JP3400878B2 - 自然石調塗装方法及びそれに用いる自然石調塗料組成物 - Google Patents

自然石調塗装方法及びそれに用いる自然石調塗料組成物

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JP3400878B2 JP32936494A JP32936494A JP3400878B2 JP 3400878 B2 JP3400878 B2 JP 3400878B2 JP 32936494 A JP32936494 A JP 32936494A JP 32936494 A JP32936494 A JP 32936494A JP 3400878 B2 JP3400878 B2 JP 3400878B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物、土木構築物、
遊戯施設等の内外壁面、床面、天井面、屋上面に、自然
石調の模様を施すための塗装方法または塗料組成物に係
るものであり、特に、自然石調を呈したボリューム感あ
ふれる塗装面を安価に形成する積層塗膜およびその上塗
用塗料組成物を提供するものである。
【0002】
【従来技術】建築物の表面化粧材として自然石が多く用
いられており、天然物特有の深みのある落ち着いた色調
が広く好まれている。しかし、自然石は、高価であるこ
と、加工しにくいこと、高重量であることなどの欠点が
多く挙げられる。特に、高重量、加工しにくい点は、建
造物の外壁面などへ化粧材として用いる場合は施工性、
安全性に多くの問題があった。そこで、近年、このよう
な自然石の欠点を除き、安価でかつ簡単に施工できる自
然石調の塗料や塗装方法などが提案されている。例え
ば、特開昭57−27177公報には、天然石模様を
表現した装飾壁面仕上法として、アクリル樹脂エマルシ
ョンと大理石粉、御影石粉等の2色以上の骨材を混合し
てなる吹付け材を吹付けて、段差の大きい凹凸模様を形
成して、乾燥後凸部の頂面を平坦にカットして、カット
面に着色骨材断面を露出させ、次いで全面を透明なアク
リル系又はアクリル−ウレタン系樹脂でコーティングし
て仕上げる装飾壁面仕上法が記載されている。また、特
開昭58−96664公報には、天然石模様を形成す
る被覆組成物として、特定の光透過率を有する骨材とほ
ぼ無色透明な被膜を形成する結合材からなる組成物が記
載されている。これは、骨材を結合材で結合したことに
より、自然石に近い模様とボリューム感が得られるもの
である。その他、特開昭59−210150号公報には
建築物及び塗布方法として、顔料とともに焼成し、かつ
粉砕したセラミックスを、合成樹脂中に混入してなる混
合材の異なる色のものを複数種用意し、該複数種の混合
材を多頭ガンの別個の吹き付け口から同時に吹き付け
て、非混合多色状に表面上に塗布させる方法が記載され
ている。さらに、特開昭58−119376号公報に
は、釉薬調および/またはみかげ調塗装面の形成方法と
して、被塗装面に色調および/または透明度の異なる少
なくとも2種の塗料を塗装するに際し、各塗料を吹き付
け過程あるいは塗布した被塗装面において不均一状に混
合させるために、多頭ガン、単頭ガン、両者の併用によ
り塗装するものである。この場合に多頭ガンは色調の異
なる材料を同時に別個の吹き付け口から塗装し、単頭ガ
ンは色調の異なる塗料を二工程以上により塗装する方法
が記載されている。他には、特開昭64−11673号
公報には、基材表面に予め下塗塗料を塗布し指触乾燥も
しくは乾燥させた後または基材表面に直接に、前記下塗
塗料または基材とは色調がことなり、かつ相互にそれぞ
れの色調も異なり、低固形分含有率の中塗塗料の数種を
それぞれ粒状不連続被膜を形成するように塗布し、前記
各不連続被膜はそれぞれの被膜形成後指触乾燥または乾
燥し、最後の乾燥で全塗膜を完全乾燥するものである。
この場合に色調の異なる中塗塗料はそれぞれ別個にスプ
レーガンによって塗装する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特定の
骨材や着色セラミックス骨材を模様形成材料として用い
た場合には、自然石のような大柄の模様を形成しがた
く、また大柄にするために無理に骨材の粒径を大きくす
ると塗料中で骨材が沈降したり、数色の骨材を適当に分
散することが困難になってしまう。また、骨材入り塗料
を使用することにより、より自然石に近いものは得られ
るが、用いる塗料の重量が大きいものとなり、塗装作業
も重労働であった。また多色仕上げを行う場合は、1色
目を吹き付けた後に、異色の骨材入り塗料を重ね塗り
し、またさらに重ね塗りしていく等の工程を行っていく
が、この際、重なり部分がむらになるなどの施工上の問
題点があった。また多頭ガン等の特殊な塗装用ガンを使
用する場合は、異色の骨材入り塗料を同時に塗装する必
要があり、塗装技術の熟練と高重量による取り回しの悪
さが問題であった。また、塗装した際に凹凸感が出てく
るのを、より天然石材に近づけるため、表面をサンダー
等で削り、平滑にする処理を行う場合は、工程数が増大
していき、仕上作業の効率は、一般塗料による仕上げと
比べると格段に悪くなっていた。そのため、人件費等の
施工費も増大していた。それに加え、骨材入り塗料はそ
れ自身を厚付けするため、一般塗料と比べて単位面積あ
たりの材料費が非常に高価になるという問題もあった。
次に、色調および/または透明度の異なる少なくとも2
種の塗料を不均一状に混合するように塗装する方法で
は、前記同様に多頭ガンという特殊な塗装用ガンを使用
する場合の問題点があるのと、単頭ガンを使用する場合
には少なくとも2種の塗料は数回に分けて塗布するた
め、特定部分に同一色が重なる等の塗装むらが生じ、美
しく仕上げるには塗装職人の技量によるところが大きか
った。また、天然石材の模様は、母材全体の色相に対し
て模様となる部分が散在するような外観であるが、この
背景色と模様色を塗装によって形成するには、背景とな
る塗料と模様となる塗料の比率、吹付粒子の大きさ等の
微妙な条件設定が必要であり、これを色相の異なる塗料
と多頭ガンや単頭ガンの使用によって調整するのは困難
であった。次に、基材表面に予め下塗塗料を塗布し、さ
らに下塗塗料または基材とは色調がことなり、かつ相互
にそれぞれの色調も異なり、低固形分含有率の中塗塗料
の数種をそれぞれ粒状不連続被膜を形成するように塗布
する方法では、前記同様に色調の異なる中塗塗料は数回
に分けて塗布するため、特定部分に同一色が重なる等の
塗装むらの問題があり、また、この方法も天然石材の背
景色、模様色のような外観を形成するための条件設定が
困難であった。したがって、本発明が解決しようとする
課題の1つは、従来の骨材入り塗料を用いなくても、自
然石調の風合いをかもしだし、ボリューム感あふれる積
層塗膜を安価に形成することができる自然石調塗装方法
を提供することである。また、その他の課題としては、
特定の下塗層に対して、特定の物性の自然石調塗料を塗
装することにより、自然石調でありながら、可撓性を有
する塗膜を提供することである。その他、特殊な塗装用
ガンを使用する場合の問題点がなく、一回の塗装により
模様色と背景色とを付与でき、またそれら模様色や背景
色の大きさ、色相の調整が容易である塗料組成物を提供
するものである。また、下塗層や、模様色、背景色の色
差を特定の範囲に設定することにより、自然石の中でも
特に御影石調の風合いをかもしだすことのできる塗装方
法および塗料組成物を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような問題点を解決
するために、本発明者らは鋭意研究の結果、自然石材は
母材全体の色相に対して模様となる部分が散在するよう
な外観であるため、この母材全体を背景色、模様となる
部分を模様色と位置付け、透明の分散媒に、分散相とし
て着色した粒子が分散している多彩模様塗料が、一回の
塗装により着色粒子の色数の模様を形成する多彩模様塗
膜を形成する点に着目し、下塗層との組み合わせによ
り、高価で作業工程の複雑な骨材入りの天然石調の専用
塗料を使用しなくても、自然石調の仕上げが可能である
ことを見出し本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、1.CIE 1976 L * a *
b * 色空間における色差ΔE(以下「ΔE」という。)
の最大値が5〜10になる複数色からなる粒子径分布が
1mm〜15mmの模様色形成分散相粒子と、該模様色形成
分散相粒子を粒子状態で分散可能な透明の分散媒を、主
要構成成分とする自然石調塗料組成物を、該模様色形成
分散相粒子それぞれとのΔEのうち、最小値が0.1〜
1になる色相の下塗層上に塗装することを特徴とする自
然石調塗装方法。2. 色差ΔEの最大値が5〜10になる複数色からなる
粒子径分布が1mm〜15mmの模様形成分散相粒子と、該
模様色形成分散相粒子それぞれとの色差ΔEのうち最小
値が0.1〜1になる粒子径分布が0.001mm〜1mm
の背景色形成分散相粒子と、該分散相粒子を粒子状態で
分散可能な透明分散媒を主要構成成分とする自然石塗料
組成物を、下塗層上に塗装することを特徴とする自然石
調塗装方法。使用する自然石調塗料組成物を特定の組成
物としたものを提供する。および、項1、2記載の下塗
層が特定のものであるものや、自然石調塗料組成物が特
定の組成であるものを提供する。3. 複数色からなり、その構成樹脂のガラス転移温度
(以下「Tg」という。)が10℃〜60℃である、粒
子径分布が1mm〜15mmの模様色形成分散相粒子と、該
分散相粒子を粒子状態で分散可能な透明の分散媒を、主
要構成成分とする自然石調塗料組成物を、引張強度が3
0N/cm2 以上、塗膜の伸び率が100%以上、透水量
が0.5ml/24h 以下である弾性塗膜表面に塗装するこ
とを特徴とする自然石調塗装方法。および、項3におい
て模様色形成分散相粒子の色差ΔEと、該模様色形成分
散相粒子それぞれと下塗層との色差ΔEを特定の値に調
整したものや、4. 複数色からなり、その構成樹脂のガラス転移温度
(以下「Tg」という。)が10℃〜60℃である、粒
子径分布が1mm〜15mmの模様色形成分散相粒子と、構
成樹脂のTgが10℃〜60℃である、粒子径分布が
0.001mm〜1mmの背景色形成分散相粒子と、該分散
相粒子を粒子状態で分散可能な透明の分散媒を、主要構
成成分とする自然石調塗料組成物を、引張強度が30N
/cm2 以上、塗膜の伸び率が100%以上、透水量が
0.5ml/24h 以下である弾性塗膜表面に塗装すること
を特徴とする自然石調塗装方法。および、項4において
模様色形成分散相粒子の色差ΔEと、該模様色形成分散
相粒子それぞれと、背景色形成分散相粒子との色差ΔE
を特定の値に調整したものを提供する。5.CIE 1976 L * a * b * 色空間における色差ΔEの最
大値が5〜10になる 複数色からなる粒子径分布が1mm
〜15mmの模様色形成分散相粒子と、該模様色形成分散
相粒子それぞれとのΔEのうち、最小値が0.1〜1に
なる粒子径分布が0.001mm〜1mmの背景色形成分散
相粒子と、該背景色形成分散相粒子を粒子状態で分散可
能な透明の分散媒を主要構成成分とする自然石調塗料組
成物。および、その自然石調塗料組成物を下記特定の組
成としたものを提供するものである。分散相および分散
媒が、(a) ポリビニルアルコール水溶液、(b) 酸価を有
するビニル系合成樹脂と着色材料を必須成分として含有
する有機溶剤系組成物、(c)有機チタネート化合物を分
散させてなる水中油型の懸濁組成物の異色を、複数混合
したものであることを特徴とする自然石調塗料組成物。
【0006】まず、この発明の1つの形態である自然石
調塗装方法であるが、ここで使用されるΔEの最大値が
5〜10になる複数色からなる粒子径分布が1mm〜15
mmの模様色形成分散相粒子と、該分散相粒子を粒子状態
で分散可能な透明の分散媒を、主要構成成分とする自然
石調塗料組成物は、一般に内外装用の多彩模様塗料とし
て使用されるものから選ばれ、このような構成を持つ多
彩模様塗料組成物であれば特に限定はされない。ここ
で、粒子径分布が0.001mm〜1mmの背景色形成分散
相粒子は、自然石調塗料組成物を塗装する下塗層に着色
が施されている場合は、配合しなくても良いが、下塗層
に着色が施されていない場合は、背景色形成分散相粒子
を配合する必要がある。これは、下塗層に着色が施して
ある場合、下塗層が背景色となりうるためである。模様
形成する分散相粒子の粒子径分布は1mm〜15mmである
が、この範囲を越えると、自然石調とはいいがたい単な
る多彩模様感しか表出できない。特に、この模様色形成
分散相粒子の粒子径分布が2mm〜8mmとなるようにする
のが好ましい。また、必要によって配合する背景色を形
成する分散相粒子の粒子径分布は0.001mm〜1mmで
あるが、模様形成粒子と背景色形成粒子の粒子径分布が
規定範囲を越えると、模様色と背景色の区別ができなく
なり、同様に単なる多彩模様感しか表出しないことにな
る。特に、この背景色形成分散相粒子の粒子径分布が
0.05mm〜0.5mmとなるようにするのが好ましい。
模様形成粒子と背景色形成粒子を同時に配合する場合、
各粒子の塗料全体に占める容積は、模様形成部分と背景
色形成部分の比率で10:1〜10:5が望ましい。ま
た、その他、配合する模様形成部分の各色の容積比率は
1:1〜1:50が望ましい。2色以上の複数色の場合
には、任意の2色がこの関係であることが望ましい。さ
らに、主要構成成分の1つである該分散相粒子を粒子状
態で分散可能な透明な分散媒は、分散媒が透明性に欠け
る場合、模様形成部分や背景色形成部分の表面に重な
り、せっかくの多彩模様を阻害する事となるため、実質
的に乾燥塗膜となった時に透明である必要がある。但
し、透明感を維持し、多彩模様感を阻害しない範囲にお
いて、適宜、分散媒を着色することは可能である。この
ような自然石調塗料組成物は塗装した際の圧力により、
模様形成粒子と必要によって配合される背景色形成粒子
が潰れて自然石調模様を形成する。したがって、塗装時
に粒子が潰れる程度の圧力がかかる塗装機によって塗装
することが必要であり、このような塗装機としては、吹
き付け型塗装機が望ましい。特に一般的に使用されるH
Sスプレーガンや、万能ガン(例えば、株式会社明治機
械製作所製「SGS−2」など)がより望ましい。
【0007】この、自然石調塗料組成物は上記のような
構成であれば特に限定はされないが、具体例としては、
例えば特開昭54−87738号公報に、「アクリル樹
脂の中和物またはマレイン化ポリブタジエン系重合体の
中和物を乳化剤として重合性ビニル単量体を乳化重合し
て得られる水分散性ビニル系重合体と該アクリル樹脂の
中和物との混合物を主要成分とした着色水性塗料からな
る分散相を、ポリアミノカルボン酸誘導体に合成樹脂エ
マルションおよび/または着色合成樹脂エマルション塗
料を混合してなる分散媒中で撹拌分散し、分散粒子表面
をゲル化させて水分散体とした水性多彩模様塗料」とし
て記載されている多彩模様塗料で上記規定に該当するも
の、特開平1−289877号公報に、「(1)水系塗
料中に該塗料の分散媒に対し相溶性のない着色剤粒子及
び液体含浸性のない中空状粒子を分散含有せしめた多彩
模様塗料。(2)前記着色剤粒子が、水に対し相溶性の
ない着色塗料を水中に懸濁分散させて得られた粒子であ
ることを特徴とする請求項1記載の多彩模様塗料。」と
して記載されている多彩模様塗料で上記規定に該当する
ものが挙げられる。特に、(a) ポリビニルアルコール水
溶液に対して、(b) 酸価を有するビニル系合成樹脂と着
色材料を必須成分として含有する有機溶剤系組成物、
(c) 有機チタネート化合物を分散させてなる水中油型の
懸濁組成物の異色を複数混合した多彩模様塗料組成物が
より望ましい。該多彩模様塗料組成物を使用することに
より、耐候性のある塗膜形成が可能となる。
【0008】また特に、CIE 1976 L* a * b * 色空間に
おける色差ΔE(以下「ΔE」という。)の最大値が5
〜10になる複数色からなる模様色形成分散相粒子を使
用し、該模様色形成分散相粒子それぞれとのΔEのう
ち、最小値が0.1〜1になる色相の下塗層に塗装した
場合、自然石の中でも特に御影石調の風合いをかもし出
すことが可能である。その他、色差ΔEの最大値が5〜
10になる複数色からなる模様色形成分散相粒子と、該
模様色形成分散相粒子それぞれとのΔEのうち、最小値
が0.1〜1になる色相の背景色形成分散相粒子を配合
した自然石調塗料組成物を塗装することによっても、同
様に御影石調の風合いをかもし出すことが可能である。
ここでいうCIE 1976 L* a * b * 色空間における色差Δ
Eとは、CIE(国際照明委員会)が1931年及び1
964年に定めたCIE-XYZ 表色系による色の表示方法を
変換して、表色系内の一定距離(色差)がどの色の領域
でもほぼ知覚的に等歩度の差を持つように定めたCIE 19
76 L* a * b * 色空間における色差である。より具体的
には、次式で定める量 L* a * b * を直交座標系にもつ
色空間において、ΔEab* で表現される色差である。
(色材工学ハンドブック1989 年11月25日発行 2.8「色
彩」の章 p190 〜 211参照) L * =116(Y/Y01/3 −16 a * =500〔(X/X01/3 −(Y/Y01/3 〕 b * =200〔(Y/Y01/3 −(Z/Z01/3 〕 (ただし、X/X0 、Y/Y0 、Z/Z0 >0.008
856、X,Y,Zは物体色の三刺激値、X0 ,Y0
0 は物体色を照明する光源の三刺激値でY0 =100
に基準化されている。)ある照明下に置かれた二つの物
体色の色差は、それぞれの三刺激値X1 ,Y1 ,Z1
2 ,Y2 ,Z2 から上式によりL1 * ,a1 * ,b1 * 及び
L2 * ,a2 * ,b2 *を求めこれらを用いて色差を次式で計
算する。 ΔEab * =〔( L1 * −L2 * )2+( a1 * −a2 * )2+(b1 * −b2 *21/2 実際には色差計を用いて二つの物体色の色差を測定す
る。このような測定機器としては、例えばヤマト科学株
式会社製「色彩分析装置 C-2000 型(カラーアナライザ
ー)等が使用できる。このΔEが最大で5〜10の値に
なる複数色の分散相粒子が、塗膜化した場合に、自然石
調の模様部分を形成し、さらにそれら複数色の分散相粒
子それぞれとのΔEのうち、最も小さいものが0.1〜
1の値になるような色相の下塗層、または分散相粒子が
塗膜化した場合に背景色を形成する。ここで、下塗層
は、下地そのものの色相が上記の規定に該当すればその
まま使用可能であり、該当しない場合は塗装、練込み等
任意の方法で色相を調整することができる。このように
模様色同士および模様色と背景色の色差ΔEを該範囲に
することにより、自然石調のなかでも特に御影石調の風
合いをかもし出すことが可能になる。このときそれぞれ
の色差ΔEが規定の範囲を超えると、深みのある御影石
調の外観から遠のき、一般的な自然石調となる。
【0009】次に、自然石調塗料組成物を塗装する下塗
層とは、基材上に概ね1mm〜30mm厚、より好ましくは
経済性も勘案し2mm〜20mm厚にボリューム感を持たせ
るために形成したものであり、各種材料をこて、ローラ
ー、吹付け等の手段で塗装したものであれば特に限定は
されないが、例えば、JIS A 6910 複層仕上塗材に規定
される材料により形成される塗膜や、JIS A 6915 厚付
け仕上塗材やJIS A 6916セメント系下地調整塗材に規定
される材料により形成されている塗膜、現場にて発泡す
る発泡ウレタンにより形成されている層、軽量モルタル
により形成されている層などを挙げることができる。こ
こで挙げられる、JIS A 6910 複層仕上塗材に規定され
る材料としては、セメント、合成樹脂などの結合材及び
骨材を主原料とし、3層で、かつ、厚さ1〜5mm程度の
凹凸模様に仕上げる塗材であれば特に限定はされず、具
体的な例としては、セメント系複層塗材(複層塗材
C)、ポリマーセメント系複層塗材(複層塗材CE)、
けい酸質系複層塗材(複層塗材Si)、合成樹脂エマル
ション系複層塗材(複層塗材E)、反応硬化形合成樹脂
エマルション系複層塗材(複層塗材RE)、合成樹脂溶
液系複層塗材(複層塗材RS)に分類されるものすべて
が挙げらる。ここで、JIS A 6910 複層仕上塗材は、下
塗材、主材、上塗材の3層により構成されているが、本
発明の塗装方法で使用される自然石調塗料組成物を3層
目、つまり上塗材として用いることも可能である。よっ
て、下塗材、主材、上塗材を施した上に該自然石調塗料
組成物を塗装する自然石調塗装仕上げと、下塗材、主材
を施した上に該自然石調塗料組成物を上塗材として塗装
する自然石調塗装仕上げの両方が可能である。また、JI
S A6915 厚付け仕上塗材に規定される材料としては、
セメント、合成樹脂エマルションなどの結合材及び骨材
を主原料とし、単層でかつ、厚さ4〜10mm程度の凹凸
模様に仕上げる厚付け仕上塗材(以下、厚塗材とい
う。)であれば特に限定されず、具体例としては、セメ
ント系厚塗材、けい酸質系厚塗材、合成樹脂エマルショ
ン系厚塗材に分類されるものすべてが挙げらる。その
他、JIS A 6916 セメント系下地調整塗材に規定される
材料としては、セメント及び無機質系微細骨材を主原料
とし、主として建築物の内外装仕上工事の下地調整に使
用するセメント系下地調整塗材で、厚さ1〜3mm程度に
施工するものであれば特に限定されない。もちろん、こ
のセメント系下地調整塗材の上に該自然石調塗料組成物
を塗布する前に、コート材を塗布しても何ら問題はな
い。むしろ、防水性等の観点からもその方が望ましい。
尚、本発明におけるJIS A 6910 複層仕上塗材、JIS A
6915厚付け仕上塗材、JIS A 6916 セメント系下地調整
塗材に規定される材料とは、これらの該当規格の品質を
すべて満足するものが望ましいが、必ずしもこれらJI
S規格をすべて満足する必要はなく、各使用用途で必要
とされる通常の塗膜性能を有するものを用いることがで
きる。また、現場にて発泡する発泡ウレタンにより形成
されるものとしては、発泡型ウレタン樹脂を塗布し、現
場にて発泡させ、任意の形に成形するようなものであれ
ば特に限定はされないが、例えば、ポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール、糖質系のポリオール等
から選択される主剤と、硬化剤としての芳香族、脂肪
族、脂還族有機イソシアネート類、触媒としての有機錫
類、アミン類等、発泡剤としての水、低沸点溶剤等、整
泡剤としてのシリコーン系界面活性剤からなる二液反応
硬化型で、硬質発泡ウレタンフォームを形成するものが
挙げられる。特に、本出願人が先に出願した特願平6−
163278「発泡厚付け化粧構造及び発泡厚付け化
粧工法」によって示される、建築及び土木構造物表面、
または建築土木構造物に使用する板材等の下地材層にプ
ライマーを塗付し、プライマーの未乾燥時または乾燥後
に、孔開型枠を貼り付け、続いてポリエーテルポリール
に対して、水、触媒から成る主剤(A)と、ポリイソシ
アネートから成る硬化剤(B)、充填材(C)を混合し
た発泡型ウレタン樹脂組成物を、該型枠の孔開き部分ま
たは全面に塗付し、発泡硬化させる発泡厚付け化粧仕上
方法により、形成された面を下塗層とすることにより、
立体的な岩石調の仕上げが可能となる。ここで、この様
な発泡ウレタンフォームの上に該自然石調塗料組成物を
塗布する際、付着性に問題がある場合は、下地塗料を塗
布してから仕上げを行う方がより好ましい。その他、軽
量モルタルについては、基材に対して、一回塗りで1mm
〜30mm程度の厚塗りが可能であるモルタル組成物で軽
量のものであれば特に限定されない。具体的には、例え
ばセメント及び骨材、充填材等を含む粉体成分と、合成
樹脂エマルションからなるポリマーセメントにおいて、
軽量化のために一般の無機質充填材よりも比重が小さ
い、内部に空洞を有するような中空骨材等の軽量骨材を
使用するものが挙げられる。ここで、この様な軽量モル
タルの上に該自然石調塗料組成物を塗布する際に、コー
ト材を塗布した後に仕上げを行っても何ら問題はない。
むしろ、防水性の観点からもその方が望ましい。これら
のように厚みのある下塗層上に、該自然石調塗料組成物
を塗装することにより、骨材入りの自然石調塗料を使用
しなくても、ボリューム感あふれる自然石調の塗装面を
安価に形成することができる。また、ボリューム感をさ
らに出す方法として、目地形成型枠を使用し、目地を任
意に形成してやる方法等の方法を任意に選択することが
でき、バリエーション有る仕上方法が可能である。ここ
で言う型枠には抜き打ちの型枠や、目地棒も含む。
【0010】その他に、自然石調塗料組成物を弾性塗膜
表面に塗装することも可能である。この時の弾性塗膜を
形成する材料は、一般の弾性塗膜を形成しうる塗料であ
れば特に限定されない。この弾性塗膜を形成する塗料を
使用することにより、躯体へのクラックの追従も可能と
なり、躯体に防水性も付与でき、幅広い応用が可能であ
る。このとき、JIS K 5400 8.8「引張強さと伸び率」に
規定する引張強度が30N/cm2 以上、塗膜の伸び率が
100%以上、JIS A 6910 5.1「透水試験」に規定する
透水量が0.5ml/24h 以下の弾性塗膜を形成できる塗
料を用いることが望ましい。このような弾性タイプの塗
材としては、例えば、JIS A 6910 複層仕上塗材の防水
形、JIS A 6021 屋根用塗膜防水材に規定される各種の
塗材が挙げられるが、必ずしもこれらJIS規格をすべ
て満足する必要はなく、本発明に規定される数値を満足
するものであれば、各使用用途で必要とされる通常の塗
膜性能を有するものを用いることができる。このような
弾性塗膜を下塗層とする場合は、該分散相粒子を構成す
る合成樹脂として、ガラス転移温度(以下、「Tg」と
いう。)が10℃〜60℃のもの、望ましくは30〜4
0℃のものを使用することにより、下地の弾性塗膜への
追従が可能で、模様色や背景色形成部分の汚染性の向上
が図られる。このときにTgが10℃より低いときは表
面に粘着性が生じて汚染性の低下につながり、逆に60
℃より高いと弾性塗膜に追従できず、分散相粒子により
塗膜形成された部分にクラックを生じる。さらに前述し
たように、弾性塗膜を下塗層とする場合でも、模様形成
分散相粒子の色差ΔEを特定の値になるように調整し、
かつ、下地と該模様形成分散相粒子との色差ΔEを特定
の値となるように弾性塗膜の下塗層を着色するか、背景
色と模様色の色差ΔEを特定の値になるような背景色形
成分散相粒子を自然石調塗料組成物に配合することによ
り、弾性でありながら自然石調のうち特に御影調の風合
いを持つ全く新しい仕上が可能となる。
【0011】ところで、本発明の塗装方法では、下塗層
上に自然石調塗料組成物を塗装することを特徴としてい
るが、耐候性や耐汚染性のさらなる向上のために、さら
にトップコート材を塗装してもなんら問題はない。トッ
プコートとしては、実質的に乾燥塗膜となった時に自然
石調の風合いを阻害しないような透明感を持っているも
のであれば、特に限定はされない。例としては、特に耐
候性や耐汚染性に優れるウレタン系トップコート材、ア
クリルシリコン系トップコート材、フッ素系トップコー
ト材等が挙げられる。また、一般に用いられているよう
なトップコート材でもなんら問題はない。
【0012】また、この自然石調塗装方法により塗装を
施す基材としては、特に限定はされないが、例えばコン
クリート構造物の壁面、床面、天井面等のコンクリート
面や、ALC板、PC板、スレート板、押し出し成形
板、GRC板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、各種サ
イディングボード等の建築用乾式成形板表面や、近年乾
式塗装工法として注目されている、シート建材等が挙げ
られ、幅広い応用が可能である。その他、既に塗料によ
り塗装が施されているような面、例えば建築物の改修に
おける旧塗膜面にもこの塗装方法は応用できるが、この
場合は、旧塗膜の状態に合った処理や素地調整を行った
あとに、適宜、前述と同様の塗膜を形成するようにすれ
ば良い。
【0013】次に、本発明のもう1つの形態である自然
石調塗料組成物であるが、これは、自然石調の仕上げを
可能にする塗料の中でも、特に好ましい形態および組成
のものを示したものである。これは、ΔEの最大値が5
〜10になる複数色からなる粒子径分布が1mm〜15mm
の模様色形成分散相粒子と、該模様色形成分散相粒子そ
れぞれとのΔEのうち、最小値が0.1〜1になる粒子
径分布が0.001mm〜1mmの背景色形成分散相粒子
と、該模様色形成分散相粒子を粒子状態で分散可能な透
明の分散媒を主要構成成分とし、該分散相および分散媒
が、(a) ポリビニルアルコール水溶液、(b) 酸価を有す
るビニル系合成樹脂と着色材料を必須成分として含有す
る有機溶剤系組成物、(c) 有機チタネート化合物を分散
させてなる水中油型の懸濁組成物の異色を、複数混合し
た自然石調塗料組成物である。ここで、模様を形成する
分散相粒子の粒子径分布は1mm〜15mmであり、背景色
を形成する分散相粒子の粒子径分布は0.001mm〜1
mmであるが、模様形成粒子と背景色形成粒子の粒子径が
規定範囲を越えると、模様色と背景色の区別ができなく
なり、単なる多彩模様感しか表出しなくなり、自然石調
の風合いはなくなってくる。特に、模様色形成分散相粒
子の粒子径分布2mm〜8mm、背景色形成分散相粒子の粒
子分布0.05mm〜0.5mmになるようにすることが好
ましい。また、各粒子の塗料全体に占める容積は、模様
形成部分と背景色形成部分の比率で10:1〜10:5
が望ましい。さらに、配合する模様形成部分の各色の容
積比率は、1:1〜1:50が望ましく、2色以上の複
数色の場合には、任意の2色がこの関係であることが望
ましい。また、主要成分の1つである該分散相粒子を粒
子状態で分散可能な透明な分散媒は、透明性に欠ける場
合には模様形成部分や背景色形成部分の表面に重なり、
折角の多彩模様を阻害する事となるため、実質的に乾燥
塗膜となった時に透明である必要がある。但し、透明感
を維持し、多彩模様感を阻害しない範囲において、適
宜、分散媒を着色することは可能である。さらに、塗料
組成物を、(a) ポリビニルアルコール水溶液、(b) 酸価
を有するビニル系合成樹脂と着色材料を必須成分として
含有する有機溶剤系組成物、(c) 有機チタネート化合物
を分散させてなる水中油型の懸濁組成物の異色を、複数
混合したものとすることにより、貯蔵安定性に優れた塗
料で、耐候性に優れた塗膜を形成できる。このような自
然石調塗料組成物は、塗装した際の圧力により、模様形
成粒子と背景色形成粒子が潰れて平滑な自然石調模様を
形成する。したがって、塗装時に粒子が潰れる程度の圧
力がかかる塗装機によって塗装することが必要であり、
このような塗装機としては吹付け型塗装機が望ましい。
特に一般に使用されるHSスプレーガン、万能ガン(例
えば、株式会社明治機械製作所製「SGS−2」など)
がより望ましい。
【0014】その他、自然石調塗料組成物において、特
に色差ΔEの最大値が5〜10になる複数色からなる模
様色形成分散相粒子と、模様形成分散相粒子それぞれと
のΔEのうち、最小値が0.1〜1になる背景色形成分
散相粒子を必須とすることにより、自然石調のなかでも
特に御影石調の塗装面を形成することができる。この理
由は前述した通りである。
【0015】
【実施例】(参考例1) 表1の原料を使用して、表2の配合例に基づき、分散媒
をインペラーの周速1.0m/SEC にて撹拌しながら分
散相となる有機溶剤系組成物を配合した。この結果、分
散相の粒子径分布が2〜6.0mmで、平均粒子径3.5
mmの懸濁型塗料組成物ができた。この、懸濁型塗料組成
物は、CIE 1976 L* a * b * 色空間において、 L* =7
7.6、a * =−0.1、b * =4.0であった。 (参考例2) 表1の原料を使用して表2の配合例に基づき、参考例1
と同様にして分散相となる有機溶剤組成物を得た。この
有機溶剤組成物は L* =69.6、a * =−0.2、b
* =4.9であった。 (参考例3) 表1の原料を使用して表2の配合例に基づき、参考例1
と同様にして分散相となる有機溶剤組成物を得た。この
有機溶剤組成物は L* =63.7、a * =−0.3、b
* =5.5であった。 (参考例4) 表1の原料を使用して表2の配合例に基づき、分散相と
なる有機溶剤組成物を分散媒中のインペラーの周速を
2.5m/SEC にて撹拌しながら配合した。その結果、
分散相の粒子径分布が0.03〜0.5mmで、平均粒子
径0.1mmの懸濁型塗料組成物を得た。この懸濁型塗料
組成物は L* =77.8、a * =−0.1、b * =4.
1であった。 (参考例5) 表1の原料を使用して表2の配合例に基づき、分散相と
なる有機溶剤組成物を分散媒中のインペラーの周速を
3.5m/SEC にて撹拌しながら配合した。その結果、
分散相の粒子径分布が0.001〜0.1mmで、平均粒
子径0.05mmの懸濁型塗料組成物を得た。この懸濁型
塗料組成物は、 L* =77.6、a*=−0.1、b *
4.0であった。
【0016】(配合例1) 表3のような配合で多彩模様塗料を製造した。このと
き、模様色形成部分各色の容積比率は1:1であった。 (配合例2) 表3のような配合で多彩模様塗料を製造した。このと
き、模様色形成部分と背景色形成部分との容積比は1
0:4.3模様色形成部分各色の容積比率は1:1であ
った。 (配合例3) 表3のような配合で多彩模様塗料を製造した。このと
き、模様色形成部分各色の容積比率は1:1.3であっ
た。 (配合例4) 表3のような配合で多彩模様塗料を製造した。このと
き、模様色形成部分と背景色形成部分との容積比は1
0:4.3、模様色形成部分各色の容積比率は1:1で
あった。 (配合例5) 表3のような配合で多彩模様塗料を製造した。このと
き、模様色形成部分と背景色形成部分との容積比は1
0:4.3、模様色形成部分各色の容積比率は1.5:
1:1であった。 (配合例6) 表3のような配合で多彩模様塗料を製造した。
【0017】(実施例1) 900×900×3mmのスレート板2枚に、エスケー化
研株式会社製「着色バインダー」を所要量0.20Kg/
2 にて塗布した。温度20±1℃、相対湿度65±5
%の乾燥室(以下、「標準状態」という。)で3時間乾
燥後、目地形成型枠を貼り付け、エスケー化研株式会社
製「シポロック」(JIS A 6915 外装厚塗材E表示許可
製品)を厚さ5mmに塗布した。標準状態で24時間乾燥
させた後、配合例1の多彩模様塗料組成物HSガンを
使用して、所要量0.40Kg/m2、チップ口径5mm、
空気圧200〜300kPaの条件にて塗布した。標準
状態で16時間乾燥後、目地形成型枠を除去して、エス
ケー化研株式会社製「ウレタントップ」(アクリルウレ
タン系トップコート材)を所要量0.20Kg/m2 にて
塗布し、試験体を作製した。この試験体について次に示
すような試験を行った。 <塗装むら試験> 出来上がった試験体について、目視にて塗装むらを確認
した。結果は、 ○:塗装むらなし △:塗装むら多少あり ×:塗装むら多い にて、表5に示した。 <意匠性試験> 出来上がった試験体について、自然石と比較して、意匠
感が近いかどうかを目視にて判断した。結果は、 ○:自然石に非常に近い △:自然石に類似しているが、多少人工的にみえる ×:人工的に見える にて、表5に示した。 <ボリューム感試験> 出来上がった試験体について、900×900×3mmの
スレート板にアクリルスチレン共重合体エマルションを
15重量部、粒径0.1〜5.0mmの異色の着色珪砂混
合物を50重量部、粒径0.5〜1.0mmの寒水石15
重量部、粒径0.1〜0.5mmの珪砂を10重量部、各
種添加剤を3重量部、水を10重量部混合して製造され
る自然石調塗材を一段目地仕上工法により塗布したもの
と比較して、ボリューム感が近いかどうかを目視にて判
断した。結果は、 ◎:大変ボリューム感に優れる ○:ボリューム感がある △:ボリューム感にややかける ×:ボリューム感は見られない にて、表5に示した。 <耐汚染性試験> 出来上がった試験体について、1枚を屋外暴露試験にか
け、半年後に汚染のレベルを暴露しなかったもう1枚と
比較した。結果を、 ◎:極めて良好 ○:良好 △:汚れが目立つ ×:かなり汚れが目立つ にて、表5に示した。 (実施例2) 900×900×3mmのスレート板2枚に、表4に示す
ように、エスケー化研株式会社製「SKクリヤーシーラ
ー」を所要量0.10Kg/m2 にて塗布した。標準状態
で2時間乾燥させた後、エスケー化研株式会社製「レナ
ラック」(JISA6910 複層塗材E表示許可製品)を厚さ
約2mmとなるように、ゆず肌調に塗装した。標準状態で
24時間乾燥させた後、配合例2の多彩模様塗料をHS
ガンを使用して実施例1と同様にして塗布した。標準状
態で16時間乾燥後、エスケー化研株式会社製「ウレタ
ントップ」(アクリルウレタン系トップコート材)を実
施例1と同様に塗布し、試験体を作製した。出来上がっ
た試験体を実施例1と同様に試験を行い、結果を表5に
示した。 (実施例3) 900×900×3mmのスレート板2枚に、表4に示す
ように、エスケー化研株式会社製「SKクリヤーシーラ
ー」を所要量0.10Kg/m2 にて塗布した。標準状態
で2時間乾燥させた後、エスケー化研株式会社製「セラ
ミタイトタイル」(JIS A 6910複層塗材Si表示許可製
品)を厚さ1.5mmとなるように、ゆず肌調に塗装し
た。標準状態で16時間乾燥させた後、エスケー化研株
式会社製「プリーズコート」(アクリル樹脂エマルショ
ンペイント)を所要量0.30Kg/m2 で塗布した。標
準状態で24時間乾燥させた後、配合例3の多彩模様塗
料をHSガンを使用して実施例1と同様にして塗布し、
試験体を作製した。出来上がった試験体について実施例
1と同様に試験を行い、結果を表5に示した。
【0018】(比較例1) 900×900×3mmのスレート板2枚に、エスケー化
研株式会社製「レナコート」をA色、B色、C色にそれ
ぞれ調色した。C色を20%希釈し、HSガンにて所要
量0.25Kg/m2 、空気圧500kPa、チップ口径
3mmの条件にて全面塗布した。標準状態で3時間乾燥
後、A色を8%希釈したA色塗料を、HSガンにて空気
圧300kPa、チップ口径4mmの条件にて、A色が不
連続玉状模様となるように塗布した。標準状態で3時間
乾燥後、A色と同様の操作にて希釈したB色塗料を同様
条件にて塗布した。形成された塗膜は、A色の不連続玉
状模様をB色の不連続玉状模様が隠蔽している部分があ
り、さらにA色、B色それぞれに不連続玉状模様自身が
重なり、連続化している部分があった。この試験体につ
いて実施例1と同様に試験を行い、結果を表5に示し
た。 (比較例2) 900×900×3mmのスレート板2枚に、比較例1で
使用したC色塗料を同様に塗布した。標準状態で3時間
乾燥した後、比較例1で使用したA色塗料、B色塗料を
それぞれ別個のHSガンに入れ、このHSガンを同時に
同一方向に、比較例1と同一条件にて、それぞれ不連続
玉状模様が形成できるように塗布した。形成された塗膜
は比較例1と同様に塗装方向に対して、後から追従する
側にある色が、先の側にある色の上に重なり、不連続玉
状模様が隠蔽している部分があった。この試験体につい
て実施例1と同様に試験を行い、結果を表5に示した。 (比較例3) 多彩模様塗料に配合例6を使用した以外は実施例2と同
様にして、試験体を作製した。出来上がった試験体は、
ボリューム感は感じられるが、単なる細かい多彩模様感
しか感じられなかった。この試験体について実施例1と
同様に試験を行い、結果を表5に示した。 (比較例4) 900×900×3mmのスレート板2枚に、アクリルス
チレン共重合体エマルションを15重量部、粒径0.1
〜5.0mmの異色の着色珪砂混合物を50重量部、粒径
0.5〜1.0mmの寒水石15重量部、粒径0.1〜
0.5mmの珪砂を10重量部、各種添加剤を3重量部、
水を10重量部混合して製造される自然石調塗材を3mm
の厚さに塗布して、試験体を作製した。出来上がった試
験体を実施例1と同様に試験を行い。結果を表5に示し
た。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0019】(実施例4) 300×210×3mmのスレート板に、弾性系フラット
塗料(アクリルエマルション系塗料、顔料容積濃度:1
3.5、引張強度:35N/cm2 、伸び率:150%、
透水量:0.2ml/24h )をスプレーガンにて、所要量
0.8Kg/m2 の割合で全面塗布した。標準状態で24
時間乾燥した後、配合例1の多彩模様塗料をHSガンを
使用して、実施例1と同様に塗布して、試験体を作製し
た。出来上がった試験体を、下記に示すような方法で温
冷繰り返し試験を行った。<温冷繰り返し試験>JIS A
6910 5.9 温冷繰り返し試験に準じて、試験体を20±
2℃の水中に18時間浸漬した後、直ちに−20±3℃
の恒温槽中で3時間冷却し、次いで50±3℃の別の恒
温槽中で3時間加温する。この24時間を1サイクルと
して、10サイクル繰り返した後、標準状態で2時間静
置し、塗膜表面の状態を確認した。その結果、下塗の弾
性系フラットペイントのみならず、不連続玉状模様を形
成している多彩模様塗料の塗膜もクラックの発生がなか
った。
【0020】(実施例5) スレート板に L* =77.4、a * =−0.7、b *
3.6に調色した通常のアクリルフラットペイントを、
スプレーにて0.3Kg/m2 の割合で塗布乾燥し、下地
色1とした。つぎに、配合例1の多彩模様塗料を製造し
たところ、模様色形成分散相粒子相互のΔEの最大値は
8.1、模様色形成分散相粒子それぞれと下地色1との
ΔEの最小値は、0.7であった。この多彩模様塗料を
使用して以下の試験を行った。結果を表8に示した。 <塗装むら試験> この多彩模様塗料を、HSガンを使用して、チップ口径
5mm、空気圧200〜300kPaの条件にて、前記塗
装スレート板に塗布し、塗装むらを目視にて確認した。
結果を、 ○:塗装むらなし △:塗装むら多少あり ×:塗装むら多い にて表した。 <意匠性> 前記スレート板に塗装された多彩模様塗料によって、形
成される自然石調模様塗膜を、天然の御影石と比較し
て、意匠感が天然に近いかどうか目視にて判断した。結
果を ○:非常に近い △:類似している ×:人工的に見える にて表した。 <耐汚染性> 前記の多彩模様塗料を塗装したスレート板を、屋外暴露
試験にかけ、半年後に汚染のレベルを暴露しなかったも
のと比較した。結果を ○:良好 △:汚れが目立つ ×:かなり汚れが目立つ にて表した。 (実施例6) 配合例2の多彩模様塗料を製造したところ、模様色形成
分散相粒子相互のΔEの最大値は8.1、さらに模様色
形成分散相粒子それぞれと背景色形成分散相粒子とのΔ
Eの最小値は、0.2であった。この多彩模様塗料をH
Sガンを使用して、チップ口径5mm、空気圧200〜3
00kPaの条件にてスレート板に塗布したところ、参
考例4の懸濁型塗料組成物の分散相粒子は背景色とな
り、参考例1および参考例2の各懸濁型塗料組成物の分
散相粒子は模様色となった塗膜を形成した。このように
して形成された塗膜について実施例5と同様にして試験
を行った。結果を表8に示した。 (比較例5) 配合例4の多彩模様塗料を製造したところ、模様色形成
分散相粒子相互のΔEの最大値は14.0、模様色形成
分散相粒子それぞれと背景色形成分散相粒子とのΔEの
最小値は、0.2であった。この多彩模様塗料をHSガ
ンを使用して、チップ口径5mm、空気圧200〜300
kPaの条件にてスレート板に塗布したところ、参考例
4の懸濁型塗料組成物の分散相粒子は背景色となり、参
考例1および参考例3の各懸濁型塗料組成物の分散相粒
子は模様色となった塗膜を形成した。このようにして形
成された塗膜について実施例5と同様にして試験を行っ
た。結果を表8に示した。 (比較例6) 配合例5の多彩模様塗料を製造したところ、模様色形成
分散相粒子相互のΔEの最大値は14.0、模様色形成
分散相粒子それぞれと背景色形成分散相粒子とのΔEの
最小値は、0.2であった。この多彩模様塗料をHSガ
ンを使用して、チップ口径5mm、空気圧200〜300
kPaの条件にてスレート板に塗布したところ、参考例
4の懸濁型塗料組成物の分散相粒子は背景色となり、参
考例1、参考例2および参考例3の各懸濁型塗料組成物
の分散相粒子は模様色となった塗膜を形成した。このよ
うにして形成された塗膜について実施例5と同様にして
試験を行った。結果を表8に示した。
【0021】(比較例7) エスケー化研株式会社製、「レナコート」をD色( L*
=78.2、a * =0.2、b * =4.3)、E色( L
* =70.1、a * =−0.3、b * =5.2)、下地
色3( L* =77.7、a * =−0.7、b * =4.
1)にそれぞれ調色した。このときD色とE色とのΔE
は8.2、下地色3と、D色又はE色のΔEのうち、小
さい値は1.0であった。続いてスレート板に、下地色
3塗料を20%希釈し、HSガンにて塗布量0.25Kg
/m2 、空気圧500kPa、チップ口径3mmの条件に
て全面塗布した。下塗の乾燥後にD色を8%希釈したD
色塗料を、HSガンにて空気圧300kPa、チップ口
径4mmの条件にて、D色が不連続玉状模様となるように
塗布した。D色の乾燥後に、D色と同様操作にて希釈し
たE色塗料を同様条件にて塗布し乾燥した。形成された
塗膜は、D色の不連続玉状模様をE色の不連続玉状模様
が隠蔽している部分があり、さらにD色、E色それぞれ
に不連続玉状模様自身が重なり連続化している部分があ
った。この塗膜について実施例5と同様に試験を行い結
果を表8に示した。 (比較例8比較例7 で使用した下地色3塗料を、同様にスレート板
に塗布し乾燥した。その後、A色塗料、B色塗料をそれ
ぞれ別個のHSガンに入れ、このHSガンを同時に、同
一方向に、比較例7と同一条件にて、それぞれ不連続玉
状模様が形成できるように塗布した。乾燥後に形成され
た塗膜は、比較例7と同様に塗装方向に対して、後から
追従する側にある色が、先の側にある色の上に重なり、
不連続玉状模様が隠蔽している部分があった。この塗膜
について実施例5と同様に試験を行い結果を表8に示し
た。 (比較例9) アクリルスチレン共重合体エマルションを15重量部、
粒径0.1〜5.0mmの異色の着色珪砂混合物を50重
量部、粒径0.5〜1.0mmの寒水石15重量部、粒径
0.1〜0.5mmの珪砂を10重量部、各種添加剤を3
重量部、水を10重量部混合して製造される自然石調塗
材を、スレート板に3mmの厚さにて塗布し、乾燥後に
施例5と同様に試験を行った。結果を表8に示した。
【0022】(実施例7) 弾性系フラット塗材(アクリルエマルション系塗料、顔
料容積濃度:13.5、引張強度:35N/cm2 、伸び
率:150%、透水性:0.2ml/24h )をL*=7
7.2、a * =−0.3、b * =3.6に調色し、スプ
レーガンにてスレート板に、塗布量0.8Kg/m2 の割
合で全面塗布乾燥し、下地色2とした。配合例3の多彩
模様塗料を、HSガンを使用して、チップ口径5mm、空
気圧200〜300kPaの条件にて塗布し乾燥した。 <温冷繰り返し試験> JIS A 6910 5.9 温冷繰り返し試験に準じて、試験体を
20±2℃の水中に18時間浸漬した後、直ちに−20
±3℃の恒温槽中で3時間冷却し、次いで50±3℃の
別の恒温槽中で3時間加温する。この24時間を1サイ
クルとして、10サイクル繰り返した後に、試験室に2
時間静置し塗膜表面の状態を確認した。その結果、下塗
の弾性系フラットペイントのみならず、不連続玉状模様
を形成している多彩模様塗料の塗膜もクラックの発生が
なかった。なお、各参考例と下地色の色差ΔEを表9に
示す。
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0023】
【発明の効果】本発明は、下塗層に対して、特定の粒子
径を持つ分散相粒子を主要構成成分とする多彩模様塗料
を塗装することにより、従来の骨材入りの塗料を用いな
くても、自然石調の風合いをかもしだすことが可能であ
り、さらに特定の下塗層を形成し、該下地にある程度の
厚みを持たせることにより、ボリューム感あふれる自然
石調積層塗膜を安価に形成することができる効果があ
る。さらに、予め L* 値、a* 値、b * 値を調整した懸
濁型塗料組成物より製造される多彩模様塗料において、
模様形成分散相相互の色差ΔEの最大値と、該模様形成
分散相のそれぞれに対して、背景色形成分散相または下
地色の色差ΔEの最小値を特定することにより、特別な
塗装機や熟練した塗装専門家のごとき技量を必要とせず
に、あたかも御影石であるかのような深みのある意匠感
の石材調塗装を行うことが可能である。その他、本発明
の塗料組成物により形成された塗膜は、比較的平滑な面
を形成するため汚染物質が付着しがたく、また汚れても
拭き取ることが可能であるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−127474(JP,A) 特開 平6−329961(JP,A) 特開 昭62−149382(JP,A) 特開 昭57−27177(JP,A) 特公 昭48−44172(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 5/06,1/36 B05D 7/00,7/24 C09D 5/29 E04F 13/02

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CIE 1976 L * a * b * 色空間における色
    差ΔEの最大値が5〜10になる複数色からなる粒子径
    分布が1mm〜15mmの模様色形成分散相粒子と、該模様
    色形成分散相粒子を粒子状態で分散可能な透明の分散媒
    を、主要構成成分とする自然石調塗料組成物を、該模様
    色形成分散相粒子それぞれとのΔEのうち、最小値が
    0.1〜1になる色相の下塗層上に塗装することを特徴
    とする自然石調塗装方法。
  2. 【請求項2】 CIE 1976 L * a * b * 色空間における色
    差ΔEの最大値が5〜10になる複数色からなる粒子径
    分布が1mm〜15mmの模様色形成分散相粒子と、該模様
    色形成分散相粒子それぞれとのΔEのうち、最小値が
    0.1〜1になる粒子径分布が0.001mm〜1mmの背
    景色形成分散相粒子と、該模様色形成分散相粒子を粒子
    状態で分散可能な透明の分散媒を、主要構成成分とする
    自然石調塗料組成物を、下塗層上に塗装することを特徴
    とする自然石調塗装方法。
  3. 【請求項3】 下塗層が、JIS A 6910 複層仕上塗材
    に規定される材料により形成されていることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の自然石調塗装方法。
  4. 【請求項4】 下塗層が、JIS A 6915 厚付け仕上塗材
    に規定される材料により形成されていることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の自然石調塗装方
    法。
  5. 【請求項5】 下塗層が、JIS A 6916 セメント系下地
    調整塗材に規定される材料により形成されていることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の自然石調塗
    装方法。
  6. 【請求項6】 下塗層が、発泡ウレタンにより形成され
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の自然石調塗装方法。
  7. 【請求項7】 下塗層が、軽量モルタルにより形成され
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の自然石調塗装方法。
  8. 【請求項8】 自然石調塗料組成物が、(a) ポリビニル
    アルコール水溶液、(b)酸価を有するビニル系合成樹脂
    と着色材料を必須成分として含有する有機溶剤系組成
    物、(c) 有機チタネート化合物を分散させてなる水中油
    型の懸濁組成物の異色を、複数混合したものであること
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の
    塗装方法。
  9. 【請求項9】 複数色からなり、その構成樹脂のガラス
    転移温度(以下、「Tg」という。)が10℃〜60℃
    である、粒子径分布が1mm〜15mmの模様色形成分散相
    粒子と、該模様色形成分散相粒子を粒子状態で分散可能
    な透明の分散媒を、主要構成成分とする自然石調塗料組
    成物を、引張強度が30N/cm2 以上、塗膜の伸び率が
    100%以上、透水量が0.5ml/24h 以下である弾性
    塗膜表面に塗装することを特徴とする自然石調塗装方
    法。
  10. 【請求項10】 CIE 1976 L* a * b * 色空間における
    色差ΔEの最大値が5〜10になる複数色からなる、模
    様色形成分散相粒子を使用し、さらに、該模様色形成分
    散相粒子のそれぞれとのΔEのうち、最小値が0.1〜
    1になる色相の弾性塗膜表面に塗装することを特徴とす
    請求項9記載の塗装方法。
  11. 【請求項11】 複数色からなり、その構成樹脂のガラ
    ス転移温度(以下「Tg」という。)が10℃〜60℃
    である、粒子径分布が1mm〜15mmの模様色形成分散相
    粒子と、構成樹脂のTgが10℃〜60℃である粒子径
    分布が0.001mm〜1mmの背景色形成分散相粒子と、
    該分散相粒子を粒子状態で分散可能な透明の分散媒を、
    主要構成成分とする自然石調塗料組成物を、引張強度が
    30N/cm2 以上、塗膜の伸び率が100%以上、透水
    量が0.5ml/24h 以下である弾性塗膜表面に塗装する
    ことを特徴とする自然石調塗装方法。
  12. 【請求項12】 CIE 1976 L* a* b* 色空間における
    色差ΔEの最大値が5〜10になる複数色からなる、模
    様色形成分散相粒子と、該模様色形成分散相粒子のそれ
    ぞれとのΔEのうち、最小値が0.1〜1になる色相の
    背景色形成分散相粒子を使用することを特徴とする請求
    項11記載の塗装方法。
  13. 【請求項13】 自然石調塗料組成物が、(a) ポリビニ
    ルアルコール水溶液、(b) 酸価を有するビニル系合成樹
    脂と着色材料を必須成分として含有する有機溶剤系組成
    物、(c) 有機チタネート化合物を分散させてなる水中油
    型の懸濁組成物の異色を、複数混合したものであること
    を特徴とする請求項9から請求項12のいずれかに記載
    の塗装方法。
  14. 【請求項14】 CIE 1976 L* a* b* 色空間における
    色差ΔEの最大値が5〜10になる複数色からなる粒子
    径分布が1mm〜15mmの模様色形成分散相粒子と、該模
    様色形成分散相粒子それぞれとのΔEのうち、最小値が
    0.1〜1になる粒子径分布が0.001mm〜1mmの背
    景色形成分散相粒子と、該模様色形成分散相粒子を粒子
    状態で分散可能な透明の分散媒を、主要構成成分とする
    自然石調塗料組成物。
  15. 【請求項15】 分散相および分散媒が、(a) ポリビニ
    ルアルコール水溶液、(b) 酸価を有するビニル系合成樹
    脂と着色材料を必須成分として含有する有機溶剤系組成
    物、(c) 有機チタネート化合物を分散させてなる水中油
    型の懸濁組成物の異色を、複数混合したものであること
    を特徴とする請求項14に記載の自然石調塗料組成物。
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