図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置1を概略的に示している。装置1は、放射ビームB(例えば、紫外線またはEUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILを備える。サポート(例えば、マスクテーブル)MTは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置付けるように構成された第1のポジショナPMに連結されている。基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTは、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置付けるように構成された第2のポジショナPWに連結されている。投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つまたは複数のダイを含む)上に投影するように構成されている。
照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまな種類の光コンポーネントを含むことができる。
サポートは、パターニングデバイスを支持、つまり、重さを支える。サポートは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポートは、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポートは、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポートは、パターニングデバイスが、例えば、投影システムに対して所望の位置にあることを確実にすることができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レゼンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
本明細書に示されているとおり、装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。また、装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)であってもよい。
リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高屈折率を有する液体、例えば水によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。リソグラフィ装置内の別の空間、例えば、マスクと投影システムとの間に液浸液を加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるための技術においてよく知られている。本明細書において使用される「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味よりむしろ、露光中、投影システムと基板との間に液体があるということを単に意味するものである。
図1aを参照すると、イルミネータILは、放射ソースSOから放射を受ける。例えば、ソースがエキシマレーザである場合、ソースとリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、ソースは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射は、ソースSOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、例えば、ソースが水銀ランプである場合、ソースは、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。ソースSOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含んでもよい。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサといったさまざまな他のコンポーネントを含んでもよい。イルミネータは、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせるように、放射ビームを調整するために使用することができる。
放射ビームBは、サポート(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを通り抜けた後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2のポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1のポジショナPMおよび別の位置センサIF1(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)は、例えば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後またはスキャン中に、マスクMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置付けるために使用されることもできる。通常、マスクテーブルMTの動きは、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの動きも、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合においては、スキャナとは対照的に、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1,M2と、基板アライメントマークP1,P2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、1つより多いダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
例示の装置は、以下のモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度に(すなわち、単一静止露光)ターゲット部分C上に投影する。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静止露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
2.スキャンモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズよって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射ソースが採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述のタイプのプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
本発明による実施形態では、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、パターニングデバイスを支持するように構成されたサポートであって、パターニングデバイスが、パターニングされた放射ビームを形成するために放射ビームの断面にパターンを与えるように構成されたサポートと、基板を保持するように構成された基板テーブルと、パターニングされた放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、本発明による洗浄デバイスとを含むリソグラフィ装置が提供される。さらなる実施形態では、リソグラフィ装置は、EUVリソグラフィのためにEUV放射ビームを生成するように構成されたEUVソースを含む。一般に、EUVソースは、放射システム(下記参照)内に構成されている。照明システムは、EUVソースのEUV放射ビームを調節するように構成されている。
「xおよび/またはy」というような用語は、xおよびyからなる1つ以上の群として解釈してもよい。
「ハロゲン含有ガス」または「水素含有ガス」という用語は、それぞれ少なくともハロゲンガスまたは水素ガスを含むガスまたはガス混合物を表す。「ハロゲン含有ガス」という用語における「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrおよびIから選択される少なくとも1つまたは複数を表し、これは、原子(ラジカル)としてのものであり、または化合物、例えばF2、Cl2、Br2、I2、HF、HCl、HBr、HI、ハロゲン間化合物、例えばClF3、あるいは約50〜500°の間の温度で気相にすることができるF、Cl、BrおよびIから選択される1つまたは複数を含む他の化合物としてのものである。一実施形態では、F2、Cl2、Br2I2の1つまたは複数、特にI2が使用されることがある。「水素」および「水素ラジカル」という用語は、それらの同位体、特に重水素も含む。したがって、「水素含有ガス」という用語は、H2、またはその重水素もしくは三重水素類似体を含むガスを表す。一実施形態では、水素含有ガスは、H2、HD、D2、HT、DT、T2からなる群から選択される1つまたは複数を含む。したがって、「水素含有ガス」またはH2という用語は、H2、D2、T2、HD、HTおよびDT含有ガスからなる群から選択されるガスを表す。ハロゲン含有ガスまたは水素含有ガスは、Arなどの緩衝ガスなど、追加の成分をさらに含むこともある。「水素ラジカルの流れ」は、ガス中に水素ラジカルも存在するガス流を表す。通常、全ての水素がラジカルに変換されるわけではないことがあるので、またラジカルの再結合により、そのようなガスは、水素分子(H2、HD、D2、HT、DT、T2の1つまたは複数など)も含む。「水素ラジカル含有ガス」という用語は、水素ラジカル、またはその重水素もしくは三重水素類似体を含むガスを表す。さらに、そのようなガスは、解離されていない、または水素ラジカルから再結合されたH2など、他の成分をさらに含むことがある。「水素含有ガスソース」という用語は、ガスが少なくとも水素分子(および/またはその類似体、上記参照)を含む、1つ以上のガスソースを表す。「水素ラジカルソース」という用語は、水素ラジカル含有ガスが提供されるように(水素含有ガスの)水素ガスの少なくとも一部を水素ラジカルに変換するデバイスを表す。「水素含有ガスの少なくとも一部を水素ラジカル含有ガスに変換する」という表現は、本明細書中、(水素含有ガスソースからの)水素含有ガスの水素分子の総量の少なくとも一部が(光解離によって)水素ラジカルに変換され、それによって水素ラジカル含有ガスを形成するというプロセスを表す。
「ガス含有補助化合物」または「補助化合物含有ガス」という用語は、照射形成ラジカルに起因し得る化合物を含むかまたはその化合物からなるガスを表す。特定の実施形態においては、そのような化合物は、水素基を含む。補助化合物の特定の例は、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、エテン(C2H4)(エチレン)、エチン(C2H2)(アセチレン)、プロパン等である。一実施形態においては、補助化合物は、炭化水素および/またはシランを含む。補助化合物含有ガスは、メタンとエタンとの混合などのように、2つ以上のガスの混合であってもよい。補助化合物含有ガスは、炭化水素および/またはシランを含むかまたはそれらからなってもよいが、炭化水素および/またはシランおよび少なくとも別のガス、特に水素含有ガス、より詳細には水素(それらの類似体を含む)からなってもよい。補助化合物含有ガスは、(1)炭化水素および/またはシラン、(2)水素(それらの類似体を含む)および(3)(I2および/またはBr2のような)1つまたは複数のハロゲンを含んでもそれらからなってもよい。
「水素ラジカル含有ガス」という用語は、水素含有ガスまたは補助化合物、あるいはその両方から光解離によって生成され得る水素ラジカル、またはその重水素もしくは三重水素類似体を含むガスを表す。そのような水素ラジカル含有ガスは、解離されていない、または再結合されたH2など、他の成分、および/または解離されていない、または再結合された補助化合物をさらに含むことがある。
「水素含有ガスおよび補助化合物含有ガスからなる群から選択される1つ以上のガスを提供するソース」という用語は、少なくとも水素分子(および/またはその類似体、上記参照)および/または補助化合物含有ガスを含むガスの1つ以上のソースを表す。「水素ラジカルソース」という用語は、水素ラジカル含有ガスが提供されるように(水素含有ガスの)水素ガスの少なくとも一部および/または補助化合物の少なくとも一部を水素ラジカルに変換するデバイスを表す。ガスソースは、(水素含有ガスおよび補助化合物含有ガスからなる群から選択される1つ以上のガスを提供する)単一のガスソースまたは(水素含有ガスおよび補助化合物含有ガスからなる群から選択される1つ以上のガスを提供する)複数のガスソースであってもよい。
「補助化合物の少なくとも一部を水素ラジカル含有ガスに変換する」という表現は、本明細書中、(補助化合物含有ガスからの)補助化合物の総量の少なくとも一部が(光解離によって)水素ラジカルに変換され、それによって水素ラジカル含有ガスを形成するというプロセス、および/または(補助化合物含有ガスからの)補助化合物の総量の少なくとも一部が(光解離によって)ラジカルに変換され、その水素(類似体を含む)との反応によって水素ラジカルを形成するというプロセス(下記の図式も参照)を表す。
したがって、「水素」という用語は、水素化合物(その類似体を含む)を表し、「水素基」という用語は、化合物内の水素原子を表し、「水素ラジカル」または「ラジカル」は、遊離水素原子を表す。
明細書中、「水素および/または補助化合物含有ガス」という用語は、「水素含有ガスおよび補助化合物含有ガスからなる群から選択される1つ以上のガス」を簡単に表し、時々「ガス」とも示される。明細書中、このガスは、EUVソースSO(特に、インサイチュ(in situ)洗浄を想定)および追加のソース(一実施形態では、リソグラフィ装置または洗浄構成内に構成することができるが、リソグラフィ装置または洗浄構成の外にも構成することができる(下記参照))からなる群から選択される1つ以上のソースであり得る放射のソースからの放射を受ける。特定の実施形態においては、この放射は約4〜500nmの範囲内にあり、すなわち、補助化合物および/または水素は、約4〜500nmの範囲内の波長で光解離可能であってラジカルを生成し、これは明細書中に記載された反応スキームに使用することができる。
「補助化合物含有ガスを導く」または「炭化水素化合物およびシラン化合物からなる群から選択される1つ以上のガスを導く」という表現は特に、それぞれ、補助化合物、炭化水素化合物またはシラン化合物の意図的意図的な導入を説明する。明細書中、実施形態では、意図的は特に、ガスの総量に対して少なくとも約1000ppmvまたはさらに少なくとも2000ppmvのように、少なくとも約500ppmvの量を意味する。液体の場合、一実施形態においては、化合物は、例えば(予熱)加熱によってガス状化合物として装置に導入されるか、リソグラフィ装置のような装置内で蒸発されるか、装置内の分解の後に導入されるか、または装置内で分解される。
一実施形態では、炭化水素またはシラン化合物のような補助化合物の沸騰温度は773K(500°C)より低い。さらなる実施形態では、炭化水素またはシラン化合物のような補助化合物の沸騰温度は623K(350°C)より低い。また、さらなる実施形態では、炭化水素またはシラン化合物のような補助化合物の沸騰温度は523K(250°C)より低い。また、別のさらなる実施形態では、炭化水素またはシラン化合物のような補助化合物の沸騰温度は423K(150°C)より低い。
「基」、「側鎖」または「側基」という用語は同義語である。例えば、トリメチルシラン(HSi(CH3)3)は、1つの水素基(H)および3つのメチル基を含むシリコンであり、または、例えば、イソブタンは、1つのメチル側基または側鎖を有するプロパンを含む。C1〜C6などの用語は、C1(すなわち、CH4化合物またはCH3側鎖)、C2(エタンまたはエチル基(またはエテニルまたはエチニル基))、C3(プロパンまたはプロピル基(またはプロペニル基またはプロピニル等))、C4(ブタンまたはブチル基(またはブテニルまたはブチニル基))、C5(ペンタンまたはペンチル基(またはペンテニルまたはペンチニル基))、C6(ヘキサンまたはヘキシル基)等、および(1つ以上のハロゲンと任意的に独立して置換されてもよい)その異性体のような炭化水素または炭化水素側鎖を表す。したがって、化学的に可能な場合、(C1〜C6)側鎖は、1つ以上の不飽和結合および/または成分を含んでいることがある。
したがって、特定の実施形態では、補助化合物含有ガスは、光解離可能な炭化水素およびシランからなる群から選択される1つ以上の化合物を含む。「光解離可能」という用語は、光放射(特に、UVまたは可視光であるが、EUV光であることもある)の影響のもとで解離し、1つのまたは複数のラジカルを形成する化合物を表す。以下に例を示す。
一例として、メタン(CH
4)の場合はこのようになる。CH
4の解離エネルギーは約413kJ/molであり、これは約289nmの波長(これはH
2に対して使用されるより長い波長である)に対応する。
別の例は、C−C結合が壊れているC
2H
6(エタン)の場合である(解離エネルギー347kJ/mol=344nm)。
さらに、C=C結合が壊れているC
2H
4(エチレン)については、これは以下のようになる(解離エネルギー267kJ/mol=448nm)。
したがって、上に示されたような補助化合物は、水素ラジカルを直接的な方法(メタン例)または間接的な方法(エタンおよびエテン例)で生成してもよい。
本発明の一実施形態では、炭化水素化合物はC1〜C25化合物を含む。さらなる実施形態では、炭化水素化合物は、線形、分岐、環状または芳香族炭化水素、例えば、メタン、エタン、n−プロパン、n−ブタン、n−プロパン、n−ヘキサン、およびその異性体(シクロプロパン、シクロブタン、t−ブタン(イソブタンまたは2−メチルプロパン)、シクロペンタン、イソペンタン(または2−メチルブタン)、ネオペンタン(または2,2ジメチルプロパン)など)を含む。また、さらなる実施形態では、炭化水素化合物は、メタン、エタン、n−プロパン、n−ブタン、n−プロパン、n−ヘキサン、シクロブタン、t−ブタン(イソブタン)、イソペンタン、ネオペンタン、およびこれらの化合物の2つ以上の混合から選択される。さらに、炭化水素化合物は、1つ以上の不飽和結合を有していることがあり、すなわち、アルケン、アルキンまたは芳香族である。これらの炭化水素化合物の2つ以上による組み合わせが使用されてもよい。
一実施形態では、炭化水素化合物がR1R2R3CR4化合物を含み、R1、R2、R3およびR4は独立して、C1〜C6炭化水素基からなる群から選択される、本発明による方法が提供される。任意選択として、R1、R2、R3およびR4は独立して、C1〜C6炭化水素基および1つ以上のハロゲン基からなる群から選択される。
さらなる実施形態では、炭化水素化合物は、R1R2R3CR4化合物を含み、R1、R2、R3およびR4は独立して、C1〜C6炭化水素基および水素基からなる群から選択され、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは、水素基を含む。特定の実施形態では、炭化水素化合物は、HCR1R2R3から選択され、R1、R2およびR3は独立して、CH(CH3)3(トリメチルメタン)、CH(CH2CH3)3(トリエチルメタン)、CH(CH2CH2CH3)3(トリプロピルメタン)、CH(CH2CH2CH2CH3)3(トリブチルメタン)、CH(CH2CH2CH2CH2CH3)3(トリペンチルメタン)およびCH(CH2CH2CH2CH2CH2CH3)3(トリヘキシルメタン)のようなC1〜C6炭化水素基からなる群から選択される。さらなる別の特定の実施形態では、炭化水素化合物は、メタン、トルエンおよびR1R2R3CHからなる群から選択され、R1、R2およびR3は独立して、例えばCH(CH3)3(トリメチルメタン)、CH(CH2CH3)3(トリエチルメタン)、CH(CH2CH2CH3)3(トリプロピルメタン)、CH(CH2CH2CH2CH3)3(トリブチルメタン)のような、線形、分岐または環状であり得るC1〜C4炭化水素基からなる群から選択される。側鎖は、一実施形態では、例えば上記で定義されたような、これらの炭化水素基の異性体を含んでもよい。側鎖は、不飽和の炭化水素基を含んでもよい。側鎖は、異なっていてもよく、線形、分岐または環状であってもよい。任意選択として、R1、R2、R3およびR4は独立して、C1〜C6炭化水素基および1つ以上のハロゲン基からなる群から選択され、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは、水素基を含む。例えば、塩化メチル、塩化メチレンまたはクロロホルムが使用されてもよい。
さらなる別の実施形態では、炭化水素化合物は、線形、分岐、環状または芳香族であり得る、少なくとも1つのC1〜C6炭化水素基で置換される芳香族化合物を含む。これらは、任意選択として、1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。
炭化水素化合物の代わりに、または炭化水素化合物に追加して、シラン化合物を使用してもよい。一実施形態では、シラン化合物がR1R2R3SiR4化合物を含み、R1、R2、R3およびR4は独立して、C1〜C6炭化水素基からなる群から選択される発明による方法が提供される。任意選択として、R1、R2、R3およびR4は独立して、C1〜C6炭化水素基および1つ以上のハロゲン基からなる群から選択される。
一実施形態では、シラン化合物は、R1R2R3SiR4化合物を含み、R1、R2、R3およびR4は独立して、C1〜C6炭化水素基および水素基からなる群から選択され、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは、水素基を含み、すなわち、シリコン分子は、線形、分岐、環状または芳香族であってお互い独立し得る3つまたは3つより少ない炭化水素基によって統合される(例えば、トリまたはジメチルシラン)。炭化水素側鎖は、1つ以上の不飽和結合、すなわち、アルケン、アルキンまたは芳香族を有していてもよい。特定の実施形態では、炭化水素化合物は、HSiR1R2R3から選択され、R1、R2およびR3は独立して、SiH(CH3)3(トリメチルシラン)、SiH(CH2CH3)3(トリエチルシラン)、SiH(CH2CH2CH3)3(トリプロピルシラン)、SiH(CH2CH2CH2CH3)3(トリブチルシラン)、SiH(CH2CH2CH2CH2CH3)3(トリペンチルシラン)およびSiH(CH2CH2CH2CH2CH2CH3)3(トリヘキシルシラン)のようなC1〜C6炭化水素基からなる群から選択される。さらなる別の特定の実施形態では、シラン化合物は、R1R2R3SiHからなる群から選択され、R1、R2およびR3は独立して、例えば、SiH(CH3)4(トリメチルシラン)、SiH(CH2CH3)4(トリエチルシラン)、SiH(CH2CH2CH3)4(トリプロピルシラン)、SiH(CH2CH2CH2CH3)4(トリブチルシラン)のような、線形、分岐または環状であり得るC1〜C4炭化水素基からなる群から選択される。上記のように、側鎖は、一実施形態では、例えば上記で定義されたような、これらの炭化水素基の異性体を含んでもよい。側鎖は、不飽和の炭化水素基を含んでもよい。側鎖は、異なっていてもよく、線形、分岐または環状であってもよい。任意選択として、R1、R2、R3およびR4は独立して、C1〜C6炭化水素基および1つ以上のハロゲン基からなる群から選択され、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは、水素基を含む。別の実施形態では、シランはポリシランを含む。
さらに、一般に、C1〜C25化合物(例えば、C1〜C6、特にC1〜C4またはC1〜C3など)、または、炭化水素化合物もしくはシラン化合物のいずれかのためのC1〜C6炭化水素側基あるいはC1〜C4炭化水素側基は、アルコキシ基(例えば、アルキルアルコキシシラン)、アルコール基およびハライド基の群から選択される1つ以上の置換基を含んでもよい。当業者に明らかであるように、ガスの組み合わせを使用してもよい。
全ての上述の側鎖に対して、側鎖は、一実施形態では、例えば上記で定義されたような、これらの炭化水素基の異性体を含んでもよい。側鎖は、不飽和の炭化水素基を含んでもよい。側鎖は、異なっていてもよく(1つの化合物内、例えば、エチルジメチルシラン:(CH3CH2)SiH(CH3)2等)、線形、分岐または環状であってもよい。さらに、側鎖は独立して、1つ以上のハロゲン置換基を含んでもよい。
さらなる別の実施形態では、シラン化合物は、SinH2n+2からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、nは1または1より大きい整数である。特に、nは1〜6の範囲内、より詳細には、1〜3または1〜2のように1〜4の範囲内である。
H2(その類似体を含む)のみを使用することに対する問題は、水素の光解離が特定の波長を必要とするということであり得る。他の波長のほうがより適していることがあるため、波長の選択がより柔軟であった場合、それは利点である。したがって、示されているように、H2の間接的光解離を使用することは可能である。多数の種類の化合物が使用されてもよく、それらはC−H、C−C、C=C、C≡Cのような典型的な結合を含み、N−N、N=N、C−N、C=N、N−H、SHのような結合を用いる化合物も可能である。異なる結合をそれぞれ用いる2つ以上の化合物による組み合わせも、使用してもよい。このH2の間接的光解離を用いることによって(上記の反応スキームを参照)、放射のソースを選択することに対して多くの自由がある。というのは、異なる化合物は、異なる波長によって解離されるからである(上記されたように)。解離波長は、かつそれにより放射のソースの選択は、よって、より広く、柔軟性がある。したがって、本明細書中で提案されている解決策は、水素化合物の間接的光解離を使用することである。例えば、別の水素ラジカルを形成するためにCH3ラジカルが水素化合物と反応できる後、CH4は、CH3とHに解離されてもよい。
上記されたように、これらの炭化水素化合物の2つ以上による組み合わせが使用されてもよい。同様に、2つ以上のシラン化合物による組み合わせも使用されてもよい。同様に、1つ以上の炭化水素化合物および1つ以上のシラン化合物による組み合わせも使用されてもよい。一実施形態では、補助化合物含有ガスは、1つ以上の上記の結合を有する化合物を含んでもよく、かつ一実施形態では、それぞれが異なる結合(上述されたように)を有し得る化合物の組み合わせを含んでもよい。例えば、メタン、エタンおよびエチレンの組み合わせ、さらにエタンおよびエチレンの組み合わせ等を使用してもよい。したがって、一実施形態では、補助化合物含有ガスが適用され、水素ラジカルが多数の異なる放射波長で生成され得る。これらの補助化合物の2つ以上による組み合わせを使用することの利点は、Hラジカルを(間接的に)形成するために広帯域源が使用されてもよいことであり、これは効率をさらに上げる場合がある。
上記されたように、一実施形態では、実質的に水素含有ガスのみが適用され、すなわち、ガスソースによって供給されるガスは実質的に水素のみ(類似体を含む、上記参照)を含む。実質的にという単語は特に、95vol.%以上、特に99vol.%以上の量のH2(その類似体を含む)を含んでいると解釈できる。一実施形態では、H2含有ガス内の(汚染物質のような)非H2の内容は、約100ppmv(100万分の1体積分率)またはそれ以下のように、1−0vol.%の範囲内である。本明細書中、体積とは、ガスの総体積に対するH2ガス(その類似体を含む)(または汚染物質)の体積を表す。
上記の方法の特定の実施形態では、水素含有ガスおよび補助化合物含有ガスの両方が適用され、すなわち、光解離によって水素ラジカルを生成するためのガスとして使用される。さらなる特定の実施形態では、補助化合物に対する水素ガスの体積率は、約5000〜2、特に約5000〜5の範囲内にある。本明細書中、体積とは、ガスの総量に対するH2ガス(その類似体を含む)および補助化合物含有ガスの体積を表す。例えば、100部のH2ガスおよび1部のCH4ガスは、100の割合(水素ガス対補助化合物)を提供する。補助化合物含有ガスを使用する場合、Hラジカルが間接的に形成されてもよい(上記のスキームも参照)。
任意選択として、ガスはハロゲンを含んでもよい(特にI2)。したがって、一実施形態では、水素、補助化合物ガスおよびハロゲンからなる群から選択される1つ以上のガスが提供される。水素の体積率は特に、約20〜100vol.%の範囲内であり、補助化合物の体積率は特に、約0〜50vol.%(特に、約0.1〜20vol.%)の範囲内であり、ハロゲンの体積率は特に、0〜5vol.%(特に、約0.001〜1vol.%、例えば特に、約0.02〜0.5vol.%)の範囲内である。
特定の実施形態では、炭化水素化合物は、C1〜C4炭化水素、詳細にはC1〜C3、より詳細にはC1〜C2炭化水素からなる群から選択される。適用可能な所では、炭化水素化合物は、1つ以上の不飽和結合および/またはハロゲン置換基のような置換基の1つ以上を含んでもよい。したがって、一実施形態では、補助化合物は、C1〜C4炭化水素化合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む。
さらなる実施形態では、補助化合物含有ガスは、光開始剤および連鎖移動剤からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、これらは光解離可能な水素基を有する。光開始剤は、エネルギーの特定の波長にさらされた場合にラジカルを形成する剤である。連鎖移動剤は、連鎖重合において連鎖移動をもたらすことができる物質である。これは、重合鎖の成長末端でラジカルに原子を与え、そうすることで、新しい鎖の成長を開始できるラジカルができる。本明細書中、連鎖移動剤および光開始剤は、放射のソースの放射の影響のもとで水素ラジカルを形成する種である。
特定の実施形態では、水素含有ガスおよび補助化合物の両方が適用される。さらなる変形では、この混合は、H2(および/またはその類似体)およびCH4、C2H4およびSiH4からなる群から選択される1つ以上を含み、この混合は特に、H2(および/またはその類似体)および約5vol.%のように2〜10vol.%(ガスの総量に対して)のCH4、C2H4およびSiH4からなる群から選択される1つ以上を含む。一実施形態では、混合は、C2H4(またはそれのみ)を補助化合物として含む。別の実施形態では、混合はCH4(またはそれのみ)を補助化合物として含む。さらなる別の実施形態では、混合はSiH4(またはそれのみ)を補助化合物として含む。
「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折型、反射型、磁気型、電磁型および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
本明細書で使用する「放射」および「ビーム」という用語は、紫外(UV)放射(例えば、波長λが365、248、193、157、または126nm)および極端紫外(EUVまたは軟X線)放射(例えば、波長が5〜20nmの範囲内、例えば13.5nm)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの粒子ビームを含めた全てのタイプの電磁放射を包含する。一般に、約780〜3000nm(以上)の間の波長を有する放射が、IR放射とみなされる。UVは、約100〜400nmの波長を有する放射を表す。リソグラフィにおいては、UVは、通常、水銀放電ランプによって発生することができる波長、すなわちG線436nm、H線405nm、および/またはI線365nmにも適用される。VUVは、真空UV(すなわち、空気によって吸収されるUV)であり、約100〜200nmの波長を表す。DUVは、深UVであり、リソグラフィにおいては通常、126nm〜248nmなどエキシマレーザによって発生される波長に関して使用される。例えば5〜20nmの範囲内の波長を有する放射は、少なくとも一部が5〜20nmの範囲内にある何らかの波長帯域を有する放射に関係することを当業者は理解されよう。
「EUVソースSOが可視またはUVにおける波長を有する放射をさらに放出する」という表現は、本明細書中で使用されるようなEUVソースに関連し、そのEUVソースSOは、EUV放射を放出するように構成されているが、一実施形態では、UVまたは可視において放出することもある。当該技術分野で知られているSnEUVソースは、EUV放出を生成するように設計されているが、UVおよび可視においても放出する。本明細書中、ソースおよびリソグラフィ装置は、特に使用中について記載される。したがって、「EUVソースがEUV(またはUV)放射を放出する」などの表現は、「使用中」のリソグラフィ装置またソースを表す。
「洗浄構成」および「洗浄するための方法」という用語は、洗浄プロセスで使用されることがある構成および方法を表す。以下に述べるように、水素ラジカルの提供が、Sn酸化物などの酸化物の還元のために使用されることがあり、次のステップで、ハロゲン(例えばI2など)が、ハロゲン化物の形成によってSnなどの金属を除去することができる。したがって、この文脈での「洗浄」は、望ましくない堆積の完全な除去または部分的な除去を意味し、しかしまた、(堆積を実質的に除去しない)還元など洗浄プロセスの一部も意味することもある。したがって、「洗浄」という用語は、洗浄プロセスの洗浄の工程におけるガスを用いた処理も含む。さらに、一実施形態では、それにも関わらず、水素ラジカルが、(Sn水素化物の形成によって)堆積を除去するために使用されてもよい。洗浄プロセスは、(CH4のような揮発性炭化水素の形成によって)少なくとも部分的にC(炭素)を除去するためにも使用されてもよい。「洗浄される」という表現は、「部分的に洗浄される」ということも表す。
図2は、放射システム42と、照明光学ユニット44と、投影システムPSとを含む投影装置1をより詳細に示す。放射システム42は、放電プラズマによって形成されてもよい放射ソースSOを含む。EUV放射は、ガスまたは蒸気、例えばXeガス、Li蒸気、またはSn蒸気によって発生されることができ、このとき、電磁スペクトルのEUV範囲内で放射を放出するために非常に高温のプラズマが生成される。非常に高温のプラズマは、例えば放電によってプラズマを少なくとも部分的にイオン化することで生成される。例えば10Paの、Xe、Li、Sn蒸気または任意の他の適切なガスまたは蒸気の分圧が、放射の効率的な発生に必要とされる。放射ソースSOによって放出される放射は、ソースチャンバ47から、ソースチャンバ47の開口部内または開口部の後方に位置決めされたガスバリアまたは汚染物質トラップ49を通して、コレクタチャンバ48内に進められる。ガスバリア49は、チャネル構造を含むことができる。
コレクタチャンバ48は、かすめ入射コレクタによって形成されることができる放射コレクタ50(集光ミラーまたはコレクタとも呼ばれる)を含む。放射コレクタ50は、上流放射コレクタ側50aと下流放射コレクタ側50bとを有する。コレクタ50を通された放射は、回折格子スペクトルフィルタ51で反射させることができ、コレクタチャンバ48のアパーチャで仮想ソース点52に合焦される。コレクタチャンバ48から、放射ビーム56は、照明光学ユニット44内で、法線入射レフレクタ53、54を介して、レチクルまたはマスクテーブルMT上に位置決めされたレチクルまたはマスク上に反射される。パターニングされたビーム57が形成され、このビーム57は、投影システムPS内で反射エレメント58、59を介してウェーハステージまたは基板テーブルWT上に結像される。一般に、図示されるよりも多くのエレメントが、照明光学ユニット44および投影システムPS内に存在することがある。回折格子スペクトルフィルタ51は、リソグラフィ装置のタイプに応じて任意選択で存在することがある。さらに、図に示されるものよりも多くのミラーが存在することがあり、例えば、58、59よりも1〜4個多くの反射エレメントが存在することがある。放射コレクタ50は、従来技術から知られている。2つのリフレクタの間、参照番号180は、例えばリフレクタ142と143との間の空間を示す。
集光ミラー50としてのかすめ入射ミラーの代わりに、法線入射ミラーが適用されてもよい。リフレクタ142、143および146を有する入れ子化されたコレクタとして、本明細書中の一実施形態により詳細に説明され、かつ図3c〜図3fに概略的に示されている集光ミラー50は、本明細書中、コレクタの一例としてさらに使用されている。したがって、適用可能な所においては、かすめ入射コレクタとしての集光ミラー50は、一般的にコレクタとしても解釈されてもよく、一実施形態では、法線入射コレクタとしても解釈されてもよい。
さらに、図2に概略的に示されたような格子51の代わりに、透過型光フィルタが適用されてもよい。EUV放射が透過し、かつUV放射があまり透過せず、またはUV放射を実質的に吸収までもする光フィルタは、当該技術分野では公知である。したがって、「格子スペクトル純度フィルタ」は、本明細書中、格子または透過型フィルタを含む「スペクトル純度フィルタ」としてさらに示される。概略図3aおよび3bには示されていないが、任意選択の光エレメントとしても含まれるのは、例えば集光ミラー50の上流に構成されたEUV透過型光フィルタ、または照明ユニット44および/または投影システムPSにおける光EUV透過型フィルタであってもよい。
本明細書中、光エレメントに対する「上流」および「下流」という用語は、それぞれ、「光学的上流」および「光学的下流」の位置を示す。放射ビームBは、リソグラフィ装置1を通過する。放射ビームBがリソグラフィ装置1中を横断する光路を追って、第2の光エレメントよりソースSOに近い第1の光エレメントは、第2の光エレメントの上流に構成され、第2の光エレメントは、第1の光エレメントの下流に構成される。例えば、集光ミラー50がスペクトルフィルタ51の上流に構成されるのに対して、光エレメント53はスペクトルフィルタ51の下流に構成される。
図2に示される全ての光エレメント(およびこの実施形態の概略図に示されていない光エレメント)は、ソースSOによって生成される汚染物質、例えばSnの堆積を受けやすい。これは、放射コレクタ50、および存在する場合にはスペクトル純度フィルタ51に関して当てはまる。したがって、本発明による洗浄デバイスは、これらの光エレメントの1つまたは複数を洗浄するために使用されることができ、また、本発明の洗浄方法は、それらの光エレメントに適用されることができ、しかしまた、法線入射レフレクタ53、54および反射エレメント58、59、または他の光エレメント、例えば追加のミラー、回折格子などにも適用されることができる。
放射コレクタ50は、かすめ入射コレクタであってもよい。コレクタ50は、光軸Oに沿って位置合わせされる。ソースSOまたはそのイメージが、光軸O上に位置される。放射コレクタ50は、リフレクタ142、143、146(いくつかのWolter型リフレクタを含むWolter型リフレクタとしても知られている)を含むことがある。時として、それらはシェルとも呼ばれる。これらのリフレクタ142、143、146は、入れ子化され、光軸Oの周りで回転対称である場合がある。図2では、内側リフレクタは参照番号142で示され、中間リフレクタは参照番号143で示され、かつ外側リフレクタは参照番号146で示されている。放射コレクタ50は、ある体積、すなわち(1つまたは複数の)外側リフレクタ146内部の体積を取り囲む。通常、(1つまたは複数の)外側リフレクタ146内部のこの体積は、小さな開口部が存在することもできるが、円周方向で閉じられている。全てのリフレクタ142、143および146が、少なくとも一部が1層の反射層または幾つかの反射層を含む表面を含む。したがって、リフレクタ142、143および146(より多くのリフレクタが存在することもあり、3つより多いリフレクタまたはシェルを有する放射コレクタ(集光コレクタとも呼ばれる)の実施形態が本明細書に含まれる)は、ソースSOからのEUV放射を反射および収集するように設計された少なくとも一部を含み、リフレクタの少なくとも一部は、EUV放射を反射および収集するようには設計されないことがある。例えば、リフレクタの裏面の少なくとも一部は、EUV放射を反射および収集するようには設計されない。その部分も裏面と呼ばれ得る。これらの反射層の表面上には、さらに、保護のために、または反射層の表面の少なくとも一部の上に設けられる光フィルタとして、キャップ層が存在することもできる。
放射コレクタ50は、ソースSOまたはソースSOのイメージの近傍に配置されてもよい。各リフレクタ142、143、146は、少なくとも2つの隣接する反射面を含んでもよく、ソースSOから離れた反射面は、よりソースSOに近い反射面よりも、光軸Oに対して小さな角度で配置される。このようにして、かすめ入射コレクタ50は、光軸Oに沿って伝搬する(E)UV放射のビームを発生するように構成される。少なくとも2つのリフレクタは、実質的に同軸に配置され、光軸Oの周りで実質的に回転対称に延在してもよい。放射コレクタ50が、外側リフレクタ146の外面上にさらなるフィーチャ、または外側リフレクタ146の周りにさらなるフィーチャ、例えば保護ホルダやヒータなどを有することもあることを理解すべきである。
使用中、外側146および内側142/143リフレクタの1つまたは複数の上に、堆積、特にSnソースSOが使用されるときにはSnが生じ得る。例えばSnソースによるSnの堆積は、数層の単層の後、放射コレクタ50または他の光エレメントの反射に有害であり、そのような光エレメントの洗浄を必要とする。本明細書における「有害」は、放射を反射(および/または収集)するように設計されたリフレクタまたはミラーの反射面の反射率の減少および損失を表す。さらに、炭素の堆積が生じ得る。
堆積、例えばSnを含む堆積は、一実施形態では(ガスとしての)ハロゲン、例えばF2、Cl2、Br2およびI2によって、別の実施形態では水素ラジカルによって、さらなる実施形態では、水素ラジカルと、それと同時に、またはそれに続いて適用される1つ以上のハロゲンとの組合せによって除去されることができる。例えばSnを有する堆積が存在する場合、少量の酸素の存在により、通常、Sn酸化物も幾らか存在する。Sn酸化物を除去するために、元素Snを除去できる前に還元ステップが必要であり得る。したがって、一実施形態では、洗浄される表面の洗浄プロセスは、水素ラジカル含有ガスを洗浄される表面に提供するプロセスを含んでもよい。さらなる別の実施形態では、洗浄プロセスは、(上述されたような)1つ以上のハロゲンガスをさらに含む水素ラジカル含有ガスを洗浄される表面に提供するプロセスを含む。別の実施形態では、洗浄される表面の洗浄プロセスは、水素ラジカル含有ガスを洗浄される表面に提供し、その後、1つ以上のハロゲンガスをさらに含む水素ラジカル含有ガスを洗浄される表面に提供するプロセスを含んでもよい。さらなる別の実施形態では、洗浄される表面の洗浄プロセスは、水素ラジカル含有ガスを洗浄される表面に提供し、その後、ハロゲン含有ガスを洗浄される表面に提供するプロセスを含んでもよい。これらの実施形態のプロセスは、任意選択として、続いて、水素ラジカル含有ガスを洗浄される表面に提供することをさらに含んでもよい。これらのプロセスによって、Snおよび/またはCが除去されることがあり、特に、Snの除去に適切である。上記されたように、これらのプロセスでは、水素ラジカル含有ガスは、水素含有ガス、補助化合物含有ガス、および、特に水素と補助化合物含有ガスとの組み合わせから生成され得る。
したがって、還元または除去のいずれかのための水素ラジカルが、コレクタ50の表面の少なくとも一部、または他の光エレメントの洗浄される表面の少なくとも一部に提供されなければならない。そのような表面は、例えば、Snのような堆積で汚染されているリフレクタ142、143および146のEUV反射面である。さらに、水素ラジカルは、揮発性炭化水素の形成によって炭素堆積を除去するために使用されてもよい。
図1および図2を参照すると、異なる光エレメントが、例えばSnおよび/またはC堆積から少なくとも部分的に洗浄されなければならない場合がある。一実施形態では、光エレメントは、集光ミラー50、放射システム42(ソースコレクタモジュールとしても知られている)、照明システムILおよび投影システムPS(投影光ボックスとして知られている)の群から選択される。一実施形態では、洗浄されるモジュールは、スペクトル純度フィルタ51であってもよい。さらなる別の実施形態では、洗浄されるモジュールは、マスク、特に反射多層マスクであってもよい。(少なくとも部分的に)洗浄される表面は、集光ミラー50(法線入射コレクタまたはかすめ入射コレクタである)、スペクトル純度フィルタ51(格子または透過型フィルタ)および放射システム(光)センサ(図示せず)のような放射システム42に含まれる光エレメントと、ミラー53および54(または存在する場合、他のミラー)ならびに照明システム(光)センサ(図示せず)のような照明システム44に含まれる光エレメントと、ミラー58および59(または存在する場合、他のミラー)ならびに投影システム(光)センサ(図示せず)のような投影システムPSに含まれる光エレメントとの群から選択される光エレメントの表面を含んでもよい。一実施形態では、「光エレメント」という用語は、汚染物質バリア49も含む。したがって、光エレメントという用語は、格子スペクトルフィルタ、透過型光フィルタ、多層ミラー、多層ミラー上のコーティングフィルタ、かすめ入射ミラー、(多層コレクタのような)法線入射ミラー、かすめ入射コレクタ、法線入射コレクタ、そしてさらに(光)センサおよび汚染物質バリア49の群から選択される1つ以上のエレメントを表す。本発明の洗浄方法は、光エレメントの表面ではない、壁、サポート構造、ガスロックなどの他の表面を洗浄するために使用されてもよい。
「光エレメント」、「洗浄される表面」という用語はそれぞれ、複数の「光エレメント」および複数の「洗浄される表面」にも関連する。
リソグラフィ装置1の光エレメントの洗浄および構成250の洗浄は、上記された少なくとも複数のリフレクタを含むコレクタ50に関連して説明される。しかしながら、図3a〜図3fに示される洗浄構成250は、(上記されたような)他の光エレメントの洗浄のためにも使用されてもよい。
図3aを参照すると、洗浄構成250(特に、リソグラフィ装置1の光エレメント201の洗浄される表面202のために設計されていることがある)は、水素ラジカル含有ガス96を洗浄される表面202の少なくとも一部に提供するように構成された水素ガスソース700および水素ラジカルソース103を含む。表面202は、光エレメント201の表面であってもよい。一実施形態では、光エレメントは、集光ミラー50を含む。光エレメント201の表面202は、炭素、スズ、または炭素およびスズの両方で汚染され得る。他の汚染物質も存在し得る。汚染物質は、堆積203によって概略的に示されているが、汚染は必ずしも層のような堆積を形成しないことが理解されたい。上述されたように、水素含有ガス、補助化合物含有ガス、および任意選択としてハロゲンからなる群から選択される1つ以上のガスを含むガス100が提供されてもよい。したがって、水素ガスソース700は、本明細書中の一実施形態では、上記のガス100の1つ以上を提供するように構成された1つ以上のガスソース700を含んでもよい。1つのガスソース700は、複数のガス100の混合物を提供してもよいが、複数のガスソース700は、複数のガス100の混合物、またはH2および炭化水素ガスなどの個別のガス100をそれぞれ提供してもよい。したがって、水素ガスソース700は本明細書中、水素ガスソース700として示されているが、別の実施形態では、水素含有ガス、補助化合物含有ガス、および任意選択としてハロゲンからなる群から選択される1つ以上のガス100を提供するように構成された1つ以上のガスソース700を表す。これらのガスは、ガス100として示される。
以下では、本発明は、実施形態を用いてさらに示され、特に、H2はガス100として表される。しかしながら、本発明による変形では、これは代替として補助化合物ガスとしても解釈されてもよく、本発明による特定の変形では、水素および補助化合物(上記参照)を含むガスとしても解釈されてもよい。
水素含有ガスソース700は、上記されたように、水素含有ガス、重水素含有ガスなどを提供するように構成されてもよい。したがって、ソース700は、参照番号100で示される水素含有ガスを提供するように構成されている。このガスは、チューブ104の開口部であり得る出口106を介してソース700から出る。チューブ104は、ソース700とガス状接触しており、ガス100を所定の位置、例えば洗浄される表面の数センチ以内、本明細書中では表面202と示されており、例えば洗浄される光エレメント201の表面202の少なくとも一部の約2〜50cm以内に提供するように構成されてもよい。一実施形態では、出口106は、水素ラジカル96によって汚染物質から洗浄される、および/またはこれらのラジカル96によって処理される表面202の少なくとも一部から約10cm以下離れている。
一実施形態では、チューブ104は、例えば、集光ミラー50(図2で参照番号180として示されてる)の2つのシェルの間の所定の位置に位置付けされるように移動可能であってもよい。「出口106」および「チューブ104」という用語は、それぞれ、複数の出口106およびチューブ104を用いる実施形態を含んでもよい。
水素含有ガス100は、例えば、チューブ104内のガス流を誘導するように構成されたポンプ(任意選択のポンプ400から独立していることがあるそのようなポンプは、図示されていない)によって、または光エレメント201が構成されている体積の圧力に対するソース700における過圧によって、または排気ポンプ400によって、洗浄される表面202の方向に少なくとも部分的に流れる。チューブ104を介して流れ100を提供するように構成されたポンプ、および洗浄される光エレメント201が構成されている体積からガスを排出するように構成されたポンプ400のように、2つまたは複数による組み合わせが使用されてもよい。図3aで概略的に示されている構成では、洗浄される表面202に流れが提供される。この流れは初期的に、流れ100を含み、これは水素含有ガスである。さらに、上記に加えて、「流れ」という用語は、水素ガス100の拡散を含んでもよく、かつ適用可能な所では水素ラジカル96の拡散も含んでもよい。したがって、水素含有ガス100の流れを使用する場合、この流れは、必ずではないが、洗浄される表面202の方向へと誘導されることがある。揮発性反応製品は、拡散によって、表面202から拡散することもある。
放射ソース103が解離エネルギー(下記参照)の範囲内の波長を有する光を放射するエリアにおいて、水素分子の総数の少なくとも一部は、水素ラジカルに解離し、水素ラジカル含有ガス96が提供される。放射ソース103によって放射される体積は、断続線で囲まれているエリア219によって概略的に示されている。概略図2aおよび2bでは、水素ラジカルソース103が水素含有ガス100および洗浄される表面202の両方が照射する実施形態が示されている(すなわち、表面202および/または堆積203はビーム209によって照射される)。
本明細書中、「水素ラジカルソース103」という用語は、光学放射ソース、特に、水素ラジカルソース103の放射によって照射される水素分子の光解離、および/または、上記されたように、(水素)ラジカル(および当業者に公知であり、かつ上記の例を用いる他の製品)への補助化合物の光解離へと導く(すなわち、誘導する)エネルギーを有するソースを表す。水素ラジカルソース103は、その放射209によって水素分子100(および/または補助化合物)から水素ラジカル96を生成する。したがって、水素ラジカルソース103は、それ自体がスタンドアローン装置として水素ラジカルを生成できるラジカルソースではないが、水素含有ガス(および/または補助化合物含有ガスかの)100のソース700と水素ソース103の放射209(すなわち、参照番号219で示されている照射された体積)との組み合わせによって、水素ラジカルソース103は水素ラジカル96を生成することが可能である。水素ラジカルソース103は、水素含有ガス流100(および/または補助化合物流)の少なくとも一部を照射する。したがって、本明細書中の「水素ラジカルソース103」は、「放射のソース103」または「放射ソース103」としても示される。以下に詳細に説明されるように、一実施形態では、放射のソース103は放射の追加ソース(すなわち、EUVソースSOに追加される)であり、別の実施形態では、放射のソース103は放射のソースSO、特に、ソースSOのEUV放射を減少させるUV透過型フィルタとの組み合わせであるソースSOであり得る。
水素ラジカル含有ガス(および/または補助化合物含有ガス)の流れは、一実施形態では、少なくとも1m/sである。
例えば、揮発性水素化物(CH4、SnH4等、あるいは水素化物、例えばSn塩化物またはSnヨウ化物等のようなSn水素化物)として汚染物質203の少なくとも一部が除去されるが、H2Oが形成されて(Sn酸化物がSnに還元された場合)(上記参照)除去され得る。揮発された汚染の除去は、参照番号204で示されている。揮発性汚染は、排気を介して除去されてもよい。一実施形態では、揮発性汚染は、ポンプ400によって少なくとも部分的に排気される。ポンプ400は、開口部または入口(排気口)、あるいは複数の開口部107および排気550を含む。任意選択として、開口部107は、ポンプ400とガス状接触しているチューブ471に設けられてもよい。一実施形態では、チューブ471が水素ラジカルおよび任意選択としてハロゲンでの処理によって揮発された汚染物質204を排気するように位置付けされ得るように、チューブ471は、洗浄される表面に近い所定の位置へと移動可能であってもよい。
放射のソース103によって放出される放射209は、任意選択のビームエキスパンダ210によって拡大されてもよい。同様に、望まれた場合かつソース103の種類によって、フォーカスレンズが使用されてもよい。放射ビーム209を提供するためにさらなる光学系が存在し得る。一実施形態では、放射のソース103およびビームエキスパンダのような任意の他の光学系210が、光エレメント201の表面202をスキャンするように構成されてもよい。
一実施形態では、放射のソース103としても示されている水素ラジカルソース103は、EUVソースSO(図1および図2に表されている)とは異なるソースである。これは、ソースSOの隣に、少なくとも1つ以上ソース103がリソグラフィ装置1に取り付けまたは組み込まれてもよい。例えば、一実施形態では、放射システム42は、少なくとも1つの水素ラジカルソース103を含んでもよく、一実施形態では、照明システムIL(44)は少なくとも1つの水素ラジカルソース103を含んでもよく、かつ投影システムPSは少なくとも1つの水素ラジカルソース103を含んでもよい。複数の水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガスソース700および/または水素含有ガスソース700の複数の出口106(および/または補助化合物含有ガスのためのソース700)は、水素含有ガス100を用いる異なるモジュール(システム)に役立つために使用されてもよい。同様に、ガスを排気するために複数の排気口107および/または複数のポンプ400が使用されてもよい。
一実施形態では、放射のソースまたは水素ソース103は、水素分子を解離するのに十分であるエネルギーを放射209に提供するように設計されたソースを含む。水素の光解離を誘導する放射のソースは、UV(すなわち、約100〜400nmの範囲内の放射波長)ソースを含んでもよい。さらに、一実施形態では、水素の光解離を誘導する放射のソース103は、高出力(high power)UVソースを含む。一実施形態では、ソース103の放射209の波長または波長範囲は、水素分子の光解離が可能であるエネルギー範囲内である。例えば、H2に対しては、ソース103の放射209の適した波長は、約270nmであってもよい。この波長では、流れ100における水素分子は、水素ラジカル含有ガス96が生成されるように、放射209によってラジカルに解離される。同様に、ソース103の放射209の波長または波長範囲は、(水素)ラジカルを生成するための補助化合物の光解離が可能であるエネルギー範囲内である。これは、UVでもあり得るが、可視においてもあり得る。
放射のソース103は、高圧水銀ランプ、重水素ランプおよびレーザ等の広帯域源および狭帯域源から選択されてもよい。1つより多いソースを使用してもよい。したがって、参照番号103は、1つ以上の放射のソース103を含む。例えば、H2およびD2等(任意選択として、炭化水素基含有化合物ガス混合物を含む)のガス混合物が使用された場合、異なる放射波長を有する異なるソースを使用してもよい。放射束、したがって洗浄/除去プロセスを増加させるために、複数のソースを使用してもよい。ソース103は、ラマンシフタ、周波数変更クリスタル(周波数二倍器、三倍器等)、エタロン、染料セルなど、波長を調節または変更する光学系および光デバイスをさらに含んでもよい。一実施形態では、放射のソース103は、(任意選択として、エキシマレーザから直接提供されない場合に解離のための波長を選択するために、染料レーザのような周波数シフタと組み合わせて)エキシマレーザのようなレーザソースを含む。
したがって、図3aに概略的に示されている実施形態では、放射のソース103からの放射209は、洗浄を必要としている表面202に向かって誘導される。この表面202は、例えば、集光ミラー50およびスペクトル純度フィルタ51のようなかすめ入射ミラーの多層であってもよいが、汚染物質バリア49のチャネル構造におけるチャネルの表面であってもよい。水素(H2)および/または補助化合物含有ガスの流れは、洗浄される表面202の上へと誘導される。照らされたエリア219に入る際、水素分子100および/または補助化合物含有ガスの総量の少なくとも一部は、Snおよび/またはC堆積203を表面202から除去するHラジカル96へと移される。この実施形態の利点は、レーザソースを使用する場合、放射209の波長をH−H結合、あるいはC−H、C−C、C=C、C≡C、N−H、N−N、N=N、C−N、C=NまたはS−H結合のような他の結合を壊すための最適化された波長に調節することができることである。これによって、水素ラジカル96は最も高い効率で生成されることができ、したがって、水素ラジカル96を生成するために比較的低い力を必要とする場合がある。これは、洗浄中および洗浄後の光エレメント201の温度が比較的低いことを有利に意味することがある。例えば、ラジカルを生成するために熱フィラメントを用いる場合、実質的に温度はより高い場合があり、光学系が損害を受けているかまたはそのアライメントが緩んでいることを意味する。
図3bは、上述されたものと同じ実施形態を概略的に示しているが、ここでは、放射のソース103として(高出力)水銀ランプまたは(高出力)重水素ランプ等のような(高出力)UVソースを使用している。例えば、Hgランプが使用されてもよい。この実施形態の利点は、一部のレーザソースと比べて、非常に高出力なソースが利用可能であることである。一実施形態では、高出力水銀ランプは、800ワットまたはそれ以上、例えば少なくとも1000ワットのものが使用される。上記の実施形態と比べて、より多くの水素ラジカル96が生成されることがあり、したがって、より早い洗浄速度が達成されることがある(同じ数の放射ソース103で比較して)。UV(広帯域)光ソースは、UVレーザソースより小さく、かつ安い。
この実施形態の変形では、光学系210が含まれる。これらの光学系はフォーカスまたはデフォーカスレンズ(上記参照)を含んでもよいが、光フィルタも含んでもよい。さらなる別の実施形態では、光学系210は、有用な放射と比べて、水素分子(「無用な放射」)および/または補助化合物を解離できない放射(すなわち、水素および/または補助化合物を解離しない放射)を減少させるように設計されたフィルタを含む。例えば、光解離範囲内で放射の少なくとも一部に対して透過型であり、かつ水素分子(および/または補助化合物)を解離しない放射の少なくとも一部に対して透過型ではないまたはあまり透過型ではない帯域通過フィルタ、すなわち、所望の範囲内の周波数(光解離のエネルギーを有する波長)を通過させ、その範囲より低いおよび高い周波数を減衰するフィルタが使用されてもよい。例えば、約270nmの帯域フィルタがH2の解離に使用されてもよい。そのような光フィルタ210を使用することの利点は、この方法では、光エレメント201の洗浄される表面202は有用ではない放射によって不必要に加熱されないことである。したがって、損害および/またはアライメントが最小限に抑えられる。光学系210は、反射型または透過型の特徴を有していてもよい。さらに、光学系210は、多数の光学系を含んでもよい。
上記の実施形態は、汚染物質バリア49、集光ミラー50、スペクトル純度フィルタ51、ミラー53、54、57、58(および存在する場合、他のミラー)、図示されていない他の反射型または透過型光フィルタ、光センサ等のような光エレメントを洗浄するのに適している。
集光ミラー50を洗浄するための実施形態は、図3c〜図3eに概略的に示されている。本明細書中、一実施形態では、放射のソース103は追加のソースではないが、ソースSOを含み、すなわちソースSOは放射のソース103である。一実施形態では、ソースSOは、当該技術分野で公知である、Snソースのような、EUVソースである。そのようなEUVソースは、しかしながら、DUV/UV範囲内でもいくらかの放射を放出する。この放射は、水素ガスおよび/または補助化合物含有ガスソース700からの水素分子100を、リソグラフィ装置1内の他の光エレメントの表面202またはシェル142、143および146の表面202(図示せず)を洗浄する水素ラジカル含有ガス96に解離するために使用されてもよい。特定の変形においては、放射のソース103の光学的下流および洗浄される光エレメントの光学的上流にフィルタ211が構成される。このフィルタは、反射型または透過型であってもよい。一実施形態では、フィルタ211は透過型である。このフィルタは、光解離範囲内の放射の少なくとも一部に対して透過型であり、かつ水素分子および/または補助化合物を解離しない放射の少なくとも一部に対して透過型ではないかまたはあまり透過型ではないように構成および設計され、すなわち、所望の範囲内の周波数(光解離のエネルギーを有する波長)を通過させ、その範囲より上および/または下の周波数を減衰させるフィルタである。一実施形態では、解離エネルギーの上および下の周波数を減衰させる帯域通過フィルタが適用される。光フィルタ211が位置付け可能である。これは、洗浄中にフィルタ211が存在し得、リソグラフィプロセス中にフィルタ211が除去されることを意味する。
上述されたように、EUVソースSOはEUV放射のみではなく、UVのような他の光周波数も生成する。UVは水素分子を生成するために使用することができるが、ソースSO(すなわち、本明細書中、放射のソース103も)からのEUV放射が集光ミラー50のような光学系に損害を与え得るイオン化水素を生成する可能性がある。これを回避するために、フィルタ211が使用される。この実施形態は、実質的に(追加の)空間を必要としない。というのは、自然に存在するソースSOは、光フィルタ211と組み合わせて、水素ラジカルソース103として使用されるからである。したがって、この実施形態では、放射のソース103は、EUVおよびUV放射を放出するソースSO、およびUV放射に対してEUV放射を減らすように設計された光フィルタ211を含む。他の実施形態では、光フィルタ211は、可視放射に対してEUV放射を減らすように設計されている。
図3dは、この実施形態の変形をより詳細に示している。任意選択の汚染物質バリア49が存在する場合、フィルタ211は、汚染物質バリア49の光学的下流(すなわち、汚染物質バリア49と集光ミラー50との間)または汚染物質バリア49の光学的上流(すなわち、ソースSOと汚染物質バリア49との間)に構成されてもよい。後者の実施形態は、汚染物質バリア49を水素ラジカル96で処理するために適していることがあり、前者は、集光ミラー50を水素ラジカル96で処理するために適していることがある。後者の場合、水素含有ガスおよび/または補助含有化合物ガスソース700の出口106は、汚染物質バリア49を介してガス流100を提供するように構成されてもよい。図3dに概略的に示されている実施形態では、洗浄構成250は、集光ミラー50を介して水素ラジカル96を有するガス流を提供するように構成されている。任意選択の排気ポンプ400の排気口107の位置および水素含有ガスソース700の出口106の位置を調整することによって、水素ラジカル含有ガス流96の方向を調整することができる。
一実施形態では、集光ミラー50および水素ラジカルを用いて処理される他の光エレメント(例えば、任意選択の汚染物質バリア49)は、リソグラフィ装置1の他の部から離されていてもよい(インサイチュ)。洗浄されるエレメントは、図3eおよび図3fに概略的に示されているように、本明細書中では集光ミラー50に対して、円周ハル(circumferential hull)500によって囲まれている。ハル500は、水素含有ガス100のための出口106およびポンプ400によって排気500へとガスを除去するための排気口107を含む。したがって、EUVソースSOがUVにおける波長を有する放射をさらに放出するリソグラフィ装置1が提供され、リソグラフィ装置1は、EUVソースSOと洗浄される表面との間に位置付け可能な光フィルタ211をさらに含み、光フィルタ211は、UV放射に対するEUV放射を減少させるように構成されている。
上述したように、一部の場合においては、化合物を光解離するために可視放射が使用されてもよく、したがって、水素ラジカルが生成される。したがって、一実施形態では、EUVソースSOが可視光における波長を有する放射をさらに放出するリソグラフィ装置1が提供され、リソグラフィ装置は、EUVソースと洗浄される表面との間に位置付け可能な光フィルタをさらに含み、光フィルタは、可視放射に対するEUV放射を減少させるように構成されている。
上記したように、出口107および排気口107が、集光ミラー50の少なくとも一部を介してガス流を提供するように構成されている。図3c〜図3eに概略的に示されているものより他の光エレメントが洗浄されるか、または他の種類の集光ミラー50が洗浄される場合、水素ガスおよび/または補助化合物含有ガス出口106および開口部107は、洗浄される表面の少なくとも一部の上で流れを提供するように構成される。汚染物質バリア49が洗浄される場合、水素ガスおよび/または補助化合物含有ガス出口106および開口部107は、汚染物質バリア49の少なくとも一部を介する流れを提供するように構成される。
さらに、円周ハル500は少なくとも、洗浄される表面202がソースSO(放射のソース103)によって照射され得るように、ソースSOの水素(および/または補助化合物含有ガス)の光解離を誘導する放射209の少なくとも一部を透過させるように構成および設計されている1つフィルタ211を含む。図3dで概略的に示されている実施形態のように、この実施形態は、フィルタ211と組み合わせて、水素ラジカルソース103としてソースSOを含む。
この実施形態では、処理プロセスはリソグラフィ装置1の他の部分から離れており、したがって、例えば、揮発性水素化物(204)の再堆積によるリソグラフィ装置1の至る所における汚染は最小限に抑えられ得る。実際には、反応器が設けられ、そこで水素ラジカル処理が実行される。
任意選択として、円周ハル500は、洗浄される光エレメントの下流に構成され、かつ放射209の少なくとも一部が装置の残部を通過するように構成された第2のフィルタ211bをさらに含んでもよい。例えば、フィルタ211bを透過する放射は、光エレメント53、54等を照射するために使用されてもよい。
ソースSOを水素ラジカルソース103として使用することは、光学系上の照明されたエリアが水素分子の解離のために放射によって処理されることを可能にし、これは、フィルタ211(および任意選択のフィルタ211b)が存在しない場合にEUV放射によって照明されるのと実質的に同じである。したがって、良い照射が、特に集光ミラー50の反射面に対して達成されることがあるのに対して、追加のソース103が使用された場合、集光ミラー50の反射面の全面を照射することがより複雑であり得る。これは、上記のWolter集光ミラーのような曲がった表面を有する集光ミラーを使用する場合、望まれる実施形態であり得る。
円周ハル500は、1つまたは2つのドアを含む繭のようなハルであってもよく、少なくとも1つのドアはソースSOと洗浄される光エレメントとの間に構成され、ドアはフィルタ211を含んでもよい。洗浄される光エレメントの下流に構成される場合がある第2のドアが存在してもよく、第2のドアは、任意選択としてフィルタ211bを含んでもよい。
そのようなドアは、参照番号120および130を用いて図3eに概略的に示されており、図3fにはより詳細に示されている。ドア130は任意選択である。本明細書中、放射のソース103(すなわち、水素ラジカルソース103)は図示されていない。円周ハル500は、ハル200およびドア120を含んでもよい。任意選択として、2つのドアが存在してもよく、これらはドア120および130として示されている概略図3eおよび図3fにある。ハル200は円形ハル200として概略的に示されているが、他の形を使用してもよい。
ドア120および任意選択のドア130とは別の、円周ハル500内の光フィルタ211および任意選択のフィルタ211bの位置が可能である。例えば、それらはハル200内に存在してもよい。
図3fでは、水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガス100は、ドア120の開口部(すなわち、図では出口106)を介して入り、ガスは任意選択のチューブ471を介して排気口107を通ってポンプ400によって除去される。水素ラジカルソース103は、フィルタ211(または任意選択のフィルタ211)を介して円周ハル500内の水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガス100を照射し、それによって円周ハル500内に水素ラジカルを生成し、それによって円周ハル500に含まれる光エレメントの洗浄/処理される表面を洗浄/処理する。
ドア120および任意選択のドア130とは別の、円周ハル500内の出口106および排気107の位置が可能である。例えば、それらはハル200内に存在してもよい。
本明細書中、洗浄構成250は、水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガス100、放射のソース103(図示せず)、光エレメントを囲うように構成された円周ハル500を含み、円周ハル500は、少なくとも1つのドア120および任意選択として第2のドア130を含み、円周ハル500は、ソース700からの水素含有ガスおよび補助化合物含有ガス100を円周ハル500によって囲われている体積へと導入するように構成された出口106および円周ハル500からガスを除去するように構成された排気口107をさらに含み、円周ハル500は、フィルタ211および任意選択のフィルタ211bをさらに含み、フィルタ211は放射のソース103の放射209の少なくとも一部を透過させるように構成され(すなわち、水素分子および/または補助化合物の光解離が誘導され得る波長範囲の少なくとも一部は、少なくとも部分的に円周ハル500へとフィルタ211を透過する)、放射のソース103およびフィルタ211は、円周ハル500に含まれる水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガスの少なくとも一部を照射するように構成され、それによって円周ハル500に含まれる体積に導入される水素含有ガスおよび補助化合物含有ガス100における水素分子および/または補助化合物の総量の少なくとも一部を水素ラジカル含有ガス96に変換し、洗浄構成は、水素ラジカル含有ガスを円周ハル500に含まれている洗浄される光エレメントの表面に提供するように構成されている(すなわち、円周ハル500によって囲われている体積内に構成される)。
図3eおよび図3fに概略的に示されている洗浄構成は、水素ラジカルソース103としてソースSOのみを用いて使用されないことがあり、別の水素ラジカルソース103が使用されることもある。例えば、UVソースがフィルタ211または任意選択のフィルタ211bの前に配置されてもよい。1つより多いソース103が使用されてもよい。さらに、1つより多いフィルタが使用されてもよい。
図3eおよび図3fに概略的に示されている洗浄構成250が集光ミラー50を囲っていると想定すると、円周ハル500に含まれるガス100をフィルタ211を介して照射するために追加の放射のソース103が集光ミラー50の光学的上流に配置されてもよく(例えば、集光ミラー50と任意選択の汚染物質バリア49との間)、および/または円周ハル500に含まれるガス100をフィルタ211bを介して照射するために追加の放射のソース103が集光ミラー50の光学的下流に配置されてもよい。2つ以上のフィルタ211/211bを使用する場合、少なくとも1つのフィルタは、放射の少なくとも一部を円周ハル500の外に透過させるように構成されてもよい。円周ハル500から漏れ出る放射は、他の光エレメントを洗浄するために使用されてもよい(上記参照)。
洗浄構成250は、リソグラフィ装置1のインサイチュ(in situ)で使用されてもよいが、エックスサイチュ(ex situ)で使用されてもよい。さらに、そのような洗浄構成は、集光ミラー50を洗浄するために使用されてもよいが、汚染物質バリア49のような他のエレメント、他の反射型または透過型の光フィルタ(上記したように)などであってもよい。円周ハル500を含む洗浄構成250をインサイチュ洗浄のために使用する場合、リソグラフィプロセス中に実質的に妨げられない放射ビームBを保証するために円周ハル500の少なくとも一部が除去可能である。例えば、ドア120および130が移動可能であってもよく、またはフィルタ211および211bが移動可能であってもよい。
上記の実施形態では、図3eおよび図3fに概略的に示されたように、放射のソース103は、ソースSOまたはソースSOに追加される放射のソースのいずれかである。追加の放射のソース103は、円周ハル500の外に構成されてもよい。さらなる別の実施形態では、追加の放射のソース103は、円周ハル400内に構成される。この実施形態では、光フィルタ211および任意選択の光フィルタ211bは必要ではなく、たとえそのようなフィルタの1つまたは複数が円周ハル500の外の光エレメントを照射するためにまだ使用されている場合があっても必要ではない。
水素ラジカルおよび任意選択としてハロゲンを用いた処理の後、フィルタ211(単独のフィルタまたはドア120に含まれたフィルタ)は除去される。任意選択のフィルタ211bが存在した場合(単独のフィルタまたはドア130に含まれたフィルタのいずれかとして)、フィルタ211bも除去される。次いで、リソグラフィプロセスを続けることができる。したがって、フィルタ211および任意選択のフィルタ211bは、位置付け可能である。
例えば、図3aおよび図3bに関連する上記の実施形態を使用する場合、一部の光エレメントもオンライン、すなわち、リソグラフィプロセス中に洗浄されてもよい。
上記されたように、光フィルタ211は、集光ミラー50の上流(すなわち、集光ミラー50の光学的上流)に配置されてもよく、または集光ミラー50の下流(すなわち、集光ミラー50の光学的下流)に配置されてもよい。後者の実施形態では、特に照明エリア(図2参照、参照番号44(IL))内の光エレメントおよび/または投影エリア(図2参照、参照番号PS)内の光エレメントが、UV放射によって照射されることがある。
さらなる実施形態では、リソグラフィ装置およびリソグラフィ装置の光エレメントの洗浄される表面を洗浄するための洗浄方法が提供され、リソグラフィ装置は、(EUV放射に対して)UV放射を低減するための光フィルタ、例えばUV放射を低減させるための透過型光フィルタを含み、UV放射を低減するためのこのフィルタは除去される。したがって、UV放射は、リソグラフィ装置中を「邪魔されずに」伝搬することができ、本発明の洗浄構成および洗浄方法で使用することができる。一実施形態では、UVを低減するための光フィルタの除去の次に、光フィルタ211が、ビームBにおいて、洗浄される光エレメントの光学的上流に構成される。この光フィルタ211は、上記されて図3a〜図3f、例えば図3c〜図3eに概略的に示されているような光フィルタ211であってもよい。同様に、この方法は、可視放射がリソグラフィ装置中を「邪魔されずに」伝搬することができ、本発明の洗浄構成および洗浄方法で使用することができるように、可視放射を低減させるためのフィルタが使用されて同様に除去された場合に、可視放射を透過させるために適用されてもよい。
洗浄装置250は、リソグラフィ装置1のエックスサイチュまたはインサイチュで構成されてもよい。本発明のさらなる実施形態によると、洗浄構成250が提供され、その洗浄構成250自体が水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガスソース700、および水素ラジカルソース103を含み、水素ラジカルソース103は、水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガス100の少なくとも一部を水素ラジカル含有ガス96に変換するように構成され、洗浄構成250は、水素ラジカル含有ガス96を洗浄される光エレメント201の表面202に提供するように構成され、水素ラジカルソース103は、水素の光解離を誘導するソース103を含む。
本発明の一実施形態によると、光エレメント201を囲うように構成された円周ハル500をさらに含む洗浄構成250が提供され、円周ハル500は、少なくとも1つのドア120を含み、円周ハル500は、水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガスソース700からの水素含有ガス100を円周ハル500によって囲われている体積へと導入するように構成された出口106および円周ハル500からのガスの除去を可能にするように構成された排気口107をさらに含み、円周ハル500は、放射のソース103の放射209の少なくとも一部を透過させるように構成された光フィルタ211をさらに含み、放射のソース103および光フィルタ211は、円周ハル500に含まれる水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガス100の少なくとも一部を照射するように構成され、それによって円周ハル500に含まれる水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガス100の少なくとも一部を水素ラジカル含有ガス96に変換し、洗浄構成250は、水素ラジカル含有ガス96を円周ハル500に含まれている洗浄される光エレメント201の表面202に提供するように構成されている。
本発明のさらなる実施形態によると、リソグラフィ装置1の光エレメント201の洗浄される表面202を洗浄するための方法が提供される。これは、インサイチュでの方法、すなわち、リソグラフィ装置1における光エレメント201の洗浄される表面202を洗浄するための方法であってもよい。方法は、水素含有ガスおよび/または補助化合物含有ガス100を洗浄される表面202に導くことと、水素の光解離を誘導する放射209でガス100または洗浄される表面202あるいはその両方を照射することとを含む。ガスを照射することによって水素ラジカルが生成され、それによって水素ラジカル含有ガス96を提供する。洗浄される表面202を照射することによって、洗浄される表面202に近い水素および/または補助化合物含有ガスは水素ラジカル96に解離する。水素ラジカルの生成のためにはガス100のみを照射することが十分であり得るが、一般的には、洗浄される表面202が照射される。例えば、放射のソース103は、チューブ104にも存在し得る。
本明細書中、チューブは、ガスチューブまたはガスパイプ、すなわち、水素のようなガスを運ぶためのチューブを表す。
ガス流は、示されているもの以外の方向であってもよい。
特定の実施形態では、洗浄構成またはリソグラフィ装置に導入されるガスが所望の温度、例えば、炭化水素および/またはシランがガス状である温度(上記参照)まで上げられるように、ガスソース700、チューブ104、出口106および表面202のうちの1つまたは複数がIRヒーターを含むヒーター(図示せず)によって加熱される。
したがって、一実施形態では、本発明は、リソグラフィ装置のエレメント、特に光エレメントを洗浄するためのインサイチュ洗浄方法、すなわち、エレメントが装置内または装置の一部内で洗浄される方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、リソグラフィ装置のエレメント、特に光エレメントを洗浄するためのエックスサイチュ洗浄方法を提供する。
本発明は、EUV放射のみに限定されないが、上記されたように他の放射を使用するリソグラフィ装置に対しても使用されてもよい。Sn以外のソースの結果として生じる他の汚染物質も、本発明の洗浄構成250および洗浄方法によって除去されてもよい。
本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよいと理解されたい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはないことが理解されたい。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
本発明の実施形態を上述してきたが、説明した以外の形で本発明を実施することもできることを理解されたい。例えば、本発明は、上記で開示した方法を記載する機械読取可能命令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、あるいはそのようなコンピュータプログラムが中に記憶されたデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気または光ディスク)の形を取ることがある。
上記の説明は、限定ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、下記の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
特許請求の範囲では、括弧内に配置された任意の参照符号は特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「含む」という動詞およびその語形変化は、特許請求の範囲で述べられるもの以外の要素または工程の存在を排除しない。エレメントの前にある「a」または「an」という冠詞は、複数のそのようなエレメントの存在を排除しない。例えば、化合物という用語は、一実施形態では、複数の化合物も含む。本発明は、いくつかの別個のエレメントを含むハードウェアによって、および適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスクレームでは、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの1つのおよび同じアイテムに組み入れられてもよい。単にいくらかの手段が相互に異なる従属クレームに記載されているという事実は、これらの手段の組み合わせが利点として使用できないということを示さない。