JP5152262B2 - 路車間通信システム、信号制御装置、及び、車載装置 - Google Patents

路車間通信システム、信号制御装置、及び、車載装置 Download PDF

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Description

本発明は、交通信号機を制御する信号制御装置と、道路を走行する車両との路車間通信により情報を送受信する路車間通信システム及び車載装置に関する。
交差点に設置される交通信号機の一種として、半感応式信号機というものが知られている。半感応式信号機は、交通量の多い主道路と主道路に対して交通量の少ない従道路とが交わる交差点において、普段は主道路側に通行権を与えておき、従道路側から交差点を通行しようとする車両を検知したときに限り、通行権を主道路側から従道路側に切替える制御を行うものである。
そして、このような半感応式信号機の制御において、従道路側から交差点に接近する車両から無線通信を介して位置や速度の情報を受信し、その車両が交差点へ到着する時刻を予想した上で、その到着時刻に合わせて信号を切替える技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−305084号公報
ところで、交通流の多い主要な幹線道路などでは、交通流を円滑化すること等を目的として、交通管制センタ等が複数の交差点の交通信号機を連携させて制御する系統制御が実施されている場合がある。半感応式信号機が配備された交差点の主道路において系統制御が実施されている場合、半感応式信号機が周辺の交通信号機の系統制御とは関係なく自己の都合だけで信号の切替えを行うと、次のような不都合を生じるおそれがある。
図7に示すように、主道路と従道路が交差する3つの交差点1,2,3にそれぞれ設置された交通信号機1,2,3のうち、交通信号機1,3では時間経過に応じて切替わる信号のパターンを連動させる系統制御が行われており、交通信号機2では半感応式制御が行われているとする。交通信号機1,3は、系統制御により同時期に主道路側に通行権を与えている。一方、交通信号機2は、主道路上において交通信号機1,3の間に位置しており、普段は主道路側に通行権を与えている。これにより、系統制御により主道路側に通行権が与えられた時間帯では、車両が交差点1,2,3を停車することなく続けて通過できるようになっている。
そして、交差点2では、従道路側から接近する車両を検知したときに限り、通行権を主道路側から従道路側に切替える。このとき、もし、交通信号機1,3が主道路側に青信号を現示している(通行権あり)最中に、交通信号機2が自己の都合だけで主道路側を赤信号(通行権なし)にした場合、主道路を走行している車両が系統制御の意図に反して全て交差点Aで停車させられることになる。このようになると、交通量の多い主道路において車両の局所的な集中を誘発し、円滑な交通流の妨げとなる。
このような不都合を避けるためには、交通信号機1,3が主道路側に赤信号を現示する期間に限り、交通信号機2は従道路側に通行権を与えるようにすることが必要である。このように、たとえ従道路側から接近する車両の待ち時間を低減するようなタイミングで信号を切替えることができる半感応式信号機であっても、周辺の交通信号機との間で連携をとり、主道路側の円滑な交通流を妨げないように従道路に通行権を与えるようにすることが望ましい。従来の技術では、そのような制御を行うことについて十分に検討されていなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、半感応式信号機において、周辺の交通信号機との連携に配慮しつつ、従道路側から交差点を通行しようとする車両の待ち時間を低減できる信号制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の路車間通信システムは、主道路と従道路とが交差する信号交差点において半感応式信号制御を行う信号制御装置と、車両に搭載され、信号制御装置との間で無線通信による情報通信を行う車載装置とを有するものであって、特に、次のような特徴を有する。
信号制御装置は、感知手段、時間帯情報受信手段、設定手段、及び、信号制御手段を備える。感知手段は、従道路を走行して信号交差点に接近している接近車両を感知するためのものである。時間帯情報受信手段は、感知手段により感知した接近車両から、その接近車両が信号交差点に到達すると予測される到達時間帯を示す時間帯情報を受信する。そして、設定手段は、従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と他の特定の信号交差点に設置された交通信号機の信号現示スケジュールとの間の連携に関する所定の制約条件、及び時間帯情報受信手段により取得した時間帯情報に基づいて、その制約条件を満たし、かつ時間帯情報で示される到達時間帯を反映した、従道路側に対する通行権付与時間帯を設定する。信号制御手段は、設定手段により設定した通行権付与時間帯に従って、従道路側に通行権を与える信号を現示する。
一方、車載装置は、車両情報取得手段、算出手段、及び、時間帯情報送信手段を備える。車両情報取得手段は、自車両の位置、速度、及び速度変化率に関する車両情報を取得する。算出手段は、従道路を走行して信号交差点に向かっているときの、車両情報取得手段により取得した車両情報と、信号交差点の位置情報とに基づき、自車両が信号交差点に到達すると予測する、最も早いと到着時刻から最も遅い到着時刻までの幅のある到達時間帯を算出する。時間帯情報送信手段は、算出手段により算出した到達時間帯を示す時間帯情報を信号制御装置に対して送信する
このように構成された本発明によれば、半感応式信号機が制御対象の従道路に通行権を付与する際に、周辺の交通信号機との連携に関する制約条件に沿った時間帯を設定できる。この制約条件は、信号の系統制御の埒外で行われる半感応式信号制御による不定期な信号の切替えが、周辺の交通流に悪影響を及ぼさないように規制するものである。よって、本発明の信号制御装置が、制御対象の従道路に通行権を付与する際に制約条件を守ることで、その信号交差点周辺の円滑な交通流を妨げることがない。それに加え、その信号交差点を通行しようとする車両の到達時間帯を考慮することで、その車両の都合に合わせた(例えば、青信号までの停車待ち時間を低減できるような)通行権付与時間帯を設定できる。
また、車両が信号交差点に到達する時期を幅のある到達時間帯として予測することで、信号制御装置側で通行権付与時間帯を設定する際に、時間調整が可能な範囲を大きくとることができる。例えば、予測された到達時間帯の少なくとも一部分に通行権付与時間帯が重なってさえいれば、車両側が速度調節をすることで信号交差点を停車することなく青信号で通過できることになる。本発明では、幅のある到達時間帯を採用したことで、車両が信号交差点に到達する時期を幅のない時点として予測する場合に比べて、車両側の都合に適した通行権付与時間帯を設定するための調節範囲を大きくすることができる。
あるいは、本発明は、請求項2に記載の路車間通信システムのように構成してもよい。
ここでは、信号制御装置は、感知手段、車両情報受信手段、算出手段、設定手段、及び、信号制御手段を備える。感知手段は、従道路を走行して信号交差点に接近している接近車両を感知する。車両情報受信手段は、感知手段により感知した接近車両から、その接近車両の位置、速度、及び速度変化率に関する車両情報を受信する。そして、算出手段は、車両情報受信手段により取得した車両情報と、信号交差点の位置情報とに基づき、当該接近車両が信号交差点に到達すると予測する、最も早いと到着時刻から最も遅い到着時刻までの幅のある到達時間帯を算出する。設定手段は、従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と他の特定の信号交差点に設置された交通信号機の信号現示スケジュールとの間の連携に関する所定の制約条件、及び算出手段により算出した到達時間帯に基づいて、その制約条件を満たし、かつ到達時間帯を反映した、従道路側に対する通行権付与時間帯を設定する。信号制御手段は、設定手段により設定した通行権付与時間帯に従って、従道路側に通行権を与える信号を現示する。
一方、車載装置は、車両情報取得手段及び車両情報送信手段を備える。車両情報取得手段は、自車両の位置、速度、及び速度変化率に関する車両情報を取得する。車両情報送信手段は、従道路を走行して信号交差点に向かっているときの、車両情報取得手段により取得した車両情報を信号制御装置に対して送信する。
請求項2に記載の路車間通信システムでは、接近車両が信号交差点へ到達すると予想される到達時間帯を車両側ではなく信号制御装置側で算出する点で請求項1に記載の路車間通信システムと異なる。このような構成でも、請求項1に記載の路車間通信システムと同様の効果を得られる。
ところで、本発明の信号制御装置の設定手段が通行権付与時間帯の設定に用いる制約条件としては、従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と、主道路が接続する他の特定の信号交差点における主道路側の信号現示スケジュールとの間の連携条件を規定するものが挙げられる(請求項3)。このような制約条件を採用することで、本発明の信号制御装置による半感応式信号制御に基づく不定期な信号切替が、主道路側の周辺の信号交差点を含んだ範囲の交通流に悪影響を及ぼさないようにできる。
また、制約条件として必要になる他の信号交差点の信号現示スケジュール(信号の現示時期の予定)については、信号制御装置が、それらの信号交差点の交通信号機、又は、それらの交通信号機を統括制御する外部のセンタ装置から受信するように構成することが考えられる(請求項4)。このようにすることで、他の信号交差点の正確な信号現示スケジュールをリアルタイムで取得することが可能になる。
あるいは、本発明の信号制御装置の設定手段が通行権付与時間帯の設定に用いる制約条件としては、従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と、主道路が接続する他の特定の信号交差点であって、その信号交差点に接続する他の従道路で行われる半感応式信号制御に基づく信号現示ジュールとの連携条件を規定するものが挙げられる(請求項5)。このような制約条件を採用することで、複数の信号交差点で行われる半感応式信号制御を連携させることで信号の切替え時期を整理し、主道路側の交通流に対する影響を低減できる。
さらに、請求項6に記載の路車間通信システムのように、信号制御装置が感知手段にて複数の接近車両を感知している場合、設定手段は、その複数の接近車両のそれぞれの到達時間帯を反映した1つの通行権付与時間帯を設定するような構成であってもよい。このようにすることで、複数の接近車両の事情に適した通行権付与時間帯を設定できるようになる。例えば、一回の通行権の付与でなるべく多くの車両を通過させるには、複数の接近車両の到達時間帯と重なるように通行権付与時間帯を調整すればよい。
さらに、信号制御装置の設定手段は、複数の接近車両の到達時間帯の早遅順に基づく各接近車両の優先順位を設定し、優先順位の高い接近車両の到達時間帯を優先的に反映した通行権付与時間帯を設定するようにしてもよい(請求項7)。このようにすることで、信号交差点における交通を管理する上での様々な事情に応じた柔軟な態様で半感応式信号制御を行うことができる。
例えば、到達時間帯が早い接近車両から順に優先順位を高く設定し、この車両が停車せずに済むように通行権付与時間帯を設定することで、信号交差点に早く到達する車両の停車待ち時間を優先して低減できる。あるいは、制約条件を満たす範囲内で到達時間帯が遅い接近車両の優先順位を高く設定し、この接近車両が信号交差点を通過できるような通行権付与時間帯を設定することで、早く到達する車両の停車待ち時間が長くなるものの、一回の通行権の付与でなるべく多くの車両を通過させることができる。
さらに、信号制御装置側で設定した通行権付与時間帯を信号情報として車両側に通知し、車両側において信号情報を活用した運転支援を実施できるようにしてもよい(請求項8)。具体的には、信号制御装置は、設定手段により設定した通行権付与時間帯を示す信号情報を、接近車両に対して送信する信号情報送信手段を更に備える。一方、車載装置は、信号制御装置から信号情報を受信する信号情報受信手段と、信号情報受信手段により受信した信号情報で示される通行権付与時間帯に応じた態様にて、信号交差点へ至るための運転を対象とする所定の運転支援を実行する運転支援制御手段とを更に備える。
このように構成することで、信号制御装置が制約条件及び接近車両の事情に応じた通行権付与時間帯を設定し、それに加え、その通行権付与時間帯に合わせて運転者が車両を運転できるように車両側で運転支援を実施できる。ここでいう運転支援とは、通知された通行権付与時間帯に合わせて、車両が赤信号で停車することなく信号交差点を通過できるようにしたり、赤信号による停車待ち時間を低減するための車両制御(例えば速度の自動調整)や情報通知(最適速度の案内)等である。
ところで、信号制御装置が設定する通行権付与時間帯を、接近車両の事情を精度よく反映したものにするためには、接近車両の到達時間帯をより正確に算出することが肝要である。そこで、請求項9に記載のように構成するとよい。すなわち、車載装置は、自車両が信号交差点へ到達するまでの速度又は速度変化率の少なくとも何れかについて、任意の数量範囲を車両情報として人為的に設定可能な許容範囲設定手段を更に備える。そして、算出手段は、更に車両情報で示される数値範囲に基づいて到達時間帯の幅を決定する。
接近車両が信号交差点へ到達すると予測される到達時間帯は、車両の速度や速度変化率に対する運転者の運転嗜好に左右される可能性がある。そして、運転者の運転嗜好の例として、過度に高い速度や低い速度で交差点に接近する走行にストレスを感じたり、急激な加減速を嫌うといったものがある。
そこで、このようなユーザの運転嗜好を到達時間帯に反映できるようにするために、許容する最低速度や最高速度、速度変化率の最大値等をユーザの任意で予め設定しておき、その値から交差点までの到達にかかる時間の最大・最小値を算出するようにすればよい。このようにすることで、運転者の運転嗜好を反映した正確な到達時間帯を算出できる。
さらに、接近車両の到達時間帯をより正確に算出するための更なる工夫として、接近車両の走行に影響を与える可能性のある、道路側の条件を加味することが考えられる。そこで、到達時間帯を車両側で算出する構成の場合、請求項10に記載のように構成すればよい。すなわち、信号制御装置では、信号交差点へ至る従道路の走行条件に関する交差点固有情報を保有しており、その交差点固有情報を接近車両に対して送信する交差点固有情報送信手段を更に備える。一方、車載装置では、信号制御装置から交差点固有情報を受信する交差点固有情報受信手段を更に備える。そして、算出手段は、車両情報及び信号交差点の位置情報に加え、交差点固有情報受信手段により受信した交差点固有情報受信手段を更に反映して、当該接近車両の到達時間帯を算出する。
あるいは、到達時間帯を信号制御装置側で算出する構成の場合、請求項11に記載のように構成すればよい。すなわち、信号制御装置では、信号交差点へ至る従道路の走行条件に関する交差点固有情報を保有しており、算出手段は、車両情報及び信号交差点の位置情報に加え、固有情報を更に反映して当該接近車両の到達時間帯を算出する。
ここでいう交差点固有情報の内容としては、例えば、信号交差点へ至るまでの従道路の幅、傾斜、路面状況、気象状況、形状等、その従道路を走行する車両の速度に影響を与える可能性のある種々の条件を採用できる。このような信号交差点ごとに固有の条件を接近車両の速度の変化に反映させることで、接近車両の到達時間帯をより正確に予測することができる。
つぎに、請求項12〜15に記載の車載装置は、請求項1,2,8,9,10に記載の路車間通信システムを構成する車載装置と同様の構成を有するものである。この車載装置を搭載した車両が本発明に係る上記信号制御装置が設置された信号交差点を通過する際には、本発明の路車間通信システムにおける上述の効果と同様の効果を得られる。
つぎに、請求項16,17に記載の車載装置は、請求項1,2に記載の路車間通信システムを構成する信号制御装置と同様の構成を有するものである。この信号制御装置が設置された信号交差点を本発明に係る上記車載装置を搭載した車両が通過する際には、本発明の路車間通信システムにおける上述の効果と同様の効果を得られる。
実施形態の路車間通信システムの概略構成を示すブロック図である。 (a)は実施形態の路車間通信システムが適用された信号交差点周辺の状況を示す説明図であり、(b)は従道路側に通行権を付与する際の制約条件の一例を示す説明図である。 通信シーケンスの手順を示すラダーチャートである。 従道路側に通行権付与する時間帯の一例を示す説明図である。 通行権付与時間帯設定処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態の概要を示す説明図である。 従来技術の問題点を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[路車間通信システムの構成の説明]
まず、図1に基づいて実施形態の路車間通信システムの構成を説明する。路車間通信システムは、道路を走行する車両に搭載される車載装置1と、交通量の多い主道路と交通量の少ない従道路とが交差する信号交差点に設置された半感応式信号機2(特許請求の範囲の信号制御装置に相当)とからなる。
車載装置1は、位置特定部10、外部機器接続部11、表示部12、音声出力部13、無線通信部15、及び制御部16等を備えている。
このうち、位置特定部10は、車速センサ31や、加速度センサ32、図示しないGPS受信機等による検出信号に基づいて車両の現在地や進行方向を特定し、その特定したデータを制御部16に入力するためのものである。外部機器接続部11は、車両に搭載されている車速センサ31、加速度センサ32、作動処理部33等、他のECU(Electronic Control Unit)等の各種機器との間で通信を行うためのインタフェースであり、各機器から送信されてくる自車両情報のデータを制御部16に入力する。車速センサ31は、自車両の速度を検出するための装置である。加速度センサ32は、自車両の速度変化率(加速度、減速度)を検出するための装置である。作動制御部33は自車両の各部(アクセル、ブレーキ等の被制御部)の作動制御を行うための装置である。
表示部12は、画像を表示する液晶パネル等の表示面を備えた表示装置であり、制御部16からの制御に基づいて各種の運転支援画像を表示する。画像を表示する表示面は、車両の運転席から視認可能な場所に配置される。音声出力部13は、音声を出力するスピーカ等を備えた音声出力装置であり、制御部16からの制御に基づいて運転支援に関する各種の音声メッセージを出力する。
無線通信部15は、信号交差点に設置された半感応式信号機2との間で双方向の無線通信(路車間通信)を行うための通信装置である。この路車間通信に用いる通信様式としては、例えばETC(登録商標)システム等で用いられる狭域通信(DSRC)や、VICS(登録商標)等で用いられる電波ビーコン及び光ビーコンの技術を用いることが考えられる。あるいは、日本国において、2011年(予定)のアナログテレビ放送の終了後に利用区分が再編される予定の700MHz帯の電波を利用することも考えられる。この700MHz帯の電波は、DSRCで用いられる5.8GHz帯の電波と比較して波長が長いため、回折を起こし易い。そのため、建築物が密集する都市部において、建物の影からでも良好に通信が行うことができる。
制御部16は、CPU,ROM,RAM等からなる周知のコンピュータ装置で構成されており、車載装置1の各部を統括制御する。この制御部16は、ROM等に記憶されたプログラムに従って路車間通信や運転支援に関する処理を実行する。なお、本実施形態では、半感応式信号機2との路車間通信により取得した情報に基づいて当該信号交差点に到達する到達時間帯を予測する処理(詳細は後述する)や、半感応式信号機2から受信した通行権付与時間帯を含む信号情報に基づいて所定の運転支援を実施する処理(詳細は後述する)を実行する。
一方、半感応式信号機2は、無線通信部21、信号制御部22、路側通信部23及び信号表示部24を備える。
このうち、無線通信部21は、道路を走行する車両に搭載された車載装置1との間で双方向の無線通信(路車間通信)を行うための通信装置である。この路車間通信に用いる通信様式は、上述の車載装置1のものと同様である。
信号制御部22は、CPU,ROM,RAM等からなる周知のコンピュータ装置で構成されており、半感応式信号機2の各部を統括制御し、信号交差点を通行する車両に対して信号を表示するための信号灯器である信号表示部24が備える青、黄、赤の各信号灯の点灯及び消灯を制御する。なお、制御対象の信号表示部24は信号交差点への接続道路ごとに設置されており(N本の道路が交差する信号交差点の場合N台)、信号制御部22はそれらの信号表示部24の点灯をそれぞれ制御する。
本実施形態の信号制御部22は半感応式信号制御を行う。ここで想定している半感応式信号制御とは、交差する主道路及び従道路の2つの道路に対して、普段は主道路側に通行権を与えておき(主道路:青信号、従道路:赤信号)、従道路側から交差点を通行しようとする接近車両を検知したときに限り、所定期間だけ通行権を主道路側から従道路側に切替える(主道路:赤信号、従道路:青信号)制御である。
また、信号制御部22は、路車間通信により検出した接近車両から受信した情報や、従道路側に通行権を与える時間帯に対する所定の制約条件に基づき、従道路に対して通行権を付与する時間帯を設定する処理(詳細は後述する)を実行する。
路側通信部23は、種々の交通情報の提供や交通信号機の遠隔制御を行う外部機関である交通管制センタ4や、主道路が接続する他の信号交差点に設置された交通信号機3b,3cとの間で、通信回線100を介した情報通信を行うための通信装置である。なお、路側通信部23による情報通信は、無線によるものであってもよいし有線によるものであってもよい。交通管制センタ4や他の交通信号機3b,3cとの間の情報通信により取得する情報としては、上記制約条件に係る信号交差点の信号現示スケジュールの情報(制約時間情報)がある。
[路車間通信システムの動作の説明]
つぎに、実施形態の路車間通信システム全体の動作について説明する。ここでは、図2(a)に示すような、3つの交差点A,B,Cからなる道路構成を例に挙げて説明する。図2(a)上で左右方向に通る主道路と、この図の中央で上下方向に通る従道路とが交差する交差点Aに、本実施形態の半感応式信号機2が設置されており、主道路側と従道路側との通行権の切替えを行っている。この半感応式信号機2は、普段は主道路側に通行権を継続して与えているが、従道路上で交差点Aに向かって走行する接近車両を感知したときのみ、従道路側に通行権を切替える。接近車両の感知は、車両に搭載された車載装置1との間で行う路車間通信により受信した情報に基づいて行う。
また、主道路は、交差点Aの左側において交通信号機3bの設置された別の交差点Bと接続しており、さらに、交差点Aの右側において交通信号機3cの設置された交差点Cと接続している。これらの交差点B,Cにそれぞれ設置された交通信号機3b,3cは、交通管制センタ4から送信される信号現示スケジュールに従って、所定時間ごとに信号を順次切替える。また、交通信号機3b,3cは、交通管制センタ4により系統制御されることで信号パターンが連動しており、信号灯色の現示期間が互いに一致している。この系統制御の目的は、主道路側の交通流の円滑化である。
上記のとおり、交通信号機3b,3cでは、主道路側の交通流の円滑化のために同一のタイミングで主道路側に通行権を与える系統制御が行われている。一方、半感応式信号機2では、この系統制御の妨げとならないように、交通信号機3b,3cが主道路側に停止信号(赤信号)を現示している時間帯に限り、一定期間だけ従道路側に通行権を与えることができるようになっている。このようにすることで、主道路側で交差点B,Cを青信号で通過してきた車両が交差点Aの赤信号で停車させられるといった、主道路側の交通流の円滑化を妨げるような状況を回避できる。
すなわち、ここで説明している事例では、「交通信号機3b,3cが主道路側に停止信号を現示している時間帯に限り、半感応式信号機2は従道路側に一定時間だけ通行権を与えることができる」という内容が、従道路側に通行権を与える時間帯に対する制約条件に該当する。そして、図2(b)は、この制約条件の内容をタイムチャートに記したものである。
図2(b)に示すとおり、交通信号機3b,3cは、赤信号を25秒間現示し、次に青信号を60秒間現示し、次に黄信号を3秒間現示するという信号現示スケジュールを同一のタイミングで実施すると想定する。この信号現示スケジュールに対して、半感応式信号機2では、交通信号機3b,3cが共に赤信号を現示する時刻Aから時刻Bまでの25秒間の範囲内で、10秒間だけ従道路側に青信号を現示することができると規定されている。なお、この25秒間の範囲内で、どのタイミングで従道路側に青信号を現示するかについては、現在感知している接近車両が交差点Aへ到達すると予想される到達時間帯に応じて半感応式信号機2側で決定される。
つぎに、実施形態の路車間通信システムにおいて実施される通信シーケンスについて、図3のラダーチャートに基づき説明する。なお、以下の説明では、図2(a)に示す道路構成と、図2(b)に示す制約条件を前提としている。
従道路を交差点Aに向かって走行する接近車両が半感応式信号機2の無線通信圏内に進入すると、この接近車両に搭載された車載装置1の制御部16は、無線通信部15を使って半感応式信号機2に対して路車間通信の開始を通知する。この通知には、自車両の現在地等を示す位置情報が含まれるものとする。
接近車両から路車間通信の開始を通知された半感応式信号機2の信号制御部22は、通知された位置情報に基づき、この接近車両が従道路を通って交差点Aに接近しているか否かを確認し、確認できた場合、この接近車両を感知対象の車両として特定する(感知車両特定)。なお、路車間通信の開始を通知してきた車両が従道路を通って交差点Aに接近するものではない場合、感知対象から除外する。また、複数の車両が連続して交差点Aへ接近してきた場合には、同時期に複数の車両との間で並行して路車間通信を行い、感知車両の特定をする。
つぎに、半感応式信号機2の信号制御部22は、感知した接近車両に対して到達時間帯の送信を無線通信部21を使って要求する。この要求には、交差点Aの位置を示す情報や、交差点Aに関する交差点固有情報が含まれるものとする。交差点固有情報には、例えば、交差点Aへ至るまでの従道路の幅、傾斜、路面状況、気象状況、形状等、その従道路を走行する車両の速度に影響を与える種々の条件を示す情報が含まれる。これらの交差点固有情報は、信号制御部22のメモリに予め登録された情報を用いてもよいし、必要に応じて外部から通信により取得した情報を用いてもよいし、路面センサや気象センサ(図示なし)等により自ら検知した情報を用いてもよい。
半感応式信号機2の信号制御部22は、到達時間帯の送信要求を接近車両に対して行う一方で、路側通信部23を使って交通管制センタ4又は交通信号機3b,3cから制約時間情報を受信する。この制約時間情報とは、半感応式信号機2が従道路に対して通行権を付与できる直近の機会を特定するための時間に関する情報であり、より具体的には、上述の制約条件の対象となる交通信号機3b,3cにおける今後の信号現示スケジュール(すなわち、信号灯色と現示期間の今後の予定)を示す情報である。
半感応式信号機2から到達時間帯の送信を要求された車載装置1の制御部16は、自車両が交差点Aへ到達すると予測する、最も早い到達時刻から最も遅い到達時刻までの幅のある到達時間帯を算出する(到達時間帯算出)。そして、その算出した到達時間帯を示す情報を半感応式信号機2に対して送信する。この到達時間帯は、自車両の現在地、交差点Aまでの残り距離、現在の速度及び速度変化率(加速度・減速度)等を用いて計算する。
更には、ユーザの好みに基づいて予め設定されている速度や速度変化率についての任意の数量範囲や、半感応式信号機2から受信した交差点固有情報を用いて到達時間帯を算出してもよい。例えば、運転者によっては、過度に高い速度や低い速度で交差点に接近する走行にストレスを感じたり、急激な加減速を嫌う場合がある。そこで、到達時間帯を算出する際には、このような運転者の好みを考慮するとよい。
具体的には、今、時速60km(秒速約16.7m)で、交差点Aの手前400mの位置を走行している接近車両がいる場合を想定する。この接近車両がそのままの速度を維持して走行したと想定すると、現在時刻から約24秒後に交差点Aに到達すると予測される。しかし、この接近車両が、0.2G(約1.96m/S2)の減速度で時速20km(秒速約5.6m)まで減速し、そこから時速20kmを維持したまま走行したと想定すると、交差点Aに到達するまでに現在時刻から約66秒を要すると予測される。もし、交差点Aに到達するまでに加速を行わないとするならば、このケースにおける到達時間帯は24〜66秒となる。ここで用いた0.2Gという減速度や時速20kmという最低速度を予め運転者が自分の運転嗜好に応じて制御部16のメモリに登録しておくことで、制御部16がその値を使って正確な到達時間帯を予測することができる。もちろん、許容する加速度の上限値や最高速度を登録してもよい。
また、交差点固有情報で示される交差点特有の道路事情を車両の速度の変化に反映して到達時間帯を予測してもよい。例えば、運転者が一定速度を保つつもりで運転をしていても、道路の幅、傾斜、路面状況、気象状況、形状等の様々な道路事情が影響することで速度が変化する可能性がある。そこで、交差点固有情報で示される交差点特有の道路事情に応じた速度変化率を車両の速度の計算に加えることで、より正確な到達時間帯を予測することができる。
接近車両から到達時間帯を示す情報を受信した半感応式信号機2の信号制御部22は、接近車両から受信した到達時間帯、及び、交通管制センタ4等から受信した制約時間情報に基づく上記の制約条件に応じて、従道路側の信号を青に切替える期間を設定する(通行権付与時間帯設定)。ここでは、図2(b)に示す制約条件を満たす範囲内で、従道路に対して青信号を現示する時間帯(すなわち、通行権付与時間帯)が接近車両の到達時間帯になるべく重なるように、信号の切替時刻を調節する。また、同時期に複数の接近車両が交差点Aに向かっている場合には、なるべく多くの接近車両の到達時間帯に通行権付与時間帯が重なるように信号の切替時刻を調節する。
ここで、図2(a)に示すように、従道路を同時期に4台の接近車両A,B,C,Dが交差点Aに向かって走行している状況を想定する。この状況における通行権付与時間帯の設定方法の一例について、図4に基づき説明する。図4は、半感応式信号機2が従道路に対して通行権を付与できる制約条件と、通行権付与時間帯と、各接近車両A,B,C,Dの到達時間帯Ta,Tb,Tc,Tdとを併せてタイムチャートに記した図である。
図4のタイムチャートに示すとおり、半感応式信号機2が従道路に対して通行権を付与できる時間帯は、周辺の交通信号機3b,3cが共に赤信号を現示する予定の時刻Aから時刻Bまでの25秒間に制限されている。この時間帯を制約時間帯と呼ぶことにする。そして、従道路に対する青信号の現示期間は、この制約時間帯のうちの10秒間だけである。
このとき、各接近車両A,B,C,Dのうち、時刻A〜Bの制約時間帯に到達時間帯が一部でも重なっているのは接近車両B,Cである。接近車両Aは、最も遅く走行した場合でも、制約時間帯になるよりも早く交差点Aに到達してしまう。また、接近車両Dは、最も早く走行した場合でも、制約時間帯が終わるまでに交差点Aに到達することができない。
よって、本実施形態では、交差点Aへの到達時間帯の少なくとも一部が制約時間帯に重なっている接近車両のみを、通行権付与時間帯を設定する際の考慮の対象とする。つまり、各接近車両A,B,C,Dのうち、接近車両B,Cが通行権付与時間帯の考慮の対象となり、接近車両A,Dは考慮の対象から外れる。
つぎに、対象車両である接近車両B,Cについて優先順位を設定する。ここでは、到達時間帯が早い順に高い優先順位を割当てる。つまり、車両Bが上位で車両Cが下位の優先順位となる。そして、まず、優先順位が上位の車両Bを対象に通行権付与時間帯を暫定的に決定する。車両Bを対象とする通行権付与時間帯の設定は、上記制約条件を満たし、かつ、車両Bの到達時間帯Tbの少なくとも一部に通行権付与時間帯が重なるように通行権付与時間帯の開始時刻と終了時刻とを決定する。
つぎに、車両Bを対象に設定した通行権付与時間帯を基準として、優先順位が下位の車両Cを対象に通行権付与時間帯を再調整する。車両Cを対象とする通行権付与時間帯の設定は、制約条件を満たし、かつ、車両Bの到達時間帯Tbの少なくとも一部に通行権付与時間帯が重なる状態を維持しつつ、車両Cの到達時間帯Tcの少なくとも一部に通行権付与時間帯が重なるように通行権付与時間帯の開始時刻と終了時刻とを調整する。図4のタイムチャートに示すとおり、時刻aから時刻bまでの10秒間を通行権付与時間帯に設定することで、この青信号の現示期間中に車両B,Cが交差点Aに到達できるようになる。ここで、もし、車両Bの到達時間帯Tbに通行権付与時間帯が重なる状態と、車両Cの到達時間帯Tcに通行権付与時間帯が重なる状態とが両立しない場合、優先順位が上位である車両Bの到達時間帯Tbに通行権付与時間帯が重なる状態を優先して開始時刻と終了時刻とを決定する。
ここで、上述の通行権付与時間帯設定処理のフローチャートについて、図5を参照しながら説明する。この処理は所定時間ごと(例えば100msごと)に繰返し実行される。半感応式信号機2の信号制御部22は、まず、現時点で到達時間帯を送信してきた接近車両の中から本処理の対象となる車両を抽出する(S101)。ここでは、制約条件に基づいて特定される制約時間帯に到達時間帯の少なくとも一部が重なっている接近車両を対象車両として選択する。つぎに、S101の処理の結果、対象車両が存在するか否かを判定する(S102)。対象車両が存在する場合(S102:YES)、S103の処理へ進み、対象車両が存在しない場合(S102:NO)、本処理を終了する。
対象車両が存在する場合に進むS103では、各対象車両の到達時間帯の早遅順に従って優先順位を設定する。優先順位は、到達時間帯の早い対象車両ほど上位に設定される。つぎに、通行権付与時間帯の初期値を設定する(S104)。この初期値については、前回に本処理を実行していれば、当時設定した通行権付与時間帯と当時の制約時間帯との相対的な位置関係を、そのまま今回の制約時間帯に適用した値を用いる。もし、前回までに通行権付与時間帯が設定されていなければ、制約時間帯の中心に通行権付与時間帯の中心がくるように初期値を設定する。
続くS105〜S109の処理は、個々の対象車両ごとに、優先順位が高い順に繰返し実行されるループ処理である。まず、S105では、今の処理対象である対象車両の到達時間帯に基づき、この対象車両が、現在設定されている通行権付与時間帯の間に信号交差点に到達可能であるか否かを判定する。ここでは、当該対象車両の到達時間帯の少なくとも一部が現在の通行権付与時間帯に重なっているか否かで到達の可否を判断する。当該対象車両が現在の通行権付与時間帯の間に信号交差点に到達可能である場合(S105:YES)、S109の処理へ進み、到達可能でない場合(S105:NO)、S106の処理へ進む。
今の処理対象である対象車両が通行権付与時間帯の間に信号交差点に到達可能でない場合に進むS106では、現在の通行権付与時間帯を調整可能か否か判定する。ここでは、制約条件を満たし、かつ、通過車両リストに現在登録済みの全対象車両それぞれの到達時間帯の少なくとも一部に通行権付与時間帯が重なる状態を維持したまま、今の処理対象である対象車両の到達時間帯の少なくとも一部に通行権付与時間帯が重なるように調整できるか否かを判断する。通行権付与時間帯を調整可能であると判定した場合(S106:YES)、S107の処理へ進み、調整可能でないと判定した場合(S106:NO)、この対象車両に対するループ処理を終了する。
通行権付与時間帯を調整可能であると判定した場合に進むS107では、制約条件を満たし、かつ、通過車両リストに現在登録済みの全対象車両、及び今の処理対象である対象車両それぞれの到達時間帯の少なくとも一部に通行権付与時間帯が重なるように、既に設定されている通行権付与時間帯の開始時刻を調整する。同様に、通行権付与時間帯の終了時刻を調整する(108)。つづいて、S109では、今の処理対象である対象車両を、信号制御部22のRAM上に設けられた通過車両リストに登録する。この通過車両リストは、上記S105〜S109のループ処理で処理済の対象車両のうち、現在設定されている通行権付与時間帯の間に信号交差点を通過可能になっている車両の一覧である。S109で対象車両を通過車両リストに登録した後、この対象車両に対するループ処理を終了する。そして、未処理の対象車両がある場合は再びS105〜S109の処理を繰返し、未処理の対象車両がない場合、本処理を終了する。
図3のラダーチャートの説明に戻る。半感応式信号機2の信号制御部22は、通行権付与時間帯を設定した後、その設定した通行権付与時間帯を示す情報を含む信号情報を、接近車両に対して送信する。また、その設定した通行権付与時間帯に沿ったタイミングで信号表示部24の信号灯色を切替えることで、主道路側の通行権を停止すると共に従道路側に通行権を付与する。また、通行権付与時間帯が終了すると、従道路側の通行権を停止し主道路側に通行権を戻す。
一方、半感応式信号機2から信号機情報を受信した車載装置1の制御部16は、与えられた通行権付与時間帯に合わせて所定の運転支援を実施する。通行権付与時間帯に合わせた運転支援としては、接近車両が赤信号で停車することなく通行権付与時間帯の間に信号交差点を通過できるようにしたり、通行権付与時間帯になる前の赤信号による停車待ち時間を低減するための車両制御や情報報知等が挙げられる。車両制御としては、最適速度への自動調整がある。情報報知としては、最適速度の案内や、直近の通行権付与時間帯における通過の可否の案内等がある。
車両制御は、車載装置1の外部機器接続部11を通じてアクセルやブレーキ等の被制御部を制御することで行う。情報報知は、車載装置1の表示部12による画像の表示や、音声出力部13による音声メッセージの出力により行う。また、速度の自動調整や速度案内は、ユーザの好みに基づいて予め設定された速度や速度変化率についての任意の数量範囲に準拠して行うようにするとよい。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、半感応式信号機2の設置された交差点Aを通る主道路が接続する、他の交差点B,Cにおける信号現示スケジュールとの連携が制約条件となっている事例について説明した。以下、別実施形態として、上記実施形態とは異なる制約条件を適用し、更に、複数の信号交差点に設置された半感応式信号機を連携制御する事例について説明する。ここでは、図6(a)に示すような、2つの交差点A,Bからなる道路構成を例にとり説明する。
図6(a)上で左右方向に通る主道路と、この図の左側で上下方向に通る従道路とが交差する交差点Aに、半感応式信号機2aが設置されており、主道路側と従道路側との通行権の切替えを行っている。また、主道路と、この図の右側で上下方向に通る従道路とが交差する交差点Bに、半感応式信号機2bが設置されており、主道路側と従道路側との通行権の切替えを行っている。
これらの半感応式信号機2a,2bは、共通の信号制御部22により一括して系統制御されており、普段は主道路側に通行権を継続して与えているが、それぞれの従道路上で交差点A,Bに向かって走行する接近車両を感知したときのみ、従道路側に通行権を切替える。さらに、この系統制御には、交差点A,Bの従道路で接近車両を検知した場合に、双方の従道路側の信号を同一のタイミングで青にするという制約が課せられているものとする。
また、主道路は、交差点A,Bとは別の信号交差点(図示なし)と接続していると想定する。この信号交差点では、交通管制センタ4から送信される信号現示スケジュールに従って、所定時間ごとに信号を順次切替える系統制御が行われているものとする。そして、交差点A,Bの半感応式信号機2a,2bでは、主道路側の他の信号交差点における系統制御の妨げとならないように、その信号交差点において主道路側に赤信号を現示している時間帯に限り、一定期間だけ従道路側に通行権を与えることができるようになっている。
すなわち、ここで説明している事例では、「主道路が接続している他の交通信号機が主道路側に停止信号を現示している時間帯に限り、半感応式信号機2a,2bは従道路側に一定時間だけ通行権を与えることができ、かつ、半感応式信号機2a,2bは同時にそれぞれの従道路側に通行権を与える」という内容が、交差点A,B双方の従道路側に通行権を与える時間帯に対する制約条件に該当する。
ここで、図6(a)に示すように、交差点A,Bそれぞれの従道路を同時期に接近車両A,Bが一台ずつ交差点A,Bに向かって走行している状況を想定する。この状況における、通行権付与時間帯の設定方法の一例について、図6(b)に基づき説明する。図6(b)は、半感応式信号機2a,bがそれぞれの従道路に対して通行権を付与できる制約条件と、各接近車両A,Bの到達時間帯Ta,Tbとを併せてタイムチャートに記した図である。
図6(b)に示すとおり、半感応式信号機2a,2bが従道路に対して通行権を付与可能な制約時間帯は時刻Aから時刻Bまでの範囲内であると想定する。この制約時間帯は、主道路が接続している他の交通信号機が主道路側に停止信号を現示している時間帯に相当する。
半感応式信号機2a,bでは、この制約時間帯の範囲内で、一定期間だけ同時に従道路側に青信号を現示することができると規定されている。なお、この制約時間帯の範囲内で、どのタイミングで従道路側に青信号を現示するかについては、現在感知している接近車両A,Bがそれぞれ交差点A,Bに到達すると予測される到達時間帯Ta,Tbに応じて信号制御部22で決定される。
このとき、信号制御部22は、上記制約条件を満たし、かつ、接近車両A,Bの双方の到達時間帯Ta,Tbの少なくとも一部に通行権付与時間帯が重なるように通行権付与時間帯の開始時刻と終了時刻とを決定する。なお、各接近車両A,Bから到達時間帯Ta,Tbを受信する手順や通行権付与時間帯を設定する手順は、上記図3,4で示した手順と同様である。
そして、図6(b)に示すとおり、時刻aから時刻bまでの期間を通行権付与時間帯に設定することで、この青信号の現示期間中に車両A,Bがそれぞれ交差点A,Bを停止せずに通過できるようになる。
上述の別実施形態では、半感応式信号機2a,2bが全く同じタイミングで従道路側に通行権を付与するという制約条件の事例について説明した。その他にも、例えば、2つの半感応式信号機2a,2bの間で従道路側に通行権を付与する期間に一定の時間差(例えば5秒)を設けるといった制約条件を採用することもできる。この場合、2つの半感応式信号機2a,2bそれぞれについて、5秒間の時間差を設けるという条件を満たしつつ、各従道路の接近車両の到達時間帯に応じた通行権付与時間帯をそれぞれ設定すればよい。
[効果]
上記実施形態の路車間通信システムによれば、下記の効果を奏する。
(1)半感応式信号機2が従道路に通行権を付与する際、周辺の交通信号機との連携に関する制約条件に沿った通行権付与時間帯を設定できる。この制約条件は、主道路側の信号の系統制御の埒外で行われる半感応式信号制御による不定期な信号の切替えが、周辺の交通流に悪影響を及ぼさないように規制するものであり、半感応式信号機2がこの制約条件を守ることで、その信号交差点周辺の円滑な交通流を妨げることがない。それに加え、その信号交差点を通行しようとする接近車両の到達時間帯を考慮することで、その接近車両の都合に適した通行権付与時間帯を設定できる。また、車両が信号交差点に到達する時期を幅のある到達時間帯として予測することで、半感応式信号機2が通行権付与時間帯を設定する際に時間調整が可能な範囲を大きくとることができる。
(2)制約条件として、従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と主道路が接続する他の特定の信号交差点における主道路側の信号現示スケジュールとの間の連携条件を規定する条件を採用できる。これにより、半感応式信号機2による不定期な信号の切替えが、主道路側の周辺の信号交差点を含んだ範囲の交通流に悪影響を及ぼさないようにできる。
(3)制約条件として、従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と、主道路が接続する他の特定の信号交差点であって、その信号交差点に接続する他の従道路で行われる半感応式信号制御に基づく信号現示ジュールとの連携条件を規定する条件を採用できる。これにより、複数の信号交差点で行われる半感応式信号制御を連携させることで信号の切替時期を整理し、主道路側の交通流に対する影響を低減できる。
(4)半感応式信号機2が複数の接近車両を感知している場合、複数の接近車両のそれぞれの到達時間帯を考慮して通行権付与時間帯を設定できる。また、複数の接近車両の到達時間帯の早遅順に基づく各接近車両の優先順位を設定し、優先順位の高い接近車両の到達時間帯を優先的に反映した通行権付与時間帯を設定できる。例えば、到達時間帯が早い接近車両から順に優先順位を高く設定した場合、信号交差点に早く到達する車両の停車待ち時間を優先して低減できる。あるいは、制約条件を満たす範囲内で到達時間帯が遅い接近車両の優先順位を高く設定した場合、早く到達する車両の停車待ち時間が長くなるものの、一回の通行権の付与でなるべく多くの車両を通過させることができる。
(5)半感応式信号機2が設定した通行権付与時間帯を信号情報として車両側に通知することで、車両側において信号情報を活用した運転支援を実施できる。これにより、半感応式信号機2が接近車両の事情に適応した通行権付与時間帯を設定できるといった効果に加え、その通行権付与時間帯に合わせて運転者が車両を運転できるように車両側で運転支援を実施できるといった、二重の効果を奏する。
(6)車両が信号交差点へ到達するまでの速度又は速度変化率の少なくとも何れかについて、任意の数量範囲を運転者の運転嗜好に応じて設定できる。そして、その数量範囲に基づいて到達時間帯を算出するように構成したことで、運転者の運転嗜好を反映した正確な到達時間帯を算出できる。これにより、半感応式信号機2が設定する通行権付与時間帯を、接近車両の事情を精度よく反映したものにできる。
(7)接近車両の到達時間帯をより正確に算出するための更なる工夫として、信号交差点へ至るまでの従道路の幅、傾斜、路面状況、気象状況、形状等、その従道路を走行する車両の速度に影響を与える種々の条件である交差点固有情報を加味することができる。
[変形例]
上述した実施形態では、車両に搭載された車載装置1側で、その車両が信号交差点に到達すると予測される到達時間帯を算出し、これを半感応式信号機2に通知することで、その通知された到達時間帯に基づいて半感応式信号機2が通行権付与時間帯を設定する構成を採用した。これに対し、車両が信号交差点に到達すると予測される到達時間帯を、半感応式信号機2側で算出するような構成を採用することもできる。
具体的には、下記の手順で処理行うように構成すればよい。半感応式信号機2の信号制御部22は、感知した接近車両に対して車両情報の送信を要求する。半感応式信号機2から車両情報の送信を要求された車載装置1の制御部16は、自車両の現在地、現在の速度及び速度変化率(加速度・減速度)等を示す情報を車両情報として半感応式信号機2に対して返信する。また、ユーザの好みに基づいて予め設定された速度や速度変化率についての任意の数量範囲も、車両情報として併せて送信するようにしてもよい。
接近車両から車両情報を受信した半感応式信号機2の信号制御部22は、その受信した車両情報に基づいて、当該接近車両が信号交差点へ到達すると予測する、最も早い到達時刻から最も遅い到達時刻までの幅のある到達時間帯を算出する。このとき、車両側のユーザの好みに基づいて予め設定された任意の数量範囲や、半感応式信号機2が保有する交差点固有情報を用いて到達時間帯を算出してもよい。そして、その算出した到達時間帯及び制約条件に応じて、従道路に対する通行権付与時間帯を算出する。
[実施形態の構成と特許請求の範囲に記載の構成との対応]
上記実施形態の路車間通信システムの各部構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。車載装置1の位置特定部10及び外部機器接続部11が、特許請求の範囲における車両情報取得手段に相当する。また、無線通信部15及び制御部16が、時間帯情報送信手段、車両情報送信手段、交差点固有情報受信手段、及び、信号情報受信手段に相当する。また、制御部16が、車載装置側の算出手段、許容範囲設定手段、及び、運転支援制御手段に相当する。
一方、半感応式信号機2の無線通信部21及び信号制御部22が、特許請求の範囲における感知手段、時間帯情報受信手段、車両情報受信手段、交差点固有情報送信手段、及び、信号情報送信手段に相当する。また、信号制御部22が、設定手段、信号制御手段、及び、信号制御装置側の算出手段に相当する。また、信号制御部22及び路側通信部23が、制約時間情報受信手段に相当する。
1…車載装置、10…位置特定部、11…外部機器接続部、12…表示部、13…音声出力部、15…無線通信部、16…制御部、2…半感応式信号機、21…無線通信部、22…信号制御部、23…路側通信部、24…信号表示部、3b,3c…系統制御される交通信号機、31…車速センサ、32…加速度センサ、33…作動制御部、4…交通管制センタ、100…通信回線。

Claims (17)

  1. 主道路と従道路とが交差する信号交差点において、普段は前記主道路側に通行権を与えておき、前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している車両を感知した場合に限り、所定期間だけ前記従道路側に通行権を与える半感応式信号制御を行い、道路を走行する車両との間で無線による情報通信を行う信号制御装置と、
    車両に搭載され、前記信号制御装置との間で無線通信による情報通信を行う車載装置とを有する路車間通信システムであって、
    前記信号制御装置は、
    前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している接近車両を感知する感知手段と、
    前記感知手段により感知した接近車両から、その接近車両が前記信号交差点に到達すると予測される到達時間帯を示す時間帯情報を受信する時間帯情報受信手段と、
    前記従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と他の特定の信号交差点に設置された交通信号機の信号現示スケジュールとの間の連携に関する所定の制約条件、及び前記時間帯情報受信手段により取得した時間帯情報に基づいて、その制約条件を満たし、かつ前記時間帯情報で示される到達時間帯を反映した、前記従道路側に対する通行権付与時間帯を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定した通行権付与時間帯に従って、前記従道路側に通行権を与える信号を現示する信号制御手段とを備え、
    前記車載装置は、
    自車両の位置、速度及び速度変化率に関する車両情報を取得する車両情報取得手段と、
    前記従道路を走行して前記信号交差点に向かっているときの、前記車両情報取得手段により取得した車両情報と、前記信号交差点の位置情報とに基づき、自車両が前記信号交差点に到達すると予測する、最も早いと到着時刻から最も遅い到着時刻までの幅のある到達時間帯を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出した到達時間帯を示す時間帯情報を前記信号制御装置に対して送信する時間帯情報送信手段とを備えること
    を特徴とする路車間通信システム。
  2. 主道路と従道路とが交差する信号交差点において、普段は前記主道路側に通行権を与えておき、前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している車両を感知した場合に限り、所定期間だけ前記従道路側に通行権を与える半感応式信号制御を行い、道路を走行する車両との間で無線による情報通信を行う信号制御装置と、
    車両に搭載され、前記信号制御装置との間で無線通信による情報通信を行う車載装置とを有する路車間通信システムであって、
    前記信号制御装置は、
    前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している接近車両を感知する感知手段と、
    前記感知手段により感知した接近車両から、その接近車両の位置、速度及び速度変化率に関する車両情報を受信する車両情報受信手段と、
    前記車両情報受信手段により取得した車両情報と、前記信号交差点の位置情報とに基づき、当該接近車両が前記信号交差点に到達すると予測する、最も早いと到着時刻から最も遅い到着時刻までの幅のある到達時間帯を算出する算出手段と、
    前記従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と他の特定の信号交差点に設置された交通信号機の信号現示スケジュールとの間の連携に関する所定の制約条件、及び前記算出手段により算出した到達時間帯に基づいて、その制約条件を満たし、かつ前記到達時間帯を反映した、前記従道路側に対する通行権付与時間帯を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定した通行権付与時間帯に従って、前記従道路側に通行権を与える信号を現示する信号制御手段とを備え、
    前記車載装置は、
    自車両の位置、速度及び速度変化率に関する車両情報を取得する車両情報取得手段と、
    前記従道路を走行して前記信号交差点に向かっているときの、前記車両情報取得手段により取得した車両情報を前記信号制御装置に対して送信する車両情報送信手段とを備えること
    を特徴とする路車間通信システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記信号制御装置の前記設定手段が前記通行権付与時間帯の設定に用いる前記制約条件は、前記従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と前記主道路が接続する他の特定の信号交差点における前記主道路側の信号現示スケジュールとの間の連携条件を規定するものであること
    を特徴とする路車間通信システム。
  4. 請求項3に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記信号制御装置では、
    さらに、前記制約条件に係る、前記他の特定の信号交差点における前記主道路側の信号現示スケジュールを示す情報を、当該他の信号交差点の交通信号機又は外部のセンタ装置から受信する制約時間情報受信手段を備えること
    を特徴とする路車間通信システム。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記信号制御装置の前記設定手段が前記通行権付与時間帯の設定に用いる前記制約条件は、前記従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と、前記主道路が接続する他の特定の信号交差点であって、その信号交差点に接続する他の従道路で行われる半感応式信号制御に基づく信号現示ジュールとの連携条件を規定するものであること
    を特徴とする路車間通信システム。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記信号制御装置では、
    前記感知手段にて複数の接近車両を感知している場合、前記設定手段は、その複数の接近車両のそれぞれの到達時間帯を反映した1つの前記通行権付与時間帯を設定すること
    を特徴とする路車間通信システム。
  7. 請求項6に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記信号制御装置では、
    前記設定手段は、複数の接近車両の到達時間帯の早遅順に基づく各接近車両の優先順位を設定し、前記優先順位の高い接近車両の到達時間帯を優先的に反映した前記通行権付与時間帯を設定すること
    を特徴とする路車間通信システム。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記信号制御装置では、
    さらに、前記設定手段により設定した通行権付与時間帯を示す信号情報を、前記接近車両に対して送信する信号情報送信手段を備え、
    前記車載装置では、
    さらに、前記信号制御装置から前記信号情報を受信する信号情報受信手段と、
    前記信号情報受信手段により受信した信号情報で示される通行権付与時間帯に応じた態様にて、前記信号交差点へ至るための運転を対象とする所定の運転支援を実行する運転支援制御手段とを備えること
    を特徴とする路車間通信システム。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記車載装置では、
    さらに、自車両が前記信号交差点へ到達するまでの速度又は速度変化率の少なくとも何れかについて、任意の数量範囲を前記車両情報として人為的に設定可能な許容範囲設定手段を備え、
    前記車載装置又は前記信号制御装置が備える算出手段は、更に前記車両情報で示される数値範囲に基づいて前記到達時間帯の幅を決定すること
    を特徴とする路車間通信システム。
  10. 請求項1又は、請求項1を引用する請求項3〜9の何れか1項に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記信号制御装置では、
    前記信号交差点へ至る従道路の走行条件に関する交差点固有情報を保有しており、
    さらに、前記交差点固有情報を前記接近車両に対して送信する交差点固有情報送信手段を備え、
    前記車載装置では、
    さらに、前記信号制御装置から交差点固有情報を受信する交差点固有情報受信手段を備え、
    前記算出手段は、前記車両情報及び前記信号交差点の位置情報に加え、前記交差点固有情報受信手段により受信した交差点固有情報受信手段を更に反映して、当該接近車両の前記到達時間帯を算出すること
    を特徴とする路車間通信システム。
  11. 請求項2又は、請求項2を引用する請求項3〜9の何れか1項に記載の路車間通信システムにおいて、
    前記信号制御装置では、
    前記信号交差点へ至る従道路の走行条件に関する交差点固有情報を保有しており、
    前記算出手段は、前記車両情報及び前記信号交差点の位置情報に加え、前記固有情報を更に反映して当該接近車両の前記到達時間帯を算出すること
    を特徴とする路車間通信システム。
  12. 主道路と従道路とが交差する信号交差点において、普段は前記主道路側に通行権を与えておき、前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している車両を感知した場合に限り、所定期間だけ前記従道路側に通行権を与える半感応式信号制御を行う信号制御装置との間で無線通信による情報通信を行う車載装置であって、
    自車両の位置、速度及び速度変化率に関する車両情報を取得する車両情報取得手段と、
    前記従道路を走行して前記信号交差点に向かっているときの、前記車両情報取得手段により取得した車両情報と、前記信号交差点の位置情報とに基づき、自車両が前記信号交差点に到達すると予測する、最も早いと到着時刻から最も遅い到着時刻までの幅のある到達時間帯を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出した到達時間帯を示す時間帯情報を前記信号制御装置に対して送信する時間帯情報送信手段と、
    前記時間帯情報送信手段により送信された時間帯情報を受信した信号制御装置が、前記従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と他の特定の信号交差点に設置された交通信号機の信号現示スケジュールとの間の連携に関する所定の制約条件、及び前記時間帯情報に基づき、その制約条件を満たし、かつ前記時間帯情報で示される到達時間帯を反映するように設定した、前記従道路側に対する通行権付与時間帯を示す信号情報を前記信号制御装置から受信する信号情報受信手段と、
    前記信号情報受信手段により受信した信号情報で示される通行権付与時間帯に応じた態様にて、前記信号交差点へ至るための運転を対象とする所定の運転支援を実行する運転支援制御手段とを備えること
    を特徴とする車載装置。
  13. 主道路と従道路とが交差する信号交差点において、普段は前記主道路側に通行権を与えておき、前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している車両を感知した場合に限り、所定期間だけ前記従道路側に通行権を与える半感応式信号制御を行う信号制御装置との間で無線通信による情報通信を行う車載装置であって、
    自車両の位置、速度及び速度変化率に関する車両情報を取得する車両情報取得手段と、
    前記従道路を走行して前記信号交差点に向かっているときの、前記車両情報取得手段により取得した車両情報を前記信号制御装置に対して送信する車両情報送信手段と、
    前記時間帯情報送信手段により送信された車両情報を受信した信号制御装置が、その車両情報と前記信号交差点の位置情報とに基づき、自車両が前記信号交差点に到達すると予測する、最も早いと到着時刻から最も遅い到着時刻までの幅のある到達時間帯を算出手段により算出し、さらに、前記従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と他の特定の信号交差点に設置された交通信号機の信号現示スケジュールとの間の連携に関する所定の制約条件、及び当該算出した到達時間帯に基づいて、その制約条件を満たし、かつ前記到達時間帯を反映するように設定した、前記従道路側に対する通行権付与時間帯を示す信号情報を前記信号制御装置から受信する信号情報受信手段と、
    前記信号情報受信手段により受信した信号情報で示される通行権付与時間帯に応じた態様にて、前記信号交差点へ至るための運転を対象とする所定の運転支援を実行する運転支援制御手段とを備えること
    を特徴とする車載装置。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の車載装置において、
    さらに、車両が前記信号交差点へ到達するまでの速度又は速度変化率の少なくとも何れかについて、任意の数量範囲を前記車両情報として人為的に設定可能な許容範囲設定手段を備え、
    前記算出手段は、さらに前記車両情報で示される数値範囲に基づいて前記到達時間帯の幅を決定すること
    を特徴とする車載装置。
  15. 請求項12又は請求項12を引用する請求項14に記載の車載装置において、
    さらに、前記信号交差点へ至る従道路の走行条件に関する交差点固有情報を前記信号制御装置から受信する交差点固有情報受信手段を備え、
    前記算出手段は、前記車両情報及び前記信号交差点の位置情報に加え、前記交差点固有情報受信手段により受信した交差点固有情報受信手段を更に反映して、当該接近車両の前記到達時間帯を算出すること
    を特徴とする車載装置。
  16. 主道路と従道路とが交差する信号交差点において、普段は前記主道路側に通行権を与えておき、前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している車両を感知した場合に限り、所定期間だけ前記従道路側に通行権を与える半感応式信号制御を行い、道路を走行する車両との間で無線による情報通信を行う信号制御装置であって、
    前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している接近車両を感知する感知手段と、
    前記感知手段により感知した接近車両から、その接近車両が前記信号交差点に到達すると予測される、最も早いと到着時刻から最も遅い到着時刻までの幅のある到達時間帯を示す時間帯情報を受信する時間帯情報受信手段と、
    前記従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と他の特定の信号交差点に設置された交通信号機の信号現示スケジュールとの間の連携に関する所定の制約条件、及び前記時間帯情報受信手段により取得した時間帯情報に基づいて、その制約条件を満たし、かつ前記時間帯情報で示される到達時間帯を反映した、前記従道路側に対する通行権付与時間帯を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定した通行権付与時間帯に従って、前記従道路側に通行権を与える信号を現示する信号制御手段とを備えること
    を特徴とする信号制御装置。
  17. 主道路と従道路とが交差する信号交差点において、普段は前記主道路側に通行権を与えておき、前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している車両を感知した場合に限り、所定期間だけ前記従道路側に通行権を与える半感応式信号制御を行い、道路を走行する車両との間で無線による情報通信を行う信号制御装置であって、
    前記従道路を走行して前記信号交差点に接近している接近車両を感知する感知手段と、
    前記感知手段により感知した接近車両から、その接近車両の位置、速度及び速度変化率に関する車両情報を受信する車両情報受信手段と、
    前記車両情報受信手段により取得した車両情報と、前記信号交差点の位置情報とに基づき、当該接近車両が前記信号交差点に到達すると予測する、最も早いと到着時刻から最も遅い到着時刻までの幅のある到達時間帯を算出する算出手段と、
    前記従道路側に通行権を与えることのできる時間帯と他の特定の信号交差点に設置された交通信号機の信号現示スケジュールとの間の連携に関する所定の制約条件、及び前記算出手段により算出した到達時間帯に基づいて、その制約条件を満たし、かつ前記到達時間帯を反映した、前記従道路側に対する通行権付与時間帯を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定した通行権付与時間帯に従って、前記従道路側に通行権を与える信号を現示する信号制御手段とを備えること
    を特徴とする信号制御装置。
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