JP4476879B2 - 空間多重伝送用受信方法及び装置 - Google Patents

空間多重伝送用受信方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4476879B2
JP4476879B2 JP2005184912A JP2005184912A JP4476879B2 JP 4476879 B2 JP4476879 B2 JP 4476879B2 JP 2005184912 A JP2005184912 A JP 2005184912A JP 2005184912 A JP2005184912 A JP 2005184912A JP 4476879 B2 JP4476879 B2 JP 4476879B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
phase rotation
phase
correction
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005184912A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007006213A (ja
Inventor
理一 工藤
健太郎 西森
泰司 鷹取
光一 常川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2005184912A priority Critical patent/JP4476879B2/ja
Publication of JP2007006213A publication Critical patent/JP2007006213A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4476879B2 publication Critical patent/JP4476879B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radio Transmission System (AREA)

Description

本発明は、複数のアンテナ素子を用い、同一時間に複数の異なる信号を受信する空間多重伝送用受信方法とその装置に関する。
従来の直交波周波数分割多重方式を用いた受信装置は、1つのアンテナ素子で信号を受信することで、周波数領域に多重された送信信号を復号する受信装置である。
図5に従来の直交波周波数分割多重方式を用いた受信装置の構成を示す。符号900はアンテナ素子、910はAGC(Automatic Gain Control)、920はA/D(アナログ/デジタル)変換装置、930は信号取得点決定装置、940はFFT(フーリエ変換)装置、950は伝達係数推定装置、960は伝達係数等化装置、970は既知信号位相検出装置、980は位相回転量補正装置、990はサブキャリア復号装置である。
アンテナ素子900で受信された信号はAGC910によりA/D変換装置920においてダイナミック・レンジに入るようにゲイン設定が行われ、A/D変換装置920によりデジタル信号に変換され、信号取得点決定装置930に出力される。信号取得点決定装置930では、サンプリング同期用の既知信号から、直交波周波数分割多重(OFDM)シンボルの開始点を求め、ガードインターバルを除去してFFT装置940に出力する。FFT装置940では、フーリエ変換により時系列の信号を周波数成分の信号に変換し、伝達係数推定装置950に出力する。伝達係数推定装置950は、入力された信号のうち、伝達係数推定用既知信号から伝達係数の推定を行い、各周波数帯の伝達係数と受信信号を伝達係数等化装置960に出力する。伝達係数等化装置960は、受信信号に対応する周波数帯の伝達係数を用い、伝送路歪みの補正を行い、補正された受信信号は位相回転量補正装置980に出力され、特定の周波数帯に含まれる既知信号は、既知信号位相検出装置970に出力される。既知信号位相検出装置970は、受信装置において既知である信号を用いて、時間とともに回転する位相の追従を行うため、位相の回転量を算出し、上記位相回転量補正装置980に出力する。位相回転量補正装置980では、伝達係数等化装置960から入力された受信信号に対し、既知信号位相検出装置970より入力された位相回転量を用いて補正を行い、サブキャリア復号装置990に出力を行う。サブキャリア復号装置990では、各周波数帯で得られた信号の復号を行い送信装置において送信された信号を得ることができる。
以下、上記の構成における信号処理の内容を詳細に説明する。ここでは、F個の周波数分割多重による通信を行うことを考え、送信装置と受信装置との間のi番目(1≦i≦F)の周波数帯の伝搬環境を表す伝達係数をHとする。伝達係数推定装置950では、受信信号に含まれる伝達係数推定用既知信号から伝達係数を推定する。推定された伝達係数をH’〜 H’と表すと、H’はその伝達係数取得タイミングtにおける位相回転量θ(t)だけ位相が回っており、H’はHを用いて
Figure 0004476879
と表すことができる。
一方、受信装置において受信され、フーリエ変換(FFT)されたi番目のサブキャリアの受信タイミングtにおける受信信号Xは、送信信号Sおよび伝達係数Hを用いて、
Figure 0004476879
と表すことができる。すると、伝達係数等化装置960では、伝達係数推定装置950で推定されたH’((1)式)および受信信号X((2)式)より推定送信信号S’を以下のように得ることができる。
Figure 0004476879
この推定送信信号S’は(t−t)だけ位相が回転してしまい、伝送品質が著しく劣化している。これに対し、既知信号位相検出装置970は受信信号Xのうち、特定の周波数帯(j0)に既知信号Sj0が含まれることを利用し、推定送信信号Sj0’を既知信号Sj0で除算することで、位相変化量θ(t−t)を
Figure 0004476879
として推定することができる。そこで、位相回転量補正装置980において、受信タイミングtの推定受信信号S〜Sに対し、exp(−jθ(t−t))を乗算することで、位相回転を補償し、送信信号S〜Sを得ることができる。
なお、従来技術として非特許文献1が知られている。
守倉正博、久保田周治、「改訂版802.11高速無線LAN教科書」、2004年、p.165−167,215−219
上記の技術は直交波周波数分割多重における通信を可能とするが、同一時間に受信される信号系列に位相雑音のような同期誤差が含まれたり、異なる送信装置からの信号を受信する際には、信号間干渉が問題となり、また伝達係数の推定タイミングのずれや送信装置間の同期が十分でないために位相のずれが生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、空間分割多重方式を用い、信号間干渉が存在し、伝達係数の推定タイミングのずれによる位相ずれが生じる場合においても位相回転を補償することを可能とする、空間多重伝送用受信方法および空間多重伝送用受信装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、受信装置に複数のアンテナ素子を備え、直交波周波数分割多重方式を用い、同一時間、同一周波数で複数の送信装置から送信される信号系列を受信し復号を行う際の信号点の位相回転を補償する方法であって、送信装置から複数の送信タイミングにおいて送信された既知信号を受信し、送信装置と受信装置との間の位相のずれを含む伝達係数行列を推定する一次推定伝達係数行列を算出し、前記一次推定伝達係数行列を用いて受信信号の復号を行い、前記復号された信号に含まれる同一時間もしくは複数の時間で受信された直交波周波数多重方式の特定の周波数帯に用いられる既知信号から全信号系列の瞬時位相補正量を算出し、前記瞬時位相補正量を用いて全信号系列の位相回転の時間変動の補正を行う過程を有することを特徴とする空間多重伝送用受信方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空間多重伝送用受信方法において、同時に受信された信号系列の同期が完全にとれていない場合に、複数の受信タイミングの受信信号に含まれる既知信号から各信号系列の位相回転量を算出し、前記各信号系列の位相回転量の前記瞬時位相補正量からの差を位相回転補正量として算出し、前記位相回転補正量を用いて各信号系列の位相回転補正を行う過程を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、直交波周波数分割多重方式を用い同一時間に送信されたN個の信号系列の送信信号を、M個のアンテナ素子から同一時間に得られるM個の受信信号によって復号を行う空間多重伝送用受信装置において、前記各アンテナ素子に接続され、アナログ/デジタル変換を行うA/D変換装置と、前記A/D変換装置に接続され、得られたデータのサンプリング同期のための既知信号から直交波周波数分割多重方式のOFDM信号の取得点を決定する信号取得点決定装置と、前記OFDM信号にフーリエ変換を行い、各周波数帯の信号を算出するFFT装置と、前記FFT装置に接続され、前記OFDM信号に含まれる伝達係数行列推定のためのOFDM既知信号から一次推定伝達係数行列を算出する伝達係数行列一次推定装置と、前記伝達係数行列一次推定装置に接続され、前記一次推定伝達係数行列を用いて、同一時間に受信されたM個のOFDM信号について復号を行い、各信号系列に含まれる既知信号の復号結果を出力するとともに、所望データ信号の復号結果を出力する空間分割多重復号装置と、各信号系列に対応して設けられ、前記空間分割多重復号装置から入力された各信号系列の既知信号の復号結果から、各信号系列の所定の時間における位相回転量を算出し、その結果を出力する既知信号位相検出装置と、前記既知信号位相検出装置に接続され、入力された各信号系列の所定の時間における位相回転量から、全信号系列の位相回転量を算出して出力するとともに、入力された各信号系列の複数のシンボルタイミングにおける位相回転量を平均することにより各信号系列の位相回転量を算出し、前記算出した各信号系列の位相回転量の前記全信号系列の位相回転量からの差を出力する位相回転補正量算出装置と、前記空間分割多重復号装置から入力された所望データ信号の復号結果に対し、前記位相回転補正量算出装置から入力された、前記所望データ信号の復号結果に対応する時間での全信号系列の位相回転量を元に信号点の補正を行い、一次補正復号結果を出力する共通位相回転量補正装置と、前記共通位相回転量補正装置から入力された一次補正復号結果に対し、前記位相回転補正量算出装置から入力された、前記各信号系列の位相回転量の前記全信号系列の位相回転量からの差を元に信号点の補正を行い、二次補正復号結果を出力する信号系列間位相差補正装置と、前記信号系列間位相差補正装置に接続され、入力された二次補正復号結果の信号点から、所望ビットデータを算出するサブキャリア復号装置と、を備えたことを特徴とする空間多重伝送用受信装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の空間多重伝送用受信装置において、前記既知信号位相検出装置は、入力された複数のシンボルタイミングの位相回転量から決定された全信号系列の位相回転量から、位相の時間変化量の推定値を算出し、時間的に位相回転量の変化が生じないように所定のシンボルタイミングにおける全信号系列の位相回転量を決定し、前記共通位相回転量補正装置に出力することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の空間多重伝送用受信装置において、前記既知信号位相検出装置は、入力された複数のシンボルタイミングの位相回転量から決定された全信号系列の位相回転量から、与えられた関数にフィッティングを行い、位相の時間変化量を算出し、位相回転が生じないように所定のシンボルタイミングにおける全信号系列の位相回転量を決定し、前記共通位相回転量補正装置に出力することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3または4に記載の空間多重伝送用受信装置において、前記空間分割多重復号装置は、前記一次推定伝達係数行列を用いて、同一時間に受信されたM個のOFDM信号について復号を行い、各信号系列に含まれる既知信号の復号結果および前記一次推定伝達係数行列に対して推定値として与えられる既知信号の確からしさを前記既知信号位相検出装置に出力するとともに、所望データ信号の復号結果を前記共通位相回転量補正装置に出力し、前記既知信号位相検出装置は、入力された既知信号の復号結果とその確からしさから既知信号の復号結果について重み付けもしくは選択を行い、各信号系列の位相回転量を決定し、前記位相回転補正量算出装置にその結果と確からしさを出力し、前記位相回転補正量算出装置は、前記既知信号位相検出装置から入力された各信号系列の位相回転量とその確からしさをもとに、重み付けもしくは選択を行い、全信号系列の位相回転量を算出し、前記共通位相回転量補正装置に出力し、入力された各信号系列の複数のシンボルタイミングにおける位相回転量について、入力された確からしさをもとに重み付けもしくは選択を行い、前記全信号系列の位相回転量からの差を算出し、前記信号系列間位相差補正装置に出力することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項3から5のいずれかの項に記載の空間多重伝送用受信装置において、伝搬環境に最適となる送信ウェイトを求める場合を含む実際の伝搬環境を表す伝達係数行列を用いる場合に、前記一次推定伝達係数行列に対し、前記位相回転補正量算出装置で得られた各信号系列の位相回転量と全信号系列の位相回転量の差を用いて補正を行うことで得られる伝達係数行列を用いることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項3から5のいずれかの項に記載の空間多重伝送用受信装置において、伝搬環境に最適となる送信ウェイトを求める場合を含む実際の伝搬環境を表す伝達係数行列を用いる場合に、前記一次推定伝達係数行列に対し、前記位相回転補正量算出装置で得られた全信号系列の位相回転量から得られる時間的位相変化量と前記一次推定伝達係数行列の算出を行ったシンボルタイミングから得られる位相変化量を用いて補正を行うことで得られる伝達係数行列を用いることを特徴とする。
本発明によれば、受信装置において、同一時間に複数の送信装置から送信される信号系列の信号に対し、位相回転の追従を正確に行い、伝送品質の劣化を防ぐことができる。
以下、図1を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態による空間多重伝送用受信装置の構成を示すブロック図である。これは同一時間に複数の送信装置から送信される信号系列を受信し、受信タイミングの異なる複数の既知信号から初期位相ずれを含む伝達係数行列を推定し、信号間干渉を含む複数の受信信号から、位相回転の追従を行い、伝送品質の補償を行う構成を示している。符号100−1、100−2〜100−M はアンテナ素子、110−1、110−2〜110−MはAGC、120−1、120−2〜120−M はA/D変換装置、130は信号取得点決定装置、140はFFT装置、150は伝達係数行列一次推定装置、160は空間分割多重復号装置、170−1〜170−Nは既知信号位相検出装置、171は位相回転補正量算出装置、180は共通位相回転量補正装置、181−1〜181−Nは信号系列間位相差補正装置、190はサブキャリア復号装置である。すなわち、アンテナ素子、AGC、A/D変換装置はそれぞれM個づつ設けられ、既知信号位相検出装置、信号系列間位相差補正装置は送信される信号系列の数に対応してそれぞれN個づつ設けられている。
アンテナ素子100−1で受信された信号はAGC110−1によりA/D変換装置120−1においてダイナミック・レンジに入るようにゲイン設定が行われ、A/D変換装置120−1によりデジタル信号に変換され、信号取得点決定装置130の対応するポートに出力される。アンテナ素子100−2〜100−M で受信された信号についても同様に、それぞれAG110−2〜110−Mにおいてゲイン設定が行われ、それぞれA/D変換装置120−2〜120−Mによりデジタル信号に変換され、信号取得点決定装置130の対応するポートに出力される。
信号取得点決定装置130は、M個の入力用ポートとM個の出力用ポートを有し、サンプリング同期用の既知信号から、OFDMシンボルの開始点を求め、ガードインターバルを除去してFFT装置140の対応するポートに出力する。FFT装置140は、フーリエ変換により各アンテナ素子で受信された時系列の信号を周波数成分の信号に変換し、伝達係数行列一次推定装置150に出力する。伝達係数行列一次推定装置150は、入力された信号のうち、複数の受信タイミングで得られる伝達係数行列推定用既知信号から、初期位相回転を含む一次推定伝達係数行列を求め、この一次推定伝達係数行列および所望データを含む受信信号を空間分割多重復号装置160に出力する。空間分割多重復号装置160は、入力された一次推定伝達係数行列を用い、例えばZF(Zero Forcing)やMMSE(Minimum Mean Square Error)、SUC(SUccessive Cancellation)などの復号方法により、同一受信タイミングの受信信号から、位相回転復号信号を算出し、特定の周波数帯に含まれる既知信号の位相回転復号信号を既知信号位相検出装置170−1〜170−Nに出力し、それ以外を共通位相回転量補正装置180に出力する。
既知信号位相検出装置170−1〜170−Nでは、受信装置で保持している既知信号と既知信号の位相回転復号結果から、各信号系列における位相回転量を算出し、位相回転補正量算出装置171に出力する。位相回転補正量算出装置171は、信号系列全体での瞬時位相補正量と、各信号系列での瞬時位相補正量からのずれの算出を行い、それぞれ共通位相回転量補正装置180と信号系列間位相差補正装置181−1〜181−Nに出力する。
共通位相回転量補正装置180では、位相回転補正量算出装置171より入力された信号系列全体での瞬時位相補正量を用い、空間分割多重復号装置160より入力された復号信号の位相回転の時間変動の補正を行い、一次補正復号信号として信号系列間位相差補正装置181−1〜181−Nに出力する。信号系列間位相差補正装置181−1〜181−Nでは、位相回転補正量算出装置171から入力された各信号系列での瞬時位相補正量からのずれを位相回転補正量として用いて、各信号系列の一次補正復号信号に対し、位相回転の補正を行い、二次補正復号信号をサブキャリア復号装置190に出力する。サブキャリア復号装置190では、各周波数帯、各信号系列で得られた二次補正復号信号から、送信装置において送信された信号を得ることができる。
以下、上記の構成における信号処理の内容を詳細に説明する。同一時間に送信されたN個の信号系列の送信信号にF個の周波数分割多重を用いた通信を行うことを考え、送信装置と受信装置との間のi番目(1≦i≦F)の周波数帯における各送信信号系列の伝搬環境を表す伝達係数行列を、以下、Hとし、次のように表す。
Figure 0004476879
このとき、Hi,jkはi番目の周波数帯におけるk番目の信号系列のj番目の受信アンテナ素子における伝達係数を表す。
この伝達係数行列を推定するためには、全ての送信装置において伝達係数行列推定のための既知信号Sを送信する必要がある。Sは(送信信号系列数)×(送信信号系列数)の行列、もしくはこれより多くの配列を持つ行列で表される。以下、簡単のためSをN×Nの対角行列と仮定する。これは各送信装置において既知信号をお互いに独立のタイミングで送信することに対応する。
各アンテナ素子で受信された受信信号はAGC110−1、110−2〜110−M、A/D変換装置120−1、120−2〜120−Mを経て、最適な信号取得点から選択された時系列の信号をフーリエ変換することでi番目の周波数帯における受信タイミングtの受信信号x(t)が得られる(M×1ベクトル)。伝達係数行列一次推定装置150では、受信信号に含まれる伝達係数推定用既知信号の受信信号x(T)〜x(T)から一次推定伝達係数行列H’を求める。ここで、伝搬環境推定用受信信号をX’=(x(T),x(T),・・・,x(T))とすると、伝達係数行列Hと既知信号Sを用いて以下のように表すことができる。
Figure 0004476879
上記のNはM×Nの行列であり、熱雑音から構成される。Φはチャネル行列(伝達係数行列)の推定が複数の受信タイミングにおける信号から行われるために生じる初期位相回転により表せるN×Nの対角行列であり、
Figure 0004476879
と表すことができる。N’は上記の熱雑音から構成される行列NにΦが乗算されたものであるが、Φは位相を回転させる演算子なので、本質的にNと変わらない。
ここで受信信号X’から既知信号を用いて伝達係数行列の推定を行うと、(6)式を用いて一次推定伝達係数行列は
Figure 0004476879
と求めることができる。よって得られたチャネル行列はΦが乗算されていることにより、列成分に位相回転が生じている。
この位相回転項は、例えばOFDM取得点決定のための既知信号の繰り返し部分や、OFDM信号のガードインターバルとして実際の送信信号を繰り返していることなどを利用し、位相回転量の粗推定を行い、軽減することができるが、完全に除去することはできない。以下、熱雑音N’’は簡単のため、無視できるほど小さいものとし、一次推定伝達係数行列H’を用い、復号方法としてZFを用いた場合について所望データ信号の復号方法を示す。
i番目の周波数帯のある受信タイミングtの受信信号x(t)に対応する、送信装置によって送信された信号(N×1ベクトル)をs(t)とする。受信装置ではこのs(t)を正確に復元することで伝送品質の高い通信を実現できる。受信信号x(t)は、送信信号s(t)、伝達係数行列Hを用いて
Figure 0004476879
と表すことができる。ここで、n(t)はM×1の熱雑音ベクトルである。一次推定伝達係数行列H’の逆行列もしくは擬似逆行列(N≠Mの場合)をH−1と表現することとすると、受信信号に一次推定伝達係数行列H’から前述のZFによる復号を行うと、得られる復号信号s’(t)は、(8)式(ただし、N’’は無視できるほど小さいものとする)、(9)式を用いて、
Figure 0004476879
と表すことができる。上式でexp(jθ(t))Φ−1をΨ(t)とおいた。上式から分かるように、復号信号s’ (t)は位相回転の時変動exp(jθ(t))と、初期位相回転による演算行列Φ−1により表せる位相回転演算行列Ψ(t)(N×Nの対角行列)により信号位置が回転してしまっている。ここで、Ψ(t)の対角要素を(ψ(t),ψ(t),・・・,ψ(t))とすると、k番目の信号系列の位相回転量を示す演算子ψ
Figure 0004476879
と表すことができる。
そこで、この位相回転の補正を行うために、既知信号位相検出装置170−1〜170−Nは、特定の周波数帯で送信された既知信号とその復号信号を用いて位相回転補正を行う。ここで、既知信号が送信されている周波数帯をu番目とし、送信された既知信号を
=(su,1 , su,2 , ・・・ , su,Nとする。このときu番目のサブキャリアについて(10)式より得られる復号信号s’(t)=(su,1’(t) , su,2’(t) , ・・・ , su,N’(t))は、
Figure 0004476879
と表せる。ここで、(12)式のψu,k(t)(1≦k≦N)は(11)式のψk(t)に対応する。また、(g(t) , g(t) , ・・・ , g(t))はH −1’(t)による熱雑音を表すが、重みH −1が乗算されているため、それぞれ異なる大きさを持つ。既知信号sの対応する要素で、s’ベクトルの各要素を割り算することで、各信号系列の位相回転量の推定値ψ’u,1(t)〜ψ’u,N(t)(N×1ベクトル)は以下のように表せる。
Figure 0004476879
またさらに既知信号su,1〜su,Nの大きさをそれぞれ1と仮定すれば上式は、
Figure 0004476879
と各信号系列での位相回転量を推定することができる。なお、既知信号が送信される周波数帯は一つである必要はなく、複数のサブキャリアから得られる既知信号から各信号系列の位相回転量を推定することができる。
以上によって得られた位相回転の推定量推定値ψ’u,1(t)〜ψ’u,N(t)を各信号系列に用いることで、位相回転補償を実現する(請求項1)。一般に既知信号を送信することができる周波数帯は少なく、フェージング、信号間干渉の影響などによりこれらに含まれる雑音g〜gは無視できない大きさとなることが考えられ、また、各信号系列の同期がとれていない場合これらを除去できず、十分に位相回転を補償することができない。ここで、一つもしくは複数の周波数帯の既知信号の受信信号を用い、推定されたk番目の信号系列に対する位相回転量をΘとすると、
Figure 0004476879
と表すことができる。ここで、θn,1(t)〜θn,N(t)は位相回転量の推定誤差を表し、熱雑音g〜gに対応する大きさを持つため信号系列においてその大きさは異なる。また、時間変動による位相変動θ(t) は全信号系列で共通して用いることができ、伝達係数行列推定時の受信タイミングの違いにより生じる初期位相誤差θ(T)〜θ(T)は各信号系列で推定する必要がある。
よって位相回転補正量算出装置171においては、θ(t)による位相の時変動を除去するために時間変動補正位相Γ(t)を以下のように算出する。
Figure 0004476879
ここで、Wは各信号系列の位相回転量推定値の確からしさに対応する重みづけであって、ΣWは1であり、(15)式の推定誤差θn,1(t)〜θn,N(t)の影響を軽減するように設定される。(16)式に(15)式を代入してΓ(t)を書き直すと
Figure 0004476879
と表すことができる。θn,k(t)は雑音成分であるため、足しあわされることでその大きさは小さくなっており、位相回転の時間変動について精度よく補正を行うことができる。復号信号s (t)は共通位相回転量補正装置180において、まずこの時間変動補正位相Γ(t)により補正を受ける。
次に、位相回転補正量算出装置171は、各信号系列で生じる位相のずれを補償するための信号系列間位相補正量γ1〜γNを以下のように算出する。
Figure 0004476879
st(t)は積分を開始する受信タイミング、Tfin(t)は積分を終了する受信タイミングであり、w(t,k)はt番目の受信タイミングの信号系列間位相補正量γを求めるために用いるk番目の受信タイミングの位相変化量に乗算する重みであり、kについて積分すると1になるように決定され、(15)式の推定誤差θn,1(t)〜θn,N(t)の影響を軽減するように設定される。(18)式に(15)式を代入してγ1〜γNを書き直すと、
Figure 0004476879
と表すことができ、Γ(t)に対する各信号系列の位相補正値が示されている。このように複数の受信タイミングのデータを利用することで、推定誤差の影響はより低減される。ここで得られたγ1〜γNを信号系列間位相差補正装置180−1〜180−Nにおいて各信号系列の復号信号に補正を行うことで位相回転による伝送品質劣化を低減することができる。
以上から、共通位相回転量補正装置180、信号系列間位相差補正装置180−1〜180−Nにおける位相回転の補正は次のように行う。(10)式で得られる復号信号s’(t)は、(12)式に(11)式を代入することにより、
Figure 0004476879
と書き直すことができる。以下、位相回転の補正に着目するため、熱雑音の項を省略し、
Figure 0004476879
と表すことにする。共通位相回転量補正装置180では、まずexp(−jΓ(t))により時間変動成分を補正する。すなわち、(21)式にexp(−jΓ(t))を乗算し(17)式を代入して得られる一次補正復号信号をs ’’とすると、
Figure 0004476879
と表すことができ、各信号系列において時間変動による位相変化はなくなり、一定した位相のずれが得られるようになる。さらに、信号系列間位相差補正装置180−1〜180−Nでは、各信号系列にexp(jγ1(t))〜exp(jγN(t))を乗算し、これら位相のオフセットを除去する。すなわち、(22)式の各成分にそれぞれexp(jγ1(t))、・・・、exp(jγN(t))を乗算して得られる二次補正復号信号をs ’’’とすると、
Figure 0004476879
と表すことができ、位相回転は位相雑音θn,k(t)のみから構成されるものとなっている。また、多数の位相雑音を足し合わせていることから、位相誤差の著しい軽減が期待できる。(請求項2、3、6)
また、位相回転補正量算出装置171において、θ(t)による位相の時変動を除去するため時間変動補正位相Γ(t)を以下のように算出することもできる。
Figure 0004476879
ここで、ωl,tは受信タイミングtの復号信号に用いる、l番目の受信タイミングの位相回転量推定値に乗算する重みづけであり、ωl,tをlについて受信タイミングTst(t)からTfin(t)まで積分すると1となるように決定される。このように制御することで、位相雑音の加算回数を増やすことができ、より位相回転量の推定誤差を低減することができる。(請求項2、4)
また、位相回転補正量算出装置171において、θ(t)による位相の時変動を除去するため時間変動補正位相Γ(t)をなんらかの関数で仮定し、その関数にフィッティングを行うことで、決定することができる。例えば、以下のような一次関数を仮定する。
Figure 0004476879
得られる位相回転量Θk(t)とその信頼度を考慮し、上式との誤差が最小となるようなaとbを算出し、ここで得られたΓ(t)を共通位相回転量補正装置180において用いることができる。(請求項5)
また、伝達係数行列Hを、例えば送信ウェイト決定のために求める必要がある場合には、γ1(t)〜γN(t)、もしくはΣγ1(t)〜ΣγN(t)を対角成分にもつN×Nの対角行列を一次推定伝達係数行列H に乗算することで得ることができる。(請求項7)
また、伝達係数行列Hを、例えば送信ウェイト決定のために求める必要がある場合には、時間変動補正位相の時間変動量Γ(t)と伝達係数行列推定タイミングT1〜TNから
Figure 0004476879
と表すことができるN×Nの対角行列を一次推定伝達係数行列H に乗算することで得ることができる。(請求項8)
また、上記の制御方法は位相の時間変動をθ(t)とし、全ての信号系列で同じと仮定したが、実際には同期の微小なずれなどにより、各信号系列で異なる値となることがありうる。ただし、k番目の信号系列の時間変動成分をθk(t)と仮定すると、
Figure 0004476879
が成り立てば、この変化はγ1(t)〜γN(t)によって補償することができ、同様に用いることができる。
また、上記の制御方法は伝達係数行列の推定のための既知信号Sを対角行列であると仮定したが、Sが対角行列ではない各列ベクトルが互いに直交する行列を用いた場合には、一次推定伝達係数行列の位相ずれを例えばOFDM取得点決定のための既知信号の繰り返し部分や、OFDM信号のガードインターバルとして実際の送信信号を繰り返していることなどを利用し、位相回転量の粗推定による結果から補正しておくことで、同様に上記の制御方法で位相の回転を精度よく補正することができる。
また、(16)式以下、位相回転量の推定を信号点の位相θを用いて説明したが、重みを用いた平均化などの処理は、exp(−jφ)等で表せる位相回転に対応する演算子を同様に用いることができる。
また、複数の送信装置がそれぞれ複数の送信素子を持っている場合において、それぞれのアンテナから独立の信号系列を送信したり、指向性制御による送信を行ったりした場合においても、それぞれの信号系列から既知信号が予め送信され、伝達係数が既知であれば、同様の処理を行うことができる。
以下、図2〜4を参照して本発明の実験結果を示す。この実験では、それぞれ1本のアンテナを具備する送信装置4つと、4本のアンテナを具備する受信装置との間で、IEEE 802.11a(IEEE、“Part 11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specifications : High-speed Physical Layer in the 5 GHz Band"、IEEE 802.11a-1999、Dec. 1999.)で定められた規格に基づき送信装置において、伝搬環境に最適となる指向性制御を用い、4つの独立する信号系列を、空間多重分割方式および直交波周波数多重分割方式により伝送した。
送信に用いた4つの信号系列のブロック図を図2に示す。送信信号はサンプリング同期用既知信号、4つの伝達係数行列推定用既知信号、50のデータ信号から構成され、それぞれ図のようなタイミングで送信を行った。各受信アンテナにおける平均受信レベルは約30dBであった。4つの信号系列それぞれにおいて得られる64の周波数帯のうち中央の53の周波数帯を用いることとし、中心となる26番目の周波数帯は使用しないこととした。そして、位相同期のための既知信号を6、20、34、48番目の周波数帯に入れるものとし、これらの情報を基に4つの信号系列の位相回転補償を行う。
図3は、従来の方法により位相回転量を推定した結果を示すグラフである。すなわち、各信号系列において、各周波数帯の既知信号に受信レベルに応じて重みづけを行い、位相回転量を推定した結果である。横軸に受信シンボルタイミングをとり、縦軸に位相回転量をとった。図3はシンボルタイミングにより推定された位相回転量がばらついており、位相回転補償が精度よく行われないことを示している。
これに対し、図4は、請求項2および4の方法および装置により位相回転量を推定した結果である。(18)式におけるTfin(t)をt+2、Tst(t)をt-2、w(t,k)を1/5と設定し、t=1,2におけるγi(t)として、γi(3)を用い、t=49,50におけるγi(t)として、γi(47)を用いることとした。また、(24)式におけるTfin(t)をt+1, Tst(t)をt-1、ωt-1,t=1/3、ωt,t=2/3、ωt+1,t=2/3とし、Wkをk番目の信号系列に対応する、伝達係数行列の逆行列の行成分のノルム値の逆数と設定した。図4は請求項2および4の方法および装置により、雑音による誤差を軽減し、位相回転量を精度よく求められることを示している。
本発明によれば、空間分割多重を用いた通信において、位相回転による伝送品質の劣化を軽減することができる。
本発明の実施形態における空間多重伝送用受信装置の構成を示すブロック図である。 実験において送信に用いた4つの信号系列のブロック図である。 実験装置を用い、従来の方法により位相回転量を推定した結果を示すグラフである。 実験装置を用い、本発明により位相回転量を推定した結果を示すグラフである。 従来の直交波周波数分割多重を用いた受信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100−1、100−2〜100−M…アンテナ素子
110−1、110−2〜110−M…AGC
120−1、120−2〜120−M…A/D変換装置
130…信号取得点決定装置
140…FFT装置
150…伝達係数行列一次推定装置
160…空間分割多重復号装置
170−1〜170−N…既知信号位相検出装置
171…位相回転補正量算出装置
180…共通位相回転量補正装置
181−1〜181−M…信号系列間位相差補正装置
190…サブキャリア復号装置
900…アンテナ素子
910…AGC
920…A/D変換装置
930…信号取得点決定装置
940…FFT装置
950…伝達係数推定装置
960…伝達係数等価装置
970…既知信号位相検出装置
980…位相回転量補正装置
990…サブキャリア復号装置

Claims (8)

  1. 受信装置に複数のアンテナ素子を備え、直交波周波数分割多重方式を用い、同一時間、同一周波数で複数の送信装置から送信される信号系列を受信し復号を行う際の信号点の位相回転を補償する方法であって、
    送信装置から複数の送信タイミングにおいて送信された既知信号を受信し、送信装置と受信装置との間の位相のずれを含む伝達係数行列を推定する一次推定伝達係数行列を算出し、前記一次推定伝達係数行列を用いて受信信号の復号を行い、前記復号された信号に含まれる同一時間もしくは複数の時間で受信された直交波周波数多重方式の特定の周波数帯に用いられる既知信号から全信号系列の瞬時位相補正量を算出し、前記瞬時位相補正量を用いて全信号系列の位相回転の時間変動の補正を行う過程を有することを特徴とする空間多重伝送用受信方法。
  2. 請求項1に記載の空間多重伝送用受信方法において、
    同時に受信された信号系列の同期が完全にとれていない場合に、複数の受信タイミングの受信信号に含まれる既知信号から各信号系列の位相回転量を算出し、前記各信号系列の位相回転量の前記瞬時位相補正量からの差を位相回転補正量として算出し、前記位相回転補正量を用いて各信号系列の位相回転補正を行う過程を有することを特徴とする空間多重伝送用受信方法。
  3. 直交波周波数分割多重方式を用い同一時間に送信されたN個の信号系列の送信信号を、M個のアンテナ素子から同一時間に得られるM個の受信信号によって復号を行う空間多重伝送用受信装置において、
    前記各アンテナ素子に接続され、アナログ/デジタル変換を行うA/D変換装置と、
    前記A/D変換装置に接続され、得られたデータのサンプリング同期のための既知信号から直交波周波数分割多重方式のOFDM信号の取得点を決定する信号取得点決定装置と、
    前記OFDM信号にフーリエ変換を行い、各周波数帯の信号を算出するFFT装置と、
    前記FFT装置に接続され、前記OFDM信号に含まれる伝達係数行列推定のためのOFDM既知信号から一次推定伝達係数行列を算出する伝達係数行列一次推定装置と、
    前記伝達係数行列一次推定装置に接続され、前記一次推定伝達係数行列を用いて、同一時間に受信されたM個のOFDM信号について復号を行い、各信号系列に含まれる既知信号の復号結果を出力するとともに、所望データ信号の復号結果を出力する空間分割多重復号装置と、
    各信号系列に対応して設けられ、前記空間分割多重復号装置から入力された各信号系列の既知信号の復号結果から、各信号系列の所定の時間における位相回転量を算出し、その結果を出力する既知信号位相検出装置と、
    前記既知信号位相検出装置に接続され、入力された各信号系列の所定の時間における位相回転量から、全信号系列の位相回転量を算出して出力するとともに、入力された各信号系列の複数のシンボルタイミングにおける位相回転量を平均することにより各信号系列の位相回転量を算出し、前記算出した各信号系列の位相回転量の前記全信号系列の位相回転量からの差を出力する位相回転補正量算出装置と、
    前記空間分割多重復号装置から入力された所望データ信号の復号結果に対し、前記位相回転補正量算出装置から入力された、前記所望データ信号の復号結果に対応する時間での全信号系列の位相回転量を元に信号点の補正を行い、一次補正復号結果を出力する共通位相回転量補正装置と、
    前記共通位相回転量補正装置から入力された一次補正復号結果に対し、前記位相回転補正量算出装置から入力された、前記各信号系列の位相回転量の前記全信号系列の位相回転量からの差を元に信号点の補正を行い、二次補正復号結果を出力する信号系列間位相差補正装置と、
    前記信号系列間位相差補正装置に接続され、入力された二次補正復号結果の信号点から、所望ビットデータを算出するサブキャリア復号装置と、
    を備えたことを特徴とする空間多重伝送用受信装置。
  4. 前記既知信号位相検出装置は、入力された複数のシンボルタイミングの位相回転量から決定された全信号系列の位相回転量から、位相の時間変化量の推定値を算出し、時間的に位相回転量の変化が生じないように所定のシンボルタイミングにおける全信号系列の位相回転量を決定し、前記共通位相回転量補正装置に出力することを特徴とする請求項3に記載の空間多重伝送用受信装置。
  5. 前記既知信号位相検出装置は、入力された複数のシンボルタイミングの位相回転量から決定された全信号系列の位相回転量から、与えられた関数にフィッティングを行い、位相の時間変化量を算出し、位相回転が生じないように所定のシンボルタイミングにおける全信号系列の位相回転量を決定し、前記共通位相回転量補正装置に出力することを特徴とする請求項3に記載の空間多重伝送用受信装置。
  6. 前記空間分割多重復号装置は、前記一次推定伝達係数行列を用いて、同一時間に受信されたM個のOFDM信号について復号を行い、各信号系列に含まれる既知信号の復号結果および前記一次推定伝達係数行列に対して推定値として与えられる既知信号の確からしさを前記既知信号位相検出装置に出力するとともに、所望データ信号の復号結果を前記共通位相回転量補正装置に出力し、
    前記既知信号位相検出装置は、入力された既知信号の復号結果とその確からしさから既知信号の復号結果について重み付けもしくは選択を行い、各信号系列の位相回転量を決定し、前記位相回転補正量算出装置にその結果と確からしさを出力し、
    前記位相回転補正量算出装置は、前記既知信号位相検出装置から入力された各信号系列の位相回転量とその確からしさをもとに、重み付けもしくは選択を行い、全信号系列の位相回転量を算出し、前記共通位相回転量補正装置に出力し、入力された各信号系列の複数のシンボルタイミングにおける位相回転量について、入力された確からしさをもとに重み付けもしくは選択を行い、前記全信号系列の位相回転量からの差を算出し、前記信号系列間位相差補正装置に出力することを特徴とする請求項3または4に記載の空間多重伝送用受信装置。
  7. 伝搬環境に最適となる送信ウェイトを求める場合を含む実際の伝搬環境を表す伝達係数行列を用いる場合に、前記一次推定伝達係数行列に対し、前記位相回転補正量算出装置で得られた各信号系列の位相回転量と全信号系列の位相回転量の差を用いて補正を行うことで得られる伝達係数行列を用いることを特徴とする請求項3から5のいずれかの項に記載の空間多重伝送用受信装置。
  8. 伝搬環境に最適となる送信ウェイトを求める場合を含む実際の伝搬環境を表す伝達係数行列を用いる場合に、前記一次推定伝達係数行列に対し、前記位相回転補正量算出装置で得られた全信号系列の位相回転量から得られる時間的位相変化量と前記一次推定伝達係数行列の算出を行ったシンボルタイミングから得られる位相変化量を用いて補正を行うことで得られる伝達係数行列を用いることを特徴とする請求項3から5のいずれかの項に記載の空間多重伝送用受信装置。

JP2005184912A 2005-06-24 2005-06-24 空間多重伝送用受信方法及び装置 Expired - Fee Related JP4476879B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005184912A JP4476879B2 (ja) 2005-06-24 2005-06-24 空間多重伝送用受信方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005184912A JP4476879B2 (ja) 2005-06-24 2005-06-24 空間多重伝送用受信方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007006213A JP2007006213A (ja) 2007-01-11
JP4476879B2 true JP4476879B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=37691371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005184912A Expired - Fee Related JP4476879B2 (ja) 2005-06-24 2005-06-24 空間多重伝送用受信方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4476879B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4734080B2 (ja) * 2005-10-12 2011-07-27 日本放送協会 チャンネル推定補正を行うofdm受信装置
JP5315676B2 (ja) * 2007-11-26 2013-10-16 住友電気工業株式会社 Mimo通信装置及びmimo通信方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007006213A (ja) 2007-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7072693B2 (en) Wireless communications structures and methods utilizing frequency domain spatial processing
JP4958565B2 (ja) 無線通信装置
JP4582354B2 (ja) 等化装置及び等化方法
US20060294170A1 (en) Diversity receiver device
US20080159442A1 (en) Wireless communication apparatus and receiving method
US20060193392A1 (en) Apparatus for and method of compensation for frequency offset and channel variation in MIMO-OFDM receiver
US8320851B2 (en) Wireless communication device, wireless communication method, and computer program
US8705492B2 (en) MIMO receiving apparatus and receiving method
WO2011052575A1 (ja) 無線通信装置
JP4405491B2 (ja) Ofdm信号の受信方法及び受信機
US8446993B2 (en) Receiving apparatus and method for receiving signals in a wireless communication system with improved equalization performance
JP3910956B2 (ja) Ofdm無線通信システムのための伝搬路推定器及びこれを用いた受信装置
JP4789678B2 (ja) Ofdm受信方法及びofdm受信装置
JP3691709B2 (ja) ダイバーシチ受信回路
JP3919159B2 (ja) Ofdmデジタル信号中継装置
JP4476879B2 (ja) 空間多重伝送用受信方法及び装置
JP4572601B2 (ja) 無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム
JP2009088984A (ja) 受信装置、無線通信端末、無線基地局及び受信方法
JP4367527B2 (ja) 通信装置、通信方法、通信システム及びプログラム
JP2007135002A (ja) 受信機
US8654905B2 (en) Method and apparatus for canceling interference
JP4287308B2 (ja) 周波数オフセット推定方法および装置ならびにそれを利用した受信装置
US8750440B1 (en) Noise estimation in communication receivers
CN105306393B (zh) 一种多天线多载波***中莱斯信道方法
JP2006054675A (ja) Ofdm受信装置及びofdm信号中継装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070815

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100302

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100310

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees