JP5075438B2 - Cu−Ni−Sn−P系銅合金板材およびその製造法 - Google Patents

Cu−Ni−Sn−P系銅合金板材およびその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、コネクター、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気・電子部品に適したCu−Ni−Sn−P系銅合金板材であって、特に高強度および高導電性を維持しながら、優れた曲げ加工性と耐応力緩和特性を呈する銅合金板材、およびその製造法に関する。
電気・電子部品を構成するコネクター、リードフレーム、リレー、スイッチなどの通電部品に使用される材料には、通電によるジュール熱の発生を抑制するために良好な「導電性」が要求されるとともに、電気・電子機器の組立時や作動時に付与される応力に耐え得る高い「強度」が要求される。また、電気・電子部品は一般に曲げ加工により成形されることから優れた「曲げ加工性」が要求される。さらに、電気・電子部品間の接触信頼性を確保するために、接触圧力が時間とともに低下する現象(応力緩和)に対する耐久性、すなわち「耐応力緩和特性」に優れることも要求される。
特に近年、電気・電子部品は高集積化、小型化および軽量化が進む傾向にあり、それに伴って素材である銅および銅合金には薄肉化の要求が高まっている。そのため、素材に要求される「強度」レベルは一層厳しいものとなっている。
また、電気・電子部品の小型化、形状の複雑化に対応するには曲げ加工品の形状・寸法精度を向上させることが強く求められる。そのために最近では、素材の曲げ加工を施す部位にノッチを付ける加工(ノッチング)を施し、その後、そのノッチに沿って曲げ加工を行う加工法(以下「ノッチング後曲げ加工法」という)を適用することが多くなっている。しかし、この加工法は、ノッチングによってノッチ部近傍が加工硬化することから、その後の曲げ加工において割れを生じやすい。したがって、「ノッチング後曲げ加工法」は材料にとって非常に厳しい曲げ加工であると言える。
さらに、電気・電子部品が過酷な環境で使用される用途の増加に伴い「耐応力緩和特性」に対する要求も厳しくなっている。例えば、自動車用コネクターのように高温に曝される環境下で使用される場合は「耐応力緩和特性」が特に重要となる。応力緩和とは、電気・電子部品を構成する素材のばね部の接触圧力が、常温では一定の状態に維持されても、比較的高温(例えば100〜200℃)の環境下では時間とともに低下するという、一種のクリープ現象である。すなわち、金属材料に応力が付与されている状態において、マトリックスを構成する原子の自己拡散や固溶原子の拡散によって転位が移動して、塑性変形が生じることにより、付与されている応力が緩和される現象である。
しかしながら、「強度」と「導電性」、あるいは「強度」と「曲げ加工性」、さらに「曲げ加工性」と「耐応力緩和特性」の間にはトレードオフの関係がある。従来、このような通電部品には、用途に応じて「導電性」、「強度」、「曲げ加工性」あるいは「耐応力緩和特性」の良好な材料が適宜選択されて使用されている。また製造性が良好であることも重要な要件となる。
これらの各特性および製造性をバランス良く実現しやすい素材としてCu−Ni−Sn−P系合金が挙げられる。この系の銅合金ではSnとNiの固溶強化効果に加え、Ni−P系析出物を微細分散させることで各特性の改善が図られており、これまでに電気・電子部品用に適したものが種々開発されている(特許文献1〜8)。
特開平4−154942号公報 特開平4−236736号公報 特開平10−226835号公報 特開2000−129377号公報 特開2000−256814号公報 特開2001−262255号公報 特開2001−262297号公報 特開2002−294368号公報
Cu−Ni−Sn−P系合金は、比較的高い導電率(35〜55%IACS)と強度(500〜600MPaの引張強さ)を有しながら、良好な「曲げ加工性」と「耐応力緩和特性」を呈する材料である。特にその「耐応力緩和特性」は、黄銅、りん青銅などの一般的な固溶強化型銅合金に比較して格段的に優れ、Cu−Ni−Si系合金(いわゆるコルソン合金)、Cu−Ti系合金などの析出強化型銅合金をも凌ぐものである。
また、Cu−Ni−Sn−P系合金は、基本的に固溶強化型合金であり、析出強化や鋳造組織の微細化などの目的で、Si、Ti、Mg、Zrなどの易酸化性元素を添加する場合においてもその添加量を少なくできることから一般に良好な鋳造性を有する。さらに、析出強化型銅合金で必要となる溶体化処理や時効処理などの複雑な熱処理工程を省略することも可能であり、比較低コストで製造できる。
しかしながら、昨今の電気・電子部品の薄肉化・小型化に対する厳しい要求に応えるためには、「強度」のレベルを一段と高める必要がある。例えば、引張強さ600MPa以上、あるいは更に650MPa以上といった高強度が要求される用途において、現状のCu−Ni−Sn−P系合金では対応できないケースがある。
Cu−Ni−Sn−P系合金を高強度化する一般的な手段として、Ni、Snなどの溶質元素を多量に添加する方法や仕上げ圧延(調質処理)率を増大する方法などがある。しかし、前者は導電率を著しく低下させるとともに、比較的高価なNi、Snなどの添加量が増え経済的に不利となる。後者は加工硬化が大きくなるために曲げ加工性の異方性が生じるようになる。すなわち、圧延方向に対し平行方向(LD)の曲げ加工性は良好に維持されるが、圧延方向に対し直角方向(TD)の曲げ加工性が著しく悪化してしまう。そのため、強度レベルと導電性レベルが高くても電気・電子部品に使用できなくなる場合がある。
「曲げ加工性」を向上させるためには、結晶粒を微細化する手段が一般に採用されている。結晶粒径が小さいほど、単位体積当たりに存在する結晶粒界の面積が大きくなる。粒界は、曲げ加工の際に粒界すべりや粒界両側の結晶粒回転を可能にする界面として機能するので、その界面の面積が大きいほど局部的な応力集中が回避され、曲げ加工性は向上する傾向になる。しかし、結晶粒を微細化した場合でも、曲げ加工性の異方性を大幅に改善することはできない。さらに、結晶粒微細化による結晶粒界の面積増は、クリープ現象の一種である応力緩和を助長する要因となる。特に車載用コネクターなど高温環境で使用される用途では、原子の粒界に沿う拡散速度が粒内より著しく速いので、結晶粒微細化による「耐応力緩和特性」の低下は重大な問題となる。
このように、Cu−Ni−Sn−P系銅合金において、更なる高強度化を図りながら曲げ加工性と耐応力緩和特性を同時に改善することは難しい。昨今の電気・電子部品の厳しい使用環境に対応するには、より安定的に優れた曲げ加工性が得られ、かつ、優れた耐応力緩和特性が得られる技術の確立が強く望まれる。
本発明は、この合金系において、強度、曲げ加工性と耐応力緩和特性を同時に高レベルに改善した銅合金板材を提供することを目的とする。
上記目的は、質量%で、Ni:0.1〜5%、Sn:0.1〜5%、P:0.01〜0.5%、さらに必要に応じて、Fe:3%以下、Zn:5%以下、Mg:1%以下、Si:1%以下、Co:2%以下の1種以上、あるいはさらにCr、B、Zr、Ti、Mn、Vの1種以上を合計3%以下の範囲で含有し、残部Cuおよび不可避的不純物の組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たす結晶配向を有し、平均結晶粒径が5〜40μmである銅合金板材によって達成される。
I{420}/I0{420}>1.0 ……(1)
1.5≦I{220}/I0{220}≦3.5 ……(2)
ここで、I{420}は当該銅合金板材の板面における{420}結晶面のX線回折強度、I0{420}は純銅標準粉末の{420}結晶面のX線回折強度である。同様に、I{220}は当該銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度、I0{220}は純銅標準粉末の{220}結晶面のX線回折強度である
均結晶粒径は、板面(圧延面)を研磨したのちエッチングし、その面を顕微鏡観察して、JIS H0501の切断法にて求めることができる。
このような銅合金板材の製造法として、上記の組成に成分調整された銅合金材料(インゴット、スラブなど)に対し、熱間圧延、冷間圧延、再結晶焼鈍を施した後、時効処理を施すかまたは施さないで、その後、仕上げ冷間圧延を施す工程を利用し、前記再結晶焼鈍の後には再結晶温度以上の熱履歴を付与しない手法で銅合金板材を製造するに際し、熱間圧延工程において、950℃〜700℃の温度域で最初の圧延パスを実施し、700℃未満〜400℃の温度域で圧延率40%以上の圧延を行うこと、仕上げ冷間圧延を30〜80%の圧延率で行うこと、および再結晶焼鈍工程において、到達温度を600〜750℃の範囲とし、再結晶焼鈍後の平均結晶粒径が5〜40μmとなるように、600〜750℃域の保持時間および到達温度を設定して熱処理を実施することを特徴とする製造法が提供される。特に熱間圧延工程では、950℃〜700℃の温度域で圧延率60%以上の圧延を行うことが好ましい。
ただし、ある温度域での圧延率ε(%)は、当該温度域で行う連続する圧延パスのうち、最初の圧延パスに供する前の板厚をt0(mm)、最後の圧延パス終了後の板厚をt1(mm)とするとき、下記(3)式によって定まる。
ε=(t0−t1)/t0×100 ……(3)
前記の再結晶焼鈍前に行う冷間圧延の圧延率は85%以上を確保することがより好ましい。時効処理を実施する場合は、時効処理の保持温度を375〜500℃とすることが好ましい。仕上げ冷間圧延後には、150〜450℃の低温焼鈍を施すことができる。
本発明によれば、コネクター、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気・電子部品に必要な基本特性を具備するCu−Ni−Sn−P系銅合金の板材において、引張強さ600MPa以上の高強度を有し、かつ優れた曲げ加工性と耐応力緩和特性を同時に有し、更にノッチング後も優れた曲げ加工性を有するものが提供された。引張強さ600MPa以上の強度レベルを維持しながら曲げ加工性と耐応力緩和特性を安定して顕著に向上させることは、従来のCu−Ni−Sn−P系銅合金製造技術では困難であった。本発明は、今後ますます進展が予想される電気・電子部品の小型化、薄肉化のニーズに対応し得るものである。
Cu−Ni−Sn−P系銅合金の「強度」と「曲げ加工性」の同時改善を困難にしている大きな要因として、仕上げ圧延によって不可避的に発達する圧延集合組織の影響が挙げられる。すなわち、この系の銅合金は基本的に固溶強化型合金であり、強度を向上させるためには仕上げ圧延率をある程度以上に大きく(例えば30%以上に)する必要がある。仕上げ圧延率の増大に伴い、{110}<112>を主方位成分とする圧延集合組織が発達するが、この集合組織はTDの曲げ加工性を著しく悪化させてしまうのである。
一方、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の「曲げ加工性」と「耐応力緩和特性」の同時改善を困難にしている大きな要因として、(i)結晶粒径を微細化すると曲げ加工性は向上する反面、耐応力緩和特性が低下すること、すなわち結晶粒径の制御だけではこれら両特性を同時に改善することができないこと、(ii)曲げ加工性の向上に有利であり、かつ曲げ加工性の「異方性」を改善するために有利である結晶配向(集合組織)が見出されていないことが挙げられる。
発明者らは詳細な検討の結果、銅合金板材の板面(圧延面)に垂直な方向(ND)、圧延方向に平行な方向(LD)および板面内で圧延方向に直角な方向(TD)の3つの方向に対して、ともに変形しやすい結晶方位が存在することを見出した。そして、このような特有の結晶方位を有する結晶粒の割合をコントロールできる成分と製造条件を見出した。本発明はこのような知見に基づき、この特有の結晶方位をもつ結晶粒の存在割合を一定以上に多くした集合組織によって、「強度」、「曲げ加工性」、「耐応力緩和特性」の同時改善を可能にしたものである。以下、本発明を特定するための事項について説明する。
《集合組織》
Cu−Ni−Sn−P系銅合金の板面(圧延面)からのX線回折パターンは、一般に{111}、{200}、{220}、{311}の4つの結晶面の回折ピークで構成され、他の結晶面からのX線回折強度はこれらの結晶面からのものに比べ非常に小さい。{420}面の回折強度についても、通常の製造工程で得られたCu−Ni−Sn−P系銅合金の板材では無視される程度に弱くなる。ところが、発明者らの詳細な検討によれば、後述する製造条件に従うと{420}を主方位成分とする集合組織を持つCu−Ni−Sn−P系銅合金板材が得られることがわかった。そして発明者らは、この集合組織が強く発達しているほど、曲げ加工性の改善に有利となることを見出した。その曲げ加工性改善のメカニズムについて、現時点では以下のように考えている。
結晶のある方向に外力が加えられたときの塑性変形(すべり)の生じやすさを示す指標としてシュミット因子がある。結晶に加えられる外力の方向と、すべり面の法線とのなす角度をφ、結晶に加えられる外力の方向と、すべり方向とのなす角度をλとするとき、シュミット因子はcosφ・cosλで表され、その値は0.5以下の範囲をとる。シュミット因子が大きいほど(すなわち0.5に近いほど)すべり方向へのせん断応力が大きいことを意味する。したがって、ある結晶にある方向から外力を付与したとき、シュミット因子が大きいほど(すなわち0.5に近いほど)、その結晶は変形しやすいことになる。Cu−Ni−Sn−P系銅合金の結晶構造は面心立方(fcc)である。面心立方晶のすべり系は、すべり面{111}、すべり方向<110>であり、実際の結晶においてもシュミット因子が大きいほど変形しやすく加工硬化も小さくなることが知られている。
図1に、面心立方晶のシュミット因子の分布を表した標準逆極点図を示す。<120>方向のシュミット因子は0.490であり、0.5に近い。すなわち、<120>方向に外力が付与された場合、面心立方晶は非常に変形しやすい。その他の方向のシュミット因子は、<100>方向が0.408、<113>方向が0.445、<110>方向が0.408、<111>方向が0.272である。
{420}を主方位成分とする集合組織は、{420}面すなわち{210}面が板面(圧延面)とほぼ平行である結晶の存在割合が多い集合組織を意味する。主方位面が{210}面である結晶では、板面に垂直な方向(ND)が<120>方向であり、そのシュミット因子は0.5に近いから、NDへの変形は非常に容易であり加工硬化も小さい。一方、Cu−Ni−Sn−P系合金の一般的な圧延集合組織は{220}を主方位成分とするものであり、この場合、{220}面すなわち{110}面が板面(圧延面)とほぼ平行である結晶の存在割合が多い。主方位面が{110}面である結晶は、NDが<110>方向であり、そのシュミット因子は0.4程度であるから、主方位面が{210}面である結晶と比較してNDへの変形に伴う加工硬化が大きくなる。また、Cu−Ni−Sn−P系合金の一般的な再結晶集合組織は{311}を主方位成分とするものである。主方位面が{311}面である結晶は、NDが<113>方向であり、そのシュミット因子は0.45程度であるから、主方位面が{210}面である結晶と比較するとやはりNDへの変形に伴う加工硬化が大きくなる。
「ノッチング後曲げ加工法」においては、板面に垂直な方向(ND)への変形に際しての加工硬化の程度が極めて重要である。ノッチングはまさにNDへの変形であり、ノッチングによって板厚が減少した部分の加工硬化の程度が、その後、ノッチに沿って曲げた場合の曲げ加工性を大きく支配するからである。(1)式を満たすような{420}を主方位成分とする集合組織の場合、従来のCu−Ni−Sn−P系合金の圧延集合組織あるいは再結晶集合組織と比べて、ノッチングによる加工硬化が小さくなり、これが「ノッチング後曲げ加工法」における曲げ加工性を顕著に向上させる要因となっていると考えられる。
さらに、(1)式を満たすような{420}を主方位成分とする集合組織の場合、主方位面が{210}面である結晶において、板面内つまり{210}面内に、別の<120>方向と<100>方向があり、これらは互いに直交する。実際には、圧延方向(LD)が<100>方向、圧延方向に対して直角方向(TD)が<120>方向であることが確かめられている。具体的な結晶方向で例示すると、例えば主方位面が(120)面である結晶では、LDが[001]方向、TDが[−2,1,0]方向である。このような結晶のシュミット因子は、LDが0.408、TDが0.490である。これに対し、Cu−Ni−Sn−P系合金の一般的な圧延集合組織における主方位面が{110}面である結晶の場合、LDが<112>方向、TDが<111>方向であり、そのシュミット因子は、LDが0.408、TDが0.272である。また、Cu−Ni−Sn−P系合金の一般的な再結晶集合組織における主方位面が{113}面である結晶の場合、LDが<112>方向、TDが<110>方向であり、そのシュミット因子は、LDが0.408、TDが0.408である。このように、LDおよびTDのシュミット因子を見ると、{420}を主方位成分とする集合組織の場合、従来のCu−Ni−Sn−P系合金の圧延集合組織あるいは再結晶集合組織と比べて、板面内における変形が容易であると言える。この点も、ノッチング後の曲げ加工における割れを防止する上で有利に作用していると考えられる。
金属板の曲げ加工においては、各結晶粒の結晶方位は異なるので、一様に変形するのではなく、曲げ加工時に変形しやすい結晶粒と変形しにくい結晶粒が存在する。曲げ加工の程度が増大するに伴って、変形しやすい結晶粒がますます優先的に変形し、板の曲げ部表面には結晶粒間での変形不均一に起因してミクロ的な凹凸が生じ、これがしわに発展し、場合によっては割れ(破壊)に至る。上述のように(1)式を満たすような集合組織を持つ金属板は、従来のものと比べ、各結晶粒がNDに変形しやすく、かつ板面内にも変形しやすくなっている。このことが、結晶粒を特段に微細化しなくても、ノッチング後の曲げ加工性および通常の曲げ加工性の顕著な向上をもたらしているものと推察される。
発明者らの検討によれば、このような結晶配向は下記(1)式によって特定できる。下記(1)’式を満たすことが一層好ましい。
I{420}/I0{420}>1.0 ……(1)
I{420}/I0{420}>1.5 ……(1)’
ここで、I{420}は当該銅合金板材の板面における{420}結晶面のX線回折強度、I0{420}は純銅標準粉末の{420}結晶面のX線回折強度である。面心立方晶のX線回折パターンでは{420}面の反射は生じるが{210}面の反射は生じないので、{210}面の結晶配向は{420}面の反射によって評価される。
{420}を主方位成分とする集合組織は後述の再結晶焼鈍による再結晶集合組織として形成される。ただし、銅合金板材を高強度化するためには、再結晶焼鈍後に冷間圧延することが極めて有効である。この冷間圧延(後述の仕上げ冷間圧延)の冷間圧延率が増加するに伴い{220}を主方位成分とする圧延集合組織が発達していく。{220}方位密度の増大に伴い{420}方位密度は減少するが、前記(1)式が維持されるように圧延率を調整すればよい。
仕上げ冷間圧延の圧延率の増加に伴って{220}を主方位成分とする集合組織が発達し、強度が向上する。ただし、この集合組織が発達すぎると曲げ加工性低下を招く場合があるので、下記(2)式を満たすことが好ましい。また、「強度」と「曲げ加工性」を高いレベルでバランス良く両立させる意味では、下記(2)’式を満たすことが一層好ましい。
1.5≦I{220}/I0{220}≦3.5 ……(2)
2.0≦I{220}/I0{220}≦3.0 ……(2)’
ここで、I{220}は当該銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度、I0{220}は純銅標準粉末の{220}結晶面のX線回折強度である。
従来のCu−Ni−Sn−P系合金のように主方位面が{110}面である銅合金の場合、前述のようにLDが<112>方向、TDが<111>方向であり、そのシュミット因子は、LDが0.408、TDが0.272である。すなわち、TDの試料の曲げ加工性が悪くなる。これに対し、本発明のCu−Ni−Sn−P系合金では主方位面が{210}面、LDが<100>方向、TDが<120>方向であり、そのシュミット因子は、LDが0.408、TDが0.490である。したがって、(1)式に加え、さらに(2)式を満たす集合組織では、「強度」と「曲げ加工性」を特に高いレベルでバランス良く両立させることができ、かつ曲げ加工性の異方性を低減することが可能となる。
《平均結晶粒径》
前述のように、平均結晶粒径が小さいほど曲げ加工性の向上に有利であるが、小さすぎると耐応力緩和特性が悪くなりやすい。種々検討の結果、最終的に平均結晶粒径が5μm以上の値、好ましくは10μmを超える値であれば、車載用コネクターの用途でも満足できるレベルの耐応力緩和特性を確保しやすく、好適である。ただし、あまり平均結晶粒径が大きくなりすぎると曲げ部表面の肌荒を起こりやすく、曲げ加工性の低下を招く場合があるので、40μm以下の範囲とする。10〜30μmの範囲に調整することがより好ましい。最終的な平均結晶粒径は、再結晶焼鈍後の段階における結晶粒径によってほぼ決まってくる。したがって、平均結晶粒径のコントロールは後述の再結晶焼鈍条件によって行うことができる。
《合金組成》
本発明ではCu−Ni−Sn−P系銅合金を採用する。Cu−Ni−Sn−Pの4元系基本成分にZn、Fe、その他の合金元素を添加した銅合金も、本明細書では包括的にCu−Ni−Sn−P系銅合金と称している。
Niは、Cuマトリクス中に固溶して、母材の強度、弾性、耐熱性の向上に寄与する。特に、Pとの化合物を形成して導電率の向上および耐応力緩和特性の向上に寄与する。Ni含有量が0.1質量%未満では、上記効果を有効に引き出すことが難しい。一方、Ni含有量が過剰である場合は導電率が低下しやすい。このためNi含有量は5質量%以下とする必要であり、3質量%以下とすることがより好ましく、2質量%以下とすることが一層好ましい。特に好ましいNi含有量範囲は0.5〜1.5質量%である。
Snは、固溶強化作用が大きく、特にNiとの複合添加によりその作用が一層高まる。またSnは耐応力緩和特性の向上作用を有する。これらの作用を十分に発揮させるには、0.1質量%以上のSn含有量が好ましい。ただし、Sn含有量が5質量%を超えると導電率が著しく低下してしまう。また、Snが偏析し易い元素なので、熱間圧延の際に割れが発生しやすくなる。このため、Sn含有量は5質量%以下とする必要であり、3質量%以下とすることがより好ましく、2質量%以下とすることが一層好ましい。特に0.5〜2質量%の範囲に調整することが一層好ましい。
Pは、Niとの析出物が生成することにより、強度と導電率の向上、および耐応力緩和特性の向上に寄与する。また、Pは溶解・鋳造時の脱酸剤としてはたらき、溶湯の酸素濃度低下をもたらす。これらの作用を十分に発揮させるには、0.01質量%以上のP含有量を確保することが好ましい。ただし、P含有量が0.5質量%を超えると粗大なNi−P系析出物の生成や過剰脱酸による水素濃度の増大により、鋳造欠陥や熱間圧延時の割れが発生しやすくなる。また、導電率と曲げ加工性も低下してしまう。このため、P含有量は0.5質量%以下である必要がある。特に好ましいP含有量範囲は0.03〜0.2質量%であり、0.04〜0.15質量%とすることが一層好ましい。
本発明では、NiとPの析出物を利用しているため、NiとPの含有量の比を最適化することが望ましい。Pが過剰に存在すると、めっき密着性やはんだ耐侯性の低下を招く。逆に、Niが過多になった場合、導電率の低下を招く。種々検討の結果、質量%で表したNi/P比を3〜50の範囲に調整することが望ましく、5〜25とすることが一層好ましい。
Feは、Pとの析出物を形成し、場合によってNiを含めた3元化合物も生成する。また、Feを微量添加することでNi−P化合物またはNi−Fe−P化合物の核生成サイトが分散化し、微細な析出状態が得やすくなる。ただし、過度のFe含有は析出物の凝集・粗大化を招くため、Feを含有させる場合は3質量%以下の含有量とする必要がある。1質量%以下とすることがより好ましく、0.5質量%以下が一層好ましい。
Znは、はんだ付け性および強度を向上させる他、鋳造性を改善させる効果を有する。さらに、Znの添加には安価な黄銅スクラップが使用できるメリットがある。ただし、5質量%を超えるZn含有は導電性や耐応力腐食割れ性の低下要因となりやすい。このため、Znを含有させる場合は5質量%以下の範囲とする。2.0質量%以下の範囲に調整することが一層好ましい。
Mgは、耐応力緩和特性の向上効果と脱S効果を有する。ただし、Mgは酸化しやすい元素であり、1質量%を超えると鋳造性が著しく低下してしまう。このため、Mgを含有させる場合は1質量%以下の範囲とする。0.5質量%以下とすることが一層好ましい。
Coは、Pとの析出物を形成するとともに、単体で析出できる元素であり、強度と導電率を同時に向上させるうえでCoの含有は効果的である。ただし、Coは高価な元素で、2質量%を超えるとコストに不利である。このため、Coを含有させる場合は2質量%以下の範囲で行う。1.5質量%以下とすることが一層好ましい。
その他の元素として、必要に応じてCr、B、Zr、Ti、Mn、V等を含有させることができる。例えば、Cr、B、Zr、Ti、Mn、Vは合金強度をさらに高め、かつ応力緩和を小さくする作用を有する。Cr、Zr、Ti、Mn、Vは不可避的不純物として存在するS、Pbなどと高融点化合物を形成しやすく、また、B、Zr、Tiは鋳造組織の微細化効果を有し、熱間加工性の改善に寄与しうる。
Cr、B、Zr、Ti、Mn、Vの1種または2種以上を含有させる場合は、各元素の作用を十分に得るためにこれらの総量が0.01質量%以上となるように含有させることが望ましい。ただし、多量に含有させると、熱間または冷間加工性に悪い影響を与え、かつコスト的にも不利となる。したがって、これらの元素の総量は3質量%以下の範囲とすることが望ましく、2質量%以下の範囲がより好ましく、1質量%以下の範囲がより一層好ましく、0.5質量%以下の範囲がさらに一層好ましい。
《特性》
電気・電子部品の更なる小型化、薄肉化に対応するには、素材である銅合金板材の引張強さは600MPa以上であることが好ましく、650MPa以上であることが一層好ましい。曲げ加工性はLD、TDいずれにおいても90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることが一層好ましい。さらに、曲げ加工品の形状・寸法精度を向上させるために、LDのノッチング後の曲げ加工性はR/tが0であることが好ましい。ノッチング後の曲げ加工性は後述実施例で示す方法が採用される。なお、「LDの曲げ加工性」とはLDが長手方向となるように切り出した曲げ加工試験片で評価される曲げ加工性であり、その試験における曲げ軸はTDである。同様に「TDの曲げ加工性」とはTDが長手方向となるように切り出した曲げ加工試験片で評価される曲げ加工性であり、その試験における曲げ軸はLDである。
耐応力緩和特性は、車載用コネクターなどの用途ではTDの値が特に重要であるため、長手方向がTDである試験片を用いた応力緩和率で応力緩和特性を評価することが望ましい。板材表面の最大負荷応力が0.2%耐力の80%である状態にして、150℃で1000時間保持した場合に、応力緩和率が5%以下であることが好ましく、3%以下であることが一層好ましい。
《製造法》
以上のような本発明の銅合金板材は、例えば以下のような製造工程により作ることができる。
「溶解・鋳造→熱間圧延→冷間圧延→再結晶焼鈍→(時効処理)→仕上げ冷間圧延→(低温焼鈍)」
ただし、後述のように、いくつかの工程での製造条件を工夫することが重要である。なお、上記工程中には記載していないが、熱間圧延後には必要に応じて面削が行われ、各熱処理後には必要に応じて酸洗、研磨、あるいはさらに脱脂が行われる。以下、各工程について説明する。
〔溶解・鋳造〕
一般的な銅合金の溶製方法に従うことができる。連続鋳造、半連続鋳造等により鋳片を製造すればよい。
〔熱間圧延〕
通常、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の熱間圧延は、圧延途中に析出物を生成させないようにするため、700℃以上、あるいは750℃以上の高温域で圧延し、圧延終了後に急冷する手法で行われる。しかしながら、このような常識的な熱間圧延条件では本発明の特異な集合組織を有する銅合金板材を製造することは困難である。すなわち、発明者らの調査によると、このような熱間圧延条件を採用した場合は、後工程の条件を広範囲に変化させても{420}を主方位方向に持つ銅合金板材を再現性良く製造できる条件を見つけることはできなかった。そこで発明者らは更なる詳細な検討を行った。その結果、950℃〜700℃の温度域で最初の圧延パスを実施し、かつ700℃未満〜400℃の温度域で圧延率40%以上の圧延を行うという熱間圧延条件を見出すに至った。
鋳片を熱間圧延する際、再結晶が発生しやすい700℃より高温域で最初の圧延パスを実施することによって、鋳造組織が破壊され、成分と組織の均一化を図ることができる。ただし、950℃を超える高温で圧延を行うと、合金成分の偏析箇所など、融点が低下している箇所で割れを生じる恐れがあるので好ましくない。熱間圧延工程中における完全再結晶の発生を確実に行うためには、950℃〜700℃の温度域で圧延率60%以上の圧延を行うことが極めて有効である。これによって組織の均一化が一層促進される。ただし、1パスで60%を得るためには大きな圧延荷重が必要であるため、多パスに分けてトータル60%以上の圧延率を確保しても良い。また、本発明では圧延歪が生じやすい700℃未満〜400℃の温度域で40%以上の圧延率を確保することが重要である。これにより、一部の析出物を生成させ、後工程の「冷間圧延+再結晶焼鈍」の組み合わせによって、{420}を主方位成分とする再結晶集合組織が形成されやすくなる。この際も、700℃未満〜400℃の温度域で数パスの圧延を行うことができる。熱間圧延の最終パス温度は400℃以上とすることが好ましく、特に600〜400℃の範囲とすることがより効果的である。熱間圧延でのトータル圧延率は概ね80〜95%とすればよい。
ここで、それぞれの温度域での圧延率ε(%)は(3)式によって算出される。
ε=(t0−t1)/t0×100 ……(3)
例えば950〜700℃の間で行う最初の圧延パスに供する鋳片の板厚が120mmであり、700℃以上の温度域で圧延を実施して(途中、炉に戻して再加熱しても構わない)、700℃以上の温度で実施された最後の圧延パス終了時に板厚が30mmになっており、引き続いて圧延を継続して、熱間圧延の最終パスを700℃未満〜400℃の範囲で行い、最終的に板厚10mmの熱間圧延材を得たとする。この場合、950℃〜700℃の温度域で行われた圧延の圧延率は(3)式により、(120−30)/120×100=75(%)である。また、700℃未満〜400℃の温度域での圧延率は同じく(3)式により、(30−10)/30×100=66.7(%)である。
〔冷間圧延〕
上記熱延板を圧延するに際し、再結晶焼鈍前に行う冷間圧延では圧延率を85%以上とすることが重要であり、90%以上とすることがより好ましい。このような高い圧延率で加工された材料に対し、次工程で再結晶焼鈍を施すことにより、{420}を主方位成分とする再結晶集合組織の形成が可能になる。特に再結晶集合組織は再結晶前の冷間圧延率に大きく依存する。具体的には、{420}を主方位成分とする結晶配向は、冷間圧延率が60%以下ではほとんど生成せず、約60〜80%の領域では冷間圧延率の増加に伴って漸増し、冷間圧延率が約80%を超えると急激な増加に転じる。{420}方位が十分に優勢な結晶配向を得るには85%以上の冷間圧延率を確保する必要があり、更に90%以上が望ましい。なお、冷間圧延率の上限はミルパワー等により必然的に制約を受けるので、特に規定する必要はないが、エッジ割れなどを防止する観点から概ね98%以下で良好な結果が得られやすい。
なお、本発明では、熱間圧延後、再結晶焼鈍前に、中間焼鈍を挟んで1回ないし複数回の冷間圧延を実施する工程は採用しない。熱間圧延後、再結晶焼鈍前に中間焼鈍が行われると、再結晶焼鈍によって形成される{420}を主方位成分とする再結晶集合組織が著しく弱化してしまう。
〔再結晶焼鈍〕
従来の再結晶焼鈍は「再結晶化」を主目的とするが、本発明では更に「{420}を主方位成分とする再結晶集合組織の形成」をも重要な目的とする。この再結晶焼鈍は、600〜750℃の炉温で行う。温度が低すぎると再結晶が不完全や再結晶粒が小さすぎる。温度が高すぎると結晶粒が粗大化してしまう。これらいずれの場合も、{420}方位の生成に不利となり、最終的に曲げ加工性の優れた高強度材を得ることが困難となる。
また、この再結晶焼鈍は、再結晶粒の平均粒径(双晶境界を結晶粒界とみなさない)が5〜40μmとなるように600〜750℃域の保持時間および到達温度を設定して熱処理を実施する。10〜40μmとなるように実施することがより好ましい。再結晶粒径が微細になりすぎると{420}を主方位成分とする再結晶集合組織が弱くなる。また、耐応力緩和特性を向上させる上でも不利となる。再結晶粒径が粗大になりすぎると曲げ加工部の表面肌荒が発生し易い。再結晶粒径は、再結晶焼鈍前の冷間圧延率や化学組成によって変動するが、予め実験によりそれぞれの合金について再結晶焼鈍ヒートパターンと平均結晶粒径との関係を求めておくことにより、600〜750℃域の保持時間および到達温度を設定することができる。具体的には、本発明で規定する化学組成の合金では、600〜750℃の温度で数秒〜数時間保持する加熱条件において適正条件を設定できる。
〔時効処理〕
Cu−Ni−Sn−P系銅合金は、Cu−Ni−Si系合金、Cu−Ti系合金などの析出強化型銅合金とは異なり、Ni−P系析出物は主に耐応力緩和特性の向上に利用される。このNi−P系析出物は微細に析出しやすいので、再結晶焼鈍の冷却途中にかなりの微細析出物が発生する。このため、必ずしも時効処理を行う必要はないが、強度レベルと導電率の更なる向上を図るためには、時効処理を施すことが効果的である。時効処理を施す場合は、当該合金の導電性と強度の向上に有効な条件の中で、あまり温度を上げすぎないようにする。時効処理温度が高くなりすぎると再結晶焼鈍によって発達させた{420}を優先方位とする結晶配向が弱められ、結果的に十分な曲げ加工性改善効果が得られない場合がある。具体的には材料の保持温度を375〜500℃の範囲として行うことが望ましく、400〜460℃の範囲が一層好ましい。時効処理時間は概ね1〜10時間程度の範囲で良好な結果が得られる。
〔仕上げ冷間圧延〕
この仕上げ冷間圧延は強度レベルの向上に必要な工程である。冷間圧延率が低すぎると、加工硬化不足により十分な強度が得られにくい。ただし、冷間圧延率の増大に伴い{220}を主方位成分とする圧延集合組織が発達していく。圧延率が高すぎると{220}方位の圧延集合組織が相対的に優勢となりすぎ、強度と曲げ加工性が高レベルで両立された結晶配向が実現できない。発明者らの詳細な研究の結果、仕上げ冷間圧延は30〜80%の範囲で行うことが望ましい。それによって、前記(1)式と(2)式を満たす結晶配向を維持することができる。
最終的な板厚としては概ね0.05〜1.0mmが適用され、0.08〜0.5mmとすることが一層好ましい。
〔低温焼鈍〕
仕上げ冷間圧延後には、板条材の残留応力の低減による曲げ加工性の向上、空孔やすべり面上の転位の低減による耐応力緩和特性向上を目的として、低温焼鈍を施すことができる。加熱温度は材温が150〜450℃となるように設定することが望ましい。これにより強度低下をほとんど伴わずに曲げ加工性と耐応力緩和特性を向上させることができる。また、導電率を上昇させる効果もある。この加熱温度が高すぎると短時間で軟化し、バッチ式でも連続式でも特性のバラツキが生じやすくなる。逆に加熱温度が低すぎると上記特性の改善効果が十分に得られない。上記温度での保持時間は5秒以上確保することが望ましく、通常1時間以内の範囲で良好な結果が得られる。
表1に示す銅合金を溶製し、縦型連続鋳造機を用いて鋳造した。得られた鋳片(厚さ180mm)から一部の比較例を除き厚さ60mmの試料を切り出し、これを950℃に加熱したのち抽出して、熱間圧延を開始した。その際、一部の比較例を除き、950℃〜700℃の温度域での圧延率が60%以上となり、かつ700℃未満の温度域でも圧延が行われるようにパススケジュールを設定した。熱間圧延の最終パス温度は一部の比較例を除き600℃〜400℃の間にある。鋳片からのトータルの熱間圧延率は約80〜90%である。熱間圧延後、表層の酸化層を機械研磨により除去(面削)した。次いで、種々の圧延率で冷間圧延を行った後、再結晶焼鈍に供した。一部の比較例を除いて、再結晶焼鈍後の平均結晶粒径(双晶境界を結晶粒界とみなさない)が5〜40μmとなるように到達温度を合金組成に応じて600〜750℃の範囲内で調整し、600〜750℃の温度域での保持時間を10秒〜600分の範囲で調整した。続いて、上記再結晶焼鈍後の板材に対して、一部の例を除き時効処理を施した。時効処理温度は材温420℃とし、時効時間は合金組成に応じて420℃の時効で硬さがピークになる時間に調整した。このような合金組成に応じて最適な再結晶焼鈍条件や時効処理時間は予備実験により把握してある。次いで、種々の圧延率で仕上げ冷間圧延を行った。その後さらに、400℃の炉中に5分装入する低温焼鈍を施した。このようにして供試材を得た。なお、必要に応じて途中で面削を行い、供試材の板厚は0.15mmに揃えた。主な製造条件は表2中に記載してある。
また、一部の比較例(No.21、22、24、25)について、通常の製造方法として、熱間圧延後、再結晶焼鈍前の冷間圧延において、板厚を50%減少した時点で550℃×3時間の中間焼鈍を施した。
Figure 0005075438
各供試材から試料を採取し、結晶粒組織、X線回折強度、導電率、引張強さ、応力緩和特性、通常の曲げ加工性、ノッチング後の曲げ加工性を以下の方法で調べた。
〔結晶粒組織〕
供試材の板面(圧延面)を研磨したのちエッチングし、その面を光学顕微鏡で観察し、平均結晶粒径をJIS H0501の切断法で測定した。
〔X線回折強度〕
供試材の表面(圧延面)を#1500耐水ペーパーで研磨仕上げとした試料を準備し、X線回折装置(XRD)を用いて、Mo−Kα線、管電圧20kV、管電流2mAの条件で、前記研磨仕上げ面について{420}面および{220}面の反射回折面強度を測定した。一方、上記と同じX線回折装置を用いて、上記と同じ測定条件で純銅標準粉末の{420}面および{220}面のX線回折強度を測定した。これらの測定値を用いて前記(1)式中に示されるX線回折強度比I{420}/I0{420}と、(2)式中に示されるX線回折強度比I{220}/I0{220}を求めた。
〔導電率〕
JIS H0505に従って各供試材の導電率を測定した。
〔引張強さ〕
各供試材からTDの引張試験片(JIS 5号)を採取し、n=3でJIS Z2241に準拠した引張試験行い、n=3の平均値によって引張強さを求めた。
〔応力緩和特性〕
各供試材から長手方向がTDの曲げ試験片(幅10mm)を採取し、試験片の長手方向における中央部の表面応力が0.2%耐力の80%の大きさとなるようにアーチ曲げした状態で固定した。上記表面応力は次式により定まる。
表面応力(MPa)=6Etδ/L0 2
ただし、
E:弾性係数(MPa)
t:試料の厚さ(mm)
δ:試料のたわみ高さ(mm)
この状態の試験片を大気中150℃の温度で1000時間保持した後の曲げ癖から次式を用いて応力緩和率を算出した。
応力緩和率(%)=(L1−L2)/(L1−L0)×100
ただし、
0:治具の長さ、すなわち試験中に固定されている試料端間の水平距離(mm)
1:試験開始時の試料長さ(mm)
2:試験後の試料端間の水平距離(mm)
この応力緩和率が5%以下のものは、車載用コネクターとして高い耐久性を有すると評価され、合格と判定した。
〔通常の曲げ加工性〕
各供試材から長手方向がLDの曲げ試験片およびTDの曲げ試験片(いずれも幅10mm)を採取し、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験を行った。試験後の試験片について曲げ加工部の表面および断面を光学顕微鏡にて100倍の倍率で観察することにより、割れが発生しない最小曲げ半径Rを求め、これを供試材の板厚tで除することによりLD、TDそれぞれのR/t値を求めた。各供試材のLD、TDともn=3で実施し、n=3のうち最も悪い結果となった試験片の成績を採用してR/t値を表示した。このR/t値がLD、TDとも0.5以下であるものを合格と判定した。
〔ノッチング後の曲げ加工性〕
各供試材から長手方向がLDの短冊形試料(幅10mm)を採取し、図2に示す断面形状のノッチ形成治具(凸部先端のフラット面の幅0.1mm、両側面角度45°)を用いて、図3に示すように10kNの荷重を付与することにより試料幅いっぱいにノッチを形成した。ノッチの方向(すなわち溝に対して平行な方向)は、試料の長手方向に対して直角方向である。このようにして準備したノッチ付き曲げ試験片のノッチ深さを実測したところ、図4に模式的に示すノッチ深さδは板厚tの1/4〜1/6程度であった。
これらのノッチ付き曲げ試験片について、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験により「ノッチ曲げ試験」を実施した。このとき、下型の中央突起部先端のRを0mmとした治具を用い、前記ノッチ付き曲げ試験片を、ノッチ形成面が下向きになり、前記下型の中央突起部先端がノッチ部分に合致するようにセットして90°W曲げ試験を行った。
試験後の試験片について曲げ加工部の表面および断面を光学顕微鏡にて100倍の倍率で観察することにより、割れの有無を判断し、割れが認められないものを「〇」、割れが認められたものを「×」と表示した。なお、曲げ加工部で破断したものは「破」と表示した。各供試材のn=3で実施し、n=3のうち最も悪い結果となった試験片の成績を採用して「○」、「×」、「破」の評価を行い、これが○評価のものを合格と判定した。
これらの結果を表2に示す。なお、表2中、通常の曲げ加工性の欄において、LDおよびTDは曲げ試験片の長手方向を意味する。
Figure 0005075438
表2からわかるように、本発明例のものはいずれも(1)式と(2)式を満たす結晶配向を有し、導電率が30%IACS以上、引張強さが600MPa以上という高強度を呈するとともに、R/t値がLD、TDとも0.6以下という優れた曲げ加工性を有する。さらに、実用的に重要なLD方向のノッチング後の曲げ加工性について、90°W曲げ試験R/t=0での厳しい曲げを行ったにもかかわらず、割れが生じなかった。さらに、車載用コネクター等の用途において重要となるTDの応力緩和率が5%以下という優れた特性を兼ね備えている。
これに対し、比較例No.21〜25は本発明例No.1〜5と同じ組成の合金について、通常の工程で製造したもの(熱間圧延最終パス温度を700℃以上としたものや、熱間圧延後、再結晶焼鈍前の圧延率を低いまたは中間焼鈍工程を入れたものなど)である。これらはいずれも{420}結晶面のX線回折強度が弱く、強度と曲げ加工性、あるいは曲げ加工性と耐応力緩和特性の間にトレードオフ関係が見られた。そしてこれらは、特に、ノッチング後の曲げ加工性が悪いことがわかる。
比較例No.26〜28はNi、SnまたはPの含有量が規定範囲外であることにより、良好な特性が得られなかった例である。No.26はNiとSnの含有量が低すぎたことにより強度レベルが低く、Mgを添加しても耐応力緩和特性が改善できなかった。また、熱間圧延後の段階で析出物がほとんど生成されなかったので、その後の冷間圧延率を90%以上に高くしても{420}を主方位成分とする結晶配向が弱くなり、強度レベルが低かったにも関わらず、ノッチング後の曲げ加工性が改善されなかった。No.27はPの含有量高すぎたので、熱間圧延途中に割れが発生して最終に評価できるサンプルが作成できなかった。No.28はSnの含有量が高すぎたので、引張強さは高いものの導電率が低くなり、曲げ加工性と耐応力緩和特性にも劣った。
比較例No.29〜31は再結晶焼鈍条件が規定範囲外であったことにより、良好な特性が得られなかった例である。No.29は再結晶焼鈍温度が850℃と高すぎたものである。この場合、結晶粒が粗大化し、良好な曲げ加工性が得られなかった。No.30は逆に再結晶焼鈍温度が500℃と低すぎたものである。この場合は再結晶自体が十分進行せずに混粒組織となり、曲げ加工性、耐応力緩和特性全てが悪い結果となった。No.31は曲げ加工性の向上を図るべく再結晶焼鈍時の保持温度を調整して平均結晶粒径を3μm程度の微細なものにした例である。この場合、曲げ加工性は改善されたものの、結晶粒が微細になったために耐応力緩和特性は悪化してしまった。
比較例No.32、33は仕上げ冷間圧延率が規定範囲外であったことにより、良好な特性が得られなかった例である。No.32は仕上げ冷間圧延率が低すぎたので、強度が低くなった。No.33は仕上げ冷間圧延率が高すぎたので強度は高いものの曲げ加工性が著しく悪くなった。また{420}を主方位成分とする結晶配向が弱くなり、良好な特性が得られなかった。
面心立方晶のシュミット因子の分布を表した標準逆極点図。 ノッチ形成治具の断面形状を示した図。 ノッチングの方法を模式的に示した図。 ノッチ付き曲げ試験片のノッチ形成部付近の断面形状を模式的に示した図。

Claims (8)

  1. 質量%で、Ni:0.1〜5%、Sn:0.1〜5%、P:0.01〜0.5%、残部Cuおよび不可避的不純物の組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たす結晶配向を有し、平均結晶粒径が5〜40μmである銅合金板材。
    I{420}/I0{420}>1.0 ……(1)
    1.5≦I{220}/I 0 {220}≦3.5 ……(2)
    ここで、I{420}は当該銅合金板材の板面における{420}結晶面のX線回折強度、I0{420}は純銅標準粉末の{420}結晶面のX線回折強度、I{220}は当該銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度、I 0 {220}は純銅標準粉末の{220}結晶面のX線回折強度である。
  2. さらに、Fe:3%以下、Zn:5%以下、Mg:1%以下、Si:1%以下、Co:2%以下の1種以上を含有する組成を有する請求項に記載の銅合金板材。
  3. さらに、Cr、B、Zr、Ti、Mn、Vの1種以上を合計3%以下の範囲で含有する組成を有する請求項1または2に記載の銅合金板材。
  4. 組成調整された銅合金材料に対し、熱間圧延、冷間圧延、再結晶焼鈍を施した後、時効処理を施すかまたは施さないで、その後、仕上げ冷間圧延を施す工程を利用し、前記再結晶焼鈍の後には再結晶温度以上の熱履歴を付与しない手法で銅合金板材を製造するに際し、熱間圧延工程において、950℃〜700℃の温度域で最初の圧延パスを実施し、700℃未満〜400℃の温度域で圧延率40%以上の圧延を行うこと、仕上げ冷間圧延を30〜80%の圧延率で行うこと、および再結晶焼鈍工程において、到達温度を600〜750℃の範囲とし、再結晶焼鈍後の平均結晶粒径が5〜40μmとなるように、600〜750℃域の保持時間および到達温度を設定して熱処理を実施することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の銅合金板材の製造法。
  5. 熱間圧延工程において、950℃〜700℃の温度域で圧延率60%以上の圧延を行い、700℃未満〜400℃の温度域で圧延率40%以上の圧延を行う請求項に記載の銅合金板材の製造法。
  6. 再結晶焼鈍前の冷間圧延の圧延率を85%以上とする請求項またはに記載の銅合金板材の製造法。
  7. 時効処理を実施する場合、その保持温度を375〜500℃とする請求項のいずれかに記載の銅合金板材の製造法。
  8. 仕上げ冷間圧延後に150〜450℃の低温焼鈍を施す請求項のいずれかに記載の銅合金板材の製造法。
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