JP5111519B2 - 真空容器の圧力制御方法および圧力制御装置 - Google Patents

真空容器の圧力制御方法および圧力制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、真空容器の圧力制御方法および圧力制御装置に関するものである。
半導体素子などを製造する場合、真空容器内で(すなわち、所定の真空度下で)反応ガスが供給されて半導体ウエハの表面にエッチングなどの処理が行われるが、品質の向上を図るためには、真空容器内の圧力制御を精度良く行う必要がある。
従来、このような半導体製造装置においては、真空容器にガスを供給するガス供給管にはマスフローメータが設けられるとともに、真空容器からガスを排出するガス排出管には、可変コンダクタンスバルブが設けられている。そして、真空容器に設けられた圧力計からの圧力が目標圧力となるように、上記バルブが制御されている(例えば、特開昭62−47719号公報参照)。
ところで、上記従来の圧力制御においては、圧力偏差がゼロとなるようにフィードバック制御が行われており、少なくとも、比例積分動作つまりPI制御が必要とされていた。
特に、I制御すなわち積分動作を必要とするため、設定圧力が変更された場合、リセット条件(例えば、偏差の大小に応じて、制御を効かすタイミングを変更するなどの条件)などの調整を必要とするとともにその制御構成についても複雑になるという問題がある。
そこで、本発明は、真空容器の圧力を制御する際に、その制御構成を簡単にし得る真空容器の圧力制御方法および圧力制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る真空容器の圧力制御方法は、気体の供給管路および排出管路が接続された真空容器と、上記排出管路に設けられて当該排出管路を開閉し得る真空バルブと、上記真空容器内の圧力を計測する圧力計と、真空バルブのバルブ開度を検出する開度検出器とが具備されてなる真空処理装置における上記真空容器の圧力を制御する圧力制御方法であって、
上記開度検出器により検出された真空バルブのバルブ開度から求められた推定排出ガス量を考慮したガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を計算にて求める第1ステップと、
この第1ステップで求められた計算圧力と上記圧力計にて計測された実際の真空容器の計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める第2ステップと、
この第2ステップで求められた推定流入ガス量に、目標とする設定圧力と計測圧力との圧力偏差に基づき得られる補正ガス量を加算して設定排出ガス量を求める第3ステップとを具備するとともに、
上記各ステップを所定周期毎に繰り返し実行し、
上記第3ステップで求められた設定排出ガス量となるように上記真空バルブのバルブ開度を制御するようになし、
且つ上記第1ステップにおいて、仮想真空容器での計算圧力を求める際に用いられるガス量については、推定排出ガス量を推定流入ガス量から減算させることにより得られたガス流量差を用いる方法である。
また、請求項2に係る真空容器の圧力制御装置は、気体の供給管路および排出管路が接続された真空容器と、上記排出管路に設けられて当該排出管路を開閉し得る真空バルブと、上記真空容器内の圧力を計測する圧力計と、真空バルブのバルブ開度を検出する開度検出器とが具備されてなる真空処理装置における上記真空容器の圧力を制御する圧力制御装置であって、
真空容器の目標となる圧力を設定する圧力設定部と、
上記開度検出器にて検出されたバルブ開度から求められた推定排出ガス量を考慮したガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を求めるとともに、この仮想真空容器の計算圧力と上記圧力計からの実際の真空容器における計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める流入ガス量推定部と、
上記圧力設定部からの設定圧力と上記圧力計からの計測圧力とを入力して圧力偏差を求める圧力減算部およびこの圧力減算部にて求められた圧力偏差を入力して所定ゲインを乗算して補正ガス量を求める比例制御部を有するガス量補正部と、
上記流入ガス量推定部で求められた推定流入ガス量と上記ガス量補正部で求められた補正ガス量とを加算して設定排出ガス量を求める加算部と、
この加算部で得られた設定排出ガス量および上記圧力設定部からの設定圧力を入力してバルブ開度を求めるバルブ開度計算部とを具備するとともに、
上記流入ガス量推定部において、ガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を求めるとともに、この仮想真空容器の計算圧力と上記圧力計からの実際の真空容器における計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める演算を所定周期毎に実行するようになし、
さらに上記流入ガス量推定部において、仮想真空容器での計算圧力を求める際に用いられるガス量として、推定排出ガス量を推定流入ガス量から減算させることにより得られたガス流量差を用いるようにしたものである。
さらに、請求項3に係る真空容器の圧力制御装置は、請求項2に記載の圧力制御装置における流入ガス量推定部に、
検出されたバルブ開度から真空バルブにおけるバルブ開度−コンダクタンスの特性曲線に基づき真空バルブのコンダクタンスを求めるコンダクタンス取得部と、このコンダクタンス取得部にて得られたコンダクタンスおよび圧力計からの計測圧力を入力して当該コンダクタンスに計測圧力を乗算することにより推定排出ガス量を求める乗算部と、この乗算部にて求められた推定排出ガス量を推定流入ガス量から減算してガス流量差を求めるガス量減算部と、このガス量減算部で求められたガス流量差を入力して仮想真空容器内の圧力を計算により求める圧力計算部と、この圧力計算部にて求められた計算圧力および圧力計からの計測圧力を入力して圧力差を求める圧力減算部と、この圧力減算部で求められた圧力差に所定ゲインを乗算して推定流入ガス量を求める増幅部とを具備したものである。
上記圧力制御方法および圧力制御装置によると、真空バルブのバルブ開度から得られた推定排出ガス量と推定流入ガス量とのガス流量差により求められた真空容器の計算圧力と、圧力計からの計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求め、この推定流入ガス量に、設定圧力に対する計測圧力の圧力偏差を用いて求められた補正ガス量を加算して設定排出ガス量を求め、この設定排出ガス量となるようにバルブ開度を制御するようにしたので、圧力に対するフィードバック制御を行うのに比例制御だけで済み、したがって比例積分制御におけるようなリセット条件などの調整を必要としないので、制御構成も簡単なものとなる。
すなわち、設定排出ガス量を得るために、設定圧力に追従させるフィードバック制御を行う際に、本来なら、PID制御、少なくともPI制御を必要とするのに対して、本発明の制御にて得られる推定流入ガス量は圧力偏差に対する積分動作(I制御)に対応するものであるため、比例制御だけで済むことになる。
本発明の実施の形態に係る真空容器および圧力制御装置の概略構成を示す模式図である。 同真空容器に設けられる真空バルブの要部平面図である。 同真空バルブにおけるバルブ開度と圧力との関係を示すグラフである。 同真空バルブにおけるバルブ開度とコンダクタンスとの関係を示すグラフである。 同圧力制御装置の概略構成を示すブロック図である。 同圧力制御装置における流入ガス量推定部の概略構成を示すブロック図である。 同圧力制御装置における補正ガス量計算部の概略構成を示すブロック図である。 同圧力制御装置におけるバルブ開度計算部の概略構成を示すブロック図である。 同圧力制御装置の概略構成を示す制御ブロック図である。 同圧力制御装置における要部構成を示す制御ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態に係る真空容器の圧力制御方法および圧力制御装置を、図1〜図10に基づき説明する。
なお、本実施の形態に係る真空容器は、例えば半導体素子などを製造する際に用いられるもので、具体的には、所定の真空度下でプラズマなどを発生させた状態で反応ガス(気体の一例)を供給して、被処理物である半導体ウエハに所定の表面処理を施すために用いられるものである。
まず、本発明における真空容器の圧力制御の基本的な考え方について説明しておく。
真空容器内の圧力は流入するガス量(以下、流入ガス量といい、供給ガス量でもある)と流出するガス量(流出ガス量と言えるが、以下、排出ガス量という)との差に依存しており、したがって圧力を一定値(所定値でもある)に維持するためには、排出ガス量が流入ガス量に等しくなるように制御すればよいことになる。
すなわち、流入ガス量を計測し、この計測された流入ガス量に等しい量だけ、ガスを排出すればよいのであるが、真空容器内において、例えばプラズマ中に流入したガスが反応を起こすと、新たにガスが生成するため、計測値を用いたとしても実際の流入ガス量とかけ離れた値になってしまう。このため、計測値を用いずに、真空バルブのバルブ開度(後述する)から推定される排出ガス量に基づく(言い換えれば、排ガス量を考慮した)ガス量を用いて計算モデル上での真空容器(以下、仮想真空容器という)内の圧力を計算にて求めるとともにこの計算による圧力(以下、計算圧力ともいう)と実際の真空容器(以下、実真空容器ともいう)での計測圧力との差に応じて求められる推定値としての流入ガス量を用いるようにしたものである。
まず、真空処理装置の概略全体構成を図1および図2に基づき説明する。
この真空処理装置は、内部に例えば半導体ウエハなどが供給されて所定の処理(例えば、エッチングなど)を行い得るとともに反応ガスの供給口2およびガスの排出口3を有する真空容器1と、上記供給口2に接続されて反応ガスを供給するためのガス供給管(気体の供給管路の一例)11と、上記排出口3に接続されるとともに円形の開口部5aを有する(言い換えれば、弁座を有する)バルブ本体5およびこの開口部5aを開閉し得る弁体6並びにこの弁体6を開閉させる駆動用モータ(駆動部の一例で、具体的には、ステッピングモータが用いられる)7からなる真空バルブ4と、一端部が上記真空バルブ4の吐出口に接続されるとともに他端部が真空ポンプ8に接続されたガス排出管(気体の排出管路の一例)12と、上記真空容器1内の圧力を制御するための圧力制御装置9とから構成されている。なお、真空バルブ4を排出口3に直接設けるように説明したが、勿論、ガス排出管12の途中に設けることもできる。
この圧力制御装置9は、真空容器1内の真空度すなわち圧力を計測する圧力計(必要に応じて複数個設けられるが、ここでは1個として説明する)21と、真空バルブ4の弁体6の開度(以下、バルブ開度ともいう)を検出する開度検出器(具体的には、駆動用モータの回転量を検出するエンコーダが用いられる)22と、上記圧力計21にて計測された計測圧力および開度検出器22にて検出されたバルブ開度(以下、実バルブ開度という)を入力して、真空容器1内の圧力を目標値(以下、設定圧力という)となるように真空バルブ4の駆動用モータ7を制御する制御装置本体23とから構成されている。
ここで、上記真空バルブ4の弁体6の動作について説明しておく。
この真空バルブ4としては、圧力制御と真空封止の両機能を有するものが用いられる(但し、圧力制御と真空封止との両機能を有するものに限定されない)。すなわち、この真空バルブ4の弁体6が円形状の開口部5aをスライドすることにより当該開口部5aにおけるガスの通過流量を制御し得るものである。そして、弁体6がその開口部5aを閉鎖した後(ここでは、一応、密閉状態ではないが、開口部全体を弁体で覆った状態という意味である)、さらに開口部5a周囲(所謂、弁座側である)に、つまり垂直方向に移動することにより、完全に締め切る(密閉状態)ものである。この真空バルブ4におけるバルブ開度と当該真空バルブ4により制御される被制御空間側の圧力との一般的な関係をグラフに示すと図3のようになる。
このグラフから、弁体6が閉動位置(ここでは、20%)に移動した後、垂直に移動(所謂、昇降動作である)することにより、完全な密閉状態になることが分かる。すなわち、閉動位置に移動した場合には、圧力は或る程度上昇するが、その後の昇降動作により圧力は急激に上昇する(勿論、真空容器の圧力制御に適用した場合には、圧力が急激に低下することになる)。つまり、この真空バルブ4におけるバルブ開度と圧力との関係は非線形となる。
ところで、本発明においては、推定流入ガス量を求める際に仮想真空容器における計算圧力を用いるが、この計算圧力を求めるのに、上述したように、推定排出ガス量に基づくガス量が用いられる。正確に言うと、ガス量として、バルブ開度から求められる推定値である推定排出ガス量と、仮想真空容器における計算圧力および実真空容器における計測圧力の圧力差に基づき求められる推定流入ガス量との差であるガス流量差が用いられる。また、推定排出ガス量を求める際に、真空バルブの特性曲線が用いられる。なお、この特性曲線はバルブ開度と圧力との非線形な関係を補償するために用いられる。
このバルブ特性曲線は、図4に示すように、バルブ開度とコンダクタンスとの関係を示すもので、具体的には、数値テーブルとして記憶部などに保持されている。このコンダクタンスは、ガスの流れ易さを示すもので、ガス流量を圧力で除算した値(ガス流量/圧力)である。
次に、圧力制御装置9の構成を図5に基づき説明する。
この圧力制御装置9は、大きく分けて、真空容器1の目標となる設定圧力(目標圧力とも言える)を設定する圧力設定部31、上記開度検出器22にて検出された実バルブ開度および圧力計21により計測された計測圧力から求められる推定排出ガス量と、後述する推定流入ガス量との差であるガス流量差に基づき仮想真空容器内の圧力を計算にて求めるとともに、この計算にて求められた計算圧力と計測圧力との差である圧力差に基づき推定流入ガス量を求める流入ガス量推定部32、上記圧力設定部31からの設定圧力および圧力計21からの計測圧力を入力して圧力偏差を求めるとともに当該圧力偏差に基づき補正ガス量を計算する補正ガス量計算部33、上記流入ガス量推定部32にて求められた推定流入ガス量に上記補正ガス量計算部33にて求められた補正ガス量を加算して修正ガス量を得るとともに当該修正ガス量を設定排出ガス量として出力する加算器(加算部)34、およびこの加算器34から出力された設定排出ガス量および圧力設定部31からの設定圧力に基づき真空バルブ4での目標とするバルブ開度(以下、設定バルブ開度という)を計算するバルブ開度計算部35から構成されている。
上記流入ガス量推定部32には、図6に示すように、実バルブ開度から真空バルブ4の特性曲線に基づき真空バルブ4のコンダクタンスを求めるコンダクタンス取得部41と、このコンダクタンス取得部41にて得られたコンダクタンスおよび圧力計21からの計測圧力を入力して当該コンダクタンスに計測圧力を乗算することにより排出されるガス流量の推定値を求める乗算器(乗算部)42と、この乗算器42にて求められた推定排出ガス量と推定流入ガス量(詳細については、後述する)との差であるガス流量差を入力して仮想真空容器内の圧力を計算により求める圧力計算部[具体的には積分器が用いられ;計算モデル上での伝達関数は1/(βs)で、βは容器の圧力ゲイン(公称値)である]43と、この圧力計算部43にて求められた計算圧力および圧力計21からの計測圧力を入力してその差である圧力差を求める圧力減算器(減算部)44と、この圧力減算器44で求められた圧力差に所定ゲイン(Kobs)を乗算して推定流入ガス量を求める増幅器(増幅部)45とが具備されるとともに、さらに上記乗算器42と圧力計算部43との間に配置されて上記増幅器45にて求められた推定流入ガス量から上記推定排出ガス量を減算してなるガス流量差を求めるガス量減算器(減算部)46とが具備されている。
この流入ガス量推定部32での機能を説明すると、実バルブ開度により推定された推定排出ガス量を当該流入ガス量推定部32で得られた推定流入ガス量から減算してなるガス流量差を積分して求められた計算モデル上での仮想真空容器における計算圧力(ガス流量差を蓄積することにより容器内圧力が求められる)と実際の計測圧力との圧力差に応じて推定流入ガス量を求めるものである。言い換えれば、計測圧力に対して計算圧力がずれている場合には、その圧力差に応じて補正が行われるもので、つまり計算圧力が計測圧力に近付くようにガス流量差が求められる[計算圧力が計測圧力に追従するように計算ループ(ガス量減算器46、圧力計算部43、圧力減算器44および増幅器45より構成される演算処理ループ)が組まれている]。したがって、或る計算ループ(或る周期)にて求められた推定流入ガス量は、次の計算ループ(次の周期)に用いられるガス流量差を求める際に用いられる。なお、上記計算ループ(実バルブ開度の取得も含む)は所定周期(演算周期または制御周期で、例えば、10msec)でもって繰り返し行われる。
ところで、上記流入ガス量推定部32にて得られる仮想真空容器の計算圧力については、推定流入ガス量から減算してなるガス流量差を積分して求めるものとして説明したが、より具体的に説明すると、今回の計算ループで求める計算圧力は、前回の計算ループにて求められた計算圧力に、今回求められるガス流量差を圧力として加算することにより求められるものである。なお、計算ループの開始に際しては、前回の計算ループは存在しないので、その開始時に計測された実真空容器内の圧力値が初期値として用いられる。
すなわち、上記計算ループにおいては、図6に示すように、ガス量減算器46でガス流量差を求めるステップと、このガス流量差を圧力計算部43に入力し積分することにより仮想真空容器における計算圧力を求めるステップと、圧力減算器44で仮想真空容器の計算圧力と実真空容器内の計測圧力との差である圧力差を求めるステップと、この圧力差を増幅器45に入力して推定流入ガス量を求めるとともにこの推定流入ガス量を上記ガス量減算器46に入力するステップとが所定の演算周期毎に行われており、或る演算周期で求められた推定流入ガス量が、次回の演算周期におけるガス量減算器46でのガス流量差を求めるために入力されることになる。つまり、仮想真空容器での計算圧力を求める際に用いられるガス量としては、今回の演算周期のために求められた推定排出ガス量を前回の演算周期で求められた推定流入ガス量から減算させることにより得られるガス流量差が用いられる。
上記補正ガス量計算部33は、図7に示すように、圧力設定部31からの設定圧力および圧力計21からの計測圧力を入力して圧力偏差を求める減算器(減算部)51と、この減算器51にて求められた圧力偏差を入力してその圧力偏差に比例したガス量を求めるとともに当該ガス量を補正ガス量として出力する比例制御器(比例制御部;比例ゲインKを乗算する)52とから構成されている。
また、上記バルブ開度計算部35は、図8に示すように、加算器34から出力された設定排出ガス量および圧力設定部31からの設定圧力を入力してコンダクタンスを求めるコンダクタンス計算部61と、このコンダクタンス計算部61にて求められたコンダクタンスを入力してバルブの特性曲線(コンダクタンス取得部41での特性曲線とは反対の曲線となる)からバルブ開度を取得するバルブ開度取得部62とから構成されている。
なお、上記圧力制御装置9はコンピュータ装置により構成されており、上述した計算部などの各構成部材の機能はソフトウエアにより実現されるものである。例えば、流入ガス量推定部32は、コンピュータ装置上で真空容器と同じ機能を有する計算モデルとして組み込まれている。
次に、真空容器の圧力制御方法について説明する。
真空容器1内の圧力状態が或る値で安定しており、圧力設定部31にて新たな設定圧力が設定されたものとする。
この状態にて、開度検出器22から実バルブ開度が流入ガス量推定部32に入力されると、コンダクタンス取得部41にてコンダクタンスが得られるとともに乗算器42にてそのコンダクタンスに計測圧力が乗算されて推定排出ガス量が求められる。そして、ガス量減算器46にて、今回求められた推定排出ガス量が前回の演算周期にて求められた推定流入ガス量から減算されてガス流量差が求められ、このガス流量差が圧力計算部43に入力されて計算モデルにおける仮想真空容器内の圧力すなわち計算圧力が求められる。
次に、この計算圧力と圧力計21からの計測圧力との差である圧力差が求められ、増幅器45にて所定ゲインが乗算されて新しく推定流入ガス量が求められる。この新しい推定流入ガス量が、次の計算ループつまり次回の演算周期におけるガス流量差を求めるのに用いられて、計算圧力が計測圧力に近付くように制御される。
一方、圧力設定部31にて設定されている設定圧力が補正ガス量計算部33に入力され、減算器51において、その設定圧力と圧力計21からの計測圧力との差である圧力偏差が求められるとともに、この圧力偏差が比例制御器52に入力されて圧力偏差に比例ゲインが乗算されて補正ガス量が求められる。
そして、この補正ガス量と流入ガス量推定部32にて新しく求められた推定流入ガス量とが加算器34に入力されて、設定排出ガス量が求められる。
次に、この設定排出ガス量と圧力設定部31からの設定圧力とが、バルブ開度計算部35に入力されて、当該設定排出ガス量となるような設定バルブ開度が求められる。具体的には、設定排出ガス量と設定圧力とがコンダクタンス計算部61に入力されてコンダクタンスが求められ、このコンダクタンスがバルブ開度取得部62に入力されて、バルブの特性曲線からバルブ開度が求められる。このバルブ開度指令が駆動用モータ7に出力されて、所定のバルブ開度となるように弁体6が駆動される。
そして、上述した動作が繰り返し行われ、計算圧力が計測圧力と等しくなるか、または計算圧力が或る偏差でもって計測圧力に追従している場合には、流入ガス量推定部32で求められた推定流入ガス量が実際の流入ガス量に等しいものであるとみなすことができる。
ここで、数値の具体例について説明しておく。
真空容器1における設定圧力値および実際の真空容器1での圧力値が共に90mTで、流入ガス量が100sccmで安定している状態において、設定圧力を90mTから100mTに変更した場合、推定流入ガス量は100sccmのままであり、設定圧力値が90mTから100mTに変化した瞬間は、計測圧力値は90mTで、補正ガス量は−10sccm[=−1(比例ゲイン)×(100−90)mT]となる。したがって、設定排出ガス量は90sccmであり、コンダクタンスは1.0から0.9(90/100)となり、弁体6は閉方向に移動して圧力が上昇する。そして、圧力が100mTに達すると、補正ガス量はゼロ、設定排出ガス量は100sccm、コンダクタンスは1.0となり、圧力は安定する。
このように、真空容器において、流入ガス量に等しい排出ガス量を排出して圧力制御を行う際に、流入ガス量については、実バルブ開度から推定排出ガス量を求めるとともに、この推定排出ガス量を流入ガス量推定部にて求められた推定流入ガス量から減算して得られたガス流量差を入力して積分することにより計算モデルにおける仮想真空容器内の計算圧力を求め、そしてこの計算圧力と実真空容器における計測圧力との差である圧力差に応じた新しい推定流入ガス量を用いるようにしたものである。
すなわち、真空バルブのバルブ開度から得られた推定排出ガス量を前回求められた推定流入ガス量から減算して得られたガス流量差に基づき求められた仮想真空容器における計算圧力と実真空容器における計測圧力との圧力差に応じて新しい推定流入ガス量を求め、この推定流入ガス量に、設定圧力に対する計測圧力の圧力偏差を用いて求められた補正ガス量を加算して設定排出ガス量を求め、この設定排出ガス量となるようにバルブ開度を制御するようにしたので、圧力に対するフィードバック制御については比例制御だけで済み、したがって比例積分制御におけるようなリセット条件などの調整を必要としないので、制御構成も簡単なものとなる。
言い換えれば、設定排出ガス量を得るために設定圧力に追従させるフィードバック制御を行う際に、本来なら、PID制御、少なくともPI制御を必要とするのに対して、流入ガス量推定部で得られる推定流入ガス量は圧力偏差に対する積分動作(I制御)に対応するものであるため、フィードバック制御系においては比例制御だけで済むことになる。
例えば、PI制御、特に積分動作を設けた場合、リセット条件(偏差の大小に応じて、制御を効かすタイミングを変更するなどの条件)を入れる必要があるが、このリセット条件については、トライアンドエラーにて決定する必要がある。このようなリセット条件をロジックで実装しようとすると、非常に面倒な作業(ワインドアップ)を伴うことになる。しかし、流入ガス量推定部で求められた推定流入ガス量が、その積分動作にて得られる積分値と同じ役目を果たすことになり、面倒な積分動作が不要となる。勿論、真空容器の圧力制御を行うのに、流入ガス量を計測する必要もない。
ところで、上述した圧力制御方法の要部をステップ形式で説明すると以下のようになる。
この圧力制御方法は、気体の供給管路および排出管路が接続された真空容器と、上記排出管路に設けられて当該排出管路を開閉し得る真空バルブと、上記真空容器内の圧力を計測する圧力計と、真空バルブのバルブ開度を検出する開度検出器とが具備されてなる真空処理装置における上記真空容器の圧力を制御する圧力制御方法であって、
上記開度検出器により検出された真空バルブのバルブ開度から求められた推定排出ガス量を考慮したガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を計算にて求める第1ステップと、
この第1ステップで求められた計算圧力と上記圧力計にて計測された実際の真空容器の計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める第2ステップと、
この第2ステップで求められた推定流入ガス量に、目標とする設定圧力と計測圧力との圧力偏差に基づき得られる補正ガス量を加算して設定排出ガス量を求める第3ステップとを具備するとともに、
上記各ステップを所定周期毎に繰り返し実行し、
上記第3ステップで求められた設定排出ガス量となるように上記真空バルブのバルブ開度を制御するようになし、
且つ上記第1ステップにおいて、仮想真空容器での計算圧力を求める際に用いられるガス量については、推定排出ガス量を前回の周期における第2ステップで求められた推定流入ガス量から減算させることにより得られたガス流量差を用いる方法である。
また、上述した圧力制御装置の要部を説明すると以下のようになる。
すなわち、この圧力制御装置は、気体の供給管路および排出管路が接続された真空容器と、上記排出管路に設けられて当該排出管路を開閉し得る真空バルブと、上記真空容器内の圧力を計測する圧力計と、真空バルブのバルブ開度を検出する開度検出器とが具備されてなる真空処理装置における上記真空容器の圧力を制御する圧力制御装置であって、
真空容器の目標となる圧力を設定する圧力設定部と、
上記開度検出器にて検出されたバルブ開度から求められた推定排出ガス量を考慮したガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を求めるとともに、この仮想真空容器の計算圧力と上記圧力計からの実際の真空容器における計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める流入ガス量推定部と、
上記圧力設定部からの設定圧力と上記圧力計からの計測圧力とを入力して圧力偏差を求める圧力減算部およびこの圧力減算部にて求められた圧力偏差を入力して所定ゲインを乗算して補正ガス量を求める比例制御部を有するガス量補正部と、
上記流入ガス量推定部で求められた推定流入ガス量と上記ガス量補正部で求められた補正ガス量とを加算して設定排出ガス量を求める加算部と、
この加算部で得られた設定排出ガス量および上記圧力設定部からの設定圧力を入力してバルブ開度を求めるバルブ開度計算部とを具備するとともに、
上記流入ガス量推定部において、ガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を求めるとともに、この仮想真空容器の計算圧力と上記圧力計からの実際の真空容器における計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める演算を所定周期毎に実行するようになし、
さらに上記流入ガス量推定部において、仮想真空容器での計算圧力を求める際に用いられるガス量として、推定排出ガス量を前回の演算周期にて求められた推定流入ガス量から減算させることにより得られたガス流量差を用いるようにしたもので、
さらに上記流入ガス量推定部に、
検出されたバルブ開度から真空バルブにおけるバルブ開度−コンダクタンスの特性曲線に基づき真空バルブのコンダクタンスを求めるコンダクタンス取得部と、このコンダクタンス取得部にて得られたコンダクタンスおよび圧力計からの計測圧力を入力して当該コンダクタンスに計測圧力を乗算することにより推定排出ガス量を求める乗算部と、この乗算部にて求められた推定排出ガス量を前回の演算周期にて求められた推定流入ガス量から減算してガス流量差を求めるガス量減算部と、このガス量減算部で求められたガス流量差を入力して仮想真空容器内の圧力を計算により求める圧力計算部と、この圧力計算部にて求められた計算圧力および圧力計からの計測圧力を入力して圧力差を求める圧力減算部と、この圧力減算部で求められた圧力差に所定ゲインを乗算して推定流入ガス量を求める増幅部とを具備したものである。
なお、上述した圧力制御系の制御ブロック図(伝達関数を用いたもの)を図9に示しておく。
図9中、(A)は真空容器を表す部分である。なお、上記実施の形態においては説明しなかったが、図9に示すように、設定圧力および計測圧力の補正ガス量計算部への出力途中には、設定圧力用フィルタおよびノイズ除去用フィルタが設けられている。
ここで、図10に基づき、上述した圧力制御系のうち、特に、流入ガス量推定部とフィードバック制御系の比例制御器との圧力応答(伝達関数による)について説明する。図10は、流入ガス量推定部32と補正ガス量計算部33における制御ブロック図を示す。
実際の制御系は、設定排出ガス量と設定圧力とによりコンダクタンスを求め、そして特性曲線よりバルブ開度を求めるとともに、このバルブ開度となるように操作してガスを排出することになるが、ここでは、その部分の設定排出ガス量と排出ガス量との伝達関数をG(排出ガス量における設定値と実流量との関係を表わす非線形関数である)で表わしている。また、予め計測されたバルブ開度とコンダクタンスとの関係を示す特性曲線を例えばテーブルとして記憶しておき、現在のバルブ開度より現在のコンダクタンスを推定し、これに圧力を乗算することにより、排出ガス量を推定し使用している。なお、実排出ガス量と推定排出ガス量との伝達関数をHとして表わしている。
比例制御器の出力uから圧力Pまでの開ループの伝達関数は、下記(1)式にて表わされる。
Figure 0005111519
(1)式中、G=H=1、β/(Kobs)≒0とすると(つまり、Kobsの値を大きくすると)、下記(2)式のようになる。
Figure 0005111519
但し、(2)式中、T=β/(Kobs)である。
したがって、設定排出ガス量および実際の排出ガス量に対する圧力の変化は、実際の圧力時定数βの影響を無視することができ、公称値βで決まることが分かる。言い換えれば、仮想真空容器が接続されているかのような挙動を示す。
上記(2)式に含まれる伝達関数(1/(1+Ts))のカットオフ周波数以下の領域では、設定圧力(Pref)およびガス流量(Fin)と圧力Pとの伝達関数は、下記(3)式のようになる。
Figure 0005111519
上記(3)式に基づき、時間応答(逆ラプラス変換による)を求めると下記のようになる。
a;設定圧力値をステップ変化させた場合(Pref=1/s,Fin=0)
Figure 0005111519
(4)式より、本発明に係る制御方式は、設定圧力値のステップ変化に対して、定常偏差(t→∞)がゼロで且つオーバシュートも発生しないことが分かる。また、その圧力応答特性は、βを実真空容器の圧力ゲインに略等しく調整するとすれば、Kを変更することで調整することができる。
b;ガス流量値をステップ変化させた場合(Fin=1/s,Pref=0)
上記(3)式に、Fin=1/s,Pref=0を代入して整理すると、下記(5)式が得られる。
Figure 0005111519
(5)式において、高次(2次)の項を無視すると、下記(6)式が得られる。
Figure 0005111519
(6)式を時間関数に変換すると、下記(7)式が得られる。
Figure 0005111519
(7)式より、本発明に係る制御方式は、ガス流量値のステップ変化に対して、定常偏差(t→∞)がゼロであることが分かる。また、外乱抑制特性は、βを実真空容器の圧力ゲインに略等しく調整するとすれば、Kは圧力応答特性の調整で決定されるので、Kobsを変更することで調整し得る。
この圧力制御系では、真空チャンバ内のプラズマによるガス反応分も含めて、真空チャンバに流入するガス量の変動に対しては流入ガス量推定部で推定流入ガス量としてその変動を捉えるとともにこの流入しているガス流量を排気するように指令することにより、ガス流量変化に対する圧力変動を抑制することができる(外乱抑制性である)。一方、圧力設定値の変更に対しては、圧力設定値と圧力値の偏差の比例制御により推定流入ガス量に対する補正ガス量を指令することにより、圧力設定値に対して圧力を追従させている。すなわち、圧力設定値に対する圧力応答特性と、ガス流量変化に対する抑制特性つまり外乱抑制特性とが、独立に調整し得るようにされている。
簡単に言えば、PI制御(またはPID制御)だけでは、圧力設定値に対する圧力追従特性とガス流量変化に対する抑制特性とを同時に最適化し得ないことが一般的に知られているが、この課題を解決することができる。
ところで、上記実施の形態においては、計算ループを、ガス量減算器にてガス流量差を求めた後、圧力計算部にて前回の計算ループで求められた計算圧力にガス流量差に対応する圧力を加算することにより仮想真空容器内の計算圧力を求め、次に圧力減算器にて、計算圧力から実真空容器における計測圧力を減算して圧力差を求めた後、増幅器にて圧力差から推定流入ガス量を求める、手順として説明したが(つまり、計算ループの開始を「ガス減算器にてガス流量差を求める」ことにしたが)、実際には、「圧力減算器にて、計算圧力から実真空容器における計測圧力を減算して圧力差を求める」ところから開始される。
ここで、上記2つの手順を箇条書きにすると、以下のようになる。
(1)実施の形態にて説明した手順
1回目
仮真空容器内の圧力の初期値→P
実真空容器内の計測圧力値→Pk1
a.ガス量減算器→初回は演算なし
b.圧力計算部→P+G×(1/β)×Δt=P
:ガス流量差(G=0:ガス流量差に基づく圧力の加算はない)
Δt:制御周期
c.圧力減算器→P−Pk1=ΔP
d.増幅器→ΔPにゲインを掛けて推定流入ガス流量Fを求める。
2回目
2回目の計算ループに入る際の仮真空容器内の圧力値はPである。
実真空容器内の計測圧力値→Pk2
a.ガス量減算器→推定流入ガス流量F−推定排出ガス流量H=G
b.圧力計算部→P+G×(1/β)×Δt=P
c.圧力減算器→P−Pk2=ΔP
d.増幅器→ΔPにゲインを掛けて推定流入ガス流量Fを求める。
3回目(4回目以降も同じ)
3回目の計算ループに入る際の仮真空容器内の圧力値はPである。
実真空容器内の計測圧力値→Pk3
a.ガス量減算器→推定流入ガス流量F−推定排出ガス流量H=G
b.圧力計算部→P+G×(1/β)×Δt=P
c.圧力減算器→P−Pk3=ΔP
d.増幅器→ΔPにゲインを掛けて推定流入ガス流量Fを求める。
(2)実際の手順
1回目
仮真空容器内の圧力の初期値→P
実真空容器内の計測圧力値→Pk1
a.圧力減算器→P−Pk1=ΔP
b.増幅器→ΔPにゲインを掛けて推定流入ガス流量Fを求める。
c.ガス量減算器→推定流入ガス流量F−推定排出ガス流量H=G
d.圧力計算部→P+G×(1/β)×Δt=P
このP2はメモリに記憶されて、2回目の計算に使用される。
2回目
2回目の計算ループに入る際の仮真空容器内の圧力値はPである。
実真空容器内の計測圧力値→Pk2
a.圧力減算器→P−Pk2=ΔP
b.増幅器→ΔPにゲインを掛けて推定流入ガス流量Fを求める。
c.ガス量減算器→推定流入ガス流量F−推定排出ガス流量H=G
d.圧力計算部→P+G×(1/β)×Δt=P
3回目(4回目以降も同じ)
3回目の計算ループに入る際の仮真空容器内の圧力値はPである。
実真空容器内の計測圧力値→Pk3
a.圧力減算器→P−Pk3=ΔP
b.増幅器→ΔPにゲインを掛けて推定流入ガス流量Fを求める。
c.ガス量減算器→推定流入ガス流量F−推定排出ガス流量H=G
d.圧力計算部→P+G×(1/β)×Δt=P
すなわち、(1)の手順で説明した方が、本発明を分かり易く説明し得るからであり、実際には、(2)で説明したように、圧力減算の手順から開始される。
請求の範囲についても、(1)の手順に沿って記載しているが、計算はループにて行われるため、当然、(2)の手順も含まれていることになる。

Claims (3)

  1. 気体の供給管路および排出管路が接続された真空容器と、上記排出管路に設けられて当該排出管路を開閉し得る真空バルブと、上記真空容器内の圧力を計測する圧力計と、真空バルブのバルブ開度を検出する開度検出器とが具備されてなる真空処理装置における上記真空容器の圧力を制御する圧力制御方法であって、
    上記開度検出器により検出された真空バルブのバルブ開度から求められた推定排出ガス量を考慮したガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を計算にて求める第1ステップと、
    この第1ステップで求められた計算圧力と上記圧力計にて計測された実際の真空容器の計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める第2ステップと、
    この第2ステップで求められた推定流入ガス量に、目標とする設定圧力と計測圧力との圧力偏差に基づき得られる補正ガス量を加算して設定排出ガス量を求める第3ステップとを具備するとともに、
    上記各ステップを所定周期毎に繰り返し実行し、
    上記第3ステップで求められた設定排出ガス量となるように上記真空バルブのバルブ開度を制御するようになし、
    且つ上記第1ステップにおいて、仮想真空容器での計算圧力を求める際に用いられるガス量については、推定排出ガス量を第2ステップで求められた推定流入ガス量から減算させることにより得られたガス流量差を用いることを特徴とする真空容器の圧力制御方法。
  2. 気体の供給管路および排出管路が接続された真空容器と、上記排出管路に設けられて当該排出管路を開閉し得る真空バルブと、上記真空容器内の圧力を計測する圧力計と、真空バルブのバルブ開度を検出する開度検出器とが具備されてなる真空処理装置における上記真空容器の圧力を制御する圧力制御装置であって、
    真空容器の目標となる圧力を設定する圧力設定部と、
    上記開度検出器にて検出されたバルブ開度から求められた推定排出ガス量を考慮したガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を求めるとともに、この仮想真空容器の計算圧力と上記圧力計からの実際の真空容器における計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める流入ガス量推定部と、
    上記圧力設定部からの設定圧力と上記圧力計からの計測圧力とを入力して圧力偏差を求める圧力減算部およびこの圧力減算部にて求められた圧力偏差を入力して所定ゲインを乗算して補正ガス量を求める比例制御部を有するガス量補正部と、
    上記流入ガス量推定部で求められた推定流入ガス量と上記ガス量補正部で求められた補正ガス量とを加算して設定排出ガス量を求める加算部と、
    この加算部で得られた設定排出ガス量および上記圧力設定部からの設定圧力を入力してバルブ開度を求めるバルブ開度計算部とを具備するとともに、
    上記流入ガス量推定部において、ガス量に基づき計算モデル上での仮想真空容器内の圧力を求めるとともに、この仮想真空容器の計算圧力と上記圧力計からの実際の真空容器における計測圧力との圧力差に基づき推定流入ガス量を求める演算を所定周期毎に実行するようになし、
    さらに上記流入ガス量推定部において、仮想真空容器での計算圧力を求める際に用いられるガス量として、推定排出ガス量を推定流入ガス量から減算させることにより得られたガス流量差を用いるようにしたことを特徴とする真空容器の圧力制御装置。
  3. 流入ガス量推定部に、
    検出されたバルブ開度から真空バルブにおけるバルブ開度−コンダクタンスの特性曲線に基づき真空バルブのコンダクタンスを求めるコンダクタンス取得部と、このコンダクタンス取得部にて得られたコンダクタンスおよび圧力計からの計測圧力を入力して当該コンダクタンスに計測圧力を乗算することにより推定排出ガス量を求める乗算部と、この乗算部にて求められた推定排出ガス量を推定流入ガス量から減算してガス流量差を求めるガス量減算部と、このガス量減算部で求められたガス流量差を入力して仮想真空容器内の圧力を計算により求める圧力計算部と、この圧力計算部にて求められた計算圧力および圧力計からの計測圧力を入力して圧力差を求める圧力減算部と、この圧力減算部で求められた圧力差に所定ゲインを乗算して推定流入ガス量を求める増幅部とを具備したことを特徴とする請求項2に記載の真空容器の圧力制御装置。
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