JP5100241B2 - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を安定、かつ高い研磨効率で行うことが可能な研磨パッド及びその製造方法に関するものである。本発明の研磨パッドは、シリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程(粗研磨工程)に好適に使用される。また、本発明の研磨パッドは、前記材料の表面を仕上げ研磨する際にも好適に用いられ、特にシリコンウエハやガラスの仕上げ研磨に有用である。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
従来、このような研磨パッドは、1)金型に樹脂材料を流し込んで樹脂ブロックを作製し、その樹脂ブロックをスライサーでスライスして製造する方法、2) 金型に樹脂材料を流し込んで押圧することにより、薄いシート状にして製造する方法、3)原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状にして製造する方法などのバッチ方式により製造されていた。例えば、特許文献1では反応射出成形法により研磨用パッドを製造している。
また、積層研磨パッドの場合、上記方法で得られた研磨層やクッション層等の複数の樹脂シートを接着剤や両面テープで貼り合わせることにより製造されていたため、製造工程が多く、生産性が悪いという問題を有していた。該問題を解決するために、特許文献2では押出機を用いて積層研磨用パッドを製造している。
また、バッチ方式の製造方法に起因する硬度や気泡サイズ等のバラツキを防止するために、ポリウレタン・ポリウレア研磨シート材を連続的に製造する方法が提案されている(特許文献3)。詳しくは、ポリウレタン原料と300μm以下の粒子径を有する微粉末や有機発泡剤を混合して、該混合物を一対の無限軌道面ベルト間に吐出し流延させる。その後、加熱手段によって該混合物の重合反応を行い、生成したシート状成形物を面ベルトから分離して研磨シート材を得る方法である。
一方、高精度の研磨に使用される研磨パッドとしては、一般的にポリウレタン発泡体シートが使用されている。しかし、ポリウレタン発泡体シートは、局部的な平坦化能力には優れているが、クッション性が不足しているためにウエハ全面に均一な圧力を与えることが難しい。このため、通常、ポリウレタン発泡体シートの背面に柔らかいクッション層が別途設けられ、積層研磨パッドとして研磨加工に使用されている。積層研磨パッドとしては、例えば以下のようなものが開発されている。
比較的硬い第一層と比較的軟らかい第二層とが積層されており、該第一層の研磨面に所定のピッチの溝又は所定の形状の突起が設けられた研磨パッドが開示されている(特許文献4)。
また、弾性を有し、表面に凹凸が形成された第1シート状部材と、この第1シート状部材の凹凸が形成された面上に設けられ被処理基板の被研磨面と対向する面を有する第2シート状部とを有する研磨布が開示されている(特許文献5)。
さらに、研磨層及び該研磨層の一面に積層され、かつ該研磨層よりも大きな圧縮率の発泡体である支持層を備える研磨パッドが開示されている(特許文献6)。
しかしながら、上記従来の積層研磨パッドは、研磨層とクッション層とを両面テープ(粘着剤層)で貼り合わせて製造されているため、研磨中に研磨層とクッション層との間にスラリーが侵入して両面テープの粘着力が弱まり、その結果研磨層とクッション層とが剥離するという問題があった。
また、研磨パッド間の差異を減らすことを目的として、下地層及び研磨層を有する研磨パッドを連続的に製造する方法が開示されている(特許文献7)。具体的には、移送される下地層上に流体相高分子組成物を供給し、その後、該流体相高分子組成物を硬化させて下地層に付着して固相研磨層を形成する方法が提案されている。前記製造方法によれば、両面テープ等を用いずに固相研磨層と下地層とを直接積層しているため、両部材間の剥離を防止することができる。しかし、研磨パッドには、通常、研磨定盤に装着するための両面テープを設ける必要がある。前記製造方法では、下地層の他面に両面テープを貼り合わせる必要があるが、その場合、下地層と両面テープとが剥離するという問題が残る。また、流体相高分子組成物を硬化させて固相研磨層を形成する際に、固相研磨層が硬化により収縮して研磨パッドが反りやすいという問題もある。
特開2004−42189号公報 特開2003−220550号公報 特開2004−169038号公報 特開2003−53657号公報 特開平10−329005号公報 特開2004−25407号公報 特表2003−516872号公報
本発明は、研磨層、クッション層、及び粘着シートの各部材間で剥離しにくい研磨パッド、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッド及びその製造方法により上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも研磨層とクッション層とを有する研磨パッドにおいて、前記クッション層の片面は、前記研磨層に自己接着により直接接着しており、かつ前記クッション層の他面は、樹脂シートの片面に粘着層を有する粘着シートの該樹脂シートに自己接着により直接接着していることを特徴とする研磨パッド、に関する。
本発明の研磨パッドは、研磨層、クッション層、及び粘着シートの各部材が、両面テープ等の接着部材を介さずに直接接着しているため、各部材間での接着強度が非常に強く、長時間スラリーを用いて研磨操作を行った場合でも各部材間で剥離することがない。
前記研磨層は、平均気泡径30〜70μm、かつアスカーD硬度40〜70度の独立気泡構造を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体からなることが好ましい。平均気泡径がこの範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。また、アスカーD硬度が40度未満の場合には、被研磨材のプラナリティが低下し、70度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
前記クッション層は、平均気泡径30〜200μm、かつアスカーC硬度10〜80度の連続気泡構造を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体からなることが好ましい。平均気泡径がこの範囲から逸脱する場合は、クッション層としての機能が十分に発現しない傾向にある。また、アスカーC硬度が10度未満の場合には、製造時にクッション層の厚みバラツキが大きくなり、安定した研磨特性が得られない傾向にある。一方、80度を超える場合には、ウエハに対する研磨パッドの追従性が悪くなって面内均一性が悪化する傾向にある。また、クッション層の形成材料である熱硬化性ポリウレタン発泡体を連続気泡構造にすることにより、硬化時におけるクッション層の収縮を抑制し、研磨パッドの反りを防止することができる。
また、本発明は、研磨層を送り出しつつその上に気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出する工程、前記気泡分散ウレタン組成物上に、樹脂シートの片面に粘着層を有する粘着シートを気泡分散ウレタン組成物と樹脂シートが接触するように積層する工程、及び厚さを均一に調整しつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより熱硬化性ポリウレタン発泡体からなるクッション層を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法、に関する。
上記製造方法によると、研磨層、クッション層、及び粘着シートの各部材が、両面テープ等の接着部材を介さずに直接接着している研磨パッドを生産性よく製造することができる。また、剛性の高い研磨層上にクッション層を形成することにより、硬化時にクッション層の収縮が起こった場合でも研磨パッドの反りを抑制することができる。
本発明における研磨パッドの研磨層は、独立気泡構造を有する発泡体であれば特に限定されるものではない。発泡体の原料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。熱硬化性ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨層の形成材料として特に好ましい材料である。以下、発泡体を代表して熱硬化性ポリウレタン樹脂(以下、ポリウレタン樹脂という)について説明する。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール)、及び鎖延長剤からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオールと共に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨層の所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨層を得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタンの物理的特性が優れており好適である。
ポリウレタン発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)、化学的発泡法などが挙げられる。
特に、シリコン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコーニングシリコーン社製)、B−8443、B−8465(ゴールドシュミット社製)等が好適な化合物として例示される。シリコン系界面活性剤は、ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜7重量%である。シリコン系界面活性剤の量が0.1重量%未満の場合には、微細気泡の発泡体が得られない傾向にある。一方、10重量%を超える場合には、該界面活性剤の可塑効果により高硬度のポリウレタン発泡体を得にくい傾向にある。
ポリウレタン発泡体からなる研磨層を製造する方法の例について以下に説明する。かかる研磨層の製造方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマー(第1成分)にシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤(第2成分)を添加、混合、撹拌して発泡反応液とする。
3)注型工程
上記の発泡反応液を長尺モールドに流し込む。
4)硬化工程
長尺モールドに流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコン系界面活性剤を含む第1成分に分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。目的とするポリウレタン発泡体を得るためには、撹拌翼の回転数は500〜2000rpmであることが好ましく、より好ましくは800〜1500rpmである。また、撹拌時間は目的とする密度に応じて適宜調整する。
なお、発泡工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。発泡工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
ポリウレタン発泡体の製造方法においては、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。長尺モールドに発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
また、メカニカルフロス法により発泡反応液を調製し、面材を送り出しつつその上に発泡反応液を連続的に吐出し、厚さを均一に調整しつつ発泡反応液を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる研磨層を連続的に作製してもよい。
また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン発泡体を得ても良い。
前記ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、30〜70μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。
前記ポリウレタン発泡体の比重は、0.5〜1であることが好ましい。比重が0.5未満の場合には、研磨層の表面強度が低下し、被研磨材のプラナリティが低下する傾向にある。一方、1より大きい場合には、研磨層表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
前記ポリウレタン発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、40〜70度であることが好ましく、より好ましくは45〜65度である。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.5〜4mm程度であり、1〜2.5mmであることが好ましい。また、研磨層の幅も特に制限されないが、要求される研磨パッドの大きさを考慮すると60〜250cm程度である。
研磨層の研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有することが好ましい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、X(ストライプ)溝、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用いて機械切削する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスする方法、フォトリソグラフィにより作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
クッション層は、研磨層より軟らかい発泡体であれば特に限定されるものではない。クッション層の形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、感光性樹脂、又はこれらの混合物が挙げられる。研磨層をポリウレタン樹脂で形成する場合には、接着性を高める観点からクッション層の形成材料もポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。以下、クッション層の形成材料を代表してポリウレタン樹脂について説明する。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、カルボジイミド変性MDI(例えば、商品名ミリオネートMTL、日本ポリウレタン工業製)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
高分子量ポリオールは、前記と同様のものを用いることができる。特に、水酸基価が20〜200mgKOH/gの高分子量ポリオールを用いることが好ましい。水酸基価が20mgKOH/g未満の場合には、ポリウレタン樹脂が軟らかくなりすぎて耐久性が低下する傾向にある。一方、水酸基価が200mgKOH/gを超える場合には、ポリウレタン樹脂の弾性特性が低下してクッション性が悪くなる傾向にある。
高分子量ポリオールと共に、前記低分子量ポリオール等を併用してもよい。これら低分子量ポリオール等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分中の高分子量ポリオールと低分子量ポリオール等の比は、これらから製造されるクッション層に要求される特性により決められる。
ポリウレタン発泡体を連続気泡構造にするには、低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン、及びアルコールアミンは、活性水素含有化合物中に合計で2〜15重量%含有させることが好ましく、より好ましくは5〜10重量%である。上記低分子量ポリオール等を特定量用いることにより気泡膜が破れやすくなり、連続気泡を形成しやすくなるだけでなく、ポリウレタン発泡体のクッション性が良好になる。
また、ポリウレタン発泡体を連続気泡構造にするには、ポリマーポリオールを用いることが好ましく、特にアクリロニトリル及び/又はスチレン−アクリロニトリル共重合体からなるポリマー粒子を分散させたポリマーポリオールを用いることが好ましい。該ポリマーポリオールは、使用する全高分子量ポリオール中に20〜100重量%含有させることが好ましく、より好ましくは30〜60重量%である。
イソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量やクッション層の所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有するクッション層を得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、クッション性が低下する傾向にある。
ポリウレタン発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能である。
ポリウレタン発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、前記と同様のものを用いることができる。
以下、図2を参照しつつ、本発明の研磨パッドの製造方法について詳しく説明する。図2は、本発明の研磨パッドの製造方法の一例を示す工程図である。
供給ロール8から送り出された研磨層9は非可動式定板10上を移動している。まず、クッション層の形成材料である気泡分散ウレタン組成物11をミキシングヘッド12の吐出口から研磨層9上に連続的に吐出する。非可動式定板の代わりにベルトコンベアを用いてもよいが、クッション層の厚み精度を高くする観点から非可動式定板を用いることが好ましい。
気泡分散ウレタン組成物11は、機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により調製される。例えば、気泡分散ウレタン組成物は、以下の方法により調製される。
(1)イソシアネート成分及び高分子量ポリオールなどを反応させてなるイソシアネート末端プレポリマーにシリコン系界面活性剤を添加した第1成分を、非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。そして、該気泡分散液に高分子量ポリオールや低分子量ポリオールなどの活性水素含有化合物を含む第2成分を添加し、混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する。
(2)イソシアネート成分(又はイソシアネート末端プレポリマー)を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤を添加し、シリコン系界面活性剤を添加した成分を非反応性気体の存在下で機械攪拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。そして、該気泡分散液に残りの成分を添加し、混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する。
(3)イソシアネート成分(又はイソシアネート末端プレポリマー)を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤を添加し、前記第1成分及び第2成分を非反応性気体の存在下で機械攪拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散ウレタン組成物を調製する。
また、気泡分散ウレタン組成物は、メカニカルフロス法で調製してもよい。メカニカルフロス法とは、原料成分をミキシングヘッドの混合室内に入れるとともに非反応性気体を混入させ、オークスミキサー等のミキサーで混合撹拌することにより、非反応性気体を微細気泡状態にして原料混合物中に分散させる方法である。メカニカルフロス法は、非反応性気体の混入量を調節することにより、容易にポリウレタン発泡体の密度を調整することができるため好ましい方法である。また、平均気泡径30〜200μmの微細気泡を有するポリウレタン発泡体を連続成形することができるため製造効率がよい。
シリコン系界面活性剤としては、前記と同様のものを用いることができる。シリコン系界面活性剤は、気泡分散ウレタン組成物中に0.1〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜7重量%である。シリコン系界面活性剤の量が0.1重量%未満の場合には、微細気泡の発泡体が得られない傾向にある。一方、10重量%を超える場合には、界面活性剤がブリードして自己接着強度が低下する傾向にある。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、前記と同様のものを用いることができる。また、非反応性気体を微細気泡状にして分散させる撹拌装置も前記と同様のものを用いることができる。
その後、気泡分散ウレタン組成物11上に、樹脂シートの片面に粘着層を有する粘着シート13を気泡分散ウレタン組成物と樹脂シートが接触するように積層し、厚さ調整手段により気泡分散ウレタン組成物11の厚さを均一に調整する。粘着シート13は、研磨パッドを研磨定盤に貼り付けるための部材である。
粘着シート13の樹脂シートを形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。これらのうち、熱膨張率の小さいポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
樹脂シートの厚さは特に制限されないが、強度や巻き取り等の観点から20〜200μm程度であることが好ましい。また、樹脂シートの幅も特に制限されないが、要求される研磨パッドの大きさを考慮すると60〜250cm程度であることが好ましい。
粘着層の組成は特に制限されず、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤等が挙げられる。
厚さ調整手段としては、例えば、ドクターブレードなどのブレード14;ニップロール及びコーターロールなどのロールなどが挙げられる。厚さ調整は、気泡分散ウレタン組成物の流動性がなくなる前に行う必要がある。
その後、前工程で厚さを調整した気泡分散ウレタン組成物を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなるクッション層を形成し、研磨シートを作製する。気泡分散ウレタン組成物の硬化は、例えば、非可動式定板に設けられた加熱オーブン15内を通過させることにより行われる。加熱温度は40〜100℃程度であり、加熱時間は5〜60分程度である。熱源は、非可動式定板の上又は下のみに設けてもよく、上下に設けてもよいが、研磨層9及び粘着シート13の熱膨張を同程度にするために上下に設けることが好ましい。それにより、反りがなく、厚み精度に優れる研磨パッドを作製することができる。
ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、30〜200μmであることが好ましく、より好ましくは30〜100μmである。
得られた研磨シートは、例えば、裁断機により所望の形状(例えば、円形、正方形、矩形、長さ数mの反物など)よりやや大きい形状で1次裁断される。その後、ポストキュア工程などを経て研磨パッドが作製される。ポストキュアすることにより、ポリウレタン発泡体の物理的特性を向上させる効果がある。ポストキュア後、研磨シートは、所望の形状に合わせて2次裁断される。円形に裁断する場合、直径は50〜200cm程度であり、好ましくは50〜100cmである。正方形に裁断する場合、1辺は50〜200cm程度であり、好ましくは50〜100cmである。矩形に裁断する場合、幅は50〜200cm程度、好ましくは50〜100cmであり、長さは幅の1.1倍〜2倍程度である。反物に裁断する場合、長さは使用する研磨装置に応じて適宜調整されるが、通常5〜10m程度である。
クッションの厚みは特に限定されるものではないが、通常0.5〜1.5mm程度であり、0.5〜1mmであることが好ましい。また、クッション層の幅も特に制限されないが、要求される研磨パッドの大きさを考慮すると60〜250cm程度であることが好ましい。
クッション層の比重は、0.2〜0.6であることが好ましい。比重が0.2未満の場合には、クッション層の耐久性が低下する傾向にある。また、0.6より大きい場合は、クッション性が悪くなる傾向にある。
クッション層の硬度は、アスカーC硬度で10〜80度であることが好ましく、より好ましくは20〜70度である。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の表面粗さが改善され、スクラッチが除去される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。また、レンズやハードディスク用のガラス基板も前記と同様の方法で仕上げ研磨することができる。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(平均気泡径)
作製した研磨層及びクッション層を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製した研磨層及びクッション層を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(D硬度)
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製した研磨層を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(C硬度)
JIS K−7312に準拠して行った。作製したクッション層を5cm×5cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、サンプルを重ね合わせ、厚み10mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーC型硬度計、加圧面高さ:3mm)を用い、加圧面を接触させてから60秒後の硬度を測定した。
実施例1
(研磨層の作製)
トルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)32重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート8重量部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量:1006)54重量部、及びジエチレングリコール6重量部を混合し、80℃で120分間加熱撹拌してイソシアネート末端プレポリマー(イソシアネート当量:2.1meq/g)を作製した。該イソシアネート末端プレポリマー100重量部、シリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコーン社製、SH−192)3重量部を混合して80℃に温度調節した混合物を調製した。該混合物80重量部、及び120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)20重量部を混合チャンバー内で混合し、同時に空気を混合物中に機械的に撹拌することにより分散させて気泡分散ウレタン組成物Aを調製した。
PETフィルムからなり、剥離処理を施した面材(厚さ188μm、幅100cm)を送り出しつつ、その面材上に前記気泡分散ウレタン組成物Aを連続的に吐出した。そして、PETフィルムからなり、剥離処理を施した別の面材(厚さ188μm、幅100cm)で気泡分散ウレタン組成物Aを覆い、ニップロールを用いて厚さを均一に調整した。その後、80℃に加熱することにより該組成物を硬化させて、独立気泡構造のポリウレタン発泡体からなる長尺状の研磨層(厚さ:1.5mm)を作製した。その後、研磨層から面材を剥離し、100℃で6時間ポストキュアを行った。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して該研磨層の表面バフ処理をし、厚さ1.27mmに厚み精度を整えた。そして、該研磨層の研磨表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて溝加工を施した。研磨層は、平均気泡径50μm、比重0.86、及びD硬度55度であった。
(研磨パッドの作製)
容器にPOP36/28(三井化学株式会社製、ポリマーポリオール、水酸基価:28mgKOH/g)50重量部、PCL210(ダイセル化学工業株式会社製、ポリエステルポリオール、水酸基価:112mgKOH/g)25重量部、ジエチレングリコール5重量部、PCL312(ダイセル化学工業株式会社製、ポリエステルポリオール、水酸基価:134mgKOH/g)20重量部、シリコン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B−8443)6重量部、及び触媒(No.25、花王製)0.25重量部を入れて混合し40℃に温度調節した混合物を調製した。該混合物106重量部、及びミリオネートMTL(日本ポリウレタン工業製)35.2重量部を混合チャンバー内で混合し、同時に空気を混合物中に機械的に撹拌することにより分散させて気泡分散ウレタン組成物Bを調製した。
作製した研磨層を非可動式定板上に送り出しつつ、調製した気泡分散ウレタン組成物Bを該研磨層上に吐出した。そして、該気泡分散ウレタン組成物B上に、ポリエチレンテレフタレートシート(厚さ0.2mm)の片面にアクリル系粘着層を有する粘着シート(幅100cm)を気泡分散ウレタン組成物Bとポリエチレンテレフタレートシートが接触するように被せた。ニップロールにて気泡分散ウレタン組成物Bを1.0mmの厚さにし、その後70℃で40分間キュアして連続気泡構造のポリウレタン発泡体からなるクッション層を形成して研磨シートを作製した。クッション層は、平均気泡径70μm、比重0.34、C硬度23度であった。また、クッション層の片面は、研磨層に自己接着により強固に接着しており、クッション層の他面は、粘着シートのポリエチレンテレフタレートシートに自己接着により強固に接着していた。作製した研磨シートを80cm角で1次裁断した後、80℃で6時間ポストキュアした。その後、直径70cmの大きさに2次裁断して研磨パッドを作製した。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図 本発明の研磨パッドの製造工程を示す概略図
符号の説明
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
8:供給ロール
9:研磨層
10:非可動式定板
11:気泡分散ウレタン組成物
12:ミキシングヘッド
13:粘着シート
14:ブレード
15:加熱オーブン

Claims (5)

  1. 研磨層を送り出しつつその上に機械発泡法により調製した気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出する工程、前記気泡分散ウレタン組成物上に、樹脂シートの片面に粘着層を有する粘着シートを気泡分散ウレタン組成物と樹脂シートが接触するように積層する工程、及び厚さを均一に調整しつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより熱硬化性ポリウレタン発泡体からなるクッション層を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法。
  2. 前記気泡分散ウレタン組成物は、イソシアネート成分、高分子量ポリオールを含む活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含み、前記高分子量ポリオールの水酸基価は、20〜200mgKOH/gである請求項1記載の研磨パッドの製造方法。
  3. 前記気泡分散ウレタン組成物は、イソシアネート成分、高分子量ポリオールを含む活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含み、前記高分子量ポリオールは、アクリロニトリル及び/又はスチレン−アクリロニトリル共重合体からなるポリマー粒子を分散させたポリマーポリオールを20〜100重量%含有する請求項1記載の研磨パッドの製造方法。
  4. 前記活性水素含有化合物は、低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン、及びアルコールアミンの少なくとも1種を合計で2〜15重量%含有する請求項2又は3記載の研磨パッドの製造方法。
  5. 前記クッション層は、平均気泡径30〜200μm、かつアスカーC硬度10〜80度の連続気泡構造を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体からなる請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法。
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