JP5070920B2 - 肉盛耐摩耗鉄基合金 - Google Patents

肉盛耐摩耗鉄基合金 Download PDF

Info

Publication number
JP5070920B2
JP5070920B2 JP2007123635A JP2007123635A JP5070920B2 JP 5070920 B2 JP5070920 B2 JP 5070920B2 JP 2007123635 A JP2007123635 A JP 2007123635A JP 2007123635 A JP2007123635 A JP 2007123635A JP 5070920 B2 JP5070920 B2 JP 5070920B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
wear
build
copper
based alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007123635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008279463A (ja
Inventor
稔 河崎
裕介 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007123635A priority Critical patent/JP5070920B2/ja
Publication of JP2008279463A publication Critical patent/JP2008279463A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5070920B2 publication Critical patent/JP5070920B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

本発明は肉盛耐摩耗鉄基合金に関する。本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は例えば摺動材料に適用することができる。
従来、肉盛耐摩耗合金として、銅を主成分とする銅基合金のものや鉄を主成分とする鉄基合金のものが知られている。
肉盛耐摩耗銅基合金としては、例えば特許文献1に、重量%で、ニッケル:5.0〜20.0%、シリコン:0.5〜5.0%、マンガン:3.0〜30.0%、及び、マンガンと結合してラーベス相を形成すると共にシリサイドを形成する元素:3.0〜30.0%及び不可避不純物を含み、残部が銅の組成を有するCu−Ni−Mn系合金が記載されている。
一方、肉盛耐摩耗鉄基合金としては、例えば特許文献2に、重量%で、クロム:30〜40%、ニッケル:15〜31%、モリブデン:7〜20%、炭素:0.7〜2.2%、シリコン:1.5%以下及び不可避不純物を含み、残部が鉄の組成を有するFe−Cr−Ni系合金が記載されている。
銅基合金は、鉄基合金と比べて、融点が400℃程度も低いために耐熱性が低く、高温領域での耐摩耗性が低い。このため、例えば自動車エンジンシリンダヘッドのバルブシート部用の肉盛材料として銅基合金を適用することには、高温摩耗特性の点から限界があった。
一方、鉄基合金は、銅基合金と比べて、高温領域での耐摩耗性を高めるのに有利となる。しかし、鉄基合金は銅基合金と比べて自己潤滑性に劣る。また、鉄基マトリックス中に分散するクロム炭化物やモリブデン炭化物等よりなる硬質粒子が、摺動の相手部材を攻撃する。このため、例えば自動車エンジンシリンダヘッドのバルブシート部用の肉盛材料として鉄基合金を使用すれば、相手部材としてのエンジンバルブの摩耗量が増大するという問題があった。
特開2005−256147号公報 特開平2−117797号公報
ところで近年、肉盛耐摩耗合金は様々な環境で使用されつつあり、しかもその使用条件は一層過酷になりつつある。特に自動車業界においては排気ガスクリーン規制が厳しくなっており、これに対処すべく燃料の希薄化により燃焼温度が高温化している。このため、自動車用摺動部品においては、高温領域での耐摩耗性の要求がより厳しくなってきている。
よって、産業界、特に自動車業界においては、上記公報に記載の肉盛耐摩耗合金よりも、さらに耐摩耗性に優れた肉盛耐摩耗合金が要望されている。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、高温領域における耐摩耗性の向上を図り、かつ相手攻撃性の低下を図った肉盛耐摩耗鉄基合金を提供することを課題とする。
第1発明は、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金を組成面から特定するものである。すなわち、第1発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金は、鉄を主成分とする鉄基合金であって、液相状態で鉄と2相分離し、かつ固相状態で鉄基マトリックス中に粒子状に分散する配合割合で添加された銅と、鉄と結合してラーベス相を形成するとともに粒子状のシリサイドを形成するラーベス相粒子形成元素と、ニッケルと、シリコンとを含むことを特徴とするものである。
前記ラーベス相粒子形成元素は、モリブデン、タングステン及びバナジウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
第1発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金は、質量%で、鉄:50%以上、銅:12.5〜26.0%、ラーベス相粒子形成元素:8.0〜10.0%、ニッケル:8.0〜10.0%及びシリコン:2.0〜2.5%を含むことが好ましい。
第1発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金は、ニオブ及び炭素をさらに含むことが好ましい。これらの元素は、質量%で、ニオブ:0.7〜1.3%、炭素:0.07〜0.13%含まれることが好ましい。
第2発明は、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金を組織面から特定したものである。すなわち、第2発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金は、鉄を主成分とする鉄基合金であって、鉄を主成分とする鉄基マトリックスと、該鉄基マトリックス中に分散し、銅を主成分とする銅粒子と、該銅粒子中に分散し、ラーベス相をもつシリサイドよりなる硬質ラーベス相粒子とを備えていることを特徴とするものである。
前記鉄基マトリックスは、Fe−Ni系の固溶体と、Fe−Ni系のシリサイドとを主要素としていることが好ましい。
前記硬質ラーベス層粒子は、Fe−Mo系のシリサイド、Fe−W系のシリサイド及びFe−V系のシリサイドよりなる群から選ばれる少なくとも1種よりなることが好ましい。
第2発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金は、前記銅粒子中に分散し、ニオブ炭化物、モリブデン炭化物及びニオブとモリブデンとの複合炭化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種よりなる硬質炭化物粒子をさらに備えていることが好ましい。
本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金では、銅と比べて耐熱性の高い鉄を主成分とする鉄基マトリックスにより、高温領域においても高い耐摩耗性を確保することができる。
また、液相状態で鉄と2相分離し、かつ固相状態で鉄基マトリックス中に粒子状に分散する配合割合で添加された銅は、鉄基マトリックス中に銅粒子として分散している。この鉄基マトリックス中に分散する銅粒子は、鉄基マトリックスよりも硬度の低いものである。すなわち、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金では、硬い鉄基マトリックス中に軟らかい銅粒子が分散している。
ここに、モリブデン、タングステン又はバナジウム等のラーベス相粒子形成元素は、鉄と結合してラーベス相を形成するとともにシリコンと結合してシリサイドを形成する。こうして形成されたラーベス相をもつシリサイドよりなる硬質ラーベス相粒子は、高温における耐摩耗性を高める。そして、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金では、この硬質ラーベス相粒子が硬い鉄基マトリックスではなく、軟らかい銅基粒子中に分散している。
このように、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金では、硬い鉄基マトリックス中に軟らかい銅粒子が分散し、かつ、この軟らかい銅粒子中に硬質ラーベス相粒子が分散している。このような組織によれば、後述する実施例のデータで示されるように、例えば硬い鉄基マトリックス中に鉄基マトリックスよりもさらに硬い硬質粒子が分散してなる従来の肉盛耐摩耗鉄基合金と比べて、高温における耐摩耗性が高く、かつ、相手攻撃性が低くなる。
なお、本明細書では特に断らない限り、%は質量%を意味する。また、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金において、100質量%から添加元素の総量を差し引いた残部の鉄の質量%は各添加元素の単独の質量%を上回る。
したがって、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金によれば、高温領域における耐摩耗性のさらなる向上と、相手攻撃性の低下とを図ることが可能となる。
本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は、鉄を主成分とする鉄基合金であって、銅と、ラーベス相粒子形成元素と、ニッケルと、シリコンとを含む組成を有する。また、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は、鉄を主成分とする鉄基マトリックスと、この鉄基マトリックス中に分散し、銅を主成分とする銅粒子と、この銅粒子中に分散し、ラーベス相をもつシリサイドよりなる硬質ラーベス相粒子とを備える組織を有する。
鉄基マトリックスは、鉄を主成分とするものであって、Fe−Ni系の固溶体と、Fe−Ni系のシリサイドとを主要素として形成された形態とすることができる。Fe−Ni系のシリサイドは柱状共晶成分であり、肉盛性の向上に寄与する。
本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金において、銅は、液相状態で鉄と2相分離し、かつ固相状態で鉄基マトリックス中に粒子状に分散する配合割合で添加されている。すなわち、銅は鉄基マトリックス中に銅粒子として分散している。
銅の配合割合は、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金の全体を100%としたとき、12.5〜26.0%であることが好ましく、12.5〜20.%であることがより好ましく、12.5〜15.0%であることが特に好ましい。銅の配合割合が少なすぎると、鉄基マトリックス中に分散する銅粒子が不足する。鉄基マトリックス中に分散する銅粒子が不足すると、ラーベス相が減少し、潤滑摩耗特性が激減する。一方、銅の配合割合が多すぎると、鉄基マトリックス中で銅が粒子状に分散せずに塊状となってホモジニアス分離してしまう。鉄基マトリックス中で銅がホモジニアス分離すると、銅と鉄が大きく分離するため、分散効果が消滅する。
鉄基マトリックス中に分散する銅粒子の大きさとしては、肉盛耐摩耗鉄基合金の組成や凝固速度等にも影響されるが、30〜1000μm程度であることが好ましく、50〜250μm程度であることがより好ましい。銅粒子が大きすぎると、耐熱性不足となり、逆に小さすぎると、潤滑性不足となる。
ラーベス相粒子形成元素は、鉄と結合してラーベス相を形成するとともに粒子状のシリサイドを形成することで、ラーベス相をもつシリサイドよりなる硬質ラーベス相粒子を生成する。この硬質ラーベス相粒子は、鉄基マトリックス中に分散した銅粒子中に分散している。また、硬質ラーベス相粒子は、鉄基マトリックスよりも硬度の高いものである。
ラーベス相粒子形成元素の種類としては、鉄と結合してラーベス相を形成するとともに粒子状のシリサイドを形成することで、ラーベス相をもつシリサイドよりなる硬質ラーベス相粒子を生成するものであれば特に限定されないが、モリブデン、タングステン及びバナジウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ラーベス相粒子形成元素の配合割合は、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金の全体を100%としたとき、8.0〜10.0%であることが好ましい。ラーベス相粒子形成元素の配合割合が少なすぎると、銅粒子中に分散する硬質ラーベス相粒子が不足し、高温における耐摩耗性を高める効果が低下する。一方、ラーベス相粒子形成元素の配合割合が多すぎると、肉盛耐摩耗鉄基合金の靭性が低くなり、対象物に肉盛する場合にワレが発生し易くなる。
ニッケルは、主に鉄基マトリックス中に存在し、Fe−Ni系の固溶体やFe−Ni系のシリサイドを形成している。
ニッケルの配合割合は、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金の全体を100%としたとき、8.0〜10.0%であることが好ましい。ニッケルの配合割合が少なすぎると、耐熱性が低下し、高温における耐摩耗性を高める効果が低下する。一方、ニッケルの配合割合が多すぎると、肉盛耐摩耗鉄基合金の靭性が低くなり、対象物に肉盛する場合にワレが発生し易くなる。
シリコンは、鉄基マトリックス中に存在してFe−Ni系のシリサイドを形成したり、あるいは銅粒子中に存在してFe−Mo系のシリサイド、Fe−W系のシリサイド及び/又はFe−V系のシリサイドを形成したりしている。
シリコンの配合割合は、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金の全体を100%としたとき、2.0〜2.5%であることが好ましい。シリコンの配合割合が少なすぎると、ラーベス相が不足し、高温における耐摩耗性を高める効果が低下する。一方、シリコンの配合割合が多すぎると、ケイ化物が多量に晶出して、肉盛耐摩耗鉄基合金の靭性が低くなり、対象物に肉盛する場合にワレが発生し易くなる。
本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は、ニオブ及び炭素をさらに含む組成を有することが好ましい。ニオブ及び炭素は、モリブデンと共に、ニオブ炭化物、モリブデン炭化物及びニオブとモリブデンとの複合炭化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種よりなる硬質炭化物粒子を生成する。この硬質炭化物粒子は、硬質ラーベス相粒子と同様、鉄基マトリックス中に分散した銅粒子中に分散する。すなわち、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は、ニオブ及び炭素が添加されることにより、銅粒子中に分散し、ニオブ炭化物、モリブデン炭化物及びニオブとモリブデンとの複合炭化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種よりなる硬質炭化物粒子をさらに備えていることが好ましい。これにより、高温における耐摩耗性をより高めることができる。この硬質炭化物粒子は、鉄基マトリックスよりも硬度の高いものである。
ニオブの配合割合は、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金の全体を100%としたとき、0.7〜1.3%であることが好ましい。ニオブの配合割合が少なすぎると、銅粒子中に分散する硬質炭化物粒子が不足するため、高温における耐摩耗性を高める効果が低下する。一方、ニオブの配合割合が多すぎると、ニオブ炭化物が多量に晶出して、肉盛耐摩耗鉄基合金の靭性が低くなり、対象物に肉盛する場合にワレが発生し易くなる。
炭素の配合割合は、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金の全体を100%としたとき、0.07〜0.13%であることが好ましい。炭素の配合割合が少なすぎると、銅粒子中に分散する硬質炭化物粒子が不足するため、高温における耐摩耗性を高める効果が低下する。一方、炭素の配合割合が多すぎると、炭化物が多量に晶出して、肉盛耐摩耗鉄基合金の靭性が低くなり、対象物に肉盛する場合にワレが発生し易くなる。
硬質炭化物粒子の大きさとしては、肉盛耐摩耗鉄基合金の組成や凝固速度等にも影響されるが、5〜750μm程度であることが好ましく、10〜350μm程度であることがより好ましい。硬質炭化物粒子が大きすぎると、ワレを誘発しやすくなり、逆に小さすぎると、高温における耐摩耗性を高める効果が低下する。
本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は、融液状態において、鉄と銅とが2液相分離する。また、融液状態において、ラーベス相粒子形成元素、ニッケル及びシリコンは、それぞれ一層となっている。なお、ニオブ及び炭素が添加されている場合は、融液状態において、ニオブ及び炭素は、それぞれ一層となっている。そして、融液状態から冷却、凝固することで、液相から粒子が形成される。この融液状態からの冷却凝固過程では、まず、硬質ラーベス相粒子が形成され(ニオブ及び炭素が添加されている場合は、硬質炭化物粒子もほぼ同時に形成され)、その後、鉄が冷却凝固することで鉄基マトリックスが形成されて、鉄基マトリックス中に銅の液相が分散した状態となり(先に生成した硬質ラーベス相粒子や硬質炭化物粒子はこの銅の液相中に存在する)、そして最後に銅の液相が冷却凝固することで、硬質ラーベス相粒子や硬質炭化物粒子を含む銅粒子が形成されるものと考えられる。なお、鉄基マトリックスが形成されるときに、硬質ラーベス相粒子や炭化物粒子が鉄基マトリックスに取り込まれずに銅の液相中に存在するのは、形成能(生成傾向エネルギー)のためと考えられる。
本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は、次の少なくとも一つの実施形態を採用することができる。
本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は、対象物に肉盛される肉盛合金として用いられる。肉盛方法としては、レーザビーム、電子ビームやアーク等の高密度エネルギ熱源を用いて溶着して肉盛する方法が例示される。この場合には、本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金を粉末又はバルク体として肉盛用素材とし、その粉末又はバルク体を被肉盛部に集合させた状態で、上記したレーザビーム、電子ビームやアーク等の高密度エネルギ熱源に代表される熱源を用いて溶着して肉盛することができる。また上記した肉盛耐摩耗鉄基合金は、粉末又はバルク体に限らず、ワイヤ化又は棒状化した肉盛用素材としても良い。レーザビームとしては炭酸ガスレーザビームやYAGレーザビーム等の高エネルギ密度をもつものが例示される。肉盛される対象物の材質としてはアルミニウム、アルミニウム系合金、鉄若しくは鉄系合金又は銅若しくは銅系合金等が例示されるが、これらに限定されるものではない。対象物を構成するアルミニウム合金の基本組成としては鋳造用のアルミニウム合金、例えば、Al−Si系、Al−Cu系、Al−Mg系やAl−Zn系等を例示できるが、これらに限定されるものではない。対象物としては内燃機関や外燃機関等の機関が例示されるが、これらに限定されるものではない。内燃機関の場合には動弁系材料が例示される。この場合には、排気ポートを構成するバルブシートに適用しても良いし、吸気ポートを構成するバルブシートに適用しても良い。この場合には、本発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金でバルブシート自体を構成しても良いし、本発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金をバルブシートに肉盛することにしても良い。但し、本発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金は、内燃機関などの機関の動弁系材料に限定されるものではなく、耐摩耗性が要請される他の系統の摺動肉盛材料にも使用できるものである。
また、本発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金としては、肉盛後の肉盛層を構成しても良いし、肉盛前の肉盛用合金でも良い。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
(実施例)
実施例の肉盛耐摩耗鉄基合金に係る試料の組成(分析組成)を表1に示す。分析組成は基本的には配合組成と整合する。実施例の肉盛耐摩耗鉄基合金に係る試料の組成は、銅、モリブデン、ニッケル、シリコン、ニオブ及び炭素を含み、残部が鉄よりなり、表1に示されるように、鉄:50%以上、銅:12.5〜26.0%、ラーベス相粒子形成元素としてのモリブデン:8.0〜10.0%、ニッケル:8.0〜10.0%、シリコン:2.0〜2.5%、ニオブ:0.7〜1.3%、炭素:0.07〜0.13%の組成内に設定されている。
すなわち、実施例の組成は、鉄:残部(52.7%)、銅:25.0%、ラーベス相粒子形成元素としてのモリブデン:9.0%、ニッケル:9.0%、シリコン:2.3%、ニオブ:1.0%、炭素:0.1%である。
上記試料は、高真空中で溶解した合金溶湯をガスアトマイズ処理して製造した粒度が5μm〜300μmの粉末である。このガスアトマイズ処理は、非酸化性雰囲気(アルゴンガス又は窒素ガスの雰囲気)に高温の溶湯をノズルから噴出させることにより行った。ガスアトマイズ処理で形成された上記粉末は成分均一性が高い。
そして、肉盛の対象物であるアルミニウム合金(材質:AC2C)で形成された基体を準備し、上記試料(粉末状)を基体の被肉盛部に載せて試料層を形成した。この状態で、ガス供給管からシールドガス(アルゴンガス)を肉盛箇所に吹き付けつつ、炭酸ガスレーザのレーザビームをビームオシレータにより揺動させると共に、レーザビームと基体とを相対的に移動させ、これによりレーザビームを試料層に照射処理した。このとき、ビームオシレータによりレーザビームを試料層の幅方向に振った。また、このときの照射処理では、炭酸ガスレーザのレーザ出力を3.5kW、レーザビームの試料層でのスポット径を1.0mm、レーザビームと基体との相対走行速度を15mm/sec、シールドガス流量を10リットル/minとした。その後、試料を溶融凝固させて、肉盛層(肉盛厚み:1.8mm、肉盛幅:5.5mm)を基体の被肉盛部に形成した。
(顕微鏡観察)
こうして形成された肉盛層について、顕微鏡により肉盛組織を観察した。その顕微鏡写真(100倍)が図1に示されるように、鉄基マトリックスの全体に銅粒子が均一に分散していた。この銅粒子の粒径は20〜100μm程度であった。そして、硬質ラーベス相粒子及び硬質炭化物粒子は、鉄基マトリックスではなく銅粒子中に分散していた。なお、硬質ラーベス相粒子及び硬質炭化物粒子が鉄基マトリックスではなく銅粒子中に分散していることは、拡大顕微鏡観察により確認することができる。また、硬質炭化物粒子の粒径は5〜50μm程度であった。
また、EPMA分析装置により、上記肉盛組織を調べた。その結果、鉄基マトリックスは、Fe−Ni系の固溶体と、ニッケルを主要成分とする網目状のFe−Ni系のシリサイドとを主要素として形成されていた。また、銅粒子中に分散していた硬質ラーベス相粒子はFe−Mo系のシリサイドよりなるものであった。また、銅粒子中に分散していた硬質炭化物粒子は、ニオブ炭化物よりなるもの、モリブデン炭化物よりなるもの、及びニオブとモリブデンとの複合炭化物よりなるものであった。
さらに、X線回折分析装置により、上記肉盛組織を調べたところ、銅粒子中に分散していた硬質ラーベス相粒子たるFe−Mo系のシリサイドがラーベス相であることが確認できた。
(比較例1)
比較例1の肉盛耐摩耗鉄基合金に係る試料の組成を表1に併せて示すように、比較例1の組成は、実施例の組成において銅の代わりにクロムを含むとともに、モリブデン、ニッケル、シリコン、ニオブ及び炭素を含み、残部が鉄よりなる。この試料は、前記特許文献2に記載された従来材(肉盛耐摩耗鉄基合金)に相当する。
すなわち、比較例1の組成は、鉄:残部(32.5%)、クロム:35.0%、モリブデン:10.0%、ニッケル:20.0%、シリコン:1.0%、炭素:1.5%である。
上記試料は、実施例と同様のガスアトマイズ処理により製造した粉末である。
(比較例2)
比較例2の肉盛耐摩耗銅基合金に係る試料の組成を表1に併せて示すように、比較例2の組成は、ニッケル、コバルト、モリブデン、鉄、シリコン及びクロムを含み、残部が銅よりなる。この試料は、従来材(型式:CuLS50)の肉盛耐摩耗銅基合金に相当する。
すなわち、比較例2の組成は、残部:銅(%)、ニッケル:15.0%、コバルト:7.0%、モリブデン:6.0%、鉄:5.0%、シリコン:2.8%、クロム:1.5%である。
上記試料は、実施例と同様のガスアトマイズ処理により製造した粉末である。
(比較例3)
比較例3の試料の組成を表1に併せて示すように、比較例3の試料は鉄系焼結材である。この比較例3の組成は、Fe:残部、Co:7.5〜10.5%、Mo:5.0〜8.0%、Ni:5.0〜6.0%、C:0.25〜0.50%である。
Figure 0005070920
(摩耗試験)
実施例の肉盛耐摩耗鉄基合金に係る試料及び比較例1〜3の試料を用いて形成した肉盛層それぞれについて、摩耗試験を行って摩耗量を調べた。
この摩耗試験では、図2に示されるように、バルブシート材(アルミニウム合金AC2C)よりなる厚肉円板状の試験片10の表面に各試料を用いて肉盛層11を形成した。そして、この肉盛層11が形成された試験片10を第1ホルダ12に保持させた。一方、バルブ材(JIS−SUE3相当材の表面にJIS−SUH35相当材を被覆したもの)よりなる円柱状の相手材20を準備し、この相手材20の外周に誘導コイル21を巻回して第2ホルダ22に保持させた。そして、相手材20を誘導コイル21で高周波誘導加熱しつつ回転させ、相手材20の軸端面を試験片10の肉盛層11に押しつけることにより試験を行った。試験条件としては、荷重:563.5kPa、摩擦摺動速度:0.3m/sec、摩擦時間:1800sec、試験片10の表面温度:250〜400℃とした。
そして、摩擦試験後の肉盛層11及び相手材20の摩耗量を調べた。その結果が図3に示されるように、実施例に係る試料で形成した肉盛層では、バルブシート摩耗量(肉盛層11の摩耗量)が、比較例1に係る試料(従来材:Fe基合金)と比べて、大幅に低減した。また、実施例に係る試料で形成した肉盛層では、バルブ摩耗量(相手材20の摩耗量)が、比較例2に係る試料(従来材:Cu基合金)と同程度又はそれ以下に低減した。
(Cu量の効果・影響)
実施例の組成において、銅以外の添加成分の配合割合をFe:残部、Mo:9.0%、Ni:9.0%、Si:2.3%、Nb:1.0%、C:1.0%に固定したまま、銅の配合割合を種々変更した試料を準備した。
そして、各試料を用いて実施例と同様の方法により、アルミニウム合金(材質:AC2C)でよりなる基体の表面に肉盛層を形成した。
得られた肉盛層について、粒子分散率(肉盛層の全体を100体積%としたとき、肉盛層に占める銅粒子の体積比)を調べた。
その結果が図4及び図5に示されるように、肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が12.5〜26.0%の範囲内であれば、銅粒子の粒子分散率が2.5〜24.5体積%の範囲内にあり、肉盛層における鉄基マトリックス中に銅粒子が均一分散した。これに対し、肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が12.5%未満になると、鉄基マトリックス中に分散する銅粒子が極めて少なかった。また、肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が26.0%を超えると、鉄基マトリックス中で銅が粒子状に分散せずに塊状となってホモジニアス分離してしまった。
なお、図5は肉盛層における銅粒子の分散状態を模式的に示す断面図であり、(a)は肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が5%であるときの模式断面図、(b)は肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が20%であるときの模式断面図、(c)は肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が30%であるときの模式断面図である。
したがって、肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合の好ましい範囲は12.5〜26.0%であることが確認できた。
(Ni量の効果・影響)
実施例の組成において、ニッケル以外の添加成分の配合割合をFe:残部、Cu:25.0%、Mo:9.0%、Si:2.3%、Nb:1.0%、C:0.1%に固定したまま、ニッケルの配合割合を種々変更した試料を準備した。
そして、各試料について、前述した摩耗試験を実施して、バルブシート摩耗量を測定した。また、各試料について、肉盛時のワレ発生率を調べた。
これらの結果が図6及び図7に示されるように、肉盛耐摩耗鉄基合金におけるニッケルの配合割合が8.0〜10.0%の範囲内にあれば、バルブシートの摩耗量及びワレ発生率を効果的に低減でき、高温領域における耐摩耗性及び耐ワレ性をバランス良く高めることができた。
(Mo量の効果・影響)
実施例の組成において、モリブデン以外の添加成分の配合割合をFe:残部、Cu:25.0%、Ni:9.0%、Si:2.3%、Nb:1.0%、C:0.1%に固定したまま、モリブデンの配合割合を種々変更した試料を準備した。
そして、各試料について、前述した摩耗試験を実施して、バルブシート摩耗量を測定した。また、各試料について、肉盛時のワレ発生率を調べた。
これらの結果が図8及び図9に示されるように、肉盛耐摩耗鉄基合金におけるモリブデンの配合割合が8.0〜10.0%の範囲内にあれば、バルブシートの摩耗量及びワレ発生率を効果的に低減でき、高温領域における耐摩耗性及び耐ワレ性をバランス良く高めることができた。
(Si量の効果・影響)
実施例の組成において、シリコン以外の添加成分の配合割合をFe:残部、Cu:25.0%、Mo:9.0%、Ni:9.0%、Nb:1.0%、C:0.1%に固定したまま、シリコンの配合割合を種々変更した試料を準備した。
そして、各試料について、前述した摩耗試験を実施して、バルブシート摩耗量を測定した。また、各試料について、肉盛時のワレ発生率を調べた。
これらの結果が図10及び図11に示されるように、肉盛耐摩耗鉄基合金におけるシリコンの配合割合が2.0〜2.5%の範囲内にあれば、バルブシートの摩耗量及びワレ発生率を効果的に低減でき、高温領域における耐摩耗性及び耐ワレ性をバランス良く高めることができた。
(Nb量の効果・影響)
実施例の組成において、ニオブ以外の添加成分の配合割合をFe:残部、Cu:25.0%、Mo:9.0%、Ni:9.0%、Si:2.3%、C:0.1%に固定したまま、ニオブの配合割合を種々変更した試料を準備した。
そして、各試料について、前述した摩耗試験を実施して、バルブシート摩耗量を測定した。また、各試料について、肉盛時のワレ発生率を調べた。
これらの結果が図12及び図13に示されるように、肉盛耐摩耗鉄基合金におけるニオブの配合割合が0.7〜1.3%の範囲内にあれば、バルブシートの摩耗量及びワレ発生率を効果的に低減でき、高温領域における耐摩耗性及び耐ワレ性をバランス良く高めることができた。
(C量の効果・影響)
実施例の組成において、炭素以外の添加成分の配合割合をFe:残部、Cu:25.0%、Mo:9.0%、Ni:9.0%、Si:2.3%、Nb:1.0%に固定したまま、炭素の配合割合を種々変更した試料を準備した。
そして、各試料について、前述した摩耗試験を実施して、バルブシート摩耗量を測定した。また、各試料について、肉盛時のワレ発生率を調べた。
これらの結果が図14及び図15に示されるように、肉盛耐摩耗鉄基合金における炭素の配合割合が0.07〜0.13%の範囲内にあれば、バルブシートの摩耗量及びワレ発生率を効果的に低減でき、高温領域における耐摩耗性及び耐ワレ性をバランス良く高めることができた。
したがって、本発明に係る肉盛耐摩耗鉄基合金の肉盛層を、内燃機関の動弁系部品であるバルブシートに積層すれば、バルブシートの耐摩耗性を改善でき、更に相手攻撃性も抑えることができ、相手材であるバルブの摩耗量も抑えることができることがわかる。また、肉盛時の耐ワレ性を高めるのにも有利である。
(その他)
なお、前記実施例では、ラーベス相形成元素としてモリブデンを用いる例について説明したが、モリブデンの代わりにタングステン又はバナジウムを用いて硬質ラーベス相粒子としてFe−W系のシリサイド又はFe−V系のシリサイドを形成した場合も、同様の効果が得られると考えられる。
なお、前記実施例ではガスアトマイズ処理により肉盛耐摩耗銅基合金の粉末を形成しているが、これに限らず、溶湯を回転体に衝突させて粉末化するメカニカルアトマイズ処理などの粉末化処理、あるいは、粉砕装置を用いた機械的粉砕処理により肉盛用の肉盛耐摩耗銅基合金の粉末を形成しても良い。
本発明の肉盛耐摩耗鉄基合金は、内燃機関の動弁系を構成するバルブシートの他、場合によっては、バルブシートの相手材であるバルブを構成する材料、あるいは、バルブに肉盛される材料に適用することができる。内燃機関はガソリンエンジンでも、ディーゼルエンジンでも良い。
その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。実施の形態、実施例に記載されている語句の形容は、一部であっても各請求項に記載できるものである。
実施例の肉盛耐摩耗鉄基合金で形成した肉盛層の肉盛組織を示す顕微鏡写真である。 肉盛層を有する試験片に対して耐摩耗試験を行っている様子を模式的に示す構成図である。 実施例及び比較例1〜3に係る肉盛層の摩耗量を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるCu配合量と、肉盛層における銅粒子分散率との関係を示すグラフである。 肉盛層における銅粒子の分散状態を模式的に示す断面図であり、(a)は肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が5%であるときの模式断面図、(b)は肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が20%であるときの模式断面図、(c)は肉盛耐摩耗鉄基合金における銅の配合割合が30%であるときの模式断面図である。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるNi配合量と、肉盛層の摩耗量との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるNi配合量と、肉盛層のワレ発生率との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるMo配合量と、肉盛層の摩耗量との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるMo配合量と、肉盛層のワレ発生率との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるSi配合量と、肉盛層の摩耗量との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるSi配合量と、肉盛層のワレ発生率との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるNb配合量と、肉盛層の摩耗量との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるNb配合量と、肉盛層のワレ発生率との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるC配合量と、肉盛層の摩耗量との関係を示すグラフである。 肉盛耐摩耗鉄基合金におけるC配合量と、肉盛層のワレ発生率との関係を示すグラフである。
符号の説明
10…試験片(バルブシート) 11…肉盛層
20…相手材(バルブ)

Claims (8)

  1. 鉄を主成分とする鉄基合金であって、液相状態で鉄と2相分離し、かつ固相状態で鉄基マトリックス中に粒子状に分散する配合割合で添加された銅と、鉄と結合してラーベス相を形成するとともに粒子状のシリサイドを形成するラーベス相粒子形成元素と、ニッケルと、シリコンとを含み、これら元素の含有量が質量%で、鉄:50%以上、銅:12.5〜26.0%、ラーベス相粒子形成元素:8.0〜10.0%、ニッケル:8.0〜10.0%及びシリコン:2.0〜2.5%であることを特徴とする肉盛耐摩耗鉄基合金。
  2. 前記ラーベス相粒子形成元素は、モリブデン、タングステン及びバナジウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の肉盛耐摩耗鉄基合金。
  3. ニオブ及び炭素をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の肉盛耐摩耗鉄基合金。
  4. 質量%で、ニオブ:0.7〜1.3%及び炭素:0.07〜0.13%を含むことを特徴とする請求項3に記載の肉盛耐摩耗鉄基合金。
  5. 鉄を主成分とする鉄基合金であって、鉄を主成分とする鉄基マトリックスと、該鉄基マトリックス中に分散し、銅を主成分とする銅粒子と、該銅粒子中に分散し、ラーベス相をもつシリサイドよりなる硬質ラーベス相粒子とを備え、かつ、元素含有量が質量%で、鉄:50%以上、銅:12.5〜26.0%、ラーベス相粒子形成元素:8.0〜10.0%、ニッケル:8.0〜10.0%及びシリコン:2.0〜2.5%であることを特徴とする肉盛耐摩耗鉄基合金。
  6. 前記鉄基マトリックスは、Fe−Ni系の固溶体と、Fe−Ni系のシリサイドとを主要素としていることを特徴とする請求項5に記載の肉盛耐摩耗鉄基合金。
  7. 前記硬質ラーベス粒子は、Fe−Mo系のシリサイド、Fe−W系のシリサイド及びFe−V系のシリサイドよりなる群から選ばれる少なくとも1種よりなることを特徴とする請求項5又は6に記載の肉盛耐摩耗鉄基合金。
  8. 前記銅粒子中に分散し、ニオブ炭化物、モリブデン炭化物及びニオブとモリブデンとの複合炭化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種よりなる硬質炭化物粒子をさらに備えていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一つに記載の肉盛耐摩耗鉄基合金。
JP2007123635A 2007-05-08 2007-05-08 肉盛耐摩耗鉄基合金 Expired - Fee Related JP5070920B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007123635A JP5070920B2 (ja) 2007-05-08 2007-05-08 肉盛耐摩耗鉄基合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007123635A JP5070920B2 (ja) 2007-05-08 2007-05-08 肉盛耐摩耗鉄基合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008279463A JP2008279463A (ja) 2008-11-20
JP5070920B2 true JP5070920B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=40140731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007123635A Expired - Fee Related JP5070920B2 (ja) 2007-05-08 2007-05-08 肉盛耐摩耗鉄基合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5070920B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103464928B (zh) * 2013-09-07 2015-07-15 山东建筑大学 基于铁基自熔合金粉末的氩弧熔覆材料
JP6724810B2 (ja) 2017-02-02 2020-07-15 トヨタ自動車株式会社 耐摩耗部材及びその製造方法
WO2023188576A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 日産自動車株式会社 摺動部材及び該摺動部材を備える内燃機関
CN114855053B (zh) * 2022-05-09 2023-02-14 西安必盛激光科技有限公司 一种液压支架油缸内壁修复用合金粉末及激光熔覆方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57131348A (en) * 1981-02-09 1982-08-14 Nippon Steel Corp Heat and wear resistant build-up welding material
JP3942136B2 (ja) * 2000-01-31 2007-07-11 三菱マテリアルPmg株式会社 鉄基焼結合金

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008279463A (ja) 2008-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4472979B2 (ja) 肉盛用耐摩耗性銅基合金
JP4114922B2 (ja) 耐摩耗性銅基合金
JP6387988B2 (ja) 耐摩耗性銅基合金
EP1726668B9 (en) Wear-resistant copper alloy for overlaying and valve sheet
JP4603808B2 (ja) 肉盛耐摩耗銅基合金
JP2019085626A (ja) 肉盛合金および肉盛部材
JP4314226B2 (ja) 粒子分散銅合金及びその製造方法
JP2017036470A (ja) 耐摩耗性銅基合金
JP5070920B2 (ja) 肉盛耐摩耗鉄基合金
JP7168331B2 (ja) 銅基合金
CN105499825A (zh) 堆焊用合金粉末、使用该合金粉末的堆焊合金材料以及发动机用阀
JP2008030071A (ja) レーザー肉盛バルブシート用原料粉末およびこれを用いたバルブシート
JP6754671B2 (ja) 肉盛合金および肉盛部材
JP7103548B2 (ja) Ni-Cr-Mo系合金部材、Ni-Cr-Mo系合金粉末、および、複合部材
JP2002194462A (ja) 耐摩耗性銅基合金
JPH0610081A (ja) 排気用チタンバルブを備えたエンジン
JP7331290B2 (ja) 内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート
JPH06190588A (ja) 盛金用Ni基合金
WO2023176450A1 (ja) 複合材及び複合材の製造方法並びに金型
WO2023095805A1 (ja) 複合材及び複合材の製造方法並びに金型
JPH06155074A (ja) エンジンバルブ盛金用Ni基合金
JP2004339571A (ja) 盛金材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120724

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120806

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5070920

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees