JP5109855B2 - 勾配推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両が停止しているときの路面勾配を推定もしくは検出する勾配推定装置の技術分野に属する。
路面勾配を推定する装置として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。この公報には、車両のずり下がり前の加速度センサ値と、ずり下がり時の加速度センサ値との差を求め、この差から加速度変化量ΔGを算出する。そして、加速度変化量ΔGと路面勾配とを一対一で関係付けた特性図に基づき、加速度変化量ΔGに基づいて路面勾配を推定する。
特開2008−145151号公報
ところで、ずり下がりに伴う加速度変化量ΔGは、ずり下がり時の変速機出力軸トルクの大きさに依存する。つまり、同じ路面勾配であっても、変速機出力軸トルクが大きいほどずり下がり難くなるため、加速度変化量ΔGは小さくなり、路面勾配も変速機出力軸トルクの大きさに応じて小さく推定されてしまう。したがって、ΔGと勾配との関係は、一対一の関係ではなく、ずり下がり時の変速機出力軸トルクの大きさにより変化する関係であるといえる。
しかしながら、上記従来技術にあっては、ΔGと勾配とを一対一で関係付けた特性図に基づき勾配推定値を算出しているため、勾配推定値がずり下がり時の変速機出力軸トルクの大きさに応じた適切な値にならないという問題があった。
本発明は上記課題に対してなされたもので、その目的とするところは、駆動輪に作用するトルクの影響があったとしても、精度の高い路面勾配推定が可能な勾配推定装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明の勾配推定装置では、車両のずり下がりに伴う加速度変化量に基づいて路面勾配を推定するにあたり、車両のずり下がり時における自動変速機の係合要素の引きずりトルクが大きいほど路面勾配が大きいと推定することとした。
自動変速機の係合要素の引きずりトルクが大きいときは、引きずりトルクが0の状態のときに比べて車両のずり下がりによる加速度変化量が小さく算出される。言い換えると、引きずりトルクが大きいほど加速度変化量が小さく算出される。そこで、自動変速機の係合要素の引きずりトルクが大きいほど加速度変化量が大きいのと同じとみなし、路面勾配が大きいと推定することで、精度の高い路面勾配を推定することができる。

以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の加速度検出装置を適用したニュートラル制御装置を示すシステム構成図である。車載エンジン1の出力は、このエンジン1に連結された自動変速機2によって所定の変更を受けた後、アウトプットシャフト3(変速機の出力軸)から出力される。
自動変速機2内には、発進時に締結するクラッチ2a(係合要素)が設けられている。このクラッチ2aは多板クラッチであり、コントロールバルブユニットから供給される締結圧によってピストンが作動し、締結圧に応じた締結容量を確保する。また、クラッチ2aにはドライブプレートとドリブンプレートが交互に配置され、各クラッチプレートのフェーシングには、冷却用のオイルを流通させる冷却溝が形成されている。尚、これら構成は通常の多板クラッチの一般的な構成であるため詳細な説明は省略する。
車両には、エンジン1や自動変速機2等を後述する各種センサ等の検出値に基づき制御するためのエンジンコントローラ(ECU)4および自動変速機コントローラ(ATCU)5が設けられている。両コントローラ4,5は、互いに通信可能に接続され、ニュートラル制御手段を構成する。
車両には、アクセル開度センサ6、ブレーキスイッチ7、車速センサ8、加速度センサ(Gセンサ)9、シフトセンサ10等の各種センサが搭載されている。
アクセル開度センサ6は、アクセル開度信号をECU4に出力する。ブレーキスイッチ7は、各車輪に設けられたブレーキ(不図示)が踏み込まれた状態にあるか否かをあらわすブレーキスイッチ信号をECU4に出力する。車速センサ8は、各車輪に設けられた車輪速センサにより得られる各車輪の回転速度に基づいて、車両の走行速度(車速)を検出し、車速信号をECU4に出力する。Gセンサ9は、車両に作用する加速度を検出し、加速度信号をECU4に出力する。シフトセンサ10は、自動変速機2のシフトポジションを検出し、シフトポジション信号をATCU5に出力する。油温センサ21は、自動変速機2内の油温を検出し、油温信号をATCU5に出力する。
図1に示したニュートラル制御手段(ECU4,ATCU5)において、自動変速機2のシフトポジションが前進走行ポジションで、アクセル操作が行われず、ブレーキ操作により車両が停止状態であって、かつ、路面勾配が所定角度以下である場合、車両の発進時に係合される自動変速機2のクラッチ2aの締結容量を低下させて所定締結容量とするニュートラル制御を実施する。
すなわち、ニュートラル制御手段は、シフトセンサ10からのシフトポジション信号が前進走行ポジションであり、アクセル開度センサ6からのアクセル開度信号がゼロであり、ブレーキスイッチ7からのブレーキスイッチ信号がON(ブレーキが踏み込まれた状態)であり、車速センサ8からの車速信号が所定値(≒0)であり、Gセンサ9からの加速度信号が所定角度以下の坂路に相当する加速度である場合、ニュートラル制御を実施する。また、ニュートラル制御手段は、ブレーキスイッチOFF等、上述したニュートラル制御実行条件が不成立となった時点で、ニュートラル制御を解除し、完全締結に移行する。完全締結に移行するときは、一気に締結容量を増大させてもよいし、アクセル開度等に応じて締結容量を増大させてもよく、特に限定しない。
図2は、実施例1のECU4に内蔵された加速度検出装置の構成を示す制御ブロック図であり、実施例1の加速度検出装置11は、坂路でニュートラル制御が解除されたときの車両のずり下がりを利用し、Gセンサ9の温度変化や径時変化に伴うゼロ点からのずれを補正する(ゼロ点補正)。
実施例1の加速度検出装置11は、第1フィルタ12と、ゼロ点補正部(ゼロ点補正手段)13と、第2フィルタ14と、N制御入り時G算出部(坂路停止時加速度検出手段)15と、N制御抜け時G算出部16と、ΔG算出部(加速度変化量検出手段)17と、加速度推定部(坂路停止時加速度推定手段)18と、ドリフト量算出部(ドリフト量算出手段)19と、G算出部20と、を備えている。
第1フィルタ12は、Gセンサ信号(加速度信号)に含まれるノイズ成分(例えば、6Hz程度)を除去する。
ゼロ点補正部13は、ドリフト量算出部19で算出されたドリフト量に基づいて、第1フィルタ12通過後のGセンサ信号のゼロからのドリフト量を補正し、補正後のGセンサ信号を第2フィルタ14、N制御抜け時G算出部16およびG算出部20に出力する(ゼロ点補正)。ここで、補正方法は任意であり、直近1回または数回のドリフト量を用いる方法や、過去に算出された全てのドリフト量の平均値を用いる方法等が考えられる。
なお、実施例1では、Gセンサ信号に基づく路面勾配が実際の路面勾配に対し過小に検出された場合にのみ、ゼロ点補正を行うこととする。
第2フィルタ14は、ゼロ点補正後のGセンサ信号に含まれる車両のバネ振動成分(例えば、1〜2Hz程度)を除去する。
N制御入り時G算出部15は、ニュートラル制御開始時、すなわち坂路停止時におけるゼロ点補正後のGセンサ信号に基づいて、坂路停止時加速度検出値を算出する。
N制御抜け時G算出部16は、ゼロ点補正後のGセンサ信号に基づき、ニュートラル制御終了時直後の車両のずり下がり時に検出された坂路停止時加速度検出値と最も開きのある加速度検出値(ずり下がり時加速度検出値)を算出する。
ΔG算出部17は、図3に示すように、坂路停止時加速度検出値とずり下がり時加速度検出値との差分から、車両が当該坂路停止状態から走行状態へと移行する際、すなわちニュートラル制御解除直後の、車両のずり下がりに伴う加速度変化量ΔGを算出する。
加速度推定部18は、加速度変化量ΔG及び油温信号に基づいて、当該坂路停止時の坂路停止加速度推定値を算出する。ここで、加速度推定部18は、車両のずり下がりに伴う加速度変化量ΔGに応じた坂路停止時加速度推定値が車両特性に応じてあらかじめ設定された坂路停止時加速度推定値算出マップを備えている。図4は、実施例1の坂路停止時加速度推定値算出マップである。坂路停止時加速度推定値、すなわち路面勾配[%]は、坂路においてニュートラル制御を解除した直後の加速度変化量ΔG,油温信号及び車両特性から、実験等によりあらかじめ求めることができる。尚、図4のマップに示す複数設定された特性については後述する。
ドリフト量算出部19は、2つの入力値の差分値を出力する比較器であり、坂路停止時加速度検出値と坂路停止時加速度推定値との差分から、加速度検出値のゼロ点からのドリフト量を算出する。
G算出部20は、ゼロ点補正後のGセンサ信号から加速度検出値を算出する。このG算出部20の出力は、ニュートラル制御に使用される。
次に、作用を説明する。
[ずり下がり時の加速度変化量に基づくゼロ点補正作用]
実施例1の加速度検出装置11では、車両のずり下がり時における加速度変化量ΔGから推定した坂路停止時加速度推定値と、Gセンサ信号に基づく坂路停止時加速度検出値との偏差に基づいて、加速度検出値のゼロ点からのドリフト量を算出し、このドリフト量に基づいて加速度検出値のゼロ点補正を行う。
すなわち、Gセンサ9に経時変化や温度変化に伴うドリフト誤差が生じている場合、Gセンサ信号に基づいて算出される加速度検出値は、真値からドリフト量だけずれが生じてしまう。ところが、加速度変化量ΔGは、Gセンサ9のドリフト誤差にかかわらず、車両のずり下がり時のGセンサ信号と坂路停止時のGセンサ信号とから正確に算出可能である。
よって、ずり下がり時の正確な加速度変化量ΔGを算出することで、車両特性から、信頼性の高い坂路停止時加速度推定値を求めることができる。そして、この坂路停止時加速度推定値とGセンサ信号に基づく坂路停止時加速度検出値とを比較することにより、正確なドリフト量を算出でき、最適なゼロ点補正を実現することができる。
更に、図4のマップに示すように、登坂路では、自動変速機内の油温に応じて複数の特性が設定されており、油温が低いほど路面勾配[%]が大きくなるように設定されている。ニュートラル制御時にはクラッチ2aの締結容量を低下させており、クラッチ2aにはスリップによる相対回転が生じる。クラッチ2aは多板式であり、冷却のためにクラッチフェーシング部にオイルが供給されているため、油温が低くなると、オイルの粘性が増大し、これによりクラッチ2aの引きずりトルクが大きくなる。この引きずりトルクの増大により、アウトプットシャフト3のトルクを増大させるため、車両はずり下がりにくくなる。すなわち、加速度変化量ΔGが小さくなる。
そこで、検出された油温が低いほど、自動変速機のアプトプットシャフト3のトルクが大きいとみなして路面勾配を推定している。
これにより、路面勾配の推定値をずり下がり時のアウトプットシャフト3のトルクの大きさに応じた値で算出でき、勾配推定の精度を向上することができる。また、この勾配推定値を用いてゼロ点補正を行うことで、補正制御の精度を向上できる。
また、クラッチ2aの引きずりトルクに応じて路面勾配を推定するため、変速機内部の動力伝達状態を考慮することができ、アウトプットシャフト3のトルクの大きさを精度良く把握することができる。
また、自動変速機2内の油温が低いほど引きずりトルクが大きいとみなすことで、油温から容易に引きずりトルクを推定することができる。
図5にゼロ点補正の一例を挙げる。例えば、登坂路で勾配3%に相当する加速度検出値が検出され、その後ブレーキ解除によって車両が登坂路をずり下がったとき、加速度変化量ΔGから、勾配5%に相当する加速度推定値(勾配5%相当の後退量)が算出されたとする。この場合、推定勾配5%と検出勾配3%との差(2%)がドリフト量として算出され、ゼロ点補正部13では、Gセンサ信号が勾配2%相当分だけ正方向にオフセットされる(直近1回のドリフト量のみで補正する場合)。
また、実施例1では、加速度推定部18は、車両のずり下がりに伴う加速度変化量ΔGに応じた坂路停止時加速度推定値が車両特性に応じてあらかじめ設定された坂路停止時加速度推定値算出マップを備える。ドライバーが坂路で停車状態からブレーキを離すと、ある勾配以上では車両のずり下がりが発生し、このとき、勾配の大きさに応じて発生する車両の加速度変化量ΔGは、実験やシミュレーション等からあらかじめ求めておくことができる。よって、加速度変化量ΔGに応じた坂路停止時加速度推定値をマップ化しておくことで、演算負荷の軽減および推定値算出の高速化を図ることができる。
[ノイズ成分除去作用]
実施例1では、各G算出部15,16,20の前段に、Gセンサ信号に含まれるノイズ成分を除去する第1フィルタ12を備える。車両に搭載されたセンサ類には、常にノイズ成分が混入しているため、これらノイズ成分を除去する第1フィルタ12を各G算出部15,16,20の前段に配置することで、ノイズの影響を省いたGセンサ信号を取得することができる。
[車両のバネ振動成分除去作用]
実施例1では、N制御入り時G算出部15の前段に、Gセンサ信号に含まれる車両のバネ振動成分を除去する第2フィルタ14を備えている。一般的に、車両の停止直前と停止直後では、車両の振動が大きいため、Gセンサ信号に車両の振動に伴うバネ振動成分が多く含まれてしまう。よって、Gセンサ信号に含まれる車両のバネ振動成分をN制御入り時G算出部15の前段で除去することで、車両の振動による影響を除いたGセンサ信号を取得することができる。
[ニュートラル制御装置のGセンサ信号補正作用]
自動変速機を搭載した車両において、アイドリング回転するエンジンからの駆動力がトルクコンバータを介して自動変速機から車輪に伝達されるクリープ力は、車両を停止保持させる場合には不要であり、クリープ力をブレーキにより抑えなければならないため、その分エンジンの燃費が低下する。
そこで、前進走行ポジションにおいて、ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキが作動されるとともにアクセルがほぼ全閉となって車両が停止している状態では、前進走行ポジションのままクラッチ2aの締結容量を低下させるニュートラル制御を実行することにより、燃費の向上を図ることが提案されている。
ここで、上記ニュートラル制御では、制御解除直後にクラッチ2aが完全締結され車輪が駆動力を発生するまでに時間を要するため、坂路での車両のずり下がりが課題となる。そこで、このずり下がりを防止するために、ニュートラル制御の開始条件として、Gセンサを用いて路面勾配を判定し、ずり下がりが許容できる勾配の範囲においてのみ、ニュートラル制御を実施する方法が考案されている。
一方、Gセンサの温度ドリフト等により出力値(ゼロ点)がずれた場合、勾配を正確に判定できなくなるため、車両のずり下がりが許容できない勾配であるにもかかわらず、ニュートラル制御が開始され、制御解除時に予期せぬずり下がりが発生するという問題があった。
これに対し、実施例1のニュートラル制御装置では、路面勾配検出手段として、図2に示した加速度検出装置11を用い、ニュートラル制御手段(ECU4,ATCU5)は、加速度検出装置11により検出された加速度検出値が所定角度の相当値以下である場合、クラッチ2aの締結容量を低下させる。
これにより、Gセンサ9に劣化や温度変化等に伴うドリフト誤差が発生している場合であっても、加速度検出装置11によるゼロ点補正によって、真の路面勾配を検出することができるため、予期せぬ車両のずり下がりを確実に回避することができる。
また、実施例1のニュートラル制御装置では、ゼロ点補正部13は、図6の加速度変化量ΔGに応じた路面勾配マップにおいて、補正対称領域として示す領域、すなわち、坂路停止時加速度推定値の絶対値が坂路停止時加速度検出値の絶対値よりも大きい場合にのみ、ゼロ点補正を行う。
つまり、路面勾配の検出値が推定値よりも小さい場合には、ずり下がりが許容できない勾配でニュートラル制御が開始される可能性があるが、検出値が推定値よりも大きい場合には、ずり下がりが許容できない勾配でニュートラル制御が開始されることはない。したがって、路面勾配の検出値が推定値よりも小さい場合にのみ、ゼロ点補正を行うことで、ニュートラル制御に影響を及ぼさないドリフト誤差の補正を省略でき、過度なゼロ点補正を防止することができる。
図7は、実施例1の坂路停止時におけるゼロ点補正作用を示すタイムチャートである。
時点t1でブレーキスイッチ(BRKSW)ON、車両停止(車速VSPゼロおよびアクセル開度ゼロ)および路面勾配所定角度以下となる開始条件が成立するため、ニュートラル制御が開始され、クラッチ2aの締結容量が低下する。この直後、N制御入り時G算出部15において、坂路停止時加速度検出値が算出される。
ここで、車両の停止直後は、車両が大きく振動し、Gセンサ信号も影響を受けるが、第2フィルタ14により車両のバネ振動成分が除去されているため、振動による影響を除いたGセンサ信号に基づいて坂路停止時加速度検出値を算出することができる。また、Gセンサ信号に含まれるノイズ成分も第1フィルタ12により除去されている。
時点t1〜t2の区間では、車両が停止中であるため、路面勾配に応じた一定のGセンサ信号が出力されている。
時点t2では、ドライバーがブレーキペダルから足を離したため、ブレーキスイッチOFFにより、ニュートラル制御が解除され、自動変速機2のクラッチは半クラッチ状態から完全締結状態への移行を開始する。このとき、N制御抜け時G算出部16では、Gセンサ信号に基づく加速度検出値を算出と、算出した加速度検出値と坂路停止時加速度検出値との比較を開始する。
時点t3では、車両が坂路をずり下がり始め、時点t4では、加速度検出値と坂路停止時加速度検出値との差が最大となるため、ΔG算出部17では、両者の差分から加速度変化量ΔGが算出される。これにより、加速度推定部18では、油温に基づいて図4のマップから所定の特性を選択し、この選択された特性を使用し、加速度変化量ΔGに基づいて坂路停止時加速度推定値が算出される。ドリフト量算出部19では、坂路停止時加速度推定値と坂路停止時加速度検出値との差分からゼロ点補正のドリフト量が算出される。
時点t5では、自動変速機2のクラッチが締結され、ニュートラル制御抜けが完了する。
次に、効果を説明する。
実施例1の加速度検出装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1)自動変速機を有する車両に搭載された加速度センサ9と、坂路停止時の加速度センサ信号である坂路停止時加速度検出値を検出するN制御入りG算出部15(坂路停止時加速度検出手段)と、加速度センサ信号に基づいて、車両が当該坂路停止状態から走行状態へと移行する際の、車両のずり下がりに伴う加速度変化量ΔGを検出するΔG算出部17(加速度変化量検出手段)と、ずり下がり時における自動変速機2のアウトプットシャフト3(出力軸)のトルクを検出または推定する油温センサ21(出力軸トルク検出手段)と、加速度変化量ΔGに基づいて、油温が低いほど(出力軸トルクが大きいほど)路面勾配が大きいと推定する坂路停止時加速度推定値算出マップ(勾配推定手段)と、を備えた。
アウトプットシャフト3のトルクが大きいときは、アウトプットシャフト3のトルクが0の状態のときに比べて車両のずり下がりによる加速度変化量ΔGが小さく算出される。言い換えると、アウトプットシャフト3のトルクが大きいほど加速度変化量ΔGが小さく算出される。そこで、自動変速機2のアウトプットシャフト3のトルクが大きいほど加速度変化量ΔGが大きいのと同じとみなし、路面勾配が大きいと推定することで、精度の高い路面勾配を推定することができる。
(2)前進走行ポジションで、アクセル操作が行われず、ブレーキ操作により車両が停止状態であって、かつ、坂路停止時加速度推定値算出マップ(勾配推定手段)により検出された路面勾配が所定勾配以下である場合、車両の発進時に係合されるクラッチ2a(自動変速機2の係合要素)の締結容量を低下させるニュートラル制御手段と、クラッチ2aの引きずりトルクを検出または推定する引きずりトルク検出手段と、を設け、坂路停止時加速度推定値算出マップ(勾配推定手段)は、検出された引きずりトルクが大きいほどアウトプットシャフト3のトルクが大きいとみなすこととした。
よって、自動変速機内部の動力伝達状態を考慮することができ、アウトプットシャフト3のトルクの大きさを精度良く把握することができる。
(3)自動変速機の油温を検出する油温センサ21(油温検出手段)を設け、坂路停止時加速度推定値算出マップ(勾配推定手段)は、検出された油温が低いほどアウトプットシャフト3のトルクが大きいとみなすこととした。よって、油温から容易に引きずりトルクを推定することができる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図8は、実施例2の加速度検出装置を適用したニュートラル制御装置を示すシステム構成図である。実施例1では、油温センサ21を設けたが、これに代えて、実施例2ではエンジン回転数センサ22を設けた点が異なる。エンジン回転数センサ22は、エンジン1の回転数を検出し、エンジン回転数信号をECU4に出力する。
図9は実施例2のECU4に内蔵された加速度検出装置の構成を示す制御ブロック図である。実施例1では、加速度推定部18において、油温信号を入力し、油温に応じて特性を選択した。これに対し、実施例2では、エンジン回転数信号を入力し、エンジン回転数に応じて特性を選択する点が異なる。
図10は、実施例2の坂路停止時加速度推定値算出マップである。加速度推定部18では、エンジン回転数に応じて選択された特性に基づいて、坂路停止時加速度推定値、すなわち路面勾配を推定する。
次に、実施例2特有の作用を説明する。
[ずり下がり時の加速度変化量に基づくゼロ点補正作用]
図10のマップに示すように、登坂路では、エンジン回転数に応じて複数の特性が設定されており、エンジン回転数が高いほど路面勾配[%]が大きくなるように設定されている。暖気時にアイドルアップしているとき、もしくは急激にアクセルペダルが踏み込まれたとき等は、エンジン回転数が高めに設定される。このとき、アウトプットシャフト3のトルクも増大し、車両はずり下がりしにくくなる。
そこで、検出されたエンジン回転数が高いほど、自動変速機2のアプトプットシャフト3のトルクが大きいとみなして路面勾配を推定している。
これにより、路面勾配の推定値をずり下がり時のアウトプットシャフトのトルクの大きさに応じた値で算出でき、勾配推定の精度を向上することができる。また、この勾配推定値を用いてゼロ点補正を行うことで、補正制御の精度を向上できる。また、エンジン回転数から容易にアウトプットシャフト3のトルクを推定することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、本発明の加速度検出装置をニュートラル制御装置の路面勾配検出手段として用いた例を示したが、本発明の加速度検出装置は、車両に搭載される加速度センサのゼロ点補正を行う装置として、他の車両制御装置に適用することができる。
また、実施例1では、一つの坂路停止時加速度推定値算出マップ内に温度に応じた複数の特性を設定した例を示したが、温度ごとに特性が設定された複数のマップを備え、温度に応じて適宜マップを選択する構成としても良い。
また、実施例1では、自動変速機2内の油温に応じて設定したが、トルクコンバータの特性(速度比、トルク比、トルク容量係数、エンジン回転数とタービン回転数との差回転数)等に応じて特性を切り換えるようにしてもよい。これらパラメータは、時々刻々と変化し、その変化によって出力軸トルクに影響を与えるからである。
また、実施例1,2において、温度やエンジン回転数に応じて複数の特性を切り換える際、例えば、所定温度範囲であれば特性1、もしくは所定エンジン回転数範囲であれば特性1といったように、パラメータに領域を設定して特性を選択させる。このとき、各パラメータの領域にヒステリシスを設け、環境条件の変動に伴う制御ハンチング等を防止するようにしてもよい。
また、実施例1では自動変速機2内の油温、実施例2ではエンジン回転数に応じて特性を選択したが、これら両パラメータの組み合わせから特性を選択するようにしてもよい。
実施例1の加速度検出装置を適用したニュートラル制御装置を示すシステム構成図である。 実施例1のECU4に内蔵された加速度検出装置の構成を示す制御ブロック図である。 実施例1の加速度変化量ΔGの算出方法を示す説明図である。 実施例1の坂路停止時加速度推定値算出マップの一例を示す図である。 実施例1のゼロ点補正方法を示す図である。 実施例1のゼロ点補正を行う領域を坂路停止時加速度推定値算出マップ上に示したものである。 実施例1の坂路停止時におけるゼロ点補正作用を示すタイムチャートである。 実施例2の加速度検出装置を適用したニュートラル制御装置を示すシステム構成図である。 実施例2のECU4に内蔵された加速度検出装置の構成を示す制御ブロック図である。 実施例2の坂路停止時加速度推定値算出マップの一例を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 アウトプットシャフト
4 ECU
5 ATCU
6 アクセル開度センサ
7 ブレーキスイッチ
8 車速センサ
9 加速度センサ
10 シフトセンサ
11 加速度検出装置
12 第1フィルタ
13 ゼロ点補正部
14 第2フィルタ
15 N制御入り時G算出部
16 N制御抜け時G算出部
17 ΔG算出部
18 加速度推定部
19 ドリフト量算出部
20 G算出部
21 温度センサ
22 エンジン回転数センサ

Claims (3)

  1. 自動変速機を有する車両に搭載された加速度センサと、
    坂路停止時の前記加速度センサの信号である坂路停止時加速度検出値を検出する坂路停止時加速度検出手段と、
    前記加速度センサ信号に基づいて、車両が当該坂路停止状態から走行状態へと移行する際の、車両のずり下がりに伴う加速度変化量を検出する加速度変化量検出手段と、
    前記ずり下がり時における前記自動変速機の出力軸トルクを検出または推定する出力軸トルク検出手段と、
    前記加速度変化量に基づいて、前記出力軸トルクが大きいほど路面勾配が大きいと推定する勾配推定手段と、
    前進走行ポジションで、アクセル操作が行われず、ブレーキ操作により車両が停止状態であって、かつ、前記勾配推定手段により検出された路面勾配が所定勾配以下である場合、車両の発進時に係合される前記自動変速機の係合要素の締結容量を低下させるニュートラル制御手段と、
    前記係合要素の引きずりトルクを検出または推定する引きずりトルク検出手段と、
    を有し、
    前記勾配推定手段は、検出された引きずりトルクが大きいほど前記出力軸トルクが大きいとみなすことを特徴とする勾配推定装置。
  2. 請求項1に記載の勾配推定装置において、
    前記自動変速機の油温を検出する油温検出手段を設け、
    前記勾配推定手段は、検出された油温が低いほど前記出力軸トルクが大きいとみなすことを特徴とする勾配推定装置。
  3. 請求項1または2に記載の勾配推定装置において、
    内燃機関であるエンジン及び該エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段を有し、
    前記勾配推定手段は、エンジン回転数が大きいほど前記出力軸トルクが大きいとみなすことを特徴とする勾配推定装置。
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