JP2010038300A - 車両の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアップクラッチを適切に制御する。
【解決手段】ECUは、加速スリップ制御中に被駆動状態であって(S200にてYES)、減速スリップ制御に移行してから予め定められた時間が経過するまでは(S202にてNO)、タービン回転数とスロットル開度とに基づいてロックアップクラッチの指示圧を算出するステップ(S204)と、算出された指示圧に予め定められた値を加算するステップ(S206)と、加速スリップ制御中に被駆動状態でなかったり(S200にてNO)、減速スリップ制御に移行してから予め定められた時間が経過している場合(S202にてYES)、タービン回転数とスロットル開度とに基づいてロックアップクラッチの指示圧を算出するステップ(S208)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図10

Description

本発明は、ロックアップクラッチを有する自動変速機が搭載された車両の制御に関し、特に、ロックアップクラッチに対するスリップ制御を車両の走行状態に応じて適切に実施する技術に関する。
従来、ロックアップクラッチを有する自動変速機においては、ロックアップクラッチの係合又は半係合を確実する技術が公知である。
たとえば、特開2005−145171号公報(特許文献1)は、車両が被駆動状態にあるときに、ロックアップクラッチの係合又は半係合を確実に実行可能とする車両用駆動力制御装置を開示する。この車両用駆動力制御装置は、エンジンの出力を制御するエンジン出力制御部と、エンジンと駆動輪との間に設けられたロックアップクラッチと駆動輪との間に設けられ駆動輪に伝達される駆動力を低減可能な駆動力低減手段とを備え、車両が被駆動状態であるとき、又は車両が駆動状態から被駆動状態への過渡時であるときであって、ロックアップクラッチが係合又は半係合される場合には、ロックアップクラッチが係合又は半係合されない場合に比べて、エンジン出力制御部は、エンジンの出力が大きくなるように制御し、駆動力低減手段は、駆動輪に伝達される駆動力を低減させるように作動することを特徴とする。
上述した公報に開示された車両用駆動力制御装置によると、車両が被駆動状態にあるときに、ロックアップクラッチの係合又は半係合が確実に実行可能となる。
特開2005−145171号公報
しかしながら、ロックアップクラッチおけるスリップ回転数は、ロックアップクラッチに与える油圧だけでなく、ロックアップクラッチの入力側のエンジン回転数および出力側のタービン回転数の変動(たとえば、車両が駆動状態または被駆動状態になることによる変動)に応じて変化するため、エンジン回転数とタービン回転数との差に基づいてロックアップクラッチの係合を制御する場合には、ロックアップクラッチに与える油圧を適切に制御できないという問題がある。
そのため、車両の加速時から減速時に変化するなどして、ロックアップクラッチの制御態様が変更される場合において、ロックアップクラッチに与える油圧が十分に確保されていない可能性がある。ロックアップクラッチの油圧不足が生じると、ロックアップクラッチのスリップ回転数を精度よく制御することができないため、たとえば、車両の減速時においては、エンジン回転数が速やかに低下してフューエルカット制御の実行頻度が低下する可能性がある。
上述した公報に開示された車両用駆動力駆動制御装置においては、車両の駆動状態から被駆動状態への過渡時にエンジン出力を増加させているに過ぎず、車両の加速時から減速時に変化するなどした場合にロックアップクラッチの制御態様が変更される際のロックアップクラッチに与える油圧の確保について何ら考慮されていないため、上述した問題を解決することができない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ロックアップクラッチを適切に制御する車両の制御装置および制御方法を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置においては、車両は、自動変速機を有する。自動変速機は、油圧で係合度合が変化するロックアップクラッチを有する。この制御装置は、車両の走行状態を検出するための検出手段と、車両が少なくとも加速中であるという第1の条件が成立した場合に、ロックアップクラッチのスリップ量が走行状態に応じて設定される第1の目標値になるようにロックアップクラッチに対して加速スリップ制御を実行するための加速スリップ制御手段と、車両が少なくとも減速中であるという第2の条件が成立した場合に、ロックアップクラッチのスリップ量が走行状態に応じて設定される第2の目標値になるようにロックアップクラッチに対して減速スリップ制御を実行するための減速スリップ制御手段とを含む。減速スリップ制御手段は、ロックアップクラッチに与える油圧の指令値を第2の目標値に基づいて決定するための手段と、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、移行前の車両の状態が被駆動状態である場合は、減速スリップ制御に移行した後の指令値を一時的に増加させるための手段と、指令値に基づいてロックアップクラッチに与える油圧を制御するための手段とを含む。第5の発明に係る車両の制御方法は、第1の発明に係る車両の制御装置と同様の構成を有する。
第1の発明によると、加速スリップ制御においては、車両が駆動状態であることを想定して、エンジン回転数がタービン回転数よりも第1の目標値だけ高くなるようにロックアップクラッチに与える油圧が制御される。しかしながら、運転者がアクセルペダルの踏み込みを緩めて、タービン回転数がエンジン回転数よりも高くなると、加速スリップ制御中においても車両が被駆動状態となり得る。このとき、ロックアップクラッチに与える油圧が低下するように制御される。運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除すると、車両は減速を開始するため、減速スリップ制御に移行される。減速スリップ制御においては、車両が被駆動状態であることを想定して、タービン回転数がエンジン回転数よりも第2の目標値だけ高くなるようにロックアップクラッチに与える油圧が制御される。そのため、減速スリップ制御への移行前の加速スリップ制御における車両の状態が被駆動状態である場合には、ロックアップクラッチに与える油圧は、減速スリップ制御への移行前の車両の状態が駆動状態である点のみが異なる場合と比較して低くなる。したがって、減速スリップ制御に移行した後のロックアップクラッチに与える油圧の指令値を一時的に増加させることにより不足する油圧を補うことができる。そのため、ロックアップクラッチに与える油圧の不足に起因したスリップ量の拡大(エンジン回転数の低下)を抑制することができる。また、エンジン回転数が速やかに低下することを抑制できるため、フューエルカット制御の実行頻度の低下を抑制することができる。したがって、ロックアップクラッチを適切に制御する車両の制御装置および制御方法を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、車両は、動力源と自動変速機とを含む。自動変速機は、油圧で係合度合が変化するロックアップクラッチを有する。この制御装置は、車両の走行状態を検出するための検出手段と、車両が少なくとも加速中であるという第1の条件が成立した場合に、ロックアップクラッチのスリップ量が走行状態に応じて設定される第1の目標値になるようにロックアップクラッチに対して加速スリップ制御を実行するための加速スリップ制御手段と、車両が少なくとも減速中であるという第2の条件が成立した場合に、ロックアップクラッチのスリップ量が走行状態に応じて設定される第2の目標値になるようにロックアップクラッチに対して減速スリップ制御を実行するための減速スリップ制御手段と、走行状態に対応して目標出力を設定し、動力源の出力が目標出力になるように動力源を制御するための出力制御手段とを含む。出力制御手段は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、移行前の車両が被駆動状態である場合は、減速スリップ制御に移行した後の目標出力を一時的に増加させる。第6の発明に係る車両の制御方法は、第2の発明に係る車両の制御装置と同様の構成を有する。
第2の発明によると、加速スリップ制御においては、車両が駆動状態であることを想定して、エンジン回転数がタービン回転数よりも第1の目標値だけ高くなるようにロックアップクラッチに与える油圧が制御される。しかしながら、運転者がアクセルペダルの踏み込みを緩めて、タービン回転数がエンジン回転数よりも高くなると、加速スリップ制御中においても車両が被駆動状態となり得る。このとき、ロックアップクラッチに与える油圧が低下するように制御される。運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除すると、車両は減速を開始するため、減速スリップ制御に移行される。減速スリップ制御においては、車両が被駆動状態であることを想定して、タービン回転数がエンジン回転数よりも第2の目標値だけ高くなるようにロックアップクラッチに与える油圧が制御される。そのため、減速スリップ制御への移行前の加速スリップ制御における車両の状態が被駆動状態である場合には、ロックアップクラッチに与える油圧は、減速スリップ制御への移行前の車両の状態が駆動状態である点のみが異なる場合と比較して低くなる。したがって、減速スリップ制御に移行した後の目標出力を一時的に増加させることにより低下したエンジン回転数を増加させることができる。そのため、エンジン回転数をタービン回転数に近づけてロックアップクラッチにおけるスリップ量の拡大を抑制することができる。また、スリップ量の拡大を抑制することにより、ロックアップクラッチを適切なスリップ量で維持して、フューエルカットの実行頻度の低下を抑制することができる。したがって、ロックアップクラッチを適切に制御する車両の制御装置および制御方法を提供することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、車両は、動力源としてエンジンを含む。自動変速機は、トルクコンバータと、変速機構とを含む。トルクコンバータには、ロックアップクラッチが設けられる。検出手段は、エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出手段と、トルクコンバータのタービン回転数を検出するためのタービン回転数検出手段と、エンジンの出力の増加要求の程度を検出するための要求検出手段とを含む。加速スリップ制御手段は、第1の条件が成立した場合に、エンジン回転数とタービン回転数との差が第1の目標値になるようにロックアップクラッチを制御する。減速スリップ制御手段は、第2の条件が成立した場合に、エンジン回転数とタービン回転数との差が第2の目標値になるようにロックアップクラッチを制御する。第7の発明に係る車両の制御方法は、第3の発明に係る車両の制御装置と同様の構成を有する。
第3の発明によると、減速スリップ制御においては、車両が被駆動状態であることを想定して、タービン回転数がエンジン回転数よりも第2の目標値だけ高くなるようにロックアップクラッチに与える油圧が制御される。そのため、減速スリップ制御への移行前の加速スリップ制御における車両の状態が被駆動状態である場合には、ロックアップクラッチに与える油圧は、減速スリップ制御への移行前の車両の状態が駆動状態である点のみが異なる場合と比較して低くなる。したがって、減速スリップ制御に移行した後のロックアップクラッチに与える油圧の指令値を一時的に増加させるようにすると不足した油圧を補うことができる。あるいは、減速スリップ制御に移行した後の目標出力を一時的に増加させるようにすると低下したエンジン回転数を増加させ、タービン回転数に近づけることによりロックアップクラッチにおけるスリップ量の拡大を抑制することができる。
第4の発明に係る車両の制御装置は、第3の発明の構成に加えて、エンジン回転数がタービン回転数よりも大きいと車両の状態が駆動状態であると判定し、エンジン回転数がタービン回転数よりも小さいと車両の状態が被駆動状態であると判定するための手段をさらに含む。第8の発明に係る車両の制御方法は、第4の発明に係る車両の制御装置と同様の構成を有する。
第4の発明によると、エンジン回転数とタービン回転数との大小関係により車両の状態が駆動状態であるか被駆動状態であるかを精度よく判定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置が搭載された車両について説明する。本実施の形態において、車両は、エンジン100と、自動変速機350と、ECU(Electronic Control Unit)1000とを含む。自動変速機350は、有段式自動変速機であってもよいし、無段式自動変速機であってもよい。自動変速機350は、流体継手であるトルクコンバータ200と、変速機構300と、油圧回路302とを含む。トルクコンバータ200には、ロックアップクラッチ202が設けられる。ロックアップクラッチ202は、係合することにより流体継手の入力軸と出力軸とを直結し、解放することにより入力軸と出力軸とを離隔する摩擦係合要素である。
ECU1000は、エンジン100および自動変速機350を制御する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、ECU1000により実現される。なお、ECU1000は、たとえば、エンジン100を制御するエンジンECUおよび自動変速機350を制御するECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU(Electronic Control Unit)1040等の複数のECUにより構成されるようにしてもよい。
エンジン100には、電子スロットル104が設けられる。電子スロットル104は、スロットルバルブ(図示せず)が設けられる。スロットルバルブの開度(以下、スロットル開度と記載する)は、ECU1000から受信する電子スロットル制御信号に基づいてスロットルモータ(図示せず)により調整される。スロットル開度は、スロットル開度センサ106により検出される。スロットル開度センサ106は、検出したスロットル開度を示す信号をECU1000に送信する。
さらに、エンジン100には、燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタ(図示せず)が設けられる。インジェクタは、ECU1000から受信する燃料噴射制御信号に基づいて燃焼室内に燃料を供給する。
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサ102により検出されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ202と、入力軸側のポンプ羽根車(図示せず)と、出力軸側のタービン羽根車(図示せず)と、ワンウェイクラッチ(図示せず)を有しトルク増幅機能を発現するステータ(図示せず)とから構成される。トルクコンバータ200と変速機構300とは、回転軸206により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサ204により検出される。変速機構300の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサ304により検出される。
変速機構300は、その内部に複数の摩擦要素であるクラッチおよびブレーキを含む。油圧回路302は、予め定められた作動表に基づいて、摩擦要素であるクラッチ要素(たとえばクラッチC1〜C4)や、ブレーキ要素(たとえばブレーキB1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(たとえばワンウェイクラッチF0〜F3)が、要求された各ギヤ段に対応して、係合および解放されるように制御される。変速機構300の変速ポジション(シフトポジション)としては、たとえば、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション、前進走行(D)ポジションがある。
出力軸回転数センサ304は、変速機構300の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられる。出力軸回転数センサ304は、変速機構300の出力軸回転数NOUTを検出する。出力軸回転数センサ304は、検出された出力軸回転数NOUTを表す信号(出力軸回転数信号)をECU1000に送信する。
エンジン回転数センサ102は、エンジン100の出力軸(トルクコンバータ200の入力軸)に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられる。エンジン回転数センサ102は、エンジン回転数NEを検出する。エンジン回転数センサ102は、検出されたエンジン回転数NEを表す信号(エンジン回転数信号)をECU1000に送信する。
タービン回転数センサ204は、トルクコンバータ200の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられる。タービン回転数センサ204は、トルクコンバータ200のタービン回転数NTを検出する。タービン回転数センサ204は、検出されたタービン回転数NTを表す信号(タービン回転数信号)をECU1000に送信する。
これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および変速機構300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
ECU1000は、エンジン100に燃料噴射信号および電子スロットル制御信号を送信して、燃料噴射量およびスロットル開度を制御する。ECU1000は、ロックアップクラッチ202のソレノイド(図示せず)に対してロックアップクラッチ制御信号(以下、LC制御信号とも記載する)を送信して、ロックアップクラッチ202に与える油圧を制御する。
また、ECU1000は、油圧回路302に対してソレノイド制御信号を送信して、油圧回路302の動作を制御する。油圧回路302は、ソレノイド制御信号に応じて、リニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブなどの動作により、所定の変速段(たとえば、第1速〜第5速)を形成するように、摩擦係合要素を係合または解放する。
アクセルポジションセンサ2100は、運転者により操作されたアクセルペダルの踏み込み量を検出する。アクセルポジションセンサ2100は、検出されたアクセルペダルの踏み込み量を表す信号(アクセルポジション信号)をECU1000に送信する。
車輪速センサ2200は、車両の車輪の回転速度(以下、車輪速という)を検出する。車輪速センサ2200は、車輪速を表す信号(車輪速信号)をECU1000に送信する。ECU1000は、受信した車輪速信号に基づいて車両の速度を算出する。
また、ECT_ECU1020は、各種データ(しきい値、変速マップ等)やプログラムが記憶されたメモリ1020を有する。
以上のような構成を有する車両において、ECU1000は、車両の走行状態に応じてロックアップクラッチ202のスリップ量が適切になるようにロックアップクラッチ202に与える油圧を制御する。「スリップ量」は、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとの差であって、以下の説明においては、スリップ回転数ともいう。
ECU1000は、ロックアップクラッチ202に対して、車両の速度およびスロットル開度に基づいて、ロックアップ制御と、トルクコンバータ制御と、車両が少なくとも加速中であるという条件が成立した場合に実行される加速スリップ制御と、車両が少なくとも減速中であるという条件が成立した場合に実行される減速スリップ制御とのうちのいずれかの制御を実施する。
たとえば、図2のスロットル開度と車両の速度との関係を示す図に、ロックアップクラッチ202のロックアップ制御を開始する線(ロックアップ制御開始線)(図2の太実線)と、ロックアップクラッチ202のロックアップ制御を中止する線(ロックアップ制御中止線)(図2の太破線)と、加速スリップ制御を開始する線(加速スリップ制御開始線)(図2の細実線)と、加速スリップ制御を中止する線(加速スリップ制御中止線)(図2の細破線)とが予め設定されて、メモリ1020に記憶される。
たとえば、ECU1000は、車両の速度およびスロットル開度に基づいて図2上に特定される位置がロックアップ制御開始線を紙面左側から右側に横切ると、ロックアップ制御を実施する。すなわち、ECU1000は、ロックアップクラッチ202が完全に係合するように、ロックアップクラッチ202に与える最大の油圧に対応する指令値(最大指示圧)をロックアップクラッチ202に送信する。図3に示すように、たとえば、アイドルオフ(すなわち、アクセルオン)であって、かつ、ロックアップ制御が実施されると、ロックアップクラッチ202が係合状態になるため、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとは実質的に同一の回転数(すなわち、スリップ回転数がゼロ)となる。
また、ECU1000は、車両の速度およびスロットル開度に基づいて図2上に特定される位置がロックアップ制御中止線を紙面右側から左側に横切ると、トルクコンバータ制御を実施する。すなわち、ECU1000は、ロックアップクラッチ202が解放状態になるように、ロックアップクラッチ202に与える最小の油圧に対応する指令値(最小指示圧)(すなわち、ゼロ)をロックアップクラッチ202に送信する。図3に示すように、たとえば、アイドルオフであって(すなわち、アクセルオン)であって、かつ、トルクコンバータ制御が実施されると、ロックアップクラッチ202は完全に解放される。このとき、トルクコンバータ200において生じる滑りによりエンジン回転数NEは、タービン回転数NTよりもA(0)だけ高い回転数となる。
さらに、ECU1000は、車両の速度およびスロットル開度に基づいて図2上に特定される位置が加速スリップ制御開始線を紙面左側から右側に横切ると、加速スリップ制御を実施する。また、ECU1000は、車両の速度およびスロットル開度に基づいて図2上に特定される位置が加速スリップ制御中止線を紙面右側から左側に横切ると、加速スリップ制御を中止する。
ECU1000は、加速スリップ制御において、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとの差が車両の走行状態に応じて設定される目標スリップ回転数A(1)になるようにロックアップクラッチ202を制御する。
図3に示すように、たとえば、アイドルオフ(すなわち、アクセルオン)であって、加速スリップ制御が実施されると、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(1)だけ高い回転数になるようにロックアップクラッチ202に与える油圧が制御される。
さらに、ECU1000は、図2に示すように、スロットル開度が実質的にゼロであって、かつ、車両の速度がV(0)以上であって、かつV(1)以下である予め定められた範囲内であると、減速スリップ制御を実施する。
ECU1000は、減速スリップ制御において、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとの差が車両の走行状態に応じて設定される目標スリップ回転数A(2)になるようにロックアップクラッチ202を制御する。
図3に示すように、たとえば、アイドルオン(すなわち、アクセルオフ)であって、減速スリップ制御が実施されると、タービン回転数NTがエンジン回転数NEよりも目標スリップ回転数A(2)だけ高い回転数になるようにロックアップクラッチ202に与える油圧が制御される。
なお、スロットル開度が実質的にゼロの状態とは、たとえば、スロットルバルブが全閉の状態あるいはエンジン100のアイドリングを維持するスロットル開度になるように電子スロットル104が制御されている状態である。
ECU1000は、スロットル開度に応じてアイドルオンであるかアイドルオフであるかを判定する。たとえば、図4に示すように、ECU1000は、スロットル開度が予め定められた開度TH(0)(図4の破線)よりも大きくなるように増加した場合に、アイドルオフであることを判定する。また、ECU1000は、スロットル開度が予め定められた開度TH(1)(図4の実線)よりも小さくなるように減少した場合に、アイドルオンであることを判定する。
なお、予め定められた開度TH(0)は、少なくとも予め定められた開度TH(1)よりも大きい開度である。
以上のようなロックアップクラッチ202を有する車両において、たとえば、アイドルオフであって、かつ、トルクコンバータ制御が実施されている場合に、運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除すると、減速スリップ制御が実施される場合がある。トルクコンバータ制御から減速スリップ制御に移行する場合には、ECU1000は、ロックアップクラッチ202の解放状態からロックアップクラッチ202におけるスリップ回転数が目標スリップ回転数A(2)になるようにロックアップクラッチ202に与える油圧を制御する。
図5に示すように、時間T(0)になるまでトルクコンバータ制御が行なわれるため、ECU1000がロックアップクラッチ202に与える油圧の指令値(以下、指示圧とも記載する)は、ゼロである。
時間T(0)にて、アクセルペダルの踏み込みが解除されて、減速スリップ制御に移行すると、ECU1000は、時間T(0)から予め定められた期間が経過する時間T(1)まで初期指示圧として指示圧Pa(0)をロックアップクラッチ202に与える油圧を調整するソレノイドに対して出力する。
時間T(1)にて、ECU1000は、Pa(0)よりも小さい指示圧Pa(1)をロックアップクラッチ202のソレノイドに出力する。時間T(2)にて、ECU1000は、Pa(1)よりも小さい指示圧Pa(2)をロックアップクラッチ202のソレノイドに対して出力する。
このようにして、図6に示すように、時間T(0)にてトルクコンバータ制御から減速スリップ制御に移行する場合、減速スリップ制御への移行後に、エンジン回転数NEがNE(0)からタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(2)だけ低い回転数に低下するようにロックアップクラッチ202が制御される。
また、アイドルオフであって、かつ、ロックアップ制御が実施されている場合に、運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除すると、減速スリップ制御が実施される場合がある。ロックアップ制御から減速スリップ制御に移行する場合には、ECU1000は、ロックアップクラッチ202の係合状態からロックアップクラッチ202におけるスリップ回転数が目標スリップ回転数A(2)になるようにロックアップクラッチ202に与える油圧を制御する。
ロックアップ制御の実施中において、ECU1000がロックアップクラッチ202に対して出力する指示圧は、最大指示圧である。アクセルペダルの踏み込みが解除されて、減速スリップ制御に移行すると、ECU1000は、ロックアップクラッチ202に対する指示圧を減速スリップ制御を実行する指示圧に低下させることにより、ロックアップクラッチ202に与える油圧を低下させる。
このようにして、図6に示すように、時間T(0)にてロックアップ制御から減速スリップ制御に移行する場合、減速スリップ制御への移行後に、エンジン回転数NEがNE(1)からタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(2)だけ低い回転数に低下するようにロックアップクラッチ202が制御される。
また、アイドルオフであって、かつ、加速スリップ制御が実施されている場合に、運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除すると、減速スリップ制御が実施される。すなわち、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合には、ECU1000は、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(1)だけ高くなるようにロックアップクラッチ202が制御された状態からタービン回転数NTがエンジン回転数NEよりも目標スリップ回転数A(2)だけ高くなるようにロックアップクラッチ202が制御される状態に移行する。
加速スリップ制御において、目標スリップ回転数A(1)が維持される場合は、ロックアップクラッチ202に与える油圧は保持される。一方、エンジン回転数NEが増加してタービン回転数NTとの差(スリップ回転数)が目標スリップ回転数A(1)以上に拡大する場合には、ロックアップクラッチ202の指示圧を増加させることによりタービン回転数NTが引き上げられる。また、エンジン回転数NEが減少して、タービン回転数との差が目標スリップ回転数A(1)以下に縮小する場合には、ロックアップクラッチ202の指示圧を減少することによりタービン回転数NTが引き下げられる。
運転者がアクセルペダルの踏み込み量を維持あるいは増加させている場合、エンジン回転数NEが、タービン回転数NTよりも大きくなり、車両の状態が、駆動状態となる場合がある。一方、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を緩めた場合であって、かつ、アイドルオフである場合には、エンジン回転数NEが、タービン回転数NTよりも小さくなり、車両の状態が、被駆動状態になる場合がある。
加速スリップ制御時であって、かつ、車両の状態が駆動状態である場合は、図7の破線に示すように、ECU1000は、指示圧としてPb(0)をロックアップクラッチ202のソレノイドに出力する。一方、加速スリップ制御時であって、かつ、車両の状態が被駆動状態である場合は、図7の実線に示すように、ECU1000は、指示圧としてPb(0)よりも小さいPb(1)をロックアップクラッチ202のソレノイドに出力する。これは、車両が被駆動状態である場合には、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも小さい状態となるためである。ECU1000は、加速スリップ制御時において、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(1)だけ大きくなるようにロックアップクラッチ202を制御する。そのため、車両が被駆動状態になる場合は、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも小さくなるため、ECU1000は、ロックアップクラッチ202に与える油圧を低下させる。
このようにスリップ回転数は、ロックアップクラッチ202に与える油圧だけでなく、車両が駆動状態である被駆動状態であるかによって変動するため、ロックアップクラッチ202に与える油圧が低いまま減速スリップ制御に移行する可能性がある。
加速スリップ制御時であって、かつ、車両の状態が駆動状態である場合は、減速スリップ制御への移行前のロックアップクラッチ202に与える油圧が十分に確保されているため、図6に示すように、減速スリップ制御への移行後においては、エンジン回転数NEがNE(2)からタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(2)だけ低い回転数になるようにロックアップクラッチ202が制御される。このとき、ECU1000は、図7に示すように、減速スリップ制御に対応する指示圧Pb(2)をロックアップクラッチ202のソレノイドに対して出力する。
一方、加速スリップ制御時であって、車両の状態が被駆動状態である場合においては、減速スリップ制御への移行前のロックアップクラッチ202に与える油圧は、十分に確保されていない。そのため、減速スリップ制御への移行後において、エンジン回転数NEがNE(3)からタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(2)だけ低い回転数になるようにロックアップクラッチ202が制御されても(すなわち、図7に示すように、ECU1000が減速スリップ制御に対応する指示圧Pb(2)をロックアップクラッチ202のソレノイドに対して出力しても)、エンジン回転数NEを引き上げるだけのロックアップクラッチ202に与える油圧を確保することができず、図6の太実線に示すように、減速スリップ制御に移行するとともにエンジン回転数が速やかに低下する。エンジン回転数が速やかに減少すると、フューエルカット制御の実行頻度が低下する場合がある。
そこで、本発明は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、移行前の車両の状態が被駆動状態である場合は、減速スリップ制御に移行した後のロックアップクラッチに対する指示圧を一時的に増加させる点に特徴を有する。
なお、本実施の形態においては、減速スリップ制御に移行した後のロックアップクラッチに対する指示圧を予め定められた期間が経過するまで一時的に増大することとしているが、本発明はこれに限られず、例えば、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行したときの、車両加速度の減少量が大きいほど長い期間を設定しても良く、切り換えられた後に一時的に増大される構成であればよい。
図8に、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000の機能ブロック図を示す。
ECU1000は、加速スリップ制御部1002と、スリップ制御移行判定部1004、減速スリップ制御部1100とを含む。
減速スリップ制御部1100は、目標スリップ回転数算出部1006と、フィードフォワード油圧算出部1008と、学習補正部1010と、フィードバック制御部1012と、スリップ制御終了判定部1014とを含む。
加速スリップ制御部1002は、スロットル開度と車両の速度とに基づいて図2上に特定される位置が加速スリップ制御開始線を横切ると、加速スリップ制御を実行する。加速スリップ制御部1002は、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(1)だけ大きくなるようにロックアップクラッチ202を制御する。加速スリップ制御部1002は、たとえば、スロットル開度と車両の速度とに基づいて図2上に特定される位置が加速スリップ制御開始線を横切ると、加速スリップ制御フラグをオンし、加速スリップ制御中止線を横切ると、加速スリップ制御フラグをオフする。
また、加速スリップ制御部1002は、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも大きいと駆動判定フラグをオンし、タービン回転数NTがエンジン回転数NEよりも大きいと被駆動判定フラグをオンする。
スリップ制御移行判定部1004は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行するか否かを判定する。スリップ制御移行判定部1004は、たとえば、加速スリップ制御フラグがオンであるときに、スロットル開度が実質的にゼロであって、かつ、車両の速度がV(0)〜V(1)の範囲内になると、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行することを判定する。なお、スリップ制御移行判定部1004は、たとえば、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行することを判定すると、移行判定フラグをオンするようにしてもよい。
目標スリップ回転数算出部1006は、減速スリップ制御に移行すると、減速スリップ制御に対応する目標スリップ回転数A(2)を算出する。なお、目標スリップ回転数算出部1006は、車両の走行状態(たとえば、スロットル開度と車両の速度)に基づいて目標スリップ回転数を算出するようにしてもよいし、車両の走行状態に関わらず所定の値を算出するようにしてもよい。
フィードフォワード油圧算出部1008は、スロットル開度とタービン回転数NTとに基づいてスリップ回転数を目標スリップ回転数A(2)とするロックアップクラッチ202の係合油圧に対応する指令値を算出する。具体的には、フィードフォワード油圧算出部1008は、スロットル開度とタービン回転数NTと指示圧との関係を示すマップ、数式あるいは表等を用いて指示圧を算出する。なお、マップ、数式あるいは表等は、予め実験等により適合されて、メモリ1020に記憶される。
フィードフォワード油圧算出部1008は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、かつ、加速スリップ制御における車両の状態が駆動状態である場合は、算出された指示圧を学習補正部1010に送信する。フィードフォワード油圧算出部1008は、たとえば、移行判定フラグおよび駆動判定フラグがいずれもオンであると、算出された指示圧を学習補正部1010に送信する。
また、フィードフォワード油圧算出部1008は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、かつ、加速スリップ制御時における車両の状態が被駆動状態である場合は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行してから予め定められた期間が経過するまで、算出された指示圧に予め定められた値を加算して学習補正部1010に送信する。フィードフォワード油圧算出部1008は、たとえば、移行判定フラグがオンであって駆動判定フラグがオフであると、移行判定フラグがオンされてから予め定められた期間が経過するまで、算出された指示圧に予め定められた値を加算して学習補正部1010に送信する。
なお、予め定められた値は、加速スリップ制御中であって、かつ、車両の状態が被駆動状態であるときに減速スリップ制御に移行した場合に、目標スリップ回転数A(2)に制御可能な指示圧となる値であれば特に限定されるものではない。たとえば、予め定められた値は、指示圧が、トルクコンバータ制御から減速スリップ制御に移行する場合における初期指示圧と同じ指示圧になるように設定されてもよい。このようにすると、ロックアップクラッチ202が解放状態に近い場合であっても目標スリップ回転数A(2)に制御することが可能となる。
フィードフォワード油圧算出部1008は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、加速スリップ制御時における車両の状態が被駆動状態であって、かつ、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行してから予め定められた期間が経過した後は、算出された指示圧を学習補正部1010に送信する。
学習補正部1010は、フィードフォワード油圧算出部1008において算出された指示圧に補正値を加算する。補正値は、たとえば、予め定められたスリップ回転数を予め定められた時間だけ保持することにより得られるロックアップクラッチ202の指示圧とフィードフォワード油圧算出部1008により算出される指示圧との差に基づく学習により算出される。学習の態様としては、フィードフォワード油圧算出部1008において算出される指示圧によるロックアップクラッチの制御の精度が向上する学習の態様であれば特に上記した態様に限定されるものではない。
フィードバック制御部1012は、現在のスリップ回転数が目標スリップ回転数になるように、学習補正部1010から送信される補正値が考慮された指示圧に現在のスリップ回転数と目標スリップ回転数との差に対応するフィードバック補正指示圧を加算して、加算された指示圧に対応するロックアップ制御信号をロックアップクラッチ202のソレノイドに出力する。
スリップ制御終了判定部1014は、アクセルポジション信号およびタービン回転数に基づいて減速スリップ制御が終了であるか否かを判定する。たとえば、スリップ制御終了判定部1014は、スロットル開度が実質的にゼロでなかったり、車速がV(0)以上であって、かつ、V(1)以下であったりすると、減速スリップ制御が終了したことを判定する。
また、本実施の形態において、加速スリップ制御部1002と、スリップ制御移行判定部1004と、目標スリップ回転数算出部1006と、フィードフォワード油圧算出部1008と、学習補正部1010と、フィードバック制御部1012と、スリップ制御終了判定部1014とは、いずれもECU1000のCPUがメモリ1020に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図9を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU1000は、加速スリップ制御中にアクセルがオフされたか否かを判定する。加速スリップ制御中にアクセルがオフされると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS100に戻される。
S102にて、ECU1000は、減速スリップ制御に移行したか否かを判定する。減速スリップ制御に移行すると(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S102にてNO)、この処理は終了する。
S104にて、ECU1000は、目標スリップ回転数を算出する。S106にて、ECU1000は、フィードフォワード油圧算出処理を実行する。なお、フィードフォワード油圧算出処理については後述する。
S108にて、ECU1000は、学習補正を実施する。S110にて、ECU1000は、実スリップ回転数が目標スリップ回転数と実質的に同一の回転数であるか否かを判定する。実スリップ回転数が目標スリップ回転数と実質的に同一の回転数であると(S110にてYES)、処理はS114に移される。もしそうでないと(S110にてNO)、処理はS112に移される。
S112にて、ECU1000は、フィードバック油圧補正を実施する。具体的には、ECU1000は、学習補正された指示圧に現在のスリップ回転数と目標スリップ回転数との差に対応するフィードバック補正指示圧を加算した値を最終的な指示圧としてロックアップクラッチ202のソレノイドに出力する。
S114にて、ECU1000は、減速スリップ制御が終了したか否かを判定する。減速スリップが終了したことを判定すると(S114にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S114にてNO)、処理はS110に移される。
図10を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000で実行される、フィードフォワード油圧算出処理のプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、ECU1000は、加速スリップ制御中の車両の状態が被駆動状態であった否かを判定する。加速スリップ制御中の車両の状態が被駆動状態であると(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS208に移される。
S202にて、ECU1000は、減速スリップ制御に移行してから予め定められた期間が経過したか否かを判定する。減速スリップ制御に移行してから予め定められた期間が経過すると(S202にてYES)、処理はS204に移される。もしそうでないと(S202にてNO)、処理はS208に移される。
S204にて、ECU1000は、スロットル開度とタービン回転数NTとに基づいてスリップ回転数を目標スリップ回転数A(2)とするためのロックアップクラッチ202に対する指示圧を算出する。
S206にて、ECU1000は、S204にて算出された指示圧に予め定められた値を加算する。S208にて、ECU1000は、スロットル開度とタービン回転数NTとに基づいてロックアップクラッチ202に対する指示圧を算出する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000の動作について説明する。
ロックアップクラッチ202に対して加速スリップ制御が実施されている場合を想定する。運転者がアクセルペダルの踏み込み量を緩めている場合においては、エンジン回転数NEは、タービン回転数NTよりも低く、車両の状態は被駆動状態となる。このとき、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(1)だけ高くなるようにロックアップクラッチ202が制御される。そのため、ECU1000は、図11に示すように、Pb(1)を指示圧としてロックアップクラッチ202にロックアップ制御信号を出力する。
時間T(3)において、運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除した場合(S100にてYES)、スロットル開度と車両の速度とに基づいて減速スリップ制御に移行するか否かが判定される(S102)。スロットル開度が実質的にゼロであって、かつ、車両の速度がV(0)以上であって、かつ、V(1)以下である場合(S102にてYES)、目標スリップ回転数が算出され(S104)、フィードフォワード油圧算出処理が実施される(S106)。
減速スリップ制御への移行前の加速スリップ制御において、車両の状態が被駆動状態であったため(S200にてYES)、予め定められた期間が経過するまで(S202にてNO)、スロットル開度とタービン回転数NTとに基づいてスリップ回転数を目標スリップ回転数A(2)とするロックアップクラッチ202の係合油圧に対応する指示圧Pb(2)が算出され(S204)、算出された指示圧Pb(2)に予め定められた値が加算される(S206)。そのため、図11に示すように、時間T(3)から予め定められた期間が経過する時間T(4)まで、フィードフォワード油圧に対応する指示圧としてPb(3)が出力され、時間T(4)以降においては(S202にてYES)、Pb(2)を指示圧として出力される。
このように、減速スリップ制御への移行前の加速スリップ制御において、車両の状態が被駆動状態である場合には、予め定められた値が指令値に加算されるから、被駆動状態でない、すなわち、駆動状態である場合と比較して、一時的に指令値が増大させられる。
なお、本実施の形態においては、予め定められた値が加算されているが、本発明はこれに限られず、たとえば、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行したときの、車両加速度の減少量が大きいほど大きい値を加算するなど、車両走行状態に応じて可変の値が加算されても良く、被駆動状態でない、すなわち、駆動状態である場合と比較して、一時的に指令値が増大させられていればよい。
算出された指示圧に学習による補正値が加算され(S108)、実スリップ回転数が目標スリップ回転数A(2)と実質的に同一の回転数になるまで(S110にてNO)、フィードバック補正指示圧が加算された指示圧がロックアップクラッチ202に出力される(S112)。そのため、図12の太実線に示すように、加速スリップ制御中に被駆動状態で減速スリップ制御に移行した場合においても、時間T(3)よりも後の時間T(5)にて、ロックアップクラッチ202に与える油圧により実スリップ回転数の増加(エンジン回転数NEとタービン回転数NTとの差の拡大)が抑制され、時間T(6)にて、実スリップ回転数を目標スリップ回転数A(2)となる。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、減速スリップ制御への移行前の加速スリップ制御時における車両の状態が被駆動状態である場合には、減速スリップ制御に移行した後のロックアップクラッチに与える油圧の指令値を予め定められた期間が経過するまで一時的に増加させることにより不足するロックアップクラッチに与える油圧を補うことができる。そのため、ロックアップクラッチに与える油圧の不足に起因したスリップ回転数の拡大(エンジン回転数の低下)を抑制することができる。また、エンジン回転数が速やかに低下することを抑制できるため、フューエルカット制御の実行頻度の低下を抑制することができる。したがって、ロックアップクラッチを適切に制御する車両の制御装置および制御方法を提供することができる。
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置の構成と比較して、ECU1000で実行されるプログラムの制御構造が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態においては、ECU1000が、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、移行前の車両が被駆動状態である場合は、減速スリップ制御に移行した後のエンジン100の目標出力を予め定められた期間が経過するまで一時的に増加させる点に特徴を有する。
図13に、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000の機能ブロック図を示す。
なお、図13の機能ブロック図に示されるECU1000は、図8で説明した第1の実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000の機能ブロック図と比較して、エンジン出力制御部1016をさらに含む点が異なる。なお、図8で説明したECU1000の機能ブロックと同一の構成には同一の符号を付している。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
エンジン出力制御部1016は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、加速スリップ制御において車両が駆動状態である場合は、車両の走行状態(スロットル開度、車両の速度およびエンジン回転数)に対応した出力になるようにエンジン100を制御する。
一方、エンジン出力制御部1016は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、加速スリップ制御において車両が被駆動状態である場合は、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行してから予め定められた期間が経過するまで、車両の走行状態に基づいて設定される目標出力を予め定められた出力だけ増加してエンジン100を制御する。エンジン出力制御部1016は、たとえば、移行判定フラグがオンであって駆動判定フラグがオフであると、移行判定フラグがオンされてから予め定められた期間が経過するまで出力が増加するようにエンジン制御信号をエンジン100に送信する。
なお、本実施の形態において、エンジン出力制御部1016は、ECU1000のCPUがメモリ1020に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録された車両に搭載される。
また、本実施の形態において、加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する場合であって、加速スリップ制御において車両が被駆動状態である場合は、エンジン100の出力上昇に加えて、上述の第1の実施の形態において説明したように、ロックアップクラッチ202に与える油圧を増加させるようにしてもよい。
また、エンジン100の出力上昇の態様としては、エンジン100の出力が上昇できれば特に限定されるものではなく、たとえば、燃料噴射量、スロットル開度、吸気バルブまたは排気バルブの開閉時期または点火時期等によりエンジン100の出力を上昇するようにしてもよく、少なくともエンジン回転数NEを上昇できればよい。
図14を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
なお、図14に示したフローチャートの中で、前述の図9に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
減速スリップ制御が開始されることが判定されると(S102にてYES)、S300にて、ECU1000は、エンジン出力制御処理を実施する。その後処理はS104に移される。
図15を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000で実行される、エンジン出力制御処理のプログラムの制御構造について説明する。
なお、図15に示したフローチャートの中で、前述の図10に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行してから予め定められた期間が経過したと判定されない場合(S202にてNO)、S302にて、ECU1000は、車両の走行状態に基づいて目標出力を算出する。S304にて、ECU1000は、算出された目ひょう出力に予め定められた値を加算する。加速スリップ制御中に被駆動状態でなかったり(S200にてNO)、減速スリップ制御に移行してから予め定められた期間が経過すると(S202にてYES)、S306にて、ECU1000は、車両の走行状態に基づいて目標出力を算出する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1000の動作について説明する。
ロックアップクラッチ202に対して加速スリップ制御が実施されている場合を想定する。運転者がアクセルペダルの踏み込み量を緩めている場合においては、エンジン回転数NEは、タービン回転数NTよりも目標スリップ回転数A(1)だけ高くなるようにロックアップクラッチ202が制御される。そのため、ECU1000は、たとえば、Pb(1)を指示圧としてロックアップクラッチ202のソレノイドにロックアップ制御信号を出力する。
運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除した場合(S100にてYES)、スロットル開度が実質的にゼロであって、かつ、車両の速度がV(0)以上であって、かつ、V(1)以下である場合(S102にてYES)、エンジン出力制御処理が実施される(S300)。
減速スリップ制御への移行前の加速スリップ制御において、車両の状態が被駆動状態であったため(S200にてYES)、予め定められた期間が経過するまで(S202にてNO)、車両の走行状態に基づいてエンジン100の目標出力が算出され(S302)、算出された目標出力に予め定められた値が加算される(S304)。予め定められた期間が経過すると(S202にてYES)、車両の走行状態に基づくエンジン100の目標出力が算出される(S306)。減速スリップ制御への移行時にエンジン100の出力増加制御が実施されるため、エンジン回転数NEが上昇することにより、実スリップ回転数が目標スリップ回転数A(2)に近づくこととなる。そのため、タービン回転数NTとエンジン回転数NEとの関係において、目標スリップ回転数A(2)を確保することができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、減速スリップ制御への移行前の加速スリップ制御時における車両の状態が被駆動状態である場合には、減速スリップ制御に移行した後の目標出力を予め定められた期間が経過するまで一時的に増加させることにより低下したエンジン回転数を増加させ、タービン回転数に近づけることによりロックアップクラッチにおけるスリップ回転数の拡大を抑制することができる。また、スリップ回転数の拡大を抑制することにより、ロックアップクラッチを適切なスリップ回転数を維持することができるため、フューエルカットの実行頻度の低下を抑制することができる。したがって、ロックアップクラッチを適切に制御する車両の制御装置および制御方法を提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1の実施の形態に係る車両の制御装置が搭載された車両のパワートレーンを示す図である。 ロックアップ制御、加速スリップ制御および減速スリップ制御を実施する領域を示す図である。 ロックアップクラッチの制御態様に応じたスリップ量を示す図である。 アイドルオン−オフの判定領域を示す図である。 トルクコンバータ制御から減速スリップ制御への移行時におけるロックアップクラッチの指示圧の変化を示すタイミングチャートである。 ロックアップクラッチの制御態様に応じたエンジン回転数の変化を示すタイミングチャート(その1)である。 加速スリップ制御から減速スリップ制御への移行時におけるロックアップクラッチの指示圧の変化を示すタイミングチャート(その1)である。 第1の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUの機能ブロック図である。 第1の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるフィードフォワード油圧算出処理のプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 加速スリップ制御から減速スリップ制御への移行時におけるロックアップクラッチの指示圧の変化を示すタイミングチャート(その2)である。 ロックアップクラッチの制御態様に応じたエンジン回転数の変化を示すタイミングチャート(その2)である。 第2の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUの機能ブロック図である。 第2の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるエンジン出力制御処理のプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
100 エンジン、102 エンジン回転数センサ、104 電子スロットル、106 スロットル開度センサ、200 トルクコンバータ、202 ロックアップクラッチ、204 タービン回転数センサ、206 回転軸、300 変速機構、302 油圧回路、304 出力軸回転数センサ、350 自動変速機、1000 ECU、1002 加速スリップ制御部、1004 スリップ制御移行判定部、1006 目標スリップ回転数算出部、1008 フィードフォワード油圧算出部、1010 学習補正部、1012 フィードバック制御部、1014 スリップ制御終了判定部、1016 エンジン出力制御部、1020 メモリ、1100 減速スリップ制御部、2100 アクセルポジションセンサ、2200 車輪速センサ。

Claims (8)

  1. 車両の制御装置であって、前記車両は、自動変速機を有し、前記自動変速機は、油圧で係合度合が変化するロックアップクラッチを有し、
    前記車両の走行状態を検出するための検出手段と、
    前記車両が少なくとも加速中であるという第1の条件が成立した場合に、前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記走行状態に応じて設定される第1の目標値になるように前記ロックアップクラッチに対して加速スリップ制御を実行するための加速スリップ制御手段と、
    前記車両が少なくとも減速中であるという第2の条件が成立した場合に、前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記走行状態に応じて設定される第2の目標値になるように前記ロックアップクラッチに対して減速スリップ制御を実行するための減速スリップ制御手段とを含み、
    前記減速スリップ制御手段は、
    前記ロックアップクラッチに与える油圧の指令値を前記第2の目標値に基づいて決定するための手段と、
    前記加速スリップ制御から前記減速スリップ制御に移行する場合であって、移行前の前記車両の状態が被駆動状態である場合は、前記減速スリップ制御に移行した後の前記指令値を一時的に増加させるための手段と、
    前記指令値に基づいて前記ロックアップクラッチに与える油圧を制御するための手段とを含む、車両の制御装置。
  2. 車両の制御装置であって、前記車両は、動力源と自動変速機とを含み、前記自動変速機は、油圧で係合度合が変化するロックアップクラッチを有し、
    前記車両の走行状態を検出するための検出手段と、
    前記車両が少なくとも加速中であるという第1の条件が成立した場合に、前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記走行状態に応じて設定される第1の目標値になるように前記ロックアップクラッチに対して加速スリップ制御を実行するための加速スリップ制御手段と、
    前記車両が少なくとも減速中であるという第2の条件が成立した場合に、前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記走行状態に応じて設定される第2の目標値になるように前記ロックアップクラッチに対して減速スリップ制御を実行するための減速スリップ制御手段と、
    前記走行状態に対応して目標出力を設定し、前記動力源の出力が前記目標出力になるように前記動力源を制御するための出力制御手段とを含み、
    前記出力制御手段は、前記加速スリップ制御から前記減速スリップ制御に移行する場合であって、移行前の前記車両が被駆動状態である場合は、前記減速スリップ制御に移行した後の前記目標出力を一時的に増加させる、車両の制御装置。
  3. 前記車両は、動力源としてエンジンを含み、前記自動変速機は、トルクコンバータと、変速機構とを含み、前記トルクコンバータには、前記ロックアップクラッチが設けられ、
    前記検出手段は、
    エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出手段と、
    前記トルクコンバータのタービン回転数を検出するためのタービン回転数検出手段と、
    前記エンジンの出力の増加要求の程度を検出するための要求検出手段とを含み、
    前記加速スリップ制御手段は、前記第1の条件が成立した場合に、前記エンジン回転数と前記タービン回転数との差が前記第1の目標値になるように前記ロックアップクラッチを制御し、
    前記減速スリップ制御手段は、前記第2の条件が成立した場合に、前記エンジン回転数と前記タービン回転数との差が前記第2の目標値になるように前記ロックアップクラッチを制御する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記エンジン回転数が前記タービン回転数よりも大きいと前記車両の状態が駆動状態であると判定し、前記エンジン回転数が前記タービン回転数よりも小さいと前記車両の状態が被駆動状態であると判定するための手段をさらに含む、請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 車両の制御方法であって、前記車両は、自動変速機を有し、前記自動変速機は、油圧で係合度合が変化するロックアップクラッチを有し、
    前記車両の走行状態を検出する検出ステップと、
    前記車両が少なくとも加速中であるという第1の条件が成立した場合に、前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記走行状態に応じて設定される第1の目標値になるように前記ロックアップクラッチに対して加速スリップ制御を実行する加速スリップ制御ステップと、
    前記車両が少なくとも減速中であるという第2の条件が成立した場合に、前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記走行状態に応じて設定される第2の目標値になるように前記ロックアップクラッチに対して減速スリップ制御を実行する減速スリップ制御ステップとを含み、
    前記減速スリップ制御ステップは、
    前記ロックアップクラッチに与える油圧の指令値を前記第2の目標値に基づいて決定するステップと、
    前記加速スリップ制御から前記減速スリップ制御に移行する場合であって、移行前の前記車両の状態が被駆動状態である場合は、前記減速スリップ制御に移行した後の前記指令値を一時的に増加させるステップと、
    前記指令値に基づいて前記ロックアップクラッチに与える油圧を制御するステップとを含む、車両の制御方法。
  6. 車両の制御方法であって、前記車両は、動力源と自動変速機とを含み、前記自動変速機は、油圧で係合度合が変化するロックアップクラッチを有し、
    前記車両の走行状態を検出する検出ステップと、
    前記車両が少なくとも加速中であるという第1の条件が成立した場合に、前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記走行状態に応じて設定される第1の目標値になるように前記ロックアップクラッチに対して加速スリップ制御を実行する加速スリップ制御ステップと、
    前記車両が少なくとも減速中であるという第2の条件が成立した場合に、前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記走行状態に応じて設定される第2の目標値になるように前記ロックアップクラッチに対して減速スリップ制御を実行する減速スリップ制御ステップと、
    前記走行状態に対応した目標出力を設定し、前記動力源の出力が前記目標出力になるように前記動力源を制御する出力制御ステップとを含み、
    前記出力制御ステップは、前記加速スリップ制御から前記減速スリップ制御に移行する場合であって、移行前の前記車両が被駆動状態である場合は、前記減速スリップ制御に移行した後の前記目標出力を一時的に増加させる、車両の制御方法。
  7. 前記車両は、動力源としてエンジンを含み、前記自動変速機は、トルクコンバータと、変速機構とを含み、前記トルクコンバータには、前記ロックアップクラッチが設けられ、
    前記検出ステップは、
    エンジン回転数を検出するステップと、
    前記トルクコンバータのタービン回転数を検出するステップと、
    前記エンジンの出力の増加要求の程度を検出するステップとを含み、
    前記加速スリップ制御ステップは、前記第1の条件が成立した場合に、前記エンジン回転数と前記タービン回転数との差が前記第1の目標値になるように前記ロックアップクラッチを制御し、
    前記減速スリップ制御ステップは、前記第2の条件が成立した場合に、前記エンジン回転数と前記タービン回転数との差が前記第2の目標値になるように前記ロックアップクラッチを制御する、請求項5または6に記載の車両の制御方法。
  8. 前記制御方法は、前記エンジン回転数が前記タービン回転数よりも大きいと前記車両の状態が駆動状態であると判定し、前記エンジン回転数が前記タービン回転数よりも小さいと前記車両の状態が被駆動状態であると判定するステップをさらに含む、請求項7に記載の車両の制御方法。
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