JP5075525B2 - 塗り分け模様のある仕上げ方法 - Google Patents

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Description

この発明は、段差のある凹凸面のある下地に対して、凹凸面の頂部と凹部では色調の異なる仕上げ面を形成することのできる方法に関する。
従来、凹凸のある下地面(平坦な下地に仕上げ塗材の吹きつけることによって形成された凹凸面あるいはエンボス加工された凹凸のある基材の両者を含む)に対して、その表面を塗り分ける発明がいくつか存在した。
例えば、特許文献1として示す特公昭51−11861号公報に記載される発明では、着色材料により凹凸面を有する下塗り層を設け、凸部頂を平面にした後、平面部に着色層を設け、全面に透明塗料を施すことで、凸部とその他の部分に色調の異なる仕上げ面を形成している。
特公昭51−11861号公報(特許請求の範囲、図面)
別に示す、特許文献2としての特開平11−235775号公報には、凹凸形状を有する基材に対して、全面に第1下地乾燥塗膜の形成、その凸部のみに第2下地乾燥塗膜の形成を行った後、その凹凸の頂部に当たる部分に存在する微少な凹凸の凹部に部分的な凹部着色塗料による色付けを行ったり、更に微少凹凸の頂部に凹部着色塗料とは異色の凸部着色塗料による塗装、クリヤー塗料の塗装を行ったりしている。
特開平11−235775号公報
凹凸のある下地面のその凸部のみに着色を行うことは、そのローラーの選択はもとより、ロールコータを代表とする機械塗装ではロールコータのクリアランスを調整することにより、比較的に容易に設定できた。ところが、建築現場において既存の壁面、床面等が既にできあがった状態において、そのような仕上がり面を得ることには、ローラの条件、塗料の条件、塗装の条件を整える必要があった。そして、そのような仕上がり面を誰でもが容易に形成できることが望まれていた。
また、特許文献2に開示される仕上がり面とは、仕上がり感の異なる意匠の要求も市場には存在した。
この出願に係る請求項1の発明では、凹凸形状面を有する被塗物に対し、凹部色を形成する下塗り塗料を全面に塗布し、次に下記構成Aの特徴を有する塗料を用い、下記構成Bのローラを用い40〜200g/mの塗布量による塗装を行い、凹凸形状面の凸部のみの着色をなした後、下記構成Cの特徴を有する上塗り塗料を150〜300g/mの塗布量により被塗物全面に塗装することを要旨としている。
なお、上記構成A、同B、同Cは、以下の通りである。
構成A:B型粘度計による粘度が5,000〜10,000Pa・s、Ti値が3〜6にあること
構成B:厚みが5〜20mmのスポンジ層を持ち、荷重による変形量が0.5kgの加重においては3〜4.5mm、2kgの加重においては8〜12mmの範囲内にあること
構成C:粒の大きさが20〜210μmにあるプラスチック粉を塗料中に0.5〜10重量%含むクリヤー塗料であること
次に、請求項2の発明では、請求項1の発明において、凹凸形状面がタイル貼り模様あるいは石積み模様となる幅のある目地部を有することを要旨としている。
同様に、請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明において、凹凸形状の高低差が1〜10mmにあることを要旨としている。
請求項4の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、構成Cの塗料が、40〜210μmのプラスチック粉に加え、最大粒径0.5〜2.0mmにある有色粒子を塗料中に1〜5重量%含むものであることを要旨としている。
まず、この発明は建築物の壁面、床面、天井面あるいは構築物の表面、家具、什器の表面に複数色による塗り分け模様を形成する仕上げ方法を提供することにある。また、塗装機械の調整が容易にできる工場生産は勿論のこと、既に下地となる面が固定された状態あるいは、組み立てられた状態においても利用可能となる。
下地となる凹凸形状面とは、厚付け可能な塗材によって形成された凹凸あるいは板状体そのものにエンボス加工により形成された凹凸の両者があるが、その形成方法は問わない。別の手段である機械加工により形成された凹凸であっても構わない。
その凹凸の大きさは、1〜10mmにあることが好ましく、より好ましい範囲としては、2〜5mmである。この数値が1mm未満であるときには、構成Bのローラを用いて凸部のみの塗装を行う際に、押さえる力加減に技量が必要となり、凸部だけの着色が困難となる。また、逆の場合である10mmを超える場合も可能であるが、それだけの凹凸を形成するためには下地となる塗材あるいは板状体の厚みを大きくすることとなり、不経済となる。
凹凸形状面には、タイル貼り模様あるいは石積み模様となる幅のある目地部が形成されていることが望ましい。このような模様における目地部は、凹部色を明確に表すこととなり、タイル貼り模様あるいは石積み模様の存在を強調することができる。目地幅は、2〜15mmが好ましくは4〜8mmにあるものが、塗装の効率と目地以外の部分とのバランスの点から良い。
下塗り塗料は、被塗物の凹部色を形成するために用いられる塗料であり、被塗物に対し密着性の問題のない塗料であれば限定無く使用可能となる。アクリル樹脂塗料、アクリル−ウレタン樹脂塗料、アクリル−シリコン樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料などが例示される。これらの塗料は溶剤系塗料であっても水系であっても、被塗物に問題を生じることが無ければ、どちらであっても良い。
下塗り塗料の塗装に当たっては、ローラによるローラ塗装、エアースプレーガンあるいはエアレススプレーガンによるスプレー塗装が好ましく用いられる。その時の塗布量は、用いられる塗料の標準的な塗布量でよく、通常は100〜300g/mである。
この下塗り塗料による乾燥塗膜が形成された後に、凸部着色用塗料の塗装を行う。この時に利用される塗料も、先に利用した下塗り塗料と同種の塗料を用いれば良く、異種の塗料を用いる場合には、その密着性に問題ないことを確かめた後、利用することができる。ただし、凸部着色用塗料と下塗り塗料は異色の関係にあることが必要であり、加えて人が被塗物を数メートル離れた位置より見てその色差を認識できるものが良い。
凸部着色用塗料は、次に説明するローラとも関連するが、その塗料粘度をB型粘度計による測定値が5,000〜10,000Pa・s、チクソトロピックインデクス:Ti値が3〜6とするのが良い。この粘度が5,000Pa・s未満である時には、構成Bのローラに対する含み量が小さくなり、一回の塗料含み当たりの伸びが小さくなったり、凸部着色に利用した塗料が垂れたりするので良くなく、また、10,000Pa・sを超えるとローラに対する含み量が多くなり模様凹部である目地部に塗着したり、塗面にローラ跡が生じやすくなり良くない。Ti値についても、3未満であるときには、塗料が垂れ易く、一回の塗料含み当たり伸びが悪くなり、6を超えると平滑さが得られづらく、ローラ跡が塗装面に生じやすくなる。ここに言う塗料の伸びとは、ローラに塗料を適量含ませた後に塗装が可能となる面積の大小を指し、大きいものを良い、小さいものを悪いと言う。
凸部着色用塗料を塗りつけるための手段であるローラは、スポンジ部分の厚みが5〜20mmにあり、荷重による変形量が下記条件の範囲にある円筒状のスポンジローラである。そして、このローラは、塗装時の塗りつけ幅が約10cm(4インチ)〜約23cm(9インチ)にあるハンドローラであり、原則として人手により塗装される。もう一つの寸法である円筒の直径は、5〜8cmにて製作される。勿論、工場における機械塗装においても利用は可能であり、その場合はスポンジローラの押さえ圧力、被塗物への食い込み量の調整が機械的に可能となるため、より均一な塗装仕上がり面が得られることとなる。
このスポンジローラのスポンジ部分の厚みが5mm未満にある時には、スポンジへの塗料の含み量が小さくなり、一回の塗料含みによる塗りつけられる面積が小さくなる。また、ゴム硬度との関連があるが、凹凸形状面の凸頂部のみの塗りつけになることもある。凸頂部のみの塗りつけになると凸部平坦部に窪みがあったりするとその部分は下塗り塗料色が残ることとなる。
スポンジ部分の厚みが20mmを超えると塗りつけ時にスポンジが大きく窪むこととなり、凹凸の形状によっては被塗物の凹部にも凸部着色用塗料を塗りつけてしまうことも生じる。また、ローラ全体が大きなものとなり、使い勝手が悪くなり塗装作業性を低下させる不都合も発生する。
ローラのスポンジ部分のゴム硬度に相当する荷重による変形量は、2種類の荷重による変形量により特徴部分を定めた。また、塗料を含ませた状態が基準となるので、ローラの変形量が乾燥状態と湿潤状態では大きく異なるものにあっては、塗料溶媒に同じ、例えば水あるいはシンナーにより湿らせた状態において、その変形量の測定を行うようにした。
そして、その変形量であるが、0.5kgの加重においては3〜4.5mm、2kgの加重においては8〜12mmの範囲内にあることが良い。この変形量は円筒状のローラに負荷を与えた時の変形量であるので、ローラ素材であるスポンジが面状となっている場合には、ほぼ半分の値が得られるものである。
この2つの加圧力は手作業によるローラ塗りを行った時、被塗物の大部分を占める凸部に掛かる力と、凹凸模様の境界部分を明瞭に塗り分けするための指標的な力としている。この発明では、全面を塗りつけた時には変形量が中間的な数値を示し、凹凸模様を含む部分を塗りつけた時には、その微少な凹凸模様への追従性が得られるように、大きめな数値を示すものとなっている。
ここでその測定方法であるが、肉厚のある円筒状のローラを、円筒の中心軸線が圧縮力の加圧方向と直交するように、かつ、塗料を塗り付ける巾方向の中間位置が圧縮力の中心となるように試験器にセットし、直径10cmの加圧面により圧縮力が加えられ、2mm/分の圧縮速度により圧力の増加を行うものである。ローラの内側の芯になっている紙管が圧縮力2.5Kg程度にて変形してしまうので、負荷0から2.1Kgまでの加重を行い、その途中の数値である0.5Kgと2.0Kgの加圧力となった時の変形量を読みとることとした。
この荷重による変形量であるが、0.5Kg荷重試験の値が3.5mm未満のものは、凸部模様中に小さめの凹凸がある時のその微少凹部への追従がし辛くなり、斑が発生したり塗り残しが生じたりすることとなる。2.0Kg荷重試験の値が8mm未満のものは変形の手応えが小さく、ローラ塗布時の押圧力が大きめとなり凹部模様部分まで塗り込めてしまう原因となる。逆に12mmより大きいものでは、ローラ塗布時の押圧力の調節が難しくなり、この場合も凹凸模様境界の均一が得られ辛くなったり、凹部模様部分まで塗りつけてしまうこととなる。




スポンジ層を形成する素材としては、種々の合成樹脂あるいは合成ゴムが用いられ、その素材として合成樹脂では、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ABS、ポリビニルホルマール、アクリル樹脂、シリコン樹脂が、合成ゴムでは、アクリルゴム、ニトリルゴム、アクリルニトリルゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコンゴムが例示される。
前記した凸部着色用塗料を、前記したローラに含ませて、下塗り塗料が被覆層を形成した被塗物に対して塗装する。その塗布量は、平坦な下地に対して塗りつけたとき、40〜200g/mとなるものである。この塗布量は塗料が湿潤状態における重量の測定値である。そして、この塗布量が40g/m未満であるときには、隠蔽力が小さくなり、下塗り塗料の色が透けて表れることもある。また、200g/mを超えるときは、塗料が垂れる原因となる。
次に、被塗物全面に塗装される上塗り塗料は、クリヤー塗料にあってプラスチック粉を0.5〜10重量%含む塗料である。クリヤー塗料であるので、塗膜を形成したとき、プラスチック粉以外の部分では下塗り塗料および凸部着色用塗料の色をみせることとなる。
配合されるプラスチック粉は、主たる成分を、ポリメタクリル酸メチル樹脂を代表とするアクリル樹脂を主成分とするものであり、顔料あるいは染料により着色されたものである。顔料と染料では、その耐久性から無機顔料が好ましく用いられる。無機顔料の種類としては、酸化チタン、亜鉛華、鉄黒、カーボンブラック、べんがら、黄色酸化鉄、黄土、紺青、群青、クロムグリーン、酸化クロム等が例示される。
プラスチック粉の大きさは、平均の大きさを40〜210μmとするものであり、粉粒の範囲としては、5〜297μmに収まることが望ましい。
このプラスチック粉の平均粒子径が、5μm未満の粉末となると、目視による確認ができず、プラスチック粉を添加した意匠付与効果が認められない。また、297μmを超える粉末となった時は、凸部着色用塗料の色よりもプラスチック粉の色の主張が強くなり、凸部と凸部以外の部分の塗り分けが不鮮明となる。
プラスチック粉は上塗り塗料中に、0.5〜10重量%、好ましくは1〜4重量%配合するのが良い。この配合量が0.5重量%未満ではプラスチック粉を混合していることが分かり辛くなり添加されていることが人目に付かない。また逆に、10重量%を超えるときはクリヤー塗料に含まれるプラスチック粉によって、クリヤー塗料による塗膜中の占有面積が大きくなりすぎて、下塗り塗料及び凸部着色用塗料の色を隠してしまうこととなる。
プラスチック粉の配合において、前記した平均の大きさが40〜210μmにあるものに加えて、最大粒径が0.5〜2mmにある有色粒子を配合することができる。この場合は、粒の大きさが大きくなることもあって、配合できる量範囲は、クリヤー塗料中に1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%である。この範囲にあるとき、粒の小さな粉と大きめの粉の両者の存在を表現することが可能となる。
有色粒子には、天然石やその砕石,珪砂あるいは寒水砂に着色した着色骨材 ,着色プラスチック砕粒あるいは着色プラスチックの細粒,ガラス粒,セラミック粒から適宜選択したものが利用される。
有色粒子を配合させるとき、単色となる有色粒子であるよりも複数色となる有色粒子を用いるのが良い。これは、有色粒子の色調によっては、下塗り塗料色あるいは凸部着色用塗料色に色の同化現象を生じさせる可能性がある。有色粒子が単色であり、かつ下塗り塗料色あるいは凸部着色用塗料色が近似した色調の場合は、有色粒子の存在そのものが分かりづらくなる。
請求項1に記載の発明によれば、凹凸のある下地面に対して、凸部と凹部とが異色となった仕上げ面を容易に、かつ確実に形成することができるという利点がある。また、全面に被覆することとなるプラスチック粉含有クリヤー塗料のプラスチック粉が凹部の下塗り塗料色と凸部着色用塗料色とのコントラストを生むこととなり、独特の風合いを発生させる効果がある。
請求項2に記載の発明によれば、表面の模様がタイル貼り模様あるいは石積み模様であることにより、タイル部分あるいは石積み部分を明瞭に色分けすることが可能となる。あたかも、厚みのあるタイル、石材を貼り付けたような仕上がり感を得ることができるという利点がある。
請求項3に記載の発明によれば、凹凸形状面の高低差が1〜10mmであることにより、色分けとなる仕上げ塗装を確実に実施することができるという利点がある。また、高低差が2〜5mmであるときには、色分けとなる塗装が容易となり、経済的に凹凸の奥行きのある仕上り感を形成させることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、仕上がり感においてプラスチック粉の存在を正面近傍のみならずある程度の斜視条件においても視認でき、正面から見たときの風合いと斜めから見たときの風合いのそれぞれを楽しめるという利点がある。
以下に、この発明の仕上げ方法の詳細を説明する。
図面の図2には、この発明を凹凸のある板状体に対して実施した際、得られることとなる化粧仕上げのある板状体の断面を示している。図中、符号1が被塗物である基板、2が下塗り塗料、3が上塗り塗料、4が上塗り塗料、5が上塗り塗料に含まれるプラスチック粉である。図1は下塗りのみ塗装が終わった状態における板状体の断面図である。
実施例1では、目地巾が4〜6mmにある5cm角程度の石積み風の窯業系サイディングに対してこの発明の仕上げを実施した。窯業系サイディングにある石積みに似せた凹凸模様では、概ね45角のタイルを5mm幅の通し目地を設けて貼り付けたものとなっている。そして、目地底からタイル部分までの高低差は少ないところで2mm、大きいところで4mmとなっている。即ち、タイル部分には2mmの高低差のある凹凸が滑らかに形成されたものとなっている。
下塗り塗料には水系のエマルション塗料である菊水化学工業(株)製の水系ファインコートシリコンの灰色を200g/m2度塗りにより塗装した。塗装にはエアースプレーガンを用いた。
次に、下記配合1による茶色の水系のエマルション塗料を準備し、スポンジローラを用いて下地であるサイディングの頂部のみの着色を行った。この時、着色される凸部とは石ユニットの全面となる。
塗装に用いた実施ローラ1のスポンジローラは、ポリビニルホルマール製であった。そして、このローラの荷重による変化量は、上記した試験方法により0.5Kgfの時3.9mmであり、2.0Kgfの時11.0mmであった。
また、比較ローラ1として多孔質ローラの一つである粗目の砂骨ローラ、比較ローラ2として細めの砂骨ローラ、比較ローラ3としてポリウレタン製のスポンジローラを用意した。それぞれの荷重に対する変形量は以下の通りである。
Figure 0005075525
凸部着色用塗料の、塗装時における粘度は5000Pa・s、そのTI値は3.5であった。スポンジローラによる塗布量は、塗装予定となる窯業系サイディング板を所定面積切り取り、その裏面に塗布した時の塗布量をもって塗装時の塗布量とする。
配合1
合成樹脂エマルション(樹脂固形分 50%) 40重量部
白色顔料(酸化チタン) 20重量部
体質顔料 10重量部
湿潤剤、分散剤 2重量部
造膜助剤 4.5重量部
消泡剤 0.5重量部
増粘剤 1.5重量部
その他の添加剤(防腐剤、防黴剤、他) 0.5重量部
着色顔料(オーカー、ベンガラ、カーボン黒) 10重量部
配合水 適宜
なお、合成樹脂エマルションの配合量は、分散媒の水を含む重量である。
凸部着色用塗料を塗装し、乾燥させた後、下記配合2による上塗り塗料をエアースプレーガンの一種であるじゅらくガンを用い、100g/m塗装した。
配合2
合成樹脂エマルション(樹脂固形分 50%) 60重量部
湿潤剤、分散剤 0.2重量部
造膜助剤 7重量部
消泡剤 0.5重量部
その他の添加剤(防腐剤、防黴剤、他) 0.5重量部
プラスチック粉(黒色、平均粒径100μm) 1.5重量部
プラスチック粉(白色、平均粒径100μm) 1重量部
配合水 適宜
実施例1の仕上げ方法により得られた化粧板は、凸模様部と目地部分では明確に色調が異なり、かつプラスチック粉を含む上塗り塗料により鉱物感を付与した仕上がりが得られた。
比較例1では、凸部着色用塗料の性状値において粘度が小さい4000Pa・sにある塗料を用い、他は実施例1と同じ条件により仕上げを行った。
比較例2では、凸部着色用塗料の性状値において粘度が大きい12000Pa・sにある塗料を用い、他は実施例1と同じ条件により仕上げを行った。
比較例3では、凸部着色用ローラを比較ローラ1にあるものを利用し、凸部の着色を行った。他の条件は、実施例1と同じである。
比較例4では、凸部着色用ローラを比較ローラ2にあるものを利用し、凸部の着色を行った。他の条件は、実施例1と同じである。
比較例5では、凸部着色用ローラを比較ローラ3にあるものを利用し、凸部の着色を行った。他の条件は、実施例1と同じである。
比較例6では、上塗り塗料に配合されるプラスチック粉に換えて、平均粒子径が100μm(粒度範囲としては53〜210μm)にある着色珪砂8号、黒色と黄色を用い仕上げを行った。他の条件は、実施例1と同じである。
実施例2では、実施例の上塗りに添加されるプラスチック粉に加え、有色粒子として着色アルミナからなる平均粒子径が500μmと355μmからなる粒子を、大きめの粒を1重量%、小さめの粒を2重量%含ませるようにした。また、有色粒子の色調は黒色と白色を等重量混合したものである。
比較例1では、凸部着色用塗料が目地部分に垂れてしまい、目地色が明瞭にならないことと、凸模様部分に透けが生じたものとなった。
比較例2では、ローラの塗料含み量が多くなりすぎ、目地の谷部分にまで凸部着色用塗料が塗着する部分が発生した。
比較例3および比較例4では、凸部着色用ローラに塗料が含まれることがなく、均一な塗装が不可能であった。
比較例5では、凸部着色用ローラに塗料は含まれるものの、気泡を巻き込み易く、その気泡が塗りつけた塗膜中にも残るものとなり、凸部着色が平滑さに欠くものとなった。また、ローラへの塗料含み量が大きくなり、目地の谷部分を汚すことになった。
比較例6では、着色珪砂の沈降が生じ易くなり、塗装作業を行う際に塗料の均一さを確保するための攪拌時間が長く必要となった。また、攪拌不足の場合は、着色珪砂の不均一による上塗り塗料の斑が生じ、仕上がり面全体が斑があるようにもなってしまうこととなった。
実施例2では、凸部着色までは実施例1と同じとし、上塗り塗料に下記配合3によるものを利用した。上塗り塗料の塗装は、実施例1と同じくじゅらくガンを使用し、その塗布量は100g/mとした。
配合3
合成樹脂エマルション(樹脂固形分 50%) 60重量部
湿潤剤、分散剤 0.2重量部
造膜助剤 7重量部
消泡剤 0.5重量部
その他の添加剤(防腐剤、防黴剤、他) 0.5重量部
プラスチック粉(黒色、平均粒径100μm) 1.5重量部
プラスチック粉(白色、平均粒径100μm) 1重量部
アルミナ粒子(黒色、平均粒径500μm) 1重量部
アルミナ粒子(白色、平均粒径500μm) 1重量部
アルミナ粒子(黒色、平均粒径350μm) 2重量部
アルミナ粒子(白色、平均粒径500μm) 2重量部
配合水 適宜
実施例2の仕上げ方法により得られた化粧板では、実施例1の方法による化粧板に比べ、凸模様部と目地部分の色調の明確さはもとより、仕上げ面に微少な凹凸が付加され、より自然な鉱物感が得られるものとなった。
基板に対し下塗り塗料のみ塗装した状態の化粧板断面図 この発明の仕上げを行った化粧板断面図
符号の説明
1 基板
2 下塗り塗料
3 凸部着色塗料
4 上塗り塗料
5 プラスチック粉

Claims (4)

  1. 凹凸形状面を有する被塗物に対し、凹部色を形成する下塗り塗料を全面に塗布し、次に下記構成Aの特徴を有する塗料を用い、下記構成Bのローラを用い40〜200g/mの塗布量による塗装を行い、凹凸形状面の凸部のみの着色をなした後、下記構成Cの特徴を有する上塗り塗料を150〜300g/mの塗布量により被塗物全面に塗装することを特徴とする塗り分け模様のある仕上げ方法。
    構成A:B型粘度計による粘度が5,000〜10,000Pa・s、Ti値が3〜6
    構成B:厚みが5〜20mmのスポンジ層を持ち、荷重による変形量が0.5kgの加重においては3〜4.5mm、2kgの加重においては8〜12mmの範囲内にあること
    構成C:粒の大きさが40〜210μmにあるプラスチック粉を塗料中に0.5〜10重量%含むクリヤー塗料
  2. 凹凸形状面がタイル貼り模様あるいは石積み模様となる幅のある目地部を有することを特徴とする請求項1に記載の塗り分け模様のある仕上げ方法。
  3. 凹凸形状の高低差が1〜10mmにあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗り分け模様のある仕上げ方法。
  4. 構成Cの塗料が、40〜210μmのプラスチック粉に加え、最大粒径0.5〜2.0mmにある有色粒子を塗料中に1〜5重量%含むものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗り分け模様のある仕上げ方法。

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