JP5144040B2 - 毛髪処理用組成物 - Google Patents

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本発明は、還元剤を配合した縮毛矯正用第1剤組成物により過度に還元された毛髪に塗布するための毛髪処理用組成物に関する。特に、縮毛矯正処理工程において、縮毛矯正用の高温整髪用アイロンを用いる前の毛髪に使用する毛髪処理用組成物に関する。
従来の縮毛矯正処理に用いられる第1剤は有効成分としてチオグリコール酸類やシステイン類などの還元剤と、それを促進させる助剤としてアンモニアやアミン類などのアルカリ剤を配合している。そして、一般的な縮毛矯正処理の方法としては、前記のような還元剤とアルカリ剤を配合した第1剤を毛髪に塗付して毛髪を還元させて、所望の軟化状態(還元により毛髪がやわらかくなった状態)の毛髪にした後、水洗し、コームなどでストレート形状を形成する。次に有効成分として過酸化水素や臭素酸塩などの酸化剤を配合した縮毛矯正処理に用いられる第2剤を塗付して酸化させることで、そのスタイルの状態を保っている。また、表面温度が60℃〜220℃の高温整髪用アイロンを用いる場合は、まず、前記第1剤を毛髪に塗布して毛髪を還元させ、充分に水洗した後、毛髪の水分を除き、適当な温度に設定した高温整髪用アイロンを用いて数秒間処理する。次に、有効成分として過酸化水素や臭素酸塩などの酸化剤を配合した縮毛矯正処理に用いられる第2剤を塗付して酸化させることで、そのスタイルの状態を保っている。このように、縮毛矯正用の第1剤および第2剤は、毛髪内のジスルフィド結合を切断・再結合させる化学反応を利用して毛髪をストレート形状にする効果を得るものであるが、最適な結果を得るためには熟練した美容技術者が最適な軟化状態を見極めて、第1剤を洗い流す必要があった。この見極めを誤り、毛髪が軟化しすぎた場合(オーバータイムともいう)は、酸化処理工程において著しく毛髪に損傷を引き起こし、毛髪の滑らかさは損なわれ、毛髪は縮れた状態になる。また、オーバータイムした毛髪に前記の高温整髪用アイロンを用いた熱処理を施した場合、前記の損傷度合いはさらに大きくなる。
また、第1剤の軟化速度は毛髪の髪質や損傷度合いによって異なり、特に損傷が大きくなるほど軟化速度が速くなる。一般的に毛髪の毛先は日常生活において損傷を受けており、また染毛剤や脱色剤などにより不均一に損傷を受けている場合も多い。このように部位によって損傷度合いが異なる毛髪は、毛髪全体を均一に最適な軟化状態にするには美容師の高度な技術と経験を必要としていた。例えば、損傷部分には事前に第1剤の効果を減力させるクリームを塗布することや、損傷部分が軟化された時点で一度洗い流してから、再度未軟化部分だけに第1剤を塗布するため、非常に非効率であった。また、ジスルフィド結合の還元反応の速度を抑制するために、縮毛矯正処理用の第1剤に物質として二硫化物を配合することは一般的な技術である。つまり、毛髪内において緩やかに還元反応が進行することで最適な軟化状態の見極めが行いやすくなったが、この配合量を多くすると軟化速度が遅くなるという弊害が発生するため、それほど多くの量を配合することはできなかった。しかしながら、このような製剤を用いたとしても、損傷毛の場合は、適切な処理時間を見誤ると過度に軟化させてしまうことがあり、縮毛矯正処理における技術的な課題となっていた。
本発明は、還元剤により過度に還元された毛髪を、最適な軟化状態の毛髪に戻すための毛髪処理用組成物およびその処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を繰り返した結果、二硫化物を特定量含有する毛髪処理用組成物を、還元剤を含む縮毛矯正処理に用いる第1剤を毛髪に塗布する還元工程後直ぐに使用することによって、最適な軟化状態の毛髪にすることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくとも1種以上の還元剤を配合した縮毛矯正用第1剤組成物を塗布した後の毛髪に使用する毛髪処理用組成物であって、二硫化物を10重量%〜25重量%含有し、かつpHが3〜6.4である毛髪処理用組成物に関する。
前記二硫化物がジチオジグリコール酸またはその塩であることが好ましい。
また、本発明の組成物を塗布し、最適な軟化状態に戻した後、表面温度が60℃〜220℃の高温整髪用アイロンによる縮毛矯正処理を施すことができる。
本発明の組成物によると、毛髪を軟化しすぎたいわゆるオーバータイムの状態であっても、最適な軟化状態の毛髪にすることができる。
本発明の毛髪処理用組成物は、少なくとも1種以上の還元剤を配合した縮毛矯正用第1剤組成物を塗布した後の毛髪に使用するものである。
前記還元剤を配合した縮毛矯正用第1剤組成物としては、とくに限定されるものではなく、少なくともチオグリコール酸およびその塩、システインなどの還元剤および助剤としてのアンモニア、モノエタノールアミンやトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤を含んでいるものであれば、特に限定されるものではない。
本発明の毛髪処理用組成物は、特定量の二硫化物を含むものである。特定量の二硫化物を含有することによって、切断された毛髪中のシスチンのジスルフィド結合を再結合させることが可能である。詳細には、還元剤であるチオ化合物とシスチンのジスルフィド結合の還元反応に伴い生成するジチオ化合物との化学平衡を、特定量の二硫化物を添加することでチオ化合物を生成させる反応側に傾けることによって、同時に起こるジスルフィドの再結合反応により、再度還元が可能な毛髪の状態または最適な軟化状態とすることができるものである。
前記二硫化物としては、ジチオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸ジアンモニウム、ジチオジ乳酸ジアンモニウム、ジアセチルシスチンなどが挙げられる。なかでも、操作中の臭いなどの点で、ジチオジグリコール酸ジアンモニウムが好ましい。
前記二硫化物の配合量は、毛髪処理用組成物全体の5重量%〜30重量%であり、より好ましくは、10重量%〜25重量%である。二硫化物の配合量が、5重量%未満の場合、過度に還元された状態から最適な軟化状態の毛髪に戻す効果が低くなり、30重量%を超える場合は、毛髪を最適な軟化の状態に戻す反応を急激に進めすぎることから、毛髪が収斂し、若干損傷する可能性がある。
本発明においては、前記二硫化物を毛髪処理用組成物中に5重量%〜30重量%の範囲で安定に配合でき、毛髪に塗布しやすい媒体に配合することができる。このような媒体は、化粧品や医薬部外品等に用いられる成分で目的に応じて構成される。例えば、界面活性剤、油脂、ロウ類、炭化水素、脂肪酸、高級アルコール、高級アルコール以外のアルコール、エステル類、シリコーン油、多価アルコール、糖類、高分子、植物抽出物、加水分解物、金属イオン封鎖剤、pH調整剤などがあげられる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などがあげられる。
アニオン性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸カリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、ヤシ油脂肪酸サルコシン、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンカリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ジエタノールアミン、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸トリエタノールアミンなどがあげられる。
カチオン性界面活性剤としては、ジオクチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(20〜22)トリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム(5EO)、塩化ベンザルコニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化メチルベンゼトニウムなどがあげられる。
両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチレンジアミンナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどがあげられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2)、ジステアリン酸ジエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレン(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン(20)オレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、オレイン酸ポリオキシエチレン(3)ソルビット、親油型モノステアリン酸グリセリン、ヤシ油脂肪酸グリセリル、モノラウリン酸ソルビタン、モノミリスチン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリ(2〜10)グリセリル、イソパルミチン酸ジグリセリル、ヤシ油脂肪酸ショ糖エステル、アルキルグルコシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシドなどがあげられる。
油脂としては、小麦胚芽油、コメヌカ油、シアバター、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、卵黄油などがあげられる。
ロウ類としては、ホホバ油、ミツロウ、カルナウバロウなどがあげられる。
炭化水素としては、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、セレシン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリンなどがあげられる。
脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸などがあげられる。
高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコールなどがあげられる。
高級アルコール以外のアルコールとしては、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコール、動植物性のステロール類などがあげられる。
エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸イソステアリル、オレイン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸ヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、イソステアリン酸フィトステリルなどがあげられる。
シリコーン油としては、デカメチルトリシロキサン、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどがあげられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコールなどがあげられる。
糖類としては、ソルビトール、トレハロースなどがあげられる。
高分子としては、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、プルラン、カチオン化セルロース、グアーガム、アクリル酸・メタクリルアルキル共重合体、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体などがあげられる。
植物抽出物としては、アボカドエキス、アルモンドエキス、甘草エキスなどがあげられる。加水分解物としては、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲンなどがあげられる。
金属イオン封鎖剤としては、アラニン、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムなどがあげられる。
本発明の毛髪処理用組成物のpHは特に限定されるものではないが、pH3〜pH10とすることが好ましい。pHが3未満の場合は当該反応時間が長くなり、処理効率が悪くなる傾向があり、pHが10を超える場合は毛髪へのダメージが生じる傾向がある。pH調整剤としては、クエン酸、リン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、プロピオン酸、カプリン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸などの酸があげられ、アンモニア、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、アルギニンなどの塩基があげられる。
毛髪処理用組成物の剤型は毛髪への操作性を考慮すると、クリーム状、またはゲル状のものが好ましい。その粘度は極度に低いものや極度に高いものは操作性上好ましくない。好ましくは、500mPa・s〜80,000mPa・sであり、より好ましくは500mPa・s〜50,0000mPa・sであり、1,000mPa・s〜50,0000mPa・sが塗布する際に毛髪からたれ落ちることなく特に好ましい。ここで、本発明における粘度は、25℃におけるB型粘度計VISCOMETER VT−20(東機産業(株)製)により測定した値である。
本発明の毛髪処理用組成物は、少なくとも1種以上の還元剤を配合した縮毛矯正用第1剤組成物を塗布した後の毛髪に使用する。当該使用するタイミングは、適用する毛髪の性質および気候等により依存するため時間範囲として特に限定されるものではないが、軟化しすぎた一般にオーバータイムと呼ばれる時間経過後の毛髪に適用することが、本発明の効果を有効に得られる点で好ましい。本発明の毛髪処理用組成物の塗布は、還元剤を配合した縮毛矯正用第1剤組成物を塗布した状態の毛髪にそのまま行なってもよいし、前記還元剤を配合した縮毛矯正用第1剤組成物を充分に水洗した後に行なってもよい。また、毛髪全体がオーバータイムとなった場合に限らず、部分的にオーバータイムの状態となった場合には、当該部分に本発明の毛髪処理用組成物を使用することができる。
最適な軟化状態の毛髪に戻すために、本発明の毛髪処理用組成物は毛髪に塗布した後少なくとも2分以上放置することが好ましい。当該放置する工程は、常温で行うことができる。
また、本発明の毛髪処理用組成物により最適な軟化状態に戻した毛髪から、薬液を洗い落とし、充分に水分を除いた後、表面温度が60℃〜220℃の高温整髪用アイロンによる縮毛矯正処理をすることができる。毛髪処理用組成物を使用せずに高温整髪用アイロンによる処理を施した場合、熱処理をした個所に極度な縮れが生じる。
以下、本発明の毛髪処理用組成物およびその処理方法を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。なお、実施例1と実施例4は本発明外の組成物であり、参考例として理解されたい。
表1に示す縮毛矯正用第1剤組成物および表2に示す本発明の毛髪処理用組成物は以下の手順により調製した。まず、成分Aと成分Cをそれぞれ80℃まで加熱して成分を完全に溶解させた後に、加熱を停止し両成分を混合して、攪拌しながら冷却した。その後、混合液の液温を50℃まで下げ、予め常温で混合しておいた成分Bを添加し混合して調製した。表1および表2中、特に断らない限り単位は重量部である。また、表1および表2中、精製水にて100とは、精製水を加えてA成分とB成分を含む混合液全体を100重量%としたことを示す。
調製した溶液のpHは、pH METER HM−30S(東亜電波工業(株)製)により測定した。また、粘度はB型粘度計VISCOMETER VT−20(東機産業(株)製)により測定した。測定温度はともに25℃とした。
(対象毛髪の選択)
評価のための健康毛としては、カラーやパーマなどの化学処理が行われていない日本人女性の毛髪を用い、同一人物から長さ20cm、1gの毛束を26本用意した。
ダメージ毛は上記の毛束に対して、アンモニアと過酸化水素の混合溶液による脱色処理を次の工程にて処理したものを用いる。
(ダメージ毛作製処理工程)
アンモニア8%の溶液と、過酸化水素6%の溶液を用意した。これらの2つの溶液を1:1の比率(体積比)で混合し、その溶液に毛髪を浸漬し、35℃にて30分放置後、水洗し、乾燥させることで脱色した。この工程を2回繰り返してダメージ毛を作製した。
(毛髪処理用組成物による処理方法)
健康毛髪の毛束とダメージ処理した毛束に対して、以下のとおり処理を行った。
処理例1〜4:上記健康毛髪に対して、還元用剤1を塗布して、順に10分、20分、30分、40分放置した後、水にて洗い流した。
処理例5:上記健康毛髪に対して、還元用剤1を塗布して30分放置した後、比較例1のクリームを塗布し、よくなじませ10分放置した後、水にてすべての薬剤を洗い流した。
処理例6〜8:上記健康毛髪に還元用剤1を塗布して30分放置した後、順に実施例2〜4のクリームをそれぞれ塗布し、よくなじませ10分放置した後、水にてすべての薬剤を洗い流した。
処理例9:健康毛髪に還元用剤1を塗布して30分放置した後、実施例5の液体を塗布し、よくなじませ、10分放置した後、水にてすべての薬剤を洗い流した。
処理例10:健康毛髪に還元用剤1を塗布して30分放置した後、水にて一旦還元用剤を洗い流した後、実施例3のクリームを塗布し、10分放置した後、水にてすべての薬剤を洗い流した。
処理例11〜14:ダメージ毛髪に対して、還元用剤2を塗布し、順に時間を10分、20分、30分、40分放置した後、水にて洗い流した。
処理例15:ダメージ毛髪に還元用剤2を塗布して30分放置した後、比較例1のクリームを塗布し、よくなじませ10分放置した後、水にてすべての薬剤を洗い流した。
処理例16〜18:ダメージ毛髪に還元用剤2を塗布して30分放置した後、実施例1〜3のクリームをそれぞれ塗布し、よくなじませ10分放置した後、水にてすべての薬剤を洗い流した。
処理例19〜22:ダメージ毛髪に対して、還元用剤3を塗布し、順に時間を10分、20分、30分、40分放置した後、水にて洗い流した。
処理例23:ダメージ毛髪に還元用剤3を塗布して30分放置した後、実施例3のクリームを塗布し、よくなじませ10分放置した後、水にてすべての薬剤を洗い流した。
(判定方法)
状態の観察:美容技術者による上記処理毛束の軟化度合いの判定を行う。次に処理毛束を乾燥させた後に高温整髪用アイロン(180℃)にてプレス処理を行い、酸化剤を塗布した後の毛髪状態を観察した。
毛髪の軟化状態は、下記の3段階に分けて評価した。
A:良好な軟化状態
B:若干軟化が行き過ぎた状態
C:軟化が行き過ぎた状態
また、仕上がりは下記の4段階で評価した。
a:滑らかで縮れがない
b:若干の縮れがある
c:全体的に縮れている
d:強度に縮れている
軟化状態および仕上がりの評価結果は表3〜表5に示す。
弾性率の決定:処理毛束の軟化度合いを数値化するために、弾性率を測定した。弾性率は毛髪を伸張させて得られる強伸度曲線の立ち上がり部分であるフック領域の接線の傾きから求められる。
(測定用サンプルの作製と毛髪の強伸度測定)
測定用サンプルの作製と毛髪の強伸度測定は以下の手順にて行なった。
1.作製した各々の毛束から1本ずつ毛髪を取り出し、2cmの間隔を空け、その両端を粘着テープにて挟み込み固定する。
2.それぞれの毛髪の断面積を毛髪外径測定器KL151A(アンリツ社製)にて測定する。
3.これらの測定用サンプル毛髪に対し、前記処理を施す。
4.処理後のサンプルをテンシロンUTM−II−20(オリエンテック社製)の所定の位置に固定し、伸張速度を2mm/minに設定し、空気中にて伸張させる。
これら一連の測定作業を行い、これによって得られた強伸度曲線の立ち上がり接線の傾きから毛髪単位面積あたりの弾性率を算出した。
Figure 0005144040
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表3〜表5より、実施例1〜5の毛髪処理用組成物で処理した毛髪は、毛髪の損傷の有無にかかわらず、還元状態と弾性率が最適な軟化状態にまで回復し、仕上がりも優れていた。

Claims (3)

  1. 少なくとも1種以上の還元剤を配合した縮毛矯正用第1剤を塗布した後の毛髪に使用する毛髪処理用組成物であって、二硫化物を10重量%〜25重量%含有し、かつpHが3〜6.4である毛髪処理用組成物。
  2. 前記二硫化物がジチオジグリコール酸またはその塩である請求項1記載の毛髪処理用組成物。
  3. 請求項1または2記載の毛髪処理剤組成物を使用した後に、表面温度が60℃〜220℃の高温整髪用アイロンを施すことを特徴とする縮毛矯正処理方法。
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