JP5142889B2 - 窒化珪素質焼結体およびその製法ならびに回路基板、パワー半導体モジュール - Google Patents

窒化珪素質焼結体およびその製法ならびに回路基板、パワー半導体モジュール Download PDF

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本発明は、窒化珪素質焼結体およびその製法ならびに回路基板、パワー半導体モジュールに関し、特に、β−Siおよびβ−サイアロンのうち少なくとも1種の結晶粒子内に、Al存在量が多いAl多領域部が形成された窒化珪素質焼結体およびその製法ならびに回路基板、パワー半導体モジュールに関するものである。
従来、自動車用エンジン部材、耐熱構造部材、切削工具、その他産業用部材に、高強度、高靱性の窒化珪素質焼結体が用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には、β−Siおよびβ−サイアロンのうち少なくとも1種の結晶粒子と粒界相とからなる窒化珪素質焼結体であって、焼結体に対して5〜60vol%が、内部に、この結晶粒子の他の部分よりもAl存在量が多いAl多領域部を有する結晶粒子から構成されていることが記載されている。
そして、この窒化珪素質焼結体では、結晶粒子内にβサイアロン核を有するため、結晶粒子内に内部応力を発生させ、さらに、βサイアロン核を有する結晶粒子は粒成長するため、アスペクト比が大きくなり、焼結体の強度と靱性を向上できることが記載されている。
特開平2−263764号公報
近年においては、窒化珪素質焼結体は多種多様の用途に用いられており、用途によっては、高熱伝導性が要求されているものもある。例えば、大電力で動作する半導体を実装する、いわゆるパワー半導体モジュールに使用する絶縁回路基板に窒化珪素質焼結体を用いることが知られているが、このような絶縁回路基板では、パワー半導体から発する熱を拡散して放熱する必要がある。
例えば、絶縁回路基板では、上記したように放熱性(高熱伝導率)、薄型化、高強度高靱性化が要求されているが、上記特許文献1に開示された窒化珪素質焼結体を回路基板として用いた場合には、高強度高靱性化が図られ、薄型化を達成することができるが、回路基板の熱伝導率が低く、パワー半導体から発する熱を十分に放熱することができないという問題があった。
すなわち、特許文献1の窒化珪素質焼結体では、結晶粒子内にβサイアロン核を有するため、結晶粒子内に内部応力を発生させ、さらに、β−サイアロン核を有する結晶粒子は粒成長し、アスペクト比が大きくなるため、焼結体の強度と靱性を向上できるものの、特許文献1では、BET比表面積が10あるいは5m/gの微粒のβ−サイアロン粉末を、原料全量に対して5〜20質量%添加しており、これにより、焼成時に多くのβ−サイアロンが完全に溶融または表面が溶融してβ−サイアロン核が小さくなり、結晶粒子内に大量のAlが分散、固溶し、窒化珪素質焼結体の熱伝導率が低くなり、放熱性が低下するという問題があった。
本発明は、高強度化および高靱性化を図ることができるとともに、放熱性を向上することができる窒化珪素質焼結体およびその製法ならびに回路基板、パワー半導体モジュールを提供することを目的とする。
本発明の窒化珪素質焼結体は、β−Siおよびβ−サイアロンのうち少なくとも1種の結晶粒子と粒界相とからなる窒化珪素質焼結体であって、前記結晶粒子内に、該結晶粒子の他の部分よりもAl存在量が多いAl多領域部を有するとともに、該Al多領域部が希土類元素を含有する被覆層で覆われており、前記Al多領域部および前記被覆層を有する前記結晶粒子が、焼結体の任意断面において面積比で8〜26%存在することを特徴とする。
このような窒化珪素質焼結体では、結晶粒子内に、希土類元素を含有する被覆層で覆われたAl多領域部を有するため、この結晶粒子が、Al多領域部を有しない他の結晶粒子よりも大きく粒成長し、アスペクト比が大きくなり、また、Al多領域部を有するため、結晶粒子内部の圧縮応力が大きくなることにより、クラックの進展を抑制し、焼結体の強度と靱性を向上できる。さらに、希土類元素を含有する被覆層でAl多領域部が覆われているため、Al多領域部からのAlの結晶粒子内への分散、固溶量が少なく、窒化珪素質焼結体の熱伝導率を向上できる。
本発明の回路基板は、上記窒化珪素質焼結体に導体層を形成してなることを特徴とする。このような回路基板では、窒化珪素質焼結体の強度および靱性を向上できるため、回路基板を薄くすることができ、しかも窒化珪素質焼結体の熱伝導率を向上できるため、回路基板の放熱性を向上できる。これにより、例えば、パワー半導体から発する熱を十分に回路基板から拡散して放熱することができる。
本発明のパワー半導体モジュールは、パワー半導体を上記回路基板に実装してなるものである。このようなパワー半導体モジュールでは、パワー半導体から発する熱を十分に回路基板から拡散して放熱することができる。
本発明の窒化珪素質焼結体では、結晶粒子内に、希土類元素を含有する被覆層で覆われたAl多領域部を有するため、この結晶粒子が、Al多領域部を有しない他の結晶粒子よりも大きく粒成長し、アスペクト比が大きくなり、また、Al多領域部を有するため、結晶粒子内部の圧縮応力が大きくなることにより、クラックの進展を抑制し、焼結体の強度と靱性を向上できる。さらに、希土類元素を含有する被覆層でAl多領域部が覆われているため、Al多領域部からのAlの結晶粒子内への分散、固溶量が少なく、窒化珪素質焼結体の熱伝導率を向上できる。
本発明の回路基板では、窒化珪素質焼結体の強度、靱性を向上できるため、回路基板を薄くすることができ、しかも窒化珪素質焼結体の熱伝導率を向上できるため、回路基板の放熱性を向上できる。
本発明のパワー半導体モジュールでは、パワー半導体から発する熱を十分に回路基板から拡散して放熱することができる。
本発明の回路基板は、窒化珪素質焼結体からなる母基板に導体層(金属回路を含む)を形成してなるもので、少なくとも母基板の上面、または下面、さらには上下両面に導体層を設け、この導体層には、パワー半導体が搭載される。
そして、窒化珪素質焼結体からなる母基板は、図1、2に示すように、β−Siおよびβ−サイアロンのうち少なくとも1種の結晶粒子1と粒界相3とからなる窒化珪素質焼結体であって、結晶粒子1内に、該結晶粒子1の他の部分4(以下単に、他の部分ともいう。)よりもAl存在量が多いAl多領域部5を有し、このAl多領域部5を覆う希土類元素を含有する被覆層6が存在し、前記Al多領域部および前記被覆層を有する前記結晶粒子が、焼結体の任意断面において面積比で8〜26%存在する。
Al多領域部5の平均径は2μm以上であり、かつAlを焼結体全量中0.053質量%以上含有することが、強度および靱性を向上させるという点から望ましく、特には0.185質量%以上含有することが望ましい。
被覆層6は、希土類元素の他に、Alを含有する場合がある。この希土類元素、Alは、酸化物として存在していると考えられる。被覆層6中のAlは、Al多領域部5中のAlが拡散してきたものと考えられる。
被覆層6中に存在する希土類元素は、Y、Gd、Dy、Ho、ErおよびYbのうち少なくとも1種が望ましく、特には、窒化珪素粒子が粒成長しやすいという点から、Y、Er、Dyが望ましい。
被覆層6中に存在する希土類元素は、後述する結晶粒子間の希土類元素(粒界相の一部を構成する)とは異なる元素であっても良いが、製造容易、希土類元素の種類を少なくし、コストを低減するという点から、被覆層6中に存在する希土類元素は、結晶粒子間の粒界相を構成する希土類元素と同じ種類の希土類元素を用いることが望ましい。
本発明では、β−SiにAlが分散して固溶したものをβ−サイアロンと呼ぶ。サイアロンは、一般式Si6−zAl8−zで表されるが、結晶粒子内に、の部分4よりもAl存在量が多いAl多領域部5を有することは、結晶粒子がβ−サイアロンの場合、Al多領域部の一般式中のZ値は、他の部分4のZ値に比べて2倍以上、つまり2倍以上Al含有量が多い領域を有することを指す。Al多領域部5は、図2では、一点鎖線で示したが、実際は、Alの含有量で規定されるもので、走査電子顕微鏡による反射電子像あるいは二次電子像と波長分散型マイクロアナライザー分析などの対比により、Al多領域部5であることを確認できる。
また、β−Siからなる結晶粒子1内に、該結晶粒子1の他の部分4よりもAl存在量が多いAl多領域部5を有するとは、Alが固溶していないβ−Siからなる結晶粒子1内に、Alが分散して固溶したβ−SiからなるAl多領域部5が存在することをいう。
このAl多領域部5の寸法は、添加するβ−サイアロン粉末の粒径と同等か、もしくは僅かに小さくなる。本発明では、結晶粒子1中にAl多領域部5を有し、他の部分4とAl多量域部5との間に希土類元素を含有する被覆層6が存在することにより、結晶粒子1内の内部応力が大きくなり、さらに結晶粒子1のアスペクト比が大きくなり、強度および靱性を向上できる。さらに、Al多量域部から結晶粒子1内に分散、固溶するAl量を低減し、熱伝導性を向上できる。
Al多領域部5を有するβ−Siおよびβ−サイアロンの結晶粒子1は、アスペクト比が平均3〜8、結晶粒子1の短軸長さは平均3〜15μmとされている。
本発明では、Al多領域部5を有する結晶粒子1が、焼結体の任意断面において面積比で8〜26%存在する。これにより、焼結体の強度および靱性を高めることができるとともに、Al多領域部5を有する結晶粒子1を適度に存在させることができ、焼結体の放熱性を高くすることができる。
また、本発明の窒化珪素質焼結体には、原料中に含まれる、あるいは工程から混入するNa、K、Fe、Ca、Ba、MnおよびB等の不可避不純物を混入しており、これらの不可避不純物は、焼結体全量中に合量で0.5質量%以下であることが望ましい。これにより焼結体の熱拡散率の低下を抑制でき、結果として焼結体の熱伝導率を向上できる。
さらに、焼結体中には、希土類元素を酸化物換算で全量中1〜20質量%含有することが、焼結性を向上させるという点および靱性、熱伝導率向上の点から望ましい。窒化珪素は前述したように、難焼結性であるので、焼結助剤を添加することが望ましく、一般的に知られている希土類元素酸化物、例えば、Y、Gd、Dy、Ho、ErおよびYbのうち、少なくとも1種を、特にY、Er、Dyを1〜20質量%添加含有する。
ここで、希土類元素の酸化物換算量を焼結体全量中1〜20質量%としたのは、1質量%未満では焼結助剤として機能が不十分であり、また、20質量%を超えると焼結体中に低熱伝導率のアモルファス相や低熱伝導率の結晶相が増加して焼結体の熱伝導率が低下する傾向にあるからである。希土類元素の酸化物換算量は、焼結性および熱拡散率向上という観点から、焼結体全量中2〜17質量%であることが望ましい。粒界相形成粉末(焼結助剤ということもある)としては、Er、SiOであることが望ましい。
β−Siおよびβ−サイアロンのうち少なくとも1種の結晶粒子1は、焼結体全量中80〜91.5質量%含有することが望ましい。
本発明の回路基板の製法は、窒化珪素質焼結体からなる母基板に導体層を形成して作製される。母基板は、希土類元素酸化物粉末とβ−サイアロン粉末とを混合したのち、700〜900℃で仮焼し、得られた仮焼粉末と粒界相形成粉末とを窒化珪素粉末に添加混合し、これを所定形状に成形した後、1750〜1980℃で焼成することにより作製できる。
粒界相形成粉末としては、希土類元素酸化物の他にSiO等を含有することができる。
希土類元素酸化物粉末とβ−サイアロン粉末とを混合し、700〜900℃で仮焼することにより、Alを含有するβ−サイアロン粉末の表面に、希土類元素酸化物粉末を多数付着させ、希土類元素酸化物粉末の層を形成することができる。
そして、希土類元素酸化物粉末の層で覆われたβ−サイアロン粉末を、粒界相形成粉末と窒化珪素粉末とともに添加混合し、焼成することにより、溶融した窒化珪素が、β−サイアロン粉末を核として析出し、被覆層6によりAlが殆ど結晶粒子1内全体に分散固溶することがなく、結晶粒子1内に、β−サイアロンが希土類元素を含有する被覆層6で覆われた組織を形成でき、このような結晶粒子1と粒界相3とからなる窒化珪素質焼結体を作製することができる。
すなわち、窒化珪素粉末が溶解し、β−サイアロン粉末を核として析出する際に、希土類元素酸化物が溶解し、β−サイアロンの周囲を被覆するが、β−サイアロン粉末の表面は、希土類元素を含有する被覆層6で覆われているため、被覆層6によりβ−サイアロンのAlの分散が抑制され、Alの結晶粒子1への固溶が抑制される。通常は、β−サイアロンを核として窒化珪素が溶解析出するため、結晶粒子1中にはAlが少々固溶している。
窒化珪素粉末は、酸素を2.0質量%以下、不純物陽イオンとしてのNa、K、Fe、Ca、Ba、MnおよびBを合計で0.5質量%以下、α相型窒化珪素を90質量%以上含有し、平均粒径1μm以下の粉末を用いることが望ましい。
β−サイアロン粉末としては、一般式Si6−zAl8−z(0<z≦4)で表されるものを使用できる。このβ−サイアロン粉末は、BET比表面積2m/g以下のものを使用することが、アスペクト比の大きい結晶粒子1を形成でき、強度、靱性を向上するという点から望ましい。特には、BET比表面積1m/g以下のものを使用することが望ましい。
また、β−サイアロン粉末は、原料全量中0.139質量%以上、特に0.416質量%以上添加混合することが望ましい。
β−サイアロン粉末を全固形分中0.139質量%以上、望ましくは0.416質量%以上添加混合するとは、窒化珪素粉末、被覆層6を構成する、希土類元素酸化物粉末、粒界相形成粉末およびβ−サイアロン粉末の合量(全固形分)中、0.139質量%以上、望ましくは0.416質量%以上がβ−サイアロン粉末であることを意味する。
本発明の回路基板の母基板は、熱伝導率は99W・m/K以上、特には、115W・m/K以上のものが得られる。強度は、810MPa以上、特には895MPa以上のものが得られる。さらには、靱性については、7.5MPa・m1/2以上、特には7.9MPa・m1/2以上ものが得られる。
さらに、本発明の母基板では、熱伝導率が高く、高強度高靱性であるため、厚さを薄くすることにより、窒化アルミニウムに比べてもそん色のない高放熱性の母基板が得られ、一方、より強度を高くするため、0.5mm以上の厚みとした場合でも、熱伝導率が高いため、回路基板として用いることができる。
本発明のパワー半導体モジュールは、母基板の導体層にパワー半導体を接続し、パワー半導体を上記回路基板に実装して構成されている。このようなパワー半導体モジュールでは、パワー半導体から発する熱を十分に回路基板から拡散して放熱することができる。
出発原料として、窒化珪素α相を95質量%含み、酸素を1質量%含み、平均粒径0.5μmの窒化珪素粉末と、BET比表面積0.70〜10.2m/gのβ−サイアロン粉末(z=0.5〜4)と、希土類元素酸化物粉末として、平均粒径1.0μmのY粉末、平均粒径1μmのEr粉末、平均粒径1μmのYb粉末、平均粒径1μmのGd粉末、平均粒径1μmのHo粉末を、粒界相形成粉末の一部として平均粒径1.3μmのSiO粉末を用意した。尚、表1中の量は、全固形分中の割合を示す。
先ず、β−サイアロンと被覆層材料の希土類元素酸化物粉末とを表1に示す組成比率になるように秤量し、混合し、800℃で仮焼し、得られた仮焼粉体と、表1に示す組成比率になるような粒界相形成粉末とを、窒化珪素粉末に添加、混合した。溶媒としてイソプロピルアルコールを、メディアとして窒化珪素焼結体製のボールを加えて振動ミルにて72時間混合した。その後スラリーはイソプロピルアルコールを乾燥させて混合粉体とし、この混合粉末を0.5ton/cmの圧力で金型プレスした後、3ton/cmの圧力にて静水圧プレスを施して成形体を得た。
次いで、窒化珪素焼結体製の鉢の中に、窒化珪素粉末にSiO粉末を加えたとも材を充填し、上記成形体をこのとも材の中に埋め込んだ後、0.9MPaの圧力の窒素ガス雰囲気下で1950℃の温度にて焼成して試料となる焼結体を得た。
尚、試料No.18は、β−サイアロンと希土類元素酸化物粉末とを予め仮焼することなく、窒化珪素粉末と粒界相形成粉末とβ−サイアロン粉末とを一度に添加し、上記と同様に、成形し、焼成した試料である。
こうして得られた試料について、Al量を蛍光X線分析(検量線法)により求めた。焼結体の結晶粒子を収束イオンビーム(FIB)装置によってサブミクロン厚みで微細加工し、波長分散型X線マイクロアナライザー(EPMA)にてAl多領域部および被覆層を確認し、その有無について表2に記載した。
また、焼結体の任意の5断面の走査電子顕微鏡分析反射電子像(組成差像)を用いて、Al多領域部を有する結晶粒子の面積比を画像解析装置により求め、これらを平均してAl多領域部を有する結晶粒子の面積比とし、表1に記載した。
また、各試料について、熱拡散率と比熱をレーザーフラッシュ法(試料の両面にAu蒸着し、両面を黒化処理して25℃でルビーレーザーパルス光を均一に照射)にて測定し、測定した熱拡散率と比熱とアルキメデス法で求めた密度を掛け合わせて熱伝導率を算出した。また、破壊靱性はJIS規格R1607−1995により求め、三点曲げ強度はJI
S1601−1995により求めた。これらの結果を表に記載した。なお、試料No.1は比較例である。
これらの表によれば、本発明の範囲内にある試料No.〜17は熱伝導率が99W/m・K以上、三点曲げ強度が810MPa以上、靱性が7.5MPa・m1/2以上の特性を有していることがわかる。一方、β−サイアロンと希土類元素酸化物粉末とを予め仮焼することなく、窒化珪素粉末と焼結助剤とβ−サイアロン粉末とを一度に添加した試料No.18は、希土類元素を含有する被覆層が存在せず、熱伝導率は84W/m・Kと低い値となった。
焼結体の走査電子顕微鏡分析反射電子像(組成差像)写真である。 焼結体の模式図である。
符号の説明
1:結晶粒子
3:粒界相
4:結晶粒子のAl多領域部以外の他の部分(他の部分)
5:Al多領域部
6:被覆層

Claims (3)

  1. β−Siおよびβ−サイアロンのうち少なくとも1種の結晶粒子と粒界相とからなる窒化珪素質焼結体であって、前記結晶粒子内に、該結晶粒子の他の部分よりもAl存在量が多いAl多領域部を有するとともに、該Al多領域部が希土類元素を含有する被覆層で覆われており、前記Al多領域部および前記被覆層を有する前記結晶粒子が、焼結体の任意断面において面積比で8〜26%存在することを特徴とする窒化珪素質焼結体。
  2. 請求項1に記載の窒化珪素質焼結体に導体層を形成してなることを特徴とする回路基板。
  3. パワー半導体を請求項に記載の回路基板に実装してなることを特徴とするパワー半導体モジュール。
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