JP5147730B2 - 受信装置及び受信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のアンテナにより受信した受信信号に対して重み付け演算を行うことによって送信信号を推定する受信装置及び受信方法に関する。
複数のアンテナ及び高周波部を備える無線システム(以下、「マルチアンテナ無線システム」と言う。)の技術は、現在及び将来の大容量高速通信を実現する手段として研究開発が進められている。
特に、無線LAN(Local Area Network)の技術分野においては、マルチアンテナ無線システムの指向性制御により受信性能を向上させる最大比合成(MaximumRatio Combing:MRC)方式、或いは、通信容量を増加させる多入力多出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)方式が注目されている。
マルチアンテナ無線システムにおける高精度の伝送路等化手段、或いは、MIMO方式においては高精度の信号分離合成手段として、最小平均二乗誤差(MinimumMean Square Error:MMSE)法が知られている。
以下、MMSE法による受信信号の重み付け演算を行うためのウェイト行列の生成、及び生成したウェイト行列による受信信号の重み付け演算の概要を説明する。
まず、MMSE法では、無線通信機器は、受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定し、さらに、受信信号に含まれる雑音電力を推定する。そして、無線通信機器は、推定した各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列Hと、推定した各受信信号に含まれる雑音の雑音電力の推定値σ とを用いて、下記の式(1)の演算を行うことによってウェイト行列Wを算出する。但し、ウェイト行列Wは各アンテナに対応した信号に対しての重み係数を行列要素とする行列である。
Figure 0005147730
なお、式(1)は一般的なMMSE法におけるウェイト行列Wの演算式である。
次に、無線通信機器は、式(1)の演算の結果得られるウェイト行列Wと、受信信号を行列要素とする受信信号行列rとを用いて、下記の式(2)の演算を行うことによって信号電力対雑音電力比を最大にした送信信号を推定する。但し、式(2)において、sは送信信号又は送信信号を行列要素とする送信信号行列である。
Figure 0005147730
上記の式(1)及び式(2)から、送信信号の高精度の推定を実現するためにはウェイト行列Wの正確な生成が必要であり、ウェイト行列Wの正確な生成のためには各伝送路の伝送路特性及び雑音電力の正確な推定が必要であることが分かる。
ところが、高速大容量の伝送が求められる今後の無線通信では、今まで以上により正確な雑音電力の推定が要求されるにもかかわらず、正確な雑音電力の推定のための技術開発が殆ど行われていないのが現状である。
このような現状において、MMSE法における雑音電力の推定方法を開示した文献として、例えば、特許文献1があり、以下、その概要について説明する。
特許文献1に開示された雑音電力推定装置は、受信信号とパイロット信号との相関を計算し、伝送路毎のパイロット信号の受信電力を求める。そして、雑音電力推定装置は、パイロット信号とデータ信号の所定の電力比率を利用して、伝送路毎のパイロット信号の受信電力からマルチパス干渉成分を除去し、伝送路毎のパイロット信号の修正された受信電力を求める。
雑音電力推定装置は、複数の伝送路に関する修正された受信電力と所定の電力比率とに基づいて、受信信号に含まれるパイロット信号とデータ信号との総電力を推定し、推定された総電力を受信信号の総電力から減算することによって雑音電力の推定を行う。
また、希望信号到来前に予め干渉及び雑音に係る不要信号に関する複数の特徴量を観測しておき、希望信号到来時に予め観測しておいた不要信号に関する複数の特徴量などを用いてMMSE法による希望信号電力対不要信号電力比を最大にする方法を開示した文献として、例えば、特許文献2がある。
図26は、特許文献2に開示された無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器1000において、アンテナ1011,1015によって受信された受信信号は、可変利得増幅部1021,1025によって増幅された後、ダウンコンバータ1031,1035によってベースバンド帯の受信信号に変換される。但し、AGC部1040は、ダウンコンバータ1031,1035からの出力信号の振幅レベル或いは電力レベルが一定になるように、可変利得増幅部1021,1025の利得を制御する。
不要信号に関する特徴量の測定時(以下、「干渉測定時」と言う。)、干渉雑音推定部1060は、ベースバンド帯の受信信号に基づいて、不要信号に関する複数の特徴量を推定する。そして、干渉雑音推定部1060は、推定した各特徴量の推定値を行列要素とする共分散行列RUUCを生成し、生成した共分散行列RUUCを保持する。なお、共分散行列RUUCは、各アンテナに対応した不要信号を行列要素とする不要信号行列Uの共分散行列である。
また、干渉測定時、AGC部1040により制御された可変利得増幅部1021,1025の利得の値(以下、「干渉利得値」と言う。)が振幅補正部1070内の干渉測定時利得保持部1071に保持される。
希望信号の受信時、伝送路特性推定部1050は、ベースバンド帯の受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、伝送路毎の伝送路特性を推定し、推定した各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列Hを作成する。
また、希望信号の受信時、利得比算出部1072は、AGC部1040によって制御された可変利得増幅部1021,1025の利得の値(以下、「希望利得値」と言う。)を特定し、干渉測定時利得保持部1071に保持されている干渉利得値に対する希望利得値の比(利得比)Δgを算出する。そして、乗算部1073は利得比Δgを干渉雑音推定部1060に保持されている共分散行列RUUCに乗算し、乗算の結果得られる行列ΔgUUCをウェイト生成部1080へ出力する。
ウェイト生成部1080は、伝送路行列Hと行列ΔgUUCとを用いて、下記の式(3)を行うことによってウェイト行列Wを生成する。
Figure 0005147730
重付演算部1090は、ベースバンド帯の受信信号を行列要素とする受信信号行列rとウェイト行列Wとを乗算することによって送信信号の推定を行い、復調部1100は推定された送信信号を復調する。
特開2005−328311号公報 国際公開第2006/003776号パンフレット
しかしながら、上記の特許文献1に開示された雑音電力推定装置では、受信信号とパイロット信号との相関演算を行うための相関回路が必要であり、一般に相関回路の回路規模は大きいことから回路規模の増大が懸念される。
また、受信されるパイロット信号にも雑音成分が含まれることから、推定される雑音電力は本来の雑音電力に対して誤差を含むと考えられる。上述したように正確なウェイト行列Wの生成には正確な雑音電力の推定が必要であることから、雑音電力推定装置では正確なウェイト行列Wの生成ができず、高精度の送信信号の推定が行えない。
上記の特許文献2に開示された無線通信機器1000は、干渉測定時、実際に受信されるベースバンド帯の受信信号を用いて不要信号に関する複数の特徴量を推定する。このため、干渉測定時に推定された複数の特徴量の推定値(共分散行列RUUCの行列要素)のうちの雑音の雑音電力は実際に受信されるベースバンド帯の受信信号に含まれる雑音の雑音電力に一致している。
無線通信機器は、希望信号の受信時、干渉測定時に推定された各特徴量の推定値を利得比Δgに基づいて振幅補正する。
ところが、高周波部(可変利得増幅部1021,1025とダウンコンバータ1031,1035とを含む。)において発生する雑音が存在し、当該雑音の雑音電力は可変利得増幅部1021,1025の利得の値に対して線形に変化しない。このため、複数の特徴量の推定値を振幅補正した結果得られる振幅補正特徴量のうちの雑音の雑音電力は、希望信号の受信時のベースバンド帯の受信信号に実際に含まれている雑音の雑音電力に対して誤差を含むことになる。
さらに、振幅補正特徴量のうちの雑音の雑音電力が誤差を含むことについて記述する。
干渉測定時、無線通信機器1000に干渉信号が到来している場合には干渉信号の到来電力を基にAGC部1040が作動し、干渉信号が到来していない場合には可変利得増幅部1021,1025の利得が最大利得になるようにAGC部1040が作動する。このとき、干渉測定時に推定された複数の特徴量の推定値(共分散行列RUUCの行列要素)のうちの高周波部で発生する雑音の雑音電力は干渉信号の有無とは関係なく実際に高周波部で発生する雑音の雑音電力に一致する。
希望信号の受信時、希望信号の到来電力を基にAGC部1040が作動し、振幅補正部1070は、干渉測定時に推定された複数の特徴量の推定値を利得比Δgに基づいて振幅補正する。
ところが、高周波部で発生する雑音の雑音電力は可変利得増幅部1021,1025によって増幅されるものではないにもかかわらず、高周波部で発生する雑音の雑音電力も利得比Δgで振幅補正されてしまう。
このため、振幅補正特徴量のうちの高周波部で発生する雑音の雑音電力は、希望信号の受信時に高周波部で発生する雑音の雑音電力に対して誤差を含むことになる。
さらに、振幅補正特徴量のうちの雑音の雑音電力が誤差を含むことについて式を用いて記述する。
干渉測定時の共分散行列RUUCを、干渉信号とアンテナ1011,1015の熱雑音とに関する成分を行列要素とする共分散行列RHCと、高周波部で発生する雑音の平均雑音電力nとに分けた場合、共分散行列RUUCは下記の式(4)のように表すことができる。
Figure 0005147730
式(4)を式(3)に代入して変形すると、下記の式(5)が得られる。
Figure 0005147730
上記の式(5)において、高周波部で発生する雑音の雑音電力nは、可変利得増幅部1021,1025によって増幅されないにもかかわらず、ウェイト行列Wでは利得比Δgに基づいて振幅補正されたものになっている。このことから、高周波部で発生する雑音の雑音電力nはウェイト行列Wの誤差の発生要因になることが分かる。
なお、下記の式(6)がMMSE法による最適なウェイト行列Wである。
Figure 0005147730
上述したように、無線通信機器1000では、ウェイト行列Wに誤差が含まれることから高精度の送信信号の推定が行えない。
また、式(5)において、利得比Δgの値が小さい場合には実際の有限精度の範囲を超えてしまい、利得比Δgは零として取り扱われる。これによって、行列ΔgHC+ΔgIの各行列要素が零となる。MMSE法では、不要信号の成分が零となるときにウェイト行列Wの算出等の演算に破綻をきたす。
これらのことから、無線通信機器1000では、希望信号の電力レベルと不要信号の電力レベルとに大きな差が有る場合に、MMSE演算に破綻をきたしてしまう。
そこで、本発明は、受信信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成する際に用いられる雑音の雑音量の推定精度を簡易な構成で向上させることが可能な受信装置及び受信方法を提供することを目的とする。又は、本発明は、ウェイト行列を生成する際に用いる不要信号に関する特徴量のうちの雑音の雑音量の補正精度を向上させることが可能な受信装置及び受信方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の受信装置は、複数のアンテナと、複数のアンテナによって受信される受信信号の増幅を含む所定の処理を行う高周波部と、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号が所定条件を満たすように前記高周波部の利得を制御する利得制御部と、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、前記利得制御部によって制御された前記高周波部の利得の値である制御利得値に基づいて、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を推定する雑音推定部と、前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果と前記雑音推定部による雑音量の推定結果とに基づいて、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成するウェイト生成部と、前記ウェイト生成部によって生成されるウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う重付演算部と、を備える。
また、本発明の受信方法は、複数のアンテナと、複数のアンテナによって受信される受信信号の増幅を含む所定の処理を行う高周波部と、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号が所定条件を満たすように前記高周波部の利得を制御する利得制御部と、を有する受信装置において行われる、ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う受信方法において、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性ステップと、前記利得制御部によって制御された前記高周波部の利得の値である制御利得値に基づいて、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を推定する雑音推定ステップと、前記伝送路特性推定ステップにおける伝送路特性の推定結果と前記雑音推定ステップにおける雑音量の推定結果とに基づいて、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成するウェイト生成ステップと、前記ウェイト生成ステップにおいて生成されるウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う重付演算ステップと、を有する。
上記受信装置及び受信方法の夫々によれば、高周波部の利得の値に基づいて高周波部から出力される複数の受信処理信号に含まれる雑音の雑音量を推定するため、高周波部の利得の値に応じて変化する受信処理信号に含まれる雑音の雑音量を簡易な構成で正確に推定することができる。この結果、受信処理信号の重み付け演算に用いるウェイトを正確に生成でき、送信信号の推定精度を簡易な構成で向上させることができる。
上記の受信装置において、前記雑音推定部は、前記高周波部の利得の値と前記高周波部から出力される受信処理信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を記憶する雑音量情報記憶部と、前記雑音量情報記憶部に記憶されている雑音量情報を参照して、前記高周波部から出力される受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を前記制御利得値に基づいて推定する雑音量推定部と、を備えるようにしてもよい。
これによれば、雑音の雑音量の推定に高周波部の利得の値と高周波部から出力される受信処理信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を用いるため、簡易な構成で高精度の雑音の雑音量の推定が可能になる。
上記の受信装置において、前記ウェイト生成部は、前記ウェイトとして、前記重み付け演算のうちの位相に関する重み付け演算を行うための位相ウェイトと、前記重み付け演算のうちの振幅に関する演算を行うための振幅補正値とを生成し、前記重付演算部は、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値を表す符号列の最上位ビットを検出するビット検出部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値をビットシフトする振幅補正値ビットシフト部と、前記ウェイト生成部によって生成される位相ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の位相に関する重み付け演算を行う位相重付演算部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記位相重付演算部による位相に関する重み付け演算の結果得られる位相重付信号をビットシフトする位相重付信号ビットシフト部と、前記位相重付信号ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効位相重付信号を、前記振幅補正値ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正する信号振幅補正部と、を備えるようにしてもよい。
有効振幅補正値は振幅補正値をビットシフトして当該振幅補正値の有効数字を抽出したものであり、有効位相重付信号は位相重付信号をビットシフトして当該位相重付信号の有効数字を抽出したものである。
このことから、有効振幅補正値は振幅補正値と同じ情報を持つが演算のためのビット数は振幅補正値より少なく、有効位相重付信号は位相重付信号と同じ情報を持つが演算のためのビット数は位相重付信号より少なくなっている。
上記の受信装置によれば、高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算に有効位相重付信号と有効振幅補正値とが用いられているため、当該重み付け演算の演算回数、特に、乗除算回数を減少させることができる。
上記の受信装置において、前記ウェイト生成部は、前記ウェイトとして、前記重み付け演算のうちの位相に関する重み付け演算を行うための位相ウェイトと、前記重み付け演算のうちの振幅に関する演算を行うための振幅補正値とを生成し、前記重付演算部は、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値を表す符号列の最上位ビットを検出するビット検出部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される位相ウェイトをビットシフトする位相ウェイトビットシフト部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値をビットシフトする振幅補正値ビットシフト部と、前記位相ウェイトビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効位相ウェイトを前記振幅補正値ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正するウェイト振幅補正部と、前記ウェイト振幅補正部による補正の結果得られる有効ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う有効重付演算部と、を備えるようにしてもよい。
有効振幅補正値は振幅補正値をビットシフトして当該振幅補正値の有効数字を抽出したものであり、有効位相ウェイトは位相ウェイトをビットシフトして当該位相ウェイトの有効数字を抽出したものである。
このことから、有効振幅補正値は振幅補正値と同じ情報を持つが演算のためのビット数は振幅補正値より少なく、有効位相ウェイトは位相ウェイトと同じ情報を持つが演算のためのビット数は位相ウェイトより少なくなっている。
上記の受信装置によれば、高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算に有効位相ウェイトと有効振幅補正値とが用いられているため、当該重み付け演算の演算回数、特に、乗除算回数を減少させることができる。
本発明の受信装置は、複数のアンテナと、複数のアンテナによって受信される受信信号の増幅を含む所定の処理を行う高周波部と、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号が所定条件を満たすように前記高周波部の利得を制御する利得制御部と、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に基づいて、前記複数の受信処理信号が含む干渉及び雑音に係る複数の不要信号の干渉雑音量を推定する干渉雑音推定部と、前記干渉雑音推定部によって推定される前記不要信号の干渉雑音量の推定値の夫々を、前記不要信号の干渉雑音量の推定時の前記高周波部の利得の値である第1制御利得値に対する希望信号の受信時の前記高周波部の利得の値である第2制御利得値の利得比に基づいて補正する振幅補正部と、前記振幅補正部による補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に関する雑音量を前記第2制御利得値に基づいて補正する雑音量補正部と、前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果と前記雑音量補正部による補正結果とに基づいて、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成するウェイト生成部と、前記ウェイト生成部によって生成されるウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う重付演算部と、を備える。
また、本発明の受信方法は、複数のアンテナと、複数のアンテナによって受信される受信信号の増幅を含む所定の処理を行う高周波部と、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号が所定条件を満たすように前記高周波部の利得を制御する利得制御部と、を有する受信装置において行われる、ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う受信方法において、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性ステップと、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に基づいて、前記複数の受信処理信号が含む干渉及び雑音に係る複数の不要信号の干渉雑音量を推定する干渉雑音推定ステップと、前記干渉雑音推定ステップにおいて推定される前記不要信号の干渉雑音量の推定値の夫々を、前記不要信号の干渉雑音量の推定時の前記高周波部の利得の値である第1制御利得値に対する希望信号の受信時の前記高周波部の利得の値である第2制御利得値の利得比に基づいて補正する振幅補正ステップと、前記振幅補正ステップにおける補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に関する雑音量を前記第2制御利得値に基づいて補正する雑音量補正ステップと、前記伝送路特性推定ステップにおける伝送路特性の推定結果と前記雑音量補正ステップにおける補正結果とに基づいて、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成するウェイト生成ステップと、前記ウェイト生成ステップにおいて生成されるウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う重付演算ステップと、を有する。
上記の受信装置及び受信方法の夫々によれば、不要信号の干渉雑音量の推定値を第1制御利得値に対する第2制御利得値の利得比に基づいて補正した後、さらに、補正の結果得られた振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に関する雑音量を希望信号の受信時の第2制御利得値に基づいて補正する。このため、上記の受信装置及び受信方法の夫々では、受信処理信号の重み付け演算に用いるウェイトの生成に用いる不要信号の干渉雑音量の補正を正確に行うことが可能になる。この結果、上記の受信装置及び受信方法の夫々によれば、ウェイトを正確に生成でき、送信信号の推定精度の向上が図られる。
上記の受信装置において、前記雑音量補正部は、前記高周波部の利得の値と前記高周波部から出力される受信処理信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を記憶する雑音量情報記憶部と、前記雑音量情報記憶部に記憶されている雑音量情報を参照して、前記高周波部から出力される受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を前記第2制御利得値に基づいて推定する雑音量推定部と、前記振幅補正部による補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量に前記雑音量推定部によって推定される雑音量の推定値を加算する加算部と、を備えるようにしてもよい。
これによれば、振幅補正干渉雑音量の補正に高周波部の利得の値と高周波部から出力される受信処理信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を用いるため、振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に係る雑音量の補正を簡易な構成で高精度に行うことが可能になる。
上記の受信装置において、前記雑音量補正部は、前記振幅補正部による補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量に対して、当該振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に関する雑音量を前記第1制御利得値と前記第2制御利得値とに基づいて抑圧し、所定の方法に従って決定される雑音の雑音量を付加するようにしてもよい。
これによれば、振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に係る雑音量の補正を、振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に係る雑音量を抑圧し、所定の方法に従って決定される雑音の雑音量を付加することによって行うため、振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に係る雑音量の補正を正確に行うことが可能になる。
上記の受信装置において、前記雑音量補正部は、前記夫々の振幅補正干渉雑音量に対して、前記所定の方法に従って決定される雑音の雑音量の加算を行い、当該雑音の雑音量に前記利得比を乗算した値の減算を行うようにしてもよい。
上記の受信装置において、前記雑音量補正部は、定数1から前記利得比を減算する減算部と、前記所定の方法に従って決定される雑音の雑音量に前記減算部による減算の結果得られる値を乗算する乗算部と、前記振幅補正部による補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量に前記乗算部による乗算値を加算する加算部と、を備えるようにしてもよい。
上記の受信装置において、前記所定の方法に従って決定される雑音の雑音量は前記高周波部において発生する平均的な雑音の雑音量であってもよい。
これらによれば、振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に係る雑音量の補正を正確に行うことができるとともに、ウェイトの生成に用いる不要信号の成分が零になることがなくなって、MMSE演算に破綻をきたすことを回避できる。
上記の受信装置において、前記雑音量補正部は、前記高周波部の利得の値と前記高周波部から出力される受信処理信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を記憶する雑音量情報記憶部と、前記雑音量情報記憶部に記憶されている雑音量情報を参照して、前記不要信号の干渉雑音量の推定時の前記高周波部から出力される受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を前記第1制御利得値に基づいて推定し、推定した雑音量の推定値を前記利得比に基づいて補正する第1補正部と、前記雑音量情報記憶部に記憶されている雑音量情報を参照して、希望信号の受信時の前記高周波部から出力される受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を前記第2制御利得値に基づいて推定する推定部と、前記振幅補正部による補正の結果得られる振幅補正干渉雑音量の夫々に対して、前記第1補正部による補正の結果得られる補正雑音量の減算を行い、前記推定部によって推定される雑音量の推定値の加算を行う第2補正部と、を備えるようにしてもよい。
これによれば、振幅補正干渉雑音量の補正に高周波部の利得の値と高周波部から出力される受信処理信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を用いるため、振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に係る雑音量の補正を簡易な構成で高精度に行うことが可能になる。
上記の受信装置において、前記干渉雑音推定部は、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号が含む不要信号の干渉雑音量の推定に加え、複数の受信処理信号の各々と当該複数の受信処理信号のうちの他の受信処理信号の各々との相関量の推定を行い、前記振幅補正部は、前記利得比に基づく前記干渉雑音量の推定値の補正に加え、前記利得比に基づいて前記干渉雑音推定部によって推定される相関量の夫々を補正し、前記受信装置は、記干渉雑音推定部による推定の結果得られる干渉雑音量及び相関量、又は、前記振幅補正部による相関量の補正の結果得られる振幅補正相関量及び前記雑音量補正部による補正の結果得られる雑音補正干渉雑音量が、所定の誤差許容条件を満足するかを判定する誤差判定部を更に備え、前記ウェイト生成部は、前記誤差判定部の判定が肯定的である場合に前記ウェイトを生成し、前記誤差判定部の判定が否定的である場合に前記ウェイトの生成とは異なる方法によって前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果に基づいて他のウェイトを生成し、前記重付演算部は、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を、前記ウェイト生成部によって生成される前記ウェイト又は前記他のウェイトに基づいて行うようにしてもよい。
上記の受信装置において、前記誤差判定部は、前記判定を、前記干渉雑音量を対角成分とし、前記相関量を非対角成分とする第1行列の行列式、又は、前記雑音補正干渉雑音量を対角成分とし、前記振幅補正相関量を非対角成分とする第2行列の行列式に基づいて行うようにしてもよい。
上記の受信装置において、前記誤差許容条件は、前記第1行列の行列式の値、又は、前記第2行列の行列式の値が0以上の値であるとしてもよい。
これによれば、ウェイトに基づく複数の受信処理信号の重み付け演算によって算出される送信信号の推定精度が劣化することが想定される場合であっても、他のウェイトに基づく複数の受信処理信号の重み付け演算によって送信信号の推定を行うため、送信信号の推定精度の劣化を防ぐことが可能になる。
上記の受信装置において、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号を複数の周波数帯域に分離するサブバンド分離部を更に備えるようにしてもよい。
これによれば、高周波部から出力される複数の受信処理信号を複数の周波数領域(サブバンド)に分離するサブバンド分離部を有しているので、OFDM(OrthogonalFrequency Division Multiplexing)などのマルチキャリア方式に容易に適用することが可能になる。
上記の受信装置において、前記ウェイト生成部は、前記ウェイトとして、前記重み付け演算のうちの位相に関する重み付け演算を行うための位相ウェイトと、前記重み付け演算のうちの振幅に関する演算を行うための振幅補正値とを生成し、前記重付演算部は、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値を表す符号列の最上位ビットを検出するビット検出部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値をビットシフトする振幅補正値ビットシフト部と、前記ウェイト生成部によって生成される位相ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の位相に関する重み付け演算を行う位相重付演算部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記位相重付演算部による位相に関する重み付け演算の結果得られる位相重付信号をビットシフトする位相重付信号ビットシフト部と、前記位相重付信号ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効位相重付信号を、前記振幅補正値ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正する信号振幅補正部と、を備えるようにしてもよい。
有効振幅補正値は振幅補正値をビットシフトして当該振幅補正値の有効数字を抽出したものであり、有効位相重付信号は位相重付信号をビットシフトして当該位相重付信号の有効数字を抽出したものである。
このことから、有効振幅補正値は振幅補正値と同じ情報を持つが演算のためのビット数は振幅補正値より少なく、有効位相重付信号は位相重付信号と同じ情報を持つが演算のためのビット数は位相重付信号より少なくなっている。
上記の受信装置によれば、高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算に有効位相重付信号と有効振幅補正値とが用いられているため、当該重み付け演算の演算回数、特に、乗除算回数を減少させることができる。
上記の受信装置において、前記ウェイト生成部は、前記ウェイトとして、前記重み付け演算のうちの位相に関する重み付け演算を行うための位相ウェイトと、前記重み付け演算のうちの振幅に関する演算を行うための振幅補正値とを生成し、前記重付演算部は、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値を表す符号列の最上位ビットを検出するビット検出部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される位相ウェイトをビットシフトする位相ウェイトビットシフト部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値をビットシフトする振幅補正値ビットシフト部と、前記位相ウェイトビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効位相ウェイトを前記振幅補正値ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正するウェイト振幅補正部と、前記ウェイト振幅補正部による補正の結果得られる有効ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う有効重付演算部と、を備えるようにしてもよい。
有効振幅補正値は振幅補正値をビットシフトして当該振幅補正値の有効数字を抽出したものであり、有効位相ウェイトは位相ウェイトをビットシフトして当該位相ウェイトの有効数字を抽出したものである。
このことから、有効振幅補正値は振幅補正値と同じ情報を持つが演算のためのビット数は振幅補正値より少なく、有効位相ウェイトは位相ウェイトと同じ情報を持つが演算のためのビット数は位相ウェイトより少なくなっている。
上記の受信装置によれば、高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算に有効位相ウェイトと有効振幅補正値とが用いられているため、当該重み付け演算の演算回数、特に、乗除算回数を減少させることができる。
本発明の受信装置は、複数のアンテナと、前記複数のアンテナによって受信される受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、前記複数のアンテナによって受信される受信信号が含む干渉及び雑音に係る不要信号に関する複数の特徴量を推定する不要信号推定部と、前記不要信号推定部によって推定される複数の特徴量が所定の誤差許容条件を満たすかを判定する誤差判定部と、前記受信信号の重み付け演算を行うためのウェイトの生成を、前記誤差判定部による判定結果に基づいて、前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果と前記不要信号推定部による推定結果とに基づいて行う第1生成処理と、前記ウェイトの生成とは異なる方法によって、前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果に基づいて行う第2生成処理とを切り替えて行うウェイト生成部と、前記ウェイト生成部によって生成されるウェイトに基づいて前記複数のアンテナによって受信される受信信号の重み付け演算を行う重付演算部と、を備える。
これによれば、ウェイトに基づく複数の受信処理信号の重み付け演算によって算出される送信信号の推定精度が劣化することが想定される場合であっても、他のウェイトに基づく複数の受信処理信号の重み付け演算によって送信信号の推定を行うため、送信信号の推定精度の劣化を防ぐことが可能になる。
本発明の受信装置は、複数のアンテナと、前記複数のアンテナによって受信される受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、前記複数のアンテナによって受信される受信信号の重み付け演算を行うためのウェイトとして、前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果に基づいて、前記重み付け演算のうちの位相に関する重み付け演算を行うための位相ウェイトと、前記重み付け演算のうちの振幅に関する演算を行うための振幅補正値とを生成するウェイト生成部と、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値を表す符号列の最上位ビットを検出するビット検出部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値をビットシフトする振幅補正値ビットシフト部と、前記ウェイト生成部によって生成される位相ウェイトに基づいて前記複数のアンテナによって受信される受信信号の位相に関する重み付け演算を行う位相重付演算部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記位相重付演算部による位相に関する重み付け演算の結果得られる位相重付信号をビットシフトする位相重付信号ビットシフト部と、前記位相重付信号ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効位相重付信号を、前記振幅補正値ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正する信号振幅補正部と、を備える。
有効振幅補正値は振幅補正値をビットシフトして当該振幅補正値の有効数字を抽出したものであり、有効位相重付信号は位相重付信号をビットシフトして当該位相重付信号の有効数字を抽出したものである。
このことから、有効振幅補正値は振幅補正値と同じ情報を持つが演算のためのビット数は振幅補正値より少なく、有効位相重付信号は位相重付信号と同じ情報を持つが演算のためのビット数は位相重付信号より少なくなっている。
上記の受信装置によれば、複数の受信信号の重み付け演算に有効位相重付信号と有効振幅補正値とが用いられているため、当該重み付け演算の演算回数、特に、乗除算回数を減少させることができる。
本発明の受信装置は、複数のアンテナと、前記複数のアンテナによって受信される受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、前記複数のアンテナによって受信される受信信号の重み付け演算を行うためのウェイトとして、前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果に基づいて、前記重み付け演算のうちの位相に関する重み付け演算を行うための位相ウェイトと、前記重み付け演算のうちの振幅に関する演算を行うための振幅補正値とを生成するウェイト生成部と、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値を表す符号列の最上位ビットを検出するビット検出部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される位相ウェイトをビットシフトする位相ウェイトビットシフト部と、前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値をビットシフトする振幅補正値ビットシフト部と、前記位相ウェイトビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効位相ウェイトを前記振幅補正値ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正するウェイト振幅補正部と、前記ウェイト振幅補正部による補正の結果得られる有効ウェイトに基づいて前記複数のアンテナによって受信される受信信号の重み付け演算を行う有効重付演算部と、を備える。
有効振幅補正値は振幅補正値をビットシフトして当該振幅補正値の有効数字を抽出したものであり、有効位相ウェイトは位相ウェイトをビットシフトして当該位相ウェイトの有効数字を抽出したものである。
このことから、有効振幅補正値は振幅補正値と同じ情報を持つが演算のためのビット数は振幅補正値より少なく、有効位相ウェイトは位相ウェイトと同じ情報を持つが演算のためのビット数は位相ウェイトより少なくなっている。
上記の受信装置によれば、高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算に有効位相ウェイトと有効振幅補正値とが用いられているため、当該重み付け演算の演算回数、特に、乗除算回数を減少させることができる。
≪第1の実施の形態≫
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<無線通信システム>
本実施の形態の無線通信機器を含む無線通信システムについて図1を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態の無線通信機器を含む無線通信システムのシステム構成図である。
無線通信システムには、複数の無線通信機器(図1では、2台の無線通信機器1,2のみ図示)が含まれる。
無線通信機器1は2本のアンテナT1,T2を備え、無線通信機器2は2本のアンテナR1,R2を備える。なお、無線通信機器1,2が備えるアンテナの本数は2本に限られるものではなく、3本以上であっても良い。
例えば、無線通信機器1から無線通信機器2へ2本のストリームST1,ST2のMIMO伝送が行われる。
無線通信機器1は、アンテナT1からストリームST1の送信信号を、アンテナT2からストリームST2の送信信号を送信する。送信された夫々の送信信号は、空間伝送路を伝搬して無線通信機器2のアンテナR1及びアンテナR2の夫々によって受信される。
無線通信機器2は、所定の処理によって得られるベースバンド帯の受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定し、さらに、ベースバンド帯の受信信号に含まれる雑音の雑音電力を推定する。無線通信機器2は、推定した伝送路特性の推定値h11〜h22を行列要素とする伝送路行列Hと推定した雑音の雑音電力の推定値σとに基づいてウェイト行列Wを生成し、生成したウェイト行列Wに基づいてベースバンド帯の受信信号の重み付け演算を行う。
なお、パイロット信号とは、送受信側の双方で信号波形が既知の信号であって伝送路特性の推定などのために用いられる信号を意味する。例えば、IEEE802.11の場合、ロングトレーニングシンボルがパイロット信号に該当する。
以下、本発明はウェイト行列Wを用いた受信信号の重み付け演算に関するものであることから、本実施の形態及び後述する実施の形態では無線通信機器1,2の受信側の機能についてのみ説明する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図2を参照しつつ説明する。図2は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器1,2などの無線通信機器10は、電波を受信するアンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、雑音推定部160と、ウェイト生成部170と、重付演算部180と、復調部190とを備える。
なお、本実施の形態及び後述する実施の形態において、受信系統(アンテナと可変利得増幅部とダウンコンバータとを含むブロック、図15の場合は更にサブバンド分離部を含むブロック)の数が2つである場合を図示するが、受信系統の数は3つ以上であってもよい。
(可変利得増幅部121,125)
可変利得増幅部121は、アンテナ111から入力される受信信号を利得の値に応じて増幅し、増幅の結果得られた信号(以下、「増幅信号」と言う。)をダウンコンバータ131へ出力する。
可変利得増幅部125は、アンテナ115から入力される受信信号を利得の値に応じて増幅し、増幅の結果得られた増幅信号をダウンコンバータ135へ出力する。
但し、可変利得増幅部121,125の利得の値は、AGC部140により制御される。
(ダウンコンバータ131,135)
ダウンコンバータ131は、可変利得増幅部121から入力される高周波帯の増幅信号をベースバンド帯のデジタル信号(以下、「BB信号」と言う。)へダウンコンバートし、BB信号をAGC部140と伝送路特性推定部150と重付演算部180とへ出力する。
ダウンコンバータ135は、可変利得増幅部125から入力される高周波帯の増幅信号をベースバンド帯のデジタル信号(BB信号)へダウンコンバートし、BB信号をAGC部140と伝送路特性推定部150と重付演算部180とへ出力する。
なお、可変利得増幅部121,125とダウンコンバート131,135とを含むブロックが無線通信機器10の高周波部に該当する。
(AGC部140)
AGC(Automatic Gain Control)部140は、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に基づいてBB信号の電力を計算し、計算結果に基づいてBB信号の振幅或いは電力が一定の振幅或いは一定の電力になるように、可変利得増幅部121,125の利得の値を計算する。そして、AGC部140は、計算の結果算出された利得の値を示す利得制御信号を可変利得増幅部121,125へ出力し、当該利得制御信号を雑音推定部160の後述する雑音量推定部162へ出力する。
ここで、一定の振幅或いは一定の電力とは、ダウンコンバータ131,135がアナログ信号を有限精度のデジタル信号に変換する際に、オーバフローを回避した上で十分な量子化精度を確保できる振幅レベル或いは電力レベルであることを意味する。
但し、AGC部140は、下記に述べる所定の第1期間の間、可変利得増幅部121,125の利得の値を希望信号の到来が検出された時点の利得の値に固定する。
ここで、希望信号とは、パケット信号の先頭にプリアンブル信号が付加され、パケット信号の到来を検出することが可能な信号を意味する。プリアンブル信号とは、送受信側の双方で信号波形が既知の信号であってパケット信号の到来の検出及び可変利得増幅部121,125の利得の調整などのために用いられる信号を意味する。例えば、IEEE802.11の場合、ショートトレーニングシンボルがプリアンブル信号に該当する。なお、希望信号の到来の検出は、プリアンブル信号に基づいて行われる。
また、上記の第1期間は、(1)希望信号が自機器宛の希望信号でなければ、希望信号の到来を検出してから自機器宛の希望信号でないと判定されるまでの期間、(2)希望信号が自機器宛の希望信号であれば、希望信号の到来を検出してから希望信号が到来しなくなるまでの期間である。
なお、AGC部140は可変利得制御部121,125から出力される増幅信号の振幅或いは電力が一定の振幅或いは一定の電力になるように、可変利得増幅部121,125の利得を制御してもよい。
(伝送路特性推定部150)
伝送路特性推定部150は、希望信号に含まれているパイロット信号を受信している期間に、ダウンコンバータ131,135から入力されるBB信号の各々に含まれる1以上のパイロット信号の各々と、当該パイロット信号に対応する送信側のパイロット信号(受信側で既知の信号波形)との相関演算を行うことによって伝送路毎の伝送路特性を推定する。そして、伝送路特性推定部150は、推定の結果得られる各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列Hを作成し、作成した伝送路行列Hをウェイト生成部170へ出力する。
(雑音推定部160)
雑音推定部160は、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音電力(雑音量)を推定するものであり、雑音量情報記憶部161と雑音量推定部162とを備える。
[雑音量情報記憶部161]
雑音量情報記憶部161は、可変利得増幅部121,125の利得の値とダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を記憶するための例えば半導体メモリである。
「雑音量情報の概要」
ここで、雑音量情報記憶部161が記憶する雑音量情報について図3を参照しつつ説明する。図3は雑音量情報記憶部161に記憶される雑音量情報を説明するための図である。但し、図3(a),(b)における縦軸及び横軸はともに対数(デシベル)表示である。
図3(a)は、一般的な無線通信モジュールに使用される可変利得増幅部121,125を用いてAGC部140による可変利得増幅部121,125の利得制御を行った場合のBB信号のCN比(Carrierto Noise ratio)特性を示している。
但し、図3(a)の横軸は可変利得増幅部121,125に入力される入力信号の信号レベル(或いは、可変利得増幅部121,125の利得の値)を示す。図3(a)の縦軸はダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音電力(雑音量)に対する当該BB信号に含まれる信号の信号電力(信号量)のCN比を示す。
一般に、入力信号の信号レベルが小さくなるにつれて、AGC部140による利得制御により可変利得増幅部121,125の利得の値は大きくなっていく。可変利得増幅部121,125の利得の値が大きくなれば、それに伴い雑音の雑音量は大きく増幅されてCN比が小さくなっていく。従って、図3(a)に示すように、入力信号の信号レベルが小さくなるにつれ、言い換えると、可変利得増幅部121,125の利得の値が大きくなるにつれ、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号のCN比は小さくなっていく。
入力信号の信号レベルが大きくなるにつれて、AGC部140による利得制御により可変利得増幅部121,125の利得の値は小さくなっていく。可変利得増幅部121,125の利得の値が小さくなれば、それに伴い可変利得増幅部121,125から出力される雑音の雑音量も小さくなっていくため、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号のCN比は相対的に大きくなっていく。従って、図3(a)に示すように、入力信号の信号レベルが大きくなるにつれ、言い換えると、可変利得増幅部121,125の利得の値が小さくなるにつれ、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号のCN比は大きくなっていく。
但し、図3(a)に示すように、入力信号の信号レベルが所定レベルを超えると、信号レベルが大きくなっていっても、言い換えると、可変利得増幅部121,125の利得の値が小さくなっていってもダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号のCN比は殆ど大きくならない。
これは、可変利得増幅部121,125に入力される入力信号に含まれる雑音の雑音量よりも、可変利得増幅部121,125及びダウンコンバータ131,135において発生する雑音の雑音量の方が支配的になるためである。
図3(b)は、一般的な無線通信モジュールに使用される可変利得増幅部111,115を用いてAGC部140による可変利得増幅部121,125の利得制御を行った場合のBB信号の雑音量特性を示している。
但し、図3(b)の横軸は可変利得増幅部121,125に入力される入力信号の信号レベル(或いは、可変利得増幅部121,125の利得の値)を示す。図3(b)の縦軸はダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量を示す。なお、図3(b)に示す雑音量特性は、図3(a)に示すCN比特性に基づいて得られるものである。
図3(b)に示すように、入力信号の信号レベルが大きくなるにつれて、言い換えると、可変利得増幅部121,125の利得の値が小さくなるにつれて、BB信号に含まれる雑音の雑音量は小さくなっていく。
但し、入力信号の信号レベルが所定レベルを超えると、信号レベルが大きくなっていっても、言い換えると、可変利得増幅部121,125の利得の値が小さくなっていってもダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量は殆ど小さくならない。
雑音量情報記憶部161は、図3(b)に示す雑音量特性に基づいて作成される、可変利得増幅部121,125の利得の値とダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示した雑音量情報を記憶する。
なお、雑音量情報記憶部161に記憶される雑音量情報は、無線通信機器10が実際に備える可変利得増幅部121,125とダウンコンバータ131,135とを含む高周波部のCN比特性を考慮して作成されることが好ましい。
[雑音量推定部162]
雑音量推定部162は、希望信号の受信時(上記の第1期間が該当する。)、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて可変利得増幅部121,125の利得の値(以下、「制御利得値」と言う。)を特定する。続いて、雑音量推定部162は、雑音量情報記憶部161に記憶されている雑音量情報を参照して、特定した制御利得値に対応した雑音の雑音量(希望信号の受信時にダウンコンバータ131,135から出力されBB信号に含まれる雑音の雑音量)を推定し、推定した雑音量の推定値σをウェイト生成部170へ出力する。
上述した雑音推定部160は、希望信号の受信時におけるBB信号に含まれる雑音の雑音量の推定に、図3を用いて説明した可変利得増幅部121,125などの特性を考慮して作成される雑音量情報を用いている。このため、雑音推定部160は希望信号の受信時におけるBB信号に含まれる雑音の雑音量の推定を正確に行うことができる。
(ウェイト生成部170)
ウェイト生成部170は、希望信号の受信時、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hと雑音量推定部162から入力される雑音量の推定値σとを用いて、下記の式(7)の演算を行うことによってウェイト行列Wを生成する。そして、ウェイト生成部170は、生成したウェイト行列Wを重付演算部180へ出力する。
Figure 0005147730
(重付演算部180)
重付演算部180は、ウェイト生成部170から入力されるウェイト行列Wとダウンコンバータ131,135から入力されるBB信号を行列要素とする受信信号行列rとを乗算し、乗算の結果得られる送信信号を復調部190へ出力する。
但し、重付演算部180は、送信信号が単一のストリーム信号の場合には、雑音量を考量したMRCとして動作する。また、重付演算部180は、MIMOシステムなどの送信信号が複数のストリーム信号である場合には、伝送途中で合成された送信信号について雑音量を考慮して分離と合成を施すストリーム分離として動作する。
(復調部190)
復調部190は、重付演算部180から入力される送信信号を復調し、復調の結果得られる復調信号を後段の回路部へ出力する。
<無線通信機器の動作>
図2の無線通信機器10の受信動作の概要を説明する。
無線通信機器10において、アンテナ111,115によって受信された受信信号は、可変利得増幅部121,125によって増幅された後、ダウンコンバータ131,135によってダウンコンバートされる。但し、AGC部140は、ダウンコンバータ131,135からの出力信号の振幅レベル或いは電力レベルが一定になるように、可変利得増幅部121,125の利得を制御する。
無線通信機器10の図示していない信号検出部によって希望信号の到来が検出されると、AGC部140は可変利得増幅部121,125の利得の値を希望信号の到来の検出時の値に個定する。
伝送路特性推定部150は、ダウンコンバータ131,135から出力されているBB信号に含まれているパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定し、推定した伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列Hをウェイト生成部170へ出力する。
雑音量推定部162は、雑音量情報記憶部161に記憶されている雑音量情報を参照して可変利得増幅部121,125の利得の値(制御利得値)に対応した雑音の雑音量を推定し、推定した雑音量の推定値σをウェイト生成部170へ出力する。
ウェイト生成部170は、伝送路行列Hと雑音量の推定値σとを用いてウェイト行列Wを生成する。重付演算部180は、ウェイト行列Wとダウンコンバータ131,135から入力されるBB信号を行列要素とする受信信号行列rとを乗算する。復調部190は、重付演算部180による乗算の結果得られる送信信号を復調する。
なお、AGC部140は、可変利得増幅部121,125の利得を同じ利得値にするとして説明しているが、これに限られるものではなく、後述する実施の形態でも同様である。
≪第2の実施の形態≫
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、雑音量情報記憶部161a(図4参照)が記憶する雑音量情報が第1の実施の形態の雑音量情報記憶部161が記憶する雑音量情報と異なるものである。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と実質的に同じ構成要素には第1の実施の形態と同じ符号を付し、第1の実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図4を参照しつつ説明する。図4は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器10aは、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、雑音推定部160aと、ウェイト生成部170と、重付演算部180と、復調部190とを備える。
(雑音推定部160a)
雑音推定部160aは、ダウンコンバータ131,135から出力されているBB信号に含まれている雑音の雑音電力(雑音量)を推定するものであり、雑音量情報記憶部161aと雑音量推定部162とを備える。
なお、雑音量推定部162は、希望信号の受信時におけるBB信号に含まれる雑音の雑音量の推定を雑音量情報記憶部161aに記憶されている雑音量情報を参照して行う。
[雑音量情報記憶部161a]
雑音量情報記憶部161aは、可変利得増幅部121,125の利得の値とダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を記憶するための例えば半導体メモリである。
「雑音量情報の概要」
雑音量情報記憶部161aに記憶される雑音量情報は可変利得増幅部121,125とダウンコンバータ131,135とを含む高周波部における信号歪みの成分も雑音の成分として取り扱って作成されるものである。
以下、雑音量情報記憶部161aが記憶する雑音量情報について図5を参照しつつ説明する。図5は雑音量情報記憶部161aに記憶される雑音量情報を説明するための図である。但し、図5(a),(b)における縦軸及び横軸はともに対数(デシベル)表示である。
図5(a)の実線は、一般的な無線通信モジュールに使用される可変利得増幅部121,125を用いてAGC部140による可変利得増幅部121,125の利得制御を行った場合のBB信号のCN比特性を示す。図5(a)の破線は可変利得増幅部121,125とダウンコンバータ131,135とを含む高周波部における信号歪みによるBB信号のCN比特性を示す。なお、図5(a)の実線のBB信号のCN比特性は、高周波部における信号歪みを無視したものである。
但し、図5(a)の横軸は可変利得増幅部121,125に入力される入力信号の信号レベル(或いは、可変利得増幅部121,125の利得の値)を示す。図5(a)の縦軸はダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音電力(雑音量)に対する当該BB信号に含まれる信号の信号電力(信号量)のCN比を示す。
図5(a)の実線に示されるCN比特性は、図3(a)のCN比特性の説明が適用できるため、ここではその説明を省略する。
以下、信号歪みによるBB信号のCN比特性について説明する。
可変利得増幅部121,125によって入力信号の振幅を調整できる範囲(以下、「調整可能範囲」と言う。)は有限である。
一般に、入力信号の振幅レベルが可変利得増幅部121,125の調整可能範囲の境界に対応する振幅レベルに近づく程、可変利得増幅部121,125から出力される信号に歪みが生じやすい。
従って、図5(a)の破線に示すように、入力信号の振幅レベルが小さい領域、及び、入力信号の振幅レベルが大きい領域において、BB信号のCN比か劣化する。言い換えると、可変利得増幅部121,125の利得の値が大きい領域、及び、可変利得増幅部121,125の利得の値が小さい領域において、BB信号のCN比が劣化する。
図5(b)は、高周波部での信号歪みの成分も雑音成分として取り扱った場合のBB信号の雑音量特性を示している。
但し、図5(b)の横軸は可変利得増幅部121,125に入力される入力信号の信号レベル(或いは、可変利得増幅部121,125の利得の値)を示す。図5(b)の縦軸はダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量を示す。なお、図5(b)に示す雑音量特性は、図5(a)の実線及び破線の夫々で示すCN比特性に基づいて得られるものである。
雑音量情報記憶部161aは、図5(b)に示す雑音量特性に基づいて作成される、可変利得増幅部121,125の利得の値とダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示した雑音量情報を記憶する。
なお、雑音量情報記憶部161aに記憶される雑音量情報は、無線通信機器10aが実際に備える可変利得増幅部121,125とダウンコンバータ131,135とを含む高周波部のCN比特性を考慮して作成されることが好ましい。
上述した雑音推定部160aは、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量の推定に、図5を用いて説明した高周波部での信号歪みも考量した雑音量情報を用いている。このため、雑音推定部160aによるBB信号に含まれている雑音の雑音量の推定精度は更に向上する。
≪第3の実施の形態≫
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、第1及び第2の実施の形態は不要信号の成分として雑音のみを対象としているのに対し、本実施の形態は不要信号の成分として雑音及び干渉の双方を対象とする。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図6を参照しつつ説明する。図6は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器20は、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220と、雑音量補正部230と、ウェイト生成部240と、重付演算部180と、復調部190とを備える。
なお、AGC部140は、利得制御信号を、可変利得増幅部121,125と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220内の後述する干渉測定時利得保持部221及び利得比算出部222とへ出力する。
(干渉雑音推定部210)
干渉雑音推定部210は、干渉測定時(下記に述べる所定の第2期間を除く期間)、ダウンコンバータ131,135から入力される複数のBB信号に基づいて、複数のBB信号に含まれる干渉及び雑音に係る不要信号に関する複数の特徴量の推定を繰り返して行う。そして、干渉雑音推定部210は、推定の結果得られた複数の特徴量の推定値を行列要素とする共分散行列RUUを作成し、作成した共分散行列RUUを保持する。なお、共分散行列RUUは不要信号を行列要素とする不要信号行列Uの共分散行列である。
但し、上記の第2期間は、(1)希望信号の到来が検出できなければ、受信信号の受信電力レベルが所定レベル幅以上増大してからプリアンブル信号の信号長に相当する時間が経過するまでの期間、(2)希望信号の到来が検出できたが希望信号が自機器宛の希望信号でなければ、受信信号の受信電力レベルが所定レベル幅以上増大してから自機器宛の希望信号でないと判定されるまでの期間、(3)希望信号の到来が検出でき且つ希望信号が自機器宛の希望信号であれば、受信信号の受信電力レベルが所定レベル幅以上増大してから希望信号が到来しなくなるまでの期間である。
ここで、共分散行列RUUについて説明する。
無線通信機器20がN本のアンテナを備える場合、共分散行列RUUはN行N列の行列である。
アンテナを第1アンテナから第Nアンテナとした場合、共分散行列RUUの第i(i=1,・・・,N)行第j(i=1,・・・,N)列の行列要素は、第iアンテナに対応するBB信号と第jアンテナに対応するBB信号の複素共役信号との乗算により得られる乗算値の時間平均値である。但し、共分散行列RUUの対角成分は、BB信号に含まれる不要信号の干渉及び雑音の電力の時間平均値である。共分散行列RUUの非対角成分は異なるBB信号間の相関電力の時間平均値である。なお、共分散行列RUUの対角成分が不要信号の干渉雑音量に相当し、共分散行列RUUの非対角成分が互いに異なるBB信号の相関量に相当する。
(振幅補正部220)
振幅補正部220は、干渉雑音推定部210から入力される共分散行列RUUに対して可変利得制御部121,125の利得の値に基づいて振幅補正を行うものであり、干渉測定時利得保持部221と、利得比算出部222と、乗算部223とを備える。
[干渉測定時利得保持部221]
干渉測定時利得保持部221は、干渉測定時、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて可変利得増幅部121,125の利得の値(以下、「第1制御利得値」と言う。)の特定を繰り返し行い、特定した第1制御利得値を保持する。
[利得比算出部222]
利得比算出部222は、希望信号の受信時、干渉測定時利得保持部221に保持されている第1制御利得値を干渉測定時利得保持部221から取得するとともに、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて可変利得増幅部121,125の利得の値(以下、「第2制御利得値」と言う。)を特定する。
そして、利得比算出部222は、第1制御利得値に対する第2制御利得値の比である利得比Δgを算出し、算出した利得比Δgを乗算部223へ出力する。
以下、具体例を挙げて説明する。
可変利得増幅部121,125に入力される信号の電力をPIN、可変利得増幅部121,125から出力される信号の電力をPOUT、可変利得増幅部121,125の電力に関する利得をKとした場合、K=POUT/PINの関係が成り立つ。
この場合において、第1制御利得値をKa、第2制御利得値をKbとすると、利得比ΔgはKb/Kaになる。
なお、利得比の算出方法は上記に限られるものではない。
[乗算部223]
乗算部223は、希望信号の受信時、干渉雑音推定部210に保持されている共分散行列RUUを干渉雑音推定部210から取得する。そして、乗算部223は、利得比算出部222から入力される利得比Δgを取得した共分散行列RUUに乗算し、乗算した結果得られる行列ΔgRUUを振幅補正共分散行列として雑音量補正部230の後述する加算部235へ出力する。
(雑音量補正部230)
雑音量補正部230は、希望信号の受信時、振幅補正部220による振幅補正の結果得られる振幅補正共分散行列ΔgRUUに対してそれに含まれる雑音量の補正を行うものであり、1発生部231と、平均雑音量発生部232と、減算部233と、乗算部234と、加算部235とを備える。なお、雑音量補正部230の各部は希望信号の受信時に動作する。
[1発生部231]
1発生部231は、定数“1”を発生し、発生した定数“1”を減算部233へ出力する。
[平均雑音量発生部232]
平均雑音量発生部232は、可変利得増幅部121,125とダウンコンバータ131,135とを含む高周波部において発生する雑音の平均雑音電力(平均雑音量)nを発生し、発生した平均雑音量nを乗算部234へ出力する。
但し、例えば、平均雑音量発生部232に予め平均雑音量nを記憶しておき、平均雑音量発生部232は記憶している平均雑音量nを乗算部234へ出力する。
なお、平均雑音量発生部232が発生する雑音量として、高周波部において発生する雑音の平均雑音量以外を用いるようにしてもよい。
[減算部233]
減算部233は、1発生部231から入力される定数“1”から利得比算出部222から入力される利得比Δgを減算し、減算の結果得られる減算値1−Δgを雑音補正係数として乗算部234へ出力する。
[乗算部234]
乗算部234は、平均雑音量発生部232から入力される平均雑音量nと単位行列Iとを乗算する。続いて、乗算部234は、減算部233から入力される雑音補正係数1−Δgを乗算の結果得られる行列nIに乗算し、乗算の結果得られる行列(1−Δg)nIを雑音補正行列として加算部235へ出力する。
[加算部235]
加算部235は、乗算部223から入力される振幅補正共分散行列ΔgRUUと乗算部234から入力される雑音補正行列(1−Δg)nIとを加算し、加算の結果得られる行列ΔgRUU+(1−Δg)nIを雑音量補正共分散行列としてウェイト生成部240へ出力する。
上記の構成において、振幅補正共分散行列ΔgRUUから−ΔgnIを減算する処理は、振幅補正共分散行列ΔgRUUから、振幅補正共分散行列ΔgRUUのうちの高周波部で発生する振幅補正された雑音の雑音量を取り除く(抑圧する)処理に相当する。また、振幅補正共分散行列ΔgRUUに、nIを加算する処理は、振幅補正共分散行列ΔgRUUに高周波部で発生する平均雑音量を付加する処理に相当する。
これにより、ウェイト行列Wの生成に用いる雑音量補正共分散行列ΔgRUU+(1−Δg)nIのうちの高周波部で発生する雑音の雑音量は、実際に高周波部で発生する雑音の雑音量に略一致することになる。
(ウェイト生成部240)
ウェイト生成部240は、希望信号の受信時、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hと加算部235から入力される雑音量補正共分散行列ΔgRUU+(1−Δg)nIとを用いて、下記の式(8)の演算を行うことによってウェイト行列Wを生成する。そして、ウェイト生成部240は、生成したウェイト行列Wを重付演算部180へ出力する。
Figure 0005147730
干渉推定時の受信信号の受信電力が希望信号の受信時の受信電力に対して十分に小さい場合、第1制御利得値が第2制御利得値より十分に大きくなる。この結果、利得比Δgの算出において実際の有限精度の範囲を超えてしまい、利得比Δgが零と取り扱われる。
このような場合であっても、上記の式(8)から分かる通り、雑音量補正共分散行列の不要信号に係る成分はnIとなって零にならない。従って、MMSE演算は不要信号に関する成分が零の場合に破綻をきたしてしまうが、本実施の形態の無線通信機器20によれば、不要信号に関する成分が零になることがなく、MMSE演算が破綻をきたすことがない。
<無線通信機器の動作>
図6の無線通信機器20の受信動作の概要について図7を参照しつつ説明する。図7は図6の無線通信機器20によって行われる受信動作の概要を示すフローチャートである。
アンテナ111,115によって受信された受信信号は、AGC部140によって利得制御された可変利得増幅部121,125によって増幅処理が施され、更に、ダウンコンバータ131,135によってダウンコンバートされる。
干渉雑音推定部210は、ダウンコンバータ131,135から入力される複数のBB信号に基づいて、複数のBB信号に含まれる不要信号に関する複数の特徴量の推定を行う。そして、干渉雑音推定部210は、推定の結果得られた複数の特徴量の推定値を行列要素とする共分散行列RUUを作成し、作成した共分散行列RUUを保持する(ステップS1)。
干渉測定時利得保持部221は、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて可変利得増幅部121,125の利得の値(第1制御利得値)を特定し、特定した第1制御利得値を保持する(ステップS2)。
無線通信機器20は、受信信号の受信電力レベルが増大したかを判定する(ステップS3)。受信信号の受信電力レベルが増大していなければ(S3:NO)、ステップS1及びステップS2の処理が継続して行われる。
受信信号の受信電力レベルが増大していれば(S3:YES)、干渉雑音推定部210は不要信号に関する特徴量の推定処理を停止し、干渉測定時利得保持部221は第1制御利得値を特定して保持する更新処理を停止する(ステップS4)。
無線通信機器20の不図示の信号検出部はプリアンブル信号に基づいて希望信号の到来の検出処理を行う(ステップS5)。希望信号の到来が検出されなければ(S5:NO)、ステップS1及びステップS2の処理が再開される。
希望信号の到来が検出されれば(S5:YES)、AGC部140は、可変利得増幅部121,125の利得の値を希望信号の到来の検出時の利得の値に固定する。伝送路特性推定部150は伝送路毎の伝送路特性の推定を行い、推定した各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列Hを作成する(ステップS6)。
振幅補正部220の利得比算出部222は、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて可変利得増幅部121,125の利得の値(第2制御利得値)を特定し、干渉測定時利得保持部221に保持されている第1制御利得値に対する第2制御利得値の利得比Δgを算出する。そして、乗算部223は、利得比算出部222によって算出された利得比Δgを干渉雑音推定部210に保持されている共分散行列RUUに乗算する(ステップS7)。
雑音量補正部230の減算部233は、1発生部231から入力される定数“1”から利得比算出部222から入力される利得比Δgを減算する。乗算部234は、減算部233から入力される減算値(雑音補正係数)1−Δgを、平均雑音量発生部230から入力される平均雑音量nと単位行列Iとを乗算して得られる行列nIに乗算する。加算部235は、乗算部223から入力される振幅補正共分散行列ΔgRUUと乗算部234から入力される雑音補正行列(1−Δg)nIとを加算し、加算した結果得られる行列ΔgRUU+(1−Δg)nIを雑音量補正共分散行列としてウェイト生成部240へ出力する(ステップS8)。
ウェイト生成部240は、伝送路特性推定部150によって作成された伝送路行列Hと、加算部235から入力される雑音量補正共分散行列ΔgRUU+(1−Δg)nIとに基づいてウェイト行列Wを生成する(ステップS9)。
重付演算部180は、ウェイト生成部240によって生成されたウェイト行列Wに基づいてダウンコンバータ131,135から入力される複数のBB信号の重み付け演算を行う。そして、復調部190は、重み付け演算の結果得られた送信信号を復調する(ステップS10)。
無線通信機器20は、希望信号のヘッダ内の宛先アドレスに基づいて、希望信号が自機器宛の希望信号であるかを判定する(ステップS11)。希望信号が自機器宛の希望信号でなければ(S11:NO)、ステップS1及びステップS2の処理が再開される。
希望信号が自機器宛の希望信号であれば(S11:YES)、重付演算部180は重み付け演算の処理を継続して行い、復調部190は復調処理を継続して行う(ステップS12)。
無線通信機器20は、希望信号の到来が終了したかを判定する(ステップS13)。希望信号の到来が終了していなければ(S13:NO)、ステップS12の処理が継続して行われ、希望信号の到来が終了していれば(S13:YES)、ステップS1及びステップS2の処理が再開される。
<無線通信機器の動作の一例>
図6の無線通信機器20の受信動作の一例について図8を参照しつつ説明する。図8は図6の無線通信機器20によって行われる受信動作の一例を説明するための図である。
干渉雑音推定部210によって不要信号に関する特徴量の推定、並びに、干渉測定時利得保持部221による第1制御利得値の特定及び保持が行われている期間において、時間T1に、無線通信機器20は受信信号の受信電力レベルの増大を検出したとする。干渉雑音推定部210は不要信号に関する特徴量の推定を停止し、干渉測定時利得保持部221は第1制御利得値の特定及び保持に関する更新処理を停止する。
ここでは、信号検出部がプリアンブル信号に基づく希望信号の到来が検出できなかったとして、干渉雑音推定部210は不要信号に関する特徴量の推定を再開し、干渉測定時利得保持部221は第1制御利得値の特定及び保持を再開する。
干渉雑音推定部210によって不要信号に関する特徴量の推定、並びに、干渉測定時利得保持部221による第1制御利得値の特定及び保持が行われている期間において、時間T2に、無線通信機器20は受信信号の受信電力レベルの増大を検出したとする。干渉雑音推定部210は不要信号に関する特徴量の推定を停止し、干渉測定時利得保持部221は第1制御利得値の特定及び保持に関する更新処理を停止する。
ここでは、信号検出部がプリアンブル信号に基づく希望信号の到来が検出できたとして、時間T3に、伝送路特性推定部150は伝送路毎の伝送路特性を推定する。振幅補正部230の利得比算出部222及び乗算部223は干渉雑音推定部210に保持されている共分散行列RUUの振幅補正を行う。雑音量補正部230は、振幅補正部220による振幅補正の結果得られた振幅補正共分散行列に対して雑音量の補正処理を行う。
ウェイト生成部240は、伝送路特性推定部150による伝送路特性の推定の結果得られる伝送路行列と、雑音量補正部230による雑音量の補正の結果得られる雑音量補正共分散行列とに基づいてウェイト行列を生成する。
重付演算部180は、ウェイト行列に基づいてダウンコンバータ131,135から入力される複数のBB信号の重み付け演算を行い、復調部190は重み付け演算の結果得られる送信信号を復調する。
時間T4に希望信号の到来が終了すると、干渉雑音推定部210は不要信号に関する特徴量の推定を再開し、干渉測定時利得保持部221は第1制御利得値の特定及び保持を再開する。
≪第4の実施の形態≫
以下、本発明の第4の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、振幅補正部220による振幅補正の結果得られる振幅補正共分散行列に対する雑音量の補正の仕組みが第3の実施の形態と異なる。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図9を参照しつつ説明する。図9は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器20aは、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220と、雑音量補正部230aと、ウェイト生成部240aと、重付演算部180と、復調部190とを備える。
なお、AGC部140は、利得制御信号を、可変利得増幅部121,125と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220内の干渉測定時利得保持部221及び利得比算出部222と、雑音量補正部230a内の後述する雑音量推定部252とへ出力する。
(雑音量補正部230a)
雑音量補正部230aは、希望信号の受信時、振幅補正部220による振幅補正の結果得られる振幅補正共分散行列ΔgRUUに対してそれに含まれる雑音量の補正を行うものであり、雑音量情報記憶部251と、雑音量推定部252と、加算部253とを備える。なお、雑音量補正部230aの雑音量情報記憶部251を除く各部は希望信号の受信時に動作する。
[雑音量情報記憶部251]
雑音量情報記憶部251は、可変利得増幅部121,125の利得の値とダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を記憶する。
但し、雑音量情報記憶部251に記憶されている雑音量情報として、雑音量情報記憶部161に記憶されている雑音量情報或いは雑音量情報記憶部161aに記憶されている雑音量情報などを用いることができる。
[雑音量推定部252]
雑音量推定部252は、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて希望信号の受信時のダウンコンバータ131,135の利得の値(第2制御利得値)を特定する。そして、雑音量推定部252は、雑音量情報記憶部251に記憶されている雑音量情報を参照して、特定した第2制御利得値に対応した雑音の雑音量(希望信号の受信時にダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量)を推定し、推定した雑音の雑音量の推定値σ を加算部253へ出力する。
[加算部253]
加算部253は、雑音量推定部252から入力される雑音の雑音量の推定値σ と単位行列Iとを乗算する。続いて、加算部253は、乗算部223から入力される振幅補正共分散行列ΔgRUUと乗算の結果得られる行列σ Iとを加算する。そして、加算部253は、加算の結果得られる行列ΔgRUU+σ Iを雑音量補正共分散行列としてウェイト生成部240aへ出力する。
(ウェイト生成部240a)
ウェイト生成部240aは、希望信号の受信時、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hと加算部253から入力される雑音量補正共分散行列ΔgRUU+σ Iとを用いて、下記の式(9)を演算することによってウェイト行列Wを生成する。そして、ウェイト生成部240aは、生成したウェイト行列Wを重付演算部180へ出力する。
Figure 0005147730
上述したように、可変利得増幅部121,125の利得の値に対して高周波部で発生する雑音の雑音量は変化する。しかしながら、上述した本実施の形態によれば、可変利得増幅部121,125の利得の値とダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示した雑音量情報が予め雑音量情報記憶部251に記憶されている。そして、雑音量補正部230aは雑音量情報を参照して希望信号の受信時の可変利得増幅部121,125の利得の値に基づいてBB信号に含まれる雑音の雑音量を推定し、推定した雑音量の推定値を用いて振幅補正共分散行列の雑音量の補正を行う。このため、本実施の形態の無線通信機器20aによれば、ウェイト行列Wの生成に用いられる雑音量補正共分散行列の補正精度が向上し、精度の高いウェイト行列Wの生成を行うことが可能になる。
また、利得比Δgが零と取り扱われるような場合であっても、上記の式(9)から分かる通り、雑音量補正共分散行列の不要信号に係る成分はσ Iとなって零にならない。従って、MMSE演算は不要信号に関する成分が零の場合に破綻をきたしてしまうが、本実施の形態の無線通信機器20aによれば、不要信号に関する成分が零になることがなく、MMSE演算が破綻をきたすことがない。
≪第5の実施の形態≫
以下、本発明の第5の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、振幅補正部220による振幅補正の結果得られる振幅補正共分散行列に対する雑音量の補正の仕組みが第3及び第4の実施の形態と異なる。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図10を参照しつつ説明する。図10は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器20bは、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220と、雑音量補正部230bと、ウェイト生成部240bと、重付演算部180と、復調部190とを備える。
なお、AGC部140は、利得制御信号を、可変利得増幅部121,125と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220内の干渉測定時利得保持部221及び利得比算出部222と、雑音量補正部230b内の後述する第2雑音量推定部274とへ出力する。
(雑音量補正部230b)
雑音量補正部230bは、希望信号の受信時、振幅補正部220による振幅補正の結果得られる振幅補正共分散行列ΔgRUUに対してそれに含まれる雑音量の補正を行うものである。
雑音量補正部230bは、雑音量情報記憶部251と、第1雑音量推定部272と、乗算部273と、第2雑音量推定部274と、減算部275と、加算部276とを備える。なお、雑音量補正部230bの雑音量情報記憶部251を除く各部は希望信号の受信時に動作する。
[第1雑音量推定部272]
第1雑音量推定部272は、干渉測定時利得保持部221に保持されている第1制御利得値を干渉測定時利得保持部221から取得する。そして、第1雑音量推定部272は、雑音量情報記憶部251に記憶されている雑音量情報を参照して、取得した第1制御利得値に対応した雑音の雑音量(干渉測定時にダウンコンバータ131,135から出力されていたBB信号に含まれる雑音の雑音量)を推定し、推定した雑音量の推定値σ2a を乗算部273へ出力する。
[乗算部273]
乗算部273は、利得比算出部222から入力される利得比Δgを第1雑音量推定部272から入力される雑音量の推定値σ2a に乗算し、乗算の結果得られる乗算値Δgσ2a を第1補正雑音量として減算部275へ出力する。
[第2雑音量推定部274]
第2雑音量推定部274は、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて希望信号の受信時の可変利得増幅部121,125の利得の値(第2制御利得値)を特定する。そして、第2雑音量推定部274は、雑音量情報記憶部251に記憶されている雑音量情報を参照して、特定した第2制御利得値に対応した雑音の雑音量(希望信号の受信時にダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量)を推定し、推定した雑音量の推定値σ2b を第2補正雑音量として減算部275へ出力する。
[減算部275]
減算部275は、第2雑音量推定部274から入力される第2補正雑音量σ2b から、乗算部273から入力される第1補正雑音量Δgσ2a を減算し、減算の得られる減算値σ2b −Δgσ2a を補正雑音量として加算部276へ出力する。
[加算部276]
加算部276は、減算部275から入力される補正雑音量σ2b −Δgσ2a と単位行列Iとを乗算する。続いて、加算部276は、乗算部223から入力される振幅補正共分散行列ΔgRUUと、乗算の結果得られる行列(σ2b −Δgσ2a )Iとを加算し、加算の結果得られる行列ΔgRUU+(σ2b −Δgσ2a )Iを雑音量補正共分散行列としてウェイト生成部240bへ出力する。
(ウェイト生成部240b)
ウェイト生成部240bは、希望信号の受信時、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hと加算部276から入力される雑音量補正共分散行列ΔgRUU+(σ2b −Δgσ2a )Iとを用いて、下記の式(10)の演算を行うことによってウェイト行列Wを生成する。そして、ウェイト生成部240bは、生成したウェイト行列Wを重付演算部180へ出力する。
Figure 0005147730
上記の式(10)から分かる通り、利得比Δgが零と取り扱われるような場合であっても、雑音量補正共分散行列の不要信号に係る成分はσ2b Iとなって零にならない。従って、MMSE演算は不要信号に関する成分が零の場合に破綻をきたしてしまうが、本実施の形態の無線通信機器20bによれば、不要信号に関する成分が零になることがなく、MMSE演算が破綻をきたすことがない。
以下に、本実施の形態のウェイト行列Wについて考察する。
干渉測定時の共分散行列RUUは、干渉信号に関する成分を行列要素とする共分散行列Rと、干渉測定時の高周波部から出力される雑音の雑音量の推定値σ2a とにより、下記の式(11)で表せる。
Figure 0005147730
上記の式(11)を上記の式(10)に代入して変形すると、下記の式(12)が得られる。
Figure 0005147730
上記の式(12)に示されるように、不要信号に関する成分は、不要信号に対応した共分散行列Rと希望信号の受信時の高周波部から出力される雑音の雑音量の推定値σ2b とになっている。このことから、本実施の形態のウェイト行列Wに含まれる不要信号に関する成分は本来の希望信号に対応したBB信号に含まれる不要信号に関する成分と精度良く一致することが分かる。
従って、本実施の形態の無線通信機器20bによれば、精度の高いウェイト行列Wの生成が可能であり、送信信号の推定を高精度に行うことが可能になる。
≪第6の実施の形態≫
以下、本発明の第6の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本発明は、振幅補正部220による振幅補正の結果得られる振幅補正共分散行列に対する雑音量の補正の仕組みは第5の実施の形態と同じであるが、その仕組みを実現するための雑音量補正部の構成が第5の実施の形態と異なる。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図11を参照しつつ説明する。図11は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器20cは、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220と、雑音量補正部230cと、ウェイト生成部240bと、重付演算部180と、復調部190とを備える。
なお、AGC部140は、利得制御信号を可変利得増幅部121,125と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220内の干渉測定時利得保持部221及び利得比算出部222と、雑音量補正部230c内の後述する雑音量推定部292とへ出力する。
(雑音量補正部230c)
雑音量補正部230cは、振幅補正部220による振幅補正の結果得られた振幅補正共分散行列ΔgRUUに対してそれに含まれる雑音量の補正処理を行うものである。
雑音量補正部230cは、雑音量情報記憶部251と、雑音量推定部292と、干渉測定時雑音量保持部293と、乗算部294と、減算部295と、加算部296とを備える。
[雑音量推定部292]
雑音量推定部292は、干渉測定時、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて可変利得増幅部121,125の利得の値(第1制御利得値)を特定する。そして、雑音量推定部292は、雑音量情報記憶部251に記憶されている雑音量情報を参照して、第1制御利得値に対応した雑音の雑音量(干渉測定時にダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量)を推定し、推定した雑音量の推定値σ2a 2を干渉測定時雑音量保持部293に格納する。なお、干渉測定時、雑音量推定部292は雑音の雑音量の推定及び干渉測定時雑音量保持部293への格納処理を繰り返して行う。
雑音量推定部292は、希望信号の受信時、AGC部140から入力される利得制御信号に基づいて可変利得増幅部121,125の利得の値(第2制御利得値)を特定する。そして、雑音量推定部292は、雑音量情報記憶部251に記憶されている雑音量情報を参照して、第2制御利得値に対応した雑音の雑音量(希望信号の受信時にダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量)を推定し、推定した雑音量の推定値σ2b を第2補正雑音量として減算部295へ出力する。
[干渉測定時雑音量保持部293]
干渉測定時雑音量保持部293は、雑音量推定部292から入力される干渉測定時の雑音の雑音量の推定値σ2a を保持する。
[乗算部294]
乗算部294は、希望信号の受信時、干渉測定時雑音量保持部293に保持されている干渉測定時の雑音量の推定値σ2a を干渉測定時雑音量保持部293から取得する。そして、乗算部294は、利得比算出部222から入力される利得比Δgを取得した雑音量の推定値σ2a に乗算し、乗算の結果得られる乗算値Δgσ2a を第1補正雑音量として減算部295へ出力する。
[減算部295]
減算部295は、希望信号の受信時、雑音量推定部292から入力される第2補正雑音量σ2b から、乗算部294から入力される第1補正雑音量Δgσ2a を減算し、減算の得られる減算値σ2b −Δgσ2a を補正雑音量として加算部296へ出力する。
[加算部296]
加算部296は、希望信号の受信時、減算部295から入力される補正雑音量σ2b −Δgσ2a と単位行列Iとを乗算する。続いて、加算部296は、乗算部223から入力される振幅補正共分散行列ΔgRUUと、乗算の結果得られる行列(σ2b −Δgσ2a )Iとを加算し、加算の結果得られる行列ΔgRUU+(σ2b −Δgσ2a )Iを雑音量補正共分散行列としてウェイト生成部240bへ出力する。
≪第7の実施の形態≫
以下、本発明の第7の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、振幅補正部220による振幅補正の結果得られる振幅補正共分散行列に対する雑音量の補正の仕組みが第3から第6の実施の形態と異なる。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図12を参照しつつ説明する。図12は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器30は、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、干渉雑音推定部210と、振幅補正部220と、雑音量補正部310と、ウェイト生成部320と、重付演算部180と、復調部190とを備える。
(雑音量補正部310)
雑音量補正部310は、希望信号の受信時、振幅補正部220による振幅補正の結果得られた振幅補正共分散行列ΔgRUUに対して所定値の雑音量を付加することによって雑音量の補正を行うものであり、固定雑音量発生部311と、加算部312とを備える。なお、雑音量補正部310の各部は希望信号の受信時に動作する。
[固定雑音量発生部311]
固定雑音量発生部311は、所定値の雑音電力(以下、「固定雑音量」と言う。)nを発生し、発生した固定雑音量nを加算部312へ出力する。
なお、例えば、予め固定雑音量発生部311に固定雑音量nを記憶しておき、固定雑音量発生部311は記憶している固定雑音量nを加算部312へ出力する。
但し、固定雑音量nとして、例えば、使用する可変利得増幅部121,125とダウンコンバータ131,135とを含む高周波部において発生する雑音の雑音量の平均値、或いは、有限精度演算によるMMSE演算において破綻を来たさない最小の値などが利用できる。
[加算部312]
加算部312は、固定雑音量発生部311から入力される固定雑音量nと単位行列Iとを乗算する。続いて、加算部312は、乗算部223から入力される振幅補正共分散行列ΔgRUUと、乗算の結果得られる行列nIとを加算し、加算の結果得られる行列ΔgRUU+nIを雑音量補正共分散行列としてウェイト生成部320へ出力する。
(ウェイト生成部320)
ウェイト生成部320は、希望信号の受信時、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hと加算部312から入力される雑音量補正共分散行列ΔgRUU+nIとを用いて、下記の式(13)を演算することによってウェイト行列Wを生成する。そして、ウェイト生成部320は、生成したウェイト行列Wを重付演算部180へ出力する。
Figure 0005147730
上述した本実施の形態によれば、振幅補正共分散行列に、固定雑音量と単位行列とを乗算して得られる行列を加算して雑音量補正共分散行列を算出している。このため、利得比Δgが零と取り扱われるような場合であっても、雑音量補正共分散行列の不要信号に関する成分はnIとなって零にならない。従って、MMSE演算は不要信号に関する成分が零の場合に破綻をきたしてしまうが、本実施の形態の無線通信機器30によれば不要信号に関する成分が零になることかがなく、MMSE演算が破綻をきたすことがない。
なお、上記の各実施の形態における希望信号の受信時及び干渉測定時などの期間は一例であってこれに限られるものではなく、後述する実施の形態でも同様である。
≪第8の実施の形態≫
以下、本発明の第8の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
ウェイト行列の生成に用いる不要信号を行列要素とする不要信号行列Uの共分散行列(以下、「不要信号共分散行列」と言う。例えば、第3の実施の形態の雑音量補正共分散行列ΔgRUU+(1−Δg)nIが該当)が、ダウンコンバータ131,135での量子化誤差や不要信号共分散行列を算出する処理回路(例えば、図13の不要信号推定部410)でのビット幅削減などのために大きな算出誤差を含むことがある。
大きな誤差を含む不要信号共分散行列を用いて生成されたウェイト行列は本来のウェイト行列に対して大きな誤差を含む。大きな誤差を含む当該生成されたウェイト行列に基づいてダウンコンバータ131,135から出力される複数のBB信号の重み付け演算を行えば、推定される送信信号は本来の送信信号に対して大きな誤差を含むことになる。
本実施の形態は、上記の問題に鑑み、第3の実施の形態の無線通信機器20に対して、ウェイト生成部が処理回路から出力される不要信号共分散行列の算出誤差に応じてウェイト行列を生成する方法を切り替える機能を付加したものである。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図13及び図14を参照しつつ説明する。図13は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図であり、図14は図13の誤差判定部の構成図である。
無線通信機器40は、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、不要信号推定部410と、誤差判定部420と、ウェイト生成部430と、重付演算部180と、復調部190とを備える。
(不要信号推定部410)
不要信号推定部410は、第3の実施の形態において説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230とによって構成される(図6参照)。不要信号推定部410は、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる不要信号に対応した不要信号共分散行列RUUI(本実施の形態では、第3の実施の形態で説明した雑音量補正共分散行列ΔgRUU+(1−Δg)nI)を誤差判定部420とウェイト生成部430とへ出力する。
(誤差判定部420)
誤差判定部420は、希望信号受信時、不要信号推定部410から入力される不要信号共分散行列RUUIが所定の誤差許容条件を満たすかを判定するものであり、図14に示すように、行列式演算部421と、行列式判定部422とを有する。
但し、誤差許容条件とは不要信号共分散行列RUUIの算出誤差が所定の算出誤差の範囲内にあることを意味する。本実施の形態の誤差許容条件は、不要信号共分散行列RUUIの行列式の値が0以上である。
ところで、BB信号に含まれる不要信号を行列要素とする不要信号行列の共分散行列について、その数学的性質からその行列式の値が0以上であることが知られている。
そこで、不要信号行列の共分散行列の行列式の値が0以上であれば当該共分散行列の算出誤差は小さいものと考え、行列式の値が0未満であれば当該共分散行列の算出誤差は大きいものと考えることができる。
上記内容を踏まえ、不要信号行列の共分散行列に対して振幅補正部210によって振幅補正が施され、雑音量補正部230によって雑音量の補正が施された結果得られた不要信号共分散行列においても、不要信号共分散行列RUUIの行列式の値が0以上であれば当該不要信号共分散行列RUUIの算出誤差が小さいとし、不要信号共分散行列RUUIの行列式の値が0未満であれば当該不要信号共分散行列RUUIの算出誤差が大きいと考えることができる。
[行列式演算部421]
行列式演算部421は、不要信号推定部410から入力される不要信号共分散行列RUUIの行列式の値を演算し、演算の結果得られる行列式の値を行列式判定部422へ出力する。
[行列式判定部422]
行列式判定部422は、行列式演算部421から入力される不要信号共分散行列RUUIの行列式の値が0以上であるか0未満であるかを判定する。
行列式判定部422は、不要信号共分散行列RUUIの行列式の値が0以上であれば、不要信号共分散行列RUUIの算出誤差が小さく、当該不要信号共分散行列RUUIが誤差許容条件を満たすと判定する。そして、行列式判定部422は、不要信号共分散行列RUUIが誤差許容条件を満たすことを示す誤差判定信号をウェイト生成部430へ出力する。
一方、行列式判定部422は、不要信号共分散行列RUUIの行列式の値が0未満であれば、不要信号共分散行列RUUIの算出誤差が大きく、当該不要信号共分散行列RUUIが誤差許容条件を満たさないと判定する。そして、行列式判定部422は、不要信号共分散行列RUUIが誤差許容条件を満たさないことを示す誤差判定信号をウェイト生成部430へ出力する。
(ウェイト生成部430)
ウェイト生成部430は、誤差判定部420から入力される誤差判定信号が誤差許容条件を満たすことを示す場合には、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hと不要信号推定部410から入力される不要信号共分散行列RUUI(本実施の形態では、雑音量補正共分散行列ΔgRUU+(1−Δg)nI)とを用いて、上記の式(8)の演算を行うことによって干渉抑圧を行うためのウェイト行列(以下、「干渉抑圧用ウェイト行列」と言う。)を生成する。そして、ウェイト生成部430は、生成した干渉抑圧用ウェイト行列を重付演算部180へ出力する。
一方、ウェイト生成部430は、誤差判定部420から入力される誤差判定信号が誤差許容条件を満たさないことを示す場合には、不要信号推定部410から入力される不要信号共分散行列RUUIを用いずに、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hに基づいて信号電力対雑音電力を最大にする最大比合成のためのウェイト行列(以下、「最大比合成用ウェイト行列」と言う。)を生成する。そして、ウェイト生成部430は、生成した最大比合成用ウェイト行列を重付演算部180へ出力する。例えば、行列HHの固有値を計算し、この最大固有値を与える固有ベクトルが、生成する最大比合成用ウェイト行列となる。
なお、重付演算部180は、ウェイト生成部430から干渉抑圧用ウェイト行列が入力される場合には入力される干渉抑圧用ウェイト行列とダウンコンバータ131,135から入力されるBB信号を行列要素とする受信信号行列とを乗算する。また、重付演算部180は、ウェイト生成部430から最大比合成用ウェイト行列が入力される場合には入力される最大比合成用ウェイト行列とダウンコンバータ131,135から入力されるBB信号を行列要素とする受信信号行列とを乗算する。但し、実際の演算において、重付演算部180が干渉抑圧用ウェイト行列であるか最大比合成用ウェイト行列であるかを判断しているわけではない。
上述した無線通信機器40の受信信号の動作フローは、下記のものになる。
図7に示すフローチャートに対して、ステップS8とステップS9との間に、誤差判定部420が不要信号共分散行列RUUIが誤差許容条件を満たすかを判定するための判定ステップが追加される。そして、ウェイト生成部430が判定ステップにおいて不要信号共分散行列RUUIが誤差許容条件を満たすと判定された場合には干渉抑圧用ウェイト行列を生成し、不要信号共分散行列RUUIが誤差許容条件を満たさないと判定された場合には最大比合成用ウェイト行列を生成するためのウェイト生成ステップがステップS9に置き換わる。
上述したように、不要信号推定部410によって推定された不要信号共分散行列RUUIが本来の不要信号共分散行列に対して小さい算出誤差しかない場合、ウェイト生成部430は干渉抑圧用ウェイト行列を生成する。そして、重付演算部180は、干渉抑圧用ウェイト行列に基づいて、ダウンコンバータ131,135から出力される複数のBB信号の重み付け演算を行う。
従って、無線通信機器40は、不要信号推定部410によって推定された不要信号共分散行列RUUIが本来の不要信号共分散行列に対して小さい算出誤差しか含まない場合には、算出誤差が小さい不要信号共分散行列RUUIを用いて生成される干渉抑圧用ウェイト行列に基づいて希望信号から不要信号の抑圧を行うため、高精度な送信信号の推定を行うことができる。
また、不要信号推定部410によって推定された不要信号共分散行列RUUIが本来の不要信号共分散行列に対して大きな算出誤差を含む場合、ウェイト生成部430は最大比合成用ウェイト行列を生成する。そして、重付演算部180は、最大比合成用ウェイト行列に基づいて、ダウンコンバータ131,135から出力される複数のBB信号の重み付け演算を行う。
従って、無線通信機器40は、不要信号推定部410によって推定される不要信号共分散行列RUUIが本来の不要信号共分散行列に対して大きな算出誤差を含む場合には、算出誤差が大きい不要信号共分散行列RUUIを用いて生成される干渉抑圧用ウェイト行列を用いずに最大比合成用ウェイト行列に基づいて送信信号の推定を行うため、高精度な送信信号の推定を行うことができる。
≪第9の実施の形態≫
以下、本発明の第9の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、第8の実施の形態の無線通信機器40をOFDM方式などのマルチキャリア方式に適用するために、無線通信機器40に受信信号を複数の周波数帯域(サブバンド)に分離する機能を付加するものである。本実施の形態はマルチキャリア方式にのみ適用することができるものでない。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図15を参照しつつ説明する。図15は本実施の形態の無線通信機器40aの装置構成図である。
無線通信機器40aは、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、サブバンド分離部451,455と、伝送路特性推定部150dと、不要信号推定部410dと、誤差判定部420dと、ウェイト生成部430dと、重付演算部180dと、復調部190dとを備える。
(サブバンド分離部451,455)
サブバンド分離部451は、ダウンコンバータ131から入力されるBB信号を複数のサブバンドの信号に分離し、分離した結果得られる信号(以下、「サブバンド信号」と言う。)を伝送路特性推定部150dと、不要信号推定部410dと、重付演算部180dとへ出力する。
サブバンド分離部455は、ダウンコンバータ135から入力されるBB信号を複数のサブバンドの信号に分離し、分離した結果得られる信号(サブバンド信号)を伝送路特性推定部150dと、不要信号推定部410dと、重付演算部180dとへ出力する。
ここでは、サブバンド分離部451,455は、BB信号をM(Mは2以上の整数)個のサブバンドに分離するものとする。
なお、サブバンド分離部451,455は、例えば、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)、ウェーブレット変換、又はフィルタバンクを用いることにより、BB信号を複数のサブバンドに分離することができる。
(伝送路特性推定部150d)
伝送路特性推定部150dは、希望信号に含まれているパイロット信号を受信している期間に、サブバンド毎に、サブバンド分離部451,455から入力されるサブバンド信号に含まれるパイロット信号と、当該パイロット信号に対応する送信側のパイロット信号(受信側で既知の信号波形)との相関演算を行うことによって伝送路毎の伝送路特性を推定する。
そして、伝送路特性推定部150dは、サブバンド毎に、推定の結果得られる各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列(以下、「サブバンド伝送路行列」と言う。)Hを作成し、作成したサブバンド伝送路行列Hをウェイト生成部430dへ出力する。但し、サブスクリプトm(m=1,2,・・・,M)はサブバンドのサブバンド番号を示す。
(不要信号推定部410d)
干渉雑音推定部410dは、干渉測定時、サブバンド毎に、サブバンド分離部451,455から入力される複数のサブバンド信号に基づいて、複数のサブバンド信号に含まれる干渉及び雑音に係る不要信号に関する複数の特徴量の推定を繰り返して行う。そして、不要信号推定部410dは、推定の結果得られた複数の特徴量の推定値を行列要素とする共分散行列(以下、「サブバンド共分散行列」と言う。)RUUmを作成する。
ここで、サブバンド共分散行列RUUmについて説明する。
無線通信機器40aがN本のアンテナを備える場合、サブバンド共分散行列RUUmはN行N列の行列である。
アンテナを第1アンテナから第Nアンテナとした場合、サブバンド共分散行列RUUmの第i(i=1,・・・,N)行第j(i=1,・・・,N)列の行列要素は、第iアンテナに対応するサブバンド信号の不要信号と第jアンテナに対応するサブバンド信号の不要信号の複素共役信号との乗算により得られる乗算値の時間平均値である。但し、サブバンド共分散行列RUUmの対角成分は、サブバンド信号に含まれる不要信号の干渉及び雑音の電力の時間平均値である。サブバンド共分散行列RUUmの非対角成分は異なるBB信号に含まれる不要信号間の相関電力の時間平均値である。
不要信号推定部410dは、サブバンド毎に、干渉測定時の第1制御利得値に対する希望信号の受信時の第2制御利得値の利得比Δgをサブバンド共分散行列RUUmに乗算する。そして、不要信号推定部410dは、乗算の結果得られる行列ΔgRUUmに、(1−Δg)nI(nは高周波部において発生するサブバンドの雑音の雑音量の平均値)を加算し、加算の結果得られる行列ΔgRUUm+(1−Δg)nIをサブバンド不要信号共分散行列として誤差判定部420dとウェイト生成部430dとへ出力する。
(誤差判定部420d)
誤差判定部420dは、サブバンド毎に、不要信号推定部410dから入力されるサブバンド不要信号共分散行列の行列式の値を算出し、算出したサブバンド不要信号共分散行列の行列式の値が0以上であるか0未満であるかを判定する。
誤差判定部420dは、サブバンド不要信号共分散行列の行列式の値が0以上である場合、当該サブバンド不要信号共分散行列が誤差許容条件を満たすことを示すサブバンド誤差判定信号をウェイト生成部430dへ出力する。一方、誤差判定部420dは、サブバンド不要信号共分散行列の行列式の値が0未満である場合、当該サブバンド不要信号共分散行列が誤差許容条件を満たさないことを示すサブバンド誤差判定信号をウェイト生成部430dへ出力する。
(ウェイト生成部430d)
ウェイト生成部430dは、サブバンド毎に、サブバンド誤差判定信号が誤差許容条件を満たすことを示す場合には、伝送路特性推定部150dから入力されるサブバンド伝送路行列Hと不要信号推定部410dから入力されるサブバンド不要信号共分散行列ΔgRUUm+(1−Δg)nIとに基づいて干渉抑圧を行うためのウェイト行列(以下、「干渉抑圧用サブバンドウェイト行列」と言う。)を生成する。なお、干渉抑圧用サブバンドウェイト行列は、式(8)において伝送路行列Hをサブバンド伝送路行列Hに、共分散行列RUUをサブバンド共分散行列RUUmに置き換えた式を演算することによって算出される。
一方、サブバンド誤差判定信号が誤差許容条件を満たさないことを示す場合には、ウェイト生成部430dは、不要信号推定部410dから入力されるサブバンド不要信号共分散行列を用いずに、伝送路特性推定部150dから入力されるサブバンド伝送路行列Hに基づいて信号電力対雑音電力を最大にする最大比合成のためのウェイト行列(以下、「最大比合成用サブバンドウェイト行列」と言う。)を生成する。
ウェイト生成部430dは、サブバンド毎に、生成した干渉抑圧用サブバンドウェイト行列又は最大比合成用サブバンドウェイト行列を重付演算部180dへ出力する。
(重付演算部180d)
重付演算部180dは、サブバンド毎に、ウェイト生成部430dから入力される干渉抑圧用サブバンドウェイト行列又は最大比合成用サブバンドウェイト行列と、サブバンド分離部451,455から入力されるサブバンド信号を行列要素とするサブバンド受信信号行列とを乗算する。そして、重付演算部180dは、乗算の結果得られるサブバンド毎の信号(以下、「サブバンド送信信号」と言う。)を復調部190dへ出力する。
(復調部190d)
復調部190dは、サブバンド毎に、重付演算部180dから入力されるサブバンド毎のサブバンド送信信号を復調し、復調の結果得られる復調信号を後段の回路部へ出力する。
以下、サブバンド毎に干渉抑圧用サブバンドウェイト行列と最大比合成用サブバンドウェイト行列との生成を切り替えることの利点について図16を参照して説明する。図16は希望信号及び干渉信号の夫々の電力スペクトラムを示す。なお、伝送チャネルCH1〜CH3の帯域幅は例えば20MHzである。
無線通信機器40aは、伝送チャネルCH1,CH2とからなる帯域幅が40MHzの伝送チャネルを用いて無線通信を行っているとする。また、無線通信機器40aの干渉源となる無線通信機器は、伝送チャネルCH2,CH3とからなる帯域幅が40MHzの伝送チャネルを用いて無線通信を行っているとする。
図16に示すように、伝送チャネルCH2には干渉信号のメインローブの信号が存在し、伝送チャネルCH1には干渉信号のサイドローブの信号が存在する。
このため、無線通信機器40aでは、希望信号が伝送する伝送チャネルのうちの伝送チャネルCH2において干渉信号の電力レベルが相対的に大きく、伝送チャネルCH1において干渉信号の電力レベルが相対的に小さくなる。
相対的に干渉信号の電力レベルが小さい帯域では、ダウンコンバータ131,135での量子化誤差や不要信号推定部410dでのビット幅の削減により、サブバンド不要信号共分散行列の算出誤差が大きくなってしまう。
サブバンド不要信号共分散行列の算出誤差が大きい場合には、当該サブバンド不要信号共分散行列に基づいて生成される干渉抑圧用サブバンドウェイト行列は本来の干渉抑圧用サブバンドウェイト行列に対して大きな誤差を含むことになる。複数のサブバンド信号の重み付け演算にこの大きな誤差を含む干渉抑圧用サブバンドウェイト行列を用いると、推定されるサブバンド送信信号は本来のサブバンド送信信号に対して大きな誤差を含むことになる。
このことから、相対的に干渉信号の電力レベルが小さい帯域では、複数のサブバンド信号の重み付け演算に干渉抑圧用サブバンドウェイト行列より最大比合成用サブバンドウェイト行列を用いる方がサブバンド送信信号の推定精度が高くなる。
これに対して、相対的に干渉信号の電力レベルが大きい帯域では、通常、サブバンド不要信号共分散行列が本来のサブバンド不要信号共分散行列に対して小さい誤差になると考えられる。この場合、干渉抑圧用サブバンドウェイト行列を用いることによって、サブバンド信号から効果的に干渉信号を抑圧することができる。
このことから、相対的に干渉信号の電力レベルが大きい帯域では、通常、複数のサブバンド信号の重み付け演算に、最大比合成用サブバンドウェイト行列より干渉抑圧用サブバンドウェイト行列を用いる方がサブバンド送信信号の推定精度が高くなると考えられる。
従って、サブバンド毎に、複数のサブバンド信号の重み付け演算に使用するウェイト行列を干渉抑圧用サブバンドウェイト行列と最大比合成用サブバンドウェイト行列とで切り替えることによって、各サブバンドにおいて推定精度の高いサブバンド送信信号を得ることが可能になる。
≪第10の実施の形態≫
以下、本発明の第10の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
ウェイト行列に基づく受信信号の重み付け演算では多くの乗除算が行われ、送信側のアンテナ又は受信側のアンテナの数が増加すればそれに伴い必要な乗除算の回数も増加する。
ところで、乗除算を行う度にビット幅が2倍になることから、乗除算の回数の増加は回路規模の増大及び消費電力の増大を招く。
このため、一般に、ビット幅の削減のために乗除算などの演算の途中で丸め込みが行われているが、乗除算などでの演算の途中での丸め込みは演算精度の劣化を招く。
本実施の形態は、上記問題に鑑み、演算精度の劣化を防ぎながら受信信号の重み付け演算の演算量の削減を図るものである。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図17から図19を参照しつつ説明する。図17は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。図18は図17の重付演算部520の構成図であり、図19は図17のウェイト生成部510の構成図である。
但し、本実施の形態は伝送路行列Hの逆行列を求めるZF(Zero Forcing)法を例に挙げて説明する。
無線通信機器50は、アンテナ111,115と、可変利得増幅部121,125と、ダウンコンバータ131,135と、AGC部140と、伝送路特性推定部150と、ウェイト生成部510と、重付演算部520と、復調部190とを備える。
なお、AGC部140は、利得制御信号を可変利得増幅部121,125へ出力する。
(ウェイト生成部510)
ウェイト生成部510は、希望信号の受信時、ダウンコンバータ131,135から出力される複数のBB信号の重み付け演算を行うためのウェイト行列を生成するものであり、図19に示すように、逆行列要素演算部511と、行列式演算部512とを備える。なお、ウェイト生成部510の各部は希望信号の受信時に動作する。
[逆行列要素演算部511]
逆行列要素演算部511は、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hに基づいて、伝送路行列Hの逆行列H−1と伝送路行列Hの行列式detHとを乗算した行列(detH)H−1を算出する。そして、逆行列要素演算部511は、算出した行列(detH)H−1を位相ウェイト行列として重付演算部520の後述する位相重付演算部523へ出力する。
但し、位相ウェイト行列は、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号の重み付け演算のうちの、位相に関する重み付け演算を行うための行列である。
なお、伝送路行列Hが2行2列の行列である場合、行列(detH)H−1の第1行第1列の行列要素は伝送路行列Hの第2行第2列の行列要素h22となり、行列(detH)H−1の第2行第2列の行列要素は伝送路行列Hの第1行第1列の行列要素h11となる。
また、行列(detH)H−1の第1行第2列の行列要素は伝送路行列Hの第1行第2列の行列要素h12の符号を反転した−h12となり、行列(detH)H−1の第2行第1列の行列要素は伝送路行列Hの第2行第1列の行列要素h21の符号を反転した−h21となる。
[行列式演算部512]
行列式演算部512は、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hに基づいて、伝送路行列Hの行列式detHを算出し、算出した行列式detHを振幅補正値として重付演算部520の後述するMSB検出部521と振幅補正値ビットシフト部522とへ出力する。
但し、振幅補正値は、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号の重付演算のうちの、振幅の補正演算を行うための値である。
なお、伝送路行列Hが2行2列の行列である場合、行列式detHは、伝送路行列Hの第1行第1列の行列要素h11と第2行第2列の行列要素h22との乗算値h1122から、伝送路行列Hの第1行第2列の行列要素h12と第2行第1列の行列要素h21との乗算値h1221を減算した値h1122−h1221となる。
(重付演算部520)
重付演算部520は、希望信号の受信時、ダウンコンバータ131,135から入力される複数のBB信号の重み付け演算をウェイト生成部510から入力される位相ウェイト行列と振幅補正値とを用いて行うものである。
重付演算部520は、MSB検出部521と、振幅補正値ビットシフト部522と、位相重付演算部523と、位相重付信号ビットシフト部524と、有効位相重付信号振幅補正部525とを備える。なお、重付演算部520の各部は希望信号の受信時に動作する。
[MSB検出部521]
MSB検出部521は、行列式演算部512から入力される振幅補正値(行列式detHの値)を表した符号列の最上位ビット(Most Significant Bit:MSB)の検出を行い、検出した最上位ビットに基づいてビットシフトする桁数を示すMSB通知信号を振幅補正値ビットシフト部522と位相重付信号ビットシフト部524とへ出力する。
具体的には、伝送路行列Hの行列式detHは必ず正の値になることから、MSB検出部521は、上位のビット側から最初にビット値が1となっているビットを行列式detHの値を表した符号列の最上位ビットとして検出する。
また、MSB検出部521に入力される伝送路行列Hの行列式detHのビットがビットb〜b(サブスクリプトはビット桁を示し、値が大きいほうが上位ビットである。)、MSB検出部521が検出した最上位ビットがbの場合、MSB検出部521はビットシフトする桁数が3であることを示すMSB通知信号を振幅補正値ビットシフト部522と位相重付信号ビットシフト部524とへ出力する。
なお、後述する実施の形態の行列式det(σI+HH)、及び行列式det(HH+RUUS)の夫々は正の値になる。
[振幅補正値ビットシフト部522]
振幅補正値ビットシフト部522は、MSB検出部521から入力されるMSB通知信号が示すビットシフトする桁数に基づいて、行列式演算部512から入力される振幅補正値(行列式detH)を当該桁数分ビットシフトし、振幅補正値の有効数字を抽出する。そして、振幅補正値ビットシフト部522は、抽出した振幅補正値の有効数字(以下、「有効振幅補正値」と言う。)を有効位相重付信号振幅補正部525へ出力する。
振幅補正値ビットシフト部522から出力される有効振幅補正値の符号の桁数は振幅補正値ビットシフト部522に入力される振幅補正値の符号の桁数より小さい。
例えば、振幅補正値ビットシフト部522に入力される伝送路行列Hの行列式detH(振幅補正値)のビットがビットb〜b(サブスクリプトはビット桁を示し、値が大きいほうが上位ビットである。)、MSB通知信号がビットシフトする桁数が3であることを示している場合、振幅補正値ビットシフト部522は振幅補正値を3ビット分ビットシフトして、ビットb〜bを有効振幅補正値として有効位相重付信号振幅補正部525へ出力する。
[位相重付演算部523]
位相重付演算部523は、逆行列要素演算部511から入力される位相ウェイト行列(detH)H−1とダウンコンバータ131,135から入力されるBB信号を行列要素とする受信信号行列rとを乗算する。そして、位相重付演算部523は、乗算の結果得られた行列(以下、「位相重付信号行列」と言う。)を位相重付信号ビットシフト部524へ出力する。
[位相重付信号ビットシフト部524]
位相重付信号ビットシフト部524は、MSB検出部521から入力されるMSB通知信号が示すビットシフトする桁数に基づいて、位相重付演算部523から入力される位相重付信号行列の各行列要素を当該桁数分ビットシフトし、位相重付信号行列の各行列要素の有効数字を抽出する。位相重付信号ビットシフト部524は、抽出した各行列要素の有効数字を行列要素とする行列(以下、「有効位相重付信号行列」と言う。)を有効位相重付信号振幅補正部525へ出力する。
位相重付信号ビットシフト部524から出力される有効位相重付信号行列の各行列要素の符号の桁数は位相重付信号ビットシフト部524に入力される位相重付信号行列の各行列要素の符号の桁数より小さい。
但し、振幅補正値ビットシフト部522が振幅補正値をビットシフトする桁数と位相重付信号ビットシフト部524が位相重付信号行列の各行列要素をビットシフトする桁数は同じである。
例えば、位相重付信号ビットシフト部524に入力される位相重付信号行列の各行列要素のビットがビットb15〜b(サブスクリプトはビット桁を示し、値が大きいほうが上位ビットである。)、MSB通知信号がビットシフトする桁数が3であることを示している場合、位相重付信号ビットシフト部524は当該各行列要素を3ビット分ビットシフトして、ビットb12〜bを各行列要素とする有効位相重付信号行列を有効位相重付信号振幅補正部525へ出力する。
[有効位相重付信号振幅補正部525]
有効位相重付信号振幅補正部525は、位相重付信号ビットシフト部524から入力される有効位相重付信号行列の各行列要素の振幅を振幅補正値ビットシフト部522から入力される有効振幅補正値に基づいて補正し、補正の結果得られる各値を行列要素とする信号行列を復調部190へ出力する。
具体的には、有効位相重付信号振幅補正部525は、有効位相重付信号行列の各行列要素の値を有効振幅補正値によって除算する。
なお、上記の位相重付信号行列及び有効位相重付信号行列は1行1列の行列を含む。
有効位相重付信号振幅補正部525の除算処理は、位相重付信号行列の各行列要素の符号の桁数より符号の桁数が小さくなった有効位相重付信号行列の各行列要素を、振幅補正値の符号の桁数より符号の桁数が小さくなった有効振幅補正値で除算することによって行われる。このため、有効位相重付信号振幅補正部525の除算処理の演算量の削減が図られる。
また、有効位相重付信号振幅補正部525の除算処理に用いられる有効位相重付信号行列の各行列要素と有効振幅補正値との夫々は位相重付信号行列の各行列要素の有効数字と振幅補正値の有効数字との夫々を抽出することによって得られたものなので、有効位相重付信号振幅補正部525の除算処理における演算精度は劣化しない。
上記の重付演算部520の動作の概要を記載する。
行列式演算部512から入力される行列式の値を表した符号列の最上位ビットの検出がMSB検出部521によって行われる。
振幅補正値ビットシフト部522は、MSB検出部521による検出結果に基づいて、行列式演算部512から入力される振幅補正値をビットシフトすることによって振幅補正値の有効数字を抽出する。
ダウンコンバータ131,135から入力されるBB信号は、位相重付演算部523によって逆行列要素演算部511から入力される位相ウェイト行列に基づいて位相に関する重み付けが施される。
位相重付演算部523の処理によって得られた位相重付信号行列は、位相重付信号ビットシフト部524によって、MSB検出部521による検出結果に基づいてビットシフトが施され、これによって位相重付信号行列の各行列要素の有効数字が抽出される。
位相重付信号ビットシフト部524の処理によって得られた有効位相重付信号行列の各行列要素は、有効位相重付信号振幅補正部525によって、振幅補正値ビットシフト部522の処理によって得られた有効振幅補正値に基づいて振幅補正が施される。
≪第11の実施の形態≫
以下、本発明の第11の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、第1の実施の形態の無線通信機器に重み付け演算の演算量を削減する機能を付加したものである。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図20及び図21を参照しつつ説明する。図20は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図であり、図21は図20のウェイト生成部610の構成図である。なお、図20は、図2の伝送路特性推定部150と雑音量推定部162とウェイト生成部170と重付演算部180とに相当するブロックのみ図示したものである。
但し、本実施の形態はMMSE法を例に挙げて説明する。
無線通信機器60は、伝送路特性推定部150と、雑音量推定部162と、ウェイト生成部610と、重付演算部520とを備える。
(ウェイト生成部610)
ウェイト生成部610は、希望信号の受信時、ダウンコンバータ131,135から出力される複数のBB信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成するものである。
ウェイト生成部610は、図21に示すように、複素共役転置行列演算部611と、行列乗算部612と、単位行列乗算部613と、行列加算部614と、逆行列要素演算部615と、行列乗算部616と、行列式演算部617とを備える。なお、ウェイト生成部610の各部は希望信号の受信時に動作する。
[複素共役転置行列演算部611]
複素共役転置行列演算部611は、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hの複素共役転置行列Hを算出し、算出した複素共役転置行列Hを行列乗算部612と行列乗算部616とへ出力する。
[行列乗算部612]
行列乗算部612は、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hと、複素共役転置行列演算部611から入力される複素共役転置行列Hとの乗算を行い、乗算の結果得られる行列HHを行列加算部614へ出力する。
[単位行列乗算部613]
単位行列乗算部613は、雑音量推定部162から入力される雑音量σを単位行列Iに乗算し、乗算の結果得られる行列σIを行列加算部614へ出力する。
[行列加算部614]
行列加算部614は、行列乗算部612から入力される行列HHと、単位行列乗算部613から入力される行列σIとを加算し、加算の結果得られる行列σI+HHを逆行列要素演算部615と行列式演算部617とへ出力する。
[逆行列要素演算部615]
逆行列要素演算部615は、行列加算部614から入力される行列σI+HHに基づいて、行列σI+HHの逆行列(σI+HH−1と行列σI+HHの行列式det(σI+HH)とを乗算した行列det(σI+HH)(σI+HH−1を算出する。そして、逆行列要素演算部615は、算出した行列det(σI+HH)(σI+HH−1を行列乗算部616へ出力する。
[行列乗算部616]
行列乗算部616は、複素共役転置行列演算部611から入力される複素共役転置行列Hと、逆行列要素演算部615から入力される行列det(σI+HH)(σI+HH−1とを乗算し、乗算の結果得られる行列det(σI+HH)H(σI+HH−1を位相ウェイト行列として位相重付演算部523へ出力する。
[行列式演算部617]
行列式演算部617は、行列加算部614から入力される行列σI+HHに基づいて、行列σI+HHの行列式det(σI+HH)を算出し、算出した行列式det(σI+HH)を振幅補正値としてMSB検出部521と振幅補正値ビットシフト部522とへ出力する。
なお、本実施の形態のMSB検出部521及び振幅補正値ビットシフト部522は、振幅補正値として、行列式detHの代わりに、行列式det(σI+HH)を用いる。
また、本実施の形態の位相重付演算部523は、位相ウェイト行列として、行列(detH)H−1の代わりに、行列det(σI+HH)H(σI+HH−1を用いる。
≪第12の実施の形態≫
以下、本発明の第12の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、第11の実施の形態と同様、第1の実施の形態の無線通信機器に重み付け演算の演算量を削減する機能を付加したものであり、重み付け演算の演算量の削減を図る仕組みが第11の実施の形態と異なるものである。
本実施の形態は、MMSE法では、受信信号の重み付け演算において雑音量を考慮するために行列式det(σI+HH)が零に近くなるような極端に小さい値をとることがないことを考慮したものである。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図22を参照しつつ説明する。図22は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。なお、図22は、図2の伝送路特性推定部150と雑音量推定部162とウェイト生成部170と重付演算部180とに相当するブロックのみ図示したものである。
無線通信機器60aは、伝送路特性推定部150と、雑音量推定部162と、ウェイト生成部610と、重付演算部620とを備える。
なお、ウェイト生成部610は、位相ウェイト行列として上述した行列det(σI+HH)H(σI+HH−1を重付演算部620内の後述する位相ウェイトビットシフト部621へ出力し、振幅補正値として上述した行列式det(σI+HH)をMSB検出部521と振幅補正値ビットシフト部522とへ出力する。
(重付演算部620)
重付演算部620は、希望信号の受信時、ダウンコンバータ131,135から入力される複数のBB信号の重み付け演算をウェイト生成部610から入力される位相ウェイト行列と振幅補正値とを用いて行うものである。
重付演算部620は、MSB検出部521と、振幅補正値ビットシフト部522と、位相ウェイトビットシフト部621と、位相ウェイト振幅補正部622と、有効重付演算部623とを備える。なお、重付演算部620の各部は希望信号の受信時に動作する。
なお、本実施の形態のMSB検出部521及び振幅補正値ビットシフト部522は、振幅補正値として、行列式detHの代わりに、行列式det(σI+HH)を用いる。
[位相ウェイトビットシフト部621]
位相ウェイトビットシフト部621は、MSB検出部521から入力されるMSB通知信号が示すビットシフトする桁数に基づいて、ウェイト生成部610の行列乗算部616から入力される位相ウェイト行列の各行列要素を当該桁数分ビットシフトし、位相ウェイト行列の各行列要素の有効数字を抽出する。位相ウェイトビットシフト部621は、抽出した各行列要素の有効数字を行列要素とする行列(以下、「有効位相ウェイト行列」と言う。)を位相ウェイト振幅補正部622へ出力する。
位相ウェイトビットシフト部621から出力される有効位相ウェイト行列の各行列要素の符号の桁数は位相ウェイトビットシフト部621に入力される位相ウェイト行列の各行列要素の符号の桁数より小さい。
但し、振幅補正値ビットシフト部522が振幅補正値をビットシフトする桁数と位相ウェイトビットシフト部621が位相ウェイト行列の各行列要素をビットシフトする桁数は同じである。
例えば、位相ウェイトビットシフト部621に入力される位相ウェイト行列の各行列要素のビットがビットb15〜b(サブスクリプトはビット桁を示し、値が大きいほうが上位ビットである。)、MSB通知信号がビットシフトする桁数が3であることを示している場合、位相ウェイトビットシフト部621は当該各行列要素を3ビット分ビットシフトして、ビットb12〜bを各行列要素とする有効位相ウェイト行列を位相ウェイト振幅補正部622へ出力する。
[位相ウェイト振幅補正部622]
位相ウェイト振幅補正部622は、位相ウェイトビットシフト部621から入力される有効位相ウェイト行列の各行列要素の振幅を振幅補正値ビットシフト部522から入力される有効振幅補正値に基づいて補正し、補正の結果得られる各値を行列要素とする行列(以下、「有効ウェイト行列」と言う。)を有効重付演算部623へ出力する。
具体的には、位相ウェイト振幅補正部622は、有効位相ウェイト行列の各行列要素の値を有効振幅補正値によって除算する。
[有効重付演算部623]
有効重付演算部623は、位相ウェイト振幅補正部622から入力される有効ウェイト行列と、ダウンコンバータから入力される複数のBB信号を行列要素とする受信信号行列とを乗算する。
上記の実施の形態によれば、位相ウェイト振幅補正部622の除算処理は、位相ウェイト行列の各行列要素の符号の桁数より符号の桁数が小さくなった有効位相ウェイト行列の各行列要素を、振幅補正値の符号の桁数より符号の桁数が小さくなった有効振幅補正値で除算することによって行われる。
また、有効重付演算部623の重み付け演算処理は、ウェイト行列の各行列要素の符号の桁数より符号の桁数が小さくなった有効ウェイト行列と複数のBB信号を行列要素とする受信信号行列とを乗算することによって行われる。
このため、重付演算部620での重み付け演算処理の演算量の削減が図られる。
上記の重付演算部620の動作の概要を記載する。
行列式演算部512から入力される行列式の値を表した符号列の最上位ビットの検出がMSB検出部521によって行われる。
振幅補正値ビットシフト部522は、MSB検出部521による検出結果に基づいて、行列式演算部617から入力される振幅補正値をビットシフトすることによって振幅補正値の有効数字を抽出する。
位相ウェイトビットシフト部621は、MSB検出部521による検出結果に基づいて、行列乗算部616から入力される位相ウェイト行列の各行列要素をビットシフトすることによって各行列要素の有効数字を抽出する。
位相ウェイト振幅補正部622は、位相ウェイトビットシフト部621のビットシフトの結果得られる有効位相ウェイト行列の各行列要素の振幅を振幅補正値ビットシフト部522によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正する。
ダウンコンバータから131,135から入力されるBB信号は、有効重付演算部623によって位相ウェイト振幅補正部622から入力される有効ウェイト行列に基づいて重み付けが施される。
≪第13の実施の形態≫
以下、本発明の第13の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、第3の実施の形態の無線通信機器に重み付け演算の演算量を削減する機能を付加したものである。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図23及び図24を参照しつつ説明する。図23は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図であり、図24は図23のウェイト生成部720の構成図である。なお、図23は、図6の伝送路特性推定部150と干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230とウェイト生成部240と重付演算部180とに相当するブロックのみ図示したものである。
但し、本実施の形態はMMSE法を例に挙げて説明する。
無線通信機器70は、伝送路特性推定部150と、不要信号推定部710と、ウェイト生成部720と、重付演算部520とを備える。
但し、不要信号推定部710は、図6の干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230とによって構成される回路部の機能を備える。なお、不要信号推定部710がウェイト生成部720へ出力する不要信号共分散行列をRUUSと記載する。
(ウェイト生成部720)
ウェイト生成部720は、希望信号の受信時、ダウンコンバータ131,135から出力される複数のBB信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成するものである。
ウェイト生成部720は、複素共役転置行列演算部721と、行列乗算部722と、行列加算部723と、逆行列要素演算部724と、行列乗算部725と、行列式演算部726とを備える。なお、ウェイト生成部720の各部は希望信号の受信時に動作する。
[複素共役転置行列演算部721]
複素共役転置行列演算部721は、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hの複素共役転置行列Hを算出し、算出した複素共役転置行列Hを行列乗算部722と行列乗算部725とへ出力する。
[行列乗算部722]
行列乗算部722は、伝送路特性推定部150から入力される伝送路行列Hと、複素共役転置行列演算部721から入力される複素共役転置行列Hとの乗算を行い、乗算の結果得られる行列HHを行列加算部723へ出力する。
[行列加算部723]
行列加算部723は、行列乗算部722から入力される行列HHと、不要信号推定部710から入力される共分散行列RUUSとを加算し、加算の結果得られる行列HH+RUUSを逆行列要素演算部724と行列式演算部726とへ出力する。
[逆行列要素演算部724]
逆行列要素演算部724は、行列加算部723から入力される行列HH+RUUSに基づいて、行列HH+RUUSの逆行列(HH+RUUS−1と行列HH+RUUSの行列式det(HH+RUUS)とを乗算した行列det(HH+RUUS)(HH+RUUS−1を算出する。そして、逆行列要素演算部724は、算出した行列det(HH+RUUS)(HH+RUUS−1を行列乗算部725へ出力する。
[行列乗算部725]
行列乗算部725は、複素共役転置行列演算部721から入力される複素共役転置行列Hと、逆行列要素演算部724から入力される行列det(HH+RUUS)(HH+RUUS−1とを乗算する。そして、行列乗算部725は、乗算の結果得られる行列det(HH+RUUS)H(HH+RUUS−1を位相ウェイト行列として位相重付演算部523へ出力する。
[行列式演算部726]
行列式演算部726は、行列加算部723から入力される行列HH+RUUSに基づいて、行列HH+RUUSの行列式det(HH+RUUS)を算出し、算出した行列式det(HH+RUUS)をMSB検出部521と振幅補正値ビットシフト部522とへ出力する。
なお、本実施の形態のMSB検出部521及び振幅補正値ビットシフト部522は、振幅補正値として、行列式detHの代わりに、行列式det(HH+RUUS)を用いる。
また、本実施の形態の位相重付演算部523は、位相ウェイト行列として、行列(detH)H−1の代わりに、行列det(HH+RUUS)H(HH+RUUS−1を用いる。
≪第14の実施の形態≫
以下、本発明の第14の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
但し、本実施の形態は、第13の実施の形態と同様、第3の実施の形態の無線通信機器に重み付け演算の演算量を軽減する機能を付加したものであり、重み付け演算の演算量の削減を図る仕組みが第13の実施の形態と異なるものである。
なお、本実施の形態において、上記の各実施の形態と実質的に同じ構成要素には上記の各実施の形態と同じ符号を付し、上記の各実施の形態の説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
<無線通信機器の構成>
本実施の形態の無線通信機器について図25を参照しつつ説明する。図25は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。なお、図25は、図6の伝送路特性推定部150と干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230とウェイト生成部240と重付演算部180とに相当するブロックのみ図示したものである。
無線通信機器70aは、伝送路特性推定部150と、不要信号推定部710と、ウェイト生成部720と、重付演算部620とを備える。
なお、ウェイト生成部720は、位相ウェイト行列として上述した行列det(HH+RUUS)H(HH+RUUS−1を重付演算部620内の位相ウェイトビットシフト部621へ出力し、振幅補正値として上述したdet(HH+RUUS)をMSB検出部521と振幅補正値ビットシフト部522とへ出力する。
また、MSB検出部521及び振幅補正値ビットシフト部522は、振幅補正値として、行列式detHの代わりに、行列式det(HH+RUUS)を用いる。位相ウェイトビットシフト部621は、位相ウェイト行列として、行列det(σI+HH)H(σI+HH−1の代わりに、行列det(HH+RUUS)H(HH+RUUS−1を用いる。
≪補足≫
本発明は上記の実施の形態に限られるものではなく、例えば、次のようなものであっても良い。
(1)上記の各実施の形態では、無線通信機器が、受信系統として、アンテナ111と可変利得増幅部121とダウンコンバータ131とを含む受信系統とアンテナ115と可変利得増幅部125とダウンコンバータ135とを含む受信系統との2系統を有する場合を図示している。しかしながら、無線通信機器の受信系統は2系統に限られるものではなく、3系統以上あってもよい。
(2)上記の第1の実施の形態の雑音量情報記憶部161、第2の実施の形態の雑音量情報記憶部161a、及び第4から第6の実施の形態の雑音量情報記憶部251に記憶されている雑音量情報は、図3を用いて説明した雑音量情報及び図5を用いて説明した雑音量情報であるが、これに限られるものではない。雑音量情報は、例えば、実機において可変利得増幅部121,125の利得の値と、高周波部(可変利得増幅部とダウンコンバータとを含む。)において発生する雑音の雑音量との関係を測定しておき、測定結果に基づいて得られる可変利得増幅部121の利得の値と高周波部から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報であってもよい。
また、雑音量情報記憶部161、雑音量情報記憶部161a、及び雑音量情報記憶部251に記憶されている雑音量情報は、可変利得増幅部121,125の利得の値とダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報であるが、これに限られるものではない。雑音量情報は、例えば、可変利得増幅部121,125に入力される入力信号の信号レベルとダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報であってもよい。なお、当該雑音量情報は、例えば、図3及び図5の夫々で説明した内容を考慮して作成することができる。
(3)上記の第3の実施の形態で説明した雑音量補正部230の構成は、上記の構成に限られるものではなく、次のことが実行できる構成であればよい。
雑音量補正部は、乗算部223から入力される振幅補正共分散行列ΔgRUUに、平均雑音量nと単位行列Iとを乗算して得られる行列nIを加算し、利得比Δgを平均雑音量nに乗算した値Δgnと単位行列Iとを乗算して得られるΔgnIを減算する。
(4)上記の第5及び第6の実施の形態で説明した雑音量補正部230b,230cの構成は、上記の構成に限られるものではなく、次のことを実行できる構成であればよい。
雑音量補正部は、雑音量情報を参照して、干渉測定時の第1制御利得値に対応したBB信号に含まれる雑音の雑音量の推定及び希望信号の受信時の第2制御利得値に対応したBB信号に含まれる雑音の雑音量の推定を行う。さらに、雑音量補正部は、乗算部223から入力される振幅補正共分散行列ΔgRUUに、希望信号の受信時の雑音の雑音量の推定値σ2b と単位行列Iとを乗算して得られる行列σ2b Iを加算し、利得比Δgを干渉測定時の雑音の雑音量の推定値σ2a に乗算した値Δgσ2a と単位行列Iとを乗算して得られるΔgσ2a Iを減算する。
(5)上記の第8の実施の形態において、干渉信号推定部410は第3の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230とを備えるブロックであるとしている。しかしながら、これに限られるものではなく、干渉信号推定部410は、ウェイト行列Wの生成に使用する不要信号共分散行列を推定することが可能な構成であればよい。
例えば、干渉信号推定部410を、干渉雑音推定部210と振幅補正部220とを含むブロックと等価なブロックによって実現してもよく、第4の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230aとを含むブロックと等価なブロックによって実現してもよい。
また、干渉信号推定部410を、第5の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230bとを含むブロックと等価なブロックによって実現してもよく、第6の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230cとを含むブロックと等価なブロックによって実現してもよい。
さらに、干渉信号推定部410を、第7の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部310とを含むブロックと等価なブロックによって実現してもよい。
なお、第9の実施の形態においても、干渉信号推定部410dの構成は、サブバンド毎にサブバンド不要信号共分散行列を推定することが可能な構成であればよく、例えば、上記の第8の実施の形態と同様の変形が可能である。
(6)上記の第8の実施の形態において、誤差判定部420は不要信号共分散行列(雑音量補正共分散行列)が誤差許容条件を満たすか(その行列式の値が0以上であるか)を判定し、ウェイト生成部430はその判定結果に基づいて干渉抑圧用ウェイト行列及び最大比合成用ウェイト行列の何れかを生成する。しかしながら、これに限られるものではなく、次のようなものであってもよい。
誤差判定部420は共分散行列(干渉雑音推定部210によって作成される共分散行列が該当する。)が誤差許容条件を満たすか(その行列式の値が0以上であるか)、或いは、振幅補正共分散行列(振幅補正部220によって共分散行列が振幅補正されて得られた振幅補正共分散行列が該当する。)が誤差許容条件を満たすか(その行列式の値が0以上であるか)を判定する。そして、ウェイト生成部430はその判定結果に基づいて干渉抑圧用ウェイト行列及び最大比合成用ウェイト行列の何れかを生成するようにしてもよい。
誤差判定部420は、伝送路行列Hと不要信号共分散行列RUUIとに基づいて得られる行列HH+RUUIが誤差許容条件を満たすか(その行列式の値が0以上であるか)を判定する。そして、ウェイト生成部430は、行列HH+RUUIが誤差許容条件を満たすと判定された場合には干渉抑圧用ウェイト行列を生成し、行列HH+RUUIが誤差許容条件を満たさないと判定された場合には最大比合成用ウェイト行列を生成する。
なお、第9の実施の形態においても、誤差判定部410dは例えば上記の第8の実施の形態と同様の変形が可能である。
(7)上記の第8の実施の形態において、誤差判定条件は不要信号共分散行列の行列式の値が0以上であることであるが、これに限られるものではなく、不要信号共分散行列の算出誤差が小さいとすることができるものであればよい。
(8)上記の第8及び第9の実施の形態において、ウェイト生成部430,430dは干渉抑圧用ウェイト行列と異なるウェイト行列として最大比合成用ウェイト行列を生成する。しかしながら、これに限られるものではなく、ウェイト生成部430,430dは干渉抑圧用ウェイト行列と異なるウェイト行列としてZF法など他の手法に関するウェイト行列を生成するようにしてもよい。
(9)上記の第10の実施の形態において、重付演算部520の代わりに第12及び第14の実施の形態において説明した重付演算部620を適用するようにしてもよい。
(10)上記の第11及び第12の実施の形態において、ウェイト生成部610による位相ウェイト行列と振幅補正値との生成に、雑音量推定部162によって推定された雑音の雑音量の推定値σが用いられているが、これに限られるものではない。ウェイト生成部610による位相ウェイト行列と振幅補正値との生成に用いられる雑音の雑音量の推定値はダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる雑音の雑音量の推定値であればよく、例えば、第2の実施の形態の雑音量推定部162aによって推定された雑音の雑音量の推定値σ が用いられてもよい。
(11)上記の第13及び第14の実施の形態において、ウェイト生成部720による位相ウェイト行列と振幅補正値との生成に、不要信号推定部710によって推定された不要信号共分散行列が用いられているが、これに限られるものではない。ウェイト生成部720による位相ウェイト行列と振幅補正値との生成に用いられる不要信号の不要信号行列は、ダウンコンバータ131,135から出力されるBB信号に含まれる不要信号の不要信号共分散行列であればよく、干渉雑音推定部210と振幅補正部220とによって算出される振幅補正共分散行列であってもよく、第4の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230aとによって算出される雑音量補正共分散行列であってもよい。また、第5の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230bとによって算出される雑音量補正共分散行列であってもよく、第6の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部230cとによって算出される雑音量補正共分散行列であってもよく、第7の実施の形態で説明した干渉雑音推定部210と振幅補正部220と雑音量補正部310とによって算出される雑音量補正共分散行列であってもよい。
(12)第10、第11及び第13の実施の形態において、重付演算部520はウェイト生成部510,610,720によって生成される位相ウェイト行列と振幅補正値とに基づいてダウンコンバータ131,135から出力される複数のBB信号の重み付け演算を行う。しかしながら、これに限られるものではなく、重付演算部520は、上記の補足(10)、(11)で記載したウェイト生成部の変形例など任意のウェイト生成部で生成される位相ウェイト行列と振幅補正値とに基づくBB信号の重み付け演算に適用可能である。
また、重付演算部520は、第8及び第9の実施の形態の重付演算部180,180dの代わりに適用することができる。なお、この場合、ウェイト生成部430,430dは、ウェイト行列として位相ウェイト行列と振幅補正値とを生成する。
(13)第12、及び第14の実施の形態において、重付演算部620はウェイト生成部610,720によって生成される位相ウェイト行列と振幅補正値とに基づいてダウンコンバータ131,135から出力される複数のBB信号の重み付け演算を行う。しかしながら、これに限られるものではなく、重付演算部620は、上記の補足(10)、(11)で記載したウェイト生成部の変形例など任意のウェイト生成部で生成される位相ウェイト行列と振幅補正値とに基づくBB信号の重み付け演算に適用可能である。
また、重付演算部620は、第8及び第9の実施の形態の重付演算部180,180dの代わりに適用することができる。なお、この場合、ウェイト生成部430,430dは、ウェイト行列として位相ウェイト行列と振幅補正値とを生成する。
(14)上記の各実施の形態において、アンテナ111,115と可変利得増幅部121,125とダウンコンバータ131,135とを除く各部は、ベースバンド帯で信号処理しているが、ベースバンド帯での信号処理に限られず、例えばRF(RadioFrequency)帯での信号処理及びIF(Intermediate Frequency)帯での信号処理にも適用することができる。
(15)上記の第1から第7、及び第10から第14の各実施の形態の無線通信機器は、例えば第9の実施の形態で説明したサブバンド分離部451,455を追加することによって、OFDM方式に代表されるマルチキャリア方式に適用することができる。
(16)上記の第1から第9の各実施の形態の無線通信機器は、n×n(nは自然数)のMIMOシステムに適用することができるとともに、n×m(n,mは自然数であり、且つ、mはn以上)のMIMOシステムにも適用することができる。
上記の第10の実施の形態の無線通信機器は、n×n(nは自然数の)のMIMOシステムに適用することができる。
上記の第11から第14の各実施の形態の無線通信機器は、n×n(nは自然数)のMIMOシステムに適用することができるとともに、n×m(n,mは自然数であり、且つmはn以上)のMIMOシステムにも適用することができる。
(17)上記の第3から第9、第13及び第14の実施の形態では、2以上の複数の希望信号は互いに無相関であることを前提として説明している。しかしながら、複数の希望信号が一定の相関関係にある場合は、ウェイト生成部は、伝送路行列Hと不要信号共分散行列RUU0と送信信号間の相関を示す共分散行列RSSとを用いて、下記の式(14)の演算を行うことによってウェイト行列を生成すればよい。なお、共分散行列RSSは、送信信号sの共分散行列を表し、送信信号の統計的性質から知ることができる。
Figure 0005147730
但し、不要信号共分散行列RUU0は、例えば、振幅補正部220から出力される振幅補正共分散行列、第3から第7の実施の形態で説明した雑音量補正部230〜230c,310から出力される雑音量補正共分散行列である。
通常のMIMO伝送においては、複数のストリームに異なるデータを変調して送信するため送信信号間に相関を持たない。その場合、式(14)の送信信号の共分散行列RSSは単位行列となるため省略することができる。
なお、第8の実施の形態において、誤差判定部420は、行列HRSS+RUU0が誤差許容条件を満たすか(その行列式の値が0以上であるか)を判定する。そして、ウェイト生成部430は、行列HRSS+RUU0が誤差許容条件を満たすと判定された場合には干渉抑圧用ウェイト行列を生成し、行列HRSS+RUU0が誤差許容条件を満たさないと判定された場合には最大比合成用ウェイト行列を生成する。
なお、第9の実施の形態においても、誤差判定部410dは例えば上記の第8の実施の形態と同様の変形が可能である。
(18)上記の各実施の形態の無線通信機器は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてよい。各回路を個別に1チップとしてもよいし、全ての回路又は一部の回路を含むように1チップ化されてもよい。例えば、チューナ部101は他の回路部と同一の集積回路に集積されることもあれば、別の集積回路になる場合もある。
ここでは、LSIとして記載したが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラム化することが可能なFPGA(FieldProgrammable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
本発明は、複数のアンテナによって受信される受信信号の重付演算を行うことによって送信信号を推定する無線通信機器に利用することができる。
第1の実施の形態の無線通信システムのシステム構成図。 第1の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 図2の雑音量情報記憶部に記憶される雑音量情報を説明するための図。 第2の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 図4の雑音量情報記憶部に記憶される雑音量情報を説明するための図。 第3の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 図6の無線通信機器によって行われる受信動作の概要を示すフローチャート。 図6の無線通信機器の受信動作の一例を説明するための図。 第4の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 第5の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 第6の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 第7の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 第8の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 図13の誤差判定部の構成図。 第9の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 図15の無線通信機器の効果を説明するための図。 第10の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 図17の重付演算部の構成図。 図17のウェイト生成部の装置構成図。 第11の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 図20のウェイト生成部の装置構成図。 第12の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 第13の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 図23のウェイト生成部の装置構成図。 第14の実施の形態の無線通信機器の装置構成図。 従来の無線通信機器の装置構成図。
10,20 無線通信機器
111,115 アンテナ
121,125 可変利得増幅部
131,135 ダウンコンバータ
140 AGC部
150 伝送路特性推定部
160 雑音推定部
161 雑音量情報記憶部
162 雑音量推定部
170 ウェイト生成部
180 重付演算部
190 復調部
210 干渉雑音推定部
220 振幅補正部
221 干渉測定時利得保持部
222 利得比算出部
223 乗算部
230 雑音量補正部
231 1発生部
232 平均雑音量発生部
233 減算部
234 乗算部
235 加算部
240 ウェイト生成部

Claims (14)

  1. 複数のアンテナと、
    複数のアンテナによって受信される受信信号の増幅を含む所定の処理を行う高周波部と、
    前記高周波部から出力される複数の受信処理信号が所定条件を満たすように前記高周波部の利得を制御する利得制御部と、
    前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、
    前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に基づいて、前記複数の受信処理信号が含む干渉及び雑音に係る複数の不要信号の干渉雑音量を推定する干渉雑音推定部と、
    前記干渉雑音推定部によって推定される前記不要信号の干渉雑音量の推定値の夫々を、前記不要信号の干渉雑音量の推定時の前記高周波部の利得の値である第1制御利得値に対する希望信号の受信時の前記高周波部の利得の値である第2制御利得値の利得比に基づいて補正する振幅補正部と、
    前記振幅補正部による補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に関する雑音量を前記利得比に基づいて補正する雑音量補正部と、
    前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果と前記雑音量補正部による補正結果とに基づいて、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成するウェイト生成部と、
    前記ウェイト生成部によって生成されるウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う重付演算部と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. 前記雑音量補正部は、
    前記高周波部の利得の値と前記高周波部から出力される受信処理信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を記憶する雑音量情報記憶部と、
    前記雑音量情報記憶部に記憶されている雑音量情報を参照して、前記高周波部から出力される受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を前記第2制御利得値に基づいて推定する雑音量推定部と、
    前記振幅補正部による補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量に前記雑音量推定部によって推定される雑音量の推定値を加算する加算部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  3. 前記雑音量補正部は、
    前記振幅補正部による補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量に対して、当該振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に関する雑音量を前記第1制御利得値と前記第2制御利得値とに基づいて抑圧し、所定の方法に従って決定される雑音の雑音量を付加する
    ことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  4. 前記雑音量補正部は、
    前記夫々の振幅補正干渉雑音量に対して、前記所定の方法に従って決定される雑音の雑音量の加算を行い、当該雑音の雑音量に前記利得比を乗算した値の減算を行う
    ことを特徴とする請求項3記載の受信装置。
  5. 前記雑音量補正部は、
    定数1から前記利得比を減算する減算部と、
    前記所定の方法に従って決定される雑音の雑音量に前記減算部による減算の結果得られる値を乗算する乗算部と、
    前記振幅補正部による補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量に前記乗算部による乗算値を加算する加算部と、
    を備えることを特徴とする請求項4記載の受信装置。
  6. 前記所定の方法に従って決定される雑音の雑音量は前記高周波部において発生する平均的な雑音の雑音量である
    ことを特徴とする請求項3記載の受信装置。
  7. 前記雑音量補正部は、
    前記高周波部の利得の値と前記高周波部から出力される受信処理信号に含まれる雑音の雑音量との関係を示す雑音量情報を記憶する雑音量情報記憶部と、
    前記雑音量情報記憶部に記憶されている雑音量情報を参照して、前記不要信号の干渉雑音量の推定時の前記高周波部から出力される受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を前記第1制御利得値に基づいて推定し、推定した雑音量の推定値を前記利得比に基づいて補正する第1補正部と、
    前記雑音量情報記憶部に記憶されている雑音量情報を参照して、希望信号の受信時の前記高周波部から出力される受信処理信号の夫々に含まれる雑音の雑音量を前記第2制御利得値に基づいて推定する推定部と、
    前記振幅補正部による補正の結果得られる振幅補正干渉雑音量の夫々に対して、前記第1補正部による補正の結果得られる補正雑音量の減算を行い、前記推定部によって推定される雑音量の推定値の加算を行う第2補正部と、
    を備えることを特徴とする請求項3記載の受信装置。
  8. 前記干渉雑音推定部は、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号が含む不要信号の干渉雑音量の推定に加え、複数の受信処理信号の各々と当該複数の受信処理信号のうちの他の受信処理信号の各々との相関量の推定を行い、
    前記振幅補正部は、前記利得比に基づく前記干渉雑音量の推定値の補正に加え、前記利得比に基づいて前記干渉雑音推定部によって推定される相関量の夫々を補正し、
    前記受信装置は、
    前記干渉雑音推定部による推定の結果得られる干渉雑音量及び相関量、又は、前記振幅補正部による相関量の補正の結果得られる振幅補正相関量及び前記雑音量補正部による補正の結果得られる雑音補正干渉雑音量が、所定の誤差許容条件を満足するかを判定する誤差判定部
    を更に備え、
    前記ウェイト生成部は、
    前記誤差判定部の判定が肯定的である場合に前記ウェイトを生成し、
    前記誤差判定部の判定が否定的である場合に前記ウェイトの生成とは異なる方法によって前記伝送路特性推定部による伝送路特性の推定結果に基づいて他のウェイトを生成し、
    前記重付演算部は、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を、前記ウェイト生成部によって生成される前記ウェイト又は前記他のウェイトに基づいて行う
    ことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  9. 前記誤差判定部は、前記判定を、前記干渉雑音量を対角成分とし、前記相関量を非対角成分とする第1行列の行列式、又は、前記雑音補正干渉雑音量を対角成分とし、前記振幅補正相関量を非対角成分とする第2行列の行列式に基づいて行う
    を備えることを特徴とする請求項8記載の受信装置。
  10. 前記誤差許容条件は、前記第1行列の行列式の値、又は、前記第2行列の行列式の値が0以上の値である
    ことを特徴とする請求項9記載の受信装置。
  11. 前記高周波部から出力される複数の受信処理信号を複数の周波数帯域に分離するサブバンド分離部
    を更に備えることを特徴とする請求項8記載の受信装置。
  12. 前記ウェイト生成部は、
    前記ウェイトとして、前記重み付け演算のうちの位相に関する重み付け演算を行うための位相ウェイトと、前記重み付け演算のうちの振幅に関する演算を行うための振幅補正値とを生成し、
    前記重付演算部は、
    前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値を表す符号列の最上位ビットを検出するビット検出部と、
    前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値をビットシフトする振幅補正値ビットシフト部と、
    前記ウェイト生成部によって生成される位相ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の位相に関する重み付け演算を行う位相重付演算部と、
    前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記位相重付演算部による位相に関する重み付け演算の結果得られる位相重付信号をビットシフトする位相重付信号ビットシフト部と、
    前記位相重付信号ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効位相重付信号を、前記振幅補正値ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正する信号振幅補正部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  13. 前記ウェイト生成部は、
    前記ウェイトとして、前記重み付け演算のうちの位相に関する重み付け演算を行うための位相ウェイトと、前記重み付け演算のうちの振幅に関する演算を行うための振幅補正値とを生成し、
    前記重付演算部は、
    前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値を表す符号列の最上位ビットを検出するビット検出部と、
    前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される位相ウェイトをビットシフトする位相ウェイトビットシフト部と、
    前記ビット検出部による最上位ビットの検出結果に基づいて、前記ウェイト生成部によって生成される振幅補正値をビットシフトする振幅補正値ビットシフト部と、
    前記位相ウェイトビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効位相ウェイトを前記振幅補正値ビットシフト部によるビットシフトの結果得られる有効振幅補正値に基づいて補正するウェイト振幅補正部と、
    前記ウェイト振幅補正部による補正の結果得られる有効ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う有効重付演算部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  14. 複数のアンテナと、複数のアンテナによって受信される受信信号の増幅を含む所定の処理を行う高周波部と、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号が所定条件を満たすように前記高周波部の利得を制御する利得制御部と、を有する受信装置において行われる、ウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う受信方法において、
    前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に含まれるパイロット信号に基づいて伝送路毎の伝送路特性を推定する伝送路特性ステップと、
    前記高周波部から出力される複数の受信処理信号に基づいて、前記複数の受信処理信号が含む干渉及び雑音に係る複数の不要信号の干渉雑音量を推定する干渉雑音推定ステップと、
    前記干渉雑音推定ステップにおいて推定される前記不要信号の干渉雑音量の推定値の夫々を、前記不要信号の干渉雑音量の推定時の前記高周波部の利得の値である第1制御利得値に対する希望信号の受信時の前記高周波部の利得の値である第2制御利得値の利得比に基づいて補正する振幅補正ステップと、
    前記振幅補正ステップにおける補正の結果得られる夫々の振幅補正干渉雑音量のうちの雑音に関する雑音量を前記利得比に基づいて補正する雑音量補正ステップと、
    前記伝送路特性推定ステップにおける伝送路特性の推定結果と前記雑音量補正ステップにおける補正結果とに基づいて、前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行うためのウェイトを生成するウェイト生成ステップと、
    前記ウェイト生成ステップにおいて生成されるウェイトに基づいて前記高周波部から出力される複数の受信処理信号の重み付け演算を行う重付演算ステップと、
    を有することを特徴とする受信方法。
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