JP5149696B2 - 制音具付き空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ内腔に装着された制音具によって空洞共鳴を抑制し得る制音具付き空気入りタイヤに関する。
タイヤ騒音の一つとして、約50〜400Hzの周波数域で発生するロードノイズがある。これは、タイヤ内腔内で生じる気柱共鳴(空洞共鳴)が主な原因である。そこで、タイヤ内腔にスポンジ体からなるタイヤの制音具を装着することによって、ロードノイズを低減することが例えば、下記特許文献1で提案されている。この制音具は、継目のない環状に形成され、タイヤ内腔内に圧縮された状態で配されている。
特開2005−254924号公報
しかしながら、上述のようなタイヤの制音具では、スポンジ体を継目のない環状体に形成するために、タイヤサイズ毎に成形金型が必要になるなど製造コストが増大するという問題があった。
そこで本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、制音具をタイヤ周方向に沿って配した長尺のスポンジ体の端面を突き合わせることによって環状に形成し、しかも突き合わせ面に、端面同士が凹凸状に噛み合うことにより巾方向の位置ズレを防止する噛合部を設けることを基本として、端面同士の突き合わせ精度を向上でき、環状の制音具の製造を高品質かつ低コストで行いうる制音具付き空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1の発明は、空気入りタイヤと、そのタイヤ内腔面に外周面が接触しかつ内周面がタイヤ内腔内側に向く環状の制音具とからなる制音具付き空気入りタイヤであって、
前記制音具は、タイヤ周方向に沿ってのびる長尺のスポンジ体の長さ方向の端面を突き合わせることによって環状に形成され、
前記端面の突き合わせ面は、前記端面同士が凹凸状に噛み合うことにより巾方向の位置ズレを防止する噛合部を有し、
しかも、前記端面の突き合わせ面は、前記外周面から内周面に向く厚さ方向には、前記突き合わせ面が前記外周面と交わる突き合わせ外端縁の形状を維持しながら、前記巾方向の一方側に一定割合で変位することを特徴としている。
又請求項2の発明では、制音具のタイヤ軸方向巾Wは、前記外周面側から内周面側に向かって漸減することを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記突き合わせ外端縁は、中心線を基準として振幅する波線形状をなし、かつこの波線形状の前記中心線は、前記長さ方向に対して90°より小の角度θ1で傾斜することを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記角度θ1は、60°以上であることを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記突き合わせ面は、前記厚さ方向には、前記突き合わせ外端縁の形状を維持しながら、前記長さ方向の一方側に一定割合で変位することを特徴としている。
又請求項6の発明では、タイヤ回転方向に対して先着側に位置する前記端面の突き合わせ面と前記外周面とがなすコーナ部は、鈍角であることを特徴としている。
又請求項7の発明では、前記制音具は、タイヤ内腔面への取付向きを指定する表示部を内周面に有することを特徴としている。
又請求項8の発明では、前記制音具は、複数の長尺のスポンジ体からなることにより、2以上の前記突き合わせ面を具えることを特徴としている。
又請求項9の発明では、前記制音具を構成する長尺のスポンジ体は、タイヤ内腔に装着される前において、その全長さが、タイヤ内腔の内周長さよりも大きいことを特徴としている。
本発明は叙上の如く、タイヤ内腔面に装着された制音具が、長尺のスポンジ体をタイヤ周方向に沿って配し、かつその端面を突き合わせることによって環状に形成される。従って、例えば連続成形された平板状のスポンジ原反を必要な長さ及び巾に切断したスポンジ体を用いて容易に環状に形成し得る。その結果、空洞共鳴の抑制効果を維持しつつ、継目のない環状体からなる制音具に比べて製造コストを大幅に低減し得る。しかも制音具は、前記突き合わせ面として、端面同士が凹凸状に噛み合うことにより巾方向の位置ズレを防ぐ噛合部を有する。従って、端面同士の突き合わせを、作業性良くかつ精度良く行うことができ、環状の制音具の品質を高めうる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の制音具付き空気入りタイヤ1の一実施形態を示す子午断面図、図2は、そのタイヤ赤道Cに沿った周方向断面図である。
図1、2に示すように、前記制音具付空気入りタイヤ1は、空気入りタイヤ3(以下、単に「タイヤ3」ということがある)と、そのタイヤ内腔面6に外周面7aが接触しかつ内周面7bがタイヤ内腔内側に向く環状の制音具7とから構成される。
前記タイヤ3は、トレッド部3aからサイドウォール部3bをへてビード部3cのビードコア3fに至るトロイド状のカーカス3dと、そのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層3eとを具える。また、タイヤ3がリム2に装着されることにより、タイヤ内腔面6とリム外表面とで囲まれる前記タイヤ内腔5が形成される。なおタイヤ3として、本実施形態では、騒音低減が特に望まれている乗用車用ラジアルタイヤが示される。
前記制音具7は、図2、図3に示されるように、タイヤ周方向に沿ってのびる長尺のスポンジ体12からなり、その長さ方向Fxの端面12e、12eを互いに突き合わせることによって環状に形成される。なお、制音具7は、トレッド部3aの内側のタイヤ内腔面6であるトレッド内面6aに固着しても良く、前記制音具7のタイヤ軸方向巾Wの中心が、タイヤ赤道Cと実質的に一致するようにトレッド内面6aに固着しても良い。
また図3(a)に示されるように、長尺のスポンジ体12は、制音具7の前記外周面7aをなす外面12aと、前記内周面をなす内面12bと、巾方向Fy両側の側面12cと、長さ方向Fx両側の前記端面12eとを有する。そして、少なくとも前記外面12aを、平面で形成することが、外面12aとタイヤ内腔面6との接触面積を増し、装着後の制音具7の位置ズレを抑えるなど装着安定性を高める上で好ましい。又外面12aとタイヤ内腔面6とを接着剤により固着する場合にも、固着性の観点から平面で形成することが好ましい。又本例では、前記長さ方向Fxと直角なスポンジ体12の巾方向断面が、横長偏平な矩形形状をなす場合を例示しているが、リム組み時におけるタイヤレバーによる損傷を防止するために、前記巾Wが前記外面12a側から内面12b側に向かって漸減する例えば台形形状とするのも好ましい。このようなスポンジ体12は、平板状のスポンジ原反を、長さ方向Fx及び巾方向Fyに適宜切断することにより容易に形成しうるため、制音具7の製造コストを大幅に削減することができる。
ここで前記端面12e、12eを突き合わせて接合する際、前記端面12eが平面である場合には、端面12e同士が巾方向Fyに位置ズレしやすい。その結果、突き合わせ精度が低下するなど、制音具7の品質を損ねるとともに、位置ズレ部を起点として、前記突き合わせ面8が剥離しやすい傾向を招く。
そのため、前記突き合わせ面8を、前記端面12e同士が凹凸状に噛み合うことにより巾方向の位置ズレを防止する噛合部15を有する
具体的には、前記突き合わせ面8は、図4に示されるように、この突き合わせ面8が前記外周面7a(外面12a)と交わる交線で定義される突き合わせ外端縁20が、曲線状をなす。しかも、前記突き合わせ面8は、前記外周面7a(外面12a)から内周面7b(内面12b)に向く厚さ方向Fzに対して、前記突き合わせ外端縁20の曲線形状を維持して形成されている。即ち、前記外周面7aと平行な任意の平行面と、突き合わせ面8とが交わる交線は、前記突き合わせ外端縁20の曲線形状と一致している。言い換えると、任意の厚さ位置において、突き合わせ面8は同じ輪郭形状を有している。図中の符号22は、突き合わせ面8が前記内周面7b(内面12b)と交わる交線を示し、符号23は、ジグザグの頂部を通る稜線を示す。
本例では、前記突き合わせ外端縁20が、中心線iを基準として振幅を繰り返す波線形状をなす場合が示される。この波線形状として、本例では、ジグザグ形状のものを例示しているが、例えば矩形波形状(図5(a)に示す)、正弦波等の波形状(図5(b)に示す)なども好適に採用することができる。
このように、突き合わせ外端縁20を波線形状等の曲線状とすることで、端面12e同士が互いに噛み合う噛合部15を形成でき、巾方向の位置ズレを防止し、端面12e間の突き合わせ精度や接合精度を向上しうる。又端面12e間の接触面積が増加するため、接合強度を高める上でも有利となる。
本例では、波線形状において、その振幅の中心線iが、前記長さ方向Fxに対して90°の角度θ1で配される場合が例示されている。しかし図5(c)に示すように、前記角度θ1を90°より小とし、前記中心線iを長さ方向Fxに対して傾斜させることも好ましい。この場合には、前記端面12e間の接触面積が、前記中心線iの傾斜によってさらに増加するため、接合強度にとってより有利となる。しかし前記角度θ1が過小となると、突き合わせの作業性が低下する傾向があり、そのため前記角度θ1は、30°以上、さらには45°以上、さらには60°以上が好ましい。
又本例では、前記図4の如く、任意の長さ方向断面Sにおいて、前記突き合わせ面8が前記長さ方向断面Sと交わる交線で定義される突き合わせ側縁21は、タイヤ半径方向にのびている。即ち、前記突き合わせ面8は、前記外周面7a(外面12a)に対して、直角に形成されている。この場合、前記波線形状に合わせて屈曲(或いは湾曲)させた板状の切断刃を用い、スポンジ材を前記外面12aと直角(厚さ方向Fz)に切断することにより、前記端面12eを容易に形成しうるため、前記スポンジ体12の形成効率、形成精度の観点から好ましい。
なお前記突き合わせ外端縁20の曲線形状としては、波線形状以外に、例えば図6(a)〜(c)に示すように、く字状、円弧状、クランク状などの種々の曲線を採用することができる。
又本例では、前記制音具7が、一つの長尺のスポンジ体12から形成されている場合が例示されているが、例えば、タイヤ周方向の長さがより小さい複数のスポンジ体12をタイヤ周方向に突き合わせて配し、2以上の突き合わせ面8を含む環状体として形成されても良い。このような態様では、1個当たりのスポンジ体12を小型化でき、可搬性や保管性を高め得る。
次に、前記スポンジ体12は、例えばゴム又は合成樹脂を発泡させた連続気泡及び/又は独立気泡のスポンジ材が使用しうる。このようなスポンジ材は、防振性、吸音性が高いため、タイヤ内腔5内で生じた音エネルギーを効果的に吸収してロードノイズを低減し得る。なお、スポンジ材としては、特に限定されないが、制音性、軽量、発泡の調節容易性及び耐久性などの観点から、エーテル系ポリウレタンスポンジが好ましい。また、スポンジ材の比重は、0.005〜0.060が好ましい。このような低比重のスポンジ材は、タイヤ重量やタイヤバランスの悪化を抑え、かつ空隙率を高めて吸音性をより一層向上しうる。
又前記制音具7は、タイヤ内腔面6に装着される前の長尺な状態において、その全長さが、該制音具7が取り付けられるタイヤ内腔面6の内周長さよりも大きいことが望ましい。これにより、制音具7は、圧縮された状態でタイヤ内腔面6に装着される。従って、制音具7には、図2に示されるように、タイヤ内腔面6に向く半径方向の力F1が生じるとともに、突き合わせ面8において端面12e、12eを互いに圧接する周方向の力F2を生じ、制音具7とタイヤ内腔面6との密着性を高めうる。これは、搬送時や走行時において、制音具7のタイヤ内腔面6からの剥離等を防止するのに役立つ。
このとき、前記制音具7のタイヤ内腔面6に装着される前の全長さA(図示しない)が、タイヤ内腔面6の内周長さB(図示しない)に対して著しく大きくなると、制音具7を過度に圧縮し、皺等が発生するおそれがあり、逆に著しく小さくなると、制音具7とタイヤ内腔面6とのおさまりが低下して外れ易くなるおそれがある。このような観点より、制音具7の装着前の全長さAの下限値は、タイヤ内腔面6の内周長さBの1.01倍以上がより好ましく、又上限は1.1倍以下、さらには1.05倍以下がより好ましい。
次に前記制音具7は、その外周面7a(外面12a)をタイヤ内腔面6に固着しても良い。固着手段としては、例えば両面テープ及び/又は接着剤などが好適であり、生産性の観点より、両面テープが特に望ましい。両面テープとしては、アクリル系粘着剤を使用したものが好適である。また制音具7の端面12e同士も、接着剤を用いて接合されるのが好ましく、この接着剤としては、スポンジ材、特にエーテル系ポリウレタンスポンジ材を強固に接着しうるイソシアネート化合物又はイソシアネート末端プレポリマーからなるものが望ましい。又前述のアクリル系粘着剤も使用できる。
次に、突き合わせ面8の他の実施例を図7に示す。 図7において、突き合わせ面8は、厚さ方向Fzには、前記突き合わせ外端縁20の曲線形状を維持しながら、この曲線形状を前記長さ方向Fxの一方側に一定割合で変位させている。このとき、厚さ方向Fzに対する、長さ方向Fxへの変位の割合は、厚さ方向Fzに対する長さ方向Fxの角度θ2で表すことができる。なお前記曲線形状が、長さ方向Fxのみに変位する場合(巾方向Fyには変位しない)には、前記角度θ2は、前記突き合わせ側縁21のタイヤ半径方向に対する角度と一致する。前記角度θ2が0°より大の場合、前記角度θ2が0°の場合(前記突き合わせ側縁21がタイヤ半径方向にのびるの場合)に比して、端面12e間の接触面積を増大しうるため、接合強度にとって有利となる。
また長さ方向Fxに変位することで、タイヤ回転によるタイヤ内腔面6と制音具7との擦れに起因する前記突き合わせ面8での破損を抑制しうる。ここで、図8(a)に示すように、タイヤ1が矢印T方向に回転する際、タイヤ内腔面6に接触しているスポンジ体12の外面12aは、タイヤ回転方向Tと同方向の力Rで引っ張られる。このとき、タイヤ回転方向Tに対して先着側に位置するスポンジ体12の端面12eと外面12aとがなすコーナ部Y1は、鈍角となるため剛性が高く、変形することなくその形状を維持できる。また、後着側のスポンジ体12の端面12eと外面12aとがなすコーナ部Y2は鋭角となって剛性が低くなるが、このコーナ部Y2は、突き合わせ面8に向かって引っ張られる。従って、突き合わせ面8での剥離損傷は、前記角度θ2が0°の場合に比して防止することができる。なお前記角度θ2が大きすぎると、前記端面12eの切断加工等が頻雑化し、製造コストを増加させるおそれがある他、端面12e同士を突き合わせたときに滑り易くなるため、制音具7の取付時の作業効率が低下するおそれがある。このような観点により、前記角度θ2の下限値は、5°以上、さらには30°以上が好ましく、また上限値は70°以下、さらには60°以下が好ましい。
これに対して、図8(b)に示すように、突き合わせ面8がタイヤ回転方向Tに対して後着側へ傾けられた場合、先着側のコーナ部Y1が鋭角となって剛性が低下するため、前記力Rによってこの部分が突き合わせ面8から剥離し、いわゆる”逆むけ”が生じやすい傾向となる。従って、長さ方向Fxに変位させる場合には、変位の向き、即ち突き合わせ面8の傾斜の向きが極めて重要となる。
そのために、図9に示すように、制音具7の内周面7b(内面12b)に、タイヤ内腔面6への取付向きを指定する表示部9を設けることが好ましい。この表示部9は、タイヤ回転方向Tを示す第1の表示部10と、スポンジ体12の内面側を示す第2の表示部11とを含む。前記第1の表示部10は、例えば回転方向を示す矢印等のマークからなり、また第2の表示部11は、内面側であることを示す文字(例えばINSIDEなど)や模様等で構成される。このような表示部9は、前記突き合わせ面8が図7、10、11の態様のように傾斜する場合において、前記傾斜の向きをタイヤ回転方向Tに対して特定する際の装着ミスを防止するのに役立つ。なお、表示部9は、スポンジ体12の内面12bのみならず、外面12aに設けることもできる。ただし本例の如く、内面12bに設けた場合には、装着後の確認が容易となる点で望ましい。また、表示部9を凹凸からなる立体模様としたときには、肉眼のみならず、装着時の手触りによっても表示部9を迅速に確認しうる点で望ましい。このような表示部9を制音具7に付する方法としては、例えば焼印、印刷、シール及び/又はエンボス加工等、種々の方法を挙げることができる。
前記表示部9は、突き合わせ面8の近傍領域Taに設けられることが好ましい。これにより、作業者は、スポンジ体12の端面12e同士を突き合わせる際に、容易に表示部9を確認でき、装着ミスを効果的に防止しうる。特に、前述のように、表示部9が立体模様からなる場合には、その手触りによっても表示部9を迅速に確認することができる。なお、前記近傍領域Taは、前記交線22において、該交線22が長さ方向Fxの一方側に最も変位する位置と、他方側に最も変位する位置との中間位置を基準とし、この中間位置からタイヤ周方向に40cmの領域とするのが好ましい。
なお、図10、11には、突き合わせ外端縁20が、波形状、矩形波形状、ジグザグ形状(中心線iが傾斜)、く字状、円弧状、クランク状をなす突き合わせ面8において、長さ方向Fxのみに変位させたものが例示されている。
次に、突き合わせ面8のさらに他の実施例を図12に示す。 図12において、突き合わせ面8は、厚さ方向Fzには、前記突き合わせ外端縁20の曲線形状を維持しながら、この曲線形状を前記巾方向Fyの一方側に一定割合で変位させている。このとき、厚さ方向Fzに対する、巾方向Fyへの変位の割合は、厚さ方向Fzに対する巾方向Fyの角度θ3で表すことができる。この前記角度θ3が0°より大の場合、前記角度θ3が0°の場合に比して、端面12e間の接触面積を増大しうるため、接合強度にとって有利となる。しかし、前記角度θ3が大きすぎると、前記端面12eの切断加工等が頻雑化し、製造コストを増加させるおそれがある他、端面12e同士を突き合わせたときに滑り易くなるため、制音具7の取付時の作業効率が低下するおそれがある。このような観点により、前記角度θ3の下限値は、5°以上、さらには30°以上が好ましく、また上限値は70°以下、さらには60°以下が好ましい。
なお突き合わせ面8としては、図13に示すように、厚さ方向Fzには、前記突き合わせ外端縁20の曲線形状を維持しながら、この曲線形状を長さ方向Fxの一方側、及び巾方向Fyの一方側にそれぞれ一定割合で変位させることもできる。この場合にも、長さ方向Fxの変位の割合(角度θ2)、及び巾方向Fyの変位の割合(角度θ3)は、それぞれ前述の範囲とするのが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
表の仕様で制音具を試作し、それらの諸性能についてテストを行なった。なお、比較例1は、突き合わせ面8を平面で形成した制音具である。
なお、共通仕様は次の通りである。
タイヤサイズ:215/45R17
リムサイズ:17×7JJ
内圧:200kPa
制音具の仕様など
材料:エーテル系ポリウレタンスポンジ(丸鈴(株)製「E16」)
比重:0.016
断面形状:幅100mm×厚さ20mmの横長矩形状
長尺のスポンジ体の長さ方向の端面同士を、両面粘着テープ(住友スリーエム(株)製「468MP」を用いて、突き合わせて接合することにより環状の制音具を形成する。
又表中「長さ方向の位相の向きの正逆」とは、図8(a)のように、突き合わせ面が、内面から外面に向かってタイヤ回転方向Tに対して先着側へ傾く場合を「正」、図8(b)のように、後着側へ傾く場合を「逆」とした。
<制音具の加工時間>
長尺に裁断されたスポンジ体10本を環状に加工するのに必要な時間が測定された。数値が小さいほど加工効率が高く良好である。
<巾方向の位置ズレ>
スポンジ体の端面同士を突き合わせかつ接合した際の、端面間の巾方向の位置ズレを、制音具10本に対して測定しその平均値で比較した。数値が小な方が良好である。
<耐久性>
制音具1本当たり突き合わせ面を20個有する制音具付き空気入りタイヤを、上記リムにリム組みし、下記の条件でドラム試験機上を20000km走行させ、それぞれの時点において、制音具の突き合わせ面の剥離の有無を肉眼により確認し、剥離の数を確認した。剥離の数が少ない程良好である。
荷重:4.0kN
走行速度:100km/h
ドラム直径:1.7m
<輸送時の耐久性>
リムに装着されていない平積みされた制音具付き空気入りタイヤを、約15m転がしてトラックの荷台に積載した後、再び、荷台からタイヤを落下させ、元の場所までタイヤを転がして平積みした。そして、各例毎にタイヤを30本テストし、制音具の剥離や突き合わせ面の位置ズレなどの損傷有無について確認した。損傷が無いものを「OK」と記載し、損傷があったものについては、本数を記載した。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 0005149696
Figure 0005149696
Figure 0005149696
テストの結果、実施例の制音具付き空気入りタイヤは、制音具の突き合わせ面における位置ズレを抑制しうるとともに、突き合わせ面における接合強度を高めることができ、耐久性を向上しうる。
制音具付き空気入りタイヤの一形態を例示する子午断面である。 そのタイヤ赤道に沿った周方向断面図である。 (a)はスポンジ体の部分斜視図、(b)はそれを環状に形成した制音具の斜視図である。 (a)は制音具の突き合わせ面を示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図である。 (a)〜(c)は突き合わせ面の他の例を示す2面図(平面図及び側面図)である。 (a)〜(c)は突き合わせ面のさらに他の例を示す2面図(平面図及び側面図)である。 (a)は長さ方向に変位した突き合わせ面を示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図である。 (a)、(b)は図6の突き合わせ面を持つ制音具の作用効果を説明する断面図である。 表示部を具えた制音具を示す部分断面図である。 (a)〜(c)は長さ方向に変位した突き合わせ面の他の例を示す2面図(平面図及び側面図)である。 (a)〜(c)は長さ方向に変位した突き合わせ面のさらに他の例を示す2面図(平面図及び側面図)である。 (a)は巾方向に変位した突き合わせ面を示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は突き合わせ面の正面図である。 (a)は長さ方向及び巾方向に変位した突き合わせ面を示す平面図、(b)はその側面図、(c)は突き合わせ面の正面図である。
符号の説明
1 制音具付き空気入りタイヤ
3 空気入りタイヤ
5 タイヤ内腔
6 タイヤ内腔面
7 制音具
7a 外周面
7b 内周面
9 表示部
8 突き合わせ面
12 スポンジ体
12e 端面
15 噛合部
20 突き合わせ外端縁
Fx 長さ方向
Fy 巾方向
Fz 厚さ方向
i 中心線

Claims (9)

  1. 空気入りタイヤと、そのタイヤ内腔面に外周面が接触しかつ内周面がタイヤ内腔内側に向く環状の制音具とからなる制音具付き空気入りタイヤであって、
    前記制音具は、タイヤ周方向に沿ってのびる長尺のスポンジ体の長さ方向の端面を突き合わせることによって環状に形成され、
    前記端面の突き合わせ面は、前記端面同士が凹凸状に噛み合うことにより巾方向の位置ズレを防止する噛合部を有し、
    しかも、前記端面の突き合わせ面は、前記外周面から内周面に向く厚さ方向には、前記突き合わせ面が前記外周面と交わる突き合わせ外端縁の形状を維持しながら、前記巾方向の一方側に一定割合で変位することを特徴とする制音具付き空気入りタイヤ。
  2. 制音具のタイヤ軸方向巾Wは、前記外周面側から内周面側に向かって漸減することを特徴とする請求項1記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  3. 前記突き合わせ外端縁は、中心線を基準として振幅する波線形状をなし、かつこの波線形状の前記中心線は、前記長さ方向に対して90°より小の角度θ1で傾斜することを特徴とする請求項1又は2記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  4. 前記角度θ1は、60°以上であることを特徴とする請求項3記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  5. 前記突き合わせ面は、前記厚さ方向には、前記突き合わせ外端縁の形状を維持しながら、前記長さ方向の一方側に一定割合で変位することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  6. タイヤ回転方向に対して先着側に位置する前記端面の突き合わせ面と前記外周面とがなすコーナ部は、鈍角であることを特徴とする請求項5記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  7. 前記制音具は、タイヤ内腔面への取付向きを指定する表示部を内周面に有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  8. 前記制音具は、複数の長尺のスポンジ体からなることにより、2以上の前記突き合わせ面を具えることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  9. 前記制音具を構成する長尺のスポンジ体は、タイヤ内腔に装着される前において、その全長さが、タイヤ内腔の内周長さよりも大きいことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
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