JP5106182B2 - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造工程または液晶パネル製造工程などの電子産業から排出される現像廃液含有原水を浸漬膜活性汚泥処理により処理する水処理方法および水処理装置に関する。
近年、半導体製造工程や液晶パネル製造工場などの電子産業工場、化学工場、自動車工場などで大量の製造水、純水、超純水などが利用されており、工業用水の取水制限、水資源確保、排水放流先への環境影響、下水料金の高騰などから工場内で排水を回収再利用する検討が進められている。
現状、上記の工場内の排水回収処理として、生物処理後に逆浸透膜(RO膜)処理を行って水を回収再利用するケースが増えつつあるが、本処理法では微生物または代謝産物などによるRO膜の目詰まりが早く、フラックスが急速に低下することが課題となっている(例えば、特許文献1参照)。RO膜の目詰まりが生じると、頻繁にアルカリ洗浄などを行う必要が有り、運転管理上、およびランニングコスト上の大きな課題となる。そこで、RO膜の通水をアルカリで運転する方法などが提案されている(特許文献2参照)が、常にアルカリ運転を実施することによるランニングコストの上昇、RO膜の寿命、および本法でも薬品洗浄を実施する必要があり、運用上の課題となっている。
一方、従来、レジスト由来の樹脂を若干含有するTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)現像廃液の処理方法や排水回収処理方法が、各種方法(生物処理、イオン交換樹脂、膜処理など)として提案されている(特許文献3〜6参照)。
上記背景において、浸漬膜活性汚泥処理を工場内の排水回収で使用する検討が開始されており、各種模擬排水と実排水を用いて適用検討を進めた結果、排水によっては浸漬膜の目詰まりが顕著に早くなる現象が見受けられた。
そこで、本発明者らは、浸漬膜の目詰まりの原因について、汚泥性状、汚泥粘度、汚泥負荷などの運転条件、および原水に含まれる成分について鋭意検討した。この結果、模擬排水と実排水の運転比較評価から活性汚泥の状態や原水中の有機物の種類、濃度よりも、実排水に含まれている濁質が浸漬膜の目詰まりに大きく影響する可能性を見出した。浸漬膜の目詰まりの詳細なメカニズムは不明であるが、実排水に含有されるレジスト由来の樹脂、さらには顔料、色素系由来の濁質と推定される。
なお、排水回収の原水に現像排液も一部含有され、レジスト樹脂由来の濁質が含まれると推測されたが、従来の現像排液の単独処理、水回収によりレジスト由来の濁質を含む排液の処理でも膜処理、イオン交換処理が実施されており、本ケースでは、さらに他種の排水で数十倍に混合希釈されていることから、浸漬膜活性汚泥処理の適用において問題があるとは考えられてこなかった。
従来のレジスト樹脂含有原水の処理において、レジスト樹脂を析出させてから膜処理することも考えられるが、本法において、析出したSSでの膜の詰まりによる運転の安定性は大きな問題とは認識されていない。また、膜表面の汚染防止に振動型の膜を使うことが提案されているが、大流量の処理において振動型の膜処理の設置は、規模的、経済的な面で現実的な方法ではない。
浸漬膜が目詰まりを起こした場合、活性汚泥内に浸漬したまま次亜塩素酸などを注入するインライン洗浄、または浸漬膜を生物反応槽内から取り出して次亜塩素酸、クエン酸などに漬けおき洗浄することが必要となる。薬品洗浄実施のタイミングは、通常、浸漬膜の吸引圧力の差圧が30〜50kPa程度に達した際に行われるのが一般的であり、その頻度は少なくとも3ヶ月以上、好ましくは6ヶ月から1年に1回が運用上好ましい。
特開2002−336886号公報 特開2005−81268号公報 特公平8−235号公報 特開2001−276825号公報 特許第2730610号公報 特開平11−262765号公報
本発明は、浸漬膜活性汚泥処理による水処理において、浸漬膜の目詰まり、また後段でRO膜による処理を行う場合はRO膜の目詰まりが急激に生じず、現像廃液含有原水の水処理、または水回収を安定して行うことができる水処理方法および水処理装置を提供する。
本発明は、レジスト樹脂を含有する現像廃液含有原水を、浸漬膜を用いて活性汚泥処理を行う浸漬膜活性汚泥処理工程を含む水処理方法であって、前記浸漬膜活性汚泥処理工程の前に、前記現像廃液含有原水のpHを5.5〜7の範囲に調整し、無機凝集剤を添加した後に、高分子凝集剤を添加する凝集分離処理工程を含む水処理方法である。
また、前記水処理方法において、前記活性汚泥処理におけるpHが、5.5〜7の範囲であることが好ましい。
また、前記水処理方法において、前記凝集分離処理が、凝集加圧浮上処理であることが好ましい。
また、前記水処理方法において、逆浸透膜を用いて、前記活性汚泥処理を行った生物処理水の分離処理を行う逆浸透膜処理工程を含むことが好ましい。
また、本発明は、レジスト樹脂を含有する現像廃液含有原水を、浸漬膜を用いて活性汚泥処理を行う浸漬膜活性汚泥処理手段を備える水処理装置であって、前記浸漬膜活性汚泥処理手段の前段に、前記現像廃液含有原水のpHを5.5〜7の範囲に調整し、無機凝集剤を添加した後に、高分子凝集剤を添加する凝集分離処理手段を備える水処理装置である。
また、前記水処理装置において、前記凝集分離処理においてpH調整を行うためのpH調整手段を備えることが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記凝集分離処理手段が、加圧浮上処理手段を有することが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記浸漬膜活性汚泥処理手段の後段に、逆浸透膜を有する逆浸透膜処理手段を備えることが好ましい。
本発明では、凝集分離処理後に浸漬膜活性汚泥処理を実施することにより、浸漬膜の目詰まり、また後段でRO膜による処理を行う場合はRO膜の目詰まりが急激に生じず、現像廃液含有原水の水処理、または水回収を安定して行うことができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明者らは、液晶パネル工場で排出される模擬排水と、実排水(模擬排水と同一組成であるが製造工程から発生する懸濁物質(SS)を含む)を用いて、処理性能、浸漬膜の目詰まりについて評価した。この結果、模擬排水と比較して実排水の膜目詰まりが顕著であることが明確になった。そこで、実排水に含有されるSSを凝集分離処理後に再試験を行った結果、模擬排水通水時と同等の膜差圧に抑制できることを見出し、本発明に至った。凝集条件も鋭意検討し、後段の生物処理の性能に影響をほとんど与えず、確実に固液分離ができる凝集条件を見出した。本条件であれば、凝集分離処理後に再度生物処理のためのpH調整を省力し、浸漬膜の目詰まりを抑制することが可能となる。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。水処理装置1は、原水槽10と、凝集分離処理手段である無機凝集反応槽12、高分子凝集反応槽14、および凝集固液分離手段としての凝集固液分離装置16と、凝集処理水槽18と、浸漬膜活性汚泥処理手段である生物反応槽20、および浸漬膜を備える浸漬膜ユニット22と、生物処理水槽24と、逆浸透膜(RO膜)を有する逆浸透膜処理手段であるRO膜分離装置26とを備える。
図1の水処理装置1において、原水槽10の出口は原水配管28により無機凝集反応槽12の入口と、無機凝集反応槽12の出口は無機凝集水配管30により高分子凝集反応槽14の入口と、高分子凝集反応槽14の出口は高分子凝集水配管32により凝集固液分離装置16の入口と、凝集固液分離装置16の出口は凝集処理水配管34により凝集処理水槽18の入口と、それぞれ接続されている。凝集処理水槽18の出口は、ポンプ36を介して凝集処理水配管38により生物反応槽20の下部と接続されている。生物反応槽20には、浸漬膜ユニット22が設置され、浸漬膜ユニット22の浸漬膜は、吸引ポンプ40を介して生物処理水配管42により生物処理水槽24と接続されている。生物処理水槽24の出口は、フィルタ44、ポンプ46を介して生物処理水配管48により、RO膜分離装置26の入口に接続されている。RO膜分離装置26の出口には、処理水配管50が接続されている。また、生物処理水槽24の下部は、必要に応じて、逆洗手段である逆洗ポンプ52を介して逆洗配管54により生物処理水配管42の途中の吸引ポンプ40下流側に接続されていてもよい。生物反応槽20の底部には、曝気手段であるコンプレッサ56が曝気配管58により接続されている。
本実施形態に係る水処理方法及び水処理装置1の動作について説明する。
<凝集分離処理工程>
図1の水処理装置1において、現像廃液含有原水(以下、単に「原水」と呼ぶ場合がある)は、原水槽10に流入した後、原水配管28を通して無機凝集反応槽12に送液される。無機凝集反応槽12において、無機凝集剤が添加され、レジスト由来の樹脂などの無機凝集反応が行われる(無機凝集反応工程)。無機凝集反応槽12では、図示しないpH調整手段であるポンプなどによりpH調整剤が添加され、凝集分離処理におけるpHが調整されることが好ましい。このあと、無機凝集処理された無機凝集水は、無機凝集水配管30を通して高分子凝集反応槽14に送液される。高分子凝集反応槽14において、高分子凝集剤が添加され、高分子凝集反応が行われる(高分子凝集反応工程)。高分子凝集処理された高分子凝集水は、高分子凝集水配管32を通して凝集固液分離装置16に送液され、凝集固液分離装置16において、凝集固液分離処理が行われて、凝集処理水が得られる(凝集固液分離処理工程)。凝集固液分離処理工程においては、加圧浮上処理手段である加圧浮上装置により固液分離が行われることが好ましい。
<浸漬膜活性汚泥処理工程>
凝集処理水は、ポンプ36により凝集処理水配管38を通して、生物反応槽20に送液される。生物反応槽20には、好気性の活性汚泥が存在する。一方、生物反応槽20の底部から、コンプレッサ56からの空気が曝気配管58を通して送気されている。生物反応槽20において、活性汚泥により原水中の有機物の分解処理が行われる(浸漬膜活性汚泥処理工程)。浸漬膜ユニット22の浸漬膜は吸引ポンプ40により吸引され、固液分離が行われる(固液分離工程)。固液分離された生物処理水は、生物処理水配管42を通して、生物処理水槽24に送液される。必要に応じて、所定の間隔で、生物処理水槽24の生物処理水の少なくとも一部は逆洗水として、逆洗ポンプ52により逆洗配管54、生物処理水配管42を通して浸漬膜ユニット22の浸漬膜に送液され、浸漬膜が逆洗されてもよい。
<逆浸透膜処理工程>
生物処理水を回収、再利用する場合には、さらにポンプ46によりフィルタ44を経由して生物処理水配管48を通してRO膜分離装置26に送液され、RO膜分離装置26において、RO膜によりRO膜処理が行われる(逆浸透膜処理工程)。RO膜処理された処理水は処理水配管50を通して系外に排出される。
<適用可能な原水>
本実施形態において、適用可能な現像廃液含有原水のTOC濃度は、水回収向けでは例えば、2000mgC/L以下、BOD濃度は、例えば、500mg/L以下である。また、水回収向け以外では例えば、TOC濃度は1500mgC/L以下、BOD濃度は3000mg/L以下である。
適用可能な原水は、例えば、半導体工場、液晶パネル工場、その他の工場から排出されるレジスト樹脂(通常、pH中性条件で析出、アルカリ条件では溶解している)などのSSを含む排水である。これらの排水に含有される成分の主なものとして、2−アミノエタノール、2−プロパノール、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、コリン、DMSO(ジメチルスルホキシド)、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸、シュウ酸などの有機酸、界面活性剤などがあるが、含有成分はこれらの物質に限定されるものではない。主に、フォトレジストなどのレジストを用いる工程からのレジスト樹脂を含む現像廃液含有排水に好適である。レジスト樹脂としては、フォトレジストなどのレジストに用いられる樹脂であればよく特に制限はない。フォトレジストの種類としては露光された部分が現像液に可溶になる(エッチングされる)ポジ型フォトレジストや露光された部分が現像液に不溶になるネガ型フォトレジストがある。
<凝集分離処理条件>
無機凝集処理においては、通常の凝集処理に使用されるポリ塩化アルミニウム(PAC)などの無機凝集剤を用いて、50〜500mg/L程度の濃度で実施することができる。
高分子凝集処理においては、通常の凝集処理に使用されるアニオンポリマなどの高分子凝集剤を用いて、1〜10mg/L程度の濃度で実施することができる。
凝集処理(無機凝集反応工程、高分子凝集反応工程)におけるpHは、通常は5.5〜8.0の範囲であるが、本方法では、通常よりpHが弱酸性の5.5〜7の範囲であることが好ましく、6〜6.5の範囲であることがより好ましい。pH5.5〜7の範囲で凝集状態が良好となる傾向にある。おそらく、レジストが酸性でより析出しやすくなるためと考えられる。本範囲であれば、凝集分離処理後に活性汚泥処理のためのpH調整を再度行うのを省力することが可能となる。
pH調整剤としては、塩酸などの酸、または苛性ソーダなどのアルカリを用いることができる。
凝集処理後の凝集固液分離手段としては、沈殿池、加圧浮上処理、膜処理などが使用できるが、経済性、凝集状態などの点から、加圧浮上が好ましい。
<浸漬膜活性汚泥処理条件>
浸漬膜活性汚泥処理における生物反応槽20の処理条件としては、汚泥濃度が10,000mg/L以下、好ましくは、3,000〜8,000mg/Lの範囲、汚泥粘度が60mPa・s以下、好ましくは、50mPa・s以下、生物反応槽20の負荷が1.5kgBOD/m/day以下、好ましくは0.4〜1.0kgBOD/m/dayの範囲で運転することが好ましい。
汚泥濃度が10,000mg/Lを超えると汚泥の粘度が急激に上昇し、浸漬膜が目詰まる場合があり、3,000mg/L未満であると汚泥当たりのBOD負荷が高くなり、処理水質が悪化する場合がある。汚泥粘度が60mPa・sを超えると汚泥の粘度が急激に上昇し、浸漬膜が目詰まる場合がある。また、生物反応槽20の負荷が1.5kgBOD/m/dayを超えると処理水質の悪化と浸漬膜の目詰まりが起こる場合があり、0.4kgBOD/m/day未満であると浸漬膜の目詰まりが起き、また生物反応槽が大きく不経済となる場合がある。
生物反応槽20における滞留時間は、1時間〜24時間の範囲であり、2〜5時間の範囲が好ましい。滞留時間が1時間未満であると処理を十分に行うことができない。24時間を超えると処理コストが増大する。また、フロックが分散化してしまう。
生物反応槽20における汚泥負荷(BOD−SS負荷)については、0.005〜0.15kgBOD/SS/dayの範囲が好ましい。汚泥負荷が0.005kgBOD/SS/day未満であると低負荷により汚泥が分散状態となり浸漬膜が目詰まる場合があり、0.15kgBOD/SS/dayを超えると高負荷により処理水質が悪化し、また菌の代謝産物の増加により浸漬膜が目詰まる場合がある。
生物反応槽20における液のpHは、5.5〜7の範囲、特に5.5〜6.5の範囲となるように調整することが好ましい。pH5.5〜7の範囲であれば、凝集処理水に残留したレジストを析出しやすくして汚泥に取り込ませることができ、かつ生物処理が可能である。pHが5.5未満や7を超えると生物処理性能が悪化する場合がある。前述のように、凝集処理におけるpHを5.5〜7の範囲に調整することにより、生物反応槽20における液のpHが5.5〜7の範囲に保たれるが、必要に応じて、pH調整剤を添加してpH調整を行ってもよい。
生物反応槽20におけるDO(溶存酸素)濃度は、0.5mg/L以上、特に1.5〜3.5mg/Lの範囲であることが好ましい。DO濃度が0.5mg/L未満であると生物処理性能が悪化する場合があり、3.5mg/Lを超えるとフロックが分散化してしまい、また処理コストが増大して不経済となる場合がある。
生物反応槽20における栄養源としては、微生物が有機物を分解し、増殖していくためには、窒素、リンのほか、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属類や鉄、マンガン、亜鉛などの金属類といった微量金属類が必要となる。窒素源としては、外部から尿素、アンモニア塩などを添加することができる。リン源としては、外部からリン酸塩、リン酸を添加することができる。また、窒素源・リン源としては、原水中に十分量含まれていれば外部から添加する必要はなく、また、窒素・リンを含む他の排水を有機物含有原水に添加することでも対応することができる。微量金属類は、半導体工場や液晶パネル工場での有機物含有原水では、不足することが多い。このため、水道水、工業用水などの微量金属類を含む水を導入する、微量元素を含む製剤を添加するなどの方法で補給することもできる。
<浸漬膜>
浸漬膜は生物反応槽20内に浸漬し、浸漬膜の吸引ろ過によって生物処理水を得ることができるが、生物反応槽20の後段に別途、膜分離槽を設けて、そこに浸漬膜を浸漬することもできる。本実施形態では、定期的に逆洗可能な形態、代表的には中空糸膜、管状膜などを用いることが好ましいが、平膜などを用いることもできる。平膜では端部破損のおそれがあるため逆洗が困難である。浸漬膜としては、精密ろ過膜あるいは限外ろ過膜を用いることができる。浸漬膜の材質は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが適用でき、膜の詰まりにくさなどの点からPVDFが好ましい。膜の孔径は0.4μm以下、特に0.1μm以下が好ましい。膜の透過流速は、0.1〜0.8m/hr程度で運転することができ、より好ましくは0.2〜0.6m/hrの範囲で運転することができる。
<RO膜>
RO膜としては、ポリエーテルアミド複合膜、ポリビニルアルコール複合膜、芳香族ポリアミド膜などが使用でき、界面活性剤や微量有機物による汚染を受けにくいとされている膜表面の荷電を中性とした膜(例えば、日東電工製LF−10)や、従来の低圧RO膜に比べて低い操作圧力で運転できる超低圧型の膜(例えば、日東電工製ES−10)などの適用が好ましい。これらのRO膜のモジュール形状は、スパイラル型、中空糸型、管状型など、いずれの形状でも使用できる。
また、現像廃液含有原水が、非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールなどを含む場合、RO膜が目詰まりやすいことから、そのような場合には、RO膜分離装置26の前段側(例えば、フィルタ44の前段)に活性炭処理手段である活性炭処理装置を設置することが好ましい。また、RO膜の前処理として孔径10μm程度のフィルタ44を設置することが好ましい。
カルシウムなどの無機分でスケールを生じる可能性がある場合、RO膜分離装置26に分散剤の添加手段、または軟化装置を設置することが好ましい。さらに、長期的な運転で微生物起因のスライム発生による目詰まりを防止することを目的として、スライムコントロール剤(イソチアゾリン系、有機臭素系など)の添加、硫酸などによる酸ショック付与、アルカリ運転(pH9.5以上)などを行うことができる。
処理水は、工場などの冷却水、または製造用水、純水、超純水などとして再利用することができる。
水回収率は、高い方が経済的に好ましいが、安定運転を可能とする有機性排水回収系としては、50〜90%、好ましくは65〜75%で運転することが好ましい。
以上のように、本発明者らは、近年需要が増加している液晶パネル工場などの現像廃液含有原水の処理、回収に浸漬膜活性汚泥を適用する場合に、非常に短期で吸引圧力が発生するため、実用化できないという問題を明確にした。これに対して、本実施形態に係る水処理方法および水処理装置により、凝集分離処理後に浸漬膜活性汚泥処理を実施することにより、運転管理、薬品洗浄等によるコストの増加を解決して、運転管理が容易で、現像廃液含有原水の浸漬膜活性汚泥処理の安定運転、および後段のRO処理も含めた安定運転が可能となる。したがって、特にRO膜を組み合わせた排水回収システムにおいて有効な方法となる。今後、現像廃液含有原水の水処理、回収は、国内、海外も含めて、水資源確保、排水放流の観点から非常に望まれており、本実施形態に係る水処理方法および水処理装置は非常に有用と考えられる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1、比較例1,2)
現像廃液含有原水向けの浸漬膜適用評価を現場の実排水、模擬排水を用いて実験した。テストには、PVDF製中空糸型浸漬膜を用いて、浸漬膜の吸引圧力、処理水質、後段RO膜の目詰まりについての評価を実施した。用いた実験装置を図2に示す。
<通水条件>
原水:電子産業工場の模擬排水、および実排水 TOC濃度80mgC/L(原水BOD濃度:200mg/L)
実施例1:実排水を以下の条件で凝集処理後、SSを加圧浮上により分離した水を使用
(凝集条件)原水にPAC100mg/L添加後、pHを6.0±0.2に調整し、アニオンポリマ(オルガノ(株)製、OA−23)1mg/L添加して凝集
比較例1:実排水と同じ基質、組成の模擬排水(レジスト由来のSSは含まず)
比較例2:実排水(原水のSS30mg/L)
通水流量:17L/day
<実験装置>
生物反応槽(MBR槽)、浸漬膜ユニット、RO膜は、以下のような実験装置を用いて実施した。
[生物反応槽]
生物反応槽容量:1L
膜分離槽容量:2.5L
pH:6前後で制御
水温:20〜22℃
滞留時間:4.9時間
汚泥濃度(MLSS):7,000〜8,000mg/L
BOD−SS負荷:0.10〜0.12kgBOD/kgSS/day
DO:1〜2mgO/L
送気風量:0.5L/min
[浸漬膜ユニット]
PVDF製中空糸型浸漬膜(旭化成製、孔径0.1μm)
浸漬膜のフラックス:0.6m/day
[RO膜]
膜:日東電工製 LF−10 水回収率70%
<結果>
図3に各条件で実施した際の浸漬膜の吸引圧力を示す。比較例1と比較例2との結果から、溶存している基質は同等であるにも関わらず、膜の吸引圧力の上昇が顕著に異なることを見出した。実排水を用いた比較例2では、通常実用化されているフラックス0.6m/dayで3日で薬品洗浄を必要とする差圧30kPaに達してしまい、実用化困難であることが判明した。これに対し、実排水中に含有されるSSを凝集処理した水を用いた実施例1では吸引圧力の上昇が抑制され、安定することを確認した。
図4に、実施例1で用いた実排水と凝集分離後の凝集処理水を波長スキャンした吸光度の結果を示す。レジストに特徴的な波長290nm付近のピーク(特開2001?212596号公報参照)が原水に見られるが、凝集処理後に大きく減じていることがわかる。なお、吸光度の測定は、樹脂を溶解させるために、pH12に調整してから行った。
この時の実施例1と比較例2の各条件での処理水質に関してはどの系でも良好な水質であった。
また、実施例1の処理水のRO膜への通水試験も実施し、処理水質は0.9mgC/Lと良好であり、RO膜のフラックスも安定することを確認し、実施例1の方法が特に電子産業工場の排水回収に有効であることを確認した。
このように、電子産業などで排出される排水を安定して水回収することが可能となった。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施例で用いた水処理装置を示す概略構成図である。 本発明の実施例における、浸漬膜の吸引圧力変化を示すグラフである。 本発明の実施例1で用いた実排水と凝集分離後の凝集処理水の吸光度を示すグラフである。
符号の説明
1 水処理装置、10 原水槽、12 無機凝集反応槽、14 高分子凝集反応槽、16 凝集固液分離装置、18 凝集処理水槽、20 生物反応槽、22 浸漬膜ユニット、24 生物処理水槽、26 RO膜分離装置、28 原水配管、30 無機凝集水配管、32 高分子凝集水配管、34,38 凝集処理水配管、36,46 ポンプ、40 吸引ポンプ、42,48 生物処理水配管、44 フィルタ、50 処理水配管、52 逆洗ポンプ、54 逆洗配管、56 コンプレッサ、58 曝気配管。

Claims (8)

  1. レジスト樹脂を含有する現像廃液含有原水を、浸漬膜を用いて活性汚泥処理を行う浸漬膜活性汚泥処理工程を含む水処理方法であって、
    前記浸漬膜活性汚泥処理工程の前に、前記現像廃液含有原水のpHを5.5〜7の範囲に調整し、無機凝集剤を添加した後に、高分子凝集剤を添加する凝集分離処理工程を含むことを特徴とする水処理方法。
  2. 請求項1に記載の水処理方法であって、
    前記浸漬膜活性汚泥処理工程における負荷を0.4〜1.5kgBOD/m/dayの範囲とすることを特徴とする水処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の水処理方法であって、
    前記浸漬膜活性汚泥処理工程における汚泥濃度を3,000〜10,000mg/Lの範囲とすることを特徴とする水処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理方法であって、
    逆浸透膜を用いて、前記活性汚泥処理を行った生物処理水の分離処理を行う逆浸透膜処理工程をさらに含むことを特徴とする水処理方法。
  5. レジスト樹脂を含有する現像廃液含有原水を、浸漬膜を用いて活性汚泥処理を行う浸漬膜活性汚泥処理手段を備える水処理装置であって、
    前記浸漬膜活性汚泥処理手段の前段に、前記現像廃液含有原水のpHを5.5〜7の範囲に調整し、無機凝集剤を添加した後に、高分子凝集剤を添加する凝集分離処理手段を備えることを特徴とする水処理装置。
  6. 請求項5に記載の水処理装置であって、
    前記浸漬膜活性汚泥処理手段における負荷を0.4〜1.5kgBOD/m/dayの範囲とすることを特徴とする水処理装置。
  7. 請求項5または6に記載の水処理装置であって、
    前記浸漬膜活性汚泥処理手段における汚泥濃度を3,000〜10,000mg/Lの範囲とすることを特徴とする水処理装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の水処理装置であって、
    逆浸透膜を用いて、前記活性汚泥処理を行った生物処理水の分離処理を行う逆浸透膜処理手段をさらに備えることを特徴とする水処理装置。
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