JP5128904B2 - マニピュレータ - Google Patents

マニピュレータ Download PDF

Info

Publication number
JP5128904B2
JP5128904B2 JP2007283323A JP2007283323A JP5128904B2 JP 5128904 B2 JP5128904 B2 JP 5128904B2 JP 2007283323 A JP2007283323 A JP 2007283323A JP 2007283323 A JP2007283323 A JP 2007283323A JP 5128904 B2 JP5128904 B2 JP 5128904B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
end effector
passive
manipulator
cylinder
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007283323A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009107087A (ja
Inventor
誠 神野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Toshiba Corp
Original Assignee
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TRUMO KABUSHIKI KAISHA, Toshiba Corp filed Critical TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Priority to JP2007283323A priority Critical patent/JP5128904B2/ja
Priority to US12/261,829 priority patent/US8277443B2/en
Priority to EP08167957.3A priority patent/EP2077095B1/en
Publication of JP2009107087A publication Critical patent/JP2009107087A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5128904B2 publication Critical patent/JP5128904B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J9/00Programme-controlled manipulators
    • B25J9/10Programme-controlled manipulators characterised by positioning means for manipulator elements
    • B25J9/104Programme-controlled manipulators characterised by positioning means for manipulator elements with cables, chains or ribbons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B34/00Computer-aided surgery; Manipulators or robots specially adapted for use in surgery
    • A61B34/70Manipulators specially adapted for use in surgery
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B34/00Computer-aided surgery; Manipulators or robots specially adapted for use in surgery
    • A61B34/70Manipulators specially adapted for use in surgery
    • A61B34/71Manipulators operated by drive cable mechanisms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B18/00Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body
    • A61B18/04Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by heating
    • A61B18/12Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by heating by passing a current through the tissue to be heated, e.g. high-frequency current
    • A61B18/14Probes or electrodes therefor
    • A61B18/1442Probes having pivoting end effectors, e.g. forceps
    • A61B18/1445Probes having pivoting end effectors, e.g. forceps at the distal end of a shaft, e.g. forceps or scissors at the end of a rigid rod
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/28Surgical forceps
    • A61B17/29Forceps for use in minimally invasive surgery
    • A61B2017/2926Details of heads or jaws
    • A61B2017/2927Details of heads or jaws the angular position of the head being adjustable with respect to the shaft
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/28Surgical forceps
    • A61B17/29Forceps for use in minimally invasive surgery
    • A61B2017/2926Details of heads or jaws
    • A61B2017/2932Transmission of forces to jaw members
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/28Surgical forceps
    • A61B17/29Forceps for use in minimally invasive surgery
    • A61B2017/2926Details of heads or jaws
    • A61B2017/2932Transmission of forces to jaw members
    • A61B2017/2939Details of linkages or pivot points
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B34/00Computer-aided surgery; Manipulators or robots specially adapted for use in surgery
    • A61B34/70Manipulators specially adapted for use in surgery
    • A61B34/74Manipulators with manual electric input means
    • A61B2034/742Joysticks

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Robotics (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manipulator (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Description

本発明は、エンドエフェクタを含む先端動作部を有するマニピュレータに関する。
腹腔鏡下手術においては、患者の腹部等に小さな孔をいくつかあけて内視鏡、マニピュレータ(又は鉗子)等を挿入し、術者が内視鏡の映像をモニタで見ながら手術を行っている。このような腹腔鏡下手術は、開腹を必要としないため患者への負担が少なく、術後の回復や退院までの日数が大幅に低減されることから、適用分野の拡大が期待されている。
一方、腹腔鏡下手術で用いるマニピュレータには、患部の位置及び大きさに応じて迅速且つ適切な手技が可能であることが望まれており、しかも患部切除、縫合及び結紮等の様々な手技が行われる。このため、本出願人は、操作の自由度が高くしかも簡便に操作することのできるマニピュレータの提案をしている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2002−102248号公報 特開2004−301275号公報
軟性鏡下・腹腔鏡下手術に用いられている従来の一般的な鉗子では、先端動作部に加わる外力や把持する把持力等は、直接的ではないが、鉗子本体を介して手元に反作用として伝わることから、操作者はこれらの力をある程度は感じ取ることができ、適度によい操作性が得られる。しかしながら、従来の鉗子は自由度が少なく(例えば1自由度である。)、組織を把持する方向や切断する方向、縫合針の刺入方向が限られていて不便であるとともに、操作に熟練性が要求される。
より高い自由度を得るためには、例えば、マスタ・スレーブ方式の遠隔操作型手術ロボットを適用することが考えられる。該ロボットは、高い自由度を有するとともに、患部に対して任意の方向からのアプローチが可能で、操作性に優れるという利点があるものの、先端動作部に加わる外力や把持力等はマスタ側には伝わらない。
マスタ・スレーブ方式のロボットにおいて、マスタ側で力感覚を得るためには、高感度な力覚センサシステムや高速なサンプリングタイムを有する計算機システムによる高度なバイラテラル制御が必須となり、高価で複雑なシステムとなる。また、バイラテラル制御は実用に値する十分な性能が得られていないのが現状である。
それに対して、本出願人によってすでに提案されている多自由度鉗子、すなわち、先端動作部に関節を備え、操作部の指令に基づいてモータ制御により各関節を駆動する多自由度鉗子は、操作部(操作ハンドル)と作業部(先端関節部)が一体化されているため、従来の鉗子と同様に先端動作部に作用する外力や把持力等が、直接ではないが、多自由度鉗子本体を介して操作部側に伝わる。したがって、操作者はこれらの力をある程度は感じ取ることができる。しかしながら、このような多自由度鉗子においてもさらに力を感じ取ることのできる多自由度鉗子の要望があり、特に把持力について力を感じ取ることのできる多自由度鉗子が望まれている。
また、多自由度鉗子において把持動作を得るためには、例えば歯車機構を用いることが考えられるが、歯車機構では構造が複雑になり、しかも歯車噛合に高い精度が必要となる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、高い自由度が得られ、しかも、操作者が先端動作部に加わる外力等をより確実且つ簡便に感知することのできるマニピュレータを提供することを目的とする。
また、本発明は、使用する歯車の数を減らし、簡便な構造のマニピュレータを提供することを目的とする。
本発明に係るマニピュレータは、基端側に設けられ、進退する駆動部材と、前記駆動部材に一部が接続された環状の可撓性部材と、駆動部材より先端側に設けられたアイドル円柱体と、前記アイドル円柱体より先端側で、進退可能に設けられた受動円柱体と、前記アイドル円柱体と前記受動円柱体との間に設けられたガイド円柱体と、前記受動円柱体に連結されたエンドエフェクタとを含むエンドエフェクタ駆動機構を有し、前記可撓性部材は、前記アイドル円柱体の両側方を通り、前記受動円柱体に巻き掛けられ、前記アイドル円柱体と前記ガイド円柱体との間で交差していることを特徴とする。
また、本発明に係るマニピュレータは、基端側に設けられ、進退する駆動部材と、前記駆動部材に一部が接続された環状の可撓性部材と、駆動部材より先端側に設けられたガイド円柱体と、前記ガイド円柱体より先端側で、進退可能に設けられた受動円柱体と、前記受動円柱体に連結されたエンドエフェクタとを含むエンドエフェクタ駆動機構を有し、前記可撓性部材は、前記ガイド円柱体及び前記受動円柱体に、それぞれ1巻き以上巻き掛けられていることを特徴とする。
このようなマニピュレータは、他の動作軸に対して非干渉な構成となり、高い自由度の先端動作部を簡便に構成することができる。
また、駆動部材を人手によって操作する入力部に対して機械的に接続しておくことで、操作者が先端動作部に加わる外力等をより確実且つ簡便に感知することができる。さらに、エンドエフェクタ駆動機構は、歯車を用いない簡便な構造である。
本発明に係るマニピュレータは、人手によって操作する入力部を含む操作部と、エンドエフェクタ軸、及び該エンドエフェクタ軸の向きを変える1以上の姿勢軸を含む先端動作部と、前記操作部と前記先端動作部を連結する連結部と、前記姿勢軸を駆動する姿勢軸アクチュエータと、前記入力部の人手による操作を機械的に伝達して、前記エンドエフェクタ軸を駆動する操作伝達部とを有することを特徴とする。
このような操作伝達部によれば、エンドエフェクタ軸を人手により直接的に操作が可能であり、操作者は先端動作部に加わる外力等をより確実且つ簡便に感知することができる。また、エンドエフェクタ軸は姿勢軸によって向きを変えることができ、高い自由度が得られる。
本発明に係るマニピュレータでは、エンドエフェクタ駆動機構は、他の動作軸に対して非干渉な構成となり、高い自由度の先端動作部を簡便に構成することができる。また、駆動部材を人手によって操作する入力部に対して機械的に接続しておくことで、操作者が先端動作部に加わる外力等をより確実且つ簡便に感知することができる。さらに、エンドエフェクタ駆動機構は、歯車を用いない簡便な構造である。
以下、本発明に係るマニピュレータについて実施の形態を挙げ、添付の図1〜図43を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るマニピュレータ10は、医療用のマニピュレータシステムの一部であり、コントローラ45に接続されている。
コントローラ45は、マニピュレータ10の電気的な制御をする部分であり、グリップハンドル26の下端部から延在するケーブル62に対してコネクタを介して接続されている。コントローラ45は、マニピュレータ10を独立的に複数台同時に制御することができる。もちろん、1台のマニピュレータ10を制御するコントローラをもちいてもよい。
マニピュレータ10は、先端動作部12に生体の一部又は湾曲針等を把持して所定の処置を行うためのものであり、通常、把持鉗子やニードルドライバ(持針器)等とも呼ばれる。
図1及び図2に示すように、マニピュレータ10は、人手によって把持及び操作される操作部14と、該操作部14に固定された作業部16とを有する。操作部14と作業部16とは一体構成であるが、条件に応じて分離可能な構成にしてもよい。
以下の説明では、図1及び図2における幅方向をX方向、高さ方向をY方向及び、連結シャフト48の延在方向をZ方向と規定する。また、先端側から見て右方をX1方向、左方をX2方向、上方向をY1方向、下方向をY2方向、前方をZ1方向、後方をZ2方向と規定する。さらに、特に断りのない限り、これらの方向の記載はマニピュレータ10が中立姿勢である場合を基準として表すものとする。これらの方向は説明の便宜上のものであり、マニピュレータ10は任意の向きで(例えば、上下を反転させて)使用可能であることはもちろんである。
作業部16は、作業を行う先端動作部12と、該先端動作部12と操作部14とを連接する長尺で中空の連結シャフト48とを有する。先端動作部12及び連結シャフト48は細径に構成されており、患者の腹部等に設けられた円筒形状のトラカール20から体腔22内に挿入可能であり、複合入力部34の操作により体腔22内において患部切除、把持、縫合及び結紮等の様々な手技を行うことができる。
操作部14は、人手によって把持されるグリップハンドル26と、該グリップハンドル26の上部から延在するブリッジ28と、該ブリッジ28の先端に接続されたアクチュエータブロック30とトリガレバー(入力部)32を有する。
図1に示すように、操作部14のグリップハンドル26は、ブリッジ28の端部からY2方向に向かって延在しており、人手によって把持されるのに適した長さであり、複合入力部34を有する。
グリップハンドル26の下端には、コントローラ45に接続されるケーブル62が設けられている。グリップハンドル26とケーブル62とは一体的に接続されている。グリップハンドル26とケーブル62とはコネクタにより接続されていてもよい。
複合入力部34は、先端動作部12に対してロール方向(軸回転方向)及びヨー方向(左右方向)の回転指令を与える複合的な入力手段であり、例えば横方向に動作する第1入力手段34aによってヨー方向指示を行い、軸回転に動作する第2入力手段34bによってロール方向指示を行うことができる。トリガレバー32は、先端動作部12のエンドエフェクタ104(図1参照)の開閉指令を与える入力手段である。エンドエフェクタ104としては種々の形式があるが、マニピュレータ10では開閉可能なグリッパを設けている。
複合入力部34には操作量を検出する入力センサが設けられており、検出した動作信号(例えばアナログ信号)をコントローラ45に供給する。
トリガレバー32は、ブリッジ28のやや下方に設けられたレバーであり、人差し指による操作が容易な位置に設けられている。トリガレバー32は、アクチュエータブロック30に対して第1リンク64及び第2リンク66によって接続されており、グリップハンドル26に対して進退するように構成されている。第1リンク64はブリッジ28の一部に対して軸支されて揺動可能であり、Y2方向端にトリガレバー32が設けられている。第2リンク66は、アクチュエータブロック30からZ2方向に突出し、第1リンク64の長孔64aに係合し、トリガレバー32の操作によって長孔64aの長尺方向に進退可能である。
第2リンク66は、ワイヤ(駆動部材)56の端部に接続されており、トリガレバー32を引き寄せる操作をすると、ワイヤ56も一体的に引き寄せられる。 第2リンク66に接続される駆動部材としてワイヤ56を用いることで、部品点数の削減が可能となるとともに、軽量な構成が可能となる。
第2リンク66に接続される駆動部材として、ワイヤ56に代えて例えば剛性のある直動ロッド(又はリンク)を用いてもよい。一般にワイヤよりロッドのほうが剛性が高いため、直動動作のみの部分は、ロッドを用いることにより大きな把持力を得られる。該ロッドと第2リンク66とは一体化されていてもよい。
第2リンク66とワイヤ56との間にリンクや歯車等を設け、操作者の操作力又はストロークを加減する構成にしてもよい。
アクチュエータブロック30には先端動作部12が有する3自由度のうち2自由度の機構に対応してモータ(姿勢軸アクチュエータ)40及び41が連結シャフト48の延在方向に沿って並列して設けられている。モータ40及び41は、先端動作部12のロール方向及びヨー方向の動作に対応する。モータ40、41は小型、細径であって、アクチュエータブロック30はコンパクトな扁平形状に構成されている。モータ40、41は、操作部14の操作に基づき、コントローラ45の作用下に回転をする。
モータ40、41には、回転角度を検出することのできる角度センサが設けられており、検出した角度信号はコントローラ45に供給される。角度センサとしては、例えばロータリエンコーダが用いられる。
アクチュエータブロック30には、モータ40、41の駆動軸に接続されているプーリ50a及び50bが設けられている。
プーリ50a、プーリ50bには、ワイヤ52、ワイヤ54が巻き掛けられており、連結シャフト48の中空部分48a(図6参照)を通って先端動作部12まで延在している。ワイヤ52、ワイヤ54はそれぞれ同種、同径のものを用いることができる。
操作部14における複合入力部34、トリガレバー32の位置、形態や操作方法などは、本構成に限定されない。例えば、複合入力部34の代わりに、操作ローラやボタン、ジョイスティックなどを設けてもよく、操作しやすい位置や方法を適宜選択して設計すればよい。
トリガレバー32の人手による操作は機械的に伝達されてエンドエフェクタ104の開閉が行われる。トリガレバー32とエンドエフェクタ104との間で、人手による操作を機械的に伝達する手段である第1リンク64、第2リンク66、ワイヤ56及び後述するエンドエフェクタ駆動機構260等は操作伝達部を形成している。
ここで機械的とはワイヤ、チェーン、タイミングベルト、リンク、ロッド、ギア等を介して駆動する方式であり、主に、動力伝達方向に非弾性な個体の機械部品を介して駆動する方式である。ワイヤやチェーン等は、張力により不可避的な多少の伸びが発生する場合があるが、これらは非弾性な個体の機械部品とする。
次に、先端動作部12について、第1の実施形態〜第5の実施形態12a〜12e及び変形例12fについて説明する。
図3、図4、図5、図6及び図7に示すように、第1の実施形態に係る先端動作部12aは、ワイヤ受動部100と、複合機構部102と、エンドエフェクタ104とを有し、Y方向の第1回転軸Oyを中心にして、それよりも先の部分がヨー方向に回動する第1自由度と、第2回転軸Orを中心にしてロール方向に回動する第2自由度と、第3回転軸Ogを中心として先端のエンドエフェクタ104を開閉させる第3自由度とを有する合計3自由度の機構となっている。
第1自由度の機構である第1回転軸Oyは、連結シャフト48の基端側から先端側に延在する軸線Cと非平行に回動可能に設定するとよい。第2自由度の機構である第2回転軸Orは先端動作部12における先端部(つまりエンドエフェクタ104)の延在方向の軸線を中心として回動可能な機構とし、先端部をロール回転可能に設定するとよい。
第1自由度の機構(つまりヨー方向)は、例えば±90°又はそれ以上の稼動範囲を有する。第2自由度の機構(つまりロール方向)は、例えば±180°又はそれ以上の稼動範囲を有する。第3自由度の機構(つまりエンドエフェクタ104)は、例えば40°又はそれ以上開くことができる。
エンドエフェクタ104は、手術において実際の作業を行う部分であり、第1回転軸Oy及び第2回転軸Orは、作業を行い易いようにエンドエフェクタ104の姿勢を変えるためのものである。一般に、エンドエフェクタ104を開閉させる第3自由度に係る機構部はグリッパ(又はグリッパ軸)とも呼ばれ、ヨー方向に回動する第1自由度に係る機構部はヨー軸とも呼ばれ、ロール方向に回動する第2自由度に係る機構部はロール軸とも呼ばれる。
ワイヤ受動部100は、一対の舌片部58の間に設けられており、ワイヤ52、ワイヤ54のそれぞれの往復動作を回転動作に変換して複合機構部102に伝達する部分である。ワイヤ受動部100は、軸孔60a、60aに挿入される軸110と、軸孔60b、60bに挿入される軸112とを有する。軸110及び112は、軸孔60a、60bに対して、例えば圧入若しくは溶接により固定される。軸112は第1回転軸Oyの軸上に配置される。
軸112のY方向両端には、Y方向に対称形状の歯車体126及び歯車体130が設けられている。歯車体126は、筒体132と、該筒体132の上部に同心状に設けられた歯車134とを有する。歯車体130は、歯車体126とほぼ同形状であって、該歯車体126に対してY方向に反転に配置されている。歯車体130は、筒体136と、該筒体136の下部に同心状に設けられた歯車138とを有する。歯車134及び歯車138は、後述するギア体146のフェイスギア165の上端部及び下端部に噛合する。
筒体136は筒体132と略同径、同形状である。筒体132及び筒体136には、ワイヤ52及び54が所定の固定手段によって一部が固定されて巻き掛けられている。ワイヤ52及び54の巻き掛けられる角度は、例えば1.5回転(540°)である。
ワイヤ52及び54を回転動作させることにより、歯車体126及び歯車体130を軸112に対して回転させることができる。歯車体126と歯車体130を同方向に同速度で回転させると、ギア体146は軸112を基準として揺動し、ヨー方向動作が行われる。歯車体126と歯車体130を逆方向に同速度で回転させると、ギア体146は第2回転軸Orを基準として回転し、ロール回転動作が行われる。歯車体126と歯車体130を異なる速度で回転させると、ギア体146は、ヨー方向動作とロール回転動作の複合動作が行われる。つまり、歯車体126、歯車体130及びギア体146は差動機構を構成している。
軸110の略中央部にはアイドルプーリ(アイドル円柱体)140が回転自在に軸支されており、軸112の略中央部にはガイドプーリ(ガイド円柱体)142が回転自在に軸支されている。アイドルプーリ140は、ガイドプーリ142に巻きかける受動ワイヤ252の巻き掛け角度を常に一定(両側あわせて約180°)に保つためにある。アイドルプーリ140の代わりに、ガイドプーリ142に受動ワイヤ252を1巻き以上してもよい。アイドルプーリ140及びガイドプーリ142は、受動ワイヤ252(図8参照)に対するすべり、及び摩擦による摩耗を低減するために、表面を滑らかにし、又は摩擦の少ない材質を用いるとよい。
軸112における、歯車体126とガイドプーリ142との間、及びガイドプーリ142と歯車体130との間には主軸部材144が回転自在に軸支されている。主軸部材144は、複合機構部102に向けて突出する筒部を有する。主軸部材144の軸心部には方形の孔144aが設けられている。主軸部材144のZ2方向端部には、ガイドプーリ142のY方向両面を保持するとともに軸112が挿通する孔を有する2枚の補助板144bが設けられている。補助板144bはZ1方向に向かって幅広となる山形であって、糸等の異物の侵入を防止する。
複合機構部102は、エンドエフェクタ104の開閉動作機構と、該エンドエフェクタ104の姿勢を変化させる複合的な機構部である。
複合機構部102は、主軸部材144の筒部周面に対して回転自在に嵌挿されたギア体146と主軸部材144の先端に設けられたナット体148と、スプリング150と、Z2方向端部が孔144aに挿入される断面四角のロッド152と、該ロッド152のZ2方向端部に対してピン154により回転自在に軸支される受動プーリ(受動円柱体)156と、受動板158と、円筒状のカバー160とを有する。スプリング150は、いわゆる圧縮ばねである。ロッド152のZ2方向端部は、受動プーリ156に対する摺動性をあげるためにコの字状をしており、Z2方向に向かって長く突出している。
主軸部材144におけるギア体146と当接する部分には、樹脂製のスラスト軸受部材144cが設けられている。ナット体148におけるギア体146と当接する部分には、樹脂製のスラスト軸受部材148aが設けられている。スラスト軸受部材144c及び148aは低摩擦材であって、当接部分の摩擦及びトルクを低減するとともに、フェイスギア165に負荷が直接的にかかることを防止する。スラスト軸受部材144c及び148aは、いわゆるすべり軸受であるが、転がり軸受を設けてもよい。これにより、エンドエフェクタ104を強く閉じた場合や開いた場合、すなわちギア体146が主軸部材144に強く当接する場合でも、ロール軸動作をスムーズに行うことができる。
ギア体146は、段付き筒形状であって、Z2方向の大径部162と、Z1方向の小径部164と、大径部162のZ2方向端面に設けられたフェイスギア165とを有する。フェイスギア165は、歯車134及び歯車138に噛合する。ギア体146は、ナット体148が主軸部材144に対する抜けることを防止する。大径部162の外周には、ねじが設けてある。
受動板158は、Z2方向の凹部166と、該凹部166の底面に設けられた係合部168と、Y方向両面にそれぞれ設けられた軸方向のリブ170と、リンク孔172とを有する。係合部168は、ロッド152の先端に設けられたきのこ状の突起174に係合する形状である。この係合により、受動板158とロッド152は、相対的なロール軸の回転が可能になる。受動板158の幅はカバー160の内径に略等しい。
カバー160は、複合機構部102のほぼ全体を覆う大きさであり、複合機構部102及びエンドエフェクタ104に異物(生体組織、薬剤、糸等)が入り込むことが防止される。カバー160の内面には、受動板158の2つのリブ170が嵌る軸方向の2本の溝175が対向する向きに設けられている。溝175にリブ170が嵌ることにより受動板158が軸方向にガイドされる。受動板158の係合部168には突起174が係合することから、受動プーリ156は孔144a内において、受動板158及びロッド152とともに軸方向に進退可能であるとともに、ロッド152を基準としてロール回転が可能である。カバー160は、ギア体146の大径部162に対して螺入、圧入等の手段により固定されている。
スプリング150は、ギア体146の段差部と受動板158の凹部166との間に嵌装されており、受動板158をZ1方向に向かって弾性付勢しており、該受動板158は所定のストッパに当接するまでZ1方向に移動している。
次に、エンドエフェクタ104は、第1エンドエフェクタ部材190と、第2エンドエフェクタ部材192と、ピン196とを有する。ピン196は第3回転軸Ogの軸上に配置される。
第1エンドエフェクタ部材190は、左右に対向して設けられた一対のサイドウォール200と、サイドウォール200の先端部にそれぞれ設けられた孔200aと、サイドウォール200の先端からZ1に突出した第1グリッパ202とを有する。孔200aはピン196が、例えば圧入されるのに適した径に設定されている。第1グリッパ202はZ1方向に向かってやや幅狭となって、先端部が円弧状となる形状であり、Y1方向の全面には小さい錐上突起がほぼ隙間なく設けられている。第1エンドエフェクタ部材190はカバー160に対して所定の手段で結合されている。例えば、第1エンドエフェクタ部材190とカバー160は一体構造であり、筒複合体230を構成している。
カバー160は、ギア体146と基部側で結合(螺合、圧入、溶接等)されており、ギア体146の回転とともにカバー160及び第1エンドエフェクタ部材190はロール軸動作を行う。
第2エンドエフェクタ部材192はL字形状であって、Z1方向に延在する第2グリッパ212と、該第2グリッパ212に対して略60°に曲がったレバー部214とを有する。L字形状の屈曲部には、孔216が設けられ、レバー部214の端部近傍には孔218が設けられている。孔216にピン196が挿入されることにより第2エンドエフェクタ部材192は第3回転軸Ogを中心として揺動自在となる。第2グリッパ212は第1グリッパ202と同形状で反転して配置されており、第2エンドエフェクタ部材192が第3回転軸Ogを中心として回動したときに第1グリッパ202に対して当接し、湾曲針等を把持することができる。
レバー部214と受動板158は、並列で2本のグリッパリンク220により連接されている。つまり、各グリッパリンク220の一端の孔220aは、孔218とともにピン222が挿入され、他端の孔220bは、受動板158のリンク孔172とともにピン224が挿入されて連接されている。
ピン224によるグリッパリンク220の軸支位置は、図5(側面視)における中心軸から若干オフセットした位置となっているが、側面視で中心軸上でもよい。該位置は、作用する力のバランスやスペース、組立て性などを考慮して適宜決定すればよい。各ピンは、グリッパリンク220と一体化されていてもよい。
グリッパリンク220を2本並列に配置しているのは、力のバランスを良好にし、不用意にモーメント荷重などが掛かるのを防ぐためであり、設計条件によっては、片側1本でもよい。
このような構成によれば、受動プーリ156、ロッド152及び受動板158がZ2方向に移動すると、レバー部214もZ2方向に引き寄せられて第2グリッパ212が第1グリッパ202に接近して把持動作が行われる。逆に、スプリング150の作用によって、受動プーリ156、ロッド152及び受動板158がZ1方向に移動すると、レバー部214もZ1方向に押し出されて、第2グリッパ212が第1グリッパ202から離間し、開動作が行われる。受動板158は、スプリング150によりZ1方向に付勢されていることから人手による操作がなされていないときには、第2グリッパ212は第1グリッパ202から離間して開いた状態となっている。また、スプリング150によれば、ワイヤ56及び受動ワイヤ252に対して適度な張力を持たせてたるみを無くすことができ、各部のガタを防止できるとともに、応答性の高い把持動作が可能となる。
以下、エンドエフェクタ104とは、簡易的に第1グリッパ202と第2グリッパ212とを表すものとする。
図7に示すように、アイドルプーリ140は、同軸上の第1層アイドルプーリ(第1層アイドル円柱体)232と第2層アイドルプーリ(第2層アイドル円柱体)234の2枚が並列して構成されており、ガイドプーリ142は、同軸上の第1層ガイドプーリ(第1層ガイド円柱体)236と第2層ガイドプーリ(第2層ガイド円柱体)238の2枚が並列して構成されている。
図7のZ2方向端で、受動ワイヤ252の一方は、第1層アイドルプーリ232のX1方向面及びZ1方向面に接し、第1層ガイドプーリ236のZ2方向面及びX2方向面に接して受動プーリ156に至る。
図7のZ2方向端で、受動ワイヤ252の他方は、第2層アイドルプーリ234のX2方向面及びZ1方向面に接し、第2層ガイドプーリ238のZ2方向面及びX1方向面に接して受動プーリ156に至る。
例えば、ワイヤ(図8参照)56をZ2方向に引き寄せると、平面視で、第1層アイドルプーリ232及び第2層ガイドプーリ238は反時計方向に回転し、第2層アイドルプーリ234及び第1層ガイドプーリ236は時計方向に回転する。このように、アイドルプーリ140及びガイドプーリ142は、それぞれ同軸上で2枚のプーリが並列する構成であることから、当接する受動ワイヤ252の動きに従って逆方向に回転可能であり、動作がスムーズである。
図8に示すように、ワイヤ56のZ1方向端部は、ターミナル250(または溶接や貫通孔等)によって受動ワイヤ(可撓性部材)252の両端部に接続されている。受動ワイヤ252は、一部がワイヤ56に接続された環状の可撓性部材であり、ワイヤ以外にもロープ、樹脂線、ピアノ線及びチェーン等を用いることができる。ここで、環状とは広義であり、必ずしも全長にわたって可撓性部材が適用されている必要はなく、少なくとも各プーリに巻き掛けられる箇所が可撓性部材であればよく、直線部は剛体で接続されていてもよいことはもちろんである。受動ワイヤ252は、ワイヤ56の一部であってもよい。
受動ワイヤ252は、駆動部材のワイヤ56から、アイドルプーリ140のX1方向(第1の側方)を通り、X2方向(第2の側方)に向かい、ガイドプーリ142のX2方向を通り受動プーリ156のX2方向面に至る。受動ワイヤ252は、さらに、受動プーリ156のZ1方向面に半周巻き掛けられてX1方向面に至り、ガイドプーリ142のX1方向を通り、X2方向に向かいアイドルプーリ140のX2方向を通りターミナル250に至る経路で配設されている。
つまり、受動ワイヤ252は、ターミナル250を基点及び終点とする一巡の経路を構成し、アイドルプーリ140の両側方を通り、受動プーリ156に巻き掛けられ、アイドルプーリ140とガイドプーリ142との間で交差して、略8字形状をなす。これにより、ターミナル250及び受動ワイヤ252は、ワイヤ56を介してトリガレバー32に対して機械的に接続されていることになる。
ここで機械的とは、前記のように、動力伝達方向に非弾性な個体の機械部品を介して駆動する方式である。例えば、ワイヤ56は可撓性部材であるが、スプリング150によって適度に張られており、しかもエンドエフェクタ104を閉じる動作に関してはトリガレバー32でZ2方向に引かれ、ほとんど弾性変形することがなく、又は動作に支障のない範囲での不可避的弾性変形であり、機械的接続手段となっている。また、ここでいう交差とは、平面視上で交差していることである。
アイドルプーリ140、ガイドプーリ142及び受動プーリ156は略同径であり、受動ワイヤ252が適度に屈曲しないように、レイアウト上の可能な範囲で大径にしている。ターミナル250は、受動ワイヤ252が過度に屈曲しないように、アイドルプーリ140よりも適度に離れた位置に設けられており、受動ワイヤ252の両端部はターミナル250を頂部として鋭角を形成している。スプリング150(図4参照)が受動板158をZ1方向に付勢していることから、受動プーリ156は受動板158とともにZ1方向に向かう力を受けており、受動ワイヤ252及びワイヤ56には適度な張力がかけられ、弛みがない。アイドルプーリ140とガイドプーリ142との間は狭く、例えば、受動ワイヤ252の幅と略等しい隙間が形成されている。
アイドルプーリ140、ガイドプーリ142及び受動プーリ156には、受動ワイヤ252の抜け止めのために、上面及び下面に小さいフランジを設け、又は側面を凹形状にしてもよい。
説明の便宜上、ワイヤ56、受動ワイヤ252、アイドルプーリ140、ガイドプーリ142、受動プーリ156及びエンドエフェクタ104を総称してエンドエフェクタ駆動機構260とする。エンドエフェクタ駆動機構260では、図8から明らかなように、基端側から先端側に向かって、受動ワイヤ252、アイドルプーリ140、ガイドプーリ142及び受動プーリ156が中心線に沿って配置されている。エンドエフェクタ104は、ロッド152等を介して受動プーリ156に連結されている。
次に、このように構成されるマニピュレータ10の作用について説明する。
図8に示すように、まず、トリガレバー32に触れていないときには、エンドエフェクタ104は、スプリング150の弾性力により開いている。なお、図8、図9、図10、図11、図22、図23、図38、図39及び図41におけるX方向は、先端動作部12aを基準に示しており、トリガレバー32に関しては、上下方向がY方向に相当する。
図9に示すように、人手によりトリガレバー32を十分に引くと、ワイヤ56は受動ワイヤ252を引き寄せ、スプリング150を圧縮させながら受動プーリ156及びロッド152をZ2方向に移動させエンドエフェクタ104を閉じさせることができる。このときトリガレバー32では、スプリング150を圧縮する力を要する。開動作の場合は、トリガレバー32へ加えている力を解除することで、スプリング150の復元力により、ロッド152が先端部側へ押し出され、エンドエフェクタ104を開状態へ戻すことができる。
なお、受動ワイヤ252は環状であることから左右2本存在することになり、エンドエフェクタ104を閉じさせる力は略等分されて各受動ワイヤ252に張力として作用する。したがって、受動ワイヤ252はワイヤ56よりも細径で足り、十分な可撓性を確保することができる。
図10に示すように、人手によりトリガレバー32をある程度引いたときに、エンドエフェクタ104が対象物(手術器具や生体組織等)Wを把持すると、エンドエフェクタ104、受動板158、ロッド152及び受動プーリ156はそれ以上はあまり動かなくなる。つまり、受動ワイヤ252等の弾性変形分及び対象物Wの弾性変形分に相当する量しか動かなくなる。これにより、受動ワイヤ252、ワイヤ56及びトリガレバー32もそれ以上Z2方向に動かなくなり、操作者はエンドエフェクタ104が対象物Wを把持したことを指先で知覚することができる。
また、対象物Wが手術器具等の硬いものであるときには、トリガレバー32はZ2方向にはほとんど動かなくなり、硬いものを把持したことを知覚できるとともに、対象物Wを強い力で確実に把持することができる。電磁力を介さずに人手による力を機械的且つ直接的にエンドエフェクタ104に伝達できるからである。仮に人手による力と同等の把持力をモータによって発生させようとすると、相当に大きく重いモータが必要であり、アクチュエータブロック30に納めることが困難であるとともに、マニピュレータ10が重量増となる。
対象物Wが生体組織等の柔らかいものであるときには、トリガレバー32は対象物Wの弾性に応じてZ2方向にやや変位可能であり、柔らかいものを把持したことを知覚できるとともに、柔らかさの程度が分かり、しかも対象物Wを把持する力を調整することができる。
マニピュレータ10では、ワイヤ等が摩耗又は劣化した場合においても、摩擦等が増加してトリガレバー32に伝達され、これらの状態変化や駆動系の異常状態等を操作者が感知することができ、メンテナンス等の時期をより適切に判断することができる。
図11に示すように、エンドエフェクタ104をヨー軸動作させた場合、受動プーリ156は公転しながら自転するが、受動プーリ156とガイドプーリ142とのプーリ間隔は変化しないため、ロッド152は相対的に駆動されず、機構的に干渉がない。ロール軸が動作した場合は、ロッド152を、ロール軸中心を通過するように配置しているため、該ロッド152は、相対的に駆動されず、機構的に干渉がない。つまり、エンドエフェクタ駆動機構260は非干渉構成である。
マニピュレータ10では、アイドルプーリ140とガイドプーリ142が十分接近していることから、エンドエフェクタ104がヨー軸方向に90°駆動した場合でも、受動プーリ156に対する受動ワイヤ252の巻き掛け角度はほぼ変わらず、把持動作にともなうヨー軸、ロール軸への干渉トルクは実質的に発生しない。
仮にアイドルプーリ140とガイドプーリ142がある程度離間している場合は、ロール軸を大きく動作させると、ガイドプーリ142の一方の面から受動ワイヤ252が離れてしまう。これにより、該受動ワイヤ252のヨー軸周りのX方向(基準状態の場合)のバランスが崩れてしまい、ヨー軸周りに干渉トルクが発生することになる。したがって、ヨー軸の動作範囲を極力大きくするためには、アイドルプーリ140とガイドプーリ142は十分近接して配置することが望ましい。実際上は、アイドルプーリ140とガイドプーリ142との間には受動ワイヤ252が挿通することから、多少の隙間が必要であり、双方の受動ワイヤ252が巻きかけられる箇所(上面及び下面のフランジを除く)の隙間を受動ワイヤ252の太さの1倍〜2倍にするとよい。
もちろん、ヨー軸動作範囲を大きくする必要がない場合には、アイドルプーリ140とガイドプーリ142は適当に離れていてもよい。また、ヨー軸が屈曲した状態でも、トリガレバー32を操作することで、受動ワイヤ252により受動プーリ156を駆動し、エンドエフェクタ104を開閉可能であることはもちろんである。
このように、先端動作部12aでは、ヨー軸動作及びロール軸動作とエンドエフェクタ104の開閉動作とは機構的干渉がないことから、エンドエフェクタ104の駆動機構には、干渉を補償するための制御的な補正手段や、機構・アクチュエータを含めた他の補正手段(例えば、補正アクチュエータやアシスト機構)が不要であって、マニピュレータ10は簡便かつ軽量になる。また、トリガレバー32に加えた操作力を、他の駆動系に影響を与えることがなく、効率よくエンドエフェクタ104に伝えることが可能なため、強い把持力(又は剥離力)を実現できる。マニピュレータ10を軽量化することで、操作者は該マニピュレータ10を支える余計な力を減らすことができるため、長時間の手技に好適であるとともに、縫合針を組織に刺す力や組織からの反力を、より感じやすくすることが可能となる。
マニピュレータ10では、エンドエフェクタ104の開閉動作については、基本的にトリガレバー32を介して人手によって行われることから省エネルギーである。
なお、上記の例と逆のリンク機構を用い、人手による操作がないときにエンドエフェクタ104が閉じる構成にしてもよい。この場合、トリガレバー32を引くことによってエンドエフェクタ104を開かせることができる。逆のリンク機構とは、例えば、図8において、エンドエフェクタ104が閉じている状態、つまり第2グリッパ212が第1グリッパ202と重なっている状態を初期状態とすればよい。この状態からトリガレバー32を引くことにより、第2グリッパ212は反時計方向に回転し、第1グリッパ202から離れて開き動作となることが理解されよう。
手術において、組織の剥離作業などにおいては、エンドエフェクタ104を開く方向(つまり剥離方向)に大きな剥離力が必要となることがある。このようなときに逆リンク構成でトリガレバー32の引き操作をエンドエフェクタ104に直接的に伝達すると、大きな剥離力が得られて好適である。
この場合、マニピュレータ10では、エンドエフェクタ104の開方向の力がトリガレバー32に伝達される。つまり、エンドエフェクタ104を開く場合で開き方向に生体組織や手術器具等に当接した場合には、トリガレバー32がZ1方向には動かなくなる。これにより、操作者はエンドエフェクタ104が何かに当接したことを感知する。
なお、先端動作部12におけるヨー軸とピッチ軸の違いは、初期姿勢や操作部との相対的な姿勢であるため、ヨー軸をピッチ軸に置き換えることもできる。したがって、先端動作部12はヨー軸とピッチ軸を有する構成でもよい。姿勢軸(先端動作部12ではヨー軸及びロール軸に相当する。)の駆動方法としては、ワイヤ(可撓性部材)と歯車を用いた方法以外にも、例えば、ロッド、リンク、トルクチューブ等を用いたり、それらを組み合わせた駆動方法を適用してもよい。
アイドルプーリ140、ガイドプーリ142及び受動プーリ156は、可撓性部材との滑りを許容できる場合には、必ずしもプーリ体でなくてもよく、ワイヤを巻回できる円柱体であればよい。円柱体とは広義であり、円筒体や円弧の柱体を含む。設計条件上、プーリの動作範囲角度が小さいと、ワイヤは1回転未満の巻回で済む場合があり、このようなときには、該プーリは円弧の柱体で足りる。
また、例えば、受動プーリ156がピン154に対して回転しない構成(ロッド152に対して固定されている)の場合、受動プーリ156のガイドプーリ側(Z2側)の半円弧部分は、受動ワイヤ252が当接しないため、不要であり、先端側の半円弧部分のみ有する円柱体でもよい。折り返しプーリ350も同様に、受動ワイヤ252が当接しない部分を有する場合は、部分円弧の柱体でよく、これらにより、複合機構部102部分を短尺することが可能となる。
次に、前記のターミナル250に相当する受動ワイヤ252の端部の接続箇所の変形例を図12〜図17を参照しながら説明する。
図12に示すように、受動ワイヤ252の端部の接続箇所の第1変形例は、パイプ(駆動部材)400の先端開口部に受動ワイヤ252の両端部が挿入され、先端開口部の近傍部402を加圧して圧着したものである。これにより、簡便に受動ワイヤ252を固定できる。
図13に示すように、受動ワイヤ252の端部の接続箇所の第2変形例は、ロッド(駆動部材)404の先端にパイプ部材406が螺設されたものである。パイプ部材406は、図12のパイプ400と同様に、受動ワイヤ252の両端部を圧着している。このような構成によれば、ロッド404とパイプ部材406は着脱自在になり、組立及びメンテナンスが簡便になる。また、螺合の程度により、パイプ部材406の突出量を調整でき、受動ワイヤ252の長さ及び張力を調整できる。パイプ部材406は、例えばダブルナット方式で固定すればよい。
図14及び図15に示すように、受動ワイヤ252の端部の接続箇所の第3変形例は、ロッド(駆動部材)408の先端部に孔410が設けられて、該孔410に受動ワイヤ252が挿通している。孔410には、Z2方向を指向する円弧壁410aが設けられ、該円弧壁410aに受動ワイヤ252が掛けられている。これにより、受動ワイヤ252は円弧壁410aに対して適度に摺動し、ロッド408をZ2方向に引くときに、受動ワイヤ252をX方向にバランスよく引くことができる。
受動ワイヤ252は、1本の線材の両端を固定具412により固定することにより環状となっている。固定具412は、駆動部材であるロッド408に対する接続部以外の箇所に設けられており、受動ワイヤ252の長さの調整及び張力調整が容易である。この第3変形例は、構成が簡便である。
図16及び図17に示すように、受動ワイヤ252の端部の接続箇所の第4変形例は、ロッド(駆動部材)414の先端部414aにローラ416が設けられ、該ローラ416に受動ワイヤ252が巻き掛けられている。ローラ416はピン418に軸支されており回転自在である。これにより、受動ワイヤ252はローラ416に巻きかけらながら適度に進退し、ロッド414をZ2方向に引くときに、特にヨー軸が屈曲しないような状態でも、受動ワイヤ252をX方向のバランスよく引くことができる。先端部414aは、ロッド414に螺設されている。この第4変形例では、受動ワイヤ252のY方向一対の張力が均一となり、長寿命化を図ることができるとともに、Y方向一対の平行化を図ることができる。
また、Y方向一対の平行化により、ロッド414は、先端動作部12aに近い位置に設けて、受動ワイヤ252を短くすることができ、該受動ワイヤ252の伸びの影響を軽減できるとともに、応答性を向上させることができる。
次に、第2の実施形態に係る先端動作部12bについて説明する。先端動作部12b(及び12c〜12f)について、先端動作部12aと同様の箇所については同符号を付してその詳細な説明を省略する。
図18に示すように、先端動作部12bは、先端動作部12aにおけるアイドルプーリ140(図7参照)を省略した構成である。先端動作部12bでは、受動ワイヤ525は2方からそれぞれ1巻き以上巻き掛けられている。つまり、X2方向から第1層ガイドプーリ236に巻き掛けられ、X1方向から第2層ガイドプーリ238に巻き掛けられており、先端動作部12bと同様の作用が得られる。つまり、受動ワイヤ252をZ2方向に引くことにより、ガイドプーリ142及び受動プーリ156が引かれて、エンドエフェクタ104を動作させることができるとともに、軸112を基準としたヨー方向動作が可能である(図18の仮想線参照)。ヨー軸の動作範囲を片側(0°〜90°)とする場合には、受動ワイヤ525の一方のみ1巻き以上巻き掛ければよい。例えば、図18において、矢印A方向にのみヨー軸を動作させる場合には、受動ワイヤ252は、第1層ガイドプーリ236に対してX1方向の符号253の箇所の巻き掛けは不要であり、X2方向の面に接していればよい。
先端動作部12bは、先端動作部12aと比較して、アイドルプーリ140が不要であって、簡便構成である。一方、先端動作部12aは、先端動作部12bと比較して、受動ワイヤ252のガイドプーリ142に対する巻き掛け長さが短く、摩擦が少なくなるとともに、受動ワイヤ252の全長が比較的短い。また、ガイドプーリ142に対する巻回数が小さいため、該ガイドプーリ142を薄くすることができる。先端動作部12aと先端動作部12bのいずれの構成を用いるかは、設計条件により判断すればよい。
図12〜図18に示す構成は、後述する先端動作部12c〜12fに対しても適用可能である。
次に、第3の実施形態に係る先端動作部12cについて説明する。
図19に示すように、先端動作部12cは、前記の先端動作部12aに対して、エンドエフェクタ104の構成を変えたものである。
先端動作部12cのエンドエフェクタ300は、一対のグリッパ302が動作をするいわゆる両開き型である。エンドエフェクタ300は、カバー160に対して一体構成のグリッパベース304と、該グリッパベース304に設けられたピン196を基準にして動作する一対のエンドエフェクタ部材308と、一対のグリッパリンク220とを有する。
各エンドエフェクタ部材308は、前記の第2エンドエフェクタ部材192と同様にL字形状であって、Z1方向に延在するグリッパ302と、該グリッパ302に対して略35°に曲がって延在するレバー部310とを有する。L字形状の屈曲部には、孔216が設けられ、レバー部310の端部近傍には孔218が設けられている。孔216にピン196が挿入されることにより一対のエンドエフェクタ部材308は第3回転軸Ogを中心として揺動自在となる。
各エンドエフェクタ部材308は側方の1つのグリッパリンク220によって、受動板158のピン224に連接されている。エンドエフェクタ300の受動板158ではリンク孔172が図19のY方向に対称位置に2つ設けられており、一対のグリッパリンク220は側面視で交差する配置である。
先端動作部12cにおけるエンドエフェクタ300以外のワイヤ受動部100及び複合機構部102は、前記の先端動作部12aにおけるものと同構成である。
このような先端動作部12cでは、一対のグリッパ302を対向する位置に配置することで、力のバランスを良好にし、不用意にモーメント荷重などを掛かるのを防ぐことができる。
図19及び図20から明らかなように、一対のエンドエフェクタ部材308は、ロッド152の動作に対して基本的に同期駆動されるため、中心軸に対して左右対称に開閉することが可能である。
図21に示すように、ヨー軸動作をした場合にも、ヨー軸の機構とエンドエフェクタ300を駆動する機構とは非干渉であることから、エンドエフェクタ300の開度が変化することがない。逆に、エンドエフェクタ300の開閉動作をした場合にも、ヨー軸又はロール軸が動作することはない。
また、エンドエフェクタ300はトリガレバー32に対して機械的に直接接続されていることから、強い把持力が得られるとともに、エンドエフェクタ300に加わる力はトリガレバー32に伝達される。
次に、第4の実施形態に係る先端動作部12dについて説明する。上記の先端動作部12a〜12cではトリガ32を引くとき(グリッパを閉じるとき/開くとき)には人の力で能動的に行いトリガ32を戻すのはスプリング150の力で受動的に行われ、グリッパが開く/閉じるというように力を出す方向は片方向だけである。これに対し、第4の実施例に係る先端動作部12d(及び先端動作部12e)では、トリガ32を引くときも戻すときも人の力が能動的に働くことができ、力を出す方向が両方向になる。また、力を発生させるスプリング150は不要となる。さらに把持鉗子としても剥離鉗子としても兼用できる。
図22に示すように、先端動作部12dでは、前記のエンドエフェクタ駆動機構260(図8参照)に相当する機構が、第1エンドエフェクタ駆動機構320a及び第2エンドエフェクタ駆動機構320bの2セットが設けられている。第1エンドエフェクタ駆動機構320aにおける構成要素には符号にaを付し、第2エンドエフェクタ駆動機構320bにおける構成要素には符号にbを付して区別する。図22、図23(及び後述する図38、図39)においては、理解が容易となるように第1エンドエフェクタ駆動機構320aと第2エンドエフェクタ駆動機構320bを紙面上で並列して示すが、実際のマニピュレータ10に適用する場合には、図24(及び図37)に示すように、各プーリの軸方向(つまりY方向)に並列させ、アイドルプーリ140a及び140bと、ガイドプーリ142aと142bの回転軸は、それぞれ同軸上に配置するとよい。つまり、アイドルプーリ140a及び140bは軸110(図24参照)に共通的に軸支することができ、ガイドプーリ142aと142bは軸112に共通的に軸支することができる。ガイドプーリ142aとガイドプーリ142bを同軸構成とすることにより、ヨー軸動作機構が簡便になる。
先端動作部12dは、第1エンドエフェクタ駆動機構320aと、第2エンドエフェクタ駆動機構320bと、駆動側連結ワイヤ(駆動側連結可撓性部材)322と、該駆動側連結ワイヤ322が巻き掛けられた駆動側連結プーリ(回転操作子)324とを有する。このような構成によれば、第1エンドエフェクタ駆動機構320aとを第2エンドエフェクタ駆動機構320b逆位相で動作させ、駆動リンク326aと駆動リンク326bとを簡便に逆方向に進退させることができる。
先端動作部12dは、図示を省略するが、先端動作部12aと同様のワイヤ受動部100、複合機構部102及びエンドエフェクタ104を有する。
駆動側連結ワイヤ322は、一端が第1エンドエフェクタ駆動機構320aの駆動リンク(駆動部材)326aの基端部に接続され、他端が第2エンドエフェクタ駆動機構320bの駆動リンク(駆動部材)326bの基端部に接続されている。駆動リンク326a及び326bは、前記のワイヤ56に相当し、受動ワイヤ252a及び受動ワイヤ252bの端部のターミナル250a及び250bに接続されている。先端動作部12dにおいても駆動リンク326a及び326bをワイヤに置き換えてもよいことはもちろんである。この場合、駆動側連結ワイヤ322の両端をターミナル250a及び250bに直接接続すればよい。
駆動リンク326aには、第2リンク66(図8参照)の端部が接続されており、トリガレバー32による進退操作が可能である。駆動リンク326aには、駆動側連結プーリ324を介して駆動側連結ワイヤ322及び駆動リンク326bが接続されていることから、第2リンク66を進退させることにより、駆動リンク326a及び駆動リンク326bが逆方向に進退することになる。
トリガレバー32による駆動リンク326a及び駆動リンク326bの駆動は、例えば、第2リンク66にラックを設けるとともに駆動側連結プーリ324にピニオンを設け、ラックピニオン機構によって駆動してもよい。駆動側連結プーリ324は、先端動作部12dの内部(つまり、連結シャフト48の先)に設けてもよく、操作部14内に設けてもよい。
先端動作部12dは、さらに、一端が第1エンドエフェクタ駆動機構320aの受動プーリ156aに接続され、他端が第2エンドエフェクタ駆動機構320bの受動プーリ156bに接続された受動側連結ワイヤ(受動側連結可撓性部材)328と、該受動側連結ワイヤ328が巻き掛けられた受動側連結プーリ(受動側連結円柱体)330とを有する。このような構成によれば、第1エンドエフェクタ駆動機構320aとを第2エンドエフェクタ駆動機構320b逆位相で動作させることができ、ロッド152を適切に進退させることができる。
ロッド152は、受動プーリ156a及び受動プーリ156bのいずれか一方を回転自在に保持する。ロッド152は、受動側連結ワイヤ328の直線部に固定されていてもよい。ロッド152は、受動側連結プーリ330に対してラック・ピニオン機構で接続されていてもよい。すなわち、受動プーリ156a、156b又は受動側連結ワイヤ328の進退動作を取り出せばよい。
駆動側連結ワイヤ322及び受動側連結ワイヤ328には0N以上の適度な初期張力を持たせてたるみを無くすと、各部のガタを防止できるとともに、応答性の高い把持動作を実現できて好適である。
このように構成される先端動作部12dでは、図22に示すように、人手によりトリガレバー32を十分に引くと、駆動リンク326aは受動ワイヤ252aを引き寄せ、受動プーリ156a、ロッド152をZ2方向に移動させることからエンドエフェクタ104を閉じさせることができる。
この場合、第2エンドエフェクタ駆動機構320bについては、駆動リンク326bは、押し出されるように配置されているため、ロッド152の動作を阻害しない。また、受動ワイヤ252bは張力しか発生できない(つまり、圧縮方向の力は伝達しない)ため、基本的には、動力伝達に対して寄与しない。
またこのとき、エンドエフェクタ104が対象物Wを把持すると、受動ワイヤ252、駆動リンク326及びトリガレバー32もそれ以上Z2方向に動かなくなり、操作者はエンドエフェクタ104が対象物Wを把持したこと、及び該対象物Wの硬さ等を指先で知覚することができる。これらの作用は、図22及び図10を参照すれば容易に理解されよう。図10に示す先端動作部12aは、図22における先端動作部12dの第2エンドエフェクタ駆動機構320bを省略した構成とほぼ等価だからである。
また、図23に示すように、人手によりトリガレバー32を十分に押し出すと、駆動側連結ワイヤ322は図23における反時方向に動き、駆動リンク326bは受動ワイヤ252bを引き寄せ、受動プーリ156bをZ2方向に移動させる。これにより、受動側連結ワイヤ328が反時計方向に動き、ロッド152及び受動プーリ156aは先端側にZ1方向に移動してエンドエフェクタ104を開くことができる。
エンドエフェクタ104には、トリガレバー32を人手によって押し出す力が第2エンドエフェクタ駆動機構320bによって機械的に直接伝えられることから、弾性体のような所定の力ではなく任意の強い力で開くことができる。したがって、エンドエフェクタ104の外側面を用いて生体組織を剥離させ、又は孔部を拡開させるような手技に対して好適に用いることができる。
また、エンドエフェクタ104の外側面に対象物Wが接触した場合には、受動ワイヤ252b、駆動リンク326b及びトリガレバー32もそれ以上Z1方向に動かなくなり、操作者はエンドエフェクタ104の外側面が対象物Wに接触したこと、及び該対象物Wの硬さ等を指先で知覚することができる。
先端動作部12dは、先端動作部12aと同様にヨー軸動作及びロール軸動作が可能である。図示を省略するが、先端動作部12dでは、ヨー軸動作をする場合、ガイドプーリ142a及びガイドプーリ142bの軸(図24参照)を中心にして、それよりも先端の複合機構部102及びエンドエフェクタ104がヨー方向に揺動する。先端動作部12dは、先端動作部12aと同様に非干渉機構であることから、ヨー軸動作をしてもエンドエフェクタ104の開度が変化することはなく、逆にエンドエフェクタ104の開度を変化させてもヨー軸が動作することはない。エンドエフェクタ104とロール軸の関係についても同様である。
先端動作部12d(及び先端動作部12e)では前記のスプリング150は不要であるが、設計条件によっては、ロッド152が先端側又は基端側のいずれか一方に向かって付勢されるようにスプリング150を設けてもよい。これにより、トリガレバー32を操作しないときにエンドエフェクタを開状態又は閉状態に保持することができる。先端動作部12aに十分なスペースがない場合には、スプリング150をトリガレバー32の側に設けてもよい。
図24に示すように、先端動作部12dでは、アイドルプーリ140a及び140bは、それぞれ同軸上で外寄りの第1層アイドルプーリ232a及び232bと内寄りの第2層アイドルプーリ234a及び234bとを有する。また、ガイドプーリ142a及び142bは、それぞれ同軸上で外寄りの第1層ガイドプーリ236a及び236bと内寄りの第2層ガイドプーリ238a及び238bとを有する。このような構成により、図7と同様の構成になり、対のプーリ同士が逆方向に回転可能であり、動作がスムーズである。
図25に示すように、内寄りの2つの第2層アイドルプーリ234aと第2層アイドルプーリ234bは一体構成で中央共通アイドルプーリ430を構成していてもよい。内寄りの2つの第2層ガイドプーリ238aと第2層ガイドプーリ238bは一体構成で中央共通ガイドプーリ432を構成していてもよい。
すなわち、駆動リンク326aと駆動リンク326b(図23参照)は、逆方向に同じ距離だけ移動するのであるから、図25の各矢印で示すような動作が発生し、第2層アイドルプーリ234aと第2層アイドルプーリ234bは同方向(図25では時計方向)に同じ角度だけ回転し、第2層ガイドプーリ238aと第2層ガイドプーリ238bは同方向(図25では反時計方向)に同じ角度だけ回転する。したがって、これらの部材は別部材とする必要はなく、一体的な中央共通アイドルプーリ430及び中央共通ガイドプーリ432を構成することにより、簡便構成となる。図25では、理解が容易なように、第2層ガイドプーリ238aと第2層ガイドプーリ238bとの距離、及び第2層アイドルプーリ234aと第2層アイドルプーリ234bとの距離をやや離して示しているが、両者の距離は実質的に0でもよい。
次に、第1エンドエフェクタ駆動機構320aと第2エンドエフェクタ駆動機構320bとを逆方向に略同じ距離だけ移動させる第1例〜第4例に係る駆動部材進退機構440a〜440dについて図26〜図29を参照しながら説明する。
図26に示すように、第1例に係る駆動部材進退機構440aは、支点442を基準として回転するアーム444と、支点442よりもややY1方向の回転係合部446aと、ややY2方向の回転係合部446bとを有する。支点442から2つの回転係合部446a及び446bまでの距離は等しい。回転係合部446aには、駆動リンク326aの基端部が回転可能に係合されており、回転係合部446bには、駆動リンク326bの基端部が回転可能に係合されている。
アーム444は、前記の第1リンク64に相当し、下端にトリガレバー32が設けられている。
図27に示すように、第2例に係る駆動部材進退機構440bは、駆動部材進退機構440aと同様に、アーム444、支点442、回転係合部446a及び446bを有する。回転係合部446aにはワイヤ448aが接続されており、回転係合部446bにはワイヤ448bが接続されている。ワイヤ448aの他端は、ターミナル250aを介して受動ワイヤ252a(図22参照)が接続されており、ワイヤ448bの他端は、ターミナル250bを介して受動ワイヤ252b(図22参照)が接続されている。
図28に示すように、第3例に係る駆動部材進退機構440cは、アーム444と、該アーム444に固定された回転操作子450と、該回転操作子450に巻き掛けられたワイヤ452と、ワイヤ452の一部を回転操作子450に固定する固定具454と、回転操作子450の近傍でワイヤ452の一部に当接するアイドラー456とを有する。回転操作子450は、薄い円柱体であり、プーリとして作用する。つまり、ワイヤ452の一方452aは回転操作子450の上方に接触しており、他方452bはY2方向部分に接触している。
回転操作子450は、アーム444と一体となって、支点442を基準として回転する。固定具454を基準としてワイヤ452の一方452aは、ターミナル250aを介して受動ワイヤ252a(図22参照)が接続されており、他方452bは、ターミナル250bを介して受動ワイヤ252b(図22参照)が接続されている。
回転操作子450は適度に大径であり、受動ワイヤ252a及び受動ワイヤ252bを十分に引くことができる。固定具454は、ワイヤ452の引き込み及び送り出しに障害とならない位置に設けられている。
アイドラー456は、ワイヤ452に当接し、該ワイヤ452の配置経路を規定することができ、ワイヤ452の一方452aと他方452bとを近接させて、連結シャフト48の中空部分48aを通すのに好適である。アイドラー456は、ワイヤ452のテンショナーを兼ねることもできる。
図29に示すように、第4例に係る駆動部材進退機構440dは、アーム444と、回転操作子450と、ワイヤ460と、固定具454と、アイドラー456とを有する。ワイヤ460の先端側は駆動リンク326aの基端部に接続され、基端側は、回転操作子450の上部に巻き掛けられ、端部が固定具454により回転操作子450に固定されている。ワイヤ460の途中には、アイドラー456が設けられており、ワイヤ460及び駆動リンク326aの配置経路を規定している。
駆動リンク326bの基端部は、回転操作子450の下部係合部464に回転自在に軸支されている。アーム444には、下部係合部464を案内する長孔64aが設けられている。駆動リンク326a及び駆動リンク326bは、ガイド462a及び462bによってZ方向に進退自在に支持されている。
このような、駆動部材進退機構440a〜440dによれば、第1エンドエフェクタ駆動機構320aと第2エンドエフェクタ駆動機構320bとを逆方向に略同じ距離だけ移動させることができる。駆動部材進退機構440a〜440dは、後述する先端動作部12eに対しても適用可能である。
次に、第5の実施形態に係る先端動作部12eについて説明する。先端動作部12eは、第1エンドエフェクタ駆動機構340a及び第2エンドエフェクタ駆動機構340bを有する。
図30、図31、図32及び図33に示すように、第1エンドエフェクタ駆動機構340aは前記の第1エンドエフェクタ駆動機構320a(図22参照)とほぼ同じ機構である。第2エンドエフェクタ駆動機構340bは、前記の第2エンドエフェクタ駆動機構320b(図22参照)に対して、基本的には、折り返しプーリ(折り返し円柱体)350が付加されるとともに、受動側連結ワイヤ328及び受動側連結プーリ330が省略された構成である。受動プーリ156a及び受動プーリ156bは同軸構成となっている。
主軸部材144には、ピン352が挿入及び固定される径方向の軸孔354が設けられている。軸孔354は、孔144aを経由して主軸部材144の筒部を貫通している。
ロッド152には、ピン352が挿通可能な幅で軸方向に延在する長孔356が設けられている。ロッド152は、作業部16の軸心よりY1方向にややオフセットした位置に設けられるが、先端の突起174だけは軸心に配置させるとよい(図8参照)。もちろん、ロッド152は中心に配置してもよい。
受動プーリ156aは、前記の受動プーリ156(図6参照)と同様に、ロッド152のZ2方向端部に対してピン154により回転自在に軸支されている。ピン154は、ロッド152を通り抜けてY2方向に突出し受動プーリ156bを軸支する。受動プーリ156bは、受動ワイヤ252bが2巻き可能な幅を有する。孔144aは、受動プーリ156a、156b及びロッド152が挿入可能な高さを有する。受動プーリ156a及び156bは、孔144a内でピン154によって同軸に軸支されており、独立的に回転自在である。
ピン352は、孔144a内でY1方向からY2方向に向かって、長孔356及び折り返しプーリ350の中心孔に挿入されて、ロッド152と受動プーリ156a及び156bが軸方向に進退可能である。折り返しプーリ350はピン352に軸支されて回転自在であり、位置は固定である。折り返しプーリ350は受動ワイヤ252bが2巻き可能な幅を有する。また、折り返しプーリ350を2層化することにより、開閉動作のときに反対方向に回転できる構成となり、ワイヤとプーリの摩擦を低減させることができる。
図34、図35及び図36に示すように、第2エンドエフェクタ駆動機構340bにおいては、受動プーリ156bよりも先端側に折り返しプーリ350が設けられ、受動ワイヤ252bは、受動プーリ156bと折り返しプーリ350とにわたって巻き掛けられている。つまり、受動ワイヤ252bは、駆動部材の駆動リンク326bのターミナル250bから、アイドルプーリ140bのX1方向を通り、X2方向に向かい、ガイドプーリ142bのX2方向を通り受動プーリ156bのX2方向面に至る。受動ワイヤ252bはそのままZ1方向に向かって延在し、折り返しプーリ350のX2方向の面に達し、該折り返しプーリ350のZ1方向の面に半回転巻き付けられてZ2方向に折り返す。
受動ワイヤ252bは受動プーリ156bのZ2方向の面に半回転巻き付けられてX2側を通って再度折り返しプーリ350に至り、再び該折り返しプーリ350のZ1方向の面に半回転巻き付けられてZ2方向に折り返す。この後、受動ワイヤ252bはガイドプーリ142bのX1方向からアイドルプーリ140bのX2方向に至り、駆動リンク326bのターミナル250bに接続される。ターミナル250及び受動ワイヤ252bは、駆動リンク326bを介してトリガレバー32に対して機械的に接続されていることになる。
図34、図35、図36でアイドルプーリ140bがガイドプーリ142bよりも大径であるのは、ガイドプーリ142bに隣接して設けられる歯車134及び歯車138(図6参照)と軸110との干渉を防止しつつアイドルプーリ140bとガイドプーリ142bを近接させるためである。
先端動作部12eの構造について理解を容易にするために、その模式図を図37に示す。
このように構成される先端動作部12eでは、図38に示すように、人手によりトリガレバー32を十分に引くと、ロッド152がZ2方向に移動し、エンドエフェクタ300を閉じさせることができる。このときの動作、作用及び効果は、図9及び図22に示す場合と同様であることから、詳細については省略する。
なお、このとき受動プーリ156bは受動プーリ156aに対して同軸構成であることから、該受動プーリ156aとともにZ2方向に変位する。また、駆動リンク326bは、押し出される方向に変位するため、受動ワイヤ252b、駆動側連結ワイヤ322は弛むことはない。受動プーリ156bと折り返しプーリ350との距離をLとする。
図39に示すように、人手によりトリガレバー32を十分に押し出すと、駆動側連結ワイヤ322は図39における反時方向に動き、駆動リンク326bは受動ワイヤ252bを引き寄せるように作用する。ところが、受動ワイヤ252aは、先端部が位置固定の折り返しプーリ350に巻き掛けられていることから、全体的な移動をすることはなく、駆動リンク326bの移動量に応じて受動プーリ156bがZ1方向に移動し、距離Lが短くなる。つまり、距離Lが短くなる分だけ、受動ワイヤ252aは駆動リンク326bに向かって繰り出され、該駆動リンク326bが移動可能となる。このように、受動プーリ156bは動滑車として作用し、折り返しプーリ350は定滑車として作用する。
このとき受動プーリ156aは受動プーリ156bに対して同軸構成であることから、該受動プーリ156bとともにZ1方向に変位し、ロッド152をZ1方向に押し出してエンドエフェクタ300を開かせることができる。
エンドエフェクタ300には、トリガレバー32を人手によって押し出す力が第2エンドエフェクタ駆動機構340bによって機械的に直接伝えられることから、弾性体のような所定の力ではなく任意の強い力で開くことができる。したがって、エンドエフェクタ300の外側面を用いて生体組織を剥離させ、又は孔部を拡開させるような手技に対して好適に用いることができる。
また、エンドエフェクタ300の外側面に対象物Wが接触した場合には、受動ワイヤ252b、駆動リンク326b及びトリガレバー32もそれ以上Z1方向に動かなくなり、操作者はエンドエフェクタ300の外側面が対象物Wに接触したこと、及び該対象物Wの硬さ等を指先で知覚することができる。
先端動作部12d及び12eは、先端動作部12aと同様にヨー軸動作及びロール軸動作が可能である。図示を省略するが、先端動作部12eでは、ヨー軸動作をする場合、ガイドプーリ142a及びガイドプーリ142bの軸(図37参照)を中心にして、それよりも先端の複合機構部102及びエンドエフェクタ300がヨー方向に揺動する。先端動作部12eは、先端動作部12aと同様に非干渉機構であることから、ヨー軸動作をしてもエンドエフェクタ300の開度が変化することはなく、逆にエンドエフェクタ300の開度を変化させてもヨー軸が動作することはない。エンドエフェクタ300とロール軸の関係についても同様である。
このように構成される先端動作部12eでは、受動プーリ156a及び156bは、同じ方向に同じ移動量スライドするため、同軸に配置することができ、収納・スペース効率が向上し、部品点数を低減することができるとともに、組み立て及びメンテナンスが容易となる。受動プーリ156a及び156bは一体的にスライド移動をすることから、スライド移動部は1箇所で足りる。これに対して、前記の先端動作部12dでは、受動プーリ156a及び156bは逆方向にスライド移動をすることから、スライド移動部は2箇所である。
また、先端動作部12eにおける全てのプーリ、つまりアイドルプーリ140a及び140b、ガイドプーリ142a及び142b、受動プーリ156a及び156b、折り返しプーリ350の回転軸を平行(Y方向)に配置できるため、プーリの配置に無駄なスペースがなく効率的に配置できる。これに対して、前記の先端動作部12dにおける受動側連結プーリ330は、他のプーリに対して軸方向が直交している。
さらに、先端動作部12eでは、前記先端動作部12dにおける受動側連結ワイヤ328及びそのワイヤ締結手段が不要である。先端動作部12eでは、前記先端動作部12dにおける受動側連結プーリ330が不要で、簡便構成である。
先端動作部12eにおけるエンドエフェクタ300の把持及び開き動作時のワイヤ駆動比は、先端動作部12dの場合と同様に1:1であり、バランスがよい。
なお、先端動作部12eでは、フェイスギア165が歯車134及び歯車138とともに差動機構を構成している例を示したが、例えば、図40に示す第1変形例のように、フェイスギア165を一方の歯車134だけに噛合させ、主軸部材144と歯車体130(図6参照)に相当する部分とを一体構成にしてもよい。これにより、ロール軸動作は、歯車134を介したワイヤ52の作用下に行われ、ヨー軸動作は、ワイヤ52及びワイヤ54の協調動作により、主軸部材144を揺動させることにより行われる。
図41に示すように、先端動作部12eの第2変形例として、折り返しプーリ350を備える第2エンドエフェクタ駆動機構340bを用い、第1エンドエフェクタ駆動機構340aは省略してもよい。この変形例では、省略する第1エンドエフェクタ駆動機構340aの作用を補償するために、スプリング150を設けるとよい。スプリング150は、第1の実施形態に係る先端動作部12a(図8参照)では圧縮ばねであったが、この第2変形例では引っ張りばねにより閉方向に弾性付勢するように作用する。トリガレバー32は、駆動リンク326bに接続すればよい。また、図41に示す変形例では、図示を省略するが、さらにアイドルプーリ140bを省略してもよい。つまり、第2の実施形態に係る先端動作部12b(図18参照)の場合と同様に、受動ワイヤ252をガイドプーリ142bに対して、少なくとも一方からそれぞれ1巻き以上巻き掛ける構成としてもよい。図41に示す先端動作部12eの第2変形例は2セット並列に組み合わせて用いると、トリガ32を引くときも戻すときも人の力が能動的に働くことができ、力を出す方向が両方向になる。また、力を発生させるスプリング150は不要となる。さらに把持鉗子としても剥離鉗子としても兼用できる。
先端動作部12eでは、両開き式のエンドエフェクタ300を設けているが、片開き式のエンドエフェクタ104(図5参照)又はその他のエンドエフェクタを設けてもよいことはもちろんである。
先端動作部12a〜12eは、上記に例示した構成には限らず、種々の構成を取りうる。
例えば、図42Aに示すように、変形例に係る先端動作部12fは、グリッパリンク220(図5参照)を省略して、受動板158とレバー部214とをピン222及び長孔360により接続する。この場合、ピン222はレバー部214に固定しておく。このような変形例に係る先端動作部12fによれば、ピン222が長孔360内で摺動することにより第2グリッパ212が回動して開閉動作が可能である(図42B参照)。先端動作部12fは、グリッパリンク220及びピン224(図5参照)が不要で、部品点数を削減できる。
先端動作部12fでは、ワイヤ・プーリによる非干渉把持構(つまり、複合機構部102)の基本的な構成は、図5に示す先端動作部12fと同構造であり、その長さLsも等しい。また、グリッパ軸としてのピン196から先端までの長さLgも図5に示す先端動作部12aと同寸法にすることができる。一方、受動板158の前面からピン196までの接続部長さLx’は、先端動作部12aにおける接続部長さLx(図5参照)よりも相当に短尺化が可能であり、結果として、先端動作部12fの全長Ltが短くなる。これにより、先端動作部12fでは、体腔22が狭くてもヨー軸関節を屈曲させての作業が容易になり、より深部、狭隘部の空間での手術が可能となる。もちろん、把持鉗子のような2本のグリッパを開閉させるような構成にも適用できる。このほか、ロッド152の直線動作を歯車などを用いて回転動作に変換するなどして把持してもよい。エンドエフェクタとしては、グリッパ形式に限らず、はさみや開閉部を有する回転電極等を適用してもよい。
本実施の形態によるワイヤ・プーリによる非干渉機構は、連結シャフト48に相当する箇所が湾曲する従来のタイプ(例えば、軟性鏡タイプ)や他の非干渉機構に比べて、動作範囲が広く(例えば、±90°を確保できる)かつコンパクトに構成できる。したがって、関節に相当する湾曲部や屈曲部から先端までの距離を短く設定することができ、生体に対するアプローチ方向が制限されず、狭い空間での作業が容易になる。
上述したように、本実施の形態に係るマニピュレータ10におけるエンドエフェクタ駆動機構260、320a、320b、340a、340bは、他の動作軸に対して非干渉な構成となり、高い自由度の先端動作部を簡便に構成することができるとともに、強い把持力(又は剥離力)を実現できる。また、駆動部材(ワイヤ56等)を人手によって操作する入力部に対して機械的に接続しておくことで、操作者が先端動作部12に加わる外力等をより確実且つ簡便に感知することができる。さらに、エンドエフェクタ駆動機構260、320a、320b、340a、340bは、歯車を用いない簡便な構造である。
上記実施例は、例えば図43に示すような手術用ロボットシステム700に適用してもよい。
手術用ロボットシステム700は、多関節型のロボットアーム702と、コンソール704とを有し、作業部16はロボットアーム702の先端に接続されている。ロボットアーム702の先端には前記のマニピュレータ10と同じ機構が設けられている。ロボットアーム702は、作業部16を移動させる手段であればよく、据置型に限らず、例えば自律移動型でもよい。コンソール704は、テーブル型、制御盤型等の構成を採りうる。
ロボットアーム702は、独立的な6以上の関節(回転軸やスライド軸等)を有すると、作業部16の位置及び向きを任意に設定できて好適である。先端のマニピュレータ10は、ロボットアーム702の先端部708と一体化している。マニピュレータ10は、前記のトリガレバー32(図8参照)の代わりにモータ(人手によって操作する入力部に連動するアクチュエータ)42を有し、該モータ42がワイヤ56(図8参照)又は駆動側連結プーリ324(図22参照)を駆動する。
ロボットアーム702は、コンソール704の作用下に動作し、プログラムによる自動動作や、コンソール704に設けられたジョイスティック706に倣った操作、及びこれらの複合的な動作をする構成にしてもよい。コンソール704は、前記のコントローラ45の機能を含んでいる。作業部16には、前記の先端動作部12(12a〜12f)が設けられている。
コンソール704には、操作指令部としての2つのジョイスティック706と、モニタ710が設けられている。図示を省略するが、2つのジョイスティック706により、2台のロボットアーム702を個別に操作が可能である。2つのジョイスティック706は、両手で操作しやすい位置に設けられている。モニタ710には、軟性鏡による画像等の情報が表示される。
ジョイスティック706は、上下動作、左右動作、捻り動作、及び傾動動作が可能であり、これらの動作に応じてロボットアーム702を動かすことができる。ジョイスティック706はマスターアームであってもよい。ロボットアーム702とコンソール704との間の通信手段は、有線、無線、ネットワーク又はこれらの組合わせでよい。
ジョイスティック706には、トリガレバー32が設けられており、該トリガレバー32を操作することによりモータ42を駆動可能である。
なお、マニピュレータ10及び先端動作部12、12a〜12fは、医療用のものとして説明したが、使用用途はこれに限らず、医療用以外の産業用にも適用できる。例えば、本実施の形態に係るマニピュレータは、エネルギー機器やエネルギー施設などの狭隘部や人が直接作業することのできない場所で、把持感覚や強い把持力を必要とする補修作業やメンテナンス作業を行うロボット、マニピュレータ及び先端動作部に適用することで、同様の効果が得られることはもちろんである。
本発明に係るマニピュレータは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
マニピュレータの側面図である。 マニピュレータの平面図である。 第1の実施形態に係る先端動作部の断面側面図である。 第1の実施形態に係る先端動作部の断面平面図である。 第1の実施形態に係る先端動作部で、グリッパを閉じた状態の断面側面図である。 第1の実施形態に係る先端動作部の分解斜視図である。 第1の実施形態に係る先端動作部の模式構造図である。 トリガレバーを操作しないときの、第1の実施形態に係る先端動作部の模式側面図である。 トリガレバーを十分に引いたときの、第1の実施形態に係る先端動作部の模式側面図である。 トリガレバーを中間位置までひいたときの、第1の実施形態に係る先端動作部の模式側面図である。 ロール軸を一方向へ動作させたときの、第1の実施形態に係る先端動作部の模式側面図である。 第1変形例に係る受動ワイヤの端部の接続箇所の模式図である。 第2変形例に係る受動ワイヤの端部の接続箇所の模式図である。 第3変形例に係る受動ワイヤの端部の接続箇所の模式平面図である。 第3変形例に係る受動ワイヤの端部の接続箇所の模式断面側面図である。 第4変形例に係る受動ワイヤの端部の接続箇所の模式断面平面図である。 第4変形例に係る受動ワイヤの端部の接続箇所の模式断面側面図である。 第2の実施形態に係る先端動作部の模式構造図である。 第3の実施形態に係る先端動作部の断面側面図である。 第3の実施形態に係る先端動作部で、グリッパを閉じた状態の断面側面図である。 第4の実施形態に係る先端動作部で、ロール軸を一方向へ動作させたときの断面平面図である。 トリガレバーを押し出したときの、第4の実施形態に係る先端動作部の模式側面図である。 トリガレバーを十分に引いたときの、第4の実施形態に係る先端動作部の模式側面図である。 第4の実施形態に係る先端動作部の模式構造図である。 第4の実施形態に係る先端動作部のアイドルプーリ及びガイドプーリの拡大斜視図である。 第1例に係る駆動部材進退機構の模式図である。 第2例に係る駆動部材進退機構の模式図である。 第3例に係る駆動部材進退機構の模式図である。 第4例に係る駆動部材進退機構の模式図である。 第5の実施形態に係る先端動作部の断面側面図である。 第5の実施形態に係る先端動作部の断面平面図である。 第5の実施形態に係る先端動作部で、グリッパを閉じた状態の断面側面図である。 第5の実施形態に係る先端動作部の分解斜視図である。 トリガレバーを押し出したときの、第2エンドエフェクタ駆動機構の一部断面平面図である。 トリガレバーを十分に引いたとき、第2エンドエフェクタ駆動機構の一部断面平面図である。 トリガレバーを押し出したときの、第2エンドエフェクタ駆動機構の一部断面側面図である。 第5の実施形態に係る先端動作部の模式構造図である。 トリガレバーを十分に引いたときの、第5の実施形態に係る先端動作部の模式側面図である。 トリガレバーを押し出したときの、第5の実施形態に係る先端動作部の模式側面図である。 第5の実施形態の第1変形例に係る先端動作部の断面側面図である。 第5の実施形態の第2変形例に係る先端動作部の模式側面図である。 図42Aは、グリッパリンクを省略した先端動作部の概略断面側面図であり、図42Bは、グリッパリンクを省略した先端動作部でグリッパを開いた状態の概略断面側面図である。 作業部をロボットアームの先端に接続した手術用ロボットシステムの概略斜視図である。
符号の説明
10…マニピュレータ 12、12a〜12f…先端動作部
14…操作部 16…作業部
32…トリガレバー 40、41、42…モータ
48…連結シャフト 52、54、56…ワイヤ
104、300…エンドエフェクタ
140、140a、140b…アイドルプーリ
142、142a、142b…ガイドプーリ
150…スプリング 152…ロッド
156、156a、156b…受動プーリ
158…受動板 160…カバー
202、212、302…グリッパ
252、252a、252b…受動ワイヤ
260、320a、320b、340a、340b…エンドエフェクタ駆動機構
322…駆動側連結 ワイヤ324…駆動側連結プーリ
326a、326b…駆動リンク 328…受動側連結ワイヤ
330…受動側連結プーリ 350…折り返しプーリ

Claims (25)

  1. 先端のエンドエフェクタを含み、関節部を介して揺動可能な先端動作部と、
    基端側から前記エンドエフェクタへと駆動力を伝達するエンドエフェクタ駆動機構と、
    を備えるマニピュレータであって、
    前記エンドエフェクタ駆動機構は、
    基端側に設けられ、進退する駆動部材と、
    前記駆動部材に一部が接続された環状の可撓性部材と、
    前記駆動部材より先端側で且つ前記関節部より基端側に設けられたアイドル円柱体と、
    前記先端動作部に、当該先端動作部の延在方向に進退可能に設けられた受動円柱体と、
    前記アイドル円柱体と前記受動円柱体との間にある前記関節部に設けられたガイド円柱体と、
    前記受動円柱体の進退動作に連動して、開閉動作する前記エンドエフェクタと、
    を含
    前記可撓性部材は、前記アイドル円柱体の両側方を通り、前記受動円柱体に巻き掛けられ、前記アイドル円柱体と前記ガイド円柱体との間で交差していることを特徴とするマニピュレータ。
  2. 請求項1記載のマニピュレータにおいて、
    前記アイドル円柱体と前記ガイド円柱体における前記可撓性部材が巻きかけられる箇所の隙間は、前記可撓性部材の太さの1倍〜2倍であることを特徴とするマニピュレータ。
  3. 請求項1又は2記載のマニピュレータにおいて、
    前記アイドル円柱体は、同軸上の第1層アイドル円柱体と第2層アイドル円柱体の2枚が並列して構成されることを特徴とするマニピュレータ。
  4. 先端のエンドエフェクタを含み、関節部を介して揺動可能な先端動作部と、
    基端側から前記エンドエフェクタへと駆動力を伝達するエンドエフェクタ駆動機構と、
    を備えるマニピュレータであって、
    前記エンドエフェクタ駆動機構は、
    基端側に設けられ、進退する駆動部材と、
    前記駆動部材に一部が接続された環状の可撓性部材と、
    前記駆動部材より先端側で前記関節部に設けられたガイド円柱体と、
    前記ガイド円柱体より先端側で、前記先端動作部に、当該先端動作部の延在方向に進退可能に設けられた受動円柱体と、
    前記受動円柱体の進退動作に連動して、開閉動作する前記エンドエフェクタと、
    を含
    前記可撓性部材は、前記ガイド円柱体に、少なくとも一方からそれぞれ1巻き以上巻き掛けられるとともに、前記受動円柱体に巻き掛けられていることを特徴とするマニピュレータ。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記受動円柱体よりも先端側に折り返し円柱体を有し、
    前記可撓性部材は、前記受動円柱体と前記折り返し円柱体とにわたって巻き掛けられていることを特徴とするマニピュレータ。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記受動円柱体を一方向に付勢する弾性体を有することを特徴とするマニピュレータ。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記ガイド円柱体を基準として前記エンドエフェクタを揺動させる揺動機構を有することを特徴とするマニピュレータ。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記ガイド円柱体は、同軸上の第1層ガイド円柱体と第2層ガイド円柱体の2枚が並列して構成されることを特徴とするマニピュレータ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記駆動部材には基端側を指向する円弧壁が設けられ、該円弧壁に前記可撓性部材が掛けられていることを特徴とするマニピュレータ。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記駆動部材にはローラが設けられ、該ローラに前記可撓性部材が巻き掛けられていることを特徴とするマニピュレータ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記可撓性部材は1本の線材からなり、前記駆動部材に対する接続部以外の箇所で、両端が固定されることにより環状となっていることを特徴とするマニピュレータ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記エンドエフェクタ駆動機構は、第1エンドエフェクタ駆動機構及び第2エンドエフェクタ駆動機構の2セットが設けられ、
    前記第1エンドエフェクタ駆動機構の前記駆動部材と前記第2エンドエフェクタ駆動機構の前記駆動部材を逆方向に進退させる駆動部材進退機構を有することを特徴とするマニピュレータ。
  13. 請求項12記載のマニピュレータにおいて、
    前記第1エンドエフェクタ駆動機構及び前記第2エンドエフェクタ駆動機構のいずれか一方で、
    前記受動円柱体よりも先端側に折り返し円柱体を有し、
    前記可撓性部材は、前記受動円柱体と前記折り返し円柱体とにわたって巻き掛けられていることを特徴とするマニピュレータ。
  14. 請求項13記載のマニピュレータにおいて、
    前記第1エンドエフェクタ駆動機構の前記受動円柱体と、前記第2エンドエフェクタ駆動機構の前記受動円柱体は、同軸上に配置されていることを特徴とするマニピュレータ。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記第1エンドエフェクタ駆動機構の前記ガイド円柱体と、前記第2エンドエフェクタ駆動機構の前記ガイド円柱体は、同軸上に配置されていることを特徴とするマニピュレータ。
  16. 請求項15に記載のマニピュレータにおいて、
    2つの前記ガイド円柱体は、それぞれ同軸上で外寄りの第1層ガイド円柱体と内寄りの第2層ガイド円柱体の2枚が並列して構成され、内寄りの2つの前記第2層ガイド円柱体は一体構成であることを特徴とするマニピュレータ。
  17. 請求項12〜16のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記駆動部材進退機構は、支点を基準として回転する回転操作子を有し、
    前記第1エンドエフェクタ駆動機構の前記駆動部材は前記回転操作子の前記支点を基準とした一方に接続され、前記第2エンドエフェクタ駆動機構の前記駆動部材は前記回転操作子の前記支点を基準とした他方に接続されていることを特徴とするマニピュレータ。
  18. 請求項17記載のマニピュレータにおいて、
    2つの前記駆動部材は駆動側連結可撓性部材で接続され、
    前記回転操作子は、円柱体であって、前記駆動側連結可撓性部材が巻き掛けられていることを特徴とするマニピュレータ。
  19. 請求項18記載のマニピュレータにおいて、
    前記駆動側連結可撓性部材に当接し、該駆動側連結可撓性部材の配置経路を規定するアイドラーを有することを特徴とするマニピュレータ。
  20. 請求項12、15〜19のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    一端が前記第1エンドエフェクタ駆動機構の前記受動円柱体に接続され、他端が前記第2エンドエフェクタ駆動機構の前記受動円柱体に接続された受動側連結可撓性部材と、
    前記受動側連結可撓性部材が巻き掛けられた受動側連結円柱体と、
    を有することを特徴とするマニピュレータ。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記駆動部材は、人手によって操作する入力部に対して機械的に接続されていることを特徴とするマニピュレータ。
  22. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    人手によって操作する入力部に連動するアクチュエータを有し、
    前記駆動部材は、前記アクチュエータに接続されていることを特徴とするマニピュレータ。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記可撓性部材は、前記駆動部材よりも細径であることを特徴とするマニピュレータ。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記駆動部材は、ワイヤであることを特徴とするマニピュレータ。
  25. 請求項1〜24のいずれか1項に記載のマニピュレータにおいて、
    前記受動円柱体及び前記ガイド円柱体は、プーリであることを特徴とするマニピュレータ。
JP2007283323A 2007-10-31 2007-10-31 マニピュレータ Active JP5128904B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007283323A JP5128904B2 (ja) 2007-10-31 2007-10-31 マニピュレータ
US12/261,829 US8277443B2 (en) 2007-10-31 2008-10-30 Manipulator
EP08167957.3A EP2077095B1 (en) 2007-10-31 2008-10-30 Manipulator actuated by wires and pulleys

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007283323A JP5128904B2 (ja) 2007-10-31 2007-10-31 マニピュレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009107087A JP2009107087A (ja) 2009-05-21
JP5128904B2 true JP5128904B2 (ja) 2013-01-23

Family

ID=40583814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007283323A Active JP5128904B2 (ja) 2007-10-31 2007-10-31 マニピュレータ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8277443B2 (ja)
EP (1) EP2077095B1 (ja)
JP (1) JP5128904B2 (ja)

Families Citing this family (69)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100911248B1 (ko) * 2007-10-17 2009-08-07 국립암센터 소구경 복강경 수술기구
JP5364255B2 (ja) * 2007-10-31 2013-12-11 テルモ株式会社 医療用マニピュレータ
JP2009201607A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Terumo Corp マニピュレータ
US10532466B2 (en) * 2008-08-22 2020-01-14 Titan Medical Inc. Robotic hand controller
US8332072B1 (en) * 2008-08-22 2012-12-11 Titan Medical Inc. Robotic hand controller
JP5320093B2 (ja) * 2009-02-03 2013-10-23 テルモ株式会社 医療用マニピュレータ
US8523900B2 (en) * 2009-02-03 2013-09-03 Terumo Kabushiki Kaisha Medical manipulator
JP5320121B2 (ja) * 2009-03-27 2013-10-23 テルモ株式会社 医療用マニピュレータ
JP5593654B2 (ja) * 2009-08-31 2014-09-24 日本精工株式会社 ロボット関節部
EP2478860B1 (en) * 2009-09-15 2019-01-16 Olympus Corporation High-frequency treatment tool
US9474540B2 (en) 2009-10-08 2016-10-25 Ethicon-Endo-Surgery, Inc. Laparoscopic device with compound angulation
US8074859B2 (en) * 2010-03-31 2011-12-13 Tyco Healthcare Group Lp Surgical instrument
US20110257680A1 (en) * 2010-04-20 2011-10-20 Tyco Healthcare Group Lp Surgical Forceps Including Pulley Blade Reverser Mechanism
US20110275901A1 (en) * 2010-05-07 2011-11-10 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Laparoscopic devices with articulating end effectors
US9226760B2 (en) 2010-05-07 2016-01-05 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Laparoscopic devices with flexible actuation mechanisms
US8562592B2 (en) 2010-05-07 2013-10-22 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Compound angle laparoscopic methods and devices
US9198729B2 (en) * 2010-11-15 2015-12-01 Intuitive Surgical Operations, Inc. Actuation cable having multiple friction characteristics
US8480703B2 (en) 2010-11-19 2013-07-09 Covidien Lp Surgical device
EP2617530B1 (en) * 2010-11-30 2015-11-18 Olympus Corporation Master operation input device and master-slave manipulator
DE102011011497A1 (de) * 2011-02-17 2012-08-23 Kuka Roboter Gmbh Chirurgisches Instrument
JP5856817B2 (ja) * 2011-11-16 2016-02-10 オリンパス株式会社 医療用処置具およびこれを備えるマニピュレータ
KR101427330B1 (ko) * 2011-11-23 2014-08-06 주식회사 리브스메드 차동 부재
WO2013077571A1 (ko) 2011-11-23 2013-05-30 주식회사 리브스메드 수술용 인스트루먼트
US9364220B2 (en) 2012-06-19 2016-06-14 Covidien Lp Apparatus for endoscopic procedures
JP6042652B2 (ja) 2012-07-30 2016-12-14 オリンパス株式会社 術具及び医療用マニピュレータ
WO2014049423A1 (en) 2012-09-26 2014-04-03 Aesculap Ag Apparatus for tissue cutting and sealing
EP2914197B1 (en) 2012-11-02 2020-12-09 Intuitive Surgical Operations, Inc. Self-antagonistic drive for medical instruments
EP2953770B1 (en) * 2013-02-08 2018-05-30 Olympus Corporation Manipulator
CN105026116B (zh) * 2013-02-27 2017-03-08 奥林巴斯株式会社 机械手
CN105073057B (zh) * 2013-03-18 2017-07-04 奥林巴斯株式会社 机械手
JP6049585B2 (ja) * 2013-10-31 2016-12-21 オリンパス株式会社 術具
JP5980764B2 (ja) * 2013-11-29 2016-08-31 オリンパス株式会社 術具
JP6230430B2 (ja) * 2014-01-23 2017-11-15 オリンパス株式会社 術具及び医療用マニピュレータシステム
KR101584766B1 (ko) 2014-04-24 2016-01-12 주식회사 리브스메드 수술용 인스트루먼트
US10390853B2 (en) 2014-08-13 2019-08-27 Covidien Lp Robotically controlling mechanical advantage gripping
JP6701172B2 (ja) 2014-08-13 2020-05-27 コヴィディエン リミテッド パートナーシップ 機械的利益把握のロボット制御
DE112015003875B4 (de) * 2014-08-25 2022-06-23 Paul Ekas Stoßdämpfende und sich selbst neu ausrichtende Roboterfinger
CN104188709B (zh) * 2014-09-18 2016-07-06 上海工程技术大学 一种用于外科手术机器人的多角度从手镊子
WO2016052784A1 (ko) 2014-10-02 2016-04-07 주식회사 리브스메드 수술용 인스트루먼트
US11344381B2 (en) 2015-02-17 2022-05-31 Livsmed Inc. Instrument for surgery
KR102153407B1 (ko) 2015-02-17 2020-09-08 주식회사 리브스메드 수술용 인스트루먼트
US11896336B2 (en) 2015-02-17 2024-02-13 Livsmed Inc. Instrument for surgery
EP3263053A4 (en) * 2015-02-26 2018-11-07 Olympus Corporation Medical treatment instrument
WO2016194067A1 (ja) 2015-05-29 2016-12-08 オリンパス株式会社 把持機構および把持具
JP6861172B2 (ja) 2015-06-23 2021-04-21 コヴィディエン リミテッド パートナーシップ 機械的な利点を有する外科用エンドエフェクタ
US20170014135A1 (en) * 2015-07-14 2017-01-19 Keith Edward Martin Surgical tool
JP6150962B1 (ja) * 2015-07-17 2017-06-21 オリンパス株式会社 マニピュレータ
NL2015423B1 (en) * 2015-09-10 2017-03-29 Deam Holding B V Surgical instrument.
ITUB20154977A1 (it) 2015-10-16 2017-04-16 Medical Microinstruments S R L Strumento medicale e metodo di fabbricazione di detto strumento medicale
ITUB20155057A1 (it) 2015-10-16 2017-04-16 Medical Microinstruments S R L Assieme robotico di chirurgia
WO2017155931A1 (en) * 2016-03-07 2017-09-14 Ethicon Llc Robotic bi-polar instruments
WO2017195246A1 (ja) 2016-05-09 2017-11-16 オリンパス株式会社 把持機構および把持具
JPWO2017212587A1 (ja) * 2016-06-08 2019-04-04 オリンパス株式会社 把持機構および把持具
EP3525712A4 (en) 2016-10-14 2020-06-17 Intuitive Surgical Operations Inc. SYSTEMS FOR APPLYING A PRELOAD VOLTAGE FOR SURGICAL INSTRUMENTS AND RELATED METHODS
JP6714101B2 (ja) 2016-11-28 2020-06-24 オリンパス株式会社 医療用処置具
IT201700041980A1 (it) 2017-04-14 2018-10-14 Medical Microinstruments Spa Assieme robotico per microchirurgia
NL2019146B1 (en) 2017-06-29 2019-01-14 Deam Holding B V Medical device with flexible tip
KR102191482B1 (ko) 2017-11-14 2020-12-15 주식회사 리브스메드 수술용 인스트루먼트의 롤 조인트 부재
CN108969026B (zh) * 2018-05-25 2019-06-25 安瑞医疗器械(杭州)有限公司 一种医用钳子
JP2019217025A (ja) * 2018-06-20 2019-12-26 リバーフィールド株式会社 術具
SE542910C2 (en) 2018-12-14 2020-09-15 Multi4 Ab An endosurgical device
WO2021130946A1 (ja) * 2019-12-25 2021-07-01 リバーフィールド株式会社 術具
CN114828760B (zh) * 2019-12-25 2023-04-04 瑞德医疗机器股份有限公司 手术器具
EP4104790B1 (en) * 2020-03-27 2024-05-01 RIVERFIELD Inc. Surgical tool
EP3967243B1 (en) * 2020-09-15 2024-01-17 Beijing Longmiao Medical Device Co., Ltd. Biopsy forceps and jaw assembly thereof
JP2023554516A (ja) 2020-12-22 2023-12-27 メディカル・マイクロインストゥルメンツ・インコーポレイテッド ロボット手術用の外科器具及びロボット手術アセンブリ
CN112847424B (zh) * 2020-12-24 2022-04-19 中国科学技术大学 一种刚度放大绳驱动单自由度关节
US20220226058A1 (en) * 2021-01-21 2022-07-21 Ethicon Llc Robotic surgical instruments with drive belt shaft insertion
CN114305592B (zh) * 2022-01-07 2023-06-23 苏州康多机器人有限公司 一种偏摆机构及手术器械

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63176092U (ja) * 1986-10-21 1988-11-15
US4782833A (en) 1987-02-19 1988-11-08 Thomas A. Einhorn Bone boring instrument
JPS63288147A (ja) * 1987-05-21 1988-11-25 Olympus Optical Co Ltd クリップ装置
DE4136861C2 (de) 1991-11-11 1994-12-15 Kernforschungsz Karlsruhe Steuerbares chirurgisches Instrument
US5792165A (en) 1993-07-21 1998-08-11 Charles H. Klieman Endoscopic instrument with detachable end effector
US5507773A (en) * 1994-02-18 1996-04-16 Ethicon Endo-Surgery Cable-actuated jaw assembly for surgical instruments
EP0677275B1 (en) 1994-03-17 2004-01-28 Terumo Kabushiki Kaisha Surgical instrument
US5828813A (en) * 1995-09-07 1998-10-27 California Institute Of Technology Six axis force feedback input device
US5797900A (en) * 1996-05-20 1998-08-25 Intuitive Surgical, Inc. Wrist mechanism for surgical instrument for performing minimally invasive surgery with enhanced dexterity and sensitivity
JP3126323B2 (ja) * 1996-11-01 2001-01-22 株式会社貝印刃物開発センター 内視鏡用処置具における処置部の構造
US5899914A (en) 1997-06-11 1999-05-04 Endius Incorporated Surgical instrument
US7214230B2 (en) * 1998-02-24 2007-05-08 Hansen Medical, Inc. Flexible instrument
JP4014792B2 (ja) 2000-09-29 2007-11-28 株式会社東芝 マニピュレータ
US20030135204A1 (en) * 2001-02-15 2003-07-17 Endo Via Medical, Inc. Robotically controlled medical instrument with a flexible section
JP2002282257A (ja) * 2001-03-26 2002-10-02 Medicraft:Kk 医療用持針器
US6817974B2 (en) 2001-06-29 2004-11-16 Intuitive Surgical, Inc. Surgical tool having positively positionable tendon-actuated multi-disk wrist joint
JP3631450B2 (ja) * 2001-08-22 2005-03-23 株式会社東芝 マニピュレータ
JP4050032B2 (ja) * 2001-10-09 2008-02-20 オリンパス株式会社 内視鏡用処置具の操作装置
JP3912251B2 (ja) * 2002-10-02 2007-05-09 株式会社日立製作所 マニピュレータ
JP3944108B2 (ja) 2003-03-31 2007-07-11 株式会社東芝 医療用マニピュレータの動力伝達機構およびマニピュレータ
JP4512194B2 (ja) * 2005-03-14 2010-07-28 株式会社日立製作所 ロボットアーム
EP1707153B1 (en) 2005-03-29 2012-02-01 Kabushiki Kaisha Toshiba Manipulator
US20070208375A1 (en) * 2006-02-23 2007-09-06 Kouji Nishizawa Surgical device
JP5364255B2 (ja) 2007-10-31 2013-12-11 テルモ株式会社 医療用マニピュレータ

Also Published As

Publication number Publication date
EP2077095A3 (en) 2018-07-11
EP2077095B1 (en) 2019-08-21
EP2077095A2 (en) 2009-07-08
US20090112230A1 (en) 2009-04-30
JP2009107087A (ja) 2009-05-21
US8277443B2 (en) 2012-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5128904B2 (ja) マニピュレータ
JP5364255B2 (ja) 医療用マニピュレータ
US8523900B2 (en) Medical manipulator
JP5323578B2 (ja) 医療用ロボットシステム
JP3912251B2 (ja) マニピュレータ
JP5875973B2 (ja) 医療用マニピュレータ
JP5320121B2 (ja) 医療用マニピュレータ
JP5011067B2 (ja) マニピュレータシステム
JP5431749B2 (ja) 医療用マニピュレータ
JP5400444B2 (ja) 医療用器具の製造方法及び医療用器具
CN104755041A (zh) 用于医疗器械的自对抗驱动装置
JP2011072574A (ja) 医療用マニピュレータ
JP2009201607A (ja) マニピュレータ
US11660150B2 (en) Dexterous 4-DOF surgical tool for compact articulation
JP5320093B2 (ja) 医療用マニピュレータ
WO2011040369A1 (ja) 医療用マニピュレータ
JP2010253205A (ja) マニピュレータ
JP2010227555A (ja) 医療用マニピュレータ
WO2023069404A1 (en) Force transmission systems using planetary gear assembly, and related devices and methods

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5128904

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250