JP5104419B2 - 車両運動制御システム - Google Patents

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Description

この発明は、車両運動制御システムに関し、さらに詳しくは、車両運動制御の制御性を向上させ得る車両運動制御システムに関する。
近年の車両運動制御システムは、各車輪の速度を検出する車輪速度センサと、これらの車輪速度センサの出力信号に基づいて各車輪の車輪速度を演算する車輪速度演算部と、各車輪速度に基づいて車体速度を演算する車体速度演算部と、各車輪に対する制動圧を制御する制動圧制御装置とを備えている。そして、制動圧制御装置が減圧、保持あるいは増圧のいずれか一つの制御モードにて各車輪に対する制動圧を制御することにより、車両の運動あるいは挙動が制御される(車両運動制御)。
このような車両運動制御システムとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開平10−175536号公報
この発明は、車両運動制御の制御性を向上させ得る車両運動制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる車両運動制御システムでは、各車輪の速度を検出する車輪速度センサと、前記車輪速度センサの出力信号に基づいて各車輪の車輪速度を演算する車輪速度演算部と、前記車輪速度に基づいて車体速度を演算する車体速度演算部と、各車輪に対する制動圧を制御する制動圧制御装置とを備えると共に、前記制動圧制御装置が減圧、保持あるいは増圧のいずれか一つの制御モードにて各車輪に対する制動圧を制御することにより車両運動制御が行われる車両運動制御システムであって、前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度と、車体速度とがそれぞれ比較されて、各車輪に対する制御モードが決定されることを特徴とする。
この車両運動制御システムでは、自輪および対称輪の車輪平均速度(前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度のうちの少なくとも一つ)と車体速度との比較結果に基づいて各車輪に対する制御モードが決定される。かかる構成では、自輪および対称輪の双方のタイヤに作用する路面反力が効率的に取得されるので、自輪および対象輪の双方(特にスリップが大きい車輪の車輪速度)を早期に復帰させ得る(トルク循環作用)。これにより、車両運動制御の制御性(特に、ABS機能)が向上する利点がある。
この車両運動制御システムでは、前輪二輪、後輪二輪および全四輪のそれぞれに対して制御モードが適正に選択されるので、車両運動制御の制御性が向上する利点がある。
また、この発明にかかる車両運動制御システムでは、前記前輪二輪の車輪平均速度、前記後輪二輪の車輪平均速度および前記全四輪の車輪平均速度のいずれか一つ前記車体速度により決定される所定の判定閾値よりも小さいときに、当該車輪の組に対する前記制御モードが減圧モードに設定される。
この車両運動制御システムでは、自輪および対称輪の双方に対する制動圧の制御モードとして減圧モードが選択されることにより、自輪および対称輪の双方のタイヤに作用する路面反力が効率的に取得される。すると、大きなスリップが発生している車輪(自輪)のみに対して減圧モードが設定される構成と比較して、自輪の車輪速度を早期に復帰させ得る。これにより、車両運動制御の制御性が向上する利点がある。
また、この発明にかかる車両運動制御システムでは、前記前輪二輪の車輪平均速度、前記後輪二輪の車輪平均速度および前記全四輪の車輪平均速度のいずれか一つ前記車体速度により決定される所定の判定閾値よりも大きいときに、当該車輪の組に対する前記制御モードが当該車輪の組の各車輪の車輪速度に基づいて個別に設定される。
この車両運動制御システムでは、自輪および対称輪の車輪平均速度と車体速度とが比較されて各車輪(自輪および対称輪)に対する制御モードが優先的に選択される。そして、所定の条件下にて(自輪および対称輪の車輪平均速度が車体速度により決定される所定の判定閾値よりも大きいとき、すなわち、車輪平均速度が車両の走行速度に比較的近いときに)、各車輪の車輪速度に基づいて各車輪ごとの制御モードが選択される。これにより、車両運動制御が効率的に行われる利点がある。
また、この発明にかかる車両運動制御システムでは、車両の走行路が低摩擦係数路あるいは跨ぎ路であることが検出された場合に限って、前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度と、車体速度との比較による各車輪に対する前記制御モードの決定に基づいて前記車両運動制御が行われる。
この車両運動制御システムでは、車輪のスリップが発生し難い走行路にてむやみに上記の制御が行われる事態が防止される。これにより、過度に制動距離が伸びることなく、車両の安定的な運転が確保される利点がある。
この発明にかかる車両運動制御システムでは、自輪および対称輪の車輪平均速度(前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度のうちの少なくとも一つ)と車体速度との比較結果に基づいて各車輪に対する制御モードが決定される。かかる構成では、自輪および対称輪の双方のタイヤに作用する路面反力が効率的に取得されるので、自輪および対象輪の双方(特にスリップが大きい車輪の車輪速度)を早期に復帰させ得る(トルク循環作用)。これにより、車両運動制御の制御性(特に、ABS機能)が向上する利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1および図2は、この発明の実施例にかかる車両運動制御システムを示す構成図である。図3および図4は、図1に記載した車両運動制御システムの作用を示すフローチャートである。
[車両運動制御システム]
車両運動制御システム1は、車両10の運動あるいは挙動を制御するシステムである。この車両運動制御システム1は、車輪速度センサ21FL〜21RRと、ブレーキセンサ3と、制御ユニット4と、制動圧制御装置5とを有する(図1および図2参照)。この車両運動制御システム1では、車輪速度センサ2およびブレーキセンサ3の出力信号に基づいて制御ユニット4が制動圧制御装置5を制御する。これにより、例えば、車両のABS(Antilock Brake System)機能が実現されて、車両の運動あるいは挙動が制御される。以下、この車両運動制御システム1の構成および作用について詳細に説明する。
車輪速度センサ21FL〜21RRは、各車輪の車輪速度を検出するセンサである。この車輪速度センサ21FL〜21RRは、例えば、車両の左前輪の車輪速度を検出する左前輪速度センサ21FLと、右前輪の車輪速度を検出する右前輪速度センサ21FRと、左後輪の車輪速度を検出する左後輪速度センサ21RLと、右後輪の車輪速度を検出する右後輪速度センサ21RRとにより構成される。
ブレーキセンサ3は、制動指示の有無を検出するセンサである。このブレーキセンサ3は、例えば、ブレーキペダル(図示省略)が踏まれているか否かを検出するためのセンサにより構成される。
制御ユニット4は、例えば、ECU(Electrical Control Unit)により構成される。この制御ユニット4は、故障判定部41と、制御許可/禁止判定部42と、制動判定部43と、車輪速度演算部44と、車体速度演算部45と、路面状況推定部46と、制御開始/終了判定部47、制御モード決定部48とを有する。故障判定部41は、各車輪速度センサ21FL〜21RRの故障や断線などの有無を判定する。制御許可/禁止判定部42は、故障判定部41での判定結果に基づいて、車両運動制御を許可(あるいは禁止)するか否かの判定を行う。制動判定部43は、制動指示がでているか否かの判定を行う。車輪速度演算部44は、各車輪速度センサ21FL〜21RRの出力信号に基づいて各車輪の車輪速度(車輪加速度)を演算する。車体速度演算部45は、各車輪の車輪速度に基づいて車両の車体速度を演算する。路面状況推定部46は、各車輪の車輪速度に基づいて走行路の路面状況(例えば、路面の摩擦係数など)を推定する。制御開始/終了判定部47は、車両の車体速度および走行路の路面状況に基づいて、車両運動制御を開始するか或いは現在行われている車両運動制御を終了するか否かの判定を行う。制御モード決定部48は、各車輪に対する制御モード(減圧、保持あるいは増圧)を決定する。
制動圧制御装置5は、減圧、保持あるいは増圧のいずれか一つの制御モードにて各車輪に対する制動圧を制御する装置である。この制動圧制御装置5は、例えば、油圧回路53、ホイールシリンダ54FR〜54RL、マスタシリンダ55、ブレーキペダル56などを有する(図2参照)。油圧回路53は、リザーバ、オイルポンプ、油圧保持弁51、油圧減圧弁52などにより構成される。この制動圧制御装置5では、決定された制御モード(減圧、保持あるいは増圧)に応じて油圧保持弁51および油圧減圧弁52が駆動されて、各ホイールシリンダ54FR〜54RLの流体圧が減圧、保持あるいは増圧される。これにより、各車輪11FR〜11RLに対する制動圧が制御されて、車両のABS機能が実現される。
[車両運動制御]
この車両運動制御システム1では、次のように車両運動制御が行われる(図3参照)。車両走行時には、各車輪速度センサ21FL〜21RRが各車輪の車輪速度を検出しており、その出力信号が制御ユニット4に取得されている(図1および図2参照)。また、ブレーキセンサ3の出力信号が制御ユニット4に取得されている。
車両運動制御では、まず、故障判定部41により、各車輪速度センサ21FL〜21RRの故障あるいは断線の有無の判定が行われる(ST1)。この判定ステップST1では、各車輪速度センサ21FL〜21RRの出力信号が取得され、これらの出力信号に不適切な出力信号が含まれるか否かが判定される。そして、不適切な出力信号が含まれる場合には、対応する車輪速度センサに故障等が発生していると判定される。そして、いずれかの車輪速度センサ21FL〜21RRに故障等が発生している場合には、車両運動制御の処理が中止される。一方、いずれの車輪速度センサ21FL〜21RRにも故障等が発生していない場合には、車両運動制御の処理が継続される。
次に、制御許可/禁止判定部42により、車両運動制御を許可(あるいは禁止)するか否かの判定が行われる(ST2)。この判定ステップST2では、例えば、各車輪速度センサ21FL〜21RRの出力信号に基づいて車両が走行中か否かが判定される。そして、車両が走行中の場合には、車両運動制御が許可されて処理が継続される。一方、車両が停止している場合には、車両運動制御が禁止されて処理が中止される。
次に、制動判定部43により、制動指示がでているか否かの判定が行われる(ST3)。この判定は、例えば、ブレーキセンサ3の出力信号に基づいて行われ、出力信号がONの場合(ドライバーによりブレーキペダルが踏まれている場合)には、車両運動制御の処理が継続される。一方、ブレーキセンサ3の出力信号がOFFの場合には、車両運動制御の処理が中止される。
次に、車輪速度演算部44により、各車輪の車輪速度(車輪加速度)が演算される(車輪速度演算ステップST4)。この車輪速度の演算は、各車輪速度センサ21FL〜21RRの出力信号に基づいて行われる。具体的には、各車輪速度センサ21FL〜21RRの出力信号に基づいて、左前輪速度、右前輪速度、左後輪速度および右後輪速度がそれぞれ演算される。
次に、車体速度演算部45により、車両の車体速度が演算される(車体速度演算ステップST5)。この車体速度の演算は、四輪の車輪速度(ST4)に基づいて算出される。
次に、路面状況推定部46により、走行路の路面状況が推定される(路面状況推定ステップST6)。この路面状況の推定は、各車輪速度(ST4)に基づいて行われる。例えば、車両の非制動時には、転動輪の車輪速度に基づいて路面状況が推定され、車両の制動時には、各車輪の車輪速度のうち最も大きい車輪速度に基づいて車両の減速度が推定される。そして、この減速度に基づいて路面状況および路面の摩擦係数が演算される。そして、路面の摩擦係数が所定値よりも低い場合には、走行路が低摩擦係数路であると推定される。あるいは、左右の車輪の減速度の差が所定値以上の場合には、走行路が跨ぎ路であると推定される。
次に、制御開始/終了判定部47により、車両運動制御を開始するか否か、あるいは、現在行われている車両運動制御を終了するか否かの判定が行われる(ST7)。この判定は、車両の車体速度(ST5)および走行路の路面状況(ST6)に基づいて行われる。例えば、車両の車体速度が所定値以上の場合には、車輪のスリップを抑制する必要があるため、車両運動制御を開始する旨の判定が行われる。一方、車両の車体速度が所定値より小さい場合には、車両運動制御を行わない旨の判定あるいは現在行われている車両運動制御を終了する旨の判定が行われる。また、例えば、走行路が低摩擦係数路あるいは跨ぎ路である場合には、車輪のスリップが発生し易い状況にあるため、車両運動制御の処理が継続される。一方、走行路が低摩擦係数路あるいは跨ぎ路でない場合には、車両運動制御の処理が中止される。
次に、制御モード決定部48により、各車輪に対する制御モード(減圧、保持あるいは増圧)が決定される(制御モード決定ステップST8)。この制御モードは、自輪および対称輪の車輪平均速度と車体速度との比較結果に基づいて決定される。この制御モードの決定ステップST8の具体例については、後述する。
そして、決定された制御モードに基づいて各車輪の制動圧が制御される(ST9)。具体的には、決定された制御モードに応じて制動圧制御装置5の油圧保持弁51および油圧減圧弁52が駆動されて、各ホイールシリンダの制動圧が制御される(制動圧制御)。これにより、ABS機能が実現されて車両の運動が適正に制御される。
[制御モード決定ステップの具体例]
この実施例では、制御モード決定ステップST8にて以下の処理が行われる(図4参照)。ここでは、四輪駆動車の場合について説明する。
まず、車輪平均速度が演算される(車輪平均速度演算ステップST801)。この車輪平均速度の演算は、各車輪の車輪速度(ST4)に基づいて行われる。具体的には、前輪二輪の車輪速度の平均値と、後輪二輪の車輪速度の平均値と、全四輪の車輪速度の平均値とがそれぞれ演算される。
次に、前輪二輪について車輪平均速度(ST801)と車体速度(ST5)との比較判定が行われる(前輪二輪の車輪平均速度判定ステップST802)。具体的には、前輪二輪の車輪平均速度が車体速度により決定される所定の判定閾値よりも小さい(前輪二輪の車輪平均速度<車体速度−閾値a)か否かの判定が行われる。なお、この判定に用いられる閾値aは、所定の適合試験により決定される。
一般に、車輪平均速度が車体速度に対して大きく落ち込んでいる(低い)場合には、いずれかの車輪にて大きなスリップが発生していると考えられる。例えば、駆動軸あるいは車軸を介して連結されている一対の車輪のうちの一方を自輪と呼び、他方の車輪を対称輪と呼ぶことにする。ここで、自輪にて大きなスリップが発生している場合には、自輪の車輪速度と対称輪の車輪速度との平均値(車輪平均速度)が車体速度に対して大きく落ち込む。このとき、自輪および対称輪の双方に対する制動圧の制御モードとして、減圧モードが選択されることが好ましい。かかる構成では、自輪および対称輪の双方のタイヤに作用する路面反力が効率的に取得されるので、大きなスリップが発生している車輪(自輪)のみに対して減圧モードが設定される構成と比較して、自輪および対象輪の双方(特にスリップが大きい車輪の車輪速度)を早期に復帰させ得る。これにより、車両運動制御の制御性が向上する。
そこで、この実施例では、前輪二輪の車輪平均速度が車体速度と所定の閾値aとの差から求められる速度よりも小さい場合には、前輪二輪の双方の制御モードが減圧モードに設定される(ST803)。一方、前輪二輪の車輪平均速度が車体速度と所定の閾値aとの差から求められる速度以上の場合には、演算ステップST803の結果が反映されて、前輪二輪に対して個別に制御モードが決定される(ST804)。すなわち、右側前輪の車輪速度および左側前輪の車輪速度と車体速度により決定される所定の閾値aとがそれぞれ比較され(ST803)、右側前輪および左側前輪に対して減圧、保持あるいは増圧のいずれか一つの制御モードがそれぞれ決定される。なお、この場合には、既存の方法により制御モードが決定され得る。
次に、後輪二輪について車輪平均速度(ST801)と車体速度(ST5)との比較判定が行われる(後輪二輪の車輪平均速度判定ステップST805)。具体的には、後輪二輪の車輪平均速度が車体速度により決定される所定の判定閾値よりも小さい(後輪二輪の車輪平均速度<車体速度−閾値b)か否かの判定が行われる。なお、この判定に用いられる閾値bは、所定の適合試験により決定される。そして、後輪二輪の車輪平均速度が車体速度と所定の閾値bとの差から求められる速度よりも小さい場合には、後輪二輪の双方の制御モードが減圧モードに設定される(ST806)。一方、後輪二輪の車輪平均速度が車体速度と所定の閾値bとの差から求められる速度以上の場合には、演算ステップST805の結果が反映されて、後輪二輪に対して個別に制御モードが決定される(ST807)。すなわち、右側後輪の車輪速度および左側後輪の車輪速度と車体速度により決定される所定の閾値bとがそれぞれ比較され(ST805)、右側後輪および左側後輪に対して減圧、保持あるいは増圧のいずれか一つの制御モードがそれぞれ決定される。なお、この場合には、既存の方法により制御モードが決定され得る。
次に、全四輪について車輪平均速度(ST801)と車体速度(ST5)との比較判定が行われる(全四輪の車輪平均速度判定ステップST808)。具体的には、全四輪の車輪平均速度が車体速度により決定される所定の判定閾値よりも小さい(全四輪の車輪平均速度<車体速度−閾値c)か否かの判定が行われる。なお、この判定に用いられる閾値cは、所定の適合試験により決定される。また、閾値cは、前輪二輪および後輪二輪の制御モード決定ステップST802、ST805にて用いられる閾値a、bよりも大きい(閾値c>閾値aかつ閾値c>閾値b)。そして、全四輪の車輪平均速度が車体速度と所定の閾値cとの差から求められる速度よりも小さい場合には、全四輪の双方の制御モードが減圧モードに設定される(ST809)。一方、全四輪の車輪平均速度が車体速度と所定の閾値cとの差から求められる速度以上の場合には、次のステップST810に進む。
[効果]
以上説明したように、この車両運動制御システム1では、自輪および対称輪の車輪平均速度(前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度のうちの少なくとも一つ)と車体速度との比較結果に基づいて各車輪に対する制御モードが決定される。かかる構成では、自輪および対称輪の双方のタイヤに作用する路面反力が効率的に取得されるので、自輪および対象輪の双方(特にスリップが大きい車輪の車輪速度)を早期に復帰させ得る(トルク循環作用)。これにより、車両運動制御の制御性(特に、ABS機能)が向上する利点がある。例えば、各車輪に対して個別に制御モードが設定される構成では、一部の車輪にスリップが発生して車輪速度が大きく落ち込んでいるときに、この車輪に対してのみ減圧モードも設定しても、車輪速度が復帰し難い場合がある。特に、慣性が大きい車両では、この傾向が顕著に現れる。
また、この車両運動制御システム1では、前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度と車体速度とがそれぞれ比較されて各車輪に対する制御モードが決定される(図4参照)。かかる構成では、前輪二輪、後輪二輪および全四輪のそれぞれに対して制御モードが適正に選択されるので、車両運動制御の制御性が向上する利点がある。
例えば、この実施例では、適用対象が四輪駆動車であるときに、前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度と車体速度とが順次比較されて、各車輪に対する制動圧の制御モードが決定されている(図4参照)。これにより、安定的な車両運動制御が実現されている。
また、これに限らず、適用対象が二輪駆動車であるときには、少なくとも駆動輪の車輪平均速度と車体速度とが比較されて各車輪に対する制御モードが決定されても良い(図示省略)。例えば、FR(Front engine Rear drive)車の場合には、後輪二輪の車輪平均速度判定ステップST805のみが行われて、後輪二輪の制御モードが決定される。また、FF(Front engine Front drive)車の場合には、前輪二輪の車輪平均速度判定ステップST802のみが行われて、前輪二輪の制御モードが決定される。かかる構成としても、車両運動制御が適正に行われ得る。
したがって、自輪および対称輪の組が前輪二輪、後輪二輪もしくは全四輪のいずれか一つとなる。すなわち、前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度のうちのいずれか一つと車体速度との比較結果に基づいて各車輪に対する制御モードが決定される。これにより、車両運動制御の制御性が向上する利点がある。
また、この車両運動制御システム1では、自輪と対称輪との車輪平均速度が車体速度により決定される所定の判定閾値よりも小さいときに、自輪および対称輪の双方に対する前記制御モードが減圧モードに設定される。自輪および対称輪の車輪平均速度が車体速度に対して大きく落ち込んでいる(低い)場合には、いずれかの車輪にて大きなスリップが発生していると考えられる。したがって、自輪および対称輪の双方に対する制動圧の制御モードとして減圧モードが選択されることにより、自輪および対称輪の双方のタイヤに作用する路面反力が効率的に取得される。すると、大きなスリップが発生している車輪(自輪)のみに対して減圧モードが設定される構成と比較して、自輪の車輪速度を早期に復帰させ得る。これにより、車両運動制御の制御性が向上する利点がある。
また、この車両運動制御システム1では、自輪および対称輪の車輪平均速度が車体速度により決定される所定の判定閾値よりも大きいときに、自輪に対する制御モードおよび対称輪に対する制御モードが各車輪の車輪速度に基づいて個別に設定される(図4参照)。すなわち、まず、自輪および対称輪の車輪平均速度と車体速度とが比較されて各車輪に対する制御モードが優先的に選択される。そして、所定の条件下にて(自輪および対称輪の車輪平均速度が車体速度により決定される所定の判定閾値よりも大きいとき、すなわち、車輪平均速度が車両の走行速度に比較的近いときに)、各車輪の車輪速度に基づいて各車輪ごとの制御モードが選択される。これにより、車両運動制御が効率的に行われる利点がある。
また、この車両運動制御システム1では、車両の走行路が低摩擦係数路あるいは跨ぎ路であることが検出された場合に限って、前記制御モードが実施される。これにより、車輪のスリップが発生し難い走行路にてむやみに上記の制御が行われる事態が防止される。これにより、過度に制動距離が伸びることなく、車両の安定的な運転が確保される利点がある。
以上のように、本発明にかかる車両運動制御システムは、車両運動制御の制御性を向上させ得る点で有用である。
この発明の実施例にかかる車両運動制御システムを示す構成図である。 この発明の実施例にかかる車両運動制御システムを示す構成図である。 図1に記載した車両運動制御システムの作用を示すフローチャートである。 図1に記載した車両運動制御システムの作用を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両運動制御システム
2 車輪速度センサ
21FL〜21RR 車輪速度センサ
3 ブレーキセンサ
4 制御ユニット
41 故障判定部
42 制御許可/禁止判定部
43 制動判定部
44 車輪速度演算部
45 車体速度演算部
46 路面状況推定部
47 制御開始/終了判定部
48 制御モード決定部
5 制動圧制御装置
51FL〜51RR 油圧保持弁
52FL〜51RR 油圧減圧弁

Claims (4)

  1. 各車輪の速度を検出する車輪速度センサと、前記車輪速度センサの出力信号に基づいて各車輪の車輪速度を演算する車輪速度演算部と、前記車輪速度に基づいて車体速度を演算する車体速度演算部と、各車輪に対する制動圧を制御する制動圧制御装置とを備えると共に、前記制動圧制御装置が減圧、保持あるいは増圧のいずれか一つの制御モードにて各車輪に対する制動圧を制御することにより車両運動制御が行われる車両運動制御システムであって、
    前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度と、車体速度とがそれぞれ比較されて、各車輪に対する制御モードが決定されることを特徴とする車両運動制御システム。
  2. 前記前輪二輪の車輪平均速度、前記後輪二輪の車輪平均速度および前記全四輪の車輪平均速度のいずれか一つ前記車体速度により決定される所定の判定閾値よりも小さいときに、当該車輪の組に対する前記制御モードが減圧モードに設定される請求項1に記載の車両運動制御システム。
  3. 前記前輪二輪の車輪平均速度、前記後輪二輪の車輪平均速度および前記全四輪の車輪平均速度のいずれか一つ前記車体速度により決定される所定の判定閾値よりも大きいときに、当該車輪の組に対する前記制御モードが当該車輪の組の各車輪の車輪速度に基づいて個別に設定される請求項1または2に記載の車両運動制御システム。
  4. 車両の走行路が低摩擦係数路あるいは跨ぎ路であることが検出された場合に限って、前輪二輪の車輪平均速度、後輪二輪の車輪平均速度および全四輪の車輪平均速度と、車体速度との比較による各車輪に対する前記制御モードの決定に基づいて前記車両運動制御が行われる請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両運動制御システム。
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