JP5779399B2 - 毛髪処理組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪処理組成物に関する。
生活者におけるヘアダメージの実態は、その時々のヘアスタイルのトレンドとそれを実現するためのヘアケア施術の影響により変遷してきた。例えば、1990年代前半では、パーマネントウェーブ施術による枝毛や切れ毛の発生といったダメージ実感が、また90年代後半では、ヘアカラー施術の急増にともない、髪のパサつきやヘアスタイルがまとまらないといったダメージ実感が増加してきた。そして最近では、パーマネントウェーブ施術のような化学処理に比べて髪へのダメージ負荷が小さく、しかも、一時的な効果ではあるが十分なヘアスタイルの変化を楽しめることから、ヘアアイロン(フラットアイロン、カールアイロン)やコテといった高温整髪器具の利用者が増加し、この高温整髪器具が原因と考えられる特徴的なヘアダメージ実感が顕在化してきている。生活者実態調査から、ヘアカラーを施術しているだけの人と比べて、更に高温整髪器具を日常的に利用している人は、髪がうねる、広がる、切れ毛・枝毛が多くなるといった、特徴的なヘアダメージ実感をもつケースが増えてきている。このような背景から、新たに、ヘアアイロンやコテ等の高温整髪器具による高熱に繰り返し曝されることで発生する特徴的なヘアダメージである髪のうねりや縮れの発生を抑制し、同時に高熱に対する毛髪の耐性を向上できる技術が望まれている。
現在、開示されているヘアアイロンやコテ等の高温整髪器具によるヘアダメージから毛髪を保護又は/及びヘアダメージを修復する技術について示す。
特許文献1では、ヘアアイロンによる加熱温度より高いガラス転移点を有する水溶性高分子化合物により毛髪表面を覆うことで、ヘアアイロン加熱時においても軟化せずに熱伝導性を著しく低く保つことができ、これにより、熱による毛髪表面のキューティクル層の損傷を防ぎ、さらに、酸化プロピレン重合体が毛髪内部へ浸透することにより毛髪内部の水の沸騰をコントロールして毛髪タンパク質を保護する技術が開示されている。
また、特許文献2では、炭素数が3から5の単糖類から選択される少なくとも一つの糖として、例えばキシロースを含む組成物により毛髪を加熱処理することで、ヘアカラーやパーマネントウェーブ等の化学処理や熱や紫外線といった刺激による毛髪の外因性損傷からケラチン繊維、特にそのアルファ構造を保護する、及び/又は、ダメージを修復する方法について開示されている。
さらに、特許文献3では、ヘアアイロン加熱によるヘアダメージの原因を、その加熱により発生する活性酸素種による毛髪表面タンパク質の酸化劣化と考え、アスコルビン酸及びその誘導体及び還元糖からなる群から選択される抗酸化物質を含む毛髪化粧料を洗い流さない状態で毛髪表面に残留させ、加熱により発生する活性酸素種を捕集・消去することで、毛髪を有効に保護できる技術を開示している。
特開2010−189307号公報 特開2008−163037号公報 特開2010−95472号公報
ところで、いずれの方法によっても、アイロン使用時の基剤の焦げ臭の発生を抑制しつつ、しかも、ヘアアイロンやコテ等の高温整髪器具による高熱に繰り返し曝されることで発生する特徴的なヘアダメージのうねりや縮れの発生を抑制し、同時に高熱に対する毛髪の耐性を向上する効果を併せ持つものは見出されていない。
そこで本発明は、ヘアアイロンやコテ等の高温整髪器具の高熱に繰り返し曝されることで発生する特徴的なヘアダメージの髪のうねりや縮れの発生を抑制し、同時に高熱に対する毛髪の耐性を向上し、しかも、アイロン使用時の焦げ臭を低減することができる毛髪処理組成物の提供することを目的としている。
本発明は、成分A、成分B及び成分Cを含有する毛髪処理組成物であって、
成分A:グルコース、
成分B:炭素数が2〜6、pKaが3〜4のモノカルボン酸又はpKaが3〜4のジ又はトリカルボン酸、
成分C:ClogPが−1〜2、沸点が200℃以上の芳香族アルコール、N−アルキルピロリドン、アルキレンカーボネートから選ばれる1種又は2種以上の有機溶剤、
であり、成分Aの毛髪処理剤組成物中の含有量が0.1から9質量%であり、
前記組成物のpHが2.5〜4.5である毛髪処理組成物である。
本発明は、ヘアアイロンやコテ等の高温整髪器具による高熱に繰り返し曝されることで発生する特徴的なヘアダメージのうねりや縮れの発生を抑制し、同時に高熱に対する毛髪の耐性(以下,高熱耐性ともいう)を向上する効果を併せ持ち、しかも、アイロン使用時の基剤の焦げ臭の発生を抑制できる毛髪処理組成物に関する。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。
本発明は、成分A、成分B及び成分Cを含有する毛髪処理組成物であって、成分A:グルコース、成分B:炭素数が2〜6、pKaが3〜4のモノカルボン酸又はpKaが3〜4のジ又はトリカルボン酸、成分C:ClogPが−1〜2、沸点が200℃以上の芳香族アルコール、N−アルキルピロリドン、アルキレンカーボネートから選ばれる1種又は2種以上の有機溶剤、であり、成分Aの毛髪処理剤組成物中の含有量が0.1から9質量%であり、前記組成物のpHが2.5〜4.5である毛髪処理組成物である。
成分Aのグルコースは、毛髪に浸透し内部タンパクと相互作用することで、ヘアアイロンによる加熱時の毛髪内部タンパクの構造を安定な状態で維持する機能を有するが、毛髪表面に僅かな量のグルコースでも残留すると、アイロン使用時に焦げ臭発生の原因となることがある。この課題を改善するため、グルコースを含む組成物で毛髪を処理したあと、続いて毛髪表面に残留するグルコースをすすぎ流す作業をおこなうと、顕著にうねりや縮れの発生を抑制する効果や、高熱に対する毛髪の耐性を向上する効果を低下させる新たな課題となることがある。
この課題の解決のためには、単にグルコースの毛髪への浸透性を高めるだけでなく、グルコースと毛髪内部タンパクの相互作用そのものも強化する必要があることがわかった。本発明によれば、成分Aのグルコース、成分B及び成分Cを含み、当該毛髪処理組成物のpHを2.5〜4.5にし、この組成物を毛髪に適用することで、上述の相反する課題を同時に解決できるだけでなく、成分Aと毛髪内部タンパクとの相互作用を強化し、より高いうねりや縮れの発生を抑制する効果や、高熱に対する毛髪の耐性を向上する効果が得られることを見出した。
以下、それぞれについて説明する。
本発明で用いる成分Aのグルコースは、有効な熱耐性を向上する効果を得るために、0.1〜9質量%であり、好ましくは0.2〜8質量%、更に好ましくは0.3〜7質量%配合される。成分Aのグルコースの濃度が3〜6質量%で最も高い熱耐性を向上する効果が得られる。0.1質量%未満の過少な場合だけでなく、9質量%超の過剰な濃度の場合においても、熱耐性を向上する効果が得られない。また、グルコースの濃度に比例して僅かながら発生するアイロン使用時の焦げ臭を抑制する観点から、濃度は9質量%以下である。
本発明で用いる成分Bは、炭素数が2〜6、pKaが3〜4のモノカルボン酸又はpKaが3〜4のジ又はトリカルボン酸であり、具体的には、グリコール酸(炭素数2、pKa=3.88)、乳酸(炭素数3、pKa=3.86)、リンゴ酸(炭素数4、pKa=3.46)、酒石酸(炭素数4、pKa=3.04)、クエン酸(炭素数6、pKa=3.15)が挙げられ、特に、熱ダメージ(うねり・縮れ)の発生を抑制する効果及び熱耐性を向上する効果の観点から、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸が好ましい。
なお、当該毛髪処理組成物のpHを2.5〜4.5の範囲内とするには、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸といった無機酸類、ならびに、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸といったスルホン酸類、更には、酢酸(炭素数2、pKa=4.76)、プロピオン酸(炭素数3、pKa=4.87)、コハク酸(炭素数4、pKa=4.21)、アジピン酸(炭素数6、pKa=4.42)等、pKaが3〜4でない有機酸によっても可能であるが、特に、高熱に対する毛髪の耐性を向上させる効果が十分でない観点から、成分Bには好ましくない。
また、成分Bは、単独、2種以上を混合して当該毛髪処理組成物に使用してもよい。
ここで、当該毛髪処理組成物を頭髪に適用した際に、成分Bが濡れ髪に含まれる水分による過剰に希釈されることを抑える点及び当該毛髪処理組成物を頭髪からすすぎ流した後に成分Bが毛髪表面に残留することによる使用感の悪化を避ける点から、成分Bの配合量は、本組成物全体に対して、モル基準で、好ましくは0.01〜1.0、より好ましくは0.02〜0.75、いっそう好ましくは0.03〜0.5である。
また、当該毛髪処理組成物には、通常化粧品分野で用いられる成分B以外の酸が含まれていても構わない。
具体的には、成分Bの当該毛髪処理組成物における配合量をこの範囲内とすることによって、濡れ髪に当該毛髪処理組成物を塗布した場合でも、過剰に希釈されず好適なpH範囲が維持され、成分Bに期待する毛髪内部タンパクがヘアアイロンによる加熱の影響を受け難い構造に維持でき、しかも、成分Aとの相互作用が促進・強化され、うねりや縮れを抑制できると考えられる。
本発明で用いる成分Cは、脂溶性の指標としてのオクタノール/水の分配係数の計算値であるClogPが−1〜2、沸点が200℃以上の芳香族アルコール、N−アルキルピロリドン、アルキレンカーボネートから選ばれる有機溶剤であり、具体的には、ベンジルアルコール(ClogP=1.1、沸点=205℃)、フェノキシエタノール(ClogP=1.2、沸点=245℃)、2−ベンジルオキシエタノール(ClogP=1.2、沸点=265℃)、N−メチルピロリドン(ClogP=−0.54、沸点=202℃)プロピレンカーボネート(ClogP=0.02、沸点=240℃)が挙げられる。当該毛髪処理組成物において、良好な他成分の浸透促進効果を得られる点で芳香族アルコールが好ましく、より好ましくは、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノールである。また、成分Cは、単独、2種以上を混合して当該毛髪処理組成物に使用してもよく、当該毛髪処理組成物中に好ましくは、0.01〜5質量%、更に好ましくは0.05〜4質量%、一層好ましくは0.1〜3質量%配合される。
成分Cの当該毛髪処理組成物における配合量をこの範囲内とすることによって、洗い流す使用形態であっても、毛髪内部へ十分な成分A及び成分Bの浸透させることができ、使用後の不快な手触りや、表面に残留する成分Aのヘアアイロンによる焦げ臭を抑制できる。
ここで、成分Cは、毛髪内部へ十分な成分A及び成分Bの浸透をより促進させる観点から、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%である。また、当該毛髪処理組成物の使用後の手触り感を向上させる観点から、好ましくは、5.0質量%以下であり、より好ましくは4.5質量%以下である。
本発明において、成分Cの機能を補助することを目的に、更に成分Dを用いることができる。成分Dとしては、ClogPが−1〜2、沸点が200℃以上のアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールから選ばれる少なくとも1種の有機溶剤で、具体的には、ジプロピレングルコール(ClogP=−0.69、沸点=232℃)、ポリプロピレングリコール(PPG−7;平均分子量400)(ClogP=0.9、沸点=200℃以上)、1,3−ブタンジオール(ClogP=−0.29、沸点=208℃)が挙げられ、中でも、成分Cとともに成分A及び成分Bの毛髪への浸透を促進する上で、ジプロピレングルコールが好ましい。また、成分Dは、単独、2種以上を混合して当該毛髪処理組成物に使用してもよく、当該毛髪処理組成物中に好ましくは、0.05〜10質量%、更に好ましくは0.1〜8質量%、一層好ましくは0.5〜6質量%配合される。
成分Dの当該毛髪処理組成物における配合量をこの範囲内とすることによって、洗い流す使用形態であっても、毛髪内部へ十分な成分A及び成分Bの浸透させることができ、使用後の不快な手触りや、表面に残留する成分Aのヘアアイロンによる焦げ臭をより効果的に抑制できる。
ここで、成分Dは、成分Cの効果を助長し、毛髪内部へ十分な成分A及び成分Bの浸透を促進させる観点から、0.05質量%以上であり、また、毛髪処理組成物の使用後の手触り感を向上させる観点から、10質量%以下好ましく、より成分Cに対する助長効果を高めるとの観点から、成分Cに対する成分Dの比(成分D/成分C)が、好ましくは1.0〜10、より好ましくは1.5〜9.0、いっそう好ましくは2.0〜8.0で用いられる。
本発明の毛髪処理剤組成物をシャンプー等の洗浄に用いる場合には、界面活性剤を含有させることができる。
ここで用いることができる界面活性剤としては、一般にアニオン活性剤が挙げられる。この使用できるアニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が挙げられる。これら界面活性剤のアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)を挙げることができる。
界面活性剤は、単独で又は2種以上用いることができ、その含有量は、例えば、毛髪処理組成物中の0.05〜20質量%が好ましく、更には0.1〜18質量%、特に0.5〜15質量%とすることができる。
本発明の毛髪処理剤組成物をコンディショナー等の洗浄前後に用いる場合には、カチオン成分を含有させる。
ここで用いることができるカチオン成分としては、一般に4級アンモニウム塩、アミドアミン、エーテルアミン等が用いられる。
4級アンモニウム塩としては、例えば次の一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩が挙げられる。
Figure 0005779399
(式中、R及びRは、水素原子、炭素数1〜28の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はベンジル基を示すが、同時に水素原子又はベンジル基となることはなく、少なくとも1つは炭素数8以上のアルキル基である。R及びRは、炭素数1〜5のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、又は合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、Anは、陰イオンを示す。)
式(1)の4級アンモニウム塩の具体例としては、例えば特開2007−186474号公報に記載されたものが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩には、一般式(2)で示されるエーテル型4級アンモニウム塩も包含される。
Figure 0005779399
(式中、R11は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R12〜R14は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基又は−(DO)H(Dは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、cはDOの平均付加モル数を示す1〜6の数であり、c個のDOは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示し、Anは、陰イオンを示す。)
式(2)のエーテル型4級アンモニウム塩の具体例としては、例えば特開2007−186474号公報に記載されたものが挙げられる。
また、アミドアミンとしては、例えば一般式(3)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005779399
(式中、R21は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R22は同一又は異なる水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、dは2〜4の整数を示す。)
式(3)のアミドアミンの具体例としては、例えば特開2007−186474号公報や特開2008−297262号公報に記載されたものが挙げられる。
また、エーテルアミンとしては、例えば、一般式(4)に示される化合物が挙げられる。
Figure 0005779399
(式中、R31は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R32及びR33は、同一又は異なる炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、pはA0の平均付加モル数を示し、1〜6の数を示し、p個のA0は同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。)
式(4)のエーテルアミン具体例としては、例えば、特開2008−297262公報に記載されたものが挙げられる。
これらカチオン成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができ、本発明の毛髪処理組成物中に0.01〜20質量%、より、0.1〜10質量%、更には0.5〜5質量%配合すると、使用感が良好であり好ましい。
本発明の毛髪処理組成物には、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメントとして製剤するために、上述した成分以外に、通常の化粧品分野で用いられる成分を、目的に応じて加えることができる。このような任意の成分としては、例えば可溶化剤、界面活性剤、希釈剤、有機溶剤、感触向上剤、毛髪補修剤、キレート剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、保湿剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料などが挙げられる。
本発明の毛髪処理組成物は、pHが2.5〜4.5である。好ましくは、3.0〜4.0である。この範囲とすることによりダメージなく、到達すべき毛髪内部の部位へグルコースを浸透させることができるという観点から、グルコースと毛髪の相互作用を強化でき、効果が向上できる。
また、pHの制御は、通常のpH調整剤や成分の配合量の調整で行うことができる。
このような毛髪処理組成物は、毛髪に塗布し、浸透時間を確保する観点から0.25〜5分、好ましくは0.5〜3分保持した後、水洗して用いることができる。
このように本発明の組成物を用いて毛髪を処理することで、アイロン使用時の基剤の焦げ臭を発生させないため、リンスオフの形態で該組成物を使用した場合においても、ヘアアイロンやコテ等の高温整髪器具による高熱に繰り返し曝されることで発生する特徴的なヘアダメージのうねりや縮れの発生を抑制し、同時に高熱に対する毛髪の耐性を向上することができる。
〔高熱耐性の評価方法〕
本発明の毛髪処理組成物における高熱耐性の評価は、以下の方法によっておこなった。
1.「高熱耐性」の評価方法の考え方:
健常な日本人女性の毛髪をDSC(示差熱測定器)を用いて測定すると、約185℃付近に吸熱ピークを観測することができる。この吸熱ピークは、毛髪内在タンパクのIF(インターフィラメント)のTd(熱変性温度)と考えられている。この健常な日本人女性毛にブリーチ等の化学処理を行なうと、Tdは約179℃まで低下する。これら化学処理前後での毛髪に、それぞれアイロン加熱を繰り返し加えると、Tdが低下したブリーチ処理毛で、より早く、しかも顕著に、髪のうねりや縮れが発生する(高熱耐性が悪い)ことから、ブリーチ処理毛に各種毛髪処理組成物を使用して、Tdを指標として高熱耐性の回復効果を確認した。
2.評価サンプルの作成:
健常な日本人女性毛(Td=185℃)にブリーチ処理を4回行い、Tdが低温度化(179℃)した毛髪を使い、0.1gの毛束を作成した。次に、表1記載の処理液に毛束を浴比50で浸漬し、40℃、30分間静置した後、40℃の温水で30秒間すすぎ流した。この毛束をタオルドライした後にドライヤー乾燥を行い、20℃、20%相対湿度下で24時間静置した。次に、はさみで細かく粉砕し、毛髪量約5mgを測り、熱媒体としてSIGMA−ALDRICH製Silicon oil, high temperatureシリコンオイル10μLとともにステンレス製測定容器に封入した。DSCの測定条件は、室温〜240℃まで5℃/分の速度で昇温し、得られるチャート(吸熱量vs.温度)からTdを読み取った。測定は3回行い、その平均値をTdとした。なお、小数点以下は四捨五入した。
なお、DSCに使用した測定装置は、Seiko Instruments Inc.製のモデルのDSC6100であった。
3.高熱耐性の判定:
ブリーチ処理により低下したTdが、表1〜表4の処理液によりどの程度回復したのかをTd回復率として各表中に示した。具体的には、Td回復率は、下記式1に従って決定した。
(式1)
Td回復率(%)=(Td−179)÷(185−179)×100 式1
〔式中で、Tdは、ブリーチ処理履歴毛を実施例又は比較例で処理した後のTd、185℃は、健常な日本人女性毛の未処理のTd値、179℃は、健常な日本人女性毛にブリーチ処理を4回行い、低温度化した後のTd値である。〕
〔試験1.酸の構造と高熱耐性の関係〕
表1に示した各酸を0.13Mと更にグルコース0.11M(成分A)、ベンジルアルコール1.0質量%(成分C)、ジプロピレングリコール(DPG)2.5質量%(成分D)、水酸化ナトリウム(pH3.3に調整するための量)、水(残部)を混合して調整した実施例及び比較例を用いて、0.1gの日本人女性ブリーチ処理毛を処理(各実施例・比較例の組成物0.1gを塗布し、40℃で30分間静置後にすすぎ流し、ドライヤーで乾燥)した後、粉砕し、20℃で相対湿度20%の条件で、24時間静置したのちステンレス製測定用容器に封入密閉したのち、DSC測定を行い、処理後のTdを求め、式1よりTd回復率を算出した。
Figure 0005779399
表1の結果から、無機酸やスルホン酸類、pKaの範囲が不適な有機酸を用いて組成物のpHを2.5〜4.5に調整するだけでは、本発明の目的とする効果は得られないが、酸として本発明で請求する成分B、炭素数が2〜6、pKaが3〜4のモノ又はジ又はトリカルボン酸を用いる場合においてのみ、高熱耐性の向上効果が確認できた。
〔試験2.成分Aの濃度と高熱耐性の関係〕
〔試験3.組成物のpHと高熱耐性の関係〕
次に、表2には、成分Aとしてグルコース、成分Bとして乳酸、成分Cとしてベンジルアルコール、成分Dとしてジプロピレングリコール(DPG)を用いて、成分Aの濃度と高熱耐性の向上効果の関係、表3には組成物のpHと高熱耐性の向上効果の関係を示す。毛髪処理するための実施例・比較例を構成する各成分の量比等は、表2又は表3に従って調製した。高熱耐性の向上効果の確認に関するDSCによる熱測定及びTd回復率の算出は前述と同じ方法で行った。
Figure 0005779399
Figure 0005779399
表2の実施例6〜9及び比較例12の結果から、高熱耐性の向上効果を得るためには、当該毛髪処理組成物に用いる好ましいグルコースの濃度は0.1〜9質量%が好ましく、また、表3から、当該毛髪処理組成物のpHが、成分BのpKaと合致する3.0〜4.0の特定の範囲で高熱耐性の向上効果が得られることが確認できる。
〔試験4.糖と高熱耐性の向上効果の関係〕
次に、表4にグルコース以外の糖類(単糖・糖アルコール・二糖)での高熱耐性の評価と、当該毛髪処理組成物において、構成成分A〜Dの何れかがない場合の高熱耐性の評価の結果を示す。毛髪処理するための比較例は表4に従って調製し、DSCによる熱測定及びTd回復率の算出は前述と同じ方法で行った。
Figure 0005779399
以上の結果から、成分Aのグルコースに代えて他の糖類を用いた場合では、高熱耐性の効果が認められないこと、また、成分Aとしてグルコースを用いた場合においても、成分B、Cとの併用に依らなければ、高熱耐性の向上させる効果が認められないことが分かる。
〔アイロン加熱の繰り返しによるうねり発生の抑制効果〕
〔実験方法〕
1.ブリーチ処理〔ブリーチ剤:花王株式会社製 ふんわり泡ブリーチ(商品名)、浴比(塗布する剤質量の対毛髪質量比):1.0、剤混合比(1剤:2剤):4:6〕を1回行なった日本人女性の髪を使い、毛髪量0.5g、長さ25cmの毛束を作成する。
2.1で作成した毛束を使って、下記のフローを処理1回分として、12回まで繰り返し、乾燥後の毛束の形状を観察し、その結果を表5に示した。
下記フローで記載のアイロン加熱は、フラットアイロンの加熱プレート部に熱電対を挟み閉じた状態で測定したときプレート温度が200℃±5℃になるように温度設定を行い、同設定にて毛髪をアイロンのプレートで挟み、20cm/10sの速さで根元側から毛先に向かってプレートをスライドさせながら毛束全体を平均的に加熱する条件で行った。
下記フローで記載の洗髪は、40℃のお湯で髪を30秒間すすいだ後、プレーンシャンプー剤(ラウレス−1硫酸アンモニウム10%水溶液)を浴比0.2で塗布して30秒間泡立て、最後に30秒間プレーンシャンプー剤をすすぎ流し、次いで、評価用のリンス剤(表1〜4の実施例及び比較例;実施例1、5、比較例11、13、16)を浴比0.2で塗布し30秒間静置し30秒間すすぐ条件で行った。
下記フローで記載の乾燥は、ドライヤーの温風で行い、髪本来の形状を確認するために、乾燥中はブラッシングや櫛通しなどによるセットは一切行なわなかった。
〔フロー〕
A)(アイロン加熱→洗髪→ドライヤー乾燥)×10回
B)毛髪形状の観察(うねり・縮れ毛の発生、毛束の広がりの発生を確認)
Figure 0005779399
本発明の実施例の組成物は、高熱耐性の向上だけでなく、繰り返しアイロン処理に対するうねり発生の抑制もできる。
次に、より具体的な、毛髪処理組成として、実施例12、13を調整し、高熱耐性の向上、繰り返しアイロン処理に対するうねり発生の抑制、さらに、アイロン加熱中の焦げ臭の抑制について確認し、いずれも十分なレベルであることを確認した。
Figure 0005779399
Figure 0005779399

Claims (3)

  1. 成分A、成分B及び成分Cを含有する毛髪処理組成物であって、
    成分A:グルコース、
    成分B:炭素数が2〜6、pKaが3〜4のモノカルボン酸又はpKaが3〜4のジ又はトリカルボン酸、
    成分C:ベンジルアルコール
    であり、成分Aの当該毛髪処理組成物中の含有量が0.1から9質量%であり、
    当該毛髪処理組成物のpHが2.5〜である毛髪処理組成物。
  2. 更に、成分Dとして、ClogPが−1〜2、沸点が200℃以上の、アルキレングリコール、及びポリアルキレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の有機溶剤を含有する、請求項1に記載の毛髪処理組成物。
  3. 請求項1または2に記載の毛髪処理組成物を毛髪に塗布し、0.25〜5分間保持した後、水洗する工程を有する毛髪処理方法。
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