JP2015033793A - 射出成形機 - Google Patents

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靖丈 澤田
Yasutake Sawada
靖丈 澤田
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Abstract

【課題】樹脂粘度の高低に関わらず逆流防止弁が交換時期に至ったことを的確に判定可能な射出成形機を提供する。【解決手段】コントローラ1の記憶部に、加熱シリンダ21の先端部に貯えられる溶融樹脂の粘度と、当該溶融樹脂に、加熱シリンダ21の内面とスクリュ23の外面との間のクリアランスが適正な射出装置を用いて所定の射出圧力を付与するときの、バックフローを生じない射出速度の限界値との関係を記憶しておく。そして、オペレータの指示に応じて又は予め設定した所定のタイミングで自動的に、加熱シリンダ21の先端部に貯えられた溶融樹脂の粘度測定と、射出速度の測定とを行い、これらの各測定値を前記記憶部に記憶された溶融樹脂の粘度及び射出速度の限界値と対比して、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かを判定する。【選択図】図4

Description

本発明は、インラインスクリュ式の射出成形機に係り、特に、スクリュに設けられる逆流防止弁の交換時期を自動的に判定する技術に関する。
インラインスクリュ式の射出成形機のスクリュには、加熱シリンダ内に貯えられた溶融樹脂が射出時にスクリュヘッドの後方側に逆流するのを防止するための逆流防止弁が備えられるのが一般的である。
図9を用いてスクリュに備えられる逆流防止弁の働きを説明する。図9において、符号51は加熱シリンダ、符号52は加熱シリンダ51内に回転可能かつ前後進可能に配設されたスクリュ、符号57は逆流防止弁を示している。加熱シリンダ51の外周には、図示しないバンドヒータが巻回され、加熱シリンダ51内を所定の温度で加熱している。スクリュ52は、外周にネジ部が形成されたスクリュ本体53と、スクリュ本体53の前端部に取り付けられたスクリュヘッド54とからなる。また、逆流防止弁57は、スクリュ本体53とスクリュヘッド54との間に遊挿され、加熱シリンダ51の内周面に接した状態でスクリュ52の軸方向に所定量だけ移動可能であると共に、スクリュ52と一体に回転するチェックリング55と、スクリュ本体53の前端面とスクリュヘッド54との間に挟持されたチェックシート56とからなる。スクリュヘッド54におけるチェックリング55の遊挿部分には、溝状の樹脂通路54aが形成される。
図9に示す構成において、計量工程時、スクリュ52は、図示しない計量用サーボモータの駆動力で所定方向に回転駆動される。これにより、スクリュ52の後部側に供給されたペレット状の原料樹脂は、混練・可塑化されつつスクリュ52のネジ送り作用によって前方に移送される。この際には、前方に移送される樹脂の圧力で、図9(a)に示すように、チェックリング55はチェックシート56から離間した状態となり、溶融樹脂は、チェックリング55とチェックシート56との間の隙間、及び、スクリュヘッド54とチェックリング55との間に形成された樹脂通路54aを通って、スクリュヘッド54の前方側に送り込まれる。そして、スクリュ52は、スクリュヘッド54の前方側に送り込まれた溶融樹脂の圧力を受けて後退する。その際、スクリュ52には、圧力フィードバック制御で駆動制御される図示しない射出用サーボモータの駆動力により所定の後退抵抗(背圧)が与えられ、これにより、スクリュヘッド54の前方側に貯えられた溶融樹脂には所定の圧力が付与される。
計量工程の完了後は、射出工程に移行する。射出工程は、1次射出工程と保圧工程とからなる。1次射出工程では、速度フィードバック制御で駆動制御される射出用サーボモータの駆動力によってスクリュ52が前進駆動され、計量工程でスクリュヘッド54の前方側に貯えられた溶融樹脂が金型内に射出・充填される。このとき、チェックリング55は、スクリュヘッド54よりも前方に位置する溶融樹脂の射出動作に伴う圧力により後退し、図9(b)に示すように、チェックシート56に密着した状態となる。これにより、スクリュヘッド54より後ろ側への溶融樹脂の逆流(バックフロー)が防止される。また、1次射出工程に続く保圧工程においては、スクリュ52に、圧力フィードバック制御で駆動制御される射出用サーボモータの駆動力(保圧力)が付加される。これにより、金型内の樹脂の冷却収縮に応じた量の溶融樹脂が金型内に補充される。この保圧工程においても、チェックリング55は後退方向の圧力を受けており、チェックリング55は、チェックシート56に密着した状態に維持される。
ところで、チェックリング55は、射出成形機の稼働に伴って経時的に摩耗が進行する。そして、摩耗がある程度まで進行すると、加熱シリンダ51の内面とチェックリング55の間のクリアランスが過大となって、充填中にバックフローが生じるようになる。バックフローが生じても、その程度が小さい場合には、成形品の外観に反映されないことが多いため、オペレータはバックフローを生じていることに気が付きにくく、成形品にショートショットを生じる程度までバックフロー量が多くなって、始めてオペレータが気が付くことも稀ではない。
本願の出願人は、先に、このような問題を防止するため、保圧工程における実測射出速度データを監視し、この実測射出速度データが概略一定速度を保つ時間が所定時間を超えると、逆流防止弁にバックフローが生じていると判定して、逆流防止弁が交換時期に至った旨を表示画面に自動的に表示する射出成形機を提案した(例えば、特許文献1の要約書参照。)。この発明によれば、逆流防止弁が交換時期に至ったことをオペレータに報知できるので、品質不足の成形品の製造を未然に防止できると共に、無駄な逆流防止弁の交換を防止できて、射出成形機の稼働率を高めることができる。
特許第5199639号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、保圧工程中の実測射出速度データを監視することによりバックフローの有無を判定する構成であるので、樹脂粘度が中程度以上の樹脂材料についてはバックフローの有無を的確に判定できるものの、樹脂粘度が低い樹脂材料については、もともと逆流防止弁の摩耗が軽微である段階においてもバックフローを生じやすいことから、逆流防止弁の交換時期を的確に判定することが困難であることが判明した。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹脂粘度の高低に関わらず逆流防止弁が交換時期に至ったことを的確に判定可能な射出成形機を提供することにある。
本発明は、上述の目的を達成するため、加熱シリンダ内に回転可能かつ前後進可能に収納されたスクリュと、前記スクリュに取り付けられた逆流防止弁と、前記スクリュの駆動を制御するコントローラとを備え、前記スクリュを回転駆動して、前記加熱シリンダの先端部に所定量の溶融樹脂を貯える計量工程と、該計量工程の終了後に前記スクリュを前進駆動して、前記加熱シリンダの先端部に貯えられた溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出する射出工程とを繰り返して、所定形状の成形品を連続的に製造するインラインスクリュ式の射出成形機において、前記コントローラの記憶部には、前記加熱シリンダの先端部に貯えられる溶融樹脂の粘度と、当該加熱シリンダの先端部に貯えられた溶融樹脂前記加熱シリンダの内面と前記スクリュの外面との間のクリアランスが適正な射出装置を用いて所定の圧力を付与したときの、バックフローを生じない前記スクリュの前進速度の限界値との相関が記憶され、当該コントローラは、オペレータの指示に応じて又は予め設定した所定のタイミングで自動的に、前記加熱シリンダの先端部に貯えられた溶融樹脂の粘度測定と、射出速度の測定とを行い、これらの各測定値を前記記憶部に記憶された前記溶融樹脂の粘度及び前記スクリュの前進速度の限界値と対比して、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かを判定するという構成にした。
成形品の製造には、溶融時の粘度が異なる様々な樹脂材料が使用される。そして、射出成形機の運転開始に際しては、使用する樹脂材料に適合する計量条件及び射出条件が射出成形機に設定され、成形品を連続的に製造するための自動運転が実行される。射出成形機の自動運転は、樹脂材料の計量工程と、計量工程で可塑化された溶融樹脂の射出工程とを繰り返すことにより行われる。ところで、自動運転を長期間に亘って実行すると、逆流防止弁が摩耗し、加熱シリンダの内面と逆流防止弁の外面との間のクリアランスが経時的に大きくなる。そのため、1次射出時の射出圧及び保圧時の保圧力を受けたときに、加熱シリンダ内の溶融樹脂が逆流防止弁を超えて加熱シリンダの末端側に逆流しやすくなる。この現象をバックフローという。バックフローが発生すると、成形品にひけや重量不足等の成形不良が生じて良品の歩留まりが低下するので、速やかに逆流防止弁を新しいものに交換して、加熱シリンダの内面と逆流防止弁の外面との間のクリアランスを適正化する必要がある。このためには、バックフローの発生を随時的確に検出して、オペレータに逆流防止弁が交換時期に至ったことを報知できるようにすることが望ましい。
バックフローは、スクリュの前進駆動中に発生するが、1次射出工程においては、スクリュが速度フィードバック制御で駆動されるので、バックフローが発生してか否かに関わりなく、スクリュの前進速度は予め設定された速度制御パターンに倣う。これに対して、保圧工程においては、金型のキャビティ内に製品が存在し、かつスクリュが圧力フィードバック制御で駆動されるので、バックフローが発生していない場合にはスクリュがほとんど前進せず、バックフローが発生した場合には、バックフロー量に応じた速度でスクリュが前進動作する。このように、保圧力を一定とした場合、バックフローが発生した場合には、バックフローが発生していない場合よりも、スクリュの前進速度が早くなる。したがって、保圧力に相当する所定の圧力を付与した状態におけるスクリュの前進速度を監視することにより、バックフローの発生の有無を検出することができる。なお、加熱シリンダの内面と逆流防止弁の外面との間のクリアランスが一定であっても、射出時における溶融樹脂の粘度が低いほど、バックフローが生じやすい。したがって、バックフローの発生を的確に検出するためには、成形品の製造に使用している樹脂材料の射出時における粘度を考慮する必要がある。
請求項1に係る発明は、コントローラの記憶部に、加熱シリンダ内に貯えられる溶融樹脂の粘度と、バックフローを生じないスクリュの前進速度の限界値との関係を予め記憶しておき、加熱シリンダの先端部に貯えられる溶融樹脂の粘度測定と、射出動作中におけるスクリュの前進速度の測定とを随時行って、各測定値を各記録値と対比するので、溶融樹脂の粘度に関わりなく、バックフローが生じているか否か、ひいては、逆流防止弁が交換時期に至っているか否かを適切に判定できる。具体的には、測定されたスクリュの前進速度が、測定された溶融樹脂の粘度に対応して記憶されたスクリュの前進速度の限界値を超えている場合には、バックフローが生じていると判断して、オペレータに逆流防止弁の交換を促すことができる。
なお、加熱シリンダ内に貯えられる溶融樹脂の粘度は、射出成形機で使用される各種の樹脂材料について既知であるか、実験により求めることができる。また、バックフローを生じないスクリュの前進速度の限界値は、加熱シリンダの内面と逆流防止弁の外面との間のクリアランスが出荷時の許容値内に調整された射出装置を用い、かつ、射出圧力を一定値として射出動作を実行することにより、粘度が異なる各種の樹脂材料について実験的に求められる。したがって、コントローラの記憶部に、溶融樹脂の粘度とバックフローを生じないスクリュの前進速度の限界値とを関連付けて記憶することができる。一方、実機を用いた溶融樹脂の粘度測定は、特許第3732821号公報に記載の方法で行うことができ、自動運転実行中のスクリュの前進速度は、射出成形機の各部に備えられたセンサの出力信号から算出できる。
また本発明は、前記構成の射出成形機において、前記溶融樹脂の粘度測定は、計量動作の完了後にノズルバックを行って、前記加熱シリンダの先端部に備えられたノズルを金型から離隔し、この状態で前記スクリュを前進駆動して、前記加熱シリンダの先端部に貯えられた溶融樹脂の射出動作を行うという構成にした。
溶融樹脂の粘度測定は、特許文献1に記載の方法によって行うことができる。この特許文献1に記載の方法は、射出動作中の射出速度が一定のときの射出圧力値から樹脂粘度を算出するというものである。したがって、射出ノズルを金型にタッチした状態でも、射出動作中の射出速度が一定である限りは樹脂粘度の算出が可能であるが、射出ノズルを金型にタッチした状態では、金型のキャビティ形状などにより射出圧力が変動しやすくなる。そこで、射出ノズルを金型から離隔したノズルバック状態で樹脂粘度の算出を行えば、キャビティ形状などの影響を回避することができて、樹脂粘度の算出を容易かつ高精度に行うことができる。
また本発明は、前記構成の射出成形機において、前記射出速度の測定は、前記金型内に製品があり、かつ前記加熱シリンダの先端部に備えられたノズルを前記金型にノズルタッチした状態で実行するという構成にした。
従来、射出成形機においては、射出工程中のスクリュの前進速度、即ち、射出速度を測定し、その測定結果に基づいて射出用サーボモータの駆動制御を行っている。したがって、上記の構成によれば、バックフローを検出するために特別な方法で射出速度を測定する必要がないので、逆流防止弁の交換時期の判定を簡便に行うことができる。
また本発明は、前記構成の射出成形機において、前記コントローラは、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定結果を、表示装置の表示画面に表示するという構成にした。
かかる構成によると、オペレータに逆流防止弁の交換時期を目視可能な方法で報知できるので、オペレータが逆流防止弁の交換時期を見逃しにくく、逆流防止弁の交換を適切に行うことができる。
また本発明は、前記構成の射出成形機において、前記コントローラは、成形品を連続的に製造するための自動運転モードの実行プログラムと、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うための検査モードの実行プログラムとを記憶部に記憶しており、前記自動運転モードの実行中にオペレータが入力装置を操作して前記検査モードへの移行を指示したとき、前記自動運転モードから前記検査モードへと移行して、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うという構成にした。
かかる構成によると、オペレータの指示に応じて逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの検査を随時行うことができるので、予め定められた時期ごとに定期検査を行う場合に比べて、射出成形機の稼働状況に応じたきめの細かい検査が可能になり、逆流防止弁の交換時期を適切に判定することができる。
また本発明は、前記構成の射出成形機において、前記コントローラは、成形品を連続的に製造するための自動運転モードの実行プログラムと、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うための検査モードの実行プログラムと、前記検査モードの実行タイミングとを記憶部に記憶しており、前記記憶部に記憶された前記検査モードの実行タイミングに至ったとき、自動的に前記自動運転モードから前記検査モードに移行して、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うという構成にした。
かかる構成によると、逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの検査をコントローラが自動的に行うので、オペレータの指示による場合とは異なり検査時期を忘れるということがなく、逆流防止弁が交換時期を確実に判定できる。
本発明の射出成形機は、コントローラが、オペレータの指示に応じて又は所定のタイミングで自動的に、加熱シリンダ内に貯えられた溶融樹脂の粘度測定とスクリュの前進速度の測定とを行って、逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うので、溶融樹脂の粘度に関わりなく、逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を適切に行うことができる。
実施形態に係る射出成形機の計量系及び射出系の構成を模式的に示す説明図である。 実施形態に係る射出成形機に備えられるシステムコントローラのブロック構成図である。 逆流防止弁の交換時期の判定テーブルを示す図である。 逆流防止弁の交換時期の判定処理手順を示すフローチャートである。 バックフローありと判定された場合における表示装置の表示内容を例示する図である。 樹脂粘度と剪断速度との関係を示すグラフ図である。 実施形態に係る射出成形機に備えられる加熱シリンダの要部断面図である。 バンドヒータの設定温度と樹脂粘度との関係の一例を示す表図である。 逆流防止弁の動作説明図である。
以下、本発明に係るインラインスクリュ式の射出成形機の実施の形態を、図を用いて説明する。なお、本発明の技術的特徴は、以下に記載する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
図1に、本発明に係るインラインスクリュ式の射出成形機の計量系及び射出系の構成を模式的に示す。この図において、31は計量用サーボモータ、31aは計量用サーボモータ31の出力プーリ、32は出力プーリ31aの回転をスクリュ23の後端に結合されたプーリ33に伝達するタイミングベルト、34は射出用サーボモータ、34aは射出用サーボモータ34の出力プーリ、35は出力プーリ34aの回転を回転→直線運動変換メカニズム36のプーリ36aに伝達するタイミングベルト、36は回転運動を直線運動に変換してスクリュ23に伝達するためのボールネジ機構等よりなる回転→直線運動変換メカニズム、37は計量用サーボモータ31の回転を検出するエンコーダ、38はスクリュ23にかかる圧力を検出する(実測射出圧力値を検出する)ロードセル、39は射出用サーボモータ34の回転を検出するエンコーダである。なお、計量用サーボモータ31及びタイミングベルト32は、加熱シリンダ21内に回転可能かつ前後進可能に収納されたスクリュ23と一体となって前後進するようになっている。スクリュ23の先端部寄りには、逆流防止弁24が取り付けられている。
また、41はスクリュ回転数フィードバック制御部、42は速度フィードバック制御部、43は圧力フィードバック制御部、44は速度フィードバック制御部42の出力と圧力フィードバック制御部43の出力の切り替えを行うスイッチ部で、これらフィードバック制御部41〜43及びスイッチ部44は、図2の運転プロセス制御部4中に設けられる。また、45は計量用サーボモータ31を駆動制御するサーボアンプ、46は射出用サーボモータ34を駆動制御するサーボアンプで、これらの各サーボアンプ45、46は、図2のドライバ群14中に設けられる。
計量工程時には、計量工程の指令値を受けるスクリュ回転数フィードバック制御部41によってサーボアンプ45を介して計量用サーボモータ31が駆動制御されて、スクリュ23が回転し、スクリュ23の先端側に溶融樹脂が蓄えられるに従って、スクリュ23が後退する。このとき、スクリュ回転数フィードバック制御部41は、エンコーダ39の出力A3から得られる実測スクリュ位置を監視すると共に、設定スクリュ回転数データと、エンコーダ37の出力A1から得られる実測スクリュ回転数データとを対比し、計量開始位置からスクリュ23が所定の後退位置に至るまでの区間を、設定されたスクリュ回転数となるように制御信号を生成して、これをサーボアンプ45に出力し、計量用サーボモータ31を駆動制御する。また、計量工程時には、計量工程の指令値を受ける圧力フィードバック制御部43によって、サーボアンプ46を介して圧力フィードバック制御により射出用サーボモータ34が駆動制御されて、これにより、設定された樹脂圧力となるようにスクリュ23に背圧が付与される。このとき、圧力フィードバック制御部43は、エンコーダ39の出力A3から得られる実測スクリュ位置を監視すると共に、設定圧力データと、ロードセル38の出力A2から得られる実測圧力データとを対比して、計量開始位置からのスクリュ後退位置に対応して設定された樹脂圧力となるように制御信号を生成して、これをサーボアンプ46に出力し、射出用サーボモータ34を駆動制御する。
また、射出工程の1次射出工程を速度フィードバック制御で行う場合には、1次射出工程の指令値を受ける速度フィードバック制御部42によって、サーボアンプ46を介して速度フィードバック制御により射出用サーボモータ34が駆動制御されて、これにより、設定された射出速度となるようにスクリュ23の前進速度が制御される。このとき、速度フィードバック制御部42は、エンコーダ39の出力A3から得られる実測スクリュ位置を監視すると共に、位置に応じて設定された設定速度データと、エンコーダ39の出力A3から得られる位置データを算出して得られる実測速度データとを対比して、射出開始位置からスクリュ前進位置に対応して設定された射出速度となるように制御信号を生成して、これをサーボアンプ46に出力し、射出用サーボモータ34を駆動制御する。
なお、図1の計量系及び射出系は、図示しない金型装置に対してノズルタッチ位置又はノズルバック位置に移動できるようになっており、後に説明する樹脂粘度の計測モードでは、図1の計量系及び射出系をノズルバック位置に移動して、フリー射出を行う。また、計量工程及び実測速度の計測モードでは、図1の計量系及び射出系をノズルタッチ位置に移動し、金型内に製品がある状態で、所要の計量動作及び射出動作を行う。また、射出圧力値(実測射出圧力値)の計測は、ロードセル38で実測することもできるし、射出用サーボモータ34の実測駆動電流値から得られるトルク値から算出することもできる。
図2に実施形態に係る射出成形機に備えられるシステムコントローラ1の構成を示す。射出成形機のシステムコントローラ1は、射出成形機全体の制御を司るものであり、計量動作、サックバック動作、射出(1次射出及び保圧)動作、型開閉動作、エジェクト動作等の成形行程全体の制御や、成形運転中の実測データの演算・格納処理、良品/不良品の判定処理、異常判定処理、溶融樹脂粘度の演算・格納処理などの演算・判定処理、あるいは、表示装置3の出力画像の表示制御処理等々の各種処理を実行する。このシステムコントローラ1は、実際には、各種I/Oインターフェイス、ROM、RAM、CPU等を具備したもので構成され、予め作成された各種プログラムにより各種処理を実行する。本例においては、システムコントローラ1が、運転条件設定格納部2、測定値格納部3、運転プロセス制御部4、バックフロー判定部5、樹脂粘度算出部6、計測樹脂粘度記憶部7及び表示処理部8を含んで構成されている。
また、このシステムコントローラ1には、外部装置として、オペレータにより操作されるキーボード入力装置等の入力装置11と、オペレータに各種の画像データを表示するカラー液晶表示装置等の表示装置12と、射出成形機の各部に配設された各種のセンサで構成されるセンサ群13と、射出成形機の各部に配置されたモータやヒータなどのアクチュエータを駆動する各種のドライバで構成されるドライバ群14が接続されている。なお、入力装置11及び表示装置12については、システムコントローラ1に外付けする構成に代えて、システムコントローラ1に内蔵する構成とすることもできる。センサ群13を構成するセンサとしては、位置センサ、速度センサ、圧力センサ、回転量検出センサ、温度センサなどがある。また、ドライバ群14を構成するドライバとしては、計量用サーボモータや射出用サーボモータなどのモータを駆動するモータドライバや、加熱シリンダの外面に巻回されるバンドヒータを駆動するヒータドライバなどがある。
運転条件設定格納部2には、各運転モードにおける運転制御条件が書き換え可能に格納されている。運転条件設定格納部2への運転制御条件の入力は、入力装置11や図示しないメモリカード等を用いて行うことができる。本例の射出成形機においては、運転モードとして、成形品を自動的かつ連続的に生産する自動運転モードと、後述する逆流防止弁の交換時期判定モードとが少なくとも記憶されている。運転モードは、適宜切り替え可能である。他の運転モードから逆流防止弁の交換時期判定モードへの切替は、オペレータの指示により行うようにすることもできるし、運転条件設定格納部2に切り替え時期を設定しておくことにより自動的に行うようにすることもできる。逆流防止弁の交換時期判定モードへの切替をオペレータの指示により行うようにすると、自動運転中の任意のタイミングで逆流防止弁が交換時期に達したか否かを判定できるので、不良品の発生を防止又は最小限に抑えることができる。一方、逆流防止弁の交換時期判定モードへの切替をシステムコントローラ1の指示で自動的に行うようにすると、オペレータの不注意等によって交換時期の判定を怠るということがないので、逆流防止弁の交換時期の判定を確実に行うことができる。このように、射出成形機の運転モードを適宜逆流防止弁の交換時期判定モードに切り替えることにより、スクリュ23を分解することなく、成形不良の原因が逆流防止弁24の摩耗によるバックフローに起因するものであるか否かを判断できる。
この運転条件設定格納部2には、図3に示すように、計量工程において加熱シリンダ21内に貯えられる溶融樹脂の粘度と、加熱シリンダ21内に貯えられた当該溶融樹脂をバックフローが生じない所定の射出圧力で射出するときの、スクリュの前進速度の限界値との関係も併せて格納されている。
成形品の製造に一般的に用いられる樹脂材料については、計量工程において加熱シリンダ内に貯えられる溶融樹脂の粘度は既知である。また、既知でない樹脂材料についても、キャピラリレオメータやメルトインデキクタなどの樹脂粘度計測器を用いて計測できるし、特許第3732821号公報に記載の方法によっても計測することができる。図3の例では、溶融樹脂の粘度が、1〜20Pa・sec、21〜50Pa・sec、51〜75Pa・sec、76〜100Pa・sec、101Pa・sec以上の5段階に区分されている。
一方、所定の射出圧力で加熱シリンダ内に貯えられた溶融樹脂を射出するときのバックフローを生じないスクリュの前進速度の限界値は、加熱シリンダの内面と逆流防止弁の外面との間のクリアランスが、逆流防止弁の交換が必要となる以前の適正値に調整された射出装置、例えば出荷時の射出装置を用いることにより求められる。本例においては、図2に示すように、射出圧力を100MPaとしてバックフローを生じないスクリュの前進速度の限界値を求め、溶融樹脂の粘度が1〜20Pa・sの樹脂材料については0.5mm/sec、21〜50Pa・secの樹脂材料については0.4mm/sec、51〜75Pa・secの樹脂材料については0.3mm/sec、76〜100Pa・secの樹脂材料については0.2mm/sec、101Pa・sec以上の樹脂材料については0.1mm/secを得た。
測定値格納部3には、センサ群13により検出された射出成形機の各部の計測情報(位置情報、速度情報、圧力情報、回転角情報、回転速度情報、温度情報など)がリアルタイムで取り込まれて格納される。この測定値格納部3に取り込まれて格納される計測情報には、射出工程(1次射出工程及び保圧工程)における実測射出速度データ、実測射出圧力データが含まれている。なお、実測射出速度データは、図示しない射出用サーボモータに付設されたエンコーダの計測情報と時間情報とに基づいて求められ、測定値格納部3に格納される。また、実測圧力データは、スクリュの後方側に取り付けられた図示しないロードセルによって測定され、測定値格納部3に格納される。
運転プロセス制御部4には、運転モード毎に予め用意された各工程の運転制御プログラムが記憶されている。そして、この運転プロセス制御部4は、この予め用意された運転制御プログラムと、運転条件設定格納部2に格納された各工程の運転条件の設定値とに基づき、かつ測定値格納部3中の計測情報や各部からの状態確認情報や自身の計時情報を参照してドライバ群14を駆動制御し、射出成形機に各運転モードに即した各工程の運転を実行させる。
本例の射出成形機には、図4に示す逆流防止弁の交換時期判定手順が、運転制御プログラムとして運転プロセス制御部4に記憶されている。図4に示すように、本例の逆流防止弁の交換時期判定手順は、手順S1で逆流防止弁の交換時期判定モードへの切替が指示されたと判定したとき(Yes)、計量工程(手順S2)とノズルバック動作(手順S3)をこの順に実施した後、手順S4に移行して樹脂粘度の計測を行う。手順S1の交換時期判定モードへの切替指示は、オペレータが入力装置11を操作することにより行うこともできるし、運転条件設定格納部2に予め交換時期判定モードへの切替時期を設定しておくことにより行うこともできる。手順S2の計量工程は、正確な計量を行うため、自動運転中の計量工程と同様に、金型内に製品がありかつノズルタッチした状態で行われる。手順S3のノズルバック動作は、手順S4の樹脂粘度計測を、金型のキャビティ形状等の影響を受けることなく容易かつ高精度に実施するために行う。手順S4の樹脂粘度計測の具体的な方法に関しては、後に詳細に説明する。
樹脂粘度の計測後は、ノズルタッチ動作(手順S5)と計量工程(手順S6)をこの順に実施した後、手順S7に移行して射出速度の計測を行う。手順S5のノズルタッチ動作は、手順S6の計量工程を自動運転モード時に即して正確に行うために実施する。手順S7の射出速度の計測は、スクリュ23の位置を検出する位置センサの出力変化を時間で微分することにより求められる。
次いで、手順S8に移行して、計測された樹脂粘度と射出速度を図3に示した判定テーブルと対比し、計測された射出速度が、計測された樹脂粘度に対応して設定された射出速度の限界値以下であるか否か判定する。手順S8において、計測された射出速度はバックフローを生じない射出速度の限界値以下であると判定した場合(Yes)は、手順S9に進んで、自動運転を再開する。これに対して、計測された射出速度はバックフローを生じない射出速度の限界値を超えていると判定した場合(No)は、手順S10に進んで、逆流防止弁が交換時期に達している旨を表示装置に表示して、オペレータに報知する。
樹脂粘度算出部6は、射出速度が一定であるときの実測射出圧力値(センサ群13中の射出圧力計測用センサの計測値)に基づいて樹脂粘度の算出を行う。射出速度が一定であるときの実測射出圧力値は、後述する樹脂粘度計測モードのように、加熱シリンダの先端部に備えられた射出ノズルを金型装置からノズルバックした状態で、加熱シリンダ内に貯えられた溶融樹脂をフリー射出することにより求められる。また、他の方法としては、射出ノズルを金型装置にノズルタッチした状態で金型内に実際に樹脂を射出し、射出速度が一定であることが保証されているストローク範囲(あるいは時間内)における実測射出圧力値を選択することによっても求められる。
計測樹脂粘度記憶部7は、樹脂粘度算出部6が算出した樹脂粘度(計測樹脂粘度)を、樹脂材料名、樹脂材料製造メーカ名、樹脂材料品種番号、ロット番号などの入力装置11からのオペレータによる入力情報や、樹脂粘度計測時におけるバンドヒータの設定温度条件や、計測日時等々と対応付けて、適宜の格納テーブルの形式で記憶する。
バックフロー判定部5は、運転条件設定格納部2に格納された図3の判定テーブルと、測定値格納部3に格納されたスクリュ23の実測速度(射出速度)及び計測樹脂粘度記憶部7に記憶された計測樹脂粘度とを対比し、スクリュ23の実測速度が、計測樹脂粘度に相当する樹脂粘度について設定された射出速度を超えているか否かを判定する。例えば、ポリアミド樹脂を用いて射出成形を行い、計測樹脂粘度が25Pa・secであった場合には、図3の判定テーブルに記録された21〜50Pa・secに対応して設定された射出速度の限界値0.4mm/secとスクリュ23の実測速度とを対比し、スクリュ23の実測速度が例えば0.35mm/secである場合には、「バックフローなし」と判定し、スクリュ23の実測速度が例えば0.45mm/secである場合には、「バックフローあり」と判定する。バックフローありと判定された場合には、逆流防止弁が交換時期に至っている。
表示処理部8は、オペレータが入力装置11を操作することによって行われる所望表示画像の呼び出し指令に応じ、予め作成された表示画像作成・制御プロラムに基づいて、指定された表示モードの表示画像データを作成する。作成された画像データは、図示しないフレームバッファに転送されて一時記憶され、表示処理部8の指令によってこのフレームバッファの出力が表示装置12に送出されて、表示装置12の表示画面上に画像データが表示される。バックフロー判定部5によって「バックフローあり」と判定された場合、表示装置12の表示画面12aには、図5に例示するように、「バックフローが発生しています。逆流防止弁の交換時期です。」等の表示画像データが表示される。これに見ることより、オペレータは、逆流防止弁24が交換時期に至ったことを認識できるので、速やかに逆流防止弁24の交換作業に取りかかることができ、不良品の発生を防止又は最小限に抑制することができる。また、逆流防止弁24を適切なタイミングで交換できるので、無駄な交換作業の実施を回避することができ、射出成形機の稼働率を高めることができる。
以下、図4の手順S4に示した樹脂粘度計測の具体的な手法について説明する。
計量工程で加熱シリンダ内に貯えられる溶融樹脂の粘度をη(Pa・sec)、射出工程で溶融樹脂に作用する剪断応力をτ(Pa)、射出工程における溶融樹脂の剪断速度(インラインスクリュ式の射出成形機においてはスクリュの前進速度で示される射出速度に相当)をγ(sec−1)としたとき、剪断応力τは、樹脂粘度η及び剪断速度γを用いて、下記の(1)式で表される。
τ=η×γ ……(1)式
ここで、(1)式中の剪断速度γと溶融樹脂の粘度ηの間には、図6に示すような関係があることが確認されている。即ち、図6から明らかなように、剪断速度γが10〜10の範囲内にある場合には、剪断速度γの変化に伴って粘度ηも変化するが、剪断速度γが10未満の場合、及び、10を超える場合には、剪断速度γの変化の如何にかかわらず、粘度ηはほぼ一定の値を示す。したがって、剪断速度(射出速度)が10〜10の範囲内で所定の一定値を保っているときには、(1)式から溶融樹脂の粘度を算出することが可能となる。例えば、射出速度10mm/secより得られる剪断速度γは、射出成形機のサイズに関係なく、概ねγ=10〜10程度の値となって、上述した粘度の算出条件を良好に満たすものとなる。一方、射出速度100mm/secより得られる剪断速度γは、100トン以上の射出成形機ではγ=10近傍の値を示すこともあり、適切な速度設定のパラメータではなくなる。よって、本発明では、射出速度が5〜50mm/secの範囲内のある一定値を保つように制御して、上述した粘度の算出条件を良好に満たす範囲において、樹脂粘度の計測を行うようにしている。
インラインスクリュ式の射出成形機において剪断応力τ及び剪断速度γは、JIS K7199により、射出圧力をP(Pa)、ノズル孔の直径をr(mm)、ノズルのランド長をL(mm)、流量をQ(mm/sec)としたとき、下記の(2)式及び(3)式でそれぞれ表される。
τ=(P×r)/(4×L) ……(2)式
γ=(32×Q)/(π×r) ……(3)式
ここで、流量Qは、スクリュ断面積をA(mm)、射出速度(スクリュの前進速度)をV(mm/sec)とすると、
Q=A×V ……(4)式
で表されるから、スクリュの直径をDとすると、(4)式は、
Q=(π×D×V)/4 ……(5)式
で表され、(5)式を(3)式に代入すると、
γ=(8×D×V)/r ……(6)式
となる。
したがって、結局のところ、溶融樹脂の粘度ηは、
η=(r×P)/(32×L×D×V) ……(7)式
によって、求められることになる。つまり、射出速度が一定であれば、射出圧力Pを実測すれば、一定に制御する射出速度の値やメカ寸法の値は既知であるので、実測射出圧力値に基づき樹脂粘度を算出することが可能となる。
本実施形態に係る樹脂粘度の計測手法は、このような知見に基づいて構成されたものであり、計測された樹脂粘度は、樹脂材料メーカの提示する値とほぼ同等の、精度のよい値が得られることが実験によって確認された。
図7に、射出ノズル22に形成されたノズル孔の直径r、射出ノズル22のランド長L及びスクリュ23の直径Dを図示する。なお、図7に記載の符号BH1〜BH4は、加熱シリンダ21及び射出ノズル22の外周に巻装されたバンドヒータを示している。
上述したように、射出速度一定の条件を満たせば、その間の射出圧力値を測定することによって、樹脂粘度を算出することができる。しかし、金型内に溶融樹脂を射出・充填すると、金型のキャビティ形状などにより射出圧力が変動することも考えられるし、超高速の射出を行う際には、射出速度が前記した粘度の算出条件を良好に満たす範囲から外れてしまうことも考えられる。そこで、本実施形態においては、樹脂粘度の計測を行う際には、射出ノズル22を金型にタッチせず、かつ射出速度一定の条件でスクリュ23の前進速度をフィードバック制御した状態で、樹脂粘度の測定を行うようにしている。
即ち、自動運転を行う前や自動運転を中断させた際に、逆流防止弁の交換時期判定モードへの切替が指示された場合には、例えば射出ストロークの50%まで量産時の計量制御条件で計量を行わせ、計量完了後に、ノズルバック動作を行って射出速度一定の条件(但し、射出速度は5〜50mm/secの範囲内を満たすものとする)でフリー射出を行わせる。そして、この際の射出圧力値を実測し、実測された射出圧力値に基づき樹脂粘度算出部6において樹脂粘度を算出する。算出された樹脂粘度は、前記表示装置12上に適宜の形態で表示されると共に、計測樹脂粘度記憶部7に記憶する。このとき、必要に応じて、樹脂材料名、樹脂材料製造メーカ名、樹脂材料品種番号、ロット番号などの入力装置11からのオペレータによる入力情報や、樹脂粘度計測時におけるバンドヒータBH1〜BH4の設定温度条件や、計測日時等々も、計測樹脂粘度データと併せて、計測樹脂粘度記憶部7に記憶する。もし、表示された樹脂粘度が所望値から外れていた場合には(例えば、樹脂材料メーカの推奨値から外れていた場合には)、オペレータはバンドヒータBH1〜BH4の設定温度を変更して、樹脂粘度が所望範囲に収まるようにバンドヒータBH1〜BH4による加熱条件を変更する。このとき、予めケーススタディして求めておいた樹脂粘度と各バンドヒータの設定温度との関係データが、計測樹脂粘度記憶部7やシステムコントローラ1が管理する適宜のデータベースに格納されている場合には、樹脂粘度を変更するための各部のバンドヒータ温度を表示させて、各バンドヒータBH1〜BH4の設定温度の変更を促すようにすることも可能である。図8は、原料樹脂としてPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂を用い、射出速度を10mm/secに設定して射出を行った際の、各バンドヒータBH1〜BH4の設定温度と樹脂粘度との関係を示すテーブルである。このようなテーブルが予め用意されていれば、上記したような樹脂粘度を変更・補正するための各部のバンドヒータ温度を表示させることが可能となる。
このように量産運転を行う際に射出成形機で樹脂粘度を測定するようにすると、射出成形機自体で、その場で、即座に、かつ、量産時と同様の計量条件で、樹脂粘度の測定を精度よく行うことができ、非常に利便性の高いものとなる。これに対し、従来のように専用計測器を用いて樹脂粘度の測定を行うと、時間と手間がかかり、また、量産時とは異なる可塑化条件となる可能性もあって、量産時の樹脂粘度とは異なるデータとなる虞もあった。さらにまた、量産運転を行う際に射出成形機で樹脂粘度を測定するようになすと、各バンドヒータの設定温度の変更も、設定温度指示のガイダンス表示によって、簡単・容易に行わせることも可能となる。
なお、計量工程の完了時に加熱シリンダ21の先端部に貯えられる溶融樹脂の粘度は、成形運転とは関係なく、単独で計測することもできる。この場合にも、自動運転を行う前や自動運転を中断させた際の樹脂粘度の計測と同様に、例えば射出ストロークの50%まで、その樹脂材料に応じて設定される量産時と同等の計量制御条件で計量を行わせ、計量完了後に、射出速度一定の条件(ただし、射出速度は5〜50mm/secの範囲内を満たすものとする)でフリー射出を行わせ、この際の射出圧力値を実測して、これに基づき樹脂粘度を算出する。このとき、任意の複数回数だけ計量と射出を繰り返して、各射出において計測した樹脂粘度とこれを統計演算した結果とを表示すると共に、記憶する。記憶するに際しては、必要に応じて、樹脂材料名、樹脂材料製造メーカ名、樹脂材料品種番号、ロット番号などの入力装置2からのオペレータによる入力情報や、樹脂粘度計測時におけるバンドヒータの設定温度条件や計測日時等も、併せて記憶する。
このように、成形運転とは関係なく、単に樹脂の粘度を知りたい場合には、同一メーカ・同一樹脂材料のロット毎の樹脂粘度の比較や、同一樹脂材料であるも異なるメーカの樹脂粘度の比較などを、容易に行うことが可能となる。また、同一樹脂材料であるも保管状態が異なり、乾燥の度合いが違うと考えられる樹脂同士の粘度の比較も行えるので、樹脂材料の乾燥状況の把握も可能となる。さらにまた、この場合にも、量産時と同様の計量条件で、樹脂粘度の測定を精度よく行うことができ、かつ、従来のように専用計測器を用意する必要もなくなる。
また、樹脂替えを行う際に逆流防止弁の交換時期判定モードへの切替が指示された場合には、樹脂Aから樹脂Bへの樹脂替えを行う自動パージング動作を実行させておいて、この際各フリー射出の樹脂粘度を計測・監視し、予め記憶させておいた樹脂Bの粘度が計測されると、樹脂替え完了とみなして、自動パージング動作を自動的に停止させるようにすることができる。
このようにすると、従来、オペレータが射出成形機に付きっきりで、目視により樹脂替え完了を確認していた場合に比べて、オペレータにかかる負担がなくなり、また、樹脂替え完了を正確に判定できるので、樹脂替え時の樹脂量の低減を図ることも可能となる。
上述の実施形態に係る射出成形機は、オペレータの指示に応じて又は所定のタイミングで自動的に、加熱シリンダ21内に貯えられた溶融樹脂の粘度測定と、スクリュ23の前進速度の測定とを行って、逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うので、溶融樹脂の粘度に関わりなく、逆流防止弁24が交換時期に至っているか否かの判定を適切に行うことができる。
なお、上述の実施形態においては、判定テーブルに溶融樹脂の粘度と射出速度の限界値とを記憶したが、溶融樹脂の粘度に代えて、樹脂材料名を記憶することもできる。かかる構成によると、オペレータが直感的に樹脂粘度及び射出速度の限界値を認識しやすいので、逆流防止弁24の交換時期の判定をより円滑に行うことができる。
1 システムコントローラ
2 運転条件設定格納部
3 測定値格納部
4 運転プロセス制御部
5 バックフロー判定部
6 樹脂粘度算出部
7 計測樹脂粘度記憶部
8 表示処理部
11 入力装置
12 表示装置
12a 表示画面
13 センサ群
14 ドライバ群
21 加熱シリンダ
22 射出ノズル
23 スクリュ
24 逆流防止弁
31 計量用サーボモータ
32 タイミングベルト
34 射出用サーボモータ
35 タイミングベルト
36 回転→直線運動変換メカニズム
37 エンコーダ
38 ロードセル
39 エンコーダ
41 スクリュ回転数フィードバック制御部
42 速度フィードバック制御部
43 圧力フィードバック制御部
44 スイッチ部
BH1〜BH4 バンドヒータ

Claims (6)

  1. 加熱シリンダ内に回転可能かつ前後進可能に収納されたスクリュと、前記スクリュに取り付けられた逆流防止弁と、前記スクリュの駆動を制御するコントローラとを備え、前記スクリュを回転駆動して、前記加熱シリンダの先端部に所定量の溶融樹脂を貯える計量工程と、該計量工程の終了後に前記スクリュを前進駆動して、前記加熱シリンダの先端部に貯えられた溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出する射出工程とを繰り返して、所定形状の成形品を連続的に製造するインラインスクリュ式の射出成形機において、
    前記コントローラの記憶部には、前記加熱シリンダの先端部に貯えられる溶融樹脂の粘度と、当該加熱シリンダの先端部に貯えられた溶融樹脂前記加熱シリンダの内面と前記スクリュの外面との間のクリアランスが適正な射出装置を用いて所定の圧力を付与したときの、バックフローを生じない前記スクリュの前進速度の限界値との相関が記憶され、
    当該コントローラは、オペレータの指示に応じて又は予め設定した所定のタイミングで自動的に、前記加熱シリンダの先端部に貯えられた溶融樹脂の粘度測定と、射出速度の測定とを行い、これらの各測定値を前記記憶部に記憶された前記溶融樹脂の粘度及び前記スクリュの前進速度の限界値と対比して、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かを判定することを特徴とする射出成形機。
  2. 前記溶融樹脂の粘度測定は、計量動作の完了後にノズルバックを行って、前記加熱シリンダの先端部に備えられたノズルを金型から離隔し、この状態で前記スクリュを前進駆動して、前記加熱シリンダの先端部に貯えられた溶融樹脂の射出動作を行うことにより行うことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
  3. 前記射出速度の測定は、前記金型内に製品があり、かつ前記加熱シリンダの先端部に備えられたノズルを前記金型にノズルタッチした状態で実行することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の射出成形機。
  4. 前記コントローラは、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定結果を、表示装置の表示画面に表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の射出成形機。
  5. 前記コントローラは、成形品を連続的に製造するための自動運転モードの実行プログラムと、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うための検査モードの実行プログラムとを記憶部に記憶しており、前記自動運転モードの実行中にオペレータが入力装置を操作して前記検査モードへの移行を指示したとき、前記自動運転モードから前記検査モードへと移行して、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
  6. 前記コントローラは、成形品を連続的に製造するための自動運転モードの実行プログラムと、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うための検査モードの実行プログラムと、前記検査モードの実行タイミングとを記憶部に記憶しており、前記記憶部に記憶された前記検査モードの実行タイミングに至ったとき、自動的に前記自動運転モードから前記検査モードに移行して、前記逆流防止弁が交換時期に至っているか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
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