JP5154277B2 - 減衰力可変ダンパの制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、前後左右の各車輪ごとに設けられて各車輪ごとに減衰力を個別に調整可能な減衰力可変ダンパの制御方法及び制御装置に関するものである。
自動車用サスペンションを構成するダンパでは、近年、操縦安定性と乗り心地とを高い次元で両立させるために、自動車の運動状態に応じて減衰力を可変制御する減衰力可変型のものが採用されている。
この種の可変減衰力ダンパの制御では、車体の運動状態に基づいてダンパに発生させるべき目標減衰力を設定するが、特に車両の旋回に伴う横加速度と車両のヨーイングに伴う横加速度に基づいて目標減衰力を設定することで、ロールの抑制を効果的に行うようにした技術が知られている(特許文献1)。
特開2006−281876号公報
しかるに、前記従来の技術に基づいて、ロール抑制制御を行う際に、転舵輪である前輪側で先にヨーを発生するという車両特性に応じるため、前輪側のゲインを先に立ち上げた後に、後輪側のゲインを立ち上げて、前輪側が後輪側よりも早く減衰力が増大するように制御することで、車両の操縦安定性を高めることができる。
ところが、前輪側の減衰力を後輪側より先に増大する制御とすると、減衰力の発生に応じて前輪の旋回内輪側の接地荷重が低下するため、後輪側に対して前輪側のコーナリングフォースが不足して、ステアフィール、すなわちステアリングを切った際の車両の旋回応答性が低下する虞があり、ステアフィールを確保する制御手法が望まれる。一方、これとは逆に回頭性を抑えて操縦安定性の向上が必要となる場合もあり、ステアフィール及び操縦安定性といった車両の運動特性を所望の特性に変化させることの可能な制御手法が望まれる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、ステアフィール及び操縦安定性といった車両の運動特性を所望の特性に変化させることができるように構成された減衰力可変ダンパの制御方法及び制御装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明では、請求項1に示すとおり、車両(V)の各車輪(3)ごとに設けられた減衰力可変ダンパ(4)の制御方法において、横加速度センサ(10)により横加速度を検出する横加速度検出過程と、ヨーレイトセンサ(12)によりヨーレートを検出するヨーレート検出過程と、車速センサ(9)により車速を検出する車速検出過程と、前記横加速度、前記ヨーレートおよび前記車速に基づいて前記ダンパの各々に発生させる減衰力目標値を設定する減衰力設定過程と、前記減衰力目標値に基づいて前記ダンパに減衰力を発生させる駆動電流を設定する駆動電流設定過程とを備え、前記減衰力設定過程が、車両の旋回時のロールを抑制するためのロール制御過程を有し、このロール制御過程が、前記横加速度を微分して横加速度微分値を取得する過程と、前記ヨーレートを2階微分してヨーレート2階微分値を取得する過程と、前記ヨーレート2階微分値に基づく補正値で前記横加速度微分値を補正して補正済み横加速度微分値を取得する過程と、前記補正済み横加速度微分値にゲインを乗算して前記減衰力目標値を求める過程とを有し、前記ゲインは、前輪側と後輪側とで別々に設定され、所定の車速より低い速度領域では前輪側のみが立ち上がり、前記所定の車速より高い速度領域では後輪側が車速が高くなるのに従って徐々に増大するように設定されるとともに、車両の旋回初期には前輪側が先に立ち上がった後に後輪側が立ち上がるように設定され、前記ロール制御過程または前記駆動電流設定過程が、車両の旋回状態を判別する旋回状態判別手段により車両が旋回中と判別されると、前輪のみを対象にして旋回外輪側よりも遅れて旋回内輪側の減衰力が発生するように制御する遅延処理過程を有し、車両の旋回初期に、前輪側の旋回外輪、前輪側の旋回内輪、後輪側の両輪の順で減衰力が発生するように制御するものとした。
また、本発明では、請求項2に示すとおり、車両(V)の各車輪(3)ごとに設けられた減衰力可変ダンパ(4)の制御装置(ECU7)において、横加速度を検出する横加速度センサ(10)と、ヨーレートを検出するヨーレイトセンサ(12)と、車速を検出する車速センサ(9)と、前記横加速度、前記ヨーレートおよび前記車速に基づいて前記ダンパの各々に発生させる減衰力目標値を設定する減衰力設定部(52)と、前記減衰力目標値に基づいて前記ダンパに減衰力を発生させる駆動電流を設定する駆動電流設定部(53)とを備え、前記減衰力設定部が、車両の旋回時のロールを抑制するためのロール制御部(58・101)を有し、このロール制御部が、前記横加速度を微分して横加速度微分値を取得する手段(微分器63)と、前記ヨーレートを2階微分してヨーレート2階微分値を取得する手段(2階微分器64)と、前記ヨーレート2階微分値に基づく補正値で前記横加速度微分値を補正して補正済み横加速度微分値を取得する手段(加算器66)と、前記補正済み横加速度微分値にゲインを乗算して前記減衰力目標値を求める手段(乗算器67)とを有し、前記ゲインは、前輪側と後輪側とで別々に設定され、所定の車速より低い速度領域では前輪側のみが立ち上がり、前記所定の車速より高い速度領域では後輪側が車速が高くなるのに従って徐々に増大するように設定されるとともに、車両の旋回初期には前輪側が先に立ち上がった後に後輪側が立ち上がるように設定され、前記ロール制御部または前記駆動電流設定部が、車両の旋回状態を判別する旋回状態判別手段(旋回状態判別部55)により車両が旋回中と判別されると、前輪のみを対象にして旋回外輪側よりも遅れて旋回内輪側の減衰力が発生するように制御する遅延処理部(56・103)を有し、車両の旋回初期に、前輪側の旋回外輪、前輪側の旋回内輪、後輪側の両輪の順で減衰力が発生するように制御するものとした。
これによると、前輪の旋回内輪側の減衰力の発生を遅らせるため、前輪の旋回内輪の接地荷重の低減が抑えられ、これにより前輪側のコーナリングフォースの低下が抑制されるため、前輪側のコーナリングフォースが後輪側より大きな値を示し、車両の回頭性、つまりステアフィールを向上させることができる
この場合、減衰力目標値に基づいてダンパの駆動電流を設定する過程で、所要の応答特性を有する遅延回路などを用いて、旋回外輪側よりも遅れて旋回内輪側のダンパの駆動電流が立ち上がるように構成すれば良い。また、減衰力目標値を設定する過程で、旋回内輪側の減衰力目標値の増大を遅らせる処理を行う構成とすることも可能である。
また、旋回状態判別手段は、例えば横加速度センサにより検出された横加速度から車両が旋回中か否かを判別し、さらにその旋回方向から旋回内輪を判別するものとすれば良い。
特に、減衰力可変ダンパが、シリンダ内に磁気粘性流体が充填され、ピストンに設けられた磁気流体バルブのコイルに対する印加電流の調整により、磁気粘性流体の見かけ上の粘度を増減して減衰力を制御する構成のものとすると良い。これによると、応答速度が高いため、ステアフィール及び操縦安定性の向上効果をより実効あるものとすることができる。
このように本発明によれば、前輪の旋回内輪側に対する遅延制御によりステアフィールを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明が適用される4輪自動車の概略構成を示す模式図である。ここで、4つの車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記す一方、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
この車両Vは、タイヤ2が装着された前後左右の4つの車輪3を備えており、これら各車輪3がサスペンションアームや、スプリング、ダンパ4等からなるサスペンション5によって車体1に懸架されている。
また、この車両Vには、サスペンションシステムの制御主体であるECU(Electronic Control Unit)7や、EPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)8が設置され、さらに車速を検出する車速センサ9、横加速度を検出する横Gセンサ10、前後加速度を検出する前後Gセンサ11、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ12等が車体1の適所に設置されるとともに、ダンパ4の伸縮量を検出するストロークセンサ13と、ホイールハウス付近の上下加速度を検出する上下Gセンサ14とが各車輪3ごとに設置されている。
ECU7は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(CAN(Controller Area Network))を介して各車輪3のダンパ4や各センサ9〜14と接続されている。
ダンパ4は、磁気粘性流体(Magneto-Rheological Fluid:以下、MRFと記す)を作動流体とする減衰力可変型ダンパであり、ECU7にて、センサ9〜14の検出結果に基づいて、各車輪3のダンパ4ごとの減衰力が個別に制御される。
図2は、図1に示したダンパ4の縦断面図である。このダンパ4は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対して軸方向に相対動するピストンロッド22と、ピストンロッド22の先端に装着されてシリンダチューブ21内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ21の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド22等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
シリンダチューブ21は、下端のアイピース21aに嵌挿されたボルト31を介して、車輪側部材であるトレーリングアーム35の上面に連結されている。また、ピストンロッド22は、上下一対のブッシュ36とナット37とを介して、その上端のスタッド22aが車体側部材であるダンパベース(ホイールハウス上部)38に連結されている。
ピストン26には、上部油室24と下部油室25とを連通する連通路39と、この連通路39に沿って配置された磁気流体バルブ(Magnetizable Liquid Valve:以下、MLVと記す)を構成するMLVコイル40とが設けられている。ECU7からMLVコイル40に電流が供給されると、連通路39を通過するMRFに磁界が印可されて強磁性微粒子が鎖状のクラスタを形成し、連通路39内を通過するMRFの見かけ上の粘度が上昇し、これに応じて減衰力が増大する。
図3は、図1に示したECU7における減衰力制御に係る要部の概略構成を示すブロック図である。図4は、図3に示したロール制御部58の概略構成を示すブロック図である。図5は、図3に示したロール制御部58で用いられる車速マップである。図6は、図3に示した駆動電流設定部53で用いられる目標電流マップである。
ECU7は、図3に示すように、上述した各センサ9〜14等が接続する入力インタフェース51と、センサ9〜12・14等から入力した検出信号に基づき各ダンパ4の目標減衰力を設定する減衰力設定部52と、減衰力設定部52で設定された目標減衰力とストロークセンサ13の検出結果とに応じて各ダンパ4(MLVコイル40)への駆動電流を設定する駆動電流設定部53と、駆動電流設定部53で設定された駆動電流を各ダンパ4に出力する出力インタフェース54とを有している。
減衰力設定部52は、スカイフック制御部57と、ロール制御部58と、ピッチ制御部59とを有している。ロール制御部58及びピッチ制御部59は、車両の旋回時のローリングや車両の急加速時や急減速時のピッチングを抑えて車体の姿勢を適正化する車体姿勢制御を行うものである。スカイフック制御部57は、路面の凹凸を乗り越える際の車両の動揺を抑えて乗り心地を高める乗り心地制御(制振制御)を行うものである。
ロール制御部58は、図4に示すように、ローパスフィルタ61・62、微分器63、2階微分器64、ヨーレートゲイン乗算器65、加算器66、横加速度ゲイン乗算器67、車速マップ68、符号判定器69、及び押し引きゲイン乗算器70を備えている。これらは、各ダンパ4ごとの目標減衰力を求めるために必要に応じて各ダンパ4ごとの演算を行う。
ここでは、横Gセンサ10で検出された横加速度Gyが、ローパスフィルタ61により操舵によらない通常走行中の横加速度成分が除去された後、微分器63に入力され、ここで横加速度の微分値 dGy/dtが算出される。
また、ヨーレートセンサ12で検出されたヨーレートγが、ローパスフィルタ62により操舵によらない通常走行中のヨーレート成分が除去された後、2階微分器64に入力され、ここでヨーレートの2階微分値 が算出される。ついで、このヨーレートの2階微分値がヨーレートゲイン乗算器65に入力され、ここで車両の重心位置から前輪3fl・3fr及び後輪3rl・3rrのサスペンション5までの距離Lf・Lr(図1参照)を乗算して、車両のヨーイングに伴う前輪3fl・3fr及び後輪3rl・3rrの位置での横加速度微分値の補正値d2γ/dt2×Lf・d2γ/dt2×Lrが算出される。
そして、前輪側の横加速度微分値(dGy/dt)Fと、前輪側の横加速度微分値の補正値d2 γ/dt2 ×Lfとが加算器66に入力され、前輪側の補正済み横加速度微分値(dGy/dt)F+d2γ/dt2×Lfが算出され、また後輪側の横加速度微分値(dGy/dt)Rと、後輪側の横加速度微分値の補正値d2γ/dt2×Lrとが加算器66に入力され、後輪側の補正済み横加速度微分値(dGy/dt)R+d2γ/dt2×Lrが算出される。
一方、車速マップ68にて、図5に示すように、車速センサ9で検出した車速Vから前輪側及び後輪側の横加速度ゲインが求められ、この前輪側及び後輪側の横加速度ゲインが、横加速度ゲイン乗算器67にて、加算器66にて算出された前輪側及び後輪側の補正済み横加速度微分値に乗算される。さらに、加算器66にて算出された前輪側及び後輪側の補正済み横加速度微分値の符号が符号判定器69で判定され、車両に作用する横加速度で収縮及び伸長のいずれになるかに応じて異なる押し引きゲインが押し引きゲイン乗算器70にて乗算され、前輪側及び後輪側の目標減衰力が求められる。
このようにしてロール制御部58にて目標減衰力が求められるが、これに並行して、スカイフック制御部57及びピッチ制御部59でも目標減衰力が求められ、ダンパ4が伸び側に作動している場合には、スカイフック制御、ロール制御、及びピッチ制御で求められた3つの目標減衰力のうち値が最も大きいものが目標減衰力として採用され、またダンパ4が縮み側に作動している場合には、3つの目標減衰力のうち値が最も小さいものが目標減衰力として採用される。
以上のようにして減衰力設定部52にて目標減衰力が設定されると、図3に示したように、駆動電流設定部53にて、減衰力設定部52で求めた目標減衰力と、ストロークセンサ13の検出値から求められるストローク速度とから、図6に示す目標電流マップを参照して目標電流が設定され、この目標電流に各ダンパ4のMLVコイル40の実電流が近づくようにフィードバック制御される。
なお、減衰力設定部52では、車両の旋回初期に転舵輪である前輪3fl・3fr側で先にヨーを発生するという車両特性に応じるため、前輪3fl・3fr側のゲインを先に立ち上げた後に、後輪3rl・3rr側のゲインを立ち上げて、前輪3fl・3fr側が後輪3rl・3rr側よりも早く減衰力が大きくなるように制御される。
ところで、ECU7には、図3に示したように、横Gセンサ10で検出された横加速度に基づいて車両の旋回状態を判別する旋回状態判別部55が設けられている。この旋回状態判別部55では、横Gセンサ10で検出された横加速度から車両が旋回中か否かを判別し、さらにその旋回方向に基づいて旋回内輪を判別する。
また、駆動電流設定部53には、旋回内輪側のダンパ4の駆動電流に対して遅延制御を行う遅延処理部56が設けられている。この遅延処理部56では、前輪3fl・3fr側に対して遅延制御を行う場合には、旋回状態判別部55により判定された前輪3fl・3frの旋回内輪側の駆動電流の立ち上がりを遅延させ、前輪3fl・3frの旋回内輪側の減衰力の発生タイミングを前輪の旋回外輪側より遅らせる。また、後輪3rl・3rr側に対して遅延制御を行う場合には、後輪3rl・3rrの旋回内輪側の駆動電流の立ち上がりを遅延させ、後輪3rl・3rrの旋回内輪側の減衰力の発生タイミングを後輪の旋回外輪側より遅らせる。
図7・図8は、図1に示した車両における旋回走行時のコーナリングフォース及びダンパ減衰力の発生状況を示す模式図であり、図7に、前輪の旋回内輪側に対して遅延制御を行った場合を、図8に、後輪の旋回内輪側に対して遅延制御を行った場合をそれぞれ示す。なお、ここでは、左旋回の例を示すが、右旋回ではこれと左右対称に現れる。図9は、前輪及び後輪の旋回内輪側に対して遅延制御を行った場合のヨー角加速度の変化状況に関するシミュレーション結果を示すグラフである。
車両Vが旋回を始めると、転舵輪である前輪3fl・3fr側で後輪3rl・3rr側に先行してヨーが発生し、これに対応するため、図7(A)に示すように、前輪3fl・3fr側のダンパ減衰力が後輪3rl・3rr側より早く立ち上がるように制御する。
ここで、図7(B)に示すように、前輪の旋回内輪3fl側において減衰力の発生タイミングを遅らせるように制御すると、前輪の旋回内輪3flの接地荷重の低減が抑えられ、前輪3fl・3fr側のコーナリングフォースの低下が抑制される。このため、前輪3fl・3fr側のコーナリングフォースは後輪3rl・3rr側より大きな値を示し、図9に示すように、ヨー角加速度が大きく発生し、車両の回頭性、つまりステアフィールを向上させることができる。
また、図8(B)に示すように、後輪の旋回内輪3rl側において減衰力の発生タイミングを遅らせるように制御すると、後輪の旋回内輪3rlの接地荷重の低減が抑えられ、後輪3rl・3rr側のコーナリングフォースの低下が抑制される。このため、後輪3rl・3rr側のコーナリングフォースは前輪3fl・3fr側より大きな値を示し、図9に示すように、ヨー角加速度が小さくなり、横加速度の応答性が向上すると共に、回頭性を抑えて操縦安定性を向上させることができる。
以上のように、ロール抑制制御を行う際に、転舵輪である前輪側で先にヨーを発生するという車両特性に応じるため、前輪側のゲインを先に立ち上げた後に、後輪側のゲインを立ち上げて、前輪側が後輪側よりも早く減衰力が大きくなるように制御することで、車両の操縦安定性を高めることができ、さらにこの前後輪間の減衰力の発生タイミングの設定に加え、前輪の旋回内輪あるいは後輪の旋回内輪に対して遅延制御を行うことで、ステアフィール及び操縦安定性といった車両の運動特性を所望の特性に変化させることができる。
なお、図9では、車体重量比の異なる例を示しており、前輪及び後輪の旋回内輪側に対して遅延制御を行った場合のヨー角加速度の変化状況に関する特性は、車体重量比には影響されない。
図10は、図1に示したECU7に設けられるロール制御部の別の例を示すブロック図である。ここでは、ロール制御部101内で遅延処理が行われ、その他の構成は前記の例と同様であるが、図3に示した旋回状態判別部55及び駆動電流設定部53内の遅延処理部56は不要である。
このロール制御部101には、横Gセンサ10で検出された横加速度に基づいて車両の旋回状態を判別する旋回状態判別部102が設けられており、この旋回状態判別部102では、横加速度から車両が旋回中か否かを判別し、さらにその旋回方向を判定して、旋回内輪及び旋回外輪の別に応じて旋回内輪用及び旋回外輪用のゲインを、各輪ごとに設けられた遅延処理用乗算器103に出力する。
旋回内輪用及び旋回外輪用のゲインは、前輪3fl・3frの旋回内輪側の減衰力の発生タイミングを前輪の旋回外輪側より遅らせ、また、後輪3rl・3rrの旋回内輪側の減衰力の発生タイミングを後輪の旋回外輪側より遅らせるように設定されており、旋回内輪用及び旋回外輪用のゲインを、乗算器103にて、押し引きゲイン乗算器70から出力された前輪側及び後輪側の目標減衰力に乗算することで、前記と同様に前輪及び後輪の旋回内輪側に対する遅延制御が行われる。
以下に、旋回内輪側の減衰力の発生を遅らせる制御によりコーナリングフォースを増大させてステアフィールや操縦安定性の向上を図ることができる理由について詳しく説明する。
図11は、前輪の旋回内輪側に対して遅延制御を行った場合の前後輪の旋回内輪及び旋回外輪の荷重変化状況を示す模式図であり、(A)に前輪側を、(B)に後輪側をそれぞれ示している。なお、ここでは、図7・図8と同様に、左旋回の例を示すが、右旋回ではこれと左右対称に現れる。
車両が旋回を始めた際に、図7(B)に示したように、前輪の旋回内輪3fl側において減衰力の発生タイミングを遅らせるように制御すると、旋回開始直後の減衰力は、図11(A)に示すように、前輪の旋回内輪3flで小さく、前輪の旋回外輪3frで大きくなり、このような減衰力の違いにより、過渡的な荷重変化量が旋回内輪3flと旋回外輪3frとで異なり、旋回外輪3frの荷重変化量(増大量)に比較して、旋回内輪3flの荷重変化量(減少量)が小さくなる。
ここで、旋回外輪3frの減衰力を大きくすると、車体1にジャッキアップが発生し、この車体1のジャッキアップ時の慣性力により、旋回内輪3fl及び旋回外輪3frの荷重の総和が大きくなり、このとき、下向きの慣性力と同じ向きとなる旋回外輪3frの荷重変化量は慣性力分だけ大きくなり、慣性力と逆向きになる旋回内輪3flの荷重変化量は慣性力分だけ小さくなる。
一方、後輪3rl・3rr側においては、図11(B)に示すように、旋回開始直後の減衰力を、旋回内輪3rlと旋回外輪3rrとで同一とすると、過渡的な荷重変化量は旋回内輪3rlと旋回外輪3rrとで同一となる。
図12は、操舵直後の前輪及び後輪の荷重変化状況を示すものであり、(A)は操舵後の前輪及び後輪の荷重の経時変化を示すグラフであり、(B)は前輪及び後輪の荷重変化状況を示す模式図である。
運転者による操舵の直後の過渡領域では、前輪3fl・3fr及び後輪3rl・3rrの荷重が増大し、特に前輪3fl・3frの荷重変化量が後輪3rl・3rrの荷重変化量を上回る状態となる。なお、後輪3rl・3rr側においては、図11(B)の例のように、過渡的な荷重変化量が旋回内輪3rlと旋回外輪3rrとで同一となると、相殺されて後輪の荷重変化量はなくなるが、いずれしても、後輪3rl・3rrと比較して前輪3fl・3frの荷重が増大することが重要となり、これより前輪側のコーナリングフォースを増大させることができる。
次式は、ヨー角加速度の計算式である。
I(dγ/dt)=Lf(Yfl+Yfr)−Lr(Yrl+Yrr) (式1)
ここで、Iはヨー慣性モーメント、γはヨーレート、Lf及びLrは重心点と前後輪車軸間の距離、Yfl、Yfr、Yrl及びYrrは各タイヤに発生するコーナリングフォースである。この式から明らかなように、前輪3fl・3frの荷重が増大して前輪3fl・3frのコーナリングフォース(Yfl+Yfr)が増大すると、ヨー角加速度(dγ/dt、ヨーレートγの時間微分値)が増加する。
以上のように、車両が旋回を始めた際に、前輪の旋回内輪側の減衰力の発生を遅らせる制御を行うと、前輪側で荷重が過渡的に増えた状態となり、これによりヨー角加速度が顕著になるため、運転者が操舵した直後に感じる車両の回頭性、つまりステアフィールが向上する。
一方、車両が旋回を始めた際に、図8(B)に示したように、後輪の旋回内輪3rl側において減衰力の発生タイミングを遅らせるように制御すると、図11(A)の例と同様に、旋回開始直後の過渡的な荷重変化量が旋回外輪3rrに比較して旋回内輪3rlで小さくなり、これにより後輪3rl・3rrの荷重の総和が大きくなるため、前記の式1における後輪3rl・3rr側のコーナリングフォース(Yrl+Yrr)が増大して、ヨー角加速度(dγ/dt)が抑えられ、横加速度の立ち上がりが早くなることで、安定した旋回が可能になる。
本発明が適用される4輪自動車の概略構成を示す模式図である。 図1に示したダンパの縦断面図である。 図1に示したECUにおける減衰力制御に係る要部の概略構成を示すブロック図である。 図3に示したロール制御部の概略構成を示すブロック図である。 図3に示したロール制御部で用いられる車速マップである。 図3に示した駆動電流設定部で用いられる目標電流マップである。 図1に示した車両における旋回走行時のコーナリングフォース及びダンパ減衰力の発生状況を示す模式図である。 図1に示した車両における旋回走行時のコーナリングフォース及びダンパ減衰力の発生状況を示す模式図である。 前輪及び後輪の旋回内輪側に対して遅延制御を行った場合のヨー角加速度の変化状況に関するシミュレーション結果を示すグラフである。 図1に示したECUに設けられるロール制御部の別の例を示すブロック図である。 前輪の旋回内輪側に対して遅延制御を行った場合の前後輪の旋回内輪及び旋回外輪の荷重変化状況を示す模式図である。 操舵直後の前輪及び後輪の荷重変化状況を示すグラフ及び模式図である。
符号の説明
1 車体
3 車輪
4 ダンパ
7 ECU
10 横Gセンサ
52 減衰力設定部
53 駆動電流設定部
55 旋回状態判別部
56 遅延処理部
102 旋回状態判別部
103 遅延処理用乗算器
V 自動車

Claims (2)

  1. 車両の各車輪ごとに設けられた減衰力可変ダンパの制御方法であって、
    横加速度センサにより横加速度を検出する横加速度検出過程と、
    ヨーレイトセンサによりヨーレートを検出するヨーレート検出過程と、
    車速センサにより車速を検出する車速検出過程と、
    前記横加速度、前記ヨーレートおよび前記車速に基づいて前記ダンパの各々に発生させる減衰力目標値を設定する減衰力設定過程と、
    前記減衰力目標値に基づいて前記ダンパに減衰力を発生させる駆動電流を設定する駆動電流設定過程とを備え、
    前記減衰力設定過程が、車両の旋回時のロールを抑制するためのロール制御過程を有し、
    このロール制御過程が、
    前記横加速度を微分して横加速度微分値を取得する過程と、
    前記ヨーレートを2階微分してヨーレート2階微分値を取得する過程と、
    前記ヨーレート2階微分値に基づく補正値で前記横加速度微分値を補正して補正済み横加速度微分値を取得する過程と、
    前記補正済み横加速度微分値にゲインを乗算して前記減衰力目標値を求める過程とを有し、
    前記ゲインは、前輪側と後輪側とで別々に設定され、所定の車速より低い速度領域では前輪側のみが立ち上がり、前記所定の車速より高い速度領域では後輪側が車速が高くなるのに従って徐々に増大するように設定されるとともに、車両の旋回初期には前輪側が先に立ち上がった後に後輪側が立ち上がるように設定され、
    前記ロール制御過程または前記駆動電流設定過程が、車両の旋回状態を判別する旋回状態判別手段により車両が旋回中と判別されると、前輪のみを対象にして旋回外輪側よりも遅れて旋回内輪側の減衰力が発生するように制御する遅延処理過程を有し、
    車両の旋回初期に、前輪側の旋回外輪、前輪側の旋回内輪、後輪側の両輪の順で減衰力が発生するように制御することを特徴とする減衰力可変ダンパの制御方法。
  2. 車両の各車輪ごとに設けられた減衰力可変ダンパの制御装置であって、
    横加速度を検出する横加速度センサと、
    ヨーレートを検出するヨーレイトセンサと、
    車速を検出する車速センサと、
    前記横加速度、前記ヨーレートおよび前記車速に基づいて前記ダンパの各々に発生させる減衰力目標値を設定する減衰力設定部と、
    前記減衰力目標値に基づいて前記ダンパに減衰力を発生させる駆動電流を設定する駆動電流設定部とを備え、
    前記減衰力設定部が、車両の旋回時のロールを抑制するためのロール制御部を有し、
    このロール制御部が、
    前記横加速度を微分して横加速度微分値を取得する手段と、
    前記ヨーレートを2階微分してヨーレート2階微分値を取得する手段と、
    前記ヨーレート2階微分値に基づく補正値で前記横加速度微分値を補正して補正済み横加速度微分値を取得する手段と、
    前記補正済み横加速度微分値にゲインを乗算して前記減衰力目標値を求める手段とを有し、
    前記ゲインは、前輪側と後輪側とで別々に設定され、所定の車速より低い速度領域では前輪側のみが立ち上がり、前記所定の車速より高い速度領域では後輪側が車速が高くなるのに従って徐々に増大するように設定されるとともに、車両の旋回初期には前輪側が先に立ち上がった後に後輪側が立ち上がるように設定され、
    前記ロール制御部または前記駆動電流設定部が、車両の旋回状態を判別する旋回状態判別手段により車両が旋回中と判別されると、前輪のみを対象にして旋回外輪側よりも遅れて旋回内輪側の減衰力が発生するように制御する遅延処理部を有し、
    車両の旋回初期に、前輪側の旋回外輪、前輪側の旋回内輪、後輪側の両輪の順で減衰力が発生するように制御することを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。
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