JP5149584B2 - 金型閉鎖位置の検出方法及び装置 - Google Patents

金型閉鎖位置の検出方法及び装置 Download PDF

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本発明は、型開位置にある可動型を前進移動させた際における金型が閉鎖する金型閉鎖位置を検出する金型閉鎖位置の検出方法及び装置に関する。
従来、型閉工程により型開位置にある可動型を前進移動させた際における可動型が固定型に当接して金型が閉鎖する金型閉鎖位置を検出する方法としては、既に、本出願人が提案した型締装置の金型閉鎖位置検出方法(特許文献1)が知られている。
この金型閉鎖位置検出方法は、金型の閉鎖に伴う物理量の変動に基づいて金型閉鎖位置を検出するに際し、金型の閉鎖に伴う可動盤又はトグル式型締装置におけるクロスヘッドの移動量及び負荷トルク等の変動量を順次検出するとともに、可動盤又はクロスヘッドの一定移動量に対する負荷トルク等の変動率(変動量を含む)を求めることにより、この変動率が予め設定した設定率に達したときの位置を金型閉鎖位置として検出するようにしたものであり、特に、負荷トルク等のそれ自体を閾値と比較して検出する場合の不具合を回避することができる。
特開2005−288893号公報
しかし、上述した従来の金型閉鎖位置検出方法は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、可動型の位置以外の物理量となる負荷トルク等の物理量の変動を検出するため、例えば、負荷トルクの場合には、必ずある程度の型締力が発生する必要があるが、近時、省エネルギー性の観点や薄肉成形品の増加等に伴って、型締力を小さくしたり型締力を発生させない場合も増えていることを考慮すれば、これらの場合には、金型閉鎖位置を検出できないことになり、適応性(汎用性)に難がある。
第二に、可動型の位置以外の物理量を検出、即ち、可動型から離れた場所における物理量をいわば間接的に検出するため、検出に係わる正確性を高め、かつバラツキを低減するには限界がある。しかも、物理量の変動自体を検出するため、検出するタイミングは、変動が発生してから一定の時間を経過した時点となり、制御などに利用する場合、制御の応答性や制御精度を高めるにも限界がある。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した金型閉鎖位置の検出方法及び装置の提供を目的とするものである。
本発明に係る金型閉鎖位置の検出方法は、上述した課題を解決するため、型閉工程により型開位置にある可動型Cmを前進移動させた際における可動型Cmが固定型Ccに当接して金型Cが閉鎖する金型閉鎖位置Xccを検出するに際し、型閉工程の実行時に、第一位置検出手段2により可動型Cmの位置を直接検出して第一位置データDa…を得、かつ第二位置検出手段3により可動型Cmの位置以外の物理量であるトグルリンク式型締装置Mcのトグルリンク機構Lを駆動する駆動モータ5の回転数を間接的に検出して可動型Cmの位置に係わる第二位置データDb…を得るとともに、第一位置データDa…の単位変位量ma…と第二位置データDb…の単位変位量mb…の比率Ed…を順次求め、比率Ed…の変化が予め設定した閉鎖検出条件を満たしたなら、当該閉鎖検出条件を満たしたときの第一位置データDaを金型閉鎖位置Xccとして検出することを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、閉鎖検出条件には、比率Ed…に対して予め設定した閾値Esを用いることができる。また、第一位置データDa…の単位変位量ma…には、一定時間間隔毎にサンプリングされる第一位置データDa…における相前後してサンプリングした二つの第一位置データDa…の偏差を用いることができるとともに、第二位置データDb…の単位変位量mb…には、第一位置データDa…に同期してサンプリングされる第二位置データDb…における相前後してサンプリングした二つの第二位置データDb…の偏差を用いることができる。他方、金型閉鎖位置Xccは、可動型Cmを型締する際における型締力の補正処理,可動型Cmの位置制御,型閉工程の動作異常に対応して行う異常処理,の少なくとも一つ以上に用いることができる。さらに、第一位置データDa…に対する第二位置データDb…の変化,第一位置データDa…に対する比率Ed…の変化,の少なくとも一つ以上をグラフ表示することができる。
一方、本発明に係る金型閉鎖位置の検出装置1は、型開位置にある可動型Cmを前進移動させた際における可動型Cmが固定型Ccに当接して金型Cが閉鎖する金型閉鎖位置Xccを検出する検出装置を構成するに際して、可動型Cmの位置を直接検出して第一位置データDa…を得る第一位置検出手段2と、可動型Cmの位置以外の物理量であるトグルリンク式型締装置Mcのトグルリンク機構Lを駆動する駆動モータ5の回転数を間接的に検出して可動型Cmの位置に係わる第二位置データDb…を得る第二位置検出手段3と、少なくとも型閉工程の実行時に、第一位置データDa…の単位変位量ma…と第二位置データDb…の単位変位量mb…の比率Ed…を順次求め、比率Ed…の変化が予め設定した閉鎖検出条件を満たしたなら、当該閉鎖検出条件を満たしたときの第一位置データDaを金型閉鎖位置Xccとして検出するコントローラ4を具備することを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、検出装置1は、金型Cに対して少なくとも型開閉を行うトグルリンク式型締装置Mcを備える成形機Mに適用することができる。また、第一位置検出手段2には、可動型Cmの位置を検出する距離センサ2s又は可動型Cmの移動量を検出するリニアエンコーダ2eを用いることができる。さらに、駆動モータ5の回転数はロータリエンコーダ3eを用いて検出することができる。
このような本発明に係る金型閉鎖位置の検出方法及び装置によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 可動型Cmの位置を直接検出して得た第一位置データDa…の単位変位量ma…と可動型Cmの位置以外の物理量を間接的に検出して得た可動型Cmの位置に係わる第二位置データDb…の単位変位量mb…の比率を順次求め、比率の変化が予め設定した閉鎖検出条件を満たしたなら、当該閉鎖検出条件を満たしたときの第一位置データDaを金型閉鎖位置Xccとして検出するようにしたため、例えば、省エネルギー性の観点や薄肉成形品の増加等に伴って、型締力を小さくしたり型締力を発生させない場合であっても、金型閉鎖位置Xccを検出可能となり、適応性(汎用性)を高めることができる。
(2) 可動型Cmの位置を直接検出して得る第一位置データDa…を利用するため、検出に係わる正確性を高めることができるとともに、検出のバラツキを低減することができる。しかも、可動型Cmと固定型Ccが当接したことに基づいて速やかに検出可能となるため、金型閉鎖位置Xccを制御などに利用することにより、制御の応答性や制御精度をより高めることができる。
(3) 第二位置検出手段3として、トグルリンク式型締装置Mcのトグルリンク機構Lを駆動する駆動モータ5の回転数を間接的に検出して可動型Cmの位置に係わる第二位置データDb…を得る手段、望ましくは、ロータリエンコーダ3eを用いたため、可動盤の移動量に対して相対的に移動量の大きいクロスヘッド側の変位量を検出することにより、可動型Cmの位置以外の物理量を間接的に検出する際の検出精度を高めることができ、特に、距離センサ2sと組合わせることにより、本発明に係る検出方法を容易かつ確実に実施できる。
(4) 好適な態様により、閉鎖検出条件に、比率Ed…に対して予め設定した閾値Esを用いれば、コントローラ4の処理機能を利用して金型閉鎖位置Xccを容易かつ確実に検出できる。
(5) 好適な態様により、第一位置データDa…の単位変位量ma…を、一定時間間隔毎にサンプリングされる第一位置データDa…における相前後してサンプリングした二つの第一位置データDa…の偏差を用いるとともに、第二位置データDb…の単位変位量mb…は、第一位置データDa…に同期してサンプリングされる第二位置データDb…における相前後してサンプリングした二つの第二位置データDb…の偏差を用いれば、可動型Cmの変位に伴う挙動、特に金型閉鎖位置Xccに対応する変化点Xicをより明瞭化することができる。
(6) 好適な態様により、金型閉鎖位置Xccを、可動型Cmを型締する際における型締力の補正処理,可動型Cmの位置制御,型閉工程の動作異常に対応して行う異常処理,の少なくとも一つ以上に用いれば、これら各種制御又は処理における制御の応答性や制御精度を高めることができる。
(7) 好適な態様により、第一位置データDa…に対する第二位置データDb…の変化,第一位置データDa…に対する比率の変化,の少なくとも一つ以上をグラフ表示するようにすれば、金型Cが閉鎖する前後における可動型Cmの変位に伴う挙動を視覚的かつ誇張的(強調的)に表示できるため、オペレータは挙動変化を明確かつ容易に確認することができる。
(8) 好適な態様により、金型Cに対して少なくとも型開閉を行うトグルリンク式型締装置Mcを備える成形機Mに適用すれば、本発明に係る検出方法をより効果的(有効)に実施できる。
(9) 好適な態様により、第一位置検出手段2に、可動型Cmの位置を検出する距離センサ2s又は可動型Cmの移動量を検出するリニアエンコーダ2eを用いれば、可動型Cmの位置を直接検出できるため、距離センサ2s又はリニアエンコーダ2e以外の誤差要因を排除した正確な位置検出を行うことができ、特に、本発明に係る検出方法を容易かつ確実に実施できる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る金型閉鎖位置の検出装置1を備える射出成形機Mの構成について、図3〜図7を参照して説明する。
図3中、仮想線で示すMは射出成形機であり、機台Mbと、この機台Mb上に設置された射出装置Mi及びトグルリンク式型締装置Mcを備える。射出装置Miは、加熱筒11を備え、この加熱筒11の前端に射出ノズル11n(図4)を有するとともに、加熱筒11の後部には材料を供給するホッパ12を備える。一方、型締装置Mcには可動型Cmと固定型Ccからなる金型C(図4)を備える。また、機台Mb上には側面パネル13を起設し、この側面パネル13にカラー液晶ディスプレイ等を用いたディスプレイ14を配設する。このディスプレイ14は、図7に示すように、ディスプレイ本体14dにタッチパネル14tが付設された構成を有し、ディスプレイ14は、機台Mbに内蔵した成形機コントローラ4(図4)に接続する。
図4に、トグルリンク式型締装置Mcの具体的構成を示す。この型締装置Mcは、離間して配した固定盤21と駆動盤22を備え、固定盤21は機台Mb上に固定されるとともに、駆動盤22は当該機台Mb上に進退変位可能に支持される。また、固定盤21と駆動盤22間には、四本のタイバー23…を架設する。この場合、各タイバー23…の前端は、固定盤21に固定するとともに、各タイバー23…の後端は、駆動盤22に対して挿通させ、かつ後端側に形成したねじ部24…に、駆動盤22に対するストッパを兼ねる調整ナット25…をそれぞれ螺合する。
各調整ナット25…は、駆動盤22の位置を調整する型厚調整機構26を構成する。この型厚調整機構26は、さらに、各調整ナット25…に対して同軸上に一体に設けた小歯車27…と、各小歯車27…に噛合する大歯車28と、この大歯車28に噛合する駆動歯車29と、この駆動歯車29を回転シャフトに設けた型厚調整モータ30と、この型厚調整モータ30の回転数を検出するロータリエンコーダ30eを備えている。この場合、各小歯車27…は、正方形の四隅位置にそれぞれ配され、かつ大歯車28は各小歯車27…に囲まれる位置に配するため、各小歯車27…は、大歯車28に同時に噛合する。これにより、型厚調整モータ30を作動させれば、駆動歯車29の回転が大歯車28に伝達され、各小歯車27…は同時に回転するとともに、一体に回転する各調整ナット25…は、各タイバー23…のねじ部24…に沿って進退移動するため、駆動盤22も進退移動し、その前後方向位置を調整することができる。
一方、タイバー23…には、可動盤31をスライド自在に装填する。この可動盤31は可動型Cmを支持するとともに、固定盤21は固定型Ccを支持し、可動型Cmと固定型Ccは金型Cを構成する。また、金型Cには、固定型Ccと可動型Cm間の距離(隙間)Gsを検出、即ち、可動型Cmの位置を検出する本実施形態に係る検出装置1の一部を構成する距離センサ2sを付設する。距離センサ2sは四つのセンサ部33…からなり、各センサ部33…は、金型C(可動型Cm及び固定型Cc)における四つの側面(上下面及び左右面)に取付ける。図5(図6)に、金型Cの上面に配した一つのセンサ部33を示す。センサ部33は、可動型Cmの上面に取付けることにより当該上面から直角に起立する被検出プレート33rと、固定型Ccの上面に取付けることにより被検出プレート33rに対面させて配した近接センサ33sを備える。この場合、可動型Cmの一部を被検出プレートとして利用すれば、例示の被検出プレート33rは省略可能である。図中、Cmp及びCcpは可動型Cm及び固定型Ccのパーティング面をそれぞれ示す。なお、この距離センサ2sは、可動型Cmの位置を直接検出して第一位置データDaを得る第一位置検出手段2を構成する。このように、可動型Cmの位置を検出する距離センサ2sを用いれば、可動型Cmの位置を直接検出できるため、距離センサ2s以外の誤差要因を排除した正確な位置検出を行うことができ、特に、本実施形態に係る検出方法を容易かつ確実に実施できる利点がある。
他方、駆動盤22と可動盤31間にはトグルリンク機構Lを配設する。トグルリンク機構Lは、駆動盤22に軸支した一対の第一リンクLa,Laと、可動盤31に軸支した一対の出力リンクLc,Lcと、第一リンクLa,Laと出力リンクLc,Lcの支軸に結合した一対の第二リンクLb,Lbを有し、この第二リンクLb,Lbはクロスヘッド32に軸支する。また、駆動盤22とクロスヘッド32間には型締用駆動部35を配設する。型締用駆動部35は、駆動盤22に回動自在に支持されたボールねじ部37と、このボールねじ部37に螺合し、かつクロスヘッド32に一体に設けたボールナット部38を有するボールねじ機構36を備えるとともに、ボールねじ部37を回転駆動する回転駆動機構部39を備える。回転駆動機構部39は、駆動モータ5を構成する型締用サーボモータ5sと、このサーボモータ5sに付設して当該サーボモータ5sの回転数を検出するロータリエンコーダ3eと、サーボモータ5sのシャフトに取付けた駆動ギア41と、ボールねじ部37に取付けた被動ギア42と、この駆動ギア41と被動ギア42間に架け渡したタイミングベルト43を備えている。これにより、サーボモータ5sを作動させれば、駆動ギア41が回転し、駆動ギア41の回転は、タイミングベルト43を介して被動ギア42に伝達され、ボールねじ部37が回転することによりボールナット部38が進退移動する。この結果、ボールナット部38と一体のクロスヘッド32が進退移動し、トグルリンク機構Lが短縮又は拡長し、可動盤31が型開方向(後退方向)又は型閉方向(前進方向)へ進退移動する。
このロータリエンコーダ3eを用いることにより、トグルリンク式型締装置Mcのトグルリンク機構Lを駆動するサーボモータ5s(駆動モータ5)の回転数を検出して可動型Cmの位置に係わる第二位置データDbを得ることができる。なお、ロータリエンコーダ3eは、インクリメンタルエンコーダであり、基準位置に対するエンコーダパルスSpの発生数により絶対位置の検出を行う。このロータリエンコーダ3eは、可動型Cmの位置以外の物理量を間接的に検出して可動型Cmの位置に係わる第二位置データDbを得る第二位置検出手段3を構成するとともに、本実施形態に係る検出装置1の一部を構成する。このように、検出装置1を、金型Cに対して少なくとも型開閉を行うトグルリンク式型締装置Mcを備える射出成形機(成形機)Mに適用すれば、本実施形態に係る検出方法をより効果的(有効)に実施できる。また、第二位置検出手段3に、トグルリンク機構Lを駆動するサーボモータ5sの回転数を検出するロータリエンコーダ3eを用いれば、可動盤31の移動量に対して相対的に移動量の大きいクロスヘッド32側の変位量を検出することにより、可動型Cmの位置以外の物理量を間接的に検出する際の検出精度を高めることができ、距離センサ2sと組合わせることにより、本実施形態に係る検出方法を容易かつ確実に実施できる利点がある。
そして、型締用サーボモータ5s及び型厚調整モータ30は、成形機コントローラ4に内蔵するサーボアンプ(不図示)に接続するとともに、ロータリエンコーダ3e,30e及び四つのセンサ部33…(距離センサ2s)は、成形機コントローラ4に内蔵するコントローラ本体4m(図7)に接続して本実施形態に係る検出装置1を構成する。
図7に、コントローラ本体4mの内部のブロック構成を示す。同図中、51はCPUであり、このCPU51には内部バス52を介してチップセット53を接続する。このチップセット53には、PCIバス等のローカルバスを用いたバスライン54を接続してHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)制御系を構成する。このため、バスライン54には、コントローラ本体4mを機能させるRAMや各種データを記憶するデータメモリ(不揮発性メモリ)を含む内部メモリ55及び各種プログラムを格納するROM等を含むプログラムメモリ56を接続するとともに、表示インタフェース57を介して前述したディスプレイ14を接続し、さらに、入出力インターフェイス58を介してメモリカード等の記憶メディア59に対する読出及び書込を行うドライブユニット60を接続する。
一方、チップセット53には、バスライン54と同様のバスライン61を接続してPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)制御系を構成する。このため、バスライン61には、前述したロータリエンコーダ3eからのエンコーダパルスSpをはじめ、各種スイッチやリレー等を含む検出器群62から得るモニタデータ(切換データ等)Di…をCPU51に付与するとともに、CPU51からの制御指令データDo…を対応するアクチュエータに付与する入出力インターフェイス63を接続する。また、前述した距離センサ2s(近接センサ33s…)からの出力信号Sdをはじめ、各種センサを含むセンサ群64から得る検出信号Si…を、アナログ−ディジタル変換してCPU51に付与するとともに、CPU51からの制御指令データをディジタル−アナログ変換した制御信号So…を、型締用サーボモータ5s及び型厚調整モータ30に接続した対応するサーボアンプにそれぞれ付与するとともに、対応するアクチュエータ群66に付与する入出力インターフェイス65を接続する。これにより、所定のフィードバック制御系及びオープンループ制御系が構成される。
したがって、前述したプログラムメモリ56には、PLCプログラムとHMIプログラムを格納するとともに、各種処理プログラムを格納する。なお、PLCプログラムは、射出成形機Mにおける各種工程のシーケンス動作や射出成形機Mの監視等を実現するためのソフトウェアであり、HMIプログラムは、射出成形機Mの動作パラメータの設定及び表示,射出成形機Mの動作監視データの表示等を実現するためのソフトウェアである。これらのソフトウェアは、成形機コントローラ4を搭載する射出成形機Mの固有アーキテクチャとして構築され、特に、本実施形態に係る検出方法に係わる処理を実行することができる。
次に、このように構成される型締装置Mcの動作(機能)を含む本実施形態に係る
金型閉鎖位置の検出方法について、図1〜図7を参照しつつ図8に示すフローチャートに従って説明する。
今、型締装置Mcは、型閉工程が開始したものとする(ステップS1)。型閉工程の開始により、型締用サーボモータ5sが作動し、クロスヘッド32が前進移動するとともに、可動盤31は型開位置(全開位置)から型閉方向へ前進移動する。この場合、最初に可動盤31が高速で前進移動する高速型閉が行われる。型閉工程では、サーボモータ5sの回転数がロータリエンコーダ3eからのエンコーダパルスSpにより検出され、このエンコーダパルスSpがコントローラ本体4mに付与されることにより可動盤31(可動型Cm)の位置が得られる。即ち、サーボモータ5sの回転数が、予め設定された換算手段(演算式又は換算テーブル)により可動型Cmの位置に換算され、可動型Cmの位置が間接的に検出されることにより可動型Cmの位置に係わる第二位置データDbが得られる(ステップS2)。また、この第二位置データDbは速度検出データに変換され、成形機コントローラ4では、得られた速度検出データと予め設定された速度指令データに基づいて可動盤31の移動速度に対するフィードバック制御が行われるとともに、可動盤31に対する位置制御が行われる。
一方、金型Cに付設した距離センサ2sは、四つのセンサ部33…を備えるため、各センサ部33…(近接センサ33s…)からの検出信号Sdがコントローラ本体4mに付与されることにより可動型Cmの位置が検出される。即ち、可動型Cmの位置が距離センサ2sにより直接検出されることにより第一位置データDaが得られる(ステップS3)。この場合、各センサ部33…から得られる四つのデータを平均して第一位置データDaとすることができる。
そして、第一位置データDaと第二位置データDbは、内部メモリ55に備えるデータメモリ(不揮発性メモリ)に記憶するとともに、ディスプレイ14に型位置グラフAiとしてグラフ表示する(ステップS4)。この場合、型閉工程では、図3に示すような型締画面Vcが表示されているため、所定の表示キーをONすることにより、型位置グラフ表示画面Vcsをウィンドウ表示できるようにし、この型位置グラフ表示画面Vcsに、型位置グラフAiを表示することができる。この型位置グラフ表示画面Vcsを図2に示す。型位置グラフ表示画面Vcsにおける型位置グラフAiは次のように表示処理される。まず、型位置グラフ表示画面VcsのX軸(横軸)に、サーボモータ5sに付設したロータリエンコーダ3eから得られる第二位置データDbに係わる位置〔mm〕を対応させるとともに、Y軸(縦軸)に、金型Cに付設した距離センサ2sから得られる第一位置データDaに係わる位置〔mm〕を対応させる。これにより、得られた第一位置データDaと第二位置データDbに対応するドットを、型位置グラフ表示画面Vcs上にプロット表示する。このような第一位置データDaと第二位置データDbは、一定時間間隔(例示は、2.5〔ms〕)毎にサンプリングされるため、得られた第一位置データDa…と第二位置データDb…に対応するドットが順次プロット表示されることにより、図2に示す型位置グラフAiが表示される(ステップS5,S1…)。
また、図2中、符号Asは基準データとなる第一位置データDa…と第二位置データDb…を用いた基準グラフを示す。基準データとなる第一位置データDa…と第二位置データDb…には、少なくとも正常な良品成形を行うことができるデータを用い、この第一位置データDa…と第二位置データDb…により上述した型位置グラフAiと同様の基準グラフAsを型位置グラフAiに対して重ね描き表示する。したがって、この基準グラフAsに係わるデータ収集は、オペレータが、例えば、型位置グラフ取得モードを選択し、これに基づいてデータ収集を行ってもよいし、或いは、自動取得モードを選択し、生産開始により、自動でデータ収集できるようにしてもよい。そして、収集した第一位置データDa…と第二位置データDb…は、基準データとして登録(記憶)し、型位置グラフ表示画面Vcsに常時表示させることができる。
なお、このような型位置グラフ表示画面Vcsによる型位置グラフAi、更には基準グラフAsの表示は、次のように利用することができる。図2に示す基準グラフAsを見れば、第二位置データDbの0.92〔mm〕付近において、屈曲的に変化する明確な変化点Xsが発生する。この変化点Xsは、図6に示すように、可動型Cmの一部(一点)が最初に固定型Ccに当接した位置と考えられる。したがって、変化点Xsに達した以降は、第二位置データDbが小さくなっても第一位置データDaは僅かに変化する程度の区間が発生するとともに、第二位置データDbの0.60〔mm〕付近におけるXc点から再び変化量が大きくなる現象(挙動)を示し、このXc点が可動型Cmが固定型Ccに全面当接した位置と考えられる。
一方、今、メンテナンスや清掃のため、金型Cを型締装置Mcから取外すとともに、メンテナンス作業や清掃作業の終了により、再度、金型Cを型締装置Mcに取付けた場合を想定する。そして、この際、成形条件等を含む各種設定において特に異常がないにも拘わらず、成形品にはバリ等の不良が発生したものとする。この場合、金型Cの取付不備又は取付不良等の不具合が考えられるため、上述した型位置グラフ取得モード(又は自動取得モード)を実行させ、型位置グラフ表示画面Vcsに型位置グラフAiを表示させる。図2中のAiは、金型Cの取付不良時における実際に得られた型位置グラフを示しており、この型位置グラフAiでは、変化点Xiが第二位置データDbの0.98〔mm〕付近で発生している。即ち、基準グラフAsの変化点Xsよりも60〔μm〕程度手前で発生しており、このことは、図6における傾きReが金型Cを取外す前の状態よりも大きくなっていることを示している。
したがって、この場合、オペレータは、型位置グラフ表示画面Vcsを見ることにより、金型Cの取付不備又は取付不良等の不具合が発生していることを確認できるため、必要な対策を講じることができる。通常は、金型Cを一旦取外し、異物等が付着していないか点検することにより、再度、取付けることにより解消される場合も多い。なお、何らかの異常、例えば、金型部品の一部に傷や破損がある場合もあり、この場合には、交換等の必要な対策を講じることになる。また、四つのセンサ部44…から得る第一位置データDa…をそれぞれ利用し、色分けした四つの型位置グラフAi…を同時に表示することもできる。この場合には、傾きReの方向を確認できるため、金型Cを取外すことなく、例えば、締付ボルトの締付度合を点検するなどにより解消させることもできる。
このように、第一位置データDa…又は第二位置データDb…における一方のデータをディスプレイ14のX軸又はY軸における一方の軸に対応させ、かつ他方のデータをX軸又はY軸における他方の軸に対応させた型位置グラフAiにより表示すれば、金型Cが閉鎖する前後における可動型Cmの変位に伴う挙動を視覚的かつ誇張的(強調的)に表示できる。したがって、型締装置Mcから金型Cを取外しかつ再取付けした際における前後の挙動変化から型締装置Mcに対する金型Cの取付不備又は取付不良等の不具合を容易かつ確実に発見することが可能となり、従来の問題、即ち、当該不具合を発見(特定)できないことに伴う生産効率の低下や生産の遅延を生じる問題を解消することができる。
さらに、図1には、第一位置データDa…と第二位置データDb…に係わる他のグラフ表示を示す。図1に示す型位置グラフ表示画面Vcseは、X軸(横軸)に、第一位置データDaに係わる位置〔mm〕を対応させるとともに、Y軸(縦軸)に、第二位置データDbに係わる位置〔mm〕を対応させる。これにより、型位置グラフ表示画面Vcseには、図2に示した型位置グラフ表示画面Vcsに対して、第一位置データDa…と第二位置データDb…を入れ替えた型位置データAic(実線)を表示できる。また、Y軸(縦軸)には、単位変位量の比率データを対応させることにより、第一位置データDaに対する比率グラフBi(点線)を重ね描きすることができる。
この比率グラフBiを表示させる処理は、次のように行われる。まず、第一位置データDaと第二位置データDbは、データメモリに記憶されているため、それぞれの単位当たりの変位量を算出する。即ち、第一位置データDa…から第一単位変位量maを演算する(ステップS6)。この場合、一定時間間隔(2.5〔ms〕)毎にサンプリングを行っているため、前後にサンプリングした二つの第一位置データDa…の偏差を算出することにより単位当たりの変位量maが得られる。同様に、第二位置データDb…から第二単位変位量mbを演算する(ステップS7)。この場合も前後にサンプリングした二つの第二位置データDb…の偏差を算出することにより単位当たりの変位量mbが得られる。また、得られた第一単位変位量maと第二単位変位量mbの比率Edを、(第二単位変位量/第一単位変位量)=mb/maの演算により求める(ステップS8)。そして、順次得られる比率Edを、図1に示すように第一位置データDaに対応させて順次プロットすれば、比率グラフBiとして表示させることができる(ステップS9)。
よって、このような比率グラフBiを表示することにより、可動型Cmの変位に伴う挙動、特に発生する変化点Xicを、図1に示すように、より明瞭化(強調)することができる。即ち、変化点Xicに到達する前は、第一位置データDaと第二位置データDbは、ほぼ1対1で対応するため、単位変位量maとmbの比率Edもほぼ「1」前後で一定となるが、変化点Xicでは急激に大きくなる。
ところで、この変化点Xicは、前述したように、可動型Cmの一部(一点)が最初に固定型Ccに当接した位置と考えられるため、この比率グラフBi、即ち、比率Edを利用して変化点Xicを検出し、この変化点Xicに対応する第一位置データDaを金型閉鎖位置Xccに係わる位置データDcとして用いることができる。即ち、予め、比率Edに対する閾値Esを「2」程度に設定し、比率Ed(比率グラフBi)を監視すれば、比率Edが、設定した比率Esに達したことにより変化点Xicを容易に検出できる(ステップS9,S10)。この場合、設定する閾値Esが閉鎖検出条件となる。よって、比率グラフBiが閉鎖検出条件を満たしたときの第一位置データDaを取込み、金型閉鎖位置Xccに係わる位置データDcとしてデータメモリに記憶し、金型Cに係わる各種補正や設定等に利用可能である(ステップS11)。このように、閉鎖検出条件に、比率Ed…に対して予め設定した閾値Esを用いれば、コントローラ4の処理機能を利用して金型閉鎖位置Xccを容易かつ確実に検出できる利点がある。なお、金型閉鎖位置Xccを検出するに際し、図1に示した比例グラフBiを挙げて説明したが、金型閉鎖位置Xccの検出自体は、比例グラフBiを表示することなく、コントローラ本体4mによるデータ処理により行うことができる。
よって、本実施形態に係る金型閉鎖位置Xccの検出方法によれば、可動型Cmの位置を直接検出して第一位置データDa…を得、かつ可動型Cmの位置以外の物理量を間接的に検出して可動型Cmの位置に係わる第二位置データDb…を得るとともに、第一位置データDa…の単位変位量ma…と第二位置データDb…の単位変位量mb…の比率を順次求め、比率の変化が予め設定した閉鎖検出条件を満たしたなら、当該閉鎖検出条件を満たしたときの第一位置データDaを金型閉鎖位置Xccとして検出するようにしたため、例えば、省エネルギー性の観点や薄肉成形品の増加等に伴って、型締力を小さくしたり型締力を発生させない場合であっても、金型閉鎖位置Xccを検出可能となり、適応性(汎用性)を高めることができる。また、可動型Cmの位置を直接検出して得る第一位置データDa…を利用するため、検出に係わる正確性を高めることができるとともに、検出のバラツキを低減することができ、しかも、的確な金型閉鎖位置Xccを確実かつ安定に検出できる。特に、第一位置データDa…に対する第二位置データDb…の変化,第一位置データDa…に対する比率の変化,の少なくとも一つ以上をグラフ表示するため、金型Cが閉鎖する前後における可動型Cmの変位に伴う挙動を視覚的かつ誇張的(強調的)に表示できるため、オペレータは挙動変化を明確かつ容易に確認できる。
他方、このように検出する金型閉鎖位置Xcc(位置データDc)は、様々な用途に利用可能であり、例えば、可動型Cmを型締する際における型締力の補正処理,可動型Cmの位置制御,型閉工程の動作異常に対応して行う異常処理等に用いることができる。
まず、型締力の補正処理について説明する。型締力の補正処理は、一般的な射出成形、即ち、金型Cに対して所定の型締力を付与して行う射出成形において、金型Cの加熱温度や外気温等の外乱要因によって型締力が変動した場合に行う補正処理であり、以下、図9及び図10に示すフローチャートを参照して説明する。
今、生産稼働が自動成形により正常に行われている場合を想定する(ステップS21)。また、この状態で検出した金型閉鎖位置Xcc(位置データDc)がデータメモリに登録されているものとする。生産稼働中においては、予め設定した閉鎖位置検出時間或いは閉鎖位置検出ショット数に達すると、自動的に閉鎖位置検出モードが実行される(ステップS22,S23)。この閉鎖位置検出モードは、前述した図8のフローチャートに基づく金型閉鎖位置Xccの検出処理と同じである。なお、閉鎖位置検出モードの実行間隔は、ショットの度に毎回行ってもよいし一定ショット(又は一定時間)毎に行ってもよく、実機における型締力の変動度合等を考慮して設定することができる。そして、この閉鎖位置検出モードは、予め設定した複数回にわたって実行し、得られる複数の金型閉鎖位置Xcc…の平均値を求める(ステップS23,S24,S25)。平均値が得られたなら、予め設定された基準値との偏差を求める(ステップS26)。他方、成形機コントローラ4には、偏差に対する許容範囲が予め設定されているため、この許容範囲と得られた偏差を比較し、偏差が許容範囲を越えているか否かを判定する。これにより、偏差が許容範囲内にあるときは、型締力に対する補正は行わない。したがって、そのまま生産稼働を継続する(ステップS27,S21)。これに対して、偏差が許容範囲を越えたときは、再度、金型閉鎖位置Xcc…を検出して平均値、更には、基準値との偏差を求める(ステップS27,S28,S21)。この際、求めた偏差が複数回にわたり、かつ連続して許容範囲を越えたなら型締力補正モードにより型締力に対する補正を行う(ステップS29,S30)。
この型締力補正モードの処理手順を図10に示す。上述したステップS26において偏差が得られるとともに、この偏差が複数得られるため、この複数の偏差を平均した偏差平均値を求める(ステップS41,S42)。また、この補正処理は、成形サイクルを中断することなしに、予め設定した特定のタイミングで行う(ステップS43,S44)。成形サイクルを中断しない特定のタイミングとしては、高圧型締期間以外の期間、具体的には、型開期間,突出し期間,中間時間等を利用することができる。したがって、例えば、突出し期間が補正処理を行う期間として設定されていれば、突出し期間の開始タイミングにより補正指令が出力し、この補正指令に基づいて補正処理が実行される(ステップS45)。補正処理は、まず、補正量となる偏差平均値に基づいて型厚調整モータ30を駆動制御し、圧受盤22を、偏差が解消する方向に変位させる(ステップS46)。この際、圧受盤22は、正規の速度よりも低速で移動させる。また、圧受盤22の位置検出は、型厚調整モータ30に付設したロータリエンコーダ30eのエンコーダパルスを用いて検出し、位置に対するフィードバック制御を行う。ロータリエンコーダ30eは、インクリメンタルエンコーダであり、基準位置に対するエンコーダパルスの発生数により絶対位置の検出を行う。そして、補正量(偏差平均値)に対応する目標位置まで圧受盤22を移動させたなら型厚調整モータ30を停止制御する(ステップS47,S48)。なお、このような補正処理はトグル式型締装置Mcにおける既設の自動型締力設定機能(自動型厚調整機能)をそのまま利用して行うこともできる。自動型締力設定機能は、金型交換時などにおいて、初期段階で型締力の目標値をセットすることにより自動で型締力が設定される機能である。
次に、可動型Cmの位置制御について説明する。可動型Cmの位置制御は、金型Cに対して型締力を付与することになく、僅かな隙間を空けて射出成形を行う際に利用することができる。この射出成形方法は、予め、射出成形時に溶融樹脂が侵入しない固定型Ccと可動型Cm間に隙間Gs(0.001〜0.1〔mm〕程度)を設定し、成形時に、この隙間Gsを空けた状態の金型Cに対して、射出装置Miから溶融樹脂を射出充填するとともに、少なくとも射出充填中は当該隙間Gsの間隔が固定されるように可動型Cmに対する位置制御を行う方法である。したがって、金型Cを閉じる際は、可動型Cmを型開位置から前進移動させるとともに、この前進移動に伴う可動型Cmが金型閉鎖位置Xccに達したなら可動型Cmの前進移動を停止するとともに、隙間Gsを得る位置まで後退移動させる。このような射出成形方法によれば、金型Cに対する圧力は、必要な時に必要な量だけ付加されることになり、二酸化炭素の排出削減や資源節約等の地球環境保護の観点からの省エネルギ化の要請に応え得る最適(理想的)な射出成形方法を実現できる。また、隙間Gsを空けた状態で金型Cを閉じるため、成形時における金型C内のガス抜きを確実かつ安定に行うことができ、もって、成形品質の向上及び歩留まり向上に寄与できる。しかも、金型Cに対する圧力は、射出工程以降における必要な時に必要な量だけ付加されるため、金型Cや型締装置Mcに対して無用かつ大きな応力が付加される不具合を回避でき、もって、金型Cや型締装置Mcの劣化や故障を抑制し、機構部分の長寿命化,精度確保及びメンテナンス性向上に寄与できる。
次に、型閉工程の動作異常に対応して行う異常処理について説明する。この場合、基準となる正常な金型閉鎖位置Xcsを設定(登録)するとともに、成形動作時に、金型閉鎖位置Xccを検出して監視し、この金型閉鎖位置Xccが異常、即ち、検出した金型閉鎖位置Xccと基準となる金型閉鎖位置Xcsの偏差を監視し、この偏差が設定した許容範囲を越えた場合に、異常が発生したものとして、例えば、可動型Cmの前進移動を直ちに停止させるなどの異常処理を行う。この場合、異物検出処理として機能させることができるため、金型保護を図ることができる。
このように、金型閉鎖位置Xccは、可動型Cmを型締する際における型締力の補正処理,可動型Cmの位置制御,型閉工程の動作異常に対応して行う異常処理,の少なくとも一つ以上に用いることができるため、これら各種制御又は処理における制御の応答性や制御精度を高めることができる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の手法,構成,数値,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、距離センサ2sとして近接センサ33s…を例示したが、同様の検出を行うことができる光学センサや超音波センサ等の他のセンサを用いてもよい。また、第一位置検出手段2は、距離センサ2sの代わりに、可動型Cmの移動量を検出するリニアエンコーダを用いてもよい。図11に、可動盤31と固定盤21間に付設したリニアエンコーダ2eを示す。リニアエンコーダ2eは、エンコーダ本体71を備え、このエンコーダ本体71の一端部が固定盤21に取付けた固定部72により固定支持されるとともに、中間部位が可動盤31に取付けた検出部73によりスライド自在に支持される。リニアエンコーダ2eも距離センサ2sと同様に、必要に応じて複数組用いることができる。このようなリニアエンコーダ2eを用いた場合であっても可動型Cmの位置を直接検出できるため、リニアエンコーダ2e以外の誤差要因を排除した正確な位置検出を行うことができ、本実施形態に係るデータ表示方法を容易かつ確実に実施できる。
一方、閉鎖検出条件として、比率Ed…に対して予め設定した閾値Esを用いた場合を示したが、比率グラフBiにおける変化点Xicをパターン認識するなどの手法を用いてもよい。他方、トグルリンク式型締装置Mcを備える射出成形機Mに例示したが、直圧式型締装置を備える射出成形機Mてあってもよいし、駆動方式も、例示の電動式のみならず油圧式であってもよい。なお、本発明に係るデータ表示方法は、例示の射出成形機Mのみならず、押出成形機等の他の各種成形機にも同様に利用することができる。
本発明の最良の実施形態に係る検出方法を説明するための射出成形機に備えるディスプレイに表示した型位置グラフ表示画面の表示態様図、 同検出方法を説明するための射出成形機に備えるディスプレイに表示した型位置グラフ表示画面の他の表示態様図、 同検出方法の実施に用いる射出成形機及び同射出成形機に搭載するディスプレイの概要図、 同検出方法を実施する射出成形機に備える型締装置の構成図、 同射出成形機に備える型締装置の金型に付設する距離センサの一部を抽出して示す構成図、 同距離センサを付設した金型の状態説明図、 同射出成形機に備える成形機コントローラの一部を示すブロック図、 同検出方法を説明するためのフローチャート、 同検出方法により検出した金型閉鎖位置を利用して型締力の補正を行う際の処理手順を示すフローチャート、 同補正を行う際に用いる型締力補正モードの処理手順を抽出して示すフローチャート、 同射出成形機に備える第一位置検出手段の変更例を示す型開閉装置の金型に付設したリニアエンコーダの構成図、
符号の説明
1:検出装置,2:第一位置検出手段,2s:距離センサ,2e:リニアエンコーダ,3:第二位置検出手段,3e:ロータリエンコーダ,4:コントローラ,5:駆動モータ,Cm:可動型,Cc:固定型,Xcc:金型閉鎖位置,ma:第一位置データの単位変位量,mb:第二位置データの単位変位量,Ed…:比率,Es:閾値,Mc:トグルリンク式型締装置,M:成形機,L:トグルリンク機構

Claims (10)

  1. 型閉工程により型開位置にある可動型を前進移動させた際における前記可動型が固定型に当接して金型が閉鎖する金型閉鎖位置を検出する金型閉鎖位置の検出方法において、前記型閉工程の実行時に、第一位置検出手段により前記可動型の位置を直接検出して第一位置データを得、かつ第二位置検出手段により前記可動型の位置以外の物理量である前記トグルリンク式型締装置のトグルリンク機構を駆動する駆動モータの回転数を間接的に検出して前記可動型の位置に係わる第二位置データを得るとともに、前記第一位置データの単位変位量と前記第二位置データの単位変位量の比率を順次求め、前記比率の変化が予め設定した閉鎖検出条件を満たしたなら、当該閉鎖検出条件を満たしたときの前記第一位置データを金型閉鎖位置として検出することを特徴とする金型閉鎖位置の検出方法。
  2. 前記閉鎖検出条件には、前記比率に対して予め設定した閾値を用いることを特徴とする請求項1記載の金型閉鎖位置の検出方法。
  3. 前記第一位置データの単位変位量には、一定時間間隔毎にサンプリングされる前記第一位置データにおける相前後してサンプリングした二つの第一位置データの偏差を用いることを特徴とする請求項1記載の金型閉鎖位置の検出方法。
  4. 前記第二位置データの単位変位量には、前記第一位置データに同期してサンプリングされる前記第二位置データにおける相前後してサンプリングした二つの第二位置データの偏差を用いることを特徴とする請求項3記載の金型閉鎖位置の検出方法。
  5. 前記金型閉鎖位置は、前記可動型を型締する際における型締力の補正処理,前記可動型の位置制御,前記型閉工程の動作異常に対応して行う異常処理,の少なくとも一つ以上に用いることを特徴とする請求項1記載の金型閉鎖位置の検出方法。
  6. 前記第一位置データに対する前記第二位置データの変化,前記第一位置データに対する前記比率の変化,の少なくとも一つ以上をグラフ表示することを特徴とする請求項1記載の金型閉鎖位置の検出方法。
  7. 型開位置にある可動型を前進移動させた際における前記可動型が固定型に当接して金型が閉鎖する金型閉鎖位置を検出する金型閉鎖位置の検出装置において、前記可動型の位置を直接検出して第一位置データを得る第一位置検出手段と、前記可動型の位置以外の物理量である前記トグルリンク式型締装置のトグルリンク機構を駆動する駆動モータの回転数を間接的に検出して前記可動型の位置に係わる第二位置データを得る第二位置検出手段と、少なくとも前記型閉工程の実行時に、前記第一位置データの単位変位量と前記第二位置データの単位変位量の比率を順次求め、前記比率の変化が予め設定した閉鎖検出条件を満たしたなら、当該閉鎖検出条件を満たしたときの前記第一位置データを金型閉鎖位置として検出するコントローラを具備してなることを特徴とする金型閉鎖位置の検出装置。
  8. 前記金型に対して少なくとも型開閉を行うトグルリンク式型締装置を備える成形機に適用することを特徴とする請求項7記載の金型閉鎖位置の検出装置。
  9. 前記第一位置検出手段は、前記可動型の位置を検出する距離センサ又は前記可動型の移動量を検出するリニアエンコーダを用いることを特徴とする請求項7記載の金型閉鎖位置の検出装置。
  10. 前記第二位置検出手段は、前記駆動モータの回転数を検出するロータリエンコーダを用いることを特徴とする請求項7記載の金型閉鎖位置の検出装置。
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