以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1には、本実施の形態に係る画像形成システム5の全体構成が示されている。
同図に示すように、画像形成システム5は、デジタル複写機として構成された画像形成装置10と、当該画像形成装置10に接続され、記録用紙Pを供給する外付けの給紙装置60と、を含んで構成されている。
画像形成装置10は、所定の読込位置に載置された原稿から画像を読み込み、当該画像を示す画像データを取得するスキャナ12と、スキャナ12により取得した画像データに基づき、記録用紙Pに対して画像形成処理を行う画像形成エンジン部14と、画像形成エンジン部14へ記録用紙Pを供給する給紙部16と、を備えている。
画像形成エンジン部14は、感光体ドラム20を備えている。感光体ドラム20は、図示しないモータ等の駆動手段の駆動力により所定の速度で同図矢印A方向に回転する。感光体ドラム20の同図右上方には、感光体ドラム20の周面を帯電させる帯電器22が設けられている。
帯電器22の同図左上方には光ビーム走査装置24が配置されている。光ビーム走査装置24は、画像データに基づき、帯電器22よりも帯電した感光体ドラム20の周面上に対して感光体ドラム20の軸線と平行に光ビームを走査させる。これにより、感光体ドラム20の周面上に静電潜像が形成される。
感光体ドラム20の同図左側方には現像器26が配置されている。現像器26は、現像ローラ26Aを備え、内部にトナーを貯留しており、現像ローラ26Aによって感光体ドラム20の周面上に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像する。
また、感光体ドラム20の同図下方には、無端の中間転写ベルト28が配設されている。この中間転写ベルト28は複数のローラ29に巻掛けられており、周面が感光体ドラム20の周面に接触するように配置されている。各ローラ29は、図示しないモータの駆動力が伝達され、感光体ドラム20の回転速度と同じ回転速度で中間転写ベルト28を同図矢印B方向に回転させる。
感光体ドラム20と中間転写ベルト28とが接触する位置の中間転写ベルト28に対して感光体ドラム20と反対側には、中間転写ベルト28を感光体ドラム20とで挟持するように転写器32が配設されている。感光体ドラム20の周面上の現像されたトナー像は、感光体ドラム20の回転により中間転写ベルト28と接触する転写位置になると、転写器32によって中間転写ベルト28に転写される。
感光体ドラム20の周面上の転写位置よりも回転方向下流には、感光体ドラム20の周面を除電する機能及び周面上に残留している不要トナーを除去する機能を備えた除電・清掃器30が配置されている。中間転写ベルト28への転写後、感光体ドラム20の周面のうち転写されたトナー像を担持していた領域は、除電・清掃器30によって清掃される。
一方、給紙部16は、複数(本実施の形態では4つ)の給紙トレイ34を備えている。各給紙トレイ34は、内部の仕切り部材等の位置を調整することによって収納する記録用紙Pのサイズを変更することが可能とされており、各給紙トレイ34内には記録用紙Pが複数枚積層された状態で収納されている。各給紙トレイ34には、収納された記録用紙Pのサイズの検出するための複数のメカニカルスイッチ(不図示。)が設けられている。この複数のメカニカルスイッチは、収納された記録用紙Pに当接されることにより、当該記録用紙Pのサイズに応じてオン、オフ状態の組み合わせが変わるように配置されており、各メカニカルスイッチのオン、オフ状態の組み合わせに応じて収納されている記録用紙Pのサイズを検出することができる。
各給紙トレイ34の同図左斜め上方には取り出しローラ36が配置されている。また、各給紙トレイ34の取り出しローラ36による記録用紙Pの取り出し方向下流側には、複数のローラ対38が順に配置されている。各給紙トレイ34の最も上に載置されている記録用紙Pは、取り出しローラ36が回転することにより給紙トレイ34から取り出され、複数のローラ対38によって搬送経路40を介して、転写されたトナー像と同期した状態で中間転写ベルト28の配設部位へ搬送される。
また、画像形成装置10の同図左側面中央部には、手差しで記録用紙Pを搬入するための手差しトレイ42が設けられている。この手差しトレイ42の同図右斜め上方には取り出しローラ44が配置されている。手差しトレイ42に載置された記録用紙Pは、取り出しローラ44及びローラ対38により搬送経路40上に案内され、搬送経路40を介して中間転写ベルト28の配設部位へ搬送される。
また、画像形成装置10の同図左側面下部には、給紙装置60から供給される記録用紙Pを受け入れる用紙受入口46が設けられている。用紙受入口46より受け入れた記録用紙Pは、ローラ対38により、2段目の給紙トレイ34からの記録用紙Pが搬送経路40に合流する部分に案内され、搬送経路40を介して中間転写ベルト28の配設部位へ搬送される。
一方、中間転写ベルト28を挟んで、最も下方のローラ29の反対側には転写器48が配置されている。搬送経路40を介して中間転写ベルト28の配設部位へ搬送された記録用紙Pは、中間転写ベルト28と転写器48の間に送り込まれ、転写器48によって中間転写ベルト28上のトナー像が転写される。転写器48よりも記録用紙Pの搬送方向下流側には、2個のローラ50に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト52が設けられている。トナー像が転写された記録用紙Pは、搬送ベルト52によって定着器54の配設部位に搬送され、定着器54によって溶融定着された後に画像形成装置10外へ排出され、図示しない排紙トレイ上に載置される。
また、画像形成装置10は、両面記録用の反転経路56を備えている。反転経路56は、複数のローラ対58で構成されており、片面に画像が記録された記録用紙Pが、反転経路56で反転されて再び中間転写ベルト28の配設部位に搬送される。これにより、記録用紙Pの両面に画像を記録することが可能とされている。
一方、給紙装置60は、第1給紙ユニット62及び第2給紙ユニット64を備えている。第1給紙ユニット62及び第2給紙ユニット64の上部は、連結ユニット66により連結されており、連結ユニット66の同図右側面及び第1給紙ユニット62の同図右側面は接続ユニット68と接続されている。
接続ユニット68には、画像形成装置10に設けられた用紙受入口46に対応する位置に用紙供給口71が設けられている。給紙装置60は、用紙供給口71が用紙受入口46と向かい合うように配置されている。
第1給紙ユニット62及び第2給紙ユニット64には、各々複数(本実施の形態では2つ)の給紙トレイ70が設けられている。各給紙トレイ70も、内部に備えられた仕切り部材等の位置を調整することによって異なるサイズの記録用紙Pを収納することが可能とされており、各給紙トレイ70内には記録用紙Pが複数枚積層された状態で収納されている。また、各給紙トレイ70には、上述した給紙トレイ34と同様に、収納された記録用紙Pのサイズの検出するための複数のメカニカルスイッチ(不図示。)が設けられている。
第1給紙ユニット62及び第2給紙ユニット64の各給紙トレイ70の同図右斜め上方には取り出しローラ72が配置されている。第1給紙ユニット62の取り出しローラ72による記録用紙Pの取り出し方向下流側には複数のローラ対74が順に配置されており、第2給紙ユニット64の取り出しローラ72による記録用紙Pの取り出し方向下流側には複数のローラ対76及びローラ対74が順に配置されている。
第1給紙ユニット62の各給紙トレイ70の最も上に載置されている記録用紙Pは、取り出しローラ72が回転することにより給紙トレイ70から取り出され、複数のローラ対74によって接続ユニット68に設けられた搬送経路80を介して用紙供給口71へ搬送される。
これに対し、第2給紙ユニット64の各給紙トレイ70の最も上に載置されている記録用紙Pは、取り出しローラ72が回転することにより給紙トレイ70から取り出され、複数のローラ対76及びローラ対74によって、連結ユニット66に設けられた搬送経路82を介して接続ユニット68に設けられた搬送経路80に合流し、搬送経路80を介して用紙供給口71へ搬送される。
この用紙供給口71に搬送された記録用紙Pは、用紙受入口46を通して画像形成装置10に供給され、ローラ対38によって搬送経路40を介して中間転写ベルト28の配設部位へ搬送される。
また、給紙装置60は、搬送経路80上の用紙供給口71よりも搬送方向上流側に第1用紙検出センサ84が配置され、搬送経路82上の搬送経路80との合流点より搬送方向上流側に第2用紙検出センサ86が配置されている。第1用紙検出センサ84及び第2用紙検出センサ86は、向かい合う位置に記録用紙Pが存在するか否かを検出しており、記録用紙Pの有無を示す信号を出力する。
次に、図2を参照して、画像形成装置10及び給紙装置60の動作を制御する電気系の腰部構成について説明する。
同図に示すように、画像形成装置10は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)100と、各種データを一時的に記憶するRAM102と、装置全体を制御する制御プログラムを含む各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM104と、各種の操作画面を表示する液晶表示パネル等の表示装置106に接続されて当該表示装置106を制御する表示制御部108と、ユーザからの各種の操作指示が入力される操作パネル110に接続されて当該操作パネル110に対する操作を検出する操作入力検出部112と、を備えている。
また、画像形成装置10は、上述したスキャナ12による光学的な画像の読み取り動作を制御するスキャナドライバ114と、上述した画像形成エンジン部14による画像形成処理を制御する画像形成エンジン制御部116と、各給紙トレイ34に設けられた図示しない各メカニカルスイッチと電気的に接続され、当該メカニカルスイッチのオン、オフ状態の組み合わせから各給紙トレイ34に収納された記録用紙Pのサイズを検出する用紙サイズ検出部118と、各取り出しローラ36や各ローラ対38,58等を回転駆動させる図示しないモータを制御して記録用紙Pの搬送を制御する搬送制御部120と、所定のインタフェース規格に対応し、給紙装置60と電気的に接続された外部装置インタフェース部(以下、「外部装置I/F部」という。)122と、を備えている。
CPU100、RAM102、ROM104、表示制御部108、操作入力検出部112、スキャナドライバ114、画像形成エンジン制御部116、用紙サイズ検出部118、搬送制御部120、及び外部装置I/F部122は、システムバスBUS1を介して相互に接続されている。従って、CPU100は、RAM102及びROM104へのアクセスと、表示制御部108を介した表示装置106への操作画面、各種メッセージ等の各種情報の表示の制御と、スキャナドライバ114を介したスキャナ12の作動の制御と、画像形成エンジン制御部116を介した画像形成エンジン部14の作動の制御と、搬送制御部120を介した各給紙トレイ34から中間転写ベルト28の配設部位への記録用紙Pの搬送の制御と、を各々行うことができる。また、CPU100は、操作入力検出部112により検出された操作情報に基づく、操作パネル110に対する操作の把握と、用紙サイズ検出部118により検出される、各給紙トレイ34に収納されている記録用紙Pのサイズの把握と、を各々行うことができる。さらに、CPU100は、外部装置I/F部122を介した給紙装置60への各種情報の送信、及び給紙装置60からの各種情報の受信を行うことができる。
一方、給紙装置60は、装置全体の動作を司るCPU140と、各種データを一時的に記憶するRAM142と、装置全体を制御する制御プログラムを含む各種プログラムや各種パラメータ、各種テーブル等が予め記憶されたROM144と、後述する搬送枚数記憶テーブルが記憶された不揮発性メモリ146と、各給紙トレイ70に設けられた図示しない各メカニカルスイッチと電気的に接続され、当該メカニカルスイッチのオン、オフ状態の組み合わせから各給紙トレイ70に収納された記録用紙Pのサイズを検出する用紙サイズ検出部148と、取り出しローラ72や各ローラ対74,76等を回転駆動させる図示しないモータを制御して記録用紙Pの搬送を制御する搬送制御部150と、上記外部装置I/F部122と電気的に接続された外部装置I/F部152と、を備えている。
CPU140、RAM142、ROM144、不揮発性メモリ146、用紙サイズ検出部148、搬送制御部150、及び外部装置I/F部152は、システムバスBUS2を介して相互に接続されている。従って、CPU140は、RAM142、ROM144、及び不揮発性メモリ146へのアクセスと、搬送制御部150を介した各給紙トレイ70から用紙供給口71への記録用紙Pの搬送の制御と、を各々行うことができる。また、CPU140は、用紙サイズ検出部118により検出される、各給紙トレイ70に収納されている記録用紙Pのサイズの把握を行うことができる。さらに、CPU140は、外部装置I/F部152を介した画像形成装置10への各種情報の送信、及び画像形成装置10からの各種情報の受信を行うことができる。
また、システムバスBUS2には、第1用紙検出センサ84及び第2用紙検出センサ86が接続されている。従って、CPU140は、搬送経路80上の第1用紙検出センサ84の位置に対応する位置、及び搬送経路82上の第2用紙検出センサ86の位置に対応する位置に各々記録用紙Pが存在するか否かを把握することができる。
次に、本実施の形態に係る画像形成システム5の作用を説明する。
図3には、画像形成装置10と給紙装置60との間で交換される情報のやりとりを示すデータフローダイヤグラムが示されている。
同図に示すように、画像形成装置10は、装置本体の電源がオンされると、装置本体に備えられた各種機器の初期起動動作を実行し、かつ、装置本体に備えられた各給紙トレイ34に収納されている記録用紙Pのサイズを検出すると共に、給紙装置60に対して機能通知指示D1を送信する。
給紙装置60は、画像形成装置10から機能通知指示D1を受信すると、給紙装置情報通知処理を実行する。
ここで、図4を参照して、給紙装置情報通知処理が実行される際の給紙装置60の作用を説明する。なお、図4は、このとき、給紙装置60のCPU140によって実行される給紙装置情報通知処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM144の所定領域に予め記憶されている。
同図のステップ200では、用紙サイズ検出部148を制御して、各給紙トレイ70に収納されている記録用紙Pのサイズを検出し、各給紙トレイ70に収納されている記録用紙Pのサイズを示す給紙トレイ用紙サイズ情報を給紙トレイ70毎にRAM142に記憶する。
次のステップ202では、RAM142に記憶されている給紙トレイ70毎の給紙トレイ用紙サイズ情報と、記録用紙Pを搬送経路80上の第1用紙検出センサ84により検出される位置や搬送経路82上の第2用紙検出センサ86により検出される位置に予め搬送して停止させることによって、1枚目の記録用紙Pに画像が記録されて出力されるまでの時間を短縮する機能である出力時間短縮機能を有することを示す情報と、を給紙装置情報D2(図3も参照。)として画像形成装置10に送信し、本給紙装置情報通知処理プログラムを終了する。
画像形成装置10のCPU100は、給紙装置60から給紙装置情報D2を受信すると、表示制御部108を制御して、給紙装置情報D2に含まれる給紙トレイ用紙サイズ情報により示される、給紙装置60の各給紙トレイ70に収納された記録用紙Pのサイズ、及び画像形成装置10本体の各給紙トレイ34に収納されている記録用紙Pのサイズを、表示装置106の操作画面に複写対象の用紙サイズとして選択可能な状態で表示させると共に、当該操作画面に出力時間短縮機能を使用するか否かを選択可能な状態で表示させる。
ユーザは、出力時間短縮機能を使用する場合、操作パネル110に対して出力時間短縮機能を使用する旨を示す選択操作を行ない、出力時間短縮機能を使用しない場合、操作パネル110に対して出力時間短縮機能を使用しない旨を示す選択操作を行う。
これに応じて画像形成装置10のCPU100は、図3に示すように、操作パネル110に対する操作結果に基づいて、給紙装置60に対して出力時間短縮機能を使用するか否か示す機能使用情報D3を送信する。
給紙装置60は、画像形成装置10から機能使用情報D3を受信すると、当該機能使用情報D3をRAM142の所定領域に記憶する。
ここで、ユーザは、複写を行う場合、原稿をスキャナ12の所定の読込位置に載置し、操作パネル110を介して複写対象とする記録用紙Pのサイズ及び複写する枚数を指定し、複写開始の指示操作を行う。
これに応じて画像形成装置10のCPU100は、スキャナドライバー46を制御してスキャナ12によって原稿の読み込みを開始させると共に、複写対象とするサイズの記録用紙Pが給紙装置60の何れかの給紙トレイ70に収納されている場合、図3に示すように、複写対象とする記録用紙Pのサイズを示す搬送用紙サイズ情報及び複写する枚数を示す枚数情報を含んだ用紙条件情報D4を給紙装置60に対して送信する。また、CPU100は、画像形成エンジン部14が、例えば定着器54の温度を低下させて電力消費を抑える等の省電力モード等となっていた場合、画像形成エンジン制御部116を制御して通常駆動モードへ復帰させる。
給紙装置60のCPU140は、用紙条件情報D4を受信すると、準備搬送処理を実行する。
ここで、図5を参照して、準備搬送処理が実行される際の給紙装置60の作用を説明する。なお、図5は、このとき、給紙装置60のCPU140によって実行される準備搬送処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM144の所定領域に予め記憶されている。
同図のステップ250では、画像形成装置10から受信した用紙条件情報D4に含まれる枚数情報をRAM142の所定記憶領域に記憶させる。
次のステップ252では、RAM142に記憶されている上述した給紙トレイ70毎の給紙トレイ用紙サイズ情報に基づき、用紙条件情報D4に含まれる搬送用紙サイズ情報により示されるサイズの記録用紙Pが収納された給紙トレイ70を特定する。なお、当該サイズの記録用紙Pを収納されている給紙トレイ70が複数存在する場合、不揮発性メモリ146に記憶されている搬送枚数記憶テーブルに基づき、記録用紙Pの搬送対象とする給紙トレイ70を特定する。
ここで、図6には、本実施の形態に係る搬送枚数記憶テーブルのデータ構造の一例が模式的に示されている。
同図に示されるように、搬送枚数記憶テーブルには、給紙トレイ70毎に搬送された記録用紙Pの累積搬送枚数が記憶されている。
各給紙トレイ70は、記録用紙Pを搬送した累計搬送枚数が多いほど、取り出しローラ36等が磨耗し、記録用紙Pの搬送速度が低下する傾向があり、記録用紙Pの累計搬送枚数が少ない給紙トレイ70は、記録用紙Pの搬送速度の低下が少ない。
このため、本ステップ252では、同じサイズの記録用紙Pを収納した給紙トレイ70が複数存在する場合、記録用紙Pの累計搬送枚数が最も少ない給紙トレイ70を、記録用紙Pの搬送対象とする給紙トレイ70と特定する。
次のステップ254では、RAM142に記憶されている機能使用情報D3に基づいて出力時間短縮機能を使用する指定がなされているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ256へ移行する一方、否定判定となった場合は本準備搬送処理プログラムを終了する。
ステップ256では、上述したステップ252において特定した給紙トレイ70が第1給紙ユニット62のものである場合、搬送制御部150を制御して、各ローラ対74を回転させ、特定した給紙トレイ70が第2給紙ユニット64のものである場合、搬送制御部150を制御して、各ローラ対74,76を回転させ、さらに、特定した給紙トレイ70に配置された取り出しローラ72を回転させて当該給紙トレイ70から1枚目の記録用紙Pの搬送を開始させる。
次のステップ258では、第1用紙検出センサ84により記録用紙Pが検出されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ260へ移行する一方、否定判定となった場合は第1用紙検出センサ84により記録用紙Pが検出されるまで検出待ちを行う。すなわち、1枚目の記録用紙Pが搬送されて、当該記録用紙Pの先端が搬送経路80上の第1用紙検出センサ84により検出される位置に到達すると、本ステップ258は肯定判定となる。
ステップ260では、上述したステップ252において特定した給紙トレイ70が第1給紙ユニット62のものであるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ262へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ264へ移行する。
ステップ262では、搬送制御部150を制御して回転中の各ローラ対74,76の回転を停止させることにより、全ての記録用紙Pの搬送を停止させて、本準備搬送処理プログラムを終了する。
一方、ステップ264では、搬送制御部150を制御して搬送経路80上の各ローラ対74の回転を停止させることにより、搬送経路80上の記録用紙Pの搬送を停止させる。
次のステップ266では、RAM142に記憶されている枚数情報に基づき、指定された複写する枚数が2枚以上であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ268へ移行し、否定判定となった場合は上述したステップ262へ移行して、各ローラ対76の回転を停止させる。
次のステップ268では、搬送制御部150を制御して、ステップ252において特定した給紙トレイ70に配置された取り出しローラ72を回転させて当該給紙トレイ70から2枚目の記録用紙Pの搬送を開始させる。
次のステップ270では、第2用紙検出センサ86により記録用紙Pが検出されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ272へ移行する一方、否定判定となった場合は2枚目の記録用紙Pが第2用紙検出センサ86により検出されるまで検出待ちを行う。すなわち、2枚目の記録用紙Pが搬送されて、当該記録用紙Pの先端が搬送経路82上の第2用紙検出センサ86により検出される位置に到達すると、本ステップ270は肯定判定となる。
次のステップ272では、搬送制御部150を制御して搬送経路82上の各ローラ対76の回転を停止させることにより、2枚目の記録用紙Pの搬送を停止させて、本準備搬送処理プログラムを終了する。
すなわち、給紙装置60では、上述した準備搬送処理が実行されると、搬送用紙サイズ情報により示されるサイズの記録用紙Pを収納した給紙トレイ70が第1給紙ユニット62のものである場合、及び当該給紙トレイ70が第2給紙ユニット64のものであり、かつ複写する枚数が1枚の場合、1枚目の記録用紙Pが、当該記録用紙Pの先端が第1用紙検出センサ84により検出される位置まで搬送されて停止する。また、搬送用紙サイズ情報により示されるサイズの記録用紙Pを収納した給紙トレイ70が第2給紙ユニット64のものであり、かつ複写する枚数が2枚以上の場合、1枚目の記録用紙Pが、当該記録用紙Pの先端が第1用紙検出センサ84により検出される位置まで搬送されて停止し、2枚目の記録用紙Pが、当該記録用紙Pの先端が第2用紙検出センサ86により検出される位置まで搬送されて停止する。
一方、画像形成装置10のCPU100は、スキャナ12によって原稿の読み込みが行われて画像データが取得され、かつ画像形成エンジン部14が通常駆動モードに復帰すると、図3に示すように、給紙装置60に対して記録用紙Pの搬送開始を指示する搬送開始指示情報D5を送信する。
給紙装置60のCPU140は、搬送開始指示情報D5を受信すると、搬送制御部150を制御して搬送経路80及び搬送経路82上に停止している記録用紙Pから順に、上述したステップ252において特定した給紙トレイ70に収納されている記録用紙Pを、RAM142に記憶されている枚数情報により示される複写する枚数だけ、用紙供給口71を通して画像形成装置10へ供給する。そして、CPU140は、搬送した枚数に応じて、不揮発性メモリ146に記憶された搬送枚数記憶テーブルに記憶されている、特定した給紙トレイ70の累積搬送枚数を更新する。
画像形成装置10のCPU100は、スキャナ12により取得した画像データに基づき、画像形成エンジン制御部116を制御して画像形成エンジン部14により画像形成処理を行わせ、感光体ドラム20上に複写する枚数分のトナー像を順次形成させ、中間転写ベルト28を感光体ドラム20の回転速度と同じ回転速度で回転させて、感光体ドラム20上に形成されたトナー像を中間転写ベルト28に順次転写させる。
また、画像形成装置10のCPU100は、搬送制御部120を制御して各ローラ対38を回転させ、用紙受入口46を通して順次供給される記録用紙Pを搬送経路40を介して中間転写ベルト28の配設部位へ搬送する。中間転写ベルト28の配設部位へ搬送された記録用紙Pは、中間転写ベルト28と転写器48の間に送り込まれ、転写器48によって中間転写ベルト28上のトナー像が転写される。トナー像が転写された記録用紙Pは、搬送ベルト52によって定着器54に搬送され、定着器54によってトナー像が溶融定着された後に、画像形成装置10外へ排出される。
ところで、ユーザは、上述の画像形成処理中に、例えば、記録用紙Pに形成された画像の確認を行うために、操作パネル110に対して一時停止(ストップ)の指示操作を行う場合がある。
画像形成装置10のCPU100は、操作パネル110に対して一時停止の指示操作が行なわれると、図3示すように、給紙装置60に対して記録用紙Pの搬送の一時停止を指示する搬送一時停止指示情報D6を送信する。すなわち、CPU100は、画像形成装置10が正常に動作可能な状態で画像形成処理を一時的に停止させるために記録用紙Pの搬送を一時的に停止させる場合、搬送一時停止指示情報D6を送信する。
給紙装置60のCPU140は、搬送一時停止指示情報D6を受信すると、搬送一時停止処理を実行する。
ここで、図7を参照して、搬送一時停止処理が実行される際の給紙装置60の作用を説明する。なお、図7は、このとき、給紙装置60のCPU140によって実行される搬送一時停止処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM144の所定領域に予め記憶されている。
同図のステップ300では、画像形成装置10への記録用紙Pの搬送中であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ302へ移行する一方、否定判定となった場合は記録用紙Pが搬送されていないため、本搬送一時停止処理プログラムを終了する。
ステップ302では、RAM142に記憶されている機能使用情報D3に基づいて出力時間短縮機能を使用する指定がなされているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ304へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ310へ移行する。
次のステップ304では、第1用紙検出センサ84により記録用紙Pが検出されていない未検出状態であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ306へ移行する一方、否定判定となった場合は第1用紙検出センサ84により検出された記録用紙Pが搬送されて、第1用紙検出センサ84で記録用紙Pが検出されない未検出状態となるまで記録用紙Pの通過待ちを行う。
すなわち、給紙装置60が搬送一時停止指示情報D6を受信した時点で、記録用紙Pが第1用紙検出センサ84により検出される位置にすでに位置していた場合、当該記録用紙Pの通過待ちを行う。この通過した記録用紙Pは、画像形成装置10に供給される。
画像形成装置10は、操作パネル110に対して一時停止の指示操作が行われた場合、給紙装置60から供給される記録用紙Pにトナー像を転写することなく、そのまま画像形成装置10外へ排出する。
また、給紙装置60のCPU140は、この通過させた記録用紙Pの枚数(ここでは1枚)を、画像形成装置10に対して供給した枚数としてカウントしない。
ステップ306では、給紙トレイ70から次の記録用紙Pが搬送されて、第1用紙検出センサ84により記録用紙Pが検出されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ308へ移行する一方、否定判定となった場合は第1用紙検出センサ84により次の記録用紙Pが検出されるまで検出待ちを行う。
次のステップ308では、搬送されている記録用紙Pが第1給紙ユニット62の給紙トレイ70より搬送されているものであるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ310へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ312へ移行する。
ステップ310では、搬送制御部150を制御して回転中の各ローラ対74,76の回転を停止させることにより、全ての記録用紙Pの搬送を停止させて、本搬送一時停止処理プログラムを終了する。
一方、ステップ312では、搬送制御部150を制御して搬送経路80上の各ローラ対74の回転を停止させることにより、搬送経路80上の記録用紙Pの搬送を停止させる。
次のステップ314では、第2用紙検出センサ86により記録用紙Pが検出されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ316へ移行する一方、否定判定となった場合は2枚目の記録用紙Pが第2用紙検出センサ86により検出されるまで検出待ちを行う。
次のステップ316では、搬送制御部150を制御して搬送経路82上の各ローラ対76の回転を停止させることにより、搬送経路82上の記録用紙Pの搬送を停止させ、本搬送一時停止処理プログラムを終了する。
これにより、給紙装置60による記録用紙Pの搬送が停止され、画像形成処理が一時停止する。
ユーザは、画像形成処理の一時停止を解除して複写を再開させる場合、操作パネル110に対して再開の指示操作を行う。
これに応じて画像形成装置10のCPU100は、図3に示すように、給紙装置60に対して記録用紙Pの搬送開始を指示する搬送開始指示情報D7を送信する。
給紙装置60のCPU140は、記録用紙Pの搬送を一時停止している際に搬送開始指示情報D7を受信すると、搬送制御部150を制御して搬送経路80及び搬送経路82上に停止している記録用紙Pから順に、画像形成装置10への記録用紙Pの搬送を再開させる。
ところで、画像形成装置10は、例えば、装置内部で記録用紙Pの搬送不良(所謂、ジャム)が発生する場合があり、画像形成処理を緊急停止する必要がある場合がある。
画像形成装置10のCPU100は、画像形成処理を緊急停止する場合、図3に示すように、給紙装置60に対して記録用紙Pの搬送の緊急停止を指示する搬送緊急停止指示情報D8を送信する。すなわち、CPU100は、画像形成装置10に異常が発生して記録用紙Pの搬送を緊急で停止させる場合、搬送緊急停止指示情報D8を送信する。
給紙装置60のCPU140は、搬送緊急停止指示情報D8を受信すると、搬送制御部150を制御して各ローラ対74,76の回転を即時停止させて、全ての記録用紙Pの搬送を停止させる。
画像形成装置10のCPU100は、例えば、搬送不良により緊急停止していた場合、装置本体のカバーに設けられたインターロックスイッチにより、搬送不良となった記録用紙Pを除去するためにユーザによって装置本体のカバーが一旦開けられ、その後に閉じられたことを検出するなど、緊急停止を解除できる状態となったことを検出すると、図3に示すように、給紙装置60に対して搬送一時停止指示情報D9を送信し、その後、搬送開始指示情報D10を送信する。
給紙装置60のCPU140は、記録用紙Pの搬送を緊急停止している際に搬送一時停止指示情報D9を受信すると、搬送制御部150を制御して記録用紙Pの搬送を再開させ、上述した搬送一時停止処理プログラム(図7参照。)を実行して、緊急停止により搬送経路80上及び搬送経路82の何れかの位置に停止した記録用紙Pの先端を第1用紙検出センサ84及び第2用紙検出センサ86により検出される位置まで搬送して停止させる。
そして、給紙装置60のCPU140は、搬送開始指示情報D10を受信すると、搬送制御部150を制御して搬送経路80及び搬送経路82上に停止している記録用紙Pから順に、画像形成装置10への記録用紙Pの搬送を再開させる。
ところで、ユーザは、画像形成処理中や、画像形成処理の一時停止中、緊急停止中に、画像形成処理を中止するために操作パネル110に対して中止(キャンセル)の指示操作を行う場合がある。
画像形成装置10のCPU100は、操作パネル110に対して中止の指示操作が行なわれると、図3に示すように、給紙装置60に対して記録用紙Pの搬送の中止を指示する搬送中止指示情報D11を送信する。
給紙装置60のCPU140は、搬送中止指示情報D11を受信すると、搬送中止処理を実行する。
ここで、図8を参照して、搬送中止処理が実行される際の給紙装置60の作用を説明する。なお、図8は、このとき、給紙装置60のCPU140によって実行される搬送中止処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM144の所定領域に予め記憶されている。
同図のステップ400では、搬送制御部150を制御して搬送経路80及び搬送経路82上に設けられたローラ対74,76を所定時間回転させ、搬送経路80及び搬送経路82上に存在する全ての記録用紙Pを画像形成装置10へ搬送させて、本搬送中止処理プログラムを終了する。
この搬送された記録用紙Pは、画像形成装置10に供給される。
画像形成装置10は、操作パネル110に対して中止の指示操作が行われた場合、給紙装置60から供給される記録用紙Pにトナー像を転写することなく、そのまま画像形成装置10外へ排出する。
一方、給紙装置60のCPU140は、記録用紙PをRAM142に記憶されている枚数情報により示される複写する枚数だけ用紙供給口71を通して画像形成装置10へ供給した場合や、上述した搬送中止処理プログラムが終了した場合、記録用紙Pの供給が終了したことを示す搬送終了通知D12を画像形成装置10に対して送信する。
以上のように、第1の実施の形態によれば、画像形成装置10から記録用紙Pの搬送開始を指示する搬送開始指示情報D5が受信されるより前に、給紙トレイ70に収納された記録用紙Pを搬送経路上の所定位置(ここでは、搬送経路80上の第1用紙検出センサ84により検出される位置及び搬送経路82上の第2用紙検出センサ86により検出される位置)に予め搬送して停止させ、画像形成装置10から搬送開始指示情報D5を受信した際に、前記所定位置に停止した記録用紙Pから順に画像形成装置10へ搬送するように制御しているので、1枚目の記録用紙Pに画像が記録されて出力されるまでの時間を短縮することができる。
また、第1の実施の形態によれば、画像形成装置10へ記録用紙Pを連続的に搬送しているときに搬送緊急停止指示情報D8を受信した場合、記録用紙Pの搬送を即時停止させ、画像形成装置10へ記録用紙Pを連続的に搬送しているときに搬送一時停止指示情報D6を受信した場合、及び搬送緊急停止指示情報D8の受信により記録用紙Pの搬送を停止しているときに搬送一時停止指示情報D9を受信した場合、搬送経路80,82上に存在する記録用紙Pのうち、記録用紙Pの搬送方向下流側の先端が前記所定位置よりも搬送方向上流側に位置する記録用紙Pを前記所定位置に搬送して停止させ、記録用紙Pの搬送方向下流側の先端が前記所定位置及び前記所定位置よりも搬送方向下流側に位置する記録用紙Pを画像形成装置10へ搬送するように制御しているので、一時停止後の1枚目の記録用紙Pに画像が記録されて出力されるまでの時間を短縮することができる。
また、第1の実施の形態によれば、記録用紙Pが搬送経路80,82上に停止している状態で、搬送中止指示情報D11を受信した場合、搬送経路80,82上に存在する全ての記録用紙Pを画像形成装置10へ搬送するように制御しているので、搬送中止が指示された場合に搬送経路80,82上に記録用紙Pが残ることを防止できる。
また、第1の実施の形態によれば、RAM142に、各給紙トレイ70に収納されている記録用紙Pのサイズを示す給紙トレイ用紙サイズ情報を記憶し、当該給紙トレイ用紙サイズ情報に基づき、搬送対象とする記録用紙Pのサイズの記録用紙Pが収納された給紙トレイ70を特定し、当該給紙トレイ70に収納された記録用紙Pを前記所定位置に予め搬送して停止させているので、サイズの異なる記録用紙Pを収納した給紙トレイ70を複数備えた場合であっても、1枚目の記録用紙Pに画像が記録されて出力されるまでの時間を短縮することができる。
また、第1の実施の形態によれば、不揮発性メモリ146に搬送枚数記憶テーブルを記憶し、同一サイズの記録用紙Pを収納した給紙トレイ70が複数存在する場合、当該搬送枚数記憶テーブルに基づき、記録用紙Pの搬送速度の低下が最も少ない給紙トレイ70を特定し、当該給紙トレイ70に収納された記録用紙Pを前記所定位置に予め搬送して停止させているので、2枚目以降の記録用紙Pに画像が記録されて出力されるまでの時間を短縮することができる。また、出力時間短縮機能を使用しない場合であっても、記録用紙Pの搬送速度の低下が少ないため、1枚目の記録用紙Pに画像が記録されて出力されるまでの時間の長期化を抑制することができる。
また、第1の実施の形態によれば、記録用紙Pを前記所定位置に予め搬送して停止させる出力時間短縮機能を有することを画像形成装置10に通知し、画像形成装置10から出力時間短縮機能を使用するか否か示す機能使用情報D3をさらに受信し、受信された機能使用情報D3が出力時間短縮機能を使用することを示す場合にのみ、記録用紙Pを前記所定位置に予め搬送して停止させているので、ユーザが記録用紙Pを所定位置に予め搬送して停止させる機能を必要に応じて選択的に使用することができる。
[第2の実施の形態]
本第2の実施の形態では、記録用紙Pのサイズ及び記録用紙Pの紙質に応じて出力時間短縮機能を使用するか否かを自動的に判別する場合の形態例について説明する。なお、第2の実施の形態に係る画像形成システム5の構成は、上記第1の実施の形態(図1及び図2参照)と同一であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
ところで、図1に示されるように、給紙装置60の記録用紙Pの搬送経路80に屈曲部分が存在している場合、当該屈曲部分に記録用紙Pが停止すると、記録用紙Pの当該屈曲部分に対応する位置に曲がりぐせがついてしまう場合がある。この曲がりぐせのつきやすさは紙質によっても異なる。
そこで、本実施の形態に係る給紙装置60は、記録用紙Pのサイズ毎に出力時間短縮機能の使用の許可/不許可を示すサイズ別許可情報、及び記録用紙Pの紙質毎に出力時間短縮機能の使用の許可/不許可を示す紙質別許可情報をROM144に予め記憶している。
図9(A),(B)には、本実施の形態に係るサイズ別許可情報及び紙質別許可情報のデータ構造の一例が模式的に示されている。
図9(A)に示されるように、サイズ別許可情報には、記録用紙Pのサイズ毎に出力時間短縮機能の使用の許可/不許可が記憶されており、図9(B)に示されるように、紙質別許可情報には、記録用紙Pの紙質毎に出力時間短縮機能の使用の許可/不許可が記憶されている。
また、本実施の形態に係る給紙装置60は、各給紙トレイ70に収納された記録用紙Pのサイズ及び紙質を示す給紙トレイ別用紙情報を不揮発性メモリ146に記憶している。
図10には、本実施の形態に係る給紙トレイ別用紙情報のデータ構造の一例が模式的に示されている。
同図に示されるように、給紙トレイ別用紙情報には、給紙トレイ70毎に収納された記録用紙Pのサイズ及び紙質が記憶されている。この給紙トレイ別用紙情報は、各給紙トレイ70に収納された記録用紙Pのサイズ及び紙質をそれぞれ検出する検出手段を設け、当該検出手段の検出結果に基づき、作成されるものとしてもよく。また、給紙装置60に各給紙トレイ70に収納された記録用紙Pのサイズ及び紙質を入力する操作パネルを設けて、ユーザが当該操作パネルに対して入力した結果に基づき、作成されるものとしてもよく、また、ユーザが画像形成装置10の操作パネル110に対して給紙装置60に各給紙トレイ70に収納された記録用紙Pのサイズ及び紙質を入力するものとし、給紙装置60が当該入力された情報を画像形成装置10から受信して作成されるものとしてもよい。
給紙装置60は、用紙条件情報D4を受信した場合、給紙トレイ別用紙情報に基づいて複写対象とする記録用紙Pのサイズ及び紙質を求め、サイズ別許可情報及び紙質別許可情報において当該記録用紙Pのサイズ及び紙質での出力時間短縮機能の使用が許可されている場合にのみ、出力時間短縮機能を用いるようにしている。
次に、図11を参照して、第2の実施の形態に係る準備搬送処理プログラムが実行される際の給紙装置60の作用を説明する。なお、同図における図5と同一の処理には、同一の符号を付して、ここでの説明は省略し、異なる処理には、符号の最後に「A」を付して説明する。
ステップ253Aでは、給紙トレイ別用紙情報に基づき、特定した給紙トレイ70に収容されている記録用紙Pのサイズ及び紙質を求め、サイズ別許可情報及び紙質別許可情報に基づき、求めた記録用紙Pのサイズ及び紙質の両方において出力時間短縮機能の使用が許可されているかを判別する。
次のステップ254Aでは、ステップ253Aにおいて判別した結果、出力時間短縮機能の使用が共に許可されている場合はステップ256へ移行し、出力時間短縮機能の使用が許可されていない場合は本準備搬送処理プログラムを終了する。
以上のように第2の実施の形態によれば、記録用紙Pのサイズ毎及び紙質毎に、記録用紙Pを出力時間短縮機能の使用の許可/不許可を示す許可情報を予め記憶し、搬送対象とする給紙トレイ70に収納されている記録用紙Pのサイズ及び紙質の両方で出力時間短縮機能の使用が許可されているか否かを判別し、許可されている場合にのみ、給紙トレイ70に収納された記録用紙Pを前記所定位置に予め搬送して停止させているので、記録用紙Pに曲がりぐせがついてしまうことを防止できる。
なお、第1及び第2の実施の形態では、給紙装置60は複数の給紙トレイ70を備えた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、給紙トレイ70を1つのみ備えるものとしてもよい。この場合は、用紙条件情報D4を受信した際ではなく、例えば、装置本体の電源がオンされたタイミングなど搬送開始指示情報D5が受信されるより前の所定のタイミングで、給紙トレイ70に収納された記録用紙Pを予め搬送して停止させておけばよい。この場合も、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、第1及び第2の実施の形態では、記録用紙Pを予め停止させる位置毎に用紙検出センサを設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、1つの用紙検出センサ(例えば、図1の第1用紙検出センサ84)を設けて、当該用紙検出センサの位置を先頭ととして複数の記録用紙Pを搬送経路上に、画像形成装置10に供給するタイミングに応じた所定間隔で並べて停止させ、搬送開始指示情報D5を受信した際に、搬送経路上に停止している記録用紙Pを先頭から順に画像形成装置10へ搬送するものとしてもよい。この場合も、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、第2の実施の形態では、記録用紙Pのサイズ毎及び紙質毎に、記録用紙Pを出力時間短縮機能の使用の許可/不許可を示す許可情報を予め記憶する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録用紙Pのサイズ毎又は紙質毎の何れか一方のみで判別するものとしてもよい。この場合も、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、第1及び第2の実施の形態では、画像形成装置10をデジタル複写機とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、プリンタやデジタル複合機としてもよい。この場合も、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
その他、本実施の形態で説明した画像形成システム5の構成(図1参照)、画像形成システム5の電気系の構成(図2参照)は、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態で説明した給紙装置情報通知処理プログラム、準備搬送処理プログラム、搬送一時停止処理プログラム及び搬送中止処理プログラム(図4、図5、図7、図8及び図11参照。)の処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態で説明した搬送枚数情報、サイズ別許可情報、紙質別許可情報、給紙トレイ別用紙情報(図6、図9(A),(B)、及び図10参照。)のデータ構造も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。