JP5104333B2 - リチウムイオン二次電池の耐久性改良方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の耐久性改良方法 Download PDF

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Description

本発明は、負極層の割れ等を防ぐことにより、リチウムイオン二次電池の耐久性を改良するリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法に関するものである。
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器の分野では、これらの機器に用いる電源として、高エネルギー密度であるという理由から、リチウム二次電池が実用化され広く普及するに至っている。また一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても、リチウム二次電池が検討されている。
従来、リチウム二次電池に用いられる負極活物質として、グラファイト等の炭素材料が広く用いられているが、炭素材料は一般的にLi吸蔵量が少ないため、炭素材料に比べてLi吸蔵量が多いSnやSn合金等が注目を浴びている(例えば特許文献1)。
しかしながら、このようなリチウム二次電池において充放電を行うと、例えば図3に示すような負極集電体5と負極層6とからなる従来の負極体7(図3(a))では、負極層6中の、Li(リチウム)と合金化する合金化活物質が、Li(リチウム)を吸蔵放出する際に膨張、収縮して、負極層6中に割れが発生する(図3(b))。この状態で、さらに充放電を繰り返し行うと、合金化活物質の急激な膨張収縮に耐え切れず、負極層6中の割れが伝播するなどして、負極層6が剥離、滑落してしまう(図3(c))。このため、導電性が欠落して充放電できなくなり、サイクル特性が低くなってしまう。したがって、このような問題を改善して、リチウム二次電池のサイクル特性を向上させることが必要とされている。
そこでサイクル特性を向上させるため、例えば、特許文献2においては、合金電極を有するリチウム二次電池の初回充電時に、負極の厚み方向に加圧しながら、低電流密度で充電を行うことで負極層の粒子の微粉化を制御する方法が開示されている。これは、初回充電時に、リチウムイオンが挿入されることによる負極の膨張を加圧することによって抑え、低電流密度で充電を行うことで急な体積変化を少なくして割れの発生を抑える方法である。
しかしながら、上述した方法を用いても、負極層の割れは生じてしまうため、サイクル特性の劣化を十分には抑制することができなかった。
特開平10−255768号公報 特開2005−32632号公報 特開2006−24392号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池において負極層の剥離、滑落等の発生を抑え、耐久性のよいリチウムイオン二次電池とするリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法、およびこれを用いたリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者は、上記課題につき鋭意研究を進め、リチウムイオン二次電池の充放電時において、負極層の割れの発生頻度を調べた結果、割れは主に初回の放電時、すなわちリチウムイオンの脱離時に生じることを見出し、また充電時、すなわちリチウムイオンの吸蔵時においては、回数によらず割れは生じにくいことを見出した。
そこで、初回放電の際、低い電流密度から徐々に電流値を上げて放電をおこなえば、リチウムイオンの脱離による急激な体積変化が起こらないため、割れの発生を抑制することができることが明らかになった。本発明者は、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、負極集電体およびリチウムと合金可能な元素からなる負極層を有する負極体と、正極集電体および正極層を有する正極体と、上記負極層および上記正極層の間に配置されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法であって、初回放電時に、初期電流密度を低くし、徐々に電流密度を上げて放電させることを特徴とするリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法を提供する。
本発明によれば、上述した耐久性改良方法を行うことにより、負極層がリチウムと合金可能な元素からなる場合でも、充放電時に起きる負極の膨張・収縮による割れ等を防ぎ、サイクル特性の低下を抑えることができるため、従来のリチウムイオン二次電池を耐久性の高いものへ改良することができる。
また、上記発明においては、上記初期電流密度からの電流密度の上げ方が、予め初回放電時に発生する上記負極層の割れを検知手段を用いて検知し、検知された結果に基づいて決定されるものであることが好ましい。正確に初期電流密度の値を定めることで、さらに割れの少ない負極層とすることができるからである。
上記発明においては、上記検知手段が、割れにより生じるアコースティックエミッションを検出することによるものであることが好ましい。割れの発生を正確に検出することが可能であり、また容易に検出することができるからである。
本発明は、負極集電体およびリチウムと合金可能な元素からなる負極層を有する負極体と、正極集電体および正極層を有する正極体と、上記負極層および上記正極層の間に配置されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、リチウムイオン二次電池を組み立てた後、上述したリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法を用いて、リチウムイオン二次電池の耐久性の改良を行う改良工程を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、上述した方法によりリチウムイオン二次電池の耐久性の改良を行う改良工程を有することにより、サイクル特性の高いリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本発明においては、初回放電時の電流値を制御し、負極層の割れの発生を抑えることによってリチウムイオン二次電池の耐久性を改良するといった効果を奏する。
本発明は、リチウム二次電池の耐久性改良方法と、このリチウム二次電池の耐久性改良方法を用いたリチウムイオン二次電池の製造方法とに関するものである。以下、それぞれについて詳しく説明する。
A.リチウム二次電池の耐久性改良方法
まず、本発明のリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法は、負極集電体およびリチウムと合金可能な元素からなる負極層を有する負極体と、正極集電体および正極層を有する正極体と、上記負極層および上記正極層の間に配置されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法であって、初回放電時に、初期電流密度を低くし、徐々に電流密度を上げて放電させることを特徴とする方法である。
図1は、リチウムイオン二次電池の充放電を定電流で行った場合における負極体の電位の時間変化と、アコースティックエミッション信号の測定結果を示すグラフである。点線Aは電位の時間変化を、実線Bはアコースティックエミッション信号のピークを、実線Cは充放電時の電流値の変化を示している。図1(a)に例示するように、アコースティックエミッション信号は初回充電の最初(図中a)において、大きなピークを示した。よって、ここから負極層の割れは主に初回放電の最初に起きることが分かった。
そこで、図1(b)のように初回充電の最初(図中a)の電流値を負極層の割れが生じにくい程度に低くし、徐々に高くすれば、割れの発生を抑制し、割れが原因で起こる負極層の剥離・滑落を防ぐことができる。
上述したように、初回放電時において、徐々に電流密度を高くすることにより負極層の急な体積変化を抑えて、割れを防止することで、負極層にリチウムと合金可能な元素を用いた場合でも、サイクル特性の高いものとすることが可能となる。
本発明における初期電流密度からの電流密度の上げ方としては、負極層に割れが発生しない程度であるならば、特に限定されるものではない。
このような初期電流密度からの電流密度の上げ方としては、負極層の元素の種類、形状、負極層の厚み等により決定されるものである。
本発明における初期電流密度からの電流密度の上げ方とは、電流値の傾きを変化させるものとする。
また、ここでの初期電流密度とは、負極体の理論容量を基準として、レートC/100の電流密度のことをいい、0.001mA/cm〜0.05mA/cmの範囲内、中でも0.008mA/cm〜0.03mA/cmの範囲内、特に0.005mA/cm〜0.01mA/cmの範囲内であることが好ましい。
上述した初期電流密度からの電流密度の上げ方については、予め初回放電時に発生する上記負極層の割れを検知手段を用いて検知し、検知された結果に基づいて決定されるものであることがより好ましい。負極層に用いられる元素の種類、形状、負極層の厚み等により、適宜調整を行うことで、負極層の割れを防ぎやすくなるからである。
上述したように、割れの発生頻度を検知する検知手段としては、割れがいつ生じるか検知できる手段であれば特に限定されるものではない。具体的には、割れのとき発生するアコースティックエミッションを検出する手段を用いてもよいし、割れによる負極層の厚みの変化を測定する手段を用いてもよい。本発明においては、アコースティックエミッションを検出する手段を用いることが好ましい。これにより、割れの発生がいつ起こるのか正確かつ容易に把握することが可能となるからである。
ここで、アコースティックエミッションとは、材料等の亀裂や破壊に伴って発生する弾性波である。
また、その測定方法は、アコースティックエミッションセンサーを電池表面にグリースを介して設置し、被測定物(負極体)から発生する弾性波を検出するという方法である。
本発明のリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法は、リチウムと合金可能な元素からなる負極層を有するリチウムイオン二次電池に用いられる方法である。以下に、本発明を用いることができるリチウムイオン二次電池について説明する。
(リチウムイオン二次電池)
本発明を利用できるリチウムイオン二次電池は、負極集電体およびリチウムと合金可能な元素からなる負極層を有する負極体と、正極集電体および正極層を有する正極体と、上記負極層および上記正極層の間に配置されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有するものである。
本発明を適用できるリチウム二次電池について図面を用いて説明する。図2は、本発明のリチウム二次電池の一例を示す概略断面図である。図2に示されるリチウムイオン二次電池1は、正極集電体2、および正極集電体2上に形成された正極活物質を含有する正極層3を有する正極体4と、負極集電体5、および負極集電体5上に形成された負極活物質を含有する負極層6を有する負極体7と、正極層3および負極層6の間に配置されたセパレータ8と、正極活物質および負極活物質の間でリチウムイオンを伝導させる非水電解液(図示せず)と、を有するものである。
以下、本発明を適用できるリチウム二次電池について、構成ごとに説明する。
(i)負極体
本発明を適用できるリチウムイオン二次電池の負極体は、負極集電体および負極層を有するものである。以下、それぞれに分けて説明する。
a.負極層
本発明を適用できるリチウムイオン二次電池の負極層は、リチウムと合金可能な元素からなるものである。
上記元素としては、リチウムイオンと合金可能なものであれば特に限定されるものではなく、金属リチウム、ケイ素、錫、アルミニウム等、もしくはこれらの合金等が挙げられる。本発明においては特に、錫が好ましい。
上記負極層の膜厚としては、特に限定されるものではなく、リチウムイオン二次電池の用途により適宜調整されるものであるが、0.1μm〜5.0μmの範囲内、中でも0.5μm〜3.0μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、容量を確保し、且つ、負極層を割れの発生しにくいものとすることができるからである。
b.負極集電体
本発明を適用できるリチウムイオン二次電池の負極集電体は、負極層の集電を行う機能を有するものである。
上記負極集電体の材料としては、例えば銅、SUS、ニッケル等を挙げることができ、中でも銅が好ましい。また、負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
c.負極体の形成方法
本発明の負極層の形成方法としては、一般的な負極体の形成方法と同様の方法を用いることができる。具体的には、電気メッキ法、真空蒸着法、スパッタリング法等の手段が採用される。
(ii)正極体
本発明を適用できる正極体は、正極集電体および正極層を有するものである。
以下それぞれについて説明する。
a.正極層
上記正極体に使用される正極層は、リチウムを吸蔵、放出することのできる正極活物質を含有するものである。
このような正極活物質としては、例えば金属Li、LiCoO、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO等を挙げることができる。
また、上記正極層は、さらに導電剤および結着剤(バインダ)を含有していてもよい。
結着剤としては、例えば、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。
また、導電剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックなどを挙げることができる。
b.正極集電体
上記正極集電体とは、上記正極層の集電を行うものである。上記正極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム、SUS、ニッケル、鉄およびチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウムおよびSUSが好ましい。さらに、上記正極集電体は、緻密金属集電体であっても良く、多孔質金属集電体であっても良い。
c.正極体の形成方法
上記正極体の形成方法としては、特に限定されるものではなく、一般的な正極体の形成方法と同様の方法を用いることができる。具体的には、まず正極活物質、結着材および溶媒等を含有する正極層形成用ペーストを作製し、次に正極極層形成用ペーストを正極集電体上に塗布し、乾燥する方法等を挙げることができる。なお、この際、正極層の電極密度を向上させるために、正極層のプレスを行っても良い。
(iii)セパレータ
次に、本発明に用いられるセパレータについて説明する。本発明に用いられるセパレータは、上述したように異なる極性を持つ電極の間に設置され、後述する電解質を保持する機能を有するものである。
上記セパレータの材料としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロースおよびポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリプロピレンが好ましい。また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、PP/PE/PPの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。さらに、本発明においては、上記セパレータが、多孔膜、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。中でも多孔膜が好ましい。
(iv)非水電解液
本発明においては、上述した電極体中の電極および集電体内、さらにセパレータ内に、通常、リチウム塩を含有する非水電解液を有する。
上記非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を有する。上記リチウム塩としては、一般的なリチウム二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではないが、例えばLiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSOおよびLiClO等を挙げることができる。一方、上記非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。本発明においては、これらの非水溶媒を一種のみ用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。また、上記非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
(v)その他
本発明を適用することができるリチウムイオン二次電池は、例えば積層した場合等には、通常、図2で例示されるようなリチウム二次電池を電池ケースに挿入し、その周囲を封口して作製される。上記電池ケースとしては、一般的には、金属製のものが用いられ、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。また、本発明に用いられる電池ケースの形状としては、上述したセパレータ、正極層、負極層等を収納できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等を挙げることができる。
また、このようなリチウムイオン電池の用途としては、例えば自動車等に用いられる。
B.リチウムイオン二次電池の製造方法
次に、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、負極集電体およびリチウムと合金可能な元素からなる負極層を有する負極体と、正極集電体および正極層を有する正極体と、上記負極層および上記正極層の間に配置されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、リチウムイオン二次電池を組み立てた後、上述したリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法を用いて、リチウムイオン二次電池の耐久性の改良を行う改良工程を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法である。
本発明によれば、上述した改良工程を行うことで、サイクル特性が高く、長寿命なリチウムイオン二次電池とすることができる。
以下、各工程について説明する。
1.改良工程
本工程は、後述する「2.その他の工程」によってリチウムイオン二次電池を組み立てた後、「A.リチウムイオン二次電池の耐久性改良方法」の項に記載したリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法を用いて、リチウムイオン二次電池の耐久性の改良を行う工程である。
なお、リチウムイオン二次電池の耐久性改良方法については、「A.リチウムイオン二次電池の耐久性改良方法」の項で詳しく説明したので、ここでの記載は省略する。
また、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法により製造されたリチウムイオン二次電池は、本工程により改良を行った後に最終製品となり、市場へ出荷されるものである。
2.その他の工程
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、上述した改良工程の前に、リチウムイオン二次電池を組み立てる工程を有する。この工程については、一般的なリチウムイオン二次電池の製造方法において行われる工程と同様である。具体的には、不活性雰囲気下において、まず正極体、負極体およびセパレータを電池ケースに収納する工程、次にその電池ケースに有機電解質を添加する工程、最後に電池ケースを密封する工程等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(電極体の形成)
厚さ10μmの銅箔上に厚さ2μmの錫めっき膜を成膜し、負極体とした。また、正極体としてはリチウム金属を用いた。電極のサイズとしては、負極体はφ16mm、正極はφ19mmに打ち抜いたものを使用した。
(電池の形成)
上記負極体、上記正極体、およびCR2032型コインセルを用いて電池を形成した。なお、セパレータには、ポリプロピレン(PP)製多孔質膜を用いた。電解液には、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比率3:3:4で混合した混合溶媒に、支持塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1mol/Lで溶解したものを用いた。
(電池評価方法)
電流密度0.1mA/cmで充放電(上下限電圧1.0V〜0.01V)させた。この充電サイクルを20サイクル繰り返し、初回放電容量と20サイクル目の放電容量の比率から容量維持率を評価した。
このとき初回の放電時(リチウム脱離時)のみ電流密度0.01mA/cmから徐々に電流値を上げて0.1mA/cmまで上げた。
結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様の電池を用いて、電流密度0.1mA/cmで充放電(上下限電圧1.0V〜0.01V)させた。この充電サイクルを20サイクル繰り返し、初回放電容量と20サイクル目の放電容量の比率から容量維持率を評価した。
なお、初回放電時の電流値の制御は行わなかった。
結果を表1に示す
(評価)
実施例1のように、初回放電時にのみ電流密度を徐々に上げることにより、比較例1のように初回放電時から定電流で充放電させた場合に比べて、容量維持率が向上した。
Figure 0005104333
負極層の割れの発生頻度と電流値の関係を示すグラフである。 本発明を用いることができるリチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。 従来の負極層の割れについて説明する図である。
符号の説明
1 … リチウムイオン二次電池
2 … 正極集電体
3 … 正極層
4 … 正極体
5 … 負極集電体
6 … 負極層
7 … 負極体
8 … セパレータ

Claims (4)

  1. 負極集電体およびリチウムと合金可能な元素からなる負極層を有する負極体と、正極集電体および正極層を有する正極体と、前記負極層および前記正極層の間に配置されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法であって、
    初回放電時に、初期電流密度を低くし、徐々に電流密度を上げて放電させることを特徴とするリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法。
  2. 前記初期電流密度からの電流密度の上げ方が、予め初回放電時に発生する前記負極層の割れを検知手段を用いて検知し、検知された結果に基づいて決定されるものであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法。
  3. 前記検知手段が、割れにより生じるアコースティックエミッションを検出することによるものであることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法。
  4. 負極集電体およびリチウムと合金可能な元素からなる負極層を有する負極体と、正極集電体および正極層を有する正極体と、前記負極層および前記正極層の間に配置されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    リチウムイオン二次電池を組み立てた後、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の耐久性改良方法を用いて、リチウムイオン二次電池の耐久性の改良を行う改良工程を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
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