JP5126751B2 - 船舶用電気推進システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置により速度制御される交流電動機によってプロペラ(推進機)を駆動する船舶用電気推進システムに係り、特に、発電機効率が最適となるように推進装置用電動機の駆動制御を行う船舶用電気推進システムに関する。
船舶用電気推進システムとしては、ディーゼルエンジン等の原動機で交流発電機を駆動し、発生した交流電力を静止型電力変換装置により周波数変換して交流電動機に供給し、この交流電動機によりプロペラを駆動して船舶を推進するようにした、船舶用電気推進システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図10は、特許文献1に開示されている回路構成の一部を省略して示したシステム構成図である。図10において、1は三相交流発電機(ACG;以下単に発電機という)であって、ディーゼルエンジン等の原動機2で駆動されて三相交流電力を発生し、船内母線3に給電するように接続されている。なお、AVRは発電機(ACG)の出力電圧を設定値に保つように発電機の励磁を制御する自動電圧調整器、Govは原動機2の回転速度を一定に保つように原動機2に供給される燃料を制御するガバナである。
この船内母線3に給電された電力は、コンバータとインバータとの組合せによって構成されている静止型電力変換装置4(一般に本装置をインバータと呼ぶ場合もある)を介して推進装置用交流電動機(ACM;以降、単に推進装置用電動機と呼ぶ)に供給されるほか、図示してない船内負荷にも供給されるようになっている。
静止型電力変換装置4のコンバータやインバータは、例えばダイオード等の整流素子やIGBTやサイリスタ等のスイッチング素子によって構成されており、インバータに与えられる回転速度指令値に基づいて周波数の制御された交流電力を出力する。推進装置用電動機5はこの周波数の制御された交流電力によって駆動され、プロペラ6を駆動するようになっている。
7は推進装置用電動機5の実回転速度7sを検出する回転速度検出器である。8は操舵室に設けられている図示していない速度設定操作ハンドルの位置に連動して前記推進装置用電動機5の目標回転速度8sを出力する回転速度設定器である。
9は回転速度制御器であり、入力した目標回転速度8sと実回転速度7sとを突き合せて偏差(8s−7s)を求め、その偏差に基づいて生成された回転速度指令値9sを前記静止型電力変換装置4のインバータのスイッチング素子にゲート信号として与えることにより、前記推進装置用電動機5の回転速度を制御し、プロペラ6による推進力を制御するものである。
このように、従来の船舶用電気推進システムによる推進装置用電動機5の回転速度制御方式は、操舵室に設けられた速度設定操作ハンドルの位置で定まる回転速度設定値8sに基づいた制御方式であって、発電機1の運転効率に配慮した回転速度制御方式ではなかった。
特開2007−62676号公報
近年、環境対策や原動機の燃費対策として、燃料を抑えて運航するディーゼルエンジン(主機)と電気推進装置の各々でプロペラを駆動するようにした、所謂ハイブリッド方式の電気推進システムが有用になってきている。
ハイブリッド方式の電気推進システムの場合、電気推進装置でプロペラを駆動することにより、推進電動機が定格出力でなくても燃料を抑えながら推進効率を高めることが可能である。
しかしながら、図10に示した従来技術では、前述したように主機によって駆動される発電機の発電効率とは無関係に、ただ単に目標回転速度となるように推進装置用電動機5を駆動するように構成している。
このため、発電機出力が推進装置用電動機負荷によって左右されてしまい、重積荷時のように推進装置用電動機負荷が大きい場合、船内負荷の大きさによっては運転中の発電機の出力だけでは船内全体の消費電力を賄いきれず、スタンバイしている発電機を起動する場合がある。この場合、複数台の発電機で負荷を分担することから発電機の負荷率が下がり燃費悪化を招くという問題がある。また、船速が遅くてもよい場合は燃費対策として発電機運転台数の少ない航行を求められることも多い。
そこで、本発明は、上述した従来技術の課題を解決するために、既知の発電機最適出力電力と、検出された発電機の出力電力および船内負荷の消費電力とから、発電機の効率が最適となる負荷量に推進装置用電動機の出力を制限することによって、発電機の効率の最適化を図った船舶用電気推進システムを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、原動機によって駆動され交流電力を船内母線に供給する発電機と、前記船内母線に接続され前記発電機から出力された交流電力を周波数変換し交流電力を出力するインバータを備えた電力変換装置と、前記電力変換装置のインバータから出力される交流電力によって駆動される推進装置用電動機と、前記推進装置用電動機によって駆動されるプロペラと、前記推進装置用電動機の目標回転速度を設定する回転速度設定器と、前記推進装置用電動機の回転速度を検出する回転速度検出器と、前記回転速度設定器で設定された目標回転速度と前記回転速度検出器で検出された実回転速度を入力し前記推進装置用電動機の回転速度が目標回転速度となるように前記電力変換装置に制御信号を出力する回転速度制御器と、前記船内母線から電力を供給される船内負荷とを備えた船舶用電気推進システムにおいて、前記発電機の出力電力を検出する第1の電力検出器と、前記船内負荷の消費電力を検出する第2の電力検出器と、前記第1の電力検出器で検出された発電機出力電力、第2の電力検出器で検出された船内負荷の消費電力および予め測定している前記発電機最適出力電力を入力し、発電機出力電力が発電機最適出力電力を超えているときは、前記推進装置用電動機で使用する電力の上限値を前記発電機最適出力電力から船内負荷の消費電力を減算して求められた電値となるように前記回転速度制御器から電力変換装置へ出力される制御信号を制限する電力制限値信号を前記回転速度制御器へ出力し、発電機の出力電力が発電機の最適出力電力を超えていないときは、前記回転速度制御器から電力変換装置へ出力される制御信号に制限を与えない電力制限値設定器と、を備えたことを特徴とする。
本発明の船舶用電気推進システムによれば、船内負荷状況によることなく発電機効率が最適となる負荷量に電動機の出力を制限することができ、発電システム(原動機+発電機)の燃費(効率)を最適化した船舶用電気推進システムを提供することができる。
本発明の実施形態1に係る船舶用電気推進システムのシステム構成図。 実施形態1の回転速度制御器の一例を示すブロック線図。 実施形態1の電力制限値設定器の一例を示すブロック線図。 図3の電力制限値設定器の作用説明図。 プロペラの出力(電動機出力)と回転速度との関係を示す特性図。 実施形態1の作用を説明するためのタイムチャート。 本発明の実施形態2に係る船舶用電気推進システムのシステム構成図。 実施形態2の回転速度制御器の一例を示すブロック線図。 プロペラの出力トルク(電動機の出力トルク)と回転速度との関係を示す図。 従来の船舶用電気推進システムのシステム構成図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、図1中、図10に記載の要素と同一部分には同一符号を付けて、重複する説明は適宜省略するものとする。
[実施形態1]
(構成)
図1は本発明の実施形態1に係る船舶用電気推進システムのシステム構成図であり、図2は本実施形態1の回転速度制御器の一例を示すブロック線図、図3は本実施形態1の電力制限値設定器の一例を示すブロック線図、図4は電力制限値設定器の作用説明図、図5はプロペラの出力(電動機出力)と回転速度との関係を示す特性図である。
まず、図1のシステム構成図において、発電機(ACG)1から、回転速度設定器8までの制御要素は図10で示した従来技術と同じ制御要素である。回転速度制御器9Aは図10に示した回転速度制御器9に一つの制御要素を追加したものであり、また、符号11から18迄の制御要素は本実施形態1に追加した制御要素である。
9Aは従来技術の回転速度制御器9に制御要素を追加してなる回転速度制御器、11は発電機(ACG)1の出力電圧を検出する計器用変圧器、12は発電機(ACG)1の出力電流を検出する計器用変流器、13は、計器用変圧器11および計器用変流器12で検出した発電機出力電圧および出力電流を入力して発電機出力電力Pgを検出する電力検出器であり、便宜上、第1の電力検出器という。
14は前記船内母線3に接続された船内負荷であり、ここで消費される電力PLは計器用変圧器15および計器用変流器16で検出された電圧および電流を基に電力検出器17によって検出されるようになっている。なお、便宜上、電力検出器17を第2の電力検出器という。
18は前記第1の電力検出器13の出力電力Pg、第2の電力検出器17の出力電力PLおよび予め測定された既知の固定値である発電機最適出力Pgrを入力し、これらを用いて電力制限値信号18sを演算し出力する電力制限値設定器である。
次に、図2を参照して回転速度制御器9Aについて詳細に説明する。
回転速度制御器9Aは、一般的な回転速度制御器と同様に、指令値とフィードバック信号との偏差を演算する加算部9-1と、偏差に基づいて誤差増幅して制御信号を生成する回転速度指令調節部9-2とを備えるとともに、新たに加算部9-1の前段に回転速度設定調節器9-3を設けるように構成されている。
この新たに設けた回転速度設定調節器9-3とは、後述する図5に記載されているプロペラ6の任意の回転速度Nと、その回転速度Nにて出力可能な推進装置用電動機5の電力Pmとの関係特性を実験等で事前に求めておき、後述する電力制限値設定器18から出力された電力制限値信号18sと回転速度設定器8からの速度指令値8sとを入力して電力制限値信号18sに対応する回転速度値を回転速度指令値9-3sとして出力するように構成された制御要素である。
次段に設けられた加算部9-1はこの回転速度指令値9-3sと回転速度検出器7からのフィードバック信号7sとの偏差を演算し、回転速度指令調節部9-2を経て静止型電力変換装置4のインバータに制御信号9Asを出力する。
次に、図3を参照して電力制限値設定器18について詳細に説明する。
まず、第1の電力検出器13により検出された「発電機出力電力Pg」と、事前に求められている既知の「発電機最適出力Pgr」とは第1の加算器18-1で演算され、偏差ΔP1が出力される。ここで、発電機最適出力Pgrとは、発電機効率η(η;発電機出力/原動機入力)のうち、発電機効率ηが最も高いときの発電機出力電力を指す。この発電機効率ηは、発電機(ACG)1の単体試験時等に測定することができる。
前記第1の加算器18-1は、発電機出力電力Pgが発電機最適出力Pgrを超える場合(Pg>Pgr)にプラス(+)の偏差ΔP1を出力し、発電機出力電力Pgが発電機最適出力Pgrを超えない場合(Pg≦Pgr)にマイナス(−)の偏差ΔP1を出力する。
発電機出力電力偏差検出器18-2は、第1の加算器18-1から出力された偏差ΔP1を入力して、その偏差の極性がプラス(+)であるかマイナス(−)であるかを判定し、その判定結果に応じて電力制限値信号切換器18-5に切換信号を出力する。この切換信号によって電力制限値信号切換器18-5が動作する様子については後述する。
前述した発電機最適出力Pgrは、前記第2の電力検出器17により検出された船内負荷消費電力PLとともに第2の加算器18-3に入力されて演算される。この第2の加算器18-3では、発電機最適出力Pgrから船内負荷消費電力PLを減算したときの余剰電力(Pgr−PL)に相当する偏差ΔP2を求める。この余剰電力が推進装置用電動機5で使用する電力の上限値すなわち、電力制限値(Plim=Pgr−PL)である。
第2の加算器18-3から出力された余剰電力に相当する偏差ΔP2は、単位変換演算器18-4に入力されてkwから%に単位を変換されたのち、電力制限値信号切換器18-5に入力される。
この電力制限値信号切換器18-5は、詳細構成を図4で示すように内部に切換スイッチ18-50を備えており、前記発電機出力電力偏差検出器18-2からプラス(+)の切換信号を入力したときは、切換接点を(+)側の固定接点に接続することによって前記単位変換演算器18-4から出力された信号を選択し、次段の制御要素に出力する。逆に、前記発電機出力電力偏差検出器18-2からマイナス(−)の切換信号を入力したときは、切換接点を(−)側の固定接点に接続することによって制限値設定器18-6から「制限値設定100%」を選択し、次段の制御要素に出力するように構成されている。
18−7はフィルタ回路であり、一般的な一次遅れ要素のように電力制限値信号切換器18-5からの入力信号の変化を緩やかに変換して出力するように構成されている。このフィルタ回路18−7の出力信号が図1で示した電力制限値信号18sであり、回転速度制御器9Aに入力される。
図5はプロペラ6言い換えれば推進装置用電動機5の出力電力Pmと回転速度Nとの関係を示す図である。P100は定格負荷時の電力、Plimは制限する電力、N100は定格回転速度、NlimはPlimに対応した制限する回転速度である。
(作用)
次に、本実施形態1の作用について説明する。
図1のシステム構成図において、原動機2により駆動される発電機1の出力電力Pgは、船内母線3を通して静止型電力変換装置4にて駆動される推進装置用電動機5および船内負荷14の電源として使用される。
計器用変圧器11及び計器用変流器12で検出した電圧及び電流を元に第1の電力検出器13により検出された発電機1の「発電機出力電力Pg」は、電力制限値設定器18に入力され、一方、計器用変圧器15及び計器用変流器16により検出した電圧及び電流を元に第2の電力検出器17により検出された船内負荷14で消費される「船内負荷消費電力PL」は、それぞれ電力制限値設定器18に入力される。この電力制限値設定器18にはこれら電力検出値のほかに、予め測定されている固定値である「発電機最適出力Pgr」が入力される。
「発電機最適出力Pgr」と「船内負荷消費電力PL」とは第2の加算器18-3にて演算され、その差の電力値(Pgr−PL)を、単位を変換するための演算器18-4を通して電力制限値信号切換器18-5に入力する。
一方、「発電機出力電力Pg」と「発電機最適出力Pgr」とは第1の加算器18-1により演算され、さらに発電機出力電力偏差検出器18-2にて「発電機出力電力Pg」が「発電機最適出力Pgr」を超えている(Pg>Pgr)か、否か(Pg≦Pgr)が判定される。
発電機出力電力偏差検出器18-2により「発電機出力電力Pg」が「発電機最適出力Pgr」を超えていると判定されたときは、電力制限値信号切換器18-の切換接点が図4のプラス(+)側の固定接点に接続されることによって、単位変換演算器18-4を通して入力した第2の加算器18-3から出力された余剰電力(Pgr−PL)相当信号を選択出力し、フィルタ回路18-7を経て回転速度制御器9Aに電力制限値信号18sとして出力する。この場合、Plim=Pgr−PLである。
しかし、発電機出力電力偏差検出器18-2により、「発電機出力電力Pg」が「発電機最適出力Pgr」を超えていない(Pg≦Pgr)と判定されたときは、電力制限値信号切換器18-の切換接点を図4のマイナス(−)側の固定接点に切換接続することによって制限値設定器18-6の「制限値設定100%」を選択し、フィルタ回路18-7を経て回転速度制御器9Aに電力制限値信号18sとして出力する。
回転速度制御器9Aでは、図2において回転速度設定調節器9-3に電力制限値制御器18からの電力制限値信号18sと、回転速度設定器8からの速度指令値8sとをそれぞれ入力して、電力制限値信号18sに対応する回転速度値を回転速度指令値9-3sを求め、この回転速度指令値9-3sと回転速度検出器7で検出した回転速度信号7sとの偏差に基づいて生成された回転速度指令値9Asを前記静止型電力変換装置4のインバータのスイッチング素子にゲート信号として与えることにより、前記推進装置用電動機5の回転速度を制御し、プロペラ6による推進力を制御する。
したがって、「発電機出力電力Pg」が「発電機最適出力Pgr」を超えていない(Pg≦Pgr)と判定されたとき、回転速度制御器9Aは、電力制限値設定器18により制限されずに前記静止型電力変換装置4のインバータのスイッチング素子をゲート制御し、推進装置用電動機5の回転速度を制御するが、「発電機出力電力Pg」が「発電機最適出力Pgr」を超えている(Pg>Pgr)と判定されたときは、制限された電力(Plim=Pgr−PL)を超えることのないように静止型電力変換装置4のインバータは推進装置用電動機5の回転速度を制御する。このようにして、電力制限信号18sは発電機1が最適効率となるように演算される。
図6は、実施形態1による船舶用電気推進システムの作用を説明するためのタイムチャートである。
図6において、時刻t1で発電機1を起動し船内負荷14に電力の供給を始め、発電機出力電力Pgは船内負荷消費電力PLを賄う大きさになる。船内電力は発電機出力電力によって供給されることから、その他の負荷が無く、各機器損失を無視すると、Pg=PLが成立する。
次に、時刻t3で操舵室に設けられている「速度設定操作ハンドル」を「増速(前進方向及び後進方向)」側に操作すると、回転速度設定器8の目標回転速度8sが増加するので、静止型電力変換装置4のインバータを経て推進用電動機5に供給される推進負荷電力(Pm)が増加する。これに伴って原動機2のガバナが動作して発電機出力電力Pgがさらに増加する。このとき、各機器の損失を無視すると、Pg=PL+Pmが成立する。
時刻t3〜t4の間ではPg≦Pgrなので、推進用電動機5に対する電力制限は無く、推進機用電動機5の回転速度は、回転速度設定器8の出力信号と回転速度検出器7の出力信号によりフィードバック制御により求められた指示値になる。
その後、時刻t4になると、発電機出力電力Pgが発電機最適出力Pgrに到達するので、電力制限値設定器18により静止型電力変換装置4の出力を制限して推進装置用電動機5に供給する推進負荷電力(Pm)を制限する。推進装置用電動機5への電力の出力制限は、発電機出力電力Pgが発電機最適出力Pgrより低下する時刻t5まで継続する。この時刻t4〜t5間では前述のように推進装置用電動機5への出力制限が行われるので、推進装置用電動機5の回転速度は低下し、プロペラ6の推進力は下がるが、発電機1は最高効率で運転される。
時刻t5以降は船内負荷14の消費電力が減少したため、原動機2のガバナが動作して発電機出力電力Pgを下げる。このとき、推進負荷電力(Pm)への制限が解除されるので、推進負荷によってPmが変化する。
なお、推進装置用電動機5で使用する上限の電力量は、以上述べた説明から明らかなように、Plim=Pgr−PLにより求められるが、発電機1が複数台運転している場合はPgr=Pgr1+Pgr2+・・・+PgrNとして算出すればよい。ここで、Pgr1:第1の発電機の最適効率時の出力電力、Pgr2:第2の発電機の最適効率時の出力電力、PgrN:第Nの発電機の最適効率時の出力電力である。
また、Plim<Pgの場合であっても、回転速度検出器7の出力信号が図5に示すようにプロペラ負荷特性(P∝N)からPlimに制限するための回転速度Nlim以下の場合は上記と同様に回転速度設定器8の出力信号と回転速度検出器7の出力信号によりフィードバック制御する。
さらに、Plim<Pgの場合で回転速度設定器8の出力信号がNlimよりも大きい場合は目標回転速度はNlimに制限され、Nlimと回転速度検出器7の出力信号によりフィードバック制御する。
(効果)
以上述べたように、本実施形態1によれば、事前に測定されている発電機最適出力Pgrと、運転中に測定された発電機出力電力Pgとを発電機出力電力偏差検出器18-2で比較して発電機出力電力Pgが発電機最適出力Pgrを超えている(Pg>Pgr)と判定されたときは、電力制限値信号切換器18-によって、発電機最適出力Pgrから船内負荷消費電力PLを減算して求められた電力制限値(Plim=Pgr−PL)を推進装置用電動機5で使用する電力Pmの上限値になるように推進装置用電動機5を運転するようにしたので、発電機(ACG)1を最適な運転効率ηで運転することができる。
[実施形態2]
以下、図7乃至図9を参照して本発明の実施形態2に係る船舶用電気推進システムについて説明する。
図7は本発明の実施形態2に係る船舶用電気推進システムのシステム構成図であり、図8は本実施形態2の回転速度制御器の一例を示すブロック線図、図9はプロペラの出力トルク(電動機の出力トルク)と回転速度との関係を示す特性図である。
本実施形態2は、前述した実施形態1のように静止型電力変換装置4のインバータにより推進装置用電動機5の速度制御するシステムであって、推進装置用電動機の消費電力の制限を静止型電力変換装置4にトルク制限を与えることで実現するものである。
図7において、9Bは回転速度制御器であり、詳細を図8で示すように図2の回転速度制御器9Aと同様、指令値とフィードバック信号との偏差を演算する加算部9-1と、偏差に基づいて制御信号を生成する回転速度指令調節部9-2とを備えるとともに、新たに加算部9-1の前段に第2の回転速度設定調節器9-4を設けるように構成されている。
この新たに設けた回転速度設定調節器9-4とは、後述する図9に記載されているプロペラ6の任意の回転速度Nと、その回転速度Nにて出力可能な推進装置用電動機5のトルクTとの関係特性を実験等で事前に求めておき、後述するトルク制限値設定器20からのトルク制限値20s(Tlim)と回転速度設定器8からの速度指令値8sとを入力してトルク制限値Tlimに対応する回転速度値を回転速度指令値9-4sとして出力するように構成された制御要素である。
図9はプロペラの出力トルク(電動機の出力トルク)と回転速度との関係を示す図である。図5で説明した記号と同じ記号については説明を省略する。T100は定格負荷時のトルク、Tlimは制限するトルクである。
加算部9-1はこの回転速度指令値9-4sと回転速度検出器7からのフィードバック信号7sとの偏差を演算し、回転速度指令調節部9-2を経て静止型電力変換装置4のインバータに制御信号9Bsを出力する。
20はトルク制限値設定器であり、事前に制限すべきトルク値を定めている。
本実施形態2では、このトルク制限値設定器20から出力される出力信号20sと、回転速度設定器8の出力信号8sと、回転速度検出器7の出力信号7sとを前記回転速度制御器9Bに入力し、回転速度設定調節器9-4によってトルク制限値設定器20の設定値20sと回転速度設定器8の出力信号8sとから求められた回転速度指令値9-4sと回転速度検出器7の実回転速度信号7sとを用いてフィードバック制御を行い、静止型電力変換装置4で推進装置用電動機5を駆動し、プロペラ6を回転させる。この時、回転速度制御器9Bでは図9に示すようにプロペラのトルクと回転速度の関係(T∝N)から、トルクを制限するために目標回転速度を制限する。
尚、トルク制限値Tlimは複数種類切換えが可能な構成であってもよい。
トルク制限値の切換は固定値であるため、Pgの変動パターン(負荷変動パターン)が複数ある場合(例えば補機用電動機や冷凍機運転等の特定の変動があるもの)に対し、複数種類切換えることで最適な発電機効率となるように運転できる。
以上に述べたように、本実施形態2によれば、実施形態1のように発電機および負荷の電力を検出する代わりに、トルク制限値設定器20によるトルク制限を行うことで、実施形態1と同様に推進装置用電動機で消費する電力を制限することが可能となる。
1…発電機、2…原動機、3…船内母線、4…静止型電力変換装置、5…推進装置用電動機、6…プロペラ、7…回転速度検出器、8…回転速度設定器、9A,9B…回転速度制御器、11、15…変圧器、12、16…変流器、13、17…電力検出器、18…電力制限値設定器、18-1,18-3…加算器、18-4…発電機出力電力偏差検出器、18-5…電力制限値切換器、18-6…制限値100%設定器、18-7…フィルタ回路、20…トルク制限値設定器。

Claims (2)

  1. 原動機によって駆動され交流電力を船内母線に供給する発電機と、
    前記船内母線に接続され前記発電機から出力された交流電力を周波数変換し交流電力を出力するインバータを備えた電力変換装置と、
    前記電力変換装置のインバータから出力される交流電力によって駆動される推進装置用電動機と、
    前記推進装置用電動機によって駆動されるプロペラと、
    前記推進装置用電動機の目標回転速度を設定する回転速度設定器と、
    前記推進装置用電動機の回転速度を検出する回転速度検出器と、
    前記回転速度設定器で設定された目標回転速度と前記回転速度検出器で検出された実回転速度を入力し前記推進装置用電動機の回転速度が目標回転速度となるように前記電力変換装置に制御信号を出力する回転速度制御器と、
    前記船内母線から電力を供給される船内負荷とを備えた船舶用電気推進システムにおいて、
    前記発電機の出力電力を検出する第1の電力検出器と、
    前記船内負荷の消費電力を検出する第2の電力検出器と、
    前記第1の電力検出器で検出された発電機出力電力、第2の電力検出器で検出された船内負荷の消費電力および予め測定している前記発電機最適出力電力を入力し、発電機出力電力が発電機最適出力電力を超えているときは、前記推進装置用電動機で使用する電力の上限値を前記発電機最適出力電力から船内負荷の消費電力を減算して求められた電値となるように前記回転速度制御器から電力変換装置へ出力される制御信号を制限する電力制限値信号を前記回転速度制御器へ出力し、発電機の出力電力が発電機の最適出力電力を超えていないときは、前記回転速度制御器から電力変換装置へ出力される制御信号に制限を与えない電力制限値設定器と、
    備えたことを特徴とする船舶用電気推進システム。
  2. 前記電力制限値設定器は、発電機出力電力が発電機最適出力電力を超えているか否かを判定する発電機出力電力偏差検出器と、
    当該発電機出力電力偏差検出器によって発電機の出力電力が発電機最適出力電力を超えていると判定された場合、発電機の最適出力電力から船内負荷の消費電力を減算して求められる電力値に基づいた電力制限値信号を選択出力し、前記発電機出力電力偏差検出器によって発電機の出力電力が発電機最適出力電力を超えていないと判定された場合、制限値なしの信号を選択出力し、フィルタ回路を経て前記回転速度制御器に電力制限値信号として出力する電力制限値信号切換器と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の船舶用電気推進システム。
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