JP5095129B2 - 電動機 - Google Patents

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Description

この発明は、回転子に永久磁石を備えた電動機に関し、特に、回転子の永久磁石の界磁特性を変更できる電動機に関するものである。
この種の電動機として、夫々個別に永久磁石を備える内周側回転子と外周側回転子とが同軸に配設され、この両回転子を周方向に相対的に回動させる(両回転子の相対的な位相を変更する)ことにより、回転子全体としての界磁特性を変更できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電動機では、電動機の回転速度に応じて両回転子における相対的な位相を変更する場合には、遠心力の作用により径方向に沿って変位する部材によって、外周側回転子と内周側回転子との何れか一方を他方に対して周方向に回動させる。また、固定子に発生する回転磁界の速度に応じて両回転子における相対的な位相を変更する場合には、各回転子が慣性により回転速度を維持する状態で固定子巻線に制御電流を通電して回転磁界速度を変更することによって、外周側回転子及び内周側回転子の周方向の相対位置を変更する。
この電動機においては、外周側回転子と内周側回転子の永久磁石を互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことで、回転子全体の界磁を強めて誘起電圧を増大させ、逆に、外周側回転子と内周側回転子の永久磁石を互いに同極同士で対向させる(対極配置にする)ことで、回転子全体の界磁を弱めて誘起電圧を減少させる。
特開2002−204541号公報
しかし、この従来の電動機の場合、外周側回転子と内周側回転子の相対位相を変更できる条件が限られており、電動機の運転停止時や任意の回転時に自由に相対位相を変更することができない。特に、ハイブリッド車や電動車両の駆動用として用いる場合には、車両の運転状況に応じて瞬時に所望の電動機特性に変更することが望まれ、この要望に応えるためにも相対位相の変更制御の自由度を高めることが重要となる。このため、本出願人は、作動流体を用いる位相変更手段を組み込むことを発案し、現在、作動流体の効率的な給排制御を検討している。
具体的には、位相変更手段には、内周側回転子を外周側回転子に対して進角方向に相対回動させる進角側作動室と、内周側回転子を外周側回転子に対して遅角方向に相対回動させる遅角側作動室を設け、これらの作動室に対する作動流体の給排を電磁式の流路切換弁で制御することを検討している。
しかし、この位相変更手段の場合、進角側作動室と遅角側作動室に対する作動流体の給排を流路切換弁によって操作するため、流路切換弁における作動流体の通過許容流量によって作動応答性が制限されてしまい、通過許容流量を大きく設定しなければ急激な位相変更要求に対応できなくなる。そして、通過許容流量を増大させるためには流路切換弁の弁体や電磁アクチュエータ部を大型化せざるを得ないが、流路切換弁の大型化は、システム内での占有スペースの増大や製造コストの高騰を招いてしまう。
そこでこの発明は、占有スペースの増大や製造コストの高騰を招くことなく、位相変更制御の自由度の向上と、位相変更時の作動応答性の向上を図ることのできる電動機を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、円周方向に沿うように永久磁石(例えば、後述の実施形態における永久磁石9)が配設された内周側回転子(例えば、後述の実施形態における内周側回転子6)と、この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように永久磁石が配設された外周側回転子(例えば、後述の実施形態における外周側回転子5)と、前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段(例えば、後述の実施形態における位相変更手段12)と、を備えた電動機であって、前記位相変更手段が、内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して進角方向に相対回動させる進角側作動室(例えば、後述の実施形態における進角側作動室24)と、内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して遅角方向に相対回動させる遅角側作動室(例えば、後述の実施形態における遅角側作動室25)と、前記作動流体を供給する流体供給源(例えば、後述の実施形態におけるオイルポンプ32)と、位相変更の要求に応じて前記進角側作動室と遅角側作動室に対する作動流体の給排の振り分けを行う流路切換弁(例えば、後述の実施形態における流路切換弁37)と、前記流体供給源と進角側作動室の間と、前記流体供給源と遅角側作動室の間の少なくともいずれか一方に、前記流路切換弁を迂回するように設けられたバイパス通路(例えば、後述の実施形態における進角側バイパス通路45、遅角側バイパス通路46)と、このバイパス通路に介装された開閉弁(例えば、後述の実施形態における開閉弁47A,47B)と、前記相対的な位相の検出値を出力する位相検出器(例えば、後述の実施形態における位相検出器81)と、前記相対的な位相の指令値を出力する位相制御手段(例えば、後述の実施形態における位相制御部62)と、を備えており、前記位相変更手段は、前記相対的な位相の前記検出値と前記指令値との差分が所定範囲から外れた際に前記開閉弁を開くことを特徴とする。
この場合、通常の位相変更時には開閉弁がバイパス通路を閉じており、コントローラからの位相変更の要求に応じて流路切換弁が進角側作動室と遅角側作動室に対する作動流体の給排を行う。また、例えば、進角側または遅角側の急激な位相変更の要求があったとき等には、開閉弁がバイパス通路を開き、流体供給源の作動液が、流路切換弁内とバイパス通路を通して進角側作動室または遅角側作動室に導入される。この場合、一方の作動室には作動液が大流量で流れ込み、位相が迅速に変更される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記外周側回転子と一体に回転する第1部材(例えば、後述の実施形態におけるベーンロータ14,ドライブプレート16)と前記内周側回転子と一体に回転する第2部材(例えば、後述の実施形態における環状ハウジング15)の間に作動流体の導入空間(例えば、後述の実施形態における導入空間23)が設けられ、前記第1部材と第2部材のうちの一方に、前記導入空間に摺動自在に配置されて前記導入空間内を2室に隔成するベーン(例えば、後述の実施形態におけるベーン18)が突設され、前記ベーンで隔成される2室によって前記進角側作動室と遅角側作動室が構成されていることを特徴とする。
これにより、例えば、進角側作動室に作動流体が供給され、遅角側作動室から作動流体が排出されると、ベーンが前後の差圧を受けて導入空間内を一方から他方側に相対的に移動して第1部材と第2部材が一方に相対回動する。これにより、内周側回転子は外周側回転子に対して進角方向に相対回動する。一方、遅角側作動室に作動流体が供給され、進角側作動室から作動流体が排出された場合には、ベーンがこのときの前後の差圧を受けて前記と逆方向に相対的に移動し、このとき第1部材と第2部材を介して内周側回転子が外周側回転子に対して遅角方向に相対回動する。
請求項3に記載の発明は、円周方向に沿うように永久磁石が配設された内周側回転子と、この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように永久磁石が配設された外周側回転子と、前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段と、を備えた電動機であって、前記位相変更手段が、内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して進角方向に相対回動させる進角側作動室と、内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して遅角方向に相対回動させる遅角側作動室と、前記作動流体を供給する流体供給源と、位相変更の要求に応じて前記進角側作動室と遅角側作動室に対する作動流体の給排の振り分けを行う流路切換弁と、前記流体供給源と進角側作動室の間と、前記流体供給源と遅角側作動室の間の少なくともいずれか一方に、前記流路切換弁を迂回するように設けられたバイパス通路と、このバイパス通路に介装された開閉弁と、を備え、前記外周側回転子と一体に回転する第1部材(例えば、後述の実施形態における内筒部材112,ドライブプレート114)と前記内周側回転子と一体に回転する第2部材(例えば、後述の実施形態における外筒部材113)のうちの一方に軸部(例えば、後述の実施形態における軸部112b)が設けられるとともに、前記第1部材と第2部材のうちの他方に、前記軸部の外側を囲繞する筒部(例えば、後述の実施形態における肉厚部113a)が設けられ、内周面と外周面が前記軸部と筒部に夫々ヘリカルスプライン係合するリングギヤ(例えば、後述の実施形態におけるリングギヤ118)が設けられ、前記第1部材と第2部材の間に作動流体の導入空間(例えば、後述の実施形態における導入空間115)が設けられ、この導入空間に摺動自在に収容されて前記導入空間内を2室に隔成するピストン(例えば、後述の実施形態におけるピストン122)が設けられるとともに、このピストンが前記リングギヤと一体変位可能に連結され、前記ピストンで隔成される2室によって前記進角側作動室と遅角側作動室が構成されていることを特徴とする。
この場合、例えば、進角側作動室に作動流体が供給され、遅角側作動室から作動流体が排出されると、ピストンが前後の差圧を受けて導入空間内を一方から他方側に相対的に移動し、このとき、ピストンに連結されたリングギヤが軸部と筒部の間において一方から他方側に移動する。そして、リングギヤが軸部と筒部の間でこうして移動すると、リングギヤがヘリカルスプラインを介して軸部と筒部に一方側の相対回転力を付与するようになる。これにより、第1部材と第2部材が一方に相対回動し、内周側回転子は外周側回転子に対して進角方向に相対回動する。一方、遅角側作動室に作動流体が供給され、進角側作動室から作動流体が排出された場合には、ピストンがこのときの前後の差圧を受けて前記と逆方向に相対的に移動し、このとき、リングギヤがピストンと同方向に移動して軸部と筒部にヘリカルスプラインを介して前記と逆方向の相対回転力を付与するようになる。これにより、第1部材と第2部材が他方に相対回動し、内周側回転子は外周側回転子に対して遅角方向に相対回動する。
請求項4に記載の発明は、円周方向に沿うように永久磁石が配設された内周側回転子と、この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように永久磁石が配設された外周側回転子と、前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段と、を備えた電動機であって、前記位相変更手段が、内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して進角方向に相対回動させる進角側作動室と、内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して遅角方向に相対回動させる遅角側作動室と、前記作動流体を供給する流体供給源と、位相変更の要求に応じて前記進角側作動室と遅角側作動室に対する作動流体の給排の振り分けを行う流路切換弁と、前記流体供給源と進角側作動室の間と、前記流体供給源と遅角側作動室の間の少なくともいずれか一方に、前記流路切換弁を迂回するように設けられたバイパス通路と、このバイパス通路に介装された開閉弁と、を備え、前記外周側回転子と一体に回転する第1部材(例えば、後述の実施形態における内側ブロック212)と前記内周側回転子と一体に回転する第2部材(例えば、後述の実施形態における外側ブロック213)のうちの一方に、回転軸線を中心とする円周の略接線方向に沿い互いに相反する回転方向に向く第1のシリンダ(例えば、後述の実施形態における第1のシリンダ214)と第2のシリンダ(例えば、後述の実施形態における第2のシリンダ215)が設けられるとともに、この第1のシリンダと第2のシリンダに第1のピストン(例えば、後述の実施形態における第1のピストン216)と第2のピストン(例えば、後述の実施形態における第2のピストン217)が夫々進退自在に設けられ、前記第1部材と第2部材のうちの他方に、前記両回転子の略半径方向に沿い夫々前記第1のピストンと第2のピストンの頂部に当接する第1の荷重伝達壁(例えば、後述の実施形態における第1の荷重伝達壁218)と第2の荷重伝達壁(例えば、後述の実施形態における第2の荷重伝達壁219)が設けられ、前記第1のシリンダと第1のピストンの間と、前記第2のシリンダと第2のピストンの間で前記進角側作動室と遅角側作動室が夫々構成されていることを特徴とする。
この場合、例えば、進角側作動室に作動流体が供給され、遅角側作動室から作動流体が排出されると、第1のピストンが突出する一方で第2のピストンが後退する。このとき、第1のピストンが第1の荷重伝達壁を押圧して、第1の荷重伝達壁が第1のシリンダ側から離間するとともに、第2の荷重伝達壁が第2のシリンダ側に近接し、その結果、第1部材と第2部材が一方側に相対回動する。これにより、内周側回転子は外周側回転子に対して進角方向に相対回動する。一方、遅角側作動室に作動流体が供給され、進角側作動室から作動流体が排出された場合には、第2のピストンが突出する一方で第1のピストンが後退し、第2のピストンが第2の荷重伝達壁を押圧する。これにより、第1部材と第2部材が他方側に相対回動し、内周側回転子は外周側回転子に対して遅角方向に相対回動する。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動機において、前記流体供給源から供給される作動流体の圧力の導入と排出を切り換えて信号圧を作る電磁弁(例えば、後述の実施形態における電磁弁48A,48B)を設け、この電磁弁で作られる信号圧によって前記開閉弁を開閉作動させることを特徴とする。
この場合、電磁弁は流体供給源からの作動流体の圧力の導入と排出を切り換えるだけであるため、比較的小さな磁力での作動が可能になり、一方、開閉弁は流体供給源から導入される圧力を基に作られた比較的大きな信号圧でもってバイパス通路を操作するようになる。
この出願の発明によれば、進角側作動室と遅角側作動室に作動流体を適宜給排することによって外周側回転子と内周側回転子の相対位相が変更される構成を採用するとともに、位相変更の要求に応じて流路切換弁によって進角側作動室と遅角側作動室に作動流体の給排を振り分け、さらに、流路切換弁の内部を通る通路の他に、流路切換弁を迂回して流体供給源といずれかの作動室を接続するバイパス通路を設けるとともに、このバイパス通路に開閉弁を介装したため、急激な位相変更の要求があった場合に、バイパス通路に介装された開閉弁を開くことによって対応する作動室に作動液を大流量で供給することができる。
したがって、この発明によれば、回転子の位相を任意のタイミングで自由に変更することができるとともに、大型の電磁弁を用いることなく、急激な位相変更の要求にも速やかに対応することができる。よって、占有スペースの増大や製造コストの高騰を招くこともない。
請求項5に記載の発明によれば、流体供給源から供給される作動流体の圧力を用いて電磁弁で信号圧を作り、その信号圧によって開閉弁を操作するため、電磁弁の比較的小さな磁力でもって開閉弁を確実に制御することができる。
したがって、この発明によれば、電磁弁をより小型化し、占有スペースの狭小化と製造コストのさらなる低減を図ることができる。
また、請求項2〜4に記載の発明によれば、いずれも比較的簡単な構成により、作動流体の給排制御によって内周側回転子と外周側回転子の相対位相を任意のタイミングで正確に変更することができるため、相対位相の変更制御の自由度を高めつつ、電動機の小型化を図ることができる。
以下、この発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。最初に、図1〜図8に示す第1の実施形態について説明する。
この実施形態の電動機1は、図1〜図4に示すように円環状の固定子2の内周側に回転子ユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスモータであり、例えばハイブリッド車や電動車両等の走行駆動源として用いられる。固定子2は複数相の固定子巻線2aを有し、回転子ユニット3は軸芯部に回転軸4を有している。車両の走行駆動源として用いる場合には、電動機1の回転力はトランスミッション(図示せず)を介して車輪の駆動軸(図示せず)に伝達される。この場合、電動機1は車両の減速時に発電機として機能させれば、回生エネルギーとして蓄電器に回収することもできる。また、ハイブリッド車においては、電動機1の回転軸4をさらに内燃機関のクランクシャフト(図示せず)に連結することにより、内燃機関による発電にも利用することができる。
図6は、この電動機1を車両の走行駆動源として用いる場合の電動機1の制御系の一例を示すものである。この制御系では、電動機1の駆動作動および回生作動はコントローラ40から出力される制御指令を受けてパワードライブユニット41(以下、「PDU41」と呼ぶ)により行われる。
PDU41は、トランジスタのスイッチング素子がブリッジ接続されたブリッジ回路を用いてパルス幅変調(PWM)を行うPWMインバータを備えるとともに、電動機1と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ42に接続されている。
PDU41は、電動機1の駆動時等においてコントローラ40から入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)に基づき、PWMインバータにおいて各相毎に対を成す各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り換えることによって、バッテリ42から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、電動機1の固定子巻線2aへの通電を順次転流させることによって、各相の固定子巻線2aに交流のU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
回転子ユニット3は、図1〜図4に示すように、円環状の外周側回転子5と、この外周側回転子5の内側に同軸に配置される円環状の内周側回転子6を備え、外周側回転子5と内周側回転子6が設定角度の範囲で回動可能とされている。
外周側回転子5と内周側回転子6は、回転子本体である円環状のロータ鉄心7,8が例えば焼結金属によって形成され、その各ロータ鉄心7,8の外周側に偏寄した位置に、複数の磁石装着スロット7a,8aが円周方向等間隔に形成されている。各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された2つの平板状の永久磁石9,9が並列に並んで装着されている。同じ磁石装着スロット7a,8a内に装着される2つの永久磁石9,9は同方向に磁化され、各隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aに装着される永久磁石9の対同士は磁極の向きが逆向きになるように設定されている。即ち、各回転子5,6においては、外周側がN極とされた永久磁石9の対と、S極とされた永久磁石9の対が円周方向に交互に並んで配置されている。なお、各回転子5,6の外周面の隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aの各間には、永久磁石9の磁束の流れを制御するための切欠き部10が回転子5,6の軸方向に沿って形成されている。
外周側回転子5と内周側回転子6の磁石装着スロット7a,8aは夫々同数設けられ、両回転子5,6の永久磁石9…が夫々1対1で対応するようになっている。したがって、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁の状態(図4,図5(b)参照)を得ることができるとともに、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態(図2,図5(a)参照)を得ることができる。
また、回転子ユニット3は、外周側回転子5と内周側回転子6を相対回動させるための回動機構11を備えている。この回動機構11は、両回転子5,6の相対位相を任意に変更するための位相変更手段12の一部を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動液の圧力によって操作されるようになっている。位相変更手段12は、上記の回動機構11と、この回動機構11に供給する作動液の圧力を制御する図7に示す油圧制御装置13と、を主要な要素として構成されている。
回動機構11は、図1〜図4に示すように回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14(第1部材)と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15(第2部材)とを備え、この環状ハウジング15が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14が、環状ハウジング15と内周側回転子6の両側の側端部を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16,16(第1部材)を介して外周側回転子5に一体に結合されている。したがって、ベーンロータ14は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、環状ハウジング15は内周側回転子6に一体化されている。
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に、径方向外側に突出する複数のベーン18が円周方向等間隔に設けられている。一方、環状ハウジング15は、内周面に円周方向等間隔に複数の凹部19が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応するベーン18が収容配置されるようになっている。各凹部19は、ベーン18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の仕切壁21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、ベーン18が一方の仕切壁21と他方の仕切壁21の間を変位し得るようになっている。この実施形態の場合、仕切壁21はベーン18と当接することにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動を規制するストッパとしても機能する。なお、各ベーン18の先端部と仕切壁21の先端部には、軸方向に沿うようにシール部材22が設けられ、これらのシール部材22によってベーン18と凹部19の底壁20、仕切壁21とボス部17の外周面の各間が液密にシールされている。
また、内周側回転子6に固定される環状ハウジング15のベース部15aは一定厚みの円筒状に形成されるとともに、図1に示すように内周側回転子6や仕切壁21に対して軸方向外側に突出している。このベース部15aの外側に突出した各端部は、ドライブプレート16に形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持され、環状ハウジング15と内周側回転子6が、外周側回転子5や回転軸4にフローティング状態で支持されるようになっている。
外周側回転子5とベーンロータ14を連結する両側のドライブプレート16,16は、環状ハウジング15の両側面(軸方向の両端面)に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の側方を夫々閉塞する。したがって、各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16,16によって夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、作動液が導入される導入空間23となっている。各導入空間23内は、ベーンロータ14の対応する各ベーン18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24、他方の部屋が遅角側作動室25とされている。進角側作動室24は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、図2,図4中の矢印Rで示す電動機1の回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、電動機1の回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排は回転軸4を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室24は、図7に示す油圧制御装置13の進角側給排通路26に接続され、遅角側作動室25は同油圧制御装置13の遅角側給排通路27に接続されているが、進角側給排通路26と遅角側給排通路27の一部は、図1に示すように、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした2位置に形成された環状溝26bと環状溝27bに夫々接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c…,27c…に接続されている。進角側給排通路26の各導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側給排通路27の各導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
ここで、この実施形態の電動機1の場合、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最遅角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が異極同士で対向して強め界磁の状態(図2,図5(a)参照)になり、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最進角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が同極同士で対向して弱め界磁の状態(図4,図5(b)参照)になるように設定されている。
なお、この電動機1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、こうして磁界の強さが変更されると、それに伴って誘起電圧定数が変化し、その結果、電動機1の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数が大きくなると、電動機1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数が小さくなると、電動機1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
一方、油圧制御装置13は、図7に示すように、オイルタンク(図示せず)から作動液を吸い上げて通路に吐出するオイルポンプ32(流体供給源)と、このオイルポンプ32から吐出された作動液の油圧を調整して高圧のライン通路33に導入し、余剰分の作動液を各種機器の潤滑や冷却のための低圧通路34に流出させるレギュレータバルブ35と、ライン通路33に導入された作動液を進角側給排通路26と遅角側給排通路27に振り分けるとともに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27で不要な作動液をドレン通路36に排出する流路切換弁37とを備えている。
レギュレータバルブ35は、ライン通路33の圧力を制御圧として受け、反力スプリング38とのバランスによって作動液の振り分けを行う。
また、流路切換弁37は、制御スプール37aを進退操作する電磁ソレノイド37bを有し、この電磁ソレノイド37bがコントローラ40によって制御されるようになっている。
また、油圧制御装置13は、さらに、ライン通路33の流路切換弁37の上流位置から流路切換弁37を迂回して進角側給排通路26に接続される進角側バイパス通路45と、ライン通路33の流路切換弁37の上流位置から流路切換弁37を迂回して遅角側給排通路27に接続される遅角側バイパス通路46と、進角側バイパス通路45と遅角側バイパス通路46に夫々介装されて各通路45,46を開閉する常閉型の開閉弁47A,47Bと、この各開閉弁47A,47Bを開閉作動させる信号圧を作る電磁弁48A,48Bと、ソレノイドのオン作動によってレギュレータバルブ35の反力室49にライン通路33の圧力を導入するバルブ固定用の電磁弁50を備えている。
各バイパス通路45,46の電磁弁48A,48Bは、対応する開閉弁47A,47Bに導通する信号ポートP1と、ライン通路33に導通する圧力導入ポートP2と、ドレン通路44に導通するドレンポートP3とを有し、コントローラ40(図6参照)から制御信号(オン・オフ信号)を受けて、信号ポートP1を圧力導入ポートP2とドレンポートP3に選択的に導通させる。具体的には、各電磁弁48A,48Bは、通常時にはオフにされ、信号ポートP1をドレンポートP3に導通させて対応する開閉弁47A,47Bを閉状態に維持しており、コントローラ40からオン信号が入力されると、信号ポートP1を圧力導入ポートP2に導通させ、対応する開閉弁47A,47Bを開作動させる。
また、レギュレータバルブ35の反力室49は、ライン通路33からの導入圧を反力スプリング38の付勢方向と同方向の力としてレギュレータバルブ35に作用させるものであり、バルブ固定用の電磁弁50のオン・オフ作動によってライン通路33の圧力の導入と遮断が制御されるようになっている。電磁弁50は、反力室49に導通する信号ポートP4と、ライン通路33に導通する圧力導入ポートP5と、ドレン通路44に導通するドレンポートP6とを有し、前記の電磁弁48A,48Bと同様にコントローラ40(図6参照)から制御信号(オン・オフ信号)を受けて、信号ポートP4を圧力導入ポートP5とドレンポートP6に選択的に導通させる。具体的には、電磁弁50は、通常時にはオフにされ、信号ポートP4をドレンポートP6に導通させて反力室49を大気圧状態に維持しており、コントローラ40からオン信号が入力されると、信号ポートP4を圧力導入ポートP5に導通させて反力室49にライン通路33の圧力を導入する。レギュレータバルブ35は、こうして反力室49に圧力が導入されると、ライン通路33の圧力に応じたスプール制御を実質的に無効し、低圧通路34を完全に遮断する(全流量をライン通路33に導入する)固定状態に切り換える。
以上説明した電磁弁48A,48Bとバルブ固定用の電磁弁50は、電動機1の通常の位相変更時にはオフにされ、コントローラ40が急激な位相変更が必要と判断した場合(急激な位相変更を要求した場合)、例えば、車両の急加速や急減速時、低温環境下で作動液の粘性抵抗が高いとき(位相変更要求に作動液の流れが追いつかないとき)等にオン操作される。
ここで、図6に示すコントローラ40の構成について説明する。
コントローラ40は、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を行うものであり、例えば運転者のアクセル操作に係るアクセル開度等に応じて設定されるトルク指令Tqに基づきd軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcを演算し、d軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcに基づいて各相出力電圧Vu,Vv,Vwを算出し、各相出力電圧Vu,Vv,Vwに応じてPDU41にゲート信号であるPWM信号を出力するとともに、実際にPDU41から電動機1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの何れか2つの相電流をdq座標上の電流に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcとの各偏差がゼロとなるように電流制御を行う。
また、このコントローラ40は、トルク指令Tq等の要求指令と、実際の両回転子6,5の位相差のフィードバック値に基づいて、位相変更を行うべく油圧制御装置13(流路切換弁37の電磁ソレノイド37b)の制御を行い、さらに、位相制御の指令値θcとフィードバック値θの差が設定許容範囲から外れる場合には、急激な位相変更の要求があったものと判定して油圧制御装置13に対して付加的な制御(電磁弁48A,48B,50のオン制御)を行う。
コントローラ40は、具体的には、目標電流設定部51と、電流偏差算出部52と、界磁制御部53と、電力制御部54と、電流制御部55と、dq−3相変換部56と、PWM信号生成部57と、フィルタ処理部58と、3相−dq変換部59と、回転数演算部60と、誘起電圧定数指令出力部83と、誘起電圧常数算出部82と、誘起電圧定数差分算出部84と、位相制御部62と、要求位相差算出部63と、変更要求判定部64と、第2の位相制御部65とを備えている。
そして、コントローラ40には、PDU41から電動機1に出力される3相の各相電流Iu,Iv,Iwのうち、2相のU相電流IuおよびW相電流Iwを検出する各電流センサ71,71から出力される各検出信号Ius,Iwsと、バッテリ42の端子電圧(電源電圧)VBを検出する電圧センサ72から出力される検出信号と、電動機1の回転子ユニット3の回転角θM(つまり、所定の基準回転位置からの回転子ユニット3の磁極の回転角度)を検出するレゾルバ73(回転センサ)から出力される検出信号と、外部の制御装置(図示略)から出力されるトルク指令TqおよびトランスミッションT/Mの変速比に対する制御指令である変速指令および車両の駆動状態(例えば、前輪駆動状態や総輪駆動状態等)に対する制御指令である駆動輪選択指令とが入力される。
目標電流設定部51は、例えば外部の制御装置(図示略)から入力されるトルク指令Tq(例えば、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作量に応じて必要とされるトルクを電動機1に発生させるための指令値)と、回転数演算部60から入力される電動機1の回転数NMと、誘起電圧定数Keとに基づき、PDU41から電動機1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを指定するための電流指令を演算しており、この電流指令は、回転する直交座標上でのd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとして電流偏差算出部52へ出力されている。
この回転直交座標をなすdq座標は、例えば回転子ユニット3の永久磁石9による界磁極の磁束方向をd軸(界磁軸)とし、このd軸と直交する方向をq軸(トルク軸)としており、電動機1の回転位相に同期して回転している。これにより、PDU41から電動機1の各相に供給される交流信号に対する電流指令として、直流的な信号であるd軸目標電流Idcおよびq軸目標電流Iqcを与えるようになっている。
電流偏差算出部52は、界磁制御部53から入力されるd軸補正電流が加算されたd軸目標電流Idcと、d軸電流Idとの偏差ΔIdを算出するd軸電流偏差算出部52aと、電力制御部54から入力されるq軸補正電流が加算されたq軸目標電流Iqcと、q軸電流Iqとの偏差ΔIqを算出するq軸電流偏差算出部52aとを備えて構成されている。
なお、界磁制御部53は、例えば電動機1の回転数NMの増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するためにロータ23の界磁量を等価的に弱めるようにして電流位相を制御する弱め界磁制御の弱め界磁電流に対する目標値をd軸補正電流として出力する。
また、電力制御部54は、例えばバッテリ18の残容量等に応じた適宜の電力制御に応じてq軸目標電流Iqcを補正するためのq軸補正電流を出力する。
電流制御部55は、例えばモータ回転数NMに応じたPI(比例積分)動作により、偏差ΔIdを制御増幅してd軸電圧指令値Vdを算出し、偏差ΔIqを制御増幅してq軸電圧指令値Vqを算出する。
dq−3相変換部56は、回転数演算部60から入力されるロータの回転角θMを用いて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧Vu、V相出力電圧VvおよびW相出力電圧Vwに変換する。
PWM信号生成部57は、例えば、正弦波状の各相出力電圧Vu,Vv,Vwと、三角波からなるキャリア信号と、スイッチング周波数とに基づくパルス幅変調により、PDU13のPWMインバータの各スイッチング素子をオン/オフ駆動させる各パルスからなるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。
フィルタ処理部58は、各電流センサ71,71により検出された各相電流に対する検出信号Ius,Iwsに対して、高周波成分の除去等のフィルタ処理を行い、物理量としての各相電流Iu,Iwを抽出する。
3相−dq変換部59は、フィルタ処理部58により抽出された各相電流Iu,Iwと、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMとにより、電動機1の回転位相による回転座標すなわちdq座標上でのd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
回転数演算部60は、レゾルバ73から出力される検出信号から電動機1の回転子ユニット3の回転角θMを抽出するとともに、この回転角θMに基づき、電動機1の回転数NMを算出する。
誘起電圧定数指令出力部83は、例えばトルク指令Tqと、電動機1の回転数NMと、変速指令と、駆動輪選択指令とに基づいて誘起電圧定数指令値Kec(誘起電圧定数指令)を出力する。
誘起電圧常数算出部82は、内周側回転子6と外周側回転子5の相対位相を検出する位相検出器81から検出値θを受けて実際の電動機1の誘起電圧定数Keを算出する。ここで算出した誘起電圧定数Keは、目標電流設定部51に入力されるとともに、誘起電圧定数差分算出部84に入力される。なお、位相検出器81としては、例えば進角側給排通路26(進角側作動室24)と遅角側給排通路27(遅角側作動室25)の差圧を検出するセンサや、内周側回転子6と外周側回転子5の位相差を直接的に検出するセンサ等を用いることができる。
誘起電圧定数差分算出部84は、誘起電圧定数指令出力部83から出力された誘起電圧定数指令値Kecと、誘起電圧常数算出部82で求めた実際の誘起電圧定数Keとの偏差を算出し、そこで算出した誘起電圧定数の偏差ΔKeを位相制御部62に出力する。
位相制御部62は、誘起電圧定数の偏差ΔKeに応じた位相指令値θcを算出し、その位相指令値θcを油圧制御装置13の流路切換弁37(電磁ソレノイド37b)に出力する。
要求位相差算出部63は、位相制御部62から出力される位相指令値θcと、位相検出器81から出力された検出値θとの差分Δθを算出し、変更要求判定部64は、要求位相差算出部63で算出した差分Δθが設定許容値の範囲から外れるかどうかを判定する。
第2の位相制御部65は、変更要求判定部64で差分Δθが設定許容値の範囲から外れると判定したときに、油圧制御装置13の電磁弁48A,48B,50に制御信号(オン信号)を出力する。
変更要求判定部64と第2の位相制御部65での制御のフローは、例えば図8に示すようになる。以下、このフローについて説明するが、このフローにおいては、内周側回転子6が進角側から遅角側に進む向きを正の向きと考えるものとする。
まず、ステップS1において、位相指令値θcと実際の位相検出値θとの差分Δθを読み込み、つづくステップS2において、差分Δθが上限側の位相差設定値θ1(プラスの値)よりも大きいかどうかを判定し、位相差設定値θ1よりも大きい場合にはステップS3に進み、大きくない場合にはステップS4に進む。
ステップ3に進んだ場合には、内周側回転子6が遅角方向に制御され、かつ、位相指令値θcと現在の位相との乖離幅が設定許容幅から外れる(つまり、遅角方向の位相変更要求が急激である)ため、図7に示す電磁弁50と電磁弁48Bにオン信号を出力する。これにより、レギュレータバルブ35が固定されるとともに、遅角側バイパス通路46が開かれる。
また、ステップS4に進んだ場合には、さらに差分Δθが下限側の位相差設定値θ2(マイナスの値)よりも小さいかどうかを判定し、位相差設定値θ2よりも小さい場合にはステップS5に進み、小さくない場合にはリターンする。
ステップS4に進んだ場合には、内周側回転子6が進角方向に制御され、かつ、位相指令値θcと現在の位相との乖離幅が設定許容幅から外れる(つまり、進角方向の位相変更要求が急激である)ため、図7に示す電磁弁50と電磁弁48Aにオン信号を出力する。これにより、レギュレータバルブ35が固定されるとともに、進角側バイパス通路45が開かれる。
つづいて、電動機1の位相変更の作動について説明する。
電動機1の位相が強め界磁側に変更される場合には、コントローラ40による指令によって図7に示す流路切換弁37が制御され、ライン通路33の作動液が流路切換弁37と遅角側給排通路27を通して遅角側作動室25に供給され、進角側作動室24の作動液が進角側給排通路26と流路切換弁37を通してドレン通路36に排出される。これにより、図1〜図4に示す内周側回転子6と環状ハウジング15は、外周側回転子5とベーンロータ14に対して遅角側に相対回動し、電動機1は、両回転子5,6の永久磁石9が異極面同士で対向する強め界磁方向に位相変更される。
また、このように電動機1が強め界磁側に位相変更されるときに、位相変更要求が急激である場合には、前述のようにコントローラ40による指令によって電磁弁50と電磁弁48Bがオン操作され、レギュレータバルブ35が低圧通路34を閉じた状態に固定されるとともに遅角側バイパス通路46が開かれる。これにより、オイルポンプ32側から供給される作動液がライン通路33の流路切換弁37側のメイン通路と遅角側バイパス通路46とに分流され、大流量でもって遅角側作動室25に供給される。したがって、電動機1は、この結果、迅速に強め界磁側に位相変更される。
一方、電動機1の位相が弱め界磁側に変更される場合には、コントローラ40による指令によって流路切換弁37が制御され、ライン通路33の作動液が流路切換弁37と進角側給排通路26を通して進角側作動室24に供給され、遅角側作動室25の作動液が遅角側給排通路27と流路切換弁37を通してドレン通路36に排出される。これにより、環状ハウジング15がベーンロータ14に対して遅角側に相対回動し、電動機1は、両回転子5,6の永久磁石9が同極面同士で対向する弱め界磁方向に位相変更される。
また、この場合も、位相変更要求が急激であるときには、電磁弁50と電磁弁48Aがオン操作され、レギュレータバルブ35が低圧通路34を閉じた状態に固定されるとともに進角側バイパス通路46が開かれる。これにより、オイルポンプ32側から供給される作動液が流路切換弁37側のメイン通路と進角側バイパス通路45とに分流され、大流量でもって進角側作動室24に供給される。電動機1は、この結果、迅速に弱め界磁側に位相変更される。
以上のように、この電動機1においては、位相変更の要求に応じて流路切換弁37が進角側作動室24と遅角側作動室25に作動液の給排制御を行い、位相変更の要求が急激である場合には、電磁弁48A或いは48Bによって対応するバイパス通路45,46を開き、作動室24,25に導入する作動液の流量を増大させることができるため、流路面積の大きい大型の電磁弁(流路切換弁)を用いることなく、回転子ユニット3の位相を任意のタイミングで自由に変更でき、しかも、急激な位相変更の要求にも速やかに対応することができる。
また、この電動機1の場合、バイパス通路45,46の開閉を制御する電磁弁48A,48Bは、直接バイパス通路45,46を開閉するのではなく、電磁弁48A,48Bによってライン通路33の圧力を信号圧として開閉弁47A,47Bに作用させるため、比較的磁力の弱い小型のものを採用することができる。したがって、電動機1のシステムの小型化と製造コストの低減を図ることができる。
さらに、この実施形態の電動機1の場合、バルブ固定用の電磁弁50が設けられているため、急激な位相変更要求時にバイパス通路45或いは46を開いて作動室24,25の導入流量を急増させる場合に、ライン通路33での充分な供給流量を安定的に維持することができる。
なお、以上で説明した実施形態においては、バイパス通路45,46と、これに対応する開閉弁47A,47Bや電磁弁48A,48Bを遅角側と進角側の両方に設けたが、これらは車両の仕様等に応じて進角側と遅角側のいずれか一方側にのみ設けるようにしても良い。この場合、バルブ固定用の電磁弁は開閉弁を操作するための電磁弁と共用させことができる。
図9,図10は、この発明の第2の実施形態と第3の実施形態を夫々示すものである。
これらの実施形態の電動機1は、いずれも位相変更手段12の回動機構111,211の構成が第1の実施形態のものと異なっており、他の構成は第1の実施形態のものとほぼ同様とされている。したがって、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付し、重複する部分については説明を省略するものとする。
図9に示す第2の実施形態の回動機構111は、回転軸4の外面に一体回転可能にスプライン嵌合されたボビン状の内筒部材112(第1部材)と、内筒部材112の外周側に配置された円筒状の外筒部材113(第2部材)とを備え、この外筒部材113が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、内筒部材112の軸方向外側の両側壁112a,112aが、外筒部材113と内周側回転子6の両側の側端部を跨ぐ一対のドライブプレート114,114(第1部材)を介して外周側回転子5に一体に結合されている。この回動機構111の場合、内筒部材112は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、外筒部材113は内周側回転子6に一体化されている。
内筒部材112の両側壁112aの外周面には外筒部材113が摺動自在に嵌合され、内筒部材112と外筒部材113の間に、作動液が導入される円筒状の導入空間115が形成されている。外筒部材113の内周面の軸方向略中間位置には、径方向内側に突出する肉厚部113a(筒部)が形成され、この肉厚部113aの内周面と内筒部材112の軸部112bの略半部(図中左側領域)の外周面には夫々逆向きのヘリカルスプライン116,117が形成されている。そして、内筒部材112の軸部112aと外筒部材113の間には、両者の内周と外周の各ヘリカルスプライン117,116に係合されるリングギヤ118が介装されている。なお、リングギヤ118の内周面と外周面には内筒部材112と外筒部材113のヘリカルスプライン117,116に噛合されるヘリカルスプラインが形成されているが、これらのヘリカルスプラインは図中符号を省略するものとする。
また、リングギヤ118は一端が封止壁119で連結された二重円筒状に形成され、リングギヤ118の封止壁119のある側の外周壁の一端は筒状に延出し、その延出端には径方向外側に突出するフランジ部120が設けられている。このフランジ部120の外周面は、外筒部材113のヘリカルスプライン116の形成されていない略半部の内周面にシールリング121を介して摺動自在に嵌合されている。このリングギヤ118の一端の封止壁119からフランジ部120にかけては導入空間115内を前後2室に隔成するピストン122を構成し、こうしてピストン122で隔成された一方の部屋が進角側作動室24、他方の部屋が遅角側作動室25とされている。そして、進角側作動室24と遅角側作動室25は、内筒部材112から回転軸4に亘って形成された進角側給排通路26と遅角側給排通路27に夫々接続されている。進角側給排通路26と遅角側給排通路27は第1の実施形態と同様の油圧制御装置(図示省略)に接続されている。
この実施形態の回動機能111の場合、進角側作動室24と遅角側作動室25の一方に作動液が供給されて他方から作動液が排出されると、ピストン122を含むリングギヤ118が前後の差圧に応じて導入空間115内を一方から他方に移動し、このとき、リングギヤ118にヘリカルスプライン117,116で係合される内筒部材112と外筒部材113が一方に相対回転して、内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角側若しくは遅角側に回転させる。また、逆に、進角側作動室24と遅角側作動室25の他方に作動液が供給されて一方から作動液が排出された場合には、ピストン122を含むリングギヤ118が前後の差圧に応じて導入空間115内を他方から一方に移動し、同様にして内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角側若しくは進角側に回転させる。
この回動機構111の場合、簡単な構造でありながら油圧制御装置によって制御された油圧によって内周側回転子5と外周側回転子6とを所望の位置に確実に相対回動させることができる。
なお、ここで説明した図9に示す実施形態においては、導入空間115を2室に隔成するピストン122がリングギヤ118と一体に形成されているが、ピストンとリングギヤは夫々別体で形成し、両者を連結部材で結合するようにしても良い。
また、図10に示す第3の実施形態の回動機構211は、回転軸4の外面に一体回転可能にスプライン嵌合された内側ブロック212(第1部材)と、この内側ブロック212の外周側に配置される略筒状の外側ブロック213(第2部材)とを備え、この外側ブロック213が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、内側ブロック212の軸方向の端部が、外側ブロック213と内周側回転子6の側端部を跨ぐ図示しないドライブプレート(第1部材)を介して外周側回転子5に一体に結合されている。この回動機構211の場合、内側ブロック212は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、外側ブロック213は内周側回転子6に一体化されている。
内側ブロック212には、径方向外側に張り出す一対のアーム部212aが設けられ、この各アーム部212aの先端に、回転軸4を中心とする円周の略接線方向に沿い互いに相反する回転方向に開口する第1のシリンダ214と第2のシリンダ215が形成されている。そして、両アーム部212aの第1のシリンダ214と第2のシリンダ215には第1のピストン216と第2のピストン217が進退自在に嵌合され、これらの各シリンダ214,215には対応するピストン216,217を進退作動させるための作動液が給排されるようになっている。第1のシリンダ214は電動機1の主回転方向に向かって開口して、第1のピストン216との間で進角側作動室24を形成し、第2シリンダ215は主回転方向と逆向きに開口して、第2のピストン217との間で遅角側作動室25を形成している。そして、進角側作動室24と遅角側作動室25は、内側ブロック212から回転軸4に亘って形成された給排通路(図においては、遅角側給排通路27のみ示す)を介して第1の実施形態と同様の油圧制御装置に接続されている。また、各ピストン216,217は頂部216a,217aが封止された略円筒状に形成され、頂部216a,217aの外側面が球面状に形成されている。
一方、外側ブロック213は、内周側回転子6に嵌合固定される円筒状のベース部213aと、このベース部213aの内周面から径方向内側に膨出する一対の***部213b,213bが設けられている。各***部213bには、回転軸4の略半径方向に沿い、内側ブロック212の第1のピストン216の頂部216aに当接する第1の荷重伝達壁218と、同様に回転軸4の半径方向に沿い、内側ブロック212の第2のピストン217の頂部217aに当接する第2の荷重伝達壁219が形成されている。
この実施形態の場合、例えば、進角側作動室24に作動液が供給されて遅角側作動室25から作動液が排出されると、図10に示すように内側ブロック212の第1のピストン216が突出する一方で第2のピストン217が後退し、このとき、第1のピストン216が外側ブロック213の第1の荷重伝達壁218を押圧し、外側ブロック213を内側ブロック212に対して進角方向に回転させる。これにより、外側ブロック213と一体の内周側回転子6が、内側ブロック212と一体の外周側回転子5に対して進角方向に回転する。また、この状態から逆に遅角側作動室25に作動液が供給されて進角側作動室24から作動液が排出されると、第2のピストン217が突出する一方で第1のピストン216が後退し、第2のピストン217が外側ブロック213の第2の荷重伝達壁219を押圧することによって内側回転子6を外側回転子5に対して遅角方向に回転させる。
この回動機構211の場合にも、やはり簡単な構造でありながら、油圧によって内周側回転子5と外周側回転子6とを確実に相対回動させることができる。
なお、この発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
この発明の第1の実施形態の電動機の要部断面図。 同実施形態の電動機の最遅角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図。 同実施形態の電動機の回転子ユニットの分解斜視図。 同実施形態の電動機の最進角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図。 内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図(a)と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図(b)を併せて記載した図。 同実施形態の位相変更手段の制御系の概略構成図。 同実施形態の位相変更手段の油圧回路図。 同実施形態の位相変更制御のフローの一部を示すフローチェート。 この発明の第2の実施形態の電動機の要部断面図。 この発明の第3の実施形態の電動機の要部断面図。
符号の説明
1…電動機
5…外周側回転子
6…内周側回転子
9…永久磁石
12…位相変更手段
14…ベーンロータ(第1部材)
15…環状ハウジング(第2部材)
16…ドライブプレート(第1部材)
18…ベーン
23…導入空間
24…進角側作動室
25…遅角側作動室
32…オイルポンプ(流体供給源)
37…流路切換弁
45…進角側バイパス通路(バイパス通路)
46…遅角側バイパス通路(バイパス通路)
47A,47B…開閉弁
48A,48B…電磁弁
62…位相制御部(位相制御手段)
81…位相検出器
112…内筒部材(第1部材)
112a…軸部
113…外筒部材(第2部材)
113a…肉厚部(筒部)
114…ドライブプレート(第1部材)
115…導入空間
118…リングギヤ
122…ピストン
212…内側ブロック(第1部材)
213…外側ブロック(第2部材)
214…第1のシリンダ
215…第2のシリンダ
216…第1のピストン
217…第2のピストン
218…第1の荷重伝達壁
218…第2の荷重伝達壁

Claims (5)

  1. 円周方向に沿うように永久磁石が配設された内周側回転子と、
    この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように永久磁石が配設された外周側回転子と、
    前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段と、を備えた電動機であって、
    前記位相変更手段が、
    内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して進角方向に相対回動させる進角側作動室と、
    内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して遅角方向に相対回動させる遅角側作動室と、
    前記作動流体を供給する流体供給源と、
    位相変更の要求に応じて前記進角側作動室と遅角側作動室に対する作動流体の給排の振り分けを行う流路切換弁と、
    前記流体供給源と進角側作動室の間と、前記流体供給源と遅角側作動室の間の少なくともいずれか一方に、前記流路切換弁を迂回するように設けられたバイパス通路と、
    このバイパス通路に介装された開閉弁と、
    前記相対的な位相の検出値を出力する位相検出器と、
    前記相対的な位相の指令値を出力する位相制御手段と、
    を備えており、
    前記位相変更手段は、前記相対的な位相の前記検出値と前記指令値との差分が所定範囲から外れた際に前記開閉弁を開くことを特徴とする電動機。
  2. 前記外周側回転子と一体に回転する第1部材と前記内周側回転子と一体に回転する第2部材の間に作動流体の導入空間が設けられ、
    前記第1部材と第2部材のうちの一方に、前記導入空間に摺動自在に配置されて前記導入空間内を2室に隔成するベーンが突設され、
    前記ベーンで隔成される2室によって前記進角側作動室と遅角側作動室が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 円周方向に沿うように永久磁石が配設された内周側回転子と、
    この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように永久磁石が配設された外周側回転子と、
    前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段と、を備えた電動機であって、
    前記位相変更手段が、
    内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して進角方向に相対回動させる進角側作動室と、
    内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して遅角方向に相対回動させる遅角側作動室と、
    前記作動流体を供給する流体供給源と、
    位相変更の要求に応じて前記進角側作動室と遅角側作動室に対する作動流体の給排の振り分けを行う流路切換弁と、
    前記流体供給源と進角側作動室の間と、前記流体供給源と遅角側作動室の間の少なくともいずれか一方に、前記流路切換弁を迂回するように設けられたバイパス通路と、
    このバイパス通路に介装された開閉弁と、を備え、
    前記外周側回転子と一体に回転する第1部材と前記内周側回転子と一体に回転する第2部材のうちの一方に軸部が設けられるとともに、
    前記第1部材と第2部材のうちの他方に、前記軸部の外側を囲繞する筒部が設けられ、
    内周面と外周面が前記軸部と筒部に夫々ヘリカルスプライン係合するリングギヤが設けられ、
    前記第1部材と第2部材の間に作動流体の導入空間が設けられ、
    この導入空間に摺動自在に収容されて前記導入空間内を2室に隔成するピストンが設けられるとともに、
    このピストンが前記リングギヤと一体変位可能に連結され、
    前記ピストンで隔成される2室によって前記進角側作動室と遅角側作動室が構成されていることを特徴とする電動機。
  4. 円周方向に沿うように永久磁石が配設された内周側回転子と、
    この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように永久磁石が配設された外周側回転子と、
    前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段と、を備えた電動機であって、
    前記位相変更手段が、
    内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して進角方向に相対回動させる進角側作動室と、
    内部に導入した作動流体の圧力によって前記内周側回転子を外周側回転子に対して遅角方向に相対回動させる遅角側作動室と、
    前記作動流体を供給する流体供給源と、
    位相変更の要求に応じて前記進角側作動室と遅角側作動室に対する作動流体の給排の振り分けを行う流路切換弁と、
    前記流体供給源と進角側作動室の間と、前記流体供給源と遅角側作動室の間の少なくともいずれか一方に、前記流路切換弁を迂回するように設けられたバイパス通路と、
    このバイパス通路に介装された開閉弁と、を備え、
    前記外周側回転子と一体に回転する第1部材と前記内周側回転子と一体に回転する第2部材のうちの一方に、回転軸線を中心とする円周の略接線方向に沿い互いに相反する回転方向に向く第1のシリンダと第2のシリンダが設けられるとともに、
    この第1のシリンダと第2のシリンダに第1のピストンと第2のピストンが夫々進退自在に設けられ、
    前記第1部材と第2部材のうちの他方に、前記両回転子の略半径方向に沿い夫々前記第1のピストンと第2のピストンの頂部に当接する第1の荷重伝達壁と第2の荷重伝達壁が設けられ、
    前記第1のシリンダと第1のピストンの間と、前記第2のシリンダと第2のピストンの間で前記進角側作動室と遅角側作動室が夫々構成されていることを特徴とする電動機。
  5. 前記流体供給源から供給される作動流体の圧力の導入と排出を切り換えて信号圧を作る電磁弁を設け、この電磁弁で作られる信号圧によって前記開閉弁を開閉作動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動機。
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