大きな球形であるか凹凸の小さな球形であるかに関わらず、耐久性および環境安定性の優れた二成分現像剤を提供することである。
本発明は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤であって、
キャリアは、コア材をコート材で被覆したものであって、
コート材は、コア材の重量に対して5重量%以上20重量%以下であり、
トナーは、現像剤中のトナー濃度が、下記式(1)を満たし、トナーの比重は1.2であり、キャリアの比重は4.8であり、トナーの比表面積は7800cm /cm 以上7810cm /cm 以下であり、キャリアの比表面積は895cm /cm 以上1010cm /cm 以下であることを特徴とする二成分現像剤である。
100/(0.75k+1) ≦ X ≦ 100/(0.34k+1) …(1)
= トナー濃度(重量%)
= 被覆係数(k = Sρ / Sρ
ρ = キャリアの比重
ρ = トナーの比重
= キャリアの比表面積(cm/cm
= トナーの比表面積(cm/cm
また本発明は、トナーは、外添剤として無機微粒子を含むことを特徴とする。
また本発明は、無機微粒子は、シリカであることを特徴とする。
本発明によれば、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤である。キャリアは、コア材とコート材とを含み、コート材がコア材の重量に対して5重量%以上20重量%以下被覆したものである。さらに、現像剤中のトナー濃度は、上記式(1)を満たす。このとき、トナーの比重は1.2であり、キャリアの比重は4.8であり、トナーの比表面積は7800cm /cm 以上7810cm /cm 以下であり、キャリアの比表面積は895cm /cm 以上1010cm /cm 以下である。
キャリアにおけるコート量がコア材重量に対して5重量%以上含有させることによって、現像剤の耐久性が向上し、さらに上記式(1)を満足させるようにトナー濃度を決めることで環境安定性に優れた二成分現像剤を製造することができる。
また本発明によれば、トナーに外添剤として無機微粒子を含んでいることによって、帯電性を向上させ、また、高温高湿下でトナー濃度を安定推移させることが可能となり、耐久性および環境安定性のより優れた二成分現像剤を製造することができる。
また本発明によれば、無機微粒子としてシリカを用いた場合、帯電性の向上に大きな効果があり、耐久性および環境安定性の優れた二成分現像剤を製造することができる。
本発明である二成分現像剤は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤である。キャリアは、コア材とコート材とを含み、コート材がコア材の重量に対して5重量%以上20重量%以下コア材に被覆したものである。
[トナー濃度]
本発明である二成分現像剤は、被覆率に基づいてトナー濃度を規定する。トナーおよびキャリアの形状が凸凹の小さい球体である場合においては、トナーおよびキャリアが凹凸のない球体であるとして算出した被覆率でトナー濃度を規定すると、耐久性および環境安定性の優れたトナーを得ることができた。
しかしながら、トナーまたはキャリアの形状が凸凹の大きな球体である場合においては、トナー濃度を被覆率で規定された範囲より高めにしても、耐久性および環境安定性の優れた現像剤を得ることができる場合のあることがわかった。
そこで、トナーおよびキャリアの形状が、凹凸の大きな球形であるか凹凸の小さな球形であるかに関わらず、耐久性および環境安定性の優れた二成分現像剤を得ることができるように、トナーおよびキャリアの比重および比表面積から求めた被覆率、つまりトナーおよびキャリアの凹凸を考慮した被覆率に基づいてトナー濃度を後述のように規定した。
トナーおよびキャリアの凹凸を考慮した被覆率は、下記式に示すように、トナーおよびキャリアの表面積の比によって表わすことができる。
被覆率 = トナーの表面積 / キャリアの表面積
トナーおよびキャリアの表面積を、それぞれの比重および比表面積を用いて表わすと下記式のように表わされる。
被覆率 =(S/ρ)/(S/ρ
ρ = キャリアの比重
ρ = トナーの比重
= キャリアの比表面積(cm/cm
= トナーの比表面積(cm/cm
トナー濃度を考慮すると、被覆率を現像剤100g当たりの被覆率として、下記式のように変形できる。
被覆率 = (S/ρ)× X /(S/ρ)×(100−X)
= SρX / Sρ(100−X)
= トナー濃度(重量%)
ここで、被覆率であるSρX / Sρ(100−X)の値の好ましい範囲を規定することによって、耐久性および環境安定性の優れた二成分現像剤を得ることができる。
しかし、好ましいトナー濃度である二成分現像剤を製造しようとするとき、好ましい範囲を上記のように設定していると、被覆率であるSρX / Sρ(100−X)の値を計算しなければならない。
そこで、トナー濃度を規定するため、トナーのキャリアに対する被覆率を後述のように変形する。
まず、式を簡略化するために、下記式のように被覆率の逆数の範囲の式に変形する。
A ≦Sρ(100−X)/ SρX≦ B
ここで、k = Sρ / Sρとすると下記式のように変形できる。
A≦(100−X)/kX≦ B
AkX≦100−X≦ BkX
(Ak+1)X≦100≦(Bk+1)X
100/(Bk+1)≦X≦100/(Ak+1)
さらに、後述の実施例に基づいて、トナーの比重が1.2であり、キャリアの比重が4.8であり、トナーの比表面積が7800cm /cm 以上7810cm /cm 以下であり、キャリアの比表面積が895cm /cm 以上1010cm /cm 以下である場合、Aが0.34、Bが0.75と求められ、トナーの比重が1.2であり、キャリアの比重が4.8であり、トナーの比表面積が7800cm /cm 以上7810cm /cm 以下であり、キャリアの比表面積が895cm /cm 以上1010cm /cm 以下である二成分現像剤において、式(1)に示すように、トナー濃度を規定することができる。
トナー濃度が、100/(0.75k+1)より小さいと、キャリアに対するトナーの被覆率が、不充分となり、充分な画像濃度が得られない。また、100/(0.34k+1)より大きいと、キャリアに対するトナーの被覆率が大きくなりすぎ、環境安定性が悪くなり、白地カブリが発生してしまう。
なお、トナー濃度は、製造時の現像剤のトナーとキャリアの比率を示し、さらに、その比率は、装置動作中の現像器内においても保たれる必要がある。
[トナー]
本発明である二成分現像剤を構成するトナーは、樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤などを含むトナー母体粒子に外添剤を添加して構成される。
(樹脂)
トナー母体粒子は、樹脂を含んで構成される。樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂などを挙げることができる。上記の樹脂を単独で用いてもよいし、複数の混合物で用いてもよい。また、共重合体は、ブロック共重合体でもよいし、グラフト共重合体でもよい。分子量分布が、1つのピークのものでもよいし、2つのピークのものでもよい。
熱的性質として、ガラス転移点(Tg)が40℃以上70℃以下であることが好ましい。40℃より低いと、機内温度が上昇した場合に、トナーが溶融してしまい、トナー同士の凝集が発生してしまう。また、70℃より高いと、定着性が劣ってしまい、実用性に乏しい。
(着色剤)
トナー母体粒子は、着色剤を含んで構成される。着色剤は、公知のものを用いることができ、カーボンブラック、鉄黒、合金アゾ染料、油溶性染料および顔料などを挙げることができる。着色剤は、樹脂成分100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下が好ましい。1重量部より少ないと、充分な画像濃度を確保できなく、10重量部より多いと、着色剤が樹脂中に均一に分散できなくなるので、高品質な画像を得られなくなる。
(離型剤)
トナー母体粒子は、離型剤としてワックスを含んで構成される。ワックスは、公知のものを用いることができ、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体およびポリオレフィンなどから選ばれる少なくとも一種からなるワックスを挙げることができる。ワックスは、樹脂成分100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下が好ましい。1重量部より少ないと、オフセットが発生しやすくなる。10重量部より多いと、フィルミングが発生しやすくなる。
(帯電制御剤)
トナー母体粒子は、帯電制御剤を含んで構成される。帯電制御剤は、正帯電制御用帯電制御剤と負帯電制御用帯電制御剤との二種類があり、アゾ系染料、カルボン酸金属錯体、四級アンモニウム化合物およびニグロシン系染料などを挙げることができる。帯電制御剤は、樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上5重量部以下が好ましい。0.1重量部より少ないと、充分な帯電性を付与することができない。5重量部より多いと、帯電制御剤が、樹脂中に均一に混合できない。
(外添剤)
トナーは、トナー母体粒子に外添剤を添加して構成される。外添剤は、公知のものを用いることでき、シリカ、チタン、アルミナ、マグネタイトおよびフェライトなどの金属酸化物微粒子ならびにチッ化ケイ素およびチッ化ホウ素などの金属チッ化物微粒子などの微粉末を挙げることができる。さらに、微粉末の表面を疎水化処理したものが好ましい。疎水化処理には、ジメチルジクロルシランおよびアミロシランなどのシランカップリング剤による処理、シリコーンオイルによる処理およびフッ素含有の成分などによる処理などを挙げることができる。上記の外添剤のうち一種類で用いてもよいし二種類以上で用いてもよい。また、外添剤としては、シリカがより好ましい。シリカ以外の微粒子のみを外添しても、トナーとキャリアとの接触において、帯電付与が充分でないことがあり、さらに、シリカは、トナーの流動化剤としても働くので、トナーの供給量を安定化させることができる。
(製造方法)
樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御材などをヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により充分混合し、得られた混合物を二軸混練機によって溶融混練した。この混練物をジェット式粉砕機にて粉砕後、分級し、体積平均粒径で5μm〜15μm程度のトナー母体粒子を得ることができる。さらに、トナー母体粒子に無機微粒子を添加し、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により付着、均一分散させることによってトナーを製造する。
[キャリア]
本発明である二成分現像剤を構成するキャリアは、コア材にコート材を被覆して構成される。キャリアは、粉体特性、電気特性および磁気特性といった要素があり、現像システムに合わせた性能が要求される。近年では、摩擦帯電性、環境安定性および耐久性向上のためにコア材を樹脂でコートしたキャリアが広く使用されるようになっている。
(コア材)
キャリアは、コア材を含んで構成される。コア材は、公知であるキャリアをコア材として用いることができ、鉄粉キャリアおよびフェライトキャリアなどを挙げることができる。その形状は、不定形から球形まで用いることができる。さらに、平均粒子径は、10μm以上1mm以下のものを用いることができ、さらに好ましくは、50μm以上100μm以下である。10μmより小さいと、キャリアが感光体に付着して流出してしまう現象、いわゆるキャリア上がりを引き起こし、現像剤量が、徐々に減少することによって、現像剤中のトナー濃度がうまく制御できなくなってしまう可能性が高くなる。さらに、ひどい場合は、現像剤が、記録材上に現れてしまう。また、1mmより大きいと、現像剤のトナーを現像ローラから感光体へ移動させる際、二成分現像剤の穂立ち(磁気ブラシ)が粗く、安定した画質を供給することが困難となったり、二成分現像剤が現像槽からこぼれてしまうような現象を引き起こしたりする可能性が生じる。
また、鉄粉キャリアは、公知のものを用いることができ、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉およびチッ化鉄粉などを挙げることができる。還元鉄粉およびチッ化鉄粉は、不定形であるので、球形化処理を行ってもよい。フェライトキャリアは、公知のものを用いることができ、銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、マンガンおよびカルシウムなどのフェライト粉末を挙げることができる。フェライトキャリアは、球形で、流動性がよく、化学的にも安定であるので、高画質化、長寿命化に好ましく用いられる。
(コート材)
キャリアは、コート材を含んで構成される。コート材は、公知の樹脂を用いることができ、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂およびシリコーン系樹脂などを挙げることができる。また、噴霧法および浸漬法といった方法によりコア材に被覆する。
[二成分現像剤]
本発明である二成分現像剤は、上記のようなトナーとキャリアとを上記のトナー濃度となるように混合機で混合させることによって、二成分現像剤を製造できる。混合機としては、公知のものを用いることができ、ナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)を挙げることができる。
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り本実施例に限定されるものではない。
参考例
参考例では、二成分現像剤を構成しているキャリアのキャリアコート量(コア材の重量に対するコート材の重量%)の影響について検討した。
(トナーの製造例)
樹脂100重量部に対し、ワックスとしてポリエチレン(クラリアントジャパン社製:PE130)1.0部、ポリプロピレン(三井化学社製:NP−505)1.5部、帯電制御剤(保土ケ谷化学工業社製:S−34)を1部、マグネタイト(関東電化社製:KBC−100)を1.5部、着色剤としてカーボンブラック(キャボット社製:330R)5部を加え、スーパーミキサ(川田社製:V−20)で充分混合し、得られた混合物を二軸混練機(池貝鉄工社製:PCM−30)によって溶融混練した。この混練物をジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製:IDS−2)にて粉砕後、分級し、体積平均粒径が7.5μmのトナー母体粒子を得た。トナー母体粒子にシリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)を0.3部外添することによってトナーを得た。
参考例1)
上記の製造方法によって得られたトナーと、シリコーン系樹脂を表1に記載のようにキャリアコート量が8.0%となるようにコート材をコートしたフェライトキャリアとを、トナー濃度が5%になるようにナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)にて20分間攪拌することによって、二成分現像剤を製造した。
参考例2)
キャリアのキャリアコート量を5.0%とする以外、参考例1と同様にして、二成分現像剤を製造した。
参考
キャリアのキャリアコート量を4.1%とする以外、参考例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
参考
キャリアのキャリアコート量を2.2%とする以外、参考例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
[評価方法]
上記の製造方法によって得られた二成分現像剤を使用し、モノクロ複写機(シャープ社製:AR−450)によって、印字率5%原稿を印刷した。
参考例1,2および参考について、次のようにして画像濃度変化評価を行った。上記の方法により製造した二成分現像剤の物性評価を下記に示す評価方法により行い、その結果を表1に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、および「×」などの記号は、表1で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は、非常に優れていることを示し、「○」は、優れていることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。
(画像濃度)
初期状態の現像剤を用いて印刷した画像の画像濃度(初期の画像濃度)と印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷後に印刷した画像の画像濃度(100000枚印刷後の画像濃度)をマクベス反射濃度計(Macbeth社製:RD−914)によって測定した。100000枚印刷後の画像濃度によって下記の基準に基づいて評価した。
◎:画像濃度が1.33以上である。
○:画像濃度が1.30以上1.32未満である。
×:画像濃度が1.30未満である。
Figure 0004139337
表1からわかるように、コート材が、コア材の重量に対して5重量%以上のキャリアを用いた現像剤(参考例1,2)は、100000枚印刷後であっても、画像濃度が維持できる優れた現像剤であった。しかしながら、コート材が、コア材の重量に対して5重量%より少ないキャリアを用いた現像剤(参考)は、100000枚印刷後では、画像濃度が大きく低下した。
[実施例]
実施例では、二成分現像剤中のトナー濃度の影響について検討した。
(実施例
ジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製:IDS−2)によって混練物を粉砕する際のエアーの圧力などの粉砕条件を変化させる以外、上記の参考例1,2および参考で用いたトナーの製造方法と同様に製造した。体積平均粒径が8.5μmのトナー母体粒子が得られ、シリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)を0.3部外添することによってトナー比重ρが1.2、比表面積Sが7810cm/cmであるトナーを得た。
上記製造方法によって得られたトナーとコート量がコア材の重量に対し8.0重量%であり、平均粒径が70μm、キャリア比重ρが4.8、比表面積Sが895cm/cmである球形キャリアをトナー濃度が5.0%になるようにナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)にて20分間攪拌することによって、二成分現像剤を得た。
またこのとき、k=34.9であり、Sρ(100−X) / SρXの値は、0.54となる。
なお、比表面積は、レーザ回折散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製:LA−920)を用いて測定した。
(実施例
コート量がコア材の重量に対し8.0重量%であり、平均粒径が70μm、キャリア比重ρが4.8、比表面積Sが1010cm/cmである異形キャリアを用い、二成分現像剤中のトナー濃度を8.0%とする以外実施例と同様に二成分現像剤を製造した。
またこのとき、k=30.9であり、Sρ(100−X) / SρXの値は、0.37となる。
(実施例
二成分現像剤中のトナー濃度が3.8%とする以外実施例と同様に二成分現像剤を製造した。
またこのとき、k=34.9であり、Sρ(100−X) / SρXの値は、0.73となる。
(実施例
二成分現像剤中のトナー濃度が7.7%とする以外実施例と同様にして二成分現像剤を製造した。
またこのとき、k=34.9であり、Sρ(100−X) / SρXの値は、0.34となる。
(実施例
実施例において製造したトナー母体粒子に、シリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)の代わりにメラミン微粒子(日本触媒社製:エポスターS)を0.3部外添することによって、トナー比重ρが1.2、比表面積Sが7800cm/cmであるトナーを得た。
上記製造方法によって得られたトナーとコート量がコア材の重量に対し8.0重量%であり、平均粒径が70μm、キャリア比重ρが4.8、比表面積Sが895cm/cmである球形キャリアをトナー濃度が5.0%になるようにナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)によって、20分間攪拌することによって二成分現像剤を得た。
またこのとき、k=34.9であり、Sρ(100−X) / SρXの値は、0.55となる。
(実施例
実施例において製造したトナー母体粒子に、シリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)の代わりに酸化チタン微粒子(チタン工業社製:STT−65C)を0.3部外添することによって、トナー比重ρが1.2、比表面積Sが7805cm/cmであるトナーを得た。
上記製造方法によって得られたトナーとコート量がコア材の重量に対し8.0重量%であり、平均粒径が70μm、キャリア比重ρが4.8、比表面積Sが895cm/cmである球形キャリアをトナー濃度が5.0%になるようにナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)によって、20分間攪拌することによって二成分現像剤を得た。
またこのとき、k=34.9であり、Sρ(100−X) / SρXの値は、0.33となる。
(比較例
二成分現像剤中のトナー濃度が8.0%とする以外実施例と同様に二成分現像剤を製造した。
またこのとき、k=34.9であり、Sρ(100−X) / SρXの値は、0.33となる。
(比較例
二成分現像剤中のトナー濃度が3.5%とする以外実施例と同様に二成分現像剤を製造した。
またこのとき、k=34.9であり、Sρ(100−X) / SρXの値は、0.79となる。
[評価方法]
表2の実施例および比較例について、下記の環境安定性評価および画像濃度評価を行った。上記の方法により製造した二成分現像剤の物性評価を下記に示す評価方法により行い、結果を表2に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、「△」および「×」などの記号は、表2で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は、非常に優れていることを示し、「○」は、優れていることを示し、「△」は、実用可能であることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。ただし、総合評価においては、「○」は、実用が可能であることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。
(環境安定性)
二成分現像剤を設定した後、高温高湿(35℃、85%)下において17時間放置した後のトナー補給時間を計測し、17時間放置後に印刷した画像の白地カブリをハンター白度計(日本電色工業社製)を用いて測定し、その測定結果を下記の基準に基づいて評価した。
◎:白地カブリの値が0.5未満である。
○:白地カブリの値が0.5以上1.0未満である。
△:白地カブリの値が1.0以上1.5未満である。
×:白地カブリの値が1.5以上である。
トナー補給時間とは、二成分現像剤が攪拌されはじめる時刻から二成分現像剤のトナーが感光体に付着される時刻までの時間、いわゆるトナーの供給時間を示し、この時間の違いは、二成分現像剤を長期間、高温高湿下で放置することによって流動性および帯電性が変化してしまうことによる。
(画像濃度)
上記の画像濃度変化評価と同様な方法で初期の画像濃度を測定し、その測定された画像濃度を下記の基準に基づいて評価した。
◎:画像濃度が1.33以上である。
○:画像濃度が1.30以上1.33未満である。
×:画像濃度が1.30未満である。
Figure 0004139337
表2からわかるように、Sρ(100−X) / SρXの値が0.54(実施例)、0.37(実施例)、0.73(実施例)および0.34(実施例)である二成分現像剤は、環境安定性および画像濃度の優れた二成分現像剤であり、Sρ(100−X) / SρXの値が、0.33(比較例)である二成分現像剤は、環境安定性が良好ではなく、Sρ(100−X) / SρXの値が、0.79(比較例)である現像剤は、画像濃度が良好ではない。したがって、Sρ(100−X)
/ SρXの値が、0.34以上0.75以下が好ましいことがわかり、トナー濃度が、上記式(1)を満たす二成分現像剤は、環境安定性および画像濃度の優れたものとなることがわかった。
また、外添剤を、シリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)の代わりにメラミン微粒子(日本触媒社製:エポスターS)または酸化チタン微粒子(チタン工業社製:STT−65C)を用いた二成分現像剤であっても、Sρ(100−X) / SρXの値が、好ましい範囲である0.34以上0.75以下である(実施例)と、環境安定性および画像濃度が優れた現像剤である。

Claims (3)

  1. トナーとキャリアとからなる二成分現像剤であって、
    キャリアは、コア材をコート材で被覆したものであって、
    コート材は、コア材の重量に対して5重量%以上20重量%以下であり、
    トナーは、現像剤中のトナー濃度が、下記式を満たし、トナーの比重は1.2であり、キャリアの比重は4.8であり、トナーの比表面積は7800cm /cm 以上7810cm /cm 以下であり、キャリアの比表面積は895cm /cm 以上1010cm /cm 以下であることを特徴とする二成分現像剤。
    100 /(0.75k+1)≦ X ≦ 100 /(0.34k+1)
    = トナー濃度(重量%)
    = 被覆係数(k = Sρ / Sρ
    ρ = キャリアの比重
    ρ = トナーの比重
    = キャリアの比表面積(cm/cm
    = トナーの比表面積(cm/cm
  2. トナーは、外添剤として無機微粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の二成分現像剤。
  3. 無機微粒子は、シリカであることを特徴とする請求項2記載の二成分現像剤。
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