JP2010224229A - 管状体、管状体支持装置、画像定着装置、画像形成装置、及び管状体の製造方法 - Google Patents

管状体、管状体支持装置、画像定着装置、画像形成装置、及び管状体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面層が剥離しにくい管状体を提供すること。
【解決手段】表面に凹部14を有する基材12と、基材12の前記凹部14を有する側の表面に形成された表面層16と、凹部14における基材12と表面層16との界面に存在する粒子18と、を有する管状体である。前記基材12がポリイミド樹脂を含んで構成され、かつ、前記表面層16がフッ素樹脂を含んで構成された管状体である。また前記凹部14における前記界面に、複数の前記粒子18が存在するの管状体である。
【選択図】図2

Description

本発明は、管状体、管状体支持装置、画像定着装置、画像形成装置、及び管状体の製造方法に関するものである。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、さらにこのトナー像を例えば中間転写体を介して記録紙に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置としては、画像形成装置の高速化に対応させるべく、表面が弾性変形して回転する定着ロールと、この定着ロールに接触したまま走行する加圧ベルトと、この加圧ベルトの内側に非回転状態で配置された圧力パッドとを具備し、圧力パッドによって、定着ロールとの接触面が形成されるように加圧ベルトを定着ロールに圧接させて構成し、加圧ベルトと定着ロールとの間に記録紙が通過するようにベルトニップを設けるとともに、定着ロールの表面のうち、記録紙の出口側を局部的に弾性変形させるようにした定着装置に関する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
かかる定着装置の加圧ベルトには、強度や寸法安定性、耐熱性等に優れたポリイミド樹脂が特に適している。また、電子写真用の定着ベルトや加圧ベルトの表面は、通常、トナーとの離型性を確保するために、離型層が配置されている。表面離型層としてはフッ素ゴム、フッ素樹脂等々が用いられており、特に離型性が良好であることからフッ素樹脂がよく用いられている。そして特許文献2には、ポリイミド表面にポリアミド酸溶液によるプライマー層を形成し、ポリイミドとフッ素樹脂の接着性を高めるものが知られている。
また、ポリイミド表面の物理的結合力を向上させるため、ポリイミド表面をサンドブラスト処理することで、アンカー効果によりフッ素樹脂との接着力を向上させる方法が知られている。さらに特許文献3には、アルカリ性溶液でポリイミド表面を処理することでポリイミド表面を粗面化させる方法も提案されている。そのほかポリイミド表面の多孔質化処理方法としては、凝固溶剤にポリイミドを浸漬させ、溶液置換により表面を多孔質化させる方法が開示されている(特許文献4)。また、貫通孔を有するシート状のもので被覆する方法も提案されている(特許文献5)。
特許第3298354号公報 特開平3−12268号公報 特開平6−313055号公報 特開2002−229351号公報 特開2003−89166号公報
本発明の課題は、凹部における界面に粒子が存在しない場合に比較して、表面層が剥離しにくい管状体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
表面に凹部を有する基材と、
前記基材の前記凹部を有する側の表面に形成された表面層と、
前記凹部における前記基材と前記表面層との界面に存在する粒子と、を有する管状体である。
請求項2に係る発明は、
前記基材がポリイミド樹脂を含んで構成され、かつ、前記表面層がフッ素樹脂を含んで構成された、請求項1に記載の管状体である。
請求項3に係る発明は、
前記凹部における前記界面に、複数の前記粒子が存在する、請求項1又は請求項2に記載の管状体である。
請求項4に係る発明は、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管状体と、
前記管状体を内側から張力がかかった状態で支持する複数の支持部材と、を有する管状体支持装置である。
請求項5に係る発明は、
第1の回転体と、
前記第1の回転体に接触して記録媒体を挟み込む挟み込み領域を形成する第2の回転体と、を備え、
前記第1の回転体及び前記第2の回転体の少なくとも一方が、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管状体である、画像定着装置である。
請求項6に係る発明は、
潜像保持体と、
前記潜像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を備え、
前記転写手段及び定着手段の少なくとも一方が、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管状体を有する、画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、
ポリアミド酸溶液を円筒状芯体に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、
前記塗膜を乾燥して被膜を形成する乾燥工程と、
前記塗膜又は前記被膜の表面に水を含む液滴を付与する液滴付与工程と、を有する、管状体の製造方法である。
請求項8に係る発明は、
前記液滴が付与された前記塗膜又は前記被膜の表面に、表面層を形成する材料を含む塗布液を塗布する塗布工程と、
前記塗布液が塗布された塗膜又は被膜を加熱する加熱工程と、をさらに有する、請求項7に記載の管状体の製造方法である。
請求項9に係る発明は、
前記液滴は粒子を含む、請求項7又は請求項8に記載の管状体の製造方法である。
請求項1に係る発明によれば、凹部における界面に粒子が存在しない場合に比較して、表面層が剥離しにくくなる。
請求項2に係る発明によれば、基材がポリイミド樹脂を含み、表面層がフッ素樹脂を含む構成であっても、凹部における界面に粒子が存在しない場合に比較して、表面層が剥離しにくくなる。
請求項3に係る発明によれば、凹部の界面に存在する粒子が1つである場合に比較して、表面層が剥離しにくくなる。
請求項4に係る発明によれば、管状体の凹部における界面に粒子が存在しない管状体を使用する場合に比較して、長期にわたって良好な画像形成が行われる。
請求項5に係る発明によれば、管状体の凹部における界面に粒子が存在しない管状体を使用する場合に比較して、長期にわたって良好な画像形成が行われる。
請求項6に係る発明によれば、管状体の凹部における界面に粒子が存在しない管状体を使用する場合に比較して、長期にわたって良好な画像形成が行われる。
請求項7に係る発明によれば、液滴付与工程を有しない場合に比較して、表面層が剥離しにくい管状体が製造される。
請求項8に係る発明によれば、塗膜又は被膜を予め加熱した後に塗布工程を設けた場合に比較して、表面層が剥離しにくい管状体が製造される。
請求項9に係る発明によれば、液滴が粒子を含まない場合に比較して、より表面層が剥離しにくい管状体が製造される。
本実施形態に係る無端ベルトの一例を示す斜視図であり、一部を断面で表した図である。 図1において矢印Aの方向から見た、無端ベルトの端面図である。 本実施形態の無端ベルトから表面層を取り除いた状態を示す斜視図である。 本実施形態の無端ベルトの他の一例を示す端面図である。 本実施形態に係る無端ベルトを用いた画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る無端ベルトを用いた画像定着装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る無端ベルトを用いた他の画像定着装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る無端ベルトを用紙搬送ベルトとして用いた画像形成装置を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、同一の作用・機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略することがある。
[管状体]
(無端ベルト)
本実施形態に係る管状体の一例として、無端ベルトについて説明する。
図1は、本実施形態に係る無端ベルトの一例を示す斜視図(一部、断面で表わしている)であり、図2は、図1において矢印Aの方向から見た、無端ベルトの端面図である。また図3は、本実施形態の無端ベルトから表面層を取り除いた状態を示す斜視図である。さらに図4は、本実施形態の無端ベルトの他の一例を示す端面図である。
図1に示す本実施形態の無端ベルト10は、図2に示すように、表面に凹部14を有する基材12と、基材12の前記凹部14を有する側の表面に形成された表面層16と、凹部14における基材12と表面層16との界面に存在する粒子18と、を有する無端状のベルトである。
無端ベルト10では、図3に示すように、基材12の表面(表面層16と接する面)に、複数の凹部14が形成され、それぞれの凹部14の内面に、複数の粒子18が埋まりこんだ状態で存在している。そして、基材12の表面に形成された表面層16は、図2に示すように、基材12の表面及び粒子18を覆い、かつ、凹部14の内部を充填するように形成されている。そのため、粒子18は、基材12の凹部14の内部に存在し、かつ、基材12と表面層16との両方に接した状態で存在(すなわち、基材12と表面層16との界面に存在)している。
本実施形態の無端ベルト10では、基材12の表面に凹部14が存在し、かつ、基材12表面の凹部14における基材12と表面層16との界面に粒子18が存在する。そのため、凹部14の存在により基材12と表面層16との界面の面積が増加してアンカー効果が得られる上に、凹部14の内面に粒子18が存在するためさらに基材12及び表面層16の表面積が増加してより高いアンカー効果が得られる。よって、基材12と表面層16との接着力が向上し、無端ベルト10の表面層16が剥離しにくくなる。
基材12の表面における凹部14の平均径は、基材12と表面層16との接着力を向上させる観点から、0.01μm以上1000μm以下が好ましく、0.05μm以上100μm以下がより好ましく、0.1μm以上50μm以下がさらに好ましい。また、凹部14の深さは、0.01μm以上500μm以下が好ましく、0.05μm以上250μm以下がより好ましく、0.1μm以上100μm以下がさらに好ましい。
凹部14の平均径及び深さは、以下のようにして測定する。具体的には、ミクロトームなどにより無端ベルトの断面を切り出し、電子顕微鏡で断面を観察する。複数箇所を観察・評価することで凹部14の平均径及び深さを算出する。
凹部14の形状としては、例えば、半球状、円柱形状、楕円形状等があげられ、特に限定されないが、アンカー効果を発現する観点から、半球形状、又は円柱形状であることが好ましい。
また、基材12の表面に存在する凹部14の数は、基材12表面の面積1mmあたり、1個以上1000個以下が好ましく、5個以上500個以下がより好ましく、10個以上100個以下がさらに好ましい。
また、凹部14を複数有する基材12の表面における表面粗さRaは、0.01μm以上20μm以下が好ましく、0.05μm以上10μm以下がより好ましく、0.1μm以上5μm以下がさらに好ましい。
基材12の表面粗さは、(株)東精エンジニアリング社製表面粗さ計Surfcom570Aを用いて、基材12の試料片を平坦なガラス基板上に貼付けて測定試料とし、基材12の表面を測定して求める。測定条件としては、例えば、触針先端形状:θ=90°円錐型触針、触針先端径:先端部r(tip)=2μm、走査距離:10.0mm等が挙げられる。
また、無端ベルト10における基材12表面の観察及び測定を行う場合は、以下のようにして無端ベルト10から表面層16を除去し、露出した基材12表面の観察及び測定を行う。具体的には、ベルト端部をプラスティック片などで丁寧に擦り取り、表面層を除去することにより、基材12表面を露出させる。
粒子18の体積平均粒径は、基材12と表面層16との接着力を向上させる観点から、0.01μm以上15μm以下が好ましく、0.05μm以上10μm以下がより好ましく、0.1μm以上8μm以下がさらに好ましい。
上記粒子18の体積平均粒径は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製、アパーチャー径:50μm)を用いて測定し、測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナーの体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を、体積平均粒径と定義する。
粒子18の体積平均粒径が15μm以下であることにより、粒子18による無端ベルト10の表面(すなわち、表面層16の基材12に接していない面)の平滑性低下が抑制される。また、無端ベルト10の製造工程に粒子18を分散させた水をスプレー等で噴霧する工程を含む場合は、粒子18の体積平均粒径が15μm以下であることにより、粒子18が水中で沈殿しにくく、噴霧時のスプレーノズル詰まりが発生しにくくなる。さらに粒子18の体積平均粒径が0.01μm以上であることにより、粒子18の表面積が大きすぎることによる水中での凝集粒子形成が抑制される。
また凹部14の平均径は、粒子18の体積平均粒径の1倍以上10000倍以下が好ましく、2倍以上1000倍以下がより好ましく、5倍以上500倍以下がさらに好ましい。
粒子18の形状としては、例えば、真球形、不定形、鱗片状、ウィスカ形状、多孔質形状等が挙げられ、特に限定はされない。その中でも粒子18の形状が、鱗片状、ウィスカ形状、又は多孔質形状であると、粒子18の表面積増加により基材12又は表面層16との接触面積が増加したり、粒子18の尖部へ電荷が溜まりやすく静電的結合作用が増加したりするため、より好ましい。
1つの凹部14の内面に存在する粒子18の個数は、1個以上10000個以下が好ましく、2個以上1000個以下がより好ましく、5個以上500個以下がさらに好ましい。
また凹部14の内面に粒子18が存在していれば、基材12の表面における凹部14以外の場所に粒子18が存在していてもかまわない。
粒子18の材料は特に限定されず、無機化合物であっても有機化合物であってもよい。
無機化合物としては、例えば、硫酸バリウム、ゼオライト、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化銅、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、錫ドープ酸化インジウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化ケイ素等が挙げられる。
有機化合物としては、例えばフッ素樹脂等が挙げられる。またフッ素樹脂としては、具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン重合体(以下、PTFEという)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAという)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPという)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(以下、ETFEという)、ポリビニリデンフルオライド(以下、PVDFという)、ポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTFE)等、及びこれらの混合物が挙げられる。さらにフッ素樹脂として、より好ましくは、耐熱性に優れたPTFE、PFA、FEP及びこれらの混合物が挙げられる。
また粒子18の材料としては、基材12と表面層16との接着性向上の観点から、表面層16の材料との親和性が高いものが好ましく、例えば表面層16の材料としてフッ素樹脂を用いる場合、粒子18の材料もフッ素樹脂であることが好ましい。
なお本実施形態の無端ベルト10は、凹部14の内面に粒子18が埋まりこんだ状態で存在しているが、これに限られず、粒子18が凹部14の内面に接触していればよい。
また本実施形態の無端ベルト10は、それぞれの凹部14に存在する粒子18が複数であるが、これに限られず、図4に示す無端ベルト10のように、それぞれの凹部14に、それぞれ1個の粒子18が存在する形態であってもよい。ただし無端ベルト10は、それぞれの凹部14に存在する粒子18が複数である方が、表面層16が基材12及び粒子18に接する表面積が大きく、基材12と表面層16との接着性が高くなり、表面層16が剥離しにくくなるという点で好ましい。
以下、無端ベルト10を構成する各部材について説明する。
<基材12>
無端ベルト10を、画像定着装置の定着ベルトとして用いる場合、基材12に用いられる材料としては、耐熱性の材料が好ましく、具体的には、公知の各種プラスチック材料および金属材料のものの中から選択して使用される。
プラスチック材料のなかでは一般にエンジニアリングプラスチックと呼ばれるものが適しており、例えばフッソ樹脂、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、全芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)などが好ましい。また、この中でも機械的強度、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等に優れる熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂などが好ましい。
また金属材料としては、特に制限は無く、各種金属や合金材料が使用され、例えばSUS、ニッケル、銅、アルミ、鉄などが好適に使用される。また、前記耐熱性樹脂や前記金属材料を複数積層してもよい。
無端ベルト10を、画像定着装置の定着ベルトとして用いる場合、基材12の厚さとしては、例えば、50μm以上150μm以下の範囲が挙げられる。
一方、無端ベルト10を、画像形成装置の中間転写ベルト又は記録媒体搬送ベルトとして用いる場合、基材12に用いる素材としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、これらの中でもポリイミド系樹脂又はポリアミドイミド系樹脂を用いることがより好ましい。なお基材12は、環状(無端状)であればつなぎ目があってもなくてもよい。また基材12の厚さとしては、例えば、20μm以上200μm以下の範囲が挙げられる。
<表面層16>
表面層16に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料が挙げられる。フッ素系樹脂材料は難燃性を有するため、表面層16の材料として望ましい。
フッ素系樹脂材料としては、具体的には、例えば、フッソ樹脂、フッソ変性ウレタン及びシリコーン樹脂、共重合フッソゴム、フッソ樹脂−共重合ビニルエーテル、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合塗料)などの粉体塗料または樹脂チューブ、PTFE(4フッ化エチレン)塗料、PTFE分散ウレタン塗料、さらにETFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブ、PVdF(ポリビニリデンフルオライド)、PHV(ポリテトラフルオロビニリデン)樹脂材料等が挙げられる。
また、無端ベルト10を中間転写ベルトとして用いる場合、表面層16の材料として、体積抵抗率が1013Ω・cmよりも大きいフッ素系樹脂材料を用いると、表面層16が表面絶縁層として機能するため、別途表面絶縁層や裏面導電層を設ける必要がないという点で、好ましい。
また表面層16は、耐熱性を有することが望ましい。具体的には、例えば、表面層16のガラス転移温度が100℃以上200℃以下であることが望ましい。表面層16のガラス転移温度を上記範囲とすることにより、例えば無端ベルト10を定着ベルトとして用いる場合のように、無端ベルト10が加熱される工程を含む場合でも、無端ベルト10の変形や汚染等が抑制される。
表面層16のガラス転移温度は、示差走査熱量計(島津製作所製のDSC−50)を用い、JIS 7121−1987に準拠して測定する。この装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。試料はアルミニウム製パンに入れ、サンプルの入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。測定により得られたDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもってガラス転移温度とする。
表面層16の厚さとしては、例えば、5μm以上400μm以下が挙げられる。
<無端ベルト10の特性>
無端ベルト10を中間転写ベルト又は記録媒体搬送ベルトとして用いる場合、1×10Ω/□から1×1014Ω/□の範囲に表面抵抗率を、1×10から1×1013Ωcmの範囲に体積抵抗率を制御することが好ましい。そのため必要に応じて、基材12や表面層16に、導電剤として、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金などの金属または合金、酸化スズ、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化スズ−酸化インジウムまたは酸化スズ−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレンなどの導電性ポリマーなどを添加してもよい(ここで、前記ポリマーにおける「導電性」とは体積抵抗率が10Ω・cm未満を意味する)。これら導電剤は、単独または2種以上が併用して使用される。また、表面抵抗率や体積抵抗率を制御するために、粒子18に上記導電剤を添加してもよく、上記導電剤の粒子そのものを粒子18として用いてもよい。
ここで、上記表面抵抗率および体積抵抗率は、(株)ダイヤインスツルメント製ハイレスタUPMCP−450型URプローブを用いて、22℃、55%RHの環境下で、JIS−K6911に従い測定される。
<無端ベルト10の製造方法>
以下、無端ベルト10の製造方法の一例として、基材12の材料としてポリイミド樹脂を用いた無端ベルト10の製造方法について説明するが、上記の通り、無端ベルト10の基材12の材料は、ポリイミド樹脂に限定されるものではない。
−ポリアミド酸溶液準備工程−
基材12の材料として用いられるポリイミド樹脂は、ポリアミド酸(すなわち、ポリイミド前駆体)の溶液を加熱し、イミド化することにより製造されるものである。そのため、基材12の材料としてポリイミド樹脂を用いた無端ベルト10の製造においては、まず、ポリアミド酸溶液を準備する(ポリアミド酸溶液準備工程)
またポリアミド酸は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを用いて、溶媒中で合成されたものである。
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系の化合物、脂肪族系の化合物が挙げられるが、特に制限はなく、いずれの化合物も使用される。
芳香族系テトラカルボン酸としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、上記化合物の中でも、芳香族系テトラカルボン酸二無水物が好ましく、さらに、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、が好ましく使用される。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物であれば特に限定されない。例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ −4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ −5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ −4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ −2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、上記化合物の中でも、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンが好ましい。これらのジアミン化合物は単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
ポリアミド酸としては、成型体(ポリイミド樹脂基材)の強度の観点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族系ジアミンとを用いて合成されたものが好ましい。
ポリアミド酸の合成に用いる溶媒としては、例えば、有機極性溶媒が好ましく上げられる。有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、又はヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、これらを単独又は混合物として用いられる。
ポリアミド酸の合成に用いる溶媒としては、上記有機極性溶媒の他に、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素を用いてもよい。
ポリアミド酸の合成に用いる溶媒は、合成されたポリアミド酸及び部分イミド化されたポリアミド酸を溶解するものであることが好ましい。
ポリアミド酸溶液は、固形分が5質量%以上30質量%以下となるよう、溶媒を含むことが好ましい。
−第1の塗膜形成工程−
第1の塗膜形成工程では、上記ポリアミド酸溶液準備工程において準備されたポリアミド酸溶液を、円筒状芯体の外周面に塗布し、第1の塗膜(すなわち、ポリアミド酸溶液の塗膜)を形成する。
円筒状芯体の外周面にポリアミド酸溶液を塗布する方法としては、特に限定されず、状況等に応じて選択される。具体的な塗布方法としては、例えば、ポリアミド酸溶液中に上記円筒状芯体を浸漬した後引き上げることによって円筒状芯体外周面に塗布する方法、円筒状芯体をその中心軸に対して水平方向に回転させながらその表面に溶液を吐出することによってらせん状に塗布し、ブレードによってポリアミド酸溶液の塗膜を平滑化させる方法などが挙げられる。
円筒状芯体の材質としては、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好ましい。そのなかでも熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウムが特に好ましい。
円筒状芯体の表面は、クロムやニッケルによるメッキ処理を行ってもよく、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等で被覆してもよい。
円筒状芯体の表面は、表面粗さRaが0.2μm以上2μm以下に粗面化することが好ましい。粗面化方法には、具体的には、例えば、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法が挙げられる。粗面化方法としては、上記の中でも、ポリイミド樹脂無端ベルト内面を、摺動性のよい球形面状であり、かつ、凸形状の微小な凹凸が形成された状態とする観点から、球状の粒子を用いて円筒状芯体の表面にブラスト処理を施す方法が好ましい。
−乾燥工程−
乾燥工程においては、上記第1の塗膜形成工程において円筒状芯体の外周面に形成されたポリアミド酸溶液の塗膜を乾燥して被膜を形成する。具体的には、40℃以上130℃以下の範囲の温度でポリアミド酸溶液の塗膜を乾燥させる。このとき、ポリアミド酸溶液の塗膜は重力の影響を受けるため、垂れが生じやすい。そのため、ポリアミド酸溶液の垂れを抑制するために、ポリアミド酸溶液の塗膜が塗布された円筒状芯体を軸方向に水平にして、10rpm以上60rpm以下の範囲の速度で回転させながら放置して乾燥することが好ましい。また、上記第1の塗膜形成工程においても、回転させながらポリアミド酸溶液を塗布し、連続して回転させ続けながら上記乾燥工程を行うことがより好ましい。
−液滴付与工程−
液滴付与工程では、上記第1の塗膜形成工程において形成されたポリアミド酸溶液の塗膜、又は上記乾燥工程でポリアミド酸溶液の塗膜を乾燥することにより形成された被膜に、水系媒体を含む液滴を付与する。すなわち液滴付与工程は、上記第1の塗膜形成工程の後であり、かつ、上記乾燥工程の前に行ってもよいし、上記乾燥工程の後に行ってもよい。
上記液滴付与工程を行うことにより、基材12の表面に凹部14が形成される。具体的には、第1の塗膜又は被膜に液滴が接触すると、接触部において、第1の塗膜又は被膜に含まれる溶媒(特に有機極性溶媒)と、液滴に含まれる水系媒体と、の混合反応や置換反応が起こり、混合溶液が生成する。すなわち、上記接触部では、第1の塗膜又は被膜中の溶媒が液滴中に移動することにより、第1の塗膜又は被膜中に含まれる溶媒の量が減少し、前記液滴は水系媒体と前記溶媒との混合溶液となる。一方、前記混合溶液にはポリアミド酸が溶解しにくいため、ポリアミド酸を含む第1の塗膜又は被膜においては、固形分濃度が増加するとともに、体積が減少する。その結果、前記接触部における第1の塗膜又は被膜に凹形状の凹部が形成され、第1の塗膜又は被膜が粗面化される。
上記液滴付与工程では、液滴を40℃以上100℃以下に加熱した状態で、第1の塗膜又は被膜に付与すると、水系溶媒に対する前記溶媒の溶解度が増加するため、上記混合反応及び置換反応が促進される。そのため、液滴の接触部における第1の塗膜又は被膜の体積減少量も大きくなり、粗面化作用はより強くなる。
上記液滴付与工程は、上記の通り、乾燥工程の前に行っても後に行ってもよいが、少なくとも第1の塗膜又は被膜に前記溶媒が含まれた状態で、液滴付与工程を行う必要がある。
液滴付与工程を行う際に、第1の塗膜又は被膜に含まれた溶媒の量(溶媒残留量)としては、例えば20%以上90%以下の範囲が挙げられる。また溶媒残留量は、以下のようにして測定される。具体的には、塗布前後の全体重量の増加量から塗膜の重量を測定し、塗膜焼成後のベルト重量を測定し、塗膜の重量に対する焼成後ベルト重量の割合を算出する。
なお、液滴付与工程の後に、状況に応じてさらに乾燥工程を行ってもよい。また、上記液滴付与工程を、乾燥工程の前及び後の両方で行うことが、より高い粗面化効果が得られると言う点で好ましい。
液滴を付与する方法としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、霧吹きや噴霧器など、液体を粒状にして飛散させる噴霧装置を使用して、液滴を第1の塗膜又は被膜に噴霧することが好ましい。噴霧以外の液滴付与方法としては、例えば、インクジェットによって液滴を付与する方法等が挙げられる。
液滴は、少なくとも水系媒体を含み、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられ、その中でも水が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。またその他の成分としては、例えば界面活性剤等が挙げられる。
液滴は、前記粒子18を含むことが好ましい。液滴付与工程において、水系媒体及び粒子18を含んだ液滴を第1の塗膜又は被膜に付与することにより、基材12と表面層16との接着性がより良好となる。
具体的には、例えば、粒子18を水に混合した粒子分散液を、第1の塗膜又は被膜に対して噴霧すると、粒子分散液が第1の塗膜又は被膜に接触する。このとき接触部においては、粒子18表面に付着した水が、第1の塗膜又は被膜に含まれる溶媒と混合反応や置換反応を起こす。そのため粒子18は、接触部に生じた凹部の内側表面に移動する。更に、第1の塗膜又は被膜におけるポリアミド酸溶液のチキソ性により、粒子18の一部分が第1の塗膜又は被膜内に入り込む。
そして、例えばこの状態で、後述する塗布工程を行い、その後に後述する加熱工程を行うと、粒子18が基材12と表面層16との界面に存在し、かつ、基材12及び表面層16の両方と強固に結合する。すなわち、加熱工程では、ポリアミド酸のイミド化によりポリイミド樹脂が生成し、表面層形成材料が焼成されて表面層が形成する際に、基材12のポリイミド樹脂及び表面層16が加熱収縮を起こして粒子18を強固に挟み込む効果が得られる。また、基材12と表面層16との界面において粒子18が存在することで、基材12、表面層16、及び粒子18の接触面積が大きくなり、静電的結合作用などの化学的結合効果がより強く生じる効果も得られる。
一方、粒子18を含まない液滴を用いる場合、基材12の凹部14に粒子18が存在する無端ベルト10を製造する方法としては、液滴付与工程の後に粒子18を第1の塗膜又は被膜の表面に付与する方法や、液滴付与工程の後に加熱工程を行って凹部14を有する基材12を製造し、その後に基材12の凹部14に粒子18を付与する方法等が挙げられる。
液滴の滴径は、0.01μm以上1000μm以下が好ましく、0.05μm以上500μm以下がより好ましく、0.1μm以上100μm以下がさらに好ましい。
なお、液滴の滴径は、以下のようにして測定される。具体的には、塗膜表面に液滴を付与し、付着した液滴の径を顕微鏡で観察し、その画像を処理した液滴径の平均値を測定する。
液滴の滴径が0.01μm以上であると、粒子18を含む液滴を用いて液滴付与工程を行った場合、粒子18が第1の塗膜又は被膜の内部に入りこみ、粒子18が基材12及び表面層16を介在することにより結合効果が生じる。一方、凹部14の径が大きすぎるとアンカー効果が減少する場合があるが、液滴の滴径が1000μm以下であれば、凹部14の径は大きすぎず、アンカー効果により基材12と表面層16との接着強度の増加が生じる。
−加熱工程(第1の加熱工程)−
加熱工程(第1の加熱工程)においては、液滴付与工程により液滴が付与された第1の塗膜又は被膜を、200℃以上450℃以下で加熱し、ポリアミド酸のイミド転化反応を進行させてポリイミド樹脂を得る。加熱は、第1の塗膜又は被膜が円筒状芯体の表面に形成された状態で行う。イミド化の温度(加熱温度)は、ポリアミド酸の原料であるテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって、それぞれ異なるが、イミド化が完結する温度に設定することが好ましい。
−第2の塗膜形成工程−
第2の塗膜形成工程においては、液滴付与工程により液滴が付与された第1の塗膜若しくは被膜、又は上記第1の加熱工程において得られたポリイミド樹脂の表面に、表面層16を形成する材料を含む塗布液を塗布して第2の塗膜を形成する。すなわち第2の塗膜形成工程は、上記液滴付与工程の後であり、かつ、上記第1の加熱工程の前に行ってもよいし、上記第1の加熱工程の後に行ってもよい。
第2の塗膜形成工程において用いる塗布液としては、例えば、表面層16を形成する材料が溶媒に分散した分散液等が挙げられる。具体的には、例えば表面層16の材料としてフッ素樹脂を用いる場合、用いる塗布液として、例えば、フッ素樹脂が溶媒に分散した溶液が挙げられる。
溶媒としては、例えば水が挙げられ、エタノールやブタノール等のアルコール、エチレングリコール等のグリコール、又はそのエステル類等を併用してもよい。
また前記塗布液には、必要に応じて界面活性剤や粘度調整剤等を添加してもよい。さらに表面層16にカーボン粉体、酸化チタン、硫酸バリウム等のフッ素樹脂以外の材料を含ませる場合、前記塗布液にこれらの材料を混ぜて分散すればよい。
塗布液を塗布する方法(第2の塗膜を形成する方法)としては、例えば、浸漬塗布、スプレー塗布、リング塗布などが挙げられる。
上記の通り、第2の塗膜形成工程は、上記第1の加熱工程の前に行っても後に行ってもよいが、基材12と表面層16との接着性を向上させる観点から、第1の加熱工程の前に第2の塗膜形成工程を行うことが好ましい。すなわち、無端ベルト10の製造方法は、液滴付与工程によって液滴が付与された第1の塗膜又は被膜の表面に上記塗布液を付与して第2の塗膜を形成する工程と、第2の塗膜が形成された第1の塗膜又は被膜と第2の塗膜とを加熱する工程と、を含むことが好ましい。
第1の塗膜及び被膜をイミド化する第1の加熱工程の前に第2の塗膜形成工程を行うと、第2の塗膜を形成した後の加熱工程において、第1の塗膜又は被膜のポリイミド酸がイミド化反応を起こすとともに、第1の塗膜又は被膜の表面に塗布された第2の塗膜に含まれる樹脂が焼成される。そのため、第1の塗膜又は被膜と第2の塗膜とが加熱収縮するため、基材12及び表面層16に粒子18が強固に挟み込まれる。よって、第1の塗膜又は被膜をイミド化する第1の加熱工程の後に第2の塗膜形成工程を行う場合に比べて、前記第1の加熱工程の前に第2の塗膜形成工程を行う方が、基材12と表面層16との接着性が良好な無端ベルト10が得られる。なお、前記第1の加熱工程の前に第2の塗膜形成工程を行う場合い、第2の塗膜形成工程後における加熱工程の加熱温度は、表面層16を構成する材料の融点以上に設定することが好ましい。
一方、前記第1の加熱工程の後に第2の塗膜形成工程を行った場合は、第2の塗膜を加熱し、表面層16を形成する第2の加熱工程がさらに必要となる。この場合、第2の加熱工程いおける加熱温度も、上記第1の加熱工程と同様に、200℃以上450℃以下であることが好ましく、また表面層16を構成する材料の融点以上であることがより好ましい。
第2の塗膜形成工程の後に加熱工程を行なった後、常温(25℃)に冷やすと、フッ素樹脂とポリイミド樹脂の複層被覆が形成された円筒状芯体が得られ、円筒状芯体を取り外すことで、無端ベルト10が製造される。また無端ベルト10は、必要に応じて、端部の長さを揃える切断加工、表面の粗さを調整する研磨加工等が施される。
以上、無端ベルト10の製造方法、すなわち、基材12の凹部14における基材12と表面層16との界面に粒子18が存在する無端ベルト10の製造方法について説明したが、上記方法は、粒子18を含まない無端ベルトを製造する場合においても有効である。
すなわち、表面に凹部を有する基材と、基材の表面に形成された表面層と、を含み、粒子を含まない無端ベルトを製造する場合においても、上記第1の塗膜形成工程、乾燥工程、液滴付与工程、第2の塗膜形成工程、及び加熱工程、を含む製造方法を用いることが好ましい。具体的には、上記液滴付与工程において、水系媒体を含み、かつ、粒子を含まない液滴を、第1の塗膜又は被膜の表面に付与することにより、基材の表面に凹部を形成することが容易となる。特に、液滴付与工程において、上記噴霧装置を用いて噴霧を行うことにより、さらに容易に基材表面上の凹部が形成される。
(その他の形態)
以上、本実施形態に係る管状体の一例として、無端ベルトについて説明したが、本実施形態の管状体は無端ベルトに限られず、その他の形態であってもよい。その他の形態としては、具体的には、例えば、帯電ロール、転写ロール、加圧ロール、加熱ロール等に用いられるロール等が挙げられる。
具体的には、例えば、表面に凹部を有するコアと、コアの表面に形成された剥離層と、凹部におけるコアと剥離層との界面に存在する粒子と、を含むロールが挙げられる。
コアの材質としては、特に制限はないが、機械的強度に優れ、伝熱性が良好である材質が望ましい。コアの材質として具体的には例えば、アルミ、SUS、鉄、銅等の金属、合金、セラミックス、FRM(繊維強化メタル)などが挙げられる。
剥離層の材質としては、例えば、PFA等のフッ素樹脂が望ましい。耐久性・耐摩耗性などを向上するためには、複数のフッ素樹脂材料を含有することがより望ましい。
剥離層の厚みとしては、10μm以上100μm以下が望ましく、より望ましくは20μm以上30μm以下である。
[画像定着装置、画像形成装置、管状体支持装置]
<第1実施形態>
次に、前記実施形態の管状体を用いた第1実施形態の画像形成装置について説明する。図5は、前記実施形態に係る管状体である無端ベルトを、定着装置の加圧ベルトとして備えたタンデム式の、画像形成装置の要部を説明する模試図である。
具体的には、画像形成装置101は、感光体79(静電潜像保持体)と、感光体79の表面を帯電する帯電ロール83と、感光体79の表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置78(静電潜像形成手段)と、感光体79表面に形成された潜像を、現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器85(現像手段)と、現像器85により形成されたトナー像が感光体79から転写される中間転写ベルト86(中間転写体)と、トナー像を中間転写ベルト86に転写する1次転写ロール80(第1の転写手段)と、感光体79に付着したトナーやゴミ等を除去する感光体清掃部材84と、中間転写ベルト86上のトナー像を記録媒体に転写する2次転写ロール75(第2の転写手段)と、記録媒体上のトナー像を定着する定着装置72(定着手段)と、を含んで構成されている。感光体79と1次転写ロール80は、図5に示すとおり感光体79直上に配置していてもよく、感光体79直上からずれた位置に配置していてもよい。
さらに、図5に示す画像形成装置101の構成について詳細に説明する。
画像形成装置101においては、感光体79の周囲に、反時計回りに帯電ロール83、現像器85、中間転写ベルト86を介して配置された1次転写ロール80、感光体清掃部材84が配置され、これら1組の部材が、1つの色に対応した現像ユニットを形成している。また、この現像ユニット毎に、現像器85に現像剤を補充するトナーカートリッジ71がそれぞれ設けられており、各現像ユニットの感光体79に対して、帯電ロール83の(感光体79の回転方向)下流側であって現像器85の上流側の感光体79表面に画像情報に応じたレーザー光を照射するレーザー発生装置78が設けられている。
4つの色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した4つの現像ユニットは、画像形成装置101内において水平方向に直列に配置されており、4つの現像ユニットの感光体79と1次転写ロール80との転写領域を挿通するように中間転写ベルト86が設けられている。中間転写ベルト86は、その内面側に以下の順序で反時計回りに設けられた、支持ロール73、支持ロール74、および駆動ロール81により張力がかかった状態で掛け渡され、ベルト支持装置90を形成している。なお、4つの1次転写ロールは支持ロール73の(中間転写ベルト86の回転方向)下流側であって支持ロール74の上流側に位置する。また、中間転写ベルト86を介して駆動ロール81の反対側には中間転写ベルト86の外周面を清掃する転写清掃部材82が駆動ロール81に対して圧接するように設けられている。
また、中間転写ベルト86を介して支持ロール73の反対側には用紙供給部77から用紙経路76を経由して搬送される記録用紙の表面に、中間転写ベルト86の外周面に形成されたトナー像を転写するための2次転写ロール75が、支持ロール73に対して接触するように設けられている。
また、画像形成装置101の底部には記録媒体を収容する用紙供給部77が設けられ、用紙供給部77から用紙経路76を経由して2次転写部を構成する支持ロール73と2次転写ロール75との接触部を通過するように、記録媒体が供給される。この接触部を通過した記録媒体は、更に定着装置72の接触部を挿通するように不図示の搬送手段により搬送され、最終的に画像形成装置101の外へと排出される。
次に、図5に示す画像形成装置101を用いた画像形成方法について説明する。トナー像の形成は各現像ユニット毎に行なわれ、帯電ロール83により反時計方向に回転する感光体79表面を帯電した後に、レーザー発生装置78(露光装置)により帯電された感光体79表面に潜像(静電潜像)を形成し、次に、この潜像を現像器85から供給される現像剤により現像してトナー像を形成し、1次転写ロール80と感光体79との接触部に運ばれたトナー像を矢印C方向に回転する中間転写ベルト86の外周面に転写する。なお、トナー像を転写した後の感光体79は、その表面に付着したトナーやゴミ等が感光体清掃部材84により清掃され、次のトナー像の形成に備える。
各色の現像ユニット毎に現像されたトナー像は、画像情報に対応するように中間転写ベルト86の外周面上に順次重ね合わされた状態で、2次転写部に運ばれ2次転写ロール75により、用紙供給部77から用紙経路76を経由して搬送されてきた記録用紙表面に転写される。トナー像が転写された記録用紙は、更に定着装置72の接触部を通過する際に加圧加熱されることにより定着され、記録媒体表面に画像が形成された後、画像形成装置外へと排出される。
―定着装置(画像定着装置)―
図6は、本実施形態に係る画像形成装置101内に設けられた定着装置72の概略構成図である。図6に示す定着装置72は、回転駆動する回転体としての定着ロール610と、無端ベルト620(加圧ベルト)と、無端ベルト620を介して定着ロール610を加圧する圧力部材である圧力パッド640とを備えて構成されている。なお、圧力パッド640は、無端ベルト620と定着ロール610とが相対的に加圧されていればよい。従って、無端ベルト620側が定着ロール610に加圧されても良く、定着ロール610側が無端ベルト620に加圧されても良い。
定着ロール610は、金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性の弾性層612及び離型層613を積層して構成されたものである。定着ロール610の内部には、挟込領域において未定着トナー像を加熱する加熱手段の一例としてのハロゲンランプ660が配設されている。加熱手段としては、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材を用いてもよい。
一方、定着ロール610の表面には感温素子690が接触して配置されている。この感温素子690による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ660の点灯が制御され、定着ロール610の表面温度が設定温度(例えば、150℃)に維持される。
無端ベルト620は、内部に配置された圧力パッド640とベルト走行ガイド630と、図示しないエッジガイドによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域Nにおいて定着ロール610に対して加圧された状態で接触して配置されている。
圧力パッド640は、無端ベルト620の内側において、無端ベルト620を介して定着ロール610に加圧される状態で配置され、定着ロール610との間で挟込領域Nを形成している。圧力パッド640は、幅の広い挟込領域Nを確保するためのプレ挟込部材641を挟込領域Nの入口側に配置し、定着ロール610に歪みを与えるための剥離挟込部材642を挟込領域Nの出口側に配置している。
さらに、無端ベルト620の内周面と圧力パッド640との摺動抵抗を小さくするために、プレ挟込部材641及び剥離挟込部材642の無端ベルト620と接する面に低摩擦シート680が設けられている。そして、圧力パッド640と低摩擦シート680とは、金属製のホルダ650に保持されている。
さらに、ホルダ650にはベルト走行ガイド630が取り付けられ、無端ベルト620がスムーズに回転するように構成されている。すなわち、ベルト走行ガイド630は、無端ベルト620内周面と摺擦するため、静止摩擦係数の小さな材質で形成されている。また、ベルト走行ガイド630は、無端ベルト620から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成されている。
そして定着ロール610は、図示しない駆動モータにより矢印C方向に回転し、この回転に従動して無端ベルト620は、定着ロール610の回転方向と反対の方向へ回転する。すなわち、定着ロール610が図6における時計方向へ回転するのに対して、無端ベルト620は反時計方向へ回転する。
未定着トナー像を有する用紙Kは、定着入口ガイド560によって導かれて、挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と、定着ロール610から供給される熱とによって定着される。
本実施形態の定着装置72では、定着ロール610の外周面に倣う凹形状のプレ挟込部材641により、プレ挟込部材641がない構成に比して、広い挟込領域Nを確保される。
また、本実施形態に係る定着装置72では、定着ロール610の外周面に対し突出させて剥離挟込部材642を配置することにより、挟込領域Nの出口領域において定着ロール610の歪みが局所的に大きくなるように構成されている。
このように剥離挟込部材642を配置すれば、定着後の用紙Kは、剥離挟込領域を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、用紙Kが定着ロール610から剥離しやすい。
また、剥離の補助手段として、定着ロール610の挟込領域Nの下流側に、剥離部材700が配設されている。剥離部材700は、剥離バッフル710が定着ロール610の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ロール610と近接する状態でホルダ720によって保持されている。
以下、本実施形態に係る定着装置72に使用される無端ベルト620以外の部材について詳細に説明する。
定着部材としての定着ロール610としては、その形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じてそれ自体公知のものの中から選択して使用される。定着ロール610は、円筒状のコア611と、その表面に形成された弾性層612と、更にその弾性層の表面に形成された離型層613を備えてなる。
この定着ロール610は公知の製造方法で製造され、一般的には円筒状のコア611の周りに弾性層612を形成する為の金型を配置し、液状ゴムを金型と円筒状コア611の隙間に流し込んだ後に加硫し固め、その上で、表面にPFA等の樹脂スリーブを装着したものが使用される。
円筒状のコア611及び離型層613については、上記実施形態の管状体の一例として説明したロールに用いるコア及び離型層と同様のものが用いられる。
弾性層612の材質としては、公知の材質の中から選択されるが、耐熱性の高い弾性体であればどの材料を用いてもよい。特に、ゴム硬度が15から45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いるのが好ましく、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。また弾性層612の材質としては、これらの中でも、表面張力が小さく、弾性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。該シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。
なお、弾性層612の厚みとしては、3mm以下であることが好ましく、0.5から1.5mmの範囲であることがより好ましい。第1実施形態の定着装置72では、ゴム硬度が35°(JIS−A)のHTVシリコーンゴムを72μmの厚さでコアに被覆している。
定着ロール610を加熱する加熱源としては、上述のように、例えばハロゲンランプ660が用いられ、上記コアの内部に収容する形状、構造のものであれば特に制限はなく、目的に応じて選択される。ハロゲンランプ660により加熱された定着ロール610の表面温度は、定着ロール610に設けられた感温素子690により計測され、制御手段によりその温度が一定に制御される。感温素子690としては、特に制限はなく、例えば、サーミスタ、温度センサなどが挙げられる。
無端ベルト620の内部に配置された圧力パッド640は、上述したように、プレ挟込部材641と剥離挟込部材642とで構成され、バネや弾性体によって定着ロール610を、例えば32kgfの荷重で押圧するようにホルダ650に支持されている。定着ロール610側の面は、定着ロール610の外周面に倣う凹状曲面で形成されている。また定着時の熱による劣化を防止するという観点からすれば、それぞれの材質は耐熱性を具備するもので構成することが好ましい。
なお、無端ベルト620の内部に配置された圧力パッド640は、無端ベルト620を介して定着ロール610を加圧し、無端ベルト620と定着ロール610との間に、未定着トナー像を保持する用紙Kが通過する挟込領域Nが形成する機能を有していれば形状や材質に特に制限はなく、さらには圧力パッド640に加え、定着ロール610に対して加圧しつつ回転する加圧ローラなどを並設してもよい。
プレ挟込部材641には、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーや板バネ等の弾性体が用いられ、これらの材質の中でも、弾性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。該シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。硬度の点からJIS−A硬度10から40°のシリコーンゴムが好適に用いられる。弾性体の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて選択される。本実施形態の定着装置72では、幅10mm、厚さ5mm、長さ320mmのシリコーンゴムを用いている。
剥離挟込部材642は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離挟込部材の形状としては、挟込領域Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸状曲面に形成されている。そして、本実施の形態の定着装置72では、無端ベルト620は、圧力パッドにより定着ロール610に40°の巻き付き角度でラップされ、8mm幅の挟込領域Nを形成している。
低摩擦シート680は、無端ベルト620内周面と圧力パッド640との摺動抵抗(摩擦抵抗)を低減するために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が適している。
この低摩擦シート680の材質としては、金属、セラミックス、樹脂等各種材料が採用されるが、具体的には、耐熱性樹脂であるフッ素樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の他、6−ナイロンあるいは6,6−ナイロンのナチュラル材や、これらにカーボンやガラス繊維等を添加した材料が用いられる。
この中でも無端ベルト620との接触面側が、無端ベルト620内面との摺動抵抗が小さくかつ潤滑剤が保持される表面に微細な凹凸形状を有するフッ素樹脂シートが好ましい。
具体的には、シンタード成型したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、またガラス繊維にフッ素樹脂からなるスカイブフィルムシートを加熱融着サンドした積層シートやあるいはフッ素樹脂シートに筋状の凹凸を設けたもの等が用いられる。
なお、低摩擦シート680は、プレ挟込部材641や剥離挟込部材642と別体に構成しても、プレ挟込部材641や剥離挟込部材642と一体的に構成しても、いずれでもよい。
さらに、ホルダ650には、定着装置72の長手方向に亘って潤滑剤塗布部材670が配設されている。潤滑剤塗布部材670は、無端ベルト620内周面に対して接触するように配置され、潤滑剤を適量供給する。これにより、無端ベルト620と低摩擦シート680との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート680を介した無端ベルト620と圧力パッドとの摺動抵抗をさらに低減して、無端ベルト620の円滑な回転を図っている。また、無端ベルト620の内周面や低摩擦シート680表面の摩耗を抑制する効果も有している。
潤滑剤としてはシリコーンオイルが好ましく、シリコーンオイルとしてはジメチルシリコーンオイル、有機金属塩添加ジメチルシリコーンオイル、ヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩およびヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、有機金属塩添加アミノ変性シリコーンオイル、ヒンダードアミン添加アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイル等が用いられるが、濡れ性に優るアミノ変性シリコーンオイルがより好ましい。
なお、本実施形態の画像定着装置72では、潤滑剤塗布部材670により無端ベルト620内周面に潤滑剤を供給しているが、潤滑剤塗布部材及び潤滑剤を用いない形態としてもよい。
また、耐熱性により優れた性能が必要な場合、メチルフェニルシリコーンオイルあるいはフッ素オイル(パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイル)などを使用することも好適である。なお、耐熱性を向上させるためにシリコーンオイル中に酸化防止剤を添加してもよい。その他固形物質と液体とを混合させた合成潤滑油グリース、例えばシリコーングリス、フッ素グリス等、さらにはこれらを組み合わせたものも用いられる。本実施形態の定着装置72では、粘度300csのアミノ変性シリコーンオイル(KF96:信越化学(株)製)を用いている。
また、ベルト走行ガイド630は、上述したように、無端ベルト620の内周面と摺擦するため、摩擦係数が低く、かつ、無端ベルト620から熱を奪い難いように熱伝導率が低い材質が適しており、PFAやPPS等の耐熱性樹脂が用いられる。
本実施形態の画像形成装置101では、定着装置72の無端ベルト620として上記実施形態の管状体である無端ベルトを用いている。したがって、上記実施形態の管状体を含む本実施形態の管状体支持装置は、無端ベルト620と、無端ベルト620の内部に配置された圧力パッド640と、ベルト走行ガイド630と、を含んで構成されている。
また本実施形態の画像形成装置101では、定着装置72の無端ベルト620として上記実施形態の管状体である無端ベルトを用いているが、定着装置72の定着ロール610として上記実施形態の管状体であるロール(弾性層612を有さないロール)を用いてもよい。
さらに本実施形態の画像形成装置101では、中間転写ベルト86として上記実施形態の管状体である無端ベルトを用いてもよい。その場合、中間転写ベルト86と、その内面側に設けられた支持ロール73と、支持ロール74と、駆動ロール81と、により形成されたベルト支持装置90が、本実施形態の管状体支持装置である。
また本実施形態の画像形成装置101では、少なくとも上記実施形態の管状体が用いられていればよく、上記実施形態の管状体を複数組み合わせて用いてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態の画像形成装置は、上記第1実施形態の画像形成装置101内に備えられた定着装置72の代わりに、加熱源を備えた定着ベルト(前記実施形態の無端ベルト)と加圧ロールと備えた定着装置を用いた形態である。なお、定着装置が異なること以外の事項については、上記と同様であるため説明を省略する。
―定着装置(画像定着装置)―
図7は、本実施形態の定着装置の概略構成図である。なお、第1実施形態に係る定着装置と同様な構成については、同様の符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図7に示すように、第2実施形態に係る定着装置900は、無端ベルトとしての定着ベルト920と、回転駆動する回転体の一例としての加圧ロール910とを備えて構成されている。定着ベルト920は、上述した無端ベルト620と同様に構成されている。
そして、定着ベルト920が用紙Kのトナー像保持面側に配置されるとともに、定着ベルト920の内側には、加熱手段の一例としての抵抗発熱体であるセラミックヒータ820が配設され、セラミックヒータ820から挟込領域Nに熱を供給するように構成している。
セラミックヒータ820は、加圧ロール910側の面がフラットに形成されている。そして、定着ベルト920を介して加圧ロール910に加圧される状態で配置され、挟込領域Nを形成している。したがって、セラミックヒータ820は圧力部材としても機能している。挟込領域Nを通過した用紙Kは、挟込領域Nの出口領域(剥離挟込部)において定着ベルト920の曲率の変化によって定着ベルト920から剥離される。
さらに、定着ベルト920内周面とセラミックヒータ820との間には、定着ベルト920の内周面とセラミックヒータ820との摺動抵抗を小さくするため、低摩擦シート680が配設されている。この低摩擦シート680は、セラミックヒータ820と別体に構成しても、セラミックヒータ820と一体的に構成してもよい。
一方、加圧ロール910は定着ベルト920に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転に従動して定着ベルト920が回転するように構成されている。加圧ロール910は、コア(円柱状芯金)911と、コア911の外周面に被覆した耐熱性弾性層912と、さらに耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層913とが積層されて構成され、必要に応じて各層はトナーのオフセット対策としてカーボンブラックなどの添加により半導電性化されている。
また、剥離の補助手段として、定着ベルト920の挟込領域Nの下流側に、剥離部材700を配設してもよい。剥離部材700は、剥離バッフル710が定着ベルト920の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト920と近接する状態でホルダ720によって保持されている。
未定着トナー像を有する用紙Kは、図示しない定着入口ガイドによって定着装置900の挟込領域Nに導かれる。用紙Kが挟込領域Nを通過する際には、用紙K上のトナー像は、挟込領域Nに作用する圧力と、定着ベルト920側のセラミックヒータから供給される熱とによって定着される。
ここで、本実施形態の定着装置900においては、加圧ロール910は、両端部の外径が中央部の外径よりも大きい逆クラウン形状(フレア形状)に形成されるとともに、定着ベルト920も、内面に凹凸形状を有し、この凹凸形状は挟込領域においては前記加圧ロール910の表面形状に沿った形状に広がり変形するように構成されている。このように構成することによって、用紙が挟込領域を通過するに際して、加圧ロール910による用紙への中央部から両端部に向かって幅方向に引張力が作用することによって用紙が伸びるのとともに定着ベルト920の表面幅方向の長さも伸びる。
このため、本実施形態の定着装置900でも、中央部から両端部に亘る全領域において、定着ベルト920は用紙Kに対してスリップを抑制される。
なお、加熱源としてはセラミックヒータ820以外に、定着ベルト920内部に設けたハロゲンランプであったり、あるいは定着ベルト920内部あるいは外部に設けた電磁誘導コイルによる電磁誘導発熱を利用したものであったりしてもかまわない。
また、定着ベルト920内部にフラットな圧力部材に加え加圧ロール910に対して加圧しつつ回転する加圧ローラなどを並設してもよい。
本実施形態の画像形成装置では、定着装置900の定着ベルト920として上記実施形態の管状体である無端ベルトを用いている。したがって、上記実施形態の管状体を含む本実施形態の管状体支持装置は、定着ベルト920と、定着ベルト920の内部に配置されたセラミックヒータ820と、ベルト走行ガイド630と、を含んで構成されている。
また本実施形態の画像形成装置では、定着装置900の定着ベルト920として上記実施形態の管状体である無端ベルトを用いているが、定着装置900の加圧ロール910として上記実施形態の管状体であるロールを用いてもよい。また本実施形態の画像形成装置では、少なくとも上記実施形態の管状体が用いられていればよく、上記実施形態の管状体を複数組み合わせて用いてもよい。
<第3実施形態>
次に、前記実施形態の管状体である無端ベルトを、用紙搬送ベルトとして用いた第3実施形態の画像形成装置について説明する。
図8は、第3実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。図8に示す画像形成装置において、ユニットY、M、C、BKは、矢印の時計方向に回転するように、それぞれ感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKが備えられる。感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKの周囲には、帯電ロール202Y、202M、202C、202BKと、露光器203Y、203M、203C、203BKと、各色現像装置(イエロー現像装置204Y、マゼンタ現像装置204M、シアン現像装置204C、ブラック現像装置204BK)と、感光体ドラム清掃部材205Y、205M、205C、205BKとがそれぞれ配置されている。
ユニットY、M、C、BKは、用紙搬送ベルト206に対して4つ並列に、ユニットBK、C、M、Yの順に配置されているが、ユニットBK、Y、C、Mの順等、画像形成方法に合わせて適当な順序が設定される。
用紙搬送ベルト206は、ベルト支持ロール210、211、212、213によって内面側から張力がかかった状態で掛け渡され、画像形成装置用のベルト支持装置220を形成している。該用紙搬送ベルト206は、矢印の反時計方向に感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKと同じ周速度をもって回転するようになっており、ベルト支持ロール212、213の中間に位置するその一部が感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとそれぞれ接するように配置されている。用紙搬送ベルト206は、ベルト用清掃部材214が備えられている。
転写ロール207Y、207M、207C、207BKは、用紙搬送ベルト206の内側であって、用紙搬送ベルト206と感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとが接している部分に対向する位置にそれぞれ配置され、感光体ドラム201Y、201M、201C、201BK、及び用紙搬送ベルト206と共に、トナー画像を用紙(被転写体)216に転写する転写領域を形成している。転写ロール207Y、207M、207C、207BKは、図8に示すとおり、感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKの直下に配置していても、直下からずれた位置に配置してもよい。
定着装置209は、用紙搬送ベルト206と感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとのそれぞれの転写領域を通過した後に搬送されるように配置されている。
用紙搬送ロール208により、用紙216は用紙搬送ベルト206に搬送される。
図8に示す第3の実施形態に係る画像形成装置において、ユニットBKにおいては、感光体ドラム201BKを回転駆動させる。これと連動して帯電ロール202BKが駆動し、感光体ドラム201BKの表面を目的の極性・電位に帯電させる。表面が帯電された感光体ドラム201BKは、次に、露光器203BKによって像様に露光され、その表面に静電潜像が形成される。
続いて該静電潜像は、ブラック現像装置204BKによって現像される。すると、感光体ドラム201BKの表面にトナー画像が形成される。なお、このときの現像剤は一成分系のものでもよいし二成分系のものでもよい。
このトナー画像は、感光体ドラム201BKと用紙搬送ベルト206との転写領域を通過し、用紙216が静電的に用紙搬送ベルト206に吸着して転写領域まで搬送され、転写ロール207BKから印加される転写バイアスによって形成される電界により、用紙216の表面に順次転写される。
この後、感光体ドラム201BK上に残存するトナーは、感光体ドラム清掃部材205BKによって清掃・除去される。そして、感光体ドラム201BKは、次の画像転写に供される。
以上の画像転写は、ユニットC、MおよびYでも上記の方法によって行われる。
転写ロール207BK、207C、207Mおよび207Yによってトナー画像を転写された用紙216は、さらに定着装置209に搬送され、定着が行われる。
以上により用紙上に所望の画像が形成される。
本実施形態の画像形成装置では、用紙搬送ベルト206として上記実施形態の管状体である無端ベルトを用いている。したがって、上記実施形態の管状体を含む本実施形態の管状体支持装置は、用紙搬送ベルト206と、用紙搬送ベルト206の内側に配置されたベルト支持ロール210、211、212、及び213と、により形成されたベルト支持装置220である。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
まず、ポリアミド酸溶液として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンとを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で合成することにより得られたポリアミド酸を含む、固形分濃度18%(質量%、以下同じ)、粘度20Pa・sの溶液を用意した。
次に、このポリアミド酸溶液を、内径30mm、長さ450mmの円筒状アルミニウム製金型(円筒状芯体)表面に塗布し、塗膜(第1の塗膜)を形成した。なお、この円筒状金型には、表面にフッ素系の離型剤を予め塗布することで、ベルト成形後の剥離性を向上させた。
塗膜が形成された円筒状芯体を、20rpmで回転させながら、100℃の乾燥炉に入れた。60分後に取り出すと、反乾燥状態のポリイミド前駆体被膜が形成され、残留溶剤は40%(質量比)であった。この状態ではまだ、皮膜を芯体から取り外せなかった。
次に、硫酸バリウム(堺化学工業、BMH−60、体積平均粒径:6μm、形状:不定形)20gを水100gに混合して硫酸バリウム混合水を調整した。そして、調整した硫酸バリウム混合水をダイヤスプレー(フルプラ製)に入れ、反乾燥状態のポリイミド前駆体被膜に噴霧した。噴霧時における硫酸バリウム混合水の液滴径は平均80μmであった。このとき、円筒状芯体を20rpmで回転させながら、同一箇所に水がかかりすぎないようスプレーを一定速度で移動させて噴霧した(液滴付与工程)。噴霧後、円筒状芯体を20rpmで回転させながら25℃で30分放置し、その後、ポリイミド前駆体被膜表面に付着したNMP混合水(ポリアミド酸溶液に含まれるNMPと、硫酸バリウム混合水に含まれる水と、の混合物)を拭き取った。
一方、溶媒として水を含むPTFE水性塗料(フッ素樹脂分散液、濃度60%、粘度200mPa・s、)を用意した。この塗料を、ポリイミド前駆体被膜にらせん塗布方式により塗布し、塗布後、80℃の無風乾燥炉で10分間乾燥した。
次に金型(PTFE水性塗料が塗布されたポリイミド前駆体被膜が形成された状態の円筒状芯体)をオーブンに入れ、段階的に350℃まで昇温して、ポリイミド前駆体被膜のイミド化を行った。なお、段階的な昇温は、160℃で1時間、250℃で30分、350℃で1時間行った。
その後、上記金型を室温(25℃)で放冷し、金型から樹脂を取り外し、20μm膜厚のフッ素樹脂と100μm膜厚のポリイミド樹脂が積層した複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトを20mm幅で切出し、フッ素樹脂層とポリイミド層を一部剥離し、剥離した部分のフッ素樹脂層とポリイミド樹脂層をはさんで引っ張り試験機(EZGraph、島津製作所製)で剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.90kgfであり、フッ素樹脂層全面が剥離する前に、フッ素樹脂層が破断するほど強い接着強度であった。
また、製造した複層無端ベルトの表面層をプラスティック片で擦り取ることで除去して、走査型電子顕微鏡によりポリイミド樹脂層(基材)表面を観察したところ、凹部の内面に粒子が埋まりこんだ状態であり、凹部の平均径は50μm、凹部の深さは20μm、凹部の形状は半球状、基材表面に存在する凹部の数は基材の面積1mmあたり平均10個、凹部1つあたりの粒子は平均10個であった。また、上記方法で基材の表面粗さを測定したところ、Raは2μmであった。
(実施例2)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウムの代わりに酸化アルミニウム(昭和電工、A−42−2、体積平均粒径:5μm、形状:不定形)を20g用いて水100gに混合し、酸化アルミニウム混合水を調整して実施例1と同様に噴霧(液滴径:100μm)、放置した後、PTFE水性塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.85kgfであり、剥離試験中にフッ素樹脂層が破断した。また、凹部1つあたりの粒子は平均12個であった。
(実施例3)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウムの代わりに炭化珪素(フジミインコーポレーテッド、GC#3000、体積平均粒径:4.8μm、形状:不定形)を20g用いて水100gに混合し、炭化珪素混合水を調整して実施例1と同様に噴霧(液滴径:80μm)、放置した後、PTFE水性塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.95kgfであり、剥離試験中にフッ素樹脂層が破断した。また、凹部1つあたりの粒子は平均8個であった。
(実施例4)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウムの代わりにフッ素樹脂粒子(ダイキン工業株式会社社製、製品名:ルブロンTM L−5、体積平均粒径:5.0μm、形状:不定形)を20g用いて水100gに混合し、フッ素樹脂粒子混合水を調整して実施例1と同様に噴霧(液滴径:90μm)、放置した後、PTFE水性塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は1.00kgfであり、剥離試験中にフッ素樹脂層が破断した。また。凹部1つあたりの粒子は平均10個であった。
(実施例5)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウム混合水を噴霧した後、30分間80℃のオーブンに入れた。30分後取り出し、実施例1と同様にPTFE水性塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.67kgfであり、剥離試験中にフッ素樹脂層が破断した。
また、製造した複層無端ベルトのポリイミド樹脂層(基材)表面を実施例1と同様にして観察したところ、凹部の内面に粒子が埋まりこんだ状態であり、凹部の平均径は60μm、凹部の深さは20μm、凹部の形状は半球状であり、基材表面に存在する凹部の数は平均10個/1mm、凹部1つあたりの粒子は平均7個であった。また、実施例1と同様にして基材の表面粗さを測定したところ、Raは2.5μmであった。
(実施例6)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウムの代わりにアルミナ質研削材(昭和電工(株)社製、製品名:ホワイトモランダム、体積平均粒径:14μm、形状:不定形)を20g用いて水100gに混合し、アルミナ粒子混合水を調整して実施例1と同様に噴霧(液滴径:30μm)、放置した後、PTFE塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.85kgfであり、剥離試験中にフッ素樹脂層が破断した。
また、製造した複層無端ベルトのポリイミド樹脂層(基材)表面を実施例1と同様にして観察したところ、凹部の内面に粒子が埋まりこんだ状態であり、凹部の平均径は18μm、凹部の深さは15μm、凹部の形状は半球状、基材表面に存在する凹部の数は平均13個/1mm、凹部1つあたりの粒子は平均1個であった。また、実施例1と同様にして基材の表面粗さを測定したところ、Raは2.0μmであった。
(実施例7)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウム混合水を噴霧、放置した後、PTFE水性塗料の代わりにアクリル樹脂塗料(アクリル樹脂分散液、濃度50%、粘度220mPa・s)を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.79kgfであり、剥離試験中に表面樹脂層が破断した。
また、製造した複層無端ベルトのポリイミド樹脂層(基材)表面を実施例1と同様にして観察したところ、凹部の内面に粒子が埋まりこんだ状態であり、凹部の平均径は40μm、凹部の深さは20μm、凹部の形状は半球状、基材表面に存在する凹部の数は平均8個/1mm、凹部1つあたりの粒子は平均9個であった。また、実施例1と同様にして基材の表面粗さを測定したところ、Raは1.8μmであった。
(参考例1)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウム混合水の代わりに水を噴霧(液滴径:70μm)、放置した後、PTFE水性塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.52kgfであり、剥離試験中にフッ素樹脂層が破断した。
(参考例2)
実施例5と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウム混合水の代わりに水を噴霧(液滴径:65μm)した後、30分間80℃のオーブンに入れた。30分後取り出し、実施例5と同様にPTFE水性塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.61kgfであり、剥離試験中にフッ素樹脂層が破断した。
(比較例1)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成した後、噴霧工程を実施せずにPTFE塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.12kgfであった。これは通常のカプトン(R)テープ(Permacel(R)社製)をフッ素樹脂表面に貼り付け剥離すると、完全にフッ素樹脂層が剥がれてしまう強度であり、定着ベルトとして使用した際も、簡単に剥離、破れが生じてしまう接着強度であった。また、剥離後のポリイミド表面は高い光沢を有するほど平滑であった。
(比較例2)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成した後、硫酸バリウム(堺化学工業、BMH−60、粒子径6μm)を水に混合せず、ドライ吹き付け噴霧を実施した。その結果、ポリイミド前駆体被膜表面には殆ど付着しなかった。そこで、さらに強風でドライ吹き付け噴霧を実施した結果、被膜を振動させると落下する程度の強度で硫酸バリウム粉末が付着した。また、ポリイミド前駆体被膜にはピンホールが発生した。このポリイミド前駆体被膜にPTFE塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトの剥離強度を測定した結果、剥離強度は0.15kgfであり、カプトン(R)テープの貼り付け、剥離作業で容易にフッ素樹脂層が剥離した。また、剥離後のポリイミド表面は平滑であり、凹部が形成されていなかった。
(比較例3)
実施例1と同様にポリイミド前駆体被膜を形成し、硫酸バリウム(堺化学工業、BMH−60、粒子径6μm)を混合、分散させた水にポリイミド前駆体被膜を浸漬した。1分後取り出し、25℃、3時間で乾燥させた後、PTFE塗料を塗布し、乾燥・焼成工程を行い、複層無端ベルトを得た。
製造した複層無端ベルトは端部にひび割れが生じていた。剥離強度を測定した結果、0.14kgfであり、フッ素樹脂層剥離ポリイミド表面は平滑であった。また、断面を走査型電子顕微鏡(日本電子、JSM−6390A)で観察した結果、フッ素樹脂とポリイミド界面に硫酸バリウム粒子は存在していなかった。これは、ポリイミド前駆体被膜と水に分散していた硫酸バリウムに電気的斥力が発生したため、硫酸バリウムがポリイミド表面に付着しなかったためである。
上記実施例1から実施例7において作製された無端ベルトを、図5に示す画像形成装置において、図6に示す画像定着装置の無端ベルト620として用いて画像形成を行ったところ、無端ベルト620の表面層が剥離しにくいため、長期にわたって良好な画像形成が行われた。
以上の結果から、本実施例では、比較例に比べ、無端ベルトの表面層が剥離しにくいことがわかる。
また、実施例及び参考例においては、本実施形態における管状体の製造方法を用いることにより、表面に凹部を有する基材と表面層とを有する管状体が容易に作製されることがわかる。
10 無端ベルト
12 基材
14 凹部
16 表面層
18 粒子
72、209、900 定着装置
73、74、210、211、212、213 支持ロール
75 2次転写ロール
78、203Y、203M、203C、203BK レーザー発生装置(露光器)
79、201Y、201M、201C、201BK 感光体
80 1次転写ロール
81 駆動ロール
85、204Y、204M、204C、204BK 現像器(現像装置)
86 中間転写ベルト
90、220 ベルト支持装置
101 画像形成装置
206 用紙搬送ベルト
207Y、207M、207C、207BK 転写ロール
216、K 用紙
610 定着ロール
611、911 コア
612、912 弾性層
613、913 離型層
620 無端ベルト
630 ベルト走行ガイド
640 圧力パッド
820 セラミックヒータ
910 加圧ロール
920 定着ベルト

Claims (9)

  1. 表面に凹部を有する基材と、
    前記基材の前記凹部を有する側の表面に形成された表面層と、
    前記凹部における前記基材と前記表面層との界面に存在する粒子と、を有する管状体。
  2. 前記基材がポリイミド樹脂を含んで構成され、かつ、前記表面層がフッ素樹脂を含んで構成された、請求項1に記載の管状体。
  3. 前記凹部における前記界面に、複数の前記粒子が存在する、請求項1又は請求項2に記載の管状体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管状体と、
    前記管状体を内側から張力がかかった状態で支持する複数の支持部材と、を有する管状体支持装置。
  5. 第1の回転体と、
    前記第1の回転体に接触する第2の回転体と、を備え、
    前記第1の回転体及び前記第2の回転体の少なくとも一方が、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管状体である、画像定着装置。
  6. 潜像保持体と、
    前記潜像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を備え、
    前記転写手段及び定着手段の少なくとも一方が、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管状体を有する、画像形成装置。
  7. ポリアミド酸溶液を円筒状芯体に塗布して第1の塗膜を形成する第1の塗膜形成工程と、
    前記第1の塗膜を乾燥して被膜を形成する乾燥工程と、
    前記第1の塗膜又は前記被膜の表面に水系媒体を含む液滴を付与する液滴付与工程と、
    前記液滴が付与された前記第1の塗膜又は前記被膜の表面に、表面層を形成する材料を含む塗布液を塗布して第2の塗膜を形成する第2の塗膜形成工程と、
    前記第1の塗膜又は前記被膜と前記第2の塗膜とを加熱する加熱工程と、を有する、管状体の製造方法。
  8. ポリアミド酸溶液を円筒状芯体に塗布して第1の塗膜を形成する第1の塗膜形成工程と、
    前記第1の塗膜を乾燥して被膜を形成する乾燥工程と、
    前記第1の塗膜又は前記被膜の表面に水系媒体を含む液滴を付与する液滴付与工程と、
    前記第1の塗膜又は前記被膜を加熱してポリイミド樹脂層を形成する第1の加熱工程と、
    前記ポリイミド樹脂層の表面に、表面層を形成する材料を含む塗布液を塗布して第2の塗膜を形成する第2の塗膜形成工程と、
    前記第2の塗膜を加熱する第2の加熱工程と、を有する、管状体の製造方法。
  9. 前記液滴は、さらに粒子を含む、請求項7又は請求項8に記載の管状体の製造方法。
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