図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1の斜視図である。なお、図1では、携帯電話機1を充電するための充電台101も模式的に示されている。
携帯電話機1は、いわゆるストレートタイプの携帯電話機により構成されており、一の筐体3を有している。筐体3は、例えば、概ね直方体状に形成されており、互いに対向する正面部3a及び背面部3bと、正面部3a及び背面部3bに交差(直交)する2つの側面部3cと、正面部3a、背面部3b及び側面部3cに交差(直交)する第1端面3d及び第2端面3eとを有している。2つの側面部3c、第1端面3d及び第2端面3eは、正面部3a及び背面部3bの外周を囲む周面部3jを構成している。また、筐体3は、第1端面3dを含む第1端部3mと、第2端面3eを含む第2端部3nとを有している。
筐体3は、薄型に形成されている。すなわち、正面部3aと背面部3bとの距離は、2つの側面部3c間の距離、及び、第1端面3dと第2端面3eとの距離よりも短い。なお、以下では、正面部3a及び背面部3bの対向方向を筐体3の厚み方向ということがある。また、筐体3は、第1端面3d及び第2端面3eの対向方向を長手方向、2つの側面部3cの対向方向を短手方向として構成されている。
筐体3には、種々の電子部品等が設けられている。例えば、筐体3には、正面部3aの上方側において開口する放音孔3gから音響を出力する通話用の第1スピーカ83(図11参照)、正面部3aの下方側において開口する収音孔3hから音響が入力される通話用のマイクロフォン87(図3参照)、正面部3a側からユーザの操作を受け付ける操作部11、正面部3a側に画像を表示する表示部13、携帯電話機1のバッテリ23(図2参照)を充電するための充電端子としての端子部品15が設けられている。
端子部品15は、例えば、側面部3cの第2端部3n側(筐体3の長手方向の一端側)部分に開口する開口部3fから一部が露出するように筐体3内に設けられている。端子部品15は、2つの側面部3cに対応して2つ設けられている(紙面右上側の開口部3f及び端子部品15は筐体3に隠れて不図示。)。
充電台101は、充電筐体103と、充電筐体103から突出する給電端子105とを有している。充電筐体103は、載置面103aを下方且つ概ね水平にして机上等に載置される。携帯電話機1を保持する保持部103bは、載置面103a(水平面)に対して傾斜する傾斜面103cと、傾斜面103cの少なくとも下方側(図1の紙面右側)において傾斜面103cを囲んで立設された壁部103dとを有している。
給電端子105は、壁部103dの内側面から不図示のバネ若しくは給電端子105の筐体内部側部分の弾性力によって突出している。給電端子105は、充電台101の左右側方に1つずつ合計2つ設けられている(紙面手前側の給電端子105は壁部103dに隠れて不図示。)。
携帯電話機1は、充電筐体103の保持部101bに背面部3bを傾斜面103cに向けて載置される。この際、携帯電話機1の第2端部3n側部分は、壁部103dによって形成された凹部に嵌合される。携帯電話機1の側面部3cは、壁部103dの内側面に対向し、給電端子105は、弾性力によって端子部品15に当接する。
図2は、携帯電話機1の分解斜視図である。
携帯電話機1は、正面部3a側(図2の紙面上方側)から順に、筐体3の正面部3a側部分を構成するフロントケース5、操作部11を構成する操作部材17、種々の電子部品が互いに固定されてモジュール化されたシールドモジュール19、アンテナ部材21、筐体3の背面部3b側部分を構成するリアケース7、バッテリ23、及び、リアケース7と共に筐体3の背面部3b側部分を構成するリッド9とを有している。
フロントケース5、リアケース7及びリッド9は、例えば、それぞれ非導電性の樹脂により構成されている。フロントケース5及びリアケース7は、例えば、不図示のネジにより互いに固定される。これにより、フロントケース5とリアケース7との間には、操作部材17、シールドモジュール19及びアンテナ部材21が挟持される。リッド9は、バッテリ23を筐体3内に挿脱するためのものである。リッド9は、例えば、複数の係合部9aによりリアケース7に固定される。これにより、リアケース7の背面部3b側に形成された凹部に装着されたバッテリ23の脱落が防止される。なお、開口部3fはフロントケース5に形成されている。また、フロントケース5には、操作部材17を露出させるための開口3kが形成されている。
操作部材17は、例えば、複数のキートップ16と、複数のキートップ16が固着されるキーシート18とを有している。複数のキートップ16は、例えば、樹脂により形成されている。キーシート18は、例えば、シリコンゴムにより形成されている。なお、操作部材17は、複数のキートップ16とキーシート18との間に配置され、キーシート18の浮き上がりを抑制する枠状部材(複数のキートップ16に隠れて大部分が不図示)も備えている。操作部材17は、例えば、シールドモジュール19に載置され、フロントケース5に抑えつけられて筐体3内に固定される。なお、キーシート18や枠状部材に筐体3やシールドモジュール19に係合する係合部が設けられてもよい。
アンテナ部材21は、例えば、筐体3の第2端部3n内に配置されている。アンテナ部材21は、例えば、非導電性の樹脂により形成された基部21aと、基部21aに固定された導電性のアンテナエレメント21bとを有している。基部21aは、例えば、断面が概ねL字の、筐体3の短手方向を長手方向とする長尺状に形成されており、筐体3の第2端面3eの内側面に対向する取付面21cを有している。アンテナエレメント21bは、取付面21cに積層された所定のパターンの導電層により構成されている。取付面21c及びアンテナエレメント21bは、例えば、筐体3の短手方向において第2端面3eの概ね全体に亘って延びている。アンテナ部材21は、例えば、基部21aが、シールドモジュール19とリアケース7とに挟持されることにより筐体3に固定される。
図3は、シールドモジュール19の分解斜視図である。
シールドモジュール19は、背面部3b側(図3の紙面下方側)から順に、メイン基板25、フレーム27、表示部13を構成する表示装置29、サブ基板31を有している。
フレーム27は、例えば、全体として概ね、筐体3の正面部3aの内側面(操作部材17の内側部)に対向する板状に形成されている。また、フレーム27は、例えば、筐体3の正面部3aに対して広い範囲に亘って配置されるように、筐体3を平面視したときに(正面部3aに直交する方向から見たときに)筐体3の輪郭と同様の形状を有している。すなわち、本実施形態では、概ね矩形に形成されている。
メイン基板25は、例えば、硬質の樹脂をベースとしたリジッドタイプのプリント基板により構成されている。メイン基板25は、例えば、両面実装型の基板であり、実装面には種々の電子部品が実装されている。メイン基板25は、例えば、フレーム27の概ね半分の面積を有している。メイン基板25は、例えば、フレーム27のリアケース7側の面に対してネジにより固定される。
表示装置29は、例えば、液晶表示装置又は有機EL装置により構成されている。表示装置29は、例えばフレーム27の概ね半分の面積を有している。表示装置29は、例えば、フレーム27のフロントケース5側の面に形成された凹部に嵌合されてフレーム27に固定される。なお、表示装置29は、両面テープ等の接着部材によりフレーム27に固定されてもよい。
サブ基板31は、例えば、図3の紙面上方側の実装面31pに電子部品を実装する片面実装タイプのFPCにより構成されている。サブ基板31は、接続部31cにおいて折り曲げられることにより、フレーム27に巻き回される。すなわち、サブ基板31は、フレーム27の正面側に配置される正面基板部31aと、フレーム27の背面側に配置される背面基板部31bとを有している。正面基板部31aは、正面部3a側(操作部材17の内側部)に実装面31pを向けて配置され、背面基板部31bは、背面部3b側に実装面31pを向けて配置される。正面基板部31a及び背面基板部31bは、例えば、フレーム27の概ね半分の面積を有し、接着剤や両面テープ等の接着部材により、フレーム27に固定される。
正面基板部31aには、例えば、操作部材17を介して操作され、操作部11を構成する複数のスイッチ33と、操作部材17を照明するための複数のLED34とが設けられている。複数のスイッチ33は、例えば、押圧されることにより可動接点が固定接点に接触してオンされるドームスイッチにより構成されている。フレーム27は、正面基板部31aが載置される載置面28を有している。載置面28は、例えば、概ね平面状に形成されている。従って、複数のスイッチ33は、正面基板部31aを介して載置面28により支持され、押圧による操作が確実に行われるとともに、操作感覚(クリック感)も適切に生じる。
背面基板部31bには、例えば、不図示のICカードを装着するためのスロット部品35、サブ基板31とメイン基板25とを接続するコネクタ37、アンテナ部材21に接続される接続端子39、通話用のマイクロフォン87が設けられている。
マイクロフォン87は、例えば、概ね円盤状に形成されており、放音面87aと、その背面側の端子面(背面基板部31bに密着していることから不図示。)とを有している。端子面には、不図示の端子が設けられている。マイクロフォン87は、例えば、ダイナミックマイクロフォンにより構成されており、特に図示しないが、端子に接続されたコイルと、コイルに挿通された永久磁石と、コイル又は永久磁石に固定された振動板とを有している。収音孔3hから入力された空気の振動(音響)は、振動板、永久磁石及び振動板を介して電気信号に変換されて、端子から出力される。
背面基板部31bは、シールドケース27のリアケース7側の面に配置及び固定される部分から延在するマイクロフォン用基板部31eを有している。マイクロフォン87は、端子面をマイクロフォン用基板部31eの実装面31pに向けて実装されている。実装は、例えば、リフロー式の半田付けにより行われる。なお、マイクロフォン87のフレーム27に対する配置及び固定については後述する。
サブ基板31は、さらに、正面基板部31aの2つの側方縁部(周縁部)から延びる端子用基板部31dを有している。2つの端子用基板部31dにはそれぞれ、端子部品15が実装されている。端子部品15は、開口部3fから露出する面の背面をサブ基板31の実装面31pに向けて実装されている。端子用基板部31dは、正面基板部31aに対して概ね直角に折り曲げられることにより、フレーム27の側面の一部を構成する端子配置部27aに配置される(図2も参照)。端子配置部27aは、側面部3cの内側面に対向しており、端子配置部27aに配置された端子用基板部31dの実装面31pも、側面部3cの内側面に対向する。端子用基板部31d及び端子配置部27aは、例えば、接着剤や両面テープ等の接着部材により互いに固定される。
図4は、フレーム27をリアケース7側から見た斜視図である。図5は、フレーム27をフロントケース5側から見た分解斜視図である。図6は、フレーム27をリアケース7側から見た分解斜視図である。
フレーム27は、導電性のフレーム部材45と、非導電性の延長部材47とを有している。
フレーム部材45は、例えば、フレーム27の、第1端部3m側(アンテナ部材21とは反対側)の部分を構成するとともに、フレーム27の大部分を構成している。フレーム部材45は、例えば、全体が金属等の導電性の材料により形成されている。若しくは、フレーム部材45は、樹脂等の非導電性の基体と、基体表面に積層された金属膜等の導電膜とにより構成されている。なお、フレーム部材45は、携帯電話機1全体の強度を向上させるために、全体が金属により構成されていることが好ましい。
延長部材47は、例えば、フレーム27の、第2端部3n側の端部を構成している。延長部材47は、例えば、全体が非導電性の樹脂により構成されている。なお、延長部材47は、強度向上のために、ガラスを含有した樹脂により構成されることが好ましい。延長部材47は、例えば、フレーム部材45の、第2端部3n側の端部(矩形の1辺)全体に亘って伸びており、フレーム27の、第2端部3n側の端部全体を構成している。従って、延長部材47は、一方の側面部3cに対向する位置から他方の側面部3cに対向する位置に亘って設けられている。そして、延長部材47の長手方向(筐体3の短手方向)の両端には、上述の、端子用基板部31dが配置される端子配置部27aが形成されている。
フレーム部材45は、フロントケース5側に概ね平面状の第1平面28a(図5)を有している。延長部材47は、フロントケース5側に概ね平面状の第2平面28b(図5)を有している。第1平面28a及び第2平面28bは、フレーム部材45及び延長部材47が互いに固定されると連続し、上述の、正面基板部31aが載置される載置面28を構成する(図2)。
フレーム部材45と延長部材47との固定は、例えば、以下のように行われる。延長部材47には、第1端部3m側に凹部47r(図5)が形成されている。フレーム部材45は、第2端部3n側の端部が凹部47rに嵌合される。そして、ネジ49が、凹部47rの底部(フレーム部材45のリアケース7側の面に当接する当接部47e)に形成された孔部に挿通されるとともに、フレーム部材45の端部に形成された雌ネジ部に螺合される。なお、ネジは、フレーム部材45に挿通されて延長部材47に螺合されてもよいし、ボルトに螺合されてボルトとともにフレーム部材45及び延長部材47を挟持してもよい。また、ネジ49は、1つでも複数でもよい。本実施形態では、ネジ49は、フレーム部材45の端部(1辺)に沿って複数(3つ)設けられている。
図7は、図4の領域VIIの拡大図である。
当接部47eの先端には、第2平面28bとは反対側(リアケース7側)に突出し、フレーム部材45及び延長部材47の配列方向(筐体3の長手方向)に対して面する第2壁部47wが形成されている。一方、フレーム部材45には、第1平面28aとは反対側(リアケース7側)に突出し、フレーム部材45及び延長部材47の配列方向に対して面する第1壁部45wが形成されている。そして、第1壁部45w及び第2壁部47wは、互いの壁面同士が当接している。すなわち、第1壁部45w及び第2壁部47wは、荷重を相互に伝達可能である。
なお、第1壁部45w及び第2壁部47wの組み合わせの数及び筐体3の長手方向の位置は適宜に設定されてよい。本実施形態では、第1壁部45w及び第2壁部47wの組み合わせは、複数のネジ49の間にそれぞれ設けられている。すなわち、本実施形態では、第1壁部45w及び第2壁部47wの組み合わせは2つ設けられている。第1壁部45w及び第2壁部47wの高さ(頂部の位置)及び長さ(筐体3の短手方向の大きさ)は、例えば、互いに同等に設定されている。第1壁部45w及び第2壁部47wの厚さは、例えば、曲げ剛性が互いに同等になるように設定されている。すなわち、本実施形態では、第1壁部45wは第2壁部47wよりもやや薄い。
延長部材47には、リアケース7側を凹とする凹部47cが形成されている。凹部47cの底部には、フロントケース5側に通じる音孔47dが形成されている。マイクロフォン87(図3)は、放音面87aを凹部47cの底部側へ向けて凹部47cに嵌合される。そして、音孔47dを介して音響を出力する。
フレーム27のリアケース7側(図7の紙面手前側)に配置される背面基板部31bの大部分は、実装面31pをリアケース7側に向けて配置され、マイクロフォン87の放音面87aは、実装面31pと同一方向を向いている。しかし、放音面87aは、マイクロフォン用基板部31eが捩られることにより、フロントケース5側(図7の紙面奥手側)に向けられる。
図8は、図1のVIII−VIII線矢視方向における断面図である。ただし、図8において、フロントケース5等の部材は適宜に省略されている。
筐体3の長手方向(図8の紙面左右方向)において、アンテナ部材21は、フレーム部材45よりも第2端部3n側に配置されており、フレーム部材45にほとんど重なっていない。また、筐体3の長手方向において、アンテナエレメント21bは、フレーム部材45から離間して配置されている。すなわち、アンテナ部材21(アンテナエレメント21b)は、アンテナの放射特性に関して導電性のフレーム部材45から影響を受けにくい位置に配置されている。
一方、筐体3の長手方向において、延長部材47(第2平面28b)は、フレーム部材45の第2端部3n側に配置されており、アンテナ部材21に重なっている。ただし、延長部材47は、筐体3の長手方向において、アンテナエレメント21bから離間している。正面基板部31aは、第1平面28a及び第2平面28bに亘って配置されている。すなわち、第2平面28bは、正面基板部31aが載置される載置面28を、矢印y1で示す位置から矢印y2で示す位置まで延長していることになる。
図9は、シールドモジュール19の端子配置部27a付近を拡大して示す側面図(側面部3c側から見た図)である。なお、図9は、2つの端子配置部27aのうち図2の紙面奥手側(図2においてはシールドモジュール19に隠れて不図示)の端子配置部27a付近を示している。
図3及び図9に示すように、端子用基板部31dは、全体として概ね矩形状に形成されるとともに、先端側(正面基板部31aとは反対側)の2つの角部から、端子用基板部31dの正面基板部31aからの突出方向に直交する方向に突出する被係止部31gが形成されている。
一方、図7に示すように、端子配置部27a(延長部材47)は、端子用基板部31dが積層される載置面から突出する突出部47aを有している。突出部47aは、例えば、端子配置部27aの、筐体3の長手方向における両側において、当該長手方向に対向する壁状に形成されている。また、突出部47aは、端子用基板部31dの先端側且つ端子用基板部31dの載置面側に切り欠きが形成されることにより構成された係止部47bを有している。
図9に示すように、端子用基板部31dの被係止部31gは、係止部47bの凹部に嵌められて、係止部47bに係止される。具体的には、係止部47bは、被係止部31gに対して、端子用基板部31dの根元(正面基板部31a)側から先端側へ係合するとともに、端子用基板部31dの実装面31p側からその背面側へ(側面部3c側から端子配置部27a側へ)係合する。これにより、端子用基板部31dの折り曲げが戻る方向への移動を規制するため、後のシールドモジュール19を筺体3へ組み込むときの作業が容易になる。
図10は、端子部品15の斜視図である。図10の紙面上方側が、開口部3fから筐体3外へ露出する側であり、紙面左上側から右下側への方向(端子部品15の長手方向)は、携帯電話機1の長手方向である。
端子部品15は、全体として概ね薄型直方体状に形成されており、厚さ方向の一方側に開口部3fから露出する当接面15aが設けられ、他方側に端子用基板部31dに接続される被実装面15cが設けられている。端子部品15は、端子部品15の長手方向を携帯電話機1の長手方向に一致させるように携帯電話機1に配置される(図2及び図9も参照)。被実装面15cは、端子用基板部31dに対向させて配置され、リフロー等により、端子用基板部31dに半田付けされる。
端子部品15は、板金41と、板金41に把持される樹脂部材43とを有している。板金41は、樹脂部材43を覆っている。具体的には、概ね矩形状の樹脂部材43の、当接面15a側の面の全体、長手方向の側面の全体、及び、被実装面15c側の一部(概ね半分)を覆っている。当接面15a及び被実装面15cは板金41により構成されている。樹脂部材43は、板金41の内部に嵌合することにより、端子部品15の軽量化等を図りつつ板金41の強度を向上させることなどに寄与している。
板金41は、例えば、一枚の板金のプレス加工により形成されている。板金41は、例えば、樹脂部材43に対して矢印y1で示す方向にスライドさせることにより、樹脂部材43が板金41内に嵌合して固定される。なお、端子部品15は、金型内に板金41が配置された状態で金型内に溶融状態の樹脂が充填されるインサート成形により形成されてもよい。
図11は、携帯電話機1の信号処理系の構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、CPU71、メモリ73、通信処理部75、音響処理部77及び画像処理部79を有している。これら各部は、例えば、筐体3内に設けられた不図示の回路基板に設けられた不図示のICにより構成されている。
CPU71及びメモリ73は、操作部11等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部79等の各種手段の制御を実行する制御部として機能する。
通信処理部75は、高周波回路を含んで構成されている。通信処理部75は、電波を利用した無線通信により、通信システム(電話網やインターネット)を介した他の携帯端末装置やサーバとの通信を行うために、CPU71で処理された音響データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ部材21を介して送信する。また、通信処理部75は、アンテナ部材21を介して受信した信号を復調してCPU71に出力する。
音響処理部77は、CPU71からの音響データを電気信号に変換して、通話用の第1スピーカ83、又は、報知音等を出力する第2スピーカ85に出力する。第1スピーカ83及び第2スピーカ85は、音響処理部77からの電気信号を音響に変換して出力する。一方、マイクロフォン87は、入力された音響を電気信号に変換して音響処理部77に出力する。音響処理部77は、マイクロフォン87からの電気信号を音響データに変換してCPU71に出力する。
画像処理部79は、CPU71からの画像データを画像信号に変換して表示部13等の表示部へ出力する。また、撮像部89(例えば、筐体3の背面部3b側に設けられる。)から出力される撮像信号(画像データ)を所定のフォーマットの画像データに変換してCPU71へ出力する。
上記の各部は、バッテリ23から電力が供給されることによって動作する。バッテリ23は、充電台101の給電回路107から、給電端子105、端子部品15、及び、充電回路91を介して電力が供給され、その供給された電力を蓄える。給電回路107は、例えば、商用電源からの交流電力を適宜な電圧の直流電圧に変換して給電端子105に出力する。充電回路91は、例えば、給電回路107から給電端子105及び端子部品15を介して供給された電力を、そのまま、又は、適宜な電圧の直流電力に変換して、バッテリ23に供給する。なお、給電回路107及び充電回路91の役割分担は、適宜に設定されてよい。充電回路91は、例えば、メイン基板25及び/又はサブ基板31に設けられている。
以上の実施形態によれば、携帯電話機1は、操作部材17が露出する筐体3と、筐体3内に設けられ、操作部材17の内側部に対向する第1平面28aを有する導電性のフレーム部材45と、筐体3内に、第1平面28aに沿う所定方向(筐体3の長手方向)においてフレーム部材45から離間して設けられたアンテナエレメント21bと、フレーム部材45のアンテナ部材21側の端部に固定され、第1平面28aに連続する第2平面28bを有する非導電性の延長部材47と、第1平面28a及び第2平面28bに積層され、操作部材17の内側部に対向する実装面31pを有するサブ基板31(正面基板部31a)と、実装面31pに設けられ、操作部材17を介して操作される複数のスイッチ33と、延長部材47のアンテナエレメント21bに対向する位置とは異なる位置に設けられた端子部品15と、を有することから、筐体3内部の部品配置を好適化して筐体3の小型化を図ることができる。すなわち、導電性のフレーム部材45とアンテナエレメント21bとを離間してアンテナの放射特性を向上させる一方で、延長部材47によりサブ基板31の載置面をアンテナエレメント21b側に延長し、筐体3の大型化を招くことなく操作部11の面積を広く確保できる。さらに、延長部材47に端子部品15を設けていることから、サブ基板31の載置面だけでなく、他の電子部品の配置領域も新たに確保されることになる。しかも、延長部材47は、非導電性であるから、端子部品15の絶縁が好適に行われる。
フレーム部材45は、第1平面28aの背面側へ突出し、アンテナエレメント21b側に面する第1壁部45wを有し、延長部材47は、フレーム部材45の、第1平面28aの背面側且つ第1壁部45wよりも前記アンテナ部材側の部分に当接し、フレーム部材45にネジ49により固定される当接部47eと、当接部47eから第1平面28aの背面側へ突出し、第1壁部45wと壁面同士が当接する第2壁部47wと、を有することから、フレーム27の曲げ剛性が高くなり、ひいては、携帯電話機1全体の曲げ剛性が高くなる。具体的には、以下のとおりである。延長部材47は、ネジ49によりフレーム部材45に固定されていることから、ネジ49の位置を支点としてフレーム部材45に対して回転する。換言すれば、フレーム27の曲げ剛性は、ネジ49の位置において弱い。しかし、第1壁部45wと第2壁部47wとが当接して延長部材47のフレーム部材45に対する回転を抑制することにより、フレーム27の曲げ剛性は高くなる。その結果、例えば、ネジ49を筐体3の長手方向において複数設けて延長部材47のフレーム部材45に対する回転を抑制する必要がなくなり、ネジ49を筐体3の短手方向に一列に配置することも可能となり、ひいては、筐体3の短手方向に細長い延長部材47のフレーム部材45への固定が実現される。特に、本実施形態のように、フレーム27の一辺全体が延長部材47により構成されている場合には、このような曲げ剛性の向上が携帯電話機1の強度向上に効果的である。
延長部材47に設けられる電子部品は、筐体3に形成された開口部3fから露出する端子部品15であることから、ショートしやすい部品が絶縁性の延長部材47に設けられることになる。換言すれば、筐体3内の部品配置が好適に行われる。
筐体3は、第1平面28a及び第2平面28bの側方且つ筐体3の長手方向の側方に、フレーム部材45及び延長部材47を挟んで対向する一対の側面部3cを有し、延長部材47は、一方の側面部3cに対向する位置から他方の側面部3cに対向する位置に亘って設けられ、端子部品15は、延長部材47の一対の側面部3cに対向する両端面(端子配置部27a)にそれぞれ設けられ、一対の側面部3cにそれぞれ形成された開口部3fから露出していることから、2つの端子部品15は、互いに離間して配置され、絶縁性が高まる。また、フレーム27に端子部品15を設けることから、筐体にバネ端子を設ける等の他の方法により端子を筐体側面から露出させる場合に比較して、簡素な構成で筐体の短手方向の小型化が図られる。なお、通常のフレームにおいては、全体が導電性を有することから、端子部品15を取り付けることは一般にはなされず、また、端子部品15が取り付けられるときには、絶縁のみを目的とした部材の増加が生じる。
サブ基板31は、可撓性を有する基板であるとともに、第1平面28a及び第2平面28bに配置された正面基板部31aと、正面基板部31aの周縁から延在され、正面基板部31aに対して折り曲げられて延長部材47の端面(端子配置部27a)に配置された端子用基板部31dとを有し、端子部品15は、端子用基板部31dに実装されており、延長部材47は、端子用基板部31dに対して、端子用基板部31dの根元側から先端側への方向、及び、側面部3cから端子配置部27aへの方向の少なくともいずれか一方の方向(実施形態では双方)へ係合可能な係止部47bを有することから、簡便に端子用基板部31dを端子配置部27aに配置させることができる。また、延長部材47は、樹脂により形成されていることから、係止部47bの形成も容易である。
携帯電話機1は、マイクロフォン87を更に有し、延長部材47は、第2平面28bの裏側に、マイクロフォン87が配置される凹部47cが形成され、凹部47cの底面には、第2平面28b側に通じる音孔47dが形成されていることから、マイクロフォン87を筐体3の端部に配置することができ、通話に好適である。しかも、マイクロフォン87を金属性のフレーム部材45に配置した場合に比較して、ビビリ音が低減される。
なお、以上の実施形態において、携帯電話機1は本発明の携帯無線端末の一例であり、、第1平面28aは本発明の第1面の一例であり、第2平面28bは本発明の第2面の一例であり、アンテナエレメント21bは本発明のアンテナの一例であり、サブ基板31は本発明のキー基板の一例であり、正面基板部31aは本発明のスイッチ配置部の一例であり、端子用基板部31dは本発明の延在部の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
携帯電子機器は、携帯電話機に限定されない。例えば、携帯電子機器は、デジタルカメラ、PDA、ゲーム機であってもよい。筐体は、ストレートタイプのものに限定されない。例えば、折り畳み式、水平ターン式、スライド式等の、2以上の筐体が相対移動可能に連結される形式の筐体であってもよい。また、筐体は、概ね直方体状のものに限定されず、例えば、平面形状が楕円形のものであってもよい。筐体の側面部は、互いに平行なものに限定されない。例えば、平面形状が楕円形の筐体の、互いに対向する円弧部分も側面部たり得る。
延長部材に設けられる電子部品は、端子部品に限定されない。例えば、LEDやスイッチでもよい。端子部品は、充電端子に限定されない。例えば、携帯電子機器と、他の機器との間で、音響の情報、画像の情報、センサの検出結果等の種々の情報を含む電気信号の送信及び/又は受信を行うための端子であってもよい。また、他の機器は、充電台に限定されない。例えば、他の機器は、携帯電子機器と同様の構成を有する他の携帯電子機器であってもよい。
アンテナは、電波を利用した無線通信を行うものに限定されない。例えば、磁気を利用した近距離無線通信を行うものであってもよい。スイッチは押圧式のスイッチに限定されない。例えば、スイッチは、静電式のタッチセンサであってもよい。操作部材は、実施形態において示したように、一の操作部材により複数のスイッチを操作するものに限定されない。例えば、実施形態において、キーシート18が省略され、複数のキートップ16により複数のスイッチ33が個別に操作されてもよい。電気音響変換部は、マイクロフォンに限定されない。電気信号を音響に変換するスピーカであってもよいし、マイクロフォンの機能とスピーカの機能とを有するものであってもよい。
アンテナがフレーム部材から離間される方向である所定方向は、筐体の長手方向に限定されない。例えば、短手方向であってもよい。
1…携帯電話機(携帯無線装置)、3…筐体、15…端子部品(電子部品)、17…操作部材、21…アンテナ部材、21a…アンテナエレメント(アンテナ)、28a…第1平面(第1面)、28b…第2平面(第2面)、31…サブ基板、33…スイッチ、45…フレーム部材、47…延長部材。