以下に、本発明に係る画像処理装置及び画像処理方法を、その実施形態である液晶テレビを示す図面に基づいて説明する。なお、本発明の画像処理装置は、液晶テレビに限られず、例えば、液晶ディスプレイ(LCDモニタ)、プラズマディスプレイ(PDPモニタ)、有機ELディスプレイ(有機ELモニタ)等の表示装置、これらの表示装置に接続可能なパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置等に適用することができる。
図1は本実施形態に係る液晶テレビの構成例を示すブロック図である。なお、図1中の符号は放送信号、映像信号(画像信号)、音声信号、EPG(Electronic Program Guide)信号、制御信号等の各信号、又は各種の情報の流れをそれぞれ示している。本実施形態の液晶テレビ1は、チューナ10、外部入力部11、AVセレクタ12、分離部13、音声デコーダ14、映像デコーダ15、EPGデコーダ16、音声処理部17、スピーカ18、ビデオプロセッサ19、液晶モジュール20、マイコン21、メモリ22、操作部23、OSD(On Screen Display )ジェネレータ24等を備えている。
チューナ10は、例えば地上波デジタル放送信号、BSデジタル放送信号、CSデジタル放送信号等のデジタルの放送信号を受信するためのデジタルチューナである。チューナ10は、アンテナ10aに接続されており、例えば操作部23を介してユーザにより選択された放送チャンネルに応じて、アンテナ10aが受信した電波を検波し、得られた放送波から放送信号を取得し、取得した放送信号をAVセレクタ12へ送出する。
なお、チューナ10は、例えばUHFテレビジョン放送信号、VHFテレビジョン放送信号、BSアナログ放送信号、CSアナログ放送信号等のアナログの放送信号を受信するためのアナログチューナであってもよい。
外部入力部11は、例えばケーブルを介して外部の装置の映像信号出力部及び音声信号出力部(図示せず)に接続されており、外部の装置からデジタルの映像信号及び音声信号を取得する。外部入力部11は、外部の装置から取得したデジタルの映像信号及び音声信号をAVセレクタ12へ送出する。なお、外部の装置としては、記録媒体に映像信号及び音声信号を記録し、記録媒体に記録された映像信号及び音声信号を再生する記録再生装置、ゲーム機等がある。
AVセレクタ12は、チューナ10から送出されてくる放送信号、又は外部入力部11から送出されてくる信号(映像信号及び音声信号)の一方を選択し、選択した信号を分離部13へ送出する。
分離部13は、チューナ10が取得した放送信号をAVセレクタ12から取得した場合、放送信号を映像信号(RGB信号(R:赤、G:緑、B:青))及び音声信号に分離し、それぞれを映像デコーダ15又は音声デコーダ14へ送出する。また、分離部13は、外部入力部11を介して入力された映像信号及び音声信号をAVセレクタ12から取得した場合、取得した映像信号及び音声信号をそれぞれ映像デコーダ15又は音声デコーダ14へ送出する。
なお、アンテナ10aが受信する電波には、放送信号に係る電波のほかに、各放送局が放送する放送番組のジャンル、放送チャンネル、放送開始日時及び放送終了日時等を示す番組情報を含むEPG(電子番組表)信号に係る電波が定期的に含まれる。従って、分離部13は、チューナ10が取得した放送信号にEPG信号が含まれる場合、放送信号を映像信号、音声信号及びEPG信号に分離し、それぞれを映像デコーダ15、音声デコーダ14又はEPGデコーダ16へ送出する。
音声デコーダ14は、分離部13から送出されてきた音声信号に対して所定の復号化伸張処理を実行し、得られた音声信号を音声処理部17へ送出する。音声処理部17は、音声デコーダ14から送出されてきた音声信号に対して所定の信号処理を実行した後、スピーカ18へ送出する。スピーカ18は、音声処理部17から送出されてきた音声信号に基づく音声を出力する。従って、スピーカ18は、チューナ10が取得した放送信号に含まれる音声信号又は外部入力部11を介して入力された音声信号に基づく音声を出力する。
なお、音声処理部17は、A/D変換器(アナログ/デジタル変換器)、D/A変換器(デジタル/アナログ変換器)及び増幅器(共に図示せず)等を有しており、音声デコーダ14から取得したアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換する。また、音声処理部17は、デジタルの音声信号に対して所定の信号処理を実行した後、D/A変換器によってアナログの音声信号に再度変換し、更に必要に応じて増幅器によって所定の大きさに増幅させた後、スピーカ18へ送出する。
映像デコーダ15は、分離部13から送出されてきた映像信号に対して所定の復号化伸張処理を実行し、得られた映像信号をビデオプロセッサ19へ送出する。詳細には、映像デコーダ15は、A/D変換器を有しており、入力信号がアナログの場合、アナログの映像信号をデジタルの映像信号に変換してビデオプロセッサ19へ送出する。EPGデコーダ16は、分離部13から送出されてきたEPG信号に対して所定の復号化伸張処理を実行し、得られたEPG信号をビデオプロセッサ19へ送出する。
ビデオプロセッサ19は、映像処理部191、ヒストグラム取得部192及びガンマ補正部193、出力部194等を備えており、映像デコーダ15から送出されてくる映像信号及びEPGデコーダ16から送出されてくるEPG信号は、ビデオプロセッサ19の映像処理部191に入力される。
映像処理部191は、映像デコーダ15から送出されてきた映像信号又はEPGデコーダ16から送出されてきたEPG信号に対して、例えば、IP(インターレース/プログレッシブ)変換処理、ティント、カラーゲイン処理、エッジ強調処理、カラーマトリクス補正処理等の各種の信号処理を実行する。
映像処理部191は、映像信号のY信号(輝度信号)及びC信号(色信号)に対してIP変換処理を行なって、静止部分のチラツキを抑えると共に、動きのある映像を自然な動きで再現できる映像信号を生成する。また、映像処理部191は、更に、カラーマトリクス補正処理等を行なって、鮮やかな色を再現できる映像信号を生成する。なお、映像処理部191は、上述した処理のほかに、映像の調整、例えば明るさ、黒レベル、色の濃さ、色あい、エンハンス(画像強調)、コントラスト等の調整処理を行なうように構成されていてもよい。
映像処理部191は、上述したような各種の信号処理を実行して得られた映像信号(Y信号及びC信号)をRGBの映像信号(RGB信号)に変換してガンマ補正部193へ送出すると共に、Y信号をヒストグラム取得部192へ送出する。
ガンマ補正部(補正手段)193は、映像処理部191から送出されてきた映像信号(RGB信号)に対して、マイコン21を介して入力されたルックアップテーブル(以下、LUTという)22aに基づくガンマ補正処理を実行する。なお、LUT22aは、ガンマ補正部193によるガンマ補正処理に用いるガンマ曲線を示しており、具体的には、映像信号(画像信号)の色成分(RGB)毎に、ガンマ補正前の階調(入力階調)と、ガンマ補正後の階調(出力階調)とを対応付けて記憶している。
ガンマ補正部193は、LUT22aに従って、映像処理部191から送出されてきた映像信号の各色成分毎に、各画素の入力階調(輝度)を、各入力階調に応じた出力階調(出力輝度)に変換し、得られた映像信号(出力階調)を出力部194へ送出する。出力部(表示制御手段)194は、ガンマ補正部193から送出されてきた映像信号を所定のタイミングに従って液晶モジュール20へ送出して液晶モジュール20に表示させる。
液晶モジュール20は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等からなる表示装置であり、ビデオプロセッサ19から送出されてくる映像信号に基づく映像を表示させる。例えば、液晶モジュール20は、チューナ10が取得した放送信号に含まれる映像信号に基づく映像、外部入力部11を介して入力された映像信号に基づく映像等を表示する。
ヒストグラム取得部192は、映像処理部191から送出されてきたY信号(輝度信号)に基づいて、映像信号のY信号におけるヒストグラムを生成する。ヒストグラムは、映像信号に含まれる画素において、各輝度(入力階調)値(Y信号の値)に対する画素数を示す階調分布であり、ヒストグラム取得部192は、階調分布を生成する生成手段として動作する。ヒストグラム取得部192は、生成したヒストグラムをマイコン21へ送出する。
マイコン21は、演算を行なうCPU(Central Processing Unit )、CPUが行なう演算の制御手順を示す制御プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)、CPUが行なう演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)等を備える。マイコン21は、CPUがROMに予め格納されている制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより、液晶テレビ1が備えるハードウェア各部の動作を制御して装置全体を本発明の画像処理装置として機能させる。
なお、図1では、マイコン21はヒストグラム取得部192、ガンマ補正部193、メモリ22、操作部23、OSDジェネレータ24に接続されている構成を示しているが、マイコン21はその他のハードウェア各部とも接続されている。上述したハードウェア各部は、マイコン21からの指示に従ってそれぞれ動作する。
メモリ(記憶手段)22は、例えばフラッシュメモリであり、ガンマ補正部193によるガンマ補正処理に用いられるLUT22a、液晶テレビ1における各種のメニュー画面をOSD表示するためのOSD画面データ等を予め記憶している。マイコン21がメモリ22からLUT22aを読み出してガンマ補正部193へ送出することにより、ガンマ補正部193は、映像処理部191から送出されてきた映像信号に対してLUT22aを用いたガンマ補正処理を行なうことができる。
OSDジェネレータ24は、マイコン21から送出されてくる各種の情報に基づいてOSD画面データを生成し、生成したOSD画面データをビデオプロセッサ19の出力部194へ送出する。
出力部194は、ガンマ補正部193から送出されてくる映像信号に基づく映像の上に、OSDジェネレータ24から送出されてきたOSD画面データに基づくOSD画面を重畳させて液晶モジュール20へ送出する。これにより、液晶モジュール20で表示される映像の上に各種の情報を示すOSD画面を表示させることができる。
なお、OSD画面データは、例えば、液晶テレビ1の動作状況、ユーザに通知すべき情報等を表示するためのものである。本実施形態では、ガンマ補正部193によるガンマ補正処理に用いるガンマ曲線を設定する際のガンマ調整画面もOSD画面として表示することとする。
操作部23は、液晶テレビ1をユーザが操作するために必要な各種の操作キーを備えており、ユーザにより各操作キーが操作された場合、操作された操作キーに対応した制御信号をマイコン21へ送出する。マイコン21は、操作部23から取得した制御信号に従って、対応する制御プログラムをCPUによって実行することにより、操作部23を操作するユーザからの操作指示に従った動作を実行する。
なお、図示しないが、本実施形態の液晶テレビ1は、リモートコントロール装置(以下、リモコンという)によって遠隔からの操作が可能に構成されている。液晶テレビ1とリモコンとは、例えば、赤外線を利用した家電製品協会規格、IEEE802.11b規格、Bluetooth規格等に従った無線通信によって通信を行なう。液晶テレビ1は、リモコンから送信されてくる信号を受信する受信部(図示せず)を備え、受信部にて受信した信号をマイコン21へ送出する。
マイコン21は、受信部から送出されてくる信号に従って、対応する制御プログラムをCPUによって実行することにより、リモコンを操作するユーザからの操作指示に従った動作を実行する。なお、以下では、リモコンも操作部23に含め、リモコンを介したユーザからの操作も操作部23の操作として説明する。また、操作部23には、例えば、1〜12の数字キー、十字キー(上下左右キー)、決定キー及びクリアキー等が設けられている。
上述した構成により、液晶テレビ1は、チューナ10が取得した放送信号に基づく映像及び音声をそれぞれ液晶モジュール20及びスピーカ18によって出力することができる。また、液晶テレビ1は、外部入力部11から入力された映像信号に基づく映像及び音声信号に基づく音声をそれぞれ液晶モジュール20及びスピーカ18によって出力することができる。
ここで、本実施形態の液晶テレビ1は、ガンマ補正部193が行なうガンマ補正処理に用いるLUT22a(ガンマ曲線)の一部をユーザが任意に変更できるように構成してある。以下に、ガンマ曲線の設定処理について説明する。
液晶テレビ1において、ユーザが操作部23を操作することにより、ガンマ曲線を設定するためのガンマ設定モードを選択した場合、マイコン21は、メモリ22に格納されているデフォルトのOSD画面データ(ガンマ調整画面データ)を読み出す。マイコン21は、メモリ22から読み出したガンマ調整画面データをOSDジェネレータ24へ送出する。OSDジェネレータ(表示画面情報生成手段)24は、マイコン21から送出されてきたガンマ調整画面データに基づいて、液晶モジュール20に表示すべきガンマ調整画面データ(表示画面情報)を生成してビデオプロセッサ19の出力部194へ送出する。
出力部194は、OSDジェネレータ24から送出されてきたガンマ調整画面データに基づくガンマ調整画面(OSD画面)を、ガンマ補正部193から送出されてくる映像信号に基づく映像に重畳させて液晶モジュール20に表示させる。なお、ここでは、図2に示すようなガンマ調整画面が表示される。
図2乃至図4はガンマ調整画面の構成例を示す模式図である。図2に示すガンマ調整画面には、新規調整点追加、調整点移動、出力階調設定、終了の4つの項目を含むメニューが表示されており、ユーザが操作部23の上下キーを操作することによって、4つの項目のいずれかを選択できるようにしてある。また、ガンマ調整画面には、ヒストグラム取得部192によって生成されたヒストグラムと、メモリ22に予め格納されている基準(デフォルト)のガンマ曲線(光学階調特性、ガンマ特性、補正特性)とが表示される。
図2に示すガンマ調整画面中のヒストグラムは、横軸に入力階調(輝度値)を、縦軸に度数(画素数)をそれぞれ示している。また、図2に示すガンマ調整画面中のガンマ曲線は、横軸に、ガンマ補正部193によってガンマ補正処理が行なわれる前の画像信号の階調(入力階調)を、縦軸に、ガンマ補正部193によってガンマ補正処理が行なわれた後の画像信号の階調(出力階調)をそれぞれ示している。
ここで、本実施形態の液晶テレビ1において、マイコン(決定手段)21は、ガンマ調整画面を液晶モジュール20に表示させる際に、ヒストグラム取得部192によって生成されたヒストグラムに基づいて、ユーザが任意に変更可能なガンマ曲線の範囲を決定する。なお、範囲は、入力階調(輝度)に対して決定される。
具体的には、マイコン21は、例えば、映像信号に含まれる各画素の輝度(階調)の平均輝度を中心として、映像信号に含まれる全画素数の80%の画素が含まれる範囲、又は、標準偏差が所定値となる範囲を、変更可能範囲に決定する。マイコン21は、決定した範囲を示す最小輝度及び最大輝度と、ヒストグラム取得部192によって生成されたヒストグラムとをOSDジェネレータ24へ送出する。
OSDジェネレータ24は、マイコン21から取得したガンマ調整画面データ、最小輝度及び最大輝度、ヒストグラムに基づいて、図2に示すように、最小輝度と最大輝度とをそれぞれ示す2つの破線がヒストグラム及びガンマ曲線にわたって追加されると共に、最小輝度に対応する最小点Pminと最大輝度に対応する最大点Pmaxとがガンマ曲線に追加されたガンマ調整画面データを生成してビデオプロセッサ19の出力部194へ送出する。これにより、図2に示すようなガンマ調整画面を液晶モジュール20に表示させることができる。
このように、本実施形態の液晶テレビ1は、映像信号から生成されたヒストグラムに基づいて、ガンマ曲線の変更が可能な範囲を自動的に決定するので、ユーザは、決定された範囲内でガンマ曲線の変更指示を行なえばよい。従って、ガンマ曲線を変更させる範囲を特定する操作手間を省くことができると共に、映像信号に影響を与えない範囲でのガンマ曲線の変更のような無駄な操作を回避することができる。また、図2に示すように、2つの破線によって、ガンマ曲線の変更可能な範囲を示すことにより、ユーザは、どの範囲でガンマ曲線を変更すればよいかを容易に把握できるので、操作性を向上させることができる。
また、図2に示すガンマ調整画面は、最小点Pminと最大点Pmaxとの間以外の範囲、即ち、最小点Pminよりも入力階調が小さい範囲と最大点Pmaxよりも入力階調が大きい範囲に対しては、ガンマ曲線の変更ができないようにしてある。これにより、ユーザが誤った範囲でガンマ曲線の変更操作を行なうことがなく、効率よくガンマ曲線の設定処理を行なえる。また、ガンマ曲線とヒストグラムとを同時に表示することによって、現在表示中の映像をより高画質で表示させるためにガンマ曲線のどの部分を変更すればよいかの判断が容易となる。
図2に示すガンマ調整画面において、ユーザが「新規調整点追加」項目を選択した場合、マイコン21は、ガンマ曲線の最小点Pminの近傍に新規調整点P1を追加する。この状態でユーザが「調整点移動」項目を選択した場合、マイコン21は、図3に示すようなメニューのガンマ調整画面を出力部194を介して液晶モジュール20に表示させる。
図3に示すガンマ調整画面のメニューは、「調整点移動」項目が選択された状態を示しており、調整点P1の位置を移動させるための手順を表示している。具体的には、右キーは、現在選択されている調整点(図3においては調整点は1つであるので調整点P1)を白抜き矢符で示すように右(実際には右斜め上)方向へ移動させるためのキーであり、左キーは、現在選択されている調整点を白抜き矢符で示すように左(実際には左斜め下)方向へ移動させるためのキーであることを示している。
また、上キーは、現在選択されている調整点よりも高い入力階調の調整点を選択するためのキーであり、下キーは、現在選択されている調整点よりも低い入力階調の調整点を選択するためのキーであることを示している。また、決定キーは、このような調整点の位置を移動させる操作を終了するためのキーである。
即ち、図3に示すガンマ調整画面において、ユーザが右キーを操作した場合、マイコン21は、調整点P1をガンマ曲線に沿って入力階調が所定量だけ高階調の位置(点)に移動させる。また、ユーザが左キーを操作した場合、マイコン21は、調整点P1をガンマ曲線に沿って入力階調が所定量だけ低階調の位置(点)に移動させる。また、ユーザが上キー又は下キーを操作した場合、マイコン21は、位置を移動させる処理の対象となる調整点を適宜変更する。
図2に示すガンマ調整画面において、ユーザが「出力階調設定」項目を選択した場合、又は、図3に示すガンマ調整画面においてユーザが決定キーを操作して調整点移動の処理を終了させた後に「出力階調設定」項目を選択した場合、マイコン21は、図4に示すようなメニューのガンマ調整画面を出力部194を介して液晶モジュール20に表示させる。
図4に示すガンマ調整画面のメニューは、「出力階調設定」項目が選択された状態を示しており、調整点P1における出力階調を変更(設定)するための手順を表示している。具体的には、上キーは、現在選択されている調整点(図4においては調整点は1つであるので調整点P1)における出力階調を白抜き矢符で示すように上方向(高階調)へ変更させるためのキーであり、下キーは、現在選択されている調整点における出力階調を白抜き矢符で示すように下方向(低階調)へ変更させるためのキーであることを示している。
また、右キーは、現在選択されている調整点よりも高い入力階調の調整点を選択するためのキーであり、左キーは、現在選択されている調整点よりも低い入力階調の調整点を選択するためのキーであることを示している。また、決定キーは、このように各調整点に対する出力階調を変更させる操作を終了するためのキーである。
即ち、図4に示すガンマ調整画面において、ユーザが上キーを操作した場合、マイコン21は、調整点P1の出力階調を高階調側に所定量だけ移動させる。また、ユーザが下キーを操作した場合、マイコン21は、調整点P1の出力階調を低階調側に所定量だけ移動させる。また、マイコン21は、このような調整点P1の移動に伴って最小点Pminから最大点Pmaxまでの間において、ガンマ曲線を補間する。なお、ガンマ曲線を補間する場合、例えばベジェ曲線又はスプライン曲線等に従って、最小点Pmin、最大点Pmax、調整点P1を通るガンマ曲線を生成すればよい。
また、ユーザが右キー又は左キーを操作した場合、マイコン21は、出力階調を変更させる処理の対象となる調整点を適宜変更する。
図5はガンマ調整画面を介して変更されたガンマ曲線の例を示す模式図である。図5(a)には、1つの調整点P1に対して出力階調を白抜き矢符で示す量だけ高階調に変更した場合のガンマ曲線を示している。図5(b)には、2つの調整点P1,P2に対してそれぞれ出力階調を白抜き矢符で示す量だけ高階調に変更した場合のガンマ曲線を示している。図5(c)には、1つの調整点P1に対して出力階調を白抜き矢符で示す量だけ低階調に変更した場合のガンマ曲線を示している。
マイコン21は、上述したように、各調整点(図2乃至図4では調整点P1)の位置が変更される都度、各調整点の位置の変更を受け付け、ガンマ調整画面中のガンマ曲線上の調整点の位置を変更させる。また、マイコン(受付手段)21は、上述したように、各調整点における出力階調が変更される都度、各調整点における出力階調の変更を受け付け、ガンマ調整画面中のガンマ曲線を変更させる。なお、マイコン21は、ガンマ曲線を変更させた場合、変更させたガンマ曲線に基づいてLUT22aを新たに生成し、メモリ22に記憶させる。
更に、マイコン21は、メモリ22に記憶させた新しいLUT22aをガンマ補正部193へ送出して、ガンマ補正部193に、このLUT22aに基づくガンマ補正処理を実行させ、処理された映像信号に基づく映像を液晶モジュール20に表示させる。なお、このとき、ガンマ調整画面はOSD画面として、映像の上に表示されたままである。
図2に示すガンマ調整画面において、ユーザが「終了」項目を選択した場合、図3に示すガンマ調整画面においてユーザが決定キーを操作して調整点移動の処理を終了させた後に「終了」項目を選択した場合、又は、図4に示すガンマ調整画面においてユーザが決定キーを操作して出力階調の設定処理を終了させた後に「終了」項目を選択した場合、マイコン21は、図2乃至図4に示すガンマ調整画面の表示を終了させる。具体的には、マイコン21は、OSDジェネレータ24に対して、ガンマ調整画面を表示させるためのOSD画面データの生成指示を終了する。
上述したように、本実施形態の液晶テレビ1では、ユーザがガンマ曲線の一部を任意に変更することができるので、ユーザの好みの画質を実現できるガンマ補正処理の実行が可能となる。また、ユーザが任意に変更できるガンマ曲線の範囲を、映像信号のY信号(輝度)におけるヒストグラムに基づいて自動的に決定しておくことにより、どの範囲内でガンマ曲線を変更させるか否かの判断の手間を省くと共に、映像信号に影響を与えない範囲でのガンマ曲線の変更等、無駄な操作を回避することができ、操作性を向上させることができる。
また、図2乃至図4に示すように、映像信号のY信号におけるヒストグラムと、ガンマ曲線とを同時表示させることにより、両者の関係が把握し易く、ヒストグラムに基づいてガンマ曲線の変更を設定することができるので、適切な設定処理が可能となる。また、ガンマ調整画面を介してガンマ曲線の変更が設定される都度、LUT22aを更新すると共に、現在表示中の映像に対して、更新されたLUT22aに基づくガンマ補正処理を実行することにより、ユーザが変更したガンマ曲線を用いたガンマ補正処理の影響を逐次確認することができる。
なお、LUT22aは、ガンマ曲線が変更される都度、更新するようにしてもよいし、例えば、ユーザ毎にメモリ22に登録しておくようにしてもよい。また、ニュース、映画、スポート等、映像信号のジャンル毎にLUT22aを用意しておいてもよい。
上述したように、本実施形態の液晶テレビ1において、ガンマ補正部193は、LUT22aを用いてガンマ補正処理を行なうことによって処理の高速化を図ることができる。しかし、このような構成に限られず、ガンマ調整画面を介して変更されたガンマ曲線を示す関数を算出しておき、この関数に従ったガンマ補正処理を行なう構成でもよい。即ち、ガンマ補正部193は、映像処理部191から入力される映像信号の各入力階調(輝度)を、算出しておいた関数に代入することによって出力階調(輝度)を算出し、算出した出力階調を出力部194へ送出すればよい。
図6はガンマ調整画面に表示されるガンマ曲線及びヒストグラムの例を示す模式図である。図6(a)には、図2乃至図4に示したガンマ調整画面中のガンマ曲線及びヒストグラムと同様のガンマ曲線及びヒストグラムを示しており、図6(b)には、図6(a)に示すガンマ曲線及びヒストグラムの拡大図を示している。図6(a)中のヒストグラムが示すように、映像信号のY信号が中間階調に集中している場合、最小点Pminから最大点Pmaxまでの範囲を拡大表示するようにしてもよい。
このような構成とすることにより、変更が可能な範囲におけるガンマ曲線を拡大表示できるので見易くなり、例えば、調整点の位置を詳細に設定する場合、各調整点における出力階調を詳細に設定する場合に有効である。なお、映像信号のY信号が所定範囲内の階調に集中している場合も、同様に所定範囲を拡大表示すればよい。
以下に、本実施形態の液晶テレビ1において、ガンマ補正部193が行なうガンマ補正処理に用いるガンマ曲線(具体的にはLUT22a)を設定(変更)する処理についてフローチャートを参照しながら説明する。図7乃至図9は液晶テレビ1によるガンマ曲線設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は一例であってこれに限られるものではない。また、以下の処理は、マイコン21のROMに予め格納してある制御プログラムに従ってマイコン21のCPUが実行する。
液晶テレビ1のユーザは、液晶モジュール20に表示中の映像を視聴している際にガンマ曲線を変更したい場合、操作部23を操作してガンマ曲線を設定するためのガンマ設定モードを選択する。マイコン21は、ガンマ設定モードが選択されたか否かを判断しており(S1)、選択されていないと判断した場合(S1:NO)、待機する。
マイコン21は、ガンマ設定モードが選択されたと判断した場合(S1:YES)、ヒストグラム取得部192によって生成されたヒストグラムに基づいて、ユーザが任意に変更可能なガンマ曲線の範囲(変更可能範囲)を決定する(S2)。なお、ヒストグラム取得部192は、映像処理部191からY信号が送出されてくる都度、ヒストグラムを生成している。
マイコン21は、メモリ22からデフォルトのOSD画面データ(ガンマ調整画面データ)を読み出し、読み出したガンマ調整画面データと、ヒストグラム取得部192から取得したヒストグラムと、自身が決定した変更可能範囲を示す最小輝度及び最大輝度とをOSDジェネレータ24へ送出する。よって、マイコン21は、OSDジェネレータ24によって、ヒストグラム、最小点Pmin及び最大点Pmaxが付加されたガンマ調整画面データを生成する(S3)。
マイコン21は、生成したガンマ調整画面データを、ビデオプロセッサ19の出力部194へ送出することにより、ガンマ調整画面データに基づくガンマ調整画面を、液晶モジュール20に表示されている映像の上に重畳させて表示させる(S4)。なお、ここでは、図2に示すガンマ調整画面が液晶モジュール20に表示される。
図2に示すガンマ調整画面において、マイコン21は、ユーザが「新規調整点追加」項目を選択したか否かを判断しており(S5)、選択したと判断した場合(S5:YES)、ガンマ調整画面中のガンマ曲線の最小点Pminの近傍に新規調整点P1を追加して表示させる(S6)。具体的には、マイコン21は、最小点Pminの近傍に新規調整点P1が追加されたガンマ調整画面データを生成してビデオプロセッサ19の出力部194へ送出し、このガンマ調整画面データに基づくガンマ調整画面を液晶モジュール20に表示させる。マイコン21は、ユーザが「新規調整点追加」項目を選択していないと判断した場合(S5:NO)、ステップS6の処理をスキップする。
図2に示すガンマ調整画面において、マイコン21は、ユーザが「調整点移動」項目を選択したか否かを判断しており(S7)、選択していないと判断した場合(S7:NO)、ステップS13へ処理を移行する。マイコン21は、選択したと判断した場合(S7:YES)、図3に示すようなメニューを表示させ、ユーザが左右キーを操作することによって調整点の移動を受け付けたか否かを判断する(S8)。移動を受け付けたと判断した場合(S8:YES)、マイコン21は、受け付けた移動に従って、現在選択されている調整点を移動させる(S9)。
具体的には、マイコン21は、ユーザが左キー(又は右キー)を操作した場合、現在選択されている調整点をガンマ曲線に沿って入力階調が低階調(又は高階調)の位置に移動させたガンマ調整画面データを生成してビデオプロセッサ19の出力部194へ送出し、このガンマ調整画面データに基づくガンマ調整画面を液晶モジュール20に表示させる。
調整点の移動を受け付けていないと判断した場合(S8:NO)、マイコン21は、ステップS9の処理をスキップし、ユーザが上下キーを操作することによって調整点の選択を受け付けたか否かを判断する(S10)。調整点の選択を受け付けたと判断した場合(S10:YES)、マイコン21は、位置を移動させる処理の対象の調整点を変更し(S11)、ステップS8へ処理を戻す。
具体的には、マイコン21は、ユーザが上キー(又は下キー)を操作した場合、現在選択されている調整点よりも入力階調が高階調(又は低階調)の調整点を処理対象に変更させる。そして、マイコン21は、この調整点を処理対象としたガンマ調整画面データを生成してビデオプロセッサ19の出力部194へ送出し、このガンマ調整画面データに基づくガンマ調整画面を液晶モジュール20に表示させる。
調整点の選択を受け付けていないと判断した場合(S10:NO)、マイコン21は、ユーザが決定キーを操作することによって調整点の位置を移動させる処理の終了を受け付けたか否かを判断する(S12)。終了を受け付けていないと判断した場合(S12:NO)、マイコン21は、ステップS8へ処理を戻す。
終了を受け付けたと判断した場合(S12:YES)、又は図2に示すガンマ調整画面において、ユーザが「調整点移動」項目を選択していないと判断した場合(S7:NO)、マイコン21は、ガンマ調整画面において、ユーザが「出力階調設定」項目を選択したか否かを判断する(S13)。選択していないと判断した場合(S13:NO)、マイコン21は、ステップS22へ処理を移行する。
マイコン21は、選択したと判断した場合(S13:YES)、図4に示すようなメニューを表示させ、ユーザが上下キーを操作することによって調整点における出力階調の変更を受け付けたか否かを判断する(S14)。出力階調の変更を受け付けたと判断した場合(S14:YES)、マイコン21は、現在選択されている調整点に対する出力階調を変更させると共に、ガンマ調整画面中のガンマ曲線を変更させて表示させる(S15)。
具体的には、マイコン21は、ユーザが上キー(又は下キー)を操作した場合、現在選択されている調整点に対応する出力階調を高階調(又は低階調)の位置に所定量だけ移動させると共に、この移動に伴ってガンマ曲線を変更(補間)する。そして、マイコン21は、変更させたガンマ曲線を表示したガンマ調整画面データを生成してビデオプロセッサ19の出力部194へ送出し、このガンマ調整画面データに基づくガンマ調整画面を液晶モジュール20に表示させる。
マイコン21は、ステップS15で変更したガンマ曲線に基づいてLUT22aを新たに生成し、メモリ22に記憶させる(S16)。マイコン21は、メモリ22に記憶させた新しいLUT22aに基づくガンマ補正処理をガンマ補正部193に実行させ(S17)、映像処理部191からガンマ補正部193に送出されてくる映像信号に対して、新しいLUT22aに基づくガンマ補正処理を行ない、得られた映像信号に基づく映像を出力部194を介して液晶モジュール20に表示させる(S18)。
新しいLUT22aに基づくガンマ補正処理を行なった映像信号に基づく映像を表示させた後、又は調整点の出力階調の変更を受け付けていないと判断した場合(S14:NO)、マイコン21は、図4に示すガンマ調整画面において、ユーザが左右キーを操作することによって調整点の選択を受け付けたか否かを判断する(S19)。調整点の選択を受け付けたと判断した場合(S19:YES)、マイコン21は、出力階調を変更させる処理の対象の調整点を変更し(S20)、ステップS14へ処理を戻す。
具体的には、マイコン21は、ユーザが左キー(又は右キー)を操作した場合、現在選択されている調整点よりも入力階調が低階調(又は高階調)の調整点を処理対象に変更させる。そして、マイコン21は、この調整点を処理対象としたガンマ調整画面データを生成してビデオプロセッサ19の出力部194へ送出し、このガンマ調整画面データに基づくガンマ調整画面を液晶モジュール20に表示させる。
調整点の選択を受け付けていないと判断した場合(S19:NO)、マイコン21は、ユーザが決定キーを操作することによって調整点における出力階調を変更させる処理の終了を受け付けたか否かを判断する(S21)。終了を受け付けていないと判断した場合(S21:NO)、マイコン21は、ステップS14へ処理を戻す。
終了を受け付けたと判断した場合(S21:YES)、又は図2に示すガンマ調整画面において、ユーザが「出力階調設定」項目を選択していないと判断した場合(S13:NO)、マイコン21は、図2に示すガンマ調整画面において、ユーザが「終了」項目を選択したか否かを判断する(S22)。マイコン21は、選択していないと判断した場合(S22:NO)、ステップS5へ処理を移行し、上述したステップS5〜S22の処理を繰り返す。マイコン21は、選択したと判断した場合(S22:YES)、ガンマ調整画面の表示を終了し、上述したガンマ曲線の設定処理を終了する。
上述した実施形態では、図2乃至図5に示すように、ガンマ調整画面を介して1つ又は2つの調整点を設定した例について説明したが、最小点Pminから最大点Pmaxまでの間に設定できる調整点の数はこれらに限られない。また、図5(b)に示すように、複数の調整点が設定された場合、それぞれの調整点を異なる色で表示させてもよく、また、現在選択されている調整点のみを他の調整点とは異なる色で表示させるようにしてもよい。このように構成することによって、ユーザが、調整点の選択、調整点の移動、調整点に対する出力階調の変更等の操作を行なう際に、処理対象の調整点を容易に見分けることができる。
上述した実施形態では、図2乃至図4に示すように、ガンマ調整画面にガンマ曲線及びヒストグラムが表示される例について説明した。しかし、例えば、ヒストグラムを表示させずに、最小点Pmin及び最大点Pmaxが付加されたガンマ曲線のみをOSD画面として映像の上に表示させる構成であってもよい。このような構成においても、ユーザが任意に変更できるガンマ曲線の範囲を自動的に決定するので、どの範囲内でガンマ曲線を変更させるか否かの判断の手間を省くと共に、映像信号に影響を与えない範囲でのガンマ曲線の変更等、無駄な操作を回避することができる。
上述した実施形態では、ガンマ調整画面をOSD画面として液晶モジュール20に表示中の映像に重畳させて表示させる構成を例に説明した。しかし、このような構成に限られず、ガンマ調整画面のみを液晶モジュール20の全体に表示させるようにしてもよい。