JP5063489B2 - 判定装置及びそれを備えた電子機器並びに判定方法 - Google Patents

判定装置及びそれを備えた電子機器並びに判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定方向からの音又は音源方向を判定する判定装置及びそれを備えた電子機器並びに特定方向からの音又は音源方向を判定する判定方法に関する。
従来の特定音源強調手法として、例えば特許文献1に開示されているものがある。特許文献1に開示されている従来の特定音源強調手法を実現するための音声処理部は、図14に示すような構成である。図14に示す音声処理部では、FFT(Fast Fourier Transform)部101が第1のマイクロホンの出力信号をデジタル信号に変換した後、更に周波数領域の信号に変換し、FFT部102が第2のマイクロホンの出力信号をデジタル信号に変換した後、更に周波数領域の信号に変換し、スペクトラム判定部103がFFT部101から出力される周波数領域の信号とFFT部102から出力される周波数領域の信号から算出した相対パラメータをもとに必要なスペクトラムを判定し、その判定結果に基づいて不要スペクトラム部104及び105を制御し、不要スペクトラム部104がFFT部101から出力される周波数領域の信号の不要スペクトラムを減衰させ、不要スペクトラム部105がFFT部102から出力される周波数領域の信号の不要スペクトラムを減衰させ、不要スペクトラム部104から出力される周波数領域の信号がIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部106によって時系列データに変換され、不要スペクトラム部105から出力される周波数領域の信号がIFFT部107によって時系列データに変換される。
特許第3435357号公報
相対パラメータとして位相情報を用いる場合、第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとの間隔に応じて制御可能な上限周波数が決定する。第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとを近接させるほど制御可能な上限周波数が高くなるが、一般的なマイクロホンのサイズなどを考えると、第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとの中心間隔は2cm程度が限界であり、上限周波数は8kHz前後となる。
一方、相対パラメータとしてパワー情報を用いる場合、下限・上限周波数に制約はないが、図15に示すように第1のマイクロホン108、第2のマイクロホン109に対して特定の方向から音が到来した場合、第1のマイクロホン108と第2のマイクロホン109との間隔が短いと、音源から第1のマイクロホン108までの行路と音源から第2のマイクロホン109までの行路との差dが微小になり、この行路差d分の音の減衰が微小になるため、相対パラメータを識別することが困難である。
従って、特許文献1に開示されている従来の特定音源強調手法は、第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとの間隔が短い場合、広帯域の音声信号に対する方向判定を精度良く行うことができなかった。
本発明は、上記の状況に鑑み、複数のマイクロホンの間隔が短くても広帯域の音声信号に対する方向判定を精度良く行うことができる判定装置及びそれを備えた電子機器並びに判定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る判定装置は、第1のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第1の時間周波数変換部と、前記第1のマイクロホンとは指向特性が異なる第2のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第2の時間周波数変換部と、前記第1の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーと前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーとを、所定の周波数帯域において周波数毎に比較するパワー比較部と、前記パワー比較部での比較結果を用いて特定方向からの音又は音源方向を判定する判定部とを備える構成とする。なお、周波数領域の信号の或る周波数におけるパワーは、例えば、周波数領域の信号の或る周波数における振幅の二乗の平方根で表すことができる。
このような構成によると、前記第1の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーと前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーとの比較結果である相対パワーパラメータを用いて方向判定を行っているので、下限・上限周波数に制約はなく、広帯域の音声信号に対する方向判定を精度良く行うことができる。また、前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンの指向特性が互いに異なるので、音源方向の相違による相対パワーパラメータの変化を大きくすることができる。したがって、前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンの間隔が短くても音声信号に対する方向判定を精度良く行うことができる。
また、前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとの指向特性の相違量に基づく判定条件を格納する記憶部を備え、前記判定部が、前記パワー比較部での比較結果と前記記憶部に格納されている判定条件とから特定方向からの音を判定するようにしてもよい。
また、前記所定の周波数帯域が第1の周波数帯域であって、前記第2のマイクロホンと指向特性が同一である第3のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第3の時間周波数変換部と、前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号の位相と前記第3の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号の位相とを、前記第1の周波数帯域より低い帯域である第2の周波数帯域において周波数毎に比較する位相比較部と、前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとの指向特性の相違量に基づく第1の判定条件を格納する第1の記憶部と、前記第2のマイクロホンと前記第3のマイクロホンとの位置関係に基づく第2の判定条件を格納する第2の記憶部とを備え、前記判定部が、前記パワー比較部での比較結果と前記第1の記憶部に格納されている第1の判定条件とから前記第1の周波数帯域の特定方向からの音を判定し、前記位相比較部での比較結果と前記第2の記憶部に格納されている第2の判定条件とから前記第2の周波数帯域の特定方向からの音を判定するようにしてもよい。
また、2方向の音を判定することができるように、前記第1の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号の位相と前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号の位相とを、前記所定の周波数帯域において周波数毎に比較する位相比較部と、前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとの指向特性の相違量に基づく第1の判定条件を格納する第1の記憶部と、前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとの位置関係に基づく第2の判定条件を格納する第2の記憶部とを備え、前記判定部が、前記パワー比較部での比較結果と前記第1の記憶部に格納されている第1の判定条件とから第1の方向からの音、第2の方向からの音のいずれかであるか否かを判定する一次判定部と、前記一次判定部によって、前記第1の方向からの音、前記第2の方向からの音のいずれかであると判定された場合、前記位相比較部での比較結果と前記第2の記憶部に格納されている第2の判定条件とから、前記第1の方向からの音であるか否かを判定する二次判定部とを有するようにしてもよい。
また、前記第1のマイクロホンの指向性パターンと前記第2のマイクロホンの指向特性パターンとが左右対称であって、前記パワー比較部によって、前記第1の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーと前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーとが等しいとの比較結果が得られたときに、前記判定部が、正面方向からの音であると判定するようにしてもよい。
上記目的を達成するために本発明に係る電子機器は、上記構成の判定装置を少なくとも一つ備え、前記判定装置の判定結果に基づき、集音した音声信号に対して音声処理を施す構成とする。
また、上記構成の電子機器において、集音した音声信号の記録・再生機能を有し、集音した音声信号を記録する際、又は、記録した音声信号を再生する際のいずれかにおいて前記判定装置が判定処理を行うようにしてもよい。
また、上記各構成の電子機器の一例としては、映像を撮影するカメラを備える撮像装置が挙げられる。
上記目的を達成するために本発明に係る判定方法は、第1のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第1の時間周波数変換ステップと、前記第1のマイクロホンとは指向特性が異なる第2のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第2の時間周波数変換ステップと、前記第1の時間周波数変換ステップによって得られる周波数領域の信号のパワーと前記第2の時間周波数変換ステップによって得られる周波数領域の信号のパワーとを、所定の周波数帯域において周波数毎に比較するパワー比較ステップと、前記パワー比較ステップによって得られる比較結果を用いて特定方向からの音又は音源方向を判定する判定ステップとを有する。
本発明によると、相対パワーパラメータを用いて方向判定を行っているので、下限・上限周波数に制約はなく、広帯域の音声信号に対する方向判定を精度良く行うことができる。また、互いに異なる複数のマイクロホンの出力信号を利用しているので、音源方向の相違による相対パワーパラメータの変化を大きくすることができる。したがって、複数のマイクロホンの間隔が短くても音声信号に対する方向判定を精度良く行うことができる。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本発明に係る判定方法は、集音した音声信号を利用して判定を行うので、集音した音声信号を記録する際だけでなく、すでに集音・記録された音声信号を再生する際にも適用できる。
以下では、本発明に係る判定方法を集音した音声信号を記録する際に適用した判定装置を搭載した撮像装置(例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラなど)を例に挙げて説明する。
図1は、本発明に係る判定装置を搭載した撮像装置の一内部構成例を示すブロック図である。
図1に示す撮像装置は、入射される光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子(イメージセンサ)1と、被写体の光学像をイメージセンサ1に結像させるズームレンズとズームレンズの焦点距離すなわち光学ズーム倍率を変化させるモータとズームレンズの焦点を被写体に合わせるためのモータとを有するレンズ部2と、イメージセンサ1から出力されるアナログ信号である画像信号をデジタル信号に変換するAFE(Analog Front End)3と、指向特性の異なる複数のマイクロホンを有するマイク部4と、AFE3からのデジタル信号となる画像信号に対して、階調補正等の各種画像処理を施す画像処理部5と、マイク部4からのアナログ信号である音声信号に対してデジタル信号に変換するとともに音声補正処理を施す音声処理部6と、画像処理部5からの画像信号及び音声処理部6からの音声信号それぞれに対してMPEG(Moving Picture Experts Group)圧縮方式などの圧縮符号化処理を施す圧縮処理部7と、圧縮処理部7で圧縮符号化された圧縮符号化信号をSDカードなどの外部メモリ22に記録するドライバ部8と、ドライバ部8で外部メモリ22から読み出した圧縮符号化信号を伸長して復号する伸長処理部9と、伸長処理部9で復号されて得られた画像信号をアナログ信号に変換するビデオ出力回路部10と、ビデオ出力回路部10で変換された信号を出力するビデオ出力端子11と、ビデオ出力回路部10からの信号に基づく画像の表示を行うLCD等を有するディスプレイ部12と、伸長処理部9からの音声信号をアナログ信号に変換する音声出力回路部13と、音声出力回路部13で変換された信号を出力する音声出力端子14と、音声出力回路部13からの音声信号に基づいて音声を再生出力するスピーカ部15と、各ブロックの動作タイミングを一致させるためのタイミング制御信号を出力するタイミングジェネレータ(TG)16と、撮像装置内全体の駆動動作を制御するCPU(Central Processing Unit)17と、各動作のための各プログラムを記憶するとともにプログラム実行時のデータの一時保管を行うメモリ18と、ユーザからの指示が入力される操作部19と、CPU17と各ブロックとの間でデータのやりとりを行うためのバス回線20と、メモリ18と各ブロックとの間でデータのやりとりを行うためのバス回線21と、を備える。なお、CPU17は、画像処理部5で検出した画像信号に応じて、レンズ部2内の各モータを駆動して焦点、絞りの制御を行う。
音声処理部6は、本発明に係る判定装置を備え、本発明に係る判定装置の判定結果に応じた音声処理を行っている。小型化及び低コスト化の観点から、音声処理部6単独または音声処理部6に圧縮処理部7内の音声圧縮符号化器を含めたものは、1パッケージ化されたLSIパッケージになっていることが望ましい。
次に、図1に示す撮像装置の動画撮影時の基本動作について図2のフローチャートを用いて説明する。まず、ユーザが操作部19を操作して撮像装置を動画撮影用に設定して電源をONにすると(STEP1)、撮像装置の駆動モードつまりイメージセンサ1の駆動モードがプレビューモードに設定される(STEP2)。続いて撮影モードの入力待ち状態となる。撮影モードが入力されない場合は通常撮影用のモードが選択されたものとする(STEP3)。プレビューモードでは、イメージセンサ1の光電変換動作によって得られたアナログ信号である画像信号がAFE3においてデジタル信号に変換されて、画像処理部5で画像処理が施され、圧縮処理部7で圧縮された現時点の画像に対する画像信号が外部メモリ22に一時的に記録される。この圧縮信号は、ドライバ部8を経て、伸長処理部9で伸長され、現時点で設定されているレンズ部2のズーム倍率での画角の画像がディスプレイ部12に表示される。
続いてユーザが、撮影の対象とする被写体に対して所望の画角となるように、操作部19を操作すると、その操作に応じた光学ズームでのズーム倍率が設定される(STEP4)。その際、画像処理部5に入力された画像信号を基にCPU17によってレンズ部2を制御して、最適な露光制御(Automatic Exposure;AE)・焦点合わせ制御(オートフォーカス、Auto Focus;AF)が行われる(STEP5)。
その後、操作部19の録画開始ボタン(静止画撮影用のシャッターボタンと兼用でも構わない)が全押しされ、録画動作の開始が指示されると(STEP6のY)、録画動作が開始され、イメージセンサ1の光電変換動作によって得られたアナログ信号である画像信号がAFE3に出力される。このとき、イメージセンサ1では、TG16からのタイミング制御信号が与えられることによって、水平走査及び垂直走査が行われて、画素毎のデータとなる画像信号が出力される。そして、AFE3において、アナログ信号である画像信号(生データ)がデジタル信号に変換されて、画像処理部5内のフレームメモリに書き込まれる(STEP7)。
画像処理部5では輝度信号及び色差信号の生成を行う信号変換処理などの各種画像処理が施され、その画像処理が施された画像信号が圧縮処理部7に与えられる。一方、音声処理部6では、マイク部4に音声入力されることで得られたアナログ信号である音声信号に対してA/D変換処理が施されるとともに、本発明に係る判定装置の判定結果に応じた音声処理が施され、その音声処理が施された音声信号が圧縮処理部7に与えられる(STEP8)。この音声処理については後述する。
圧縮処理部7では、デジタル信号である画像信号及び音声信号に対して、MPEG圧縮符号方式に基づいて、圧縮符号化し(STEP9)、ドライバ部8に与えて、外部メモリ22に記録させる(STEP10)。また、このとき、外部メモリ22に記録された圧縮データがドライバ部8によって読み出されて伸長処理部9に与えられて、伸長処理が施されて画像信号が得られる。この画像信号がディスプレイ部12に与えられて、現在、イメージセンサ1を通じて撮影されている被写体画像が表示される。その後、再び操作部19の録画開始ボタンが全押しされ、録画動作の終了が指示されると(STEP11のY)プレビューモードに戻る(STEP2)。
このような撮像動作を行うとき、TG16によって、AFE3、画像処理部5、音声処理部6、圧縮処理部7、及び伸長処理部9に対してタイミング制御信号が与えられ、イメージセンサ1による1フレームごとの撮像動作に同期した動作が行われる。
また、外部メモリ22に記録された圧縮動画データを再生することが、操作部19を通じて指示されると、外部メモリ22に記録された圧縮動画データは、ドライバ部8によって読み出されて伸長処理部9に与えられる。そして、伸長処理部9において、MPEG圧縮符号方式に基づいて、伸長復号されて、画像信号及び音声信号が取得される。そして、画像信号がディスプレイ部12に与えられて画像が再生されるとともに、音声信号が音声出力回路部13を介してスピーカ部15に与えられて音声が再生される。これにより、外部メモリ22に記録された圧縮動画データに基づく画像が音声とともに再生される。
次に、音声処理部6の具体例として4つの実施形態(第1実施形態〜第4実施形態)を示し、各実施形態の音声処理部6が図2のSTEP8において実施する音声処理について説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態の音声処理部6を用いる場合、マイク部4は、図3に示すように互いに近接して配置される指向性マイク4A及び無指向性マイク4Bから成る構成とする。例えば、指向性マイク4Aと無指向性マイク4Bの中心間隔を2cmとする。さらに、指向性マイク4Aが図4に示す単一指向性パターンP1を有し、無指向性マイク4Bが図4に示す無指向性パターンP2を有するように指向性マイク4A及び無指向性マイク4Bを配置する。なお、図4に示す指向特性(単一指向性パターンP1、無指向性パターンP2、音声処理により得られる新たな指向性パターンP3)は、音到来方向別のマイク感度を表しており、パターンを形成する或る点が中心Oから離れているほど、その或る点から中心Oに向かう方向からの音に対するマイク感度が高いことを表している。
第1実施形態の音声処理部6は、図5に示すように、FFT部23及び24と、パワー比較スペクトラム判定部25と、メモリ部26と、不要スペクトラム除去部27と、IFFT部28とを備える。
FFT部23は、指向性マイク4Aの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S1[F]に変換し、その周波数領域の信号S1[F]をパワー比較スペクトラム判定部25及び不要スペクトラム除去部27に出力する。また、FFT部24は、無指向性マイク4Bの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S2[F]に変換し、その周波数領域の信号S2[F]をパワー比較スペクトラム判定部25に出力する。
パワー比較スペクトラム判定部25は、周波数領域の信号S1[F]のパワーと周波数領域の信号S2[F]のパワーそれぞれを所定の周波数帯域(例えば、FFT部23及び24でのFFT処理対象の周波数領域)において周波数毎に計算し、周波数領域の信号S1[F]のパワーと周波数領域の信号S2[F]のパワーとを比較して、相対パワーパラメータ(ここでは、周波数領域の信号S1[F]のパワーから周波数領域の信号S2[F]のパワーを差し引いた値とする)を周波数毎に求める。メモリ部26は、図4に示す単一指向性パターンP1と無指向性パターンP2から決定される値であって図4に示すベクトルv1に対応する値である閾値THを予め記憶している。パワー比較スペクトラム判定部25は、相対パワーパラメータが閾値THより大きいか否かを周波数毎に判定し、相対パワーパラメータが閾値THより大きい場合に正面方向からの音成分であると判定する。
不要スペクトラム除去部27は、パワー比較スペクトラム判定部25の判定結果に基づいて、周波数領域の信号S1[F]から正面方向からの音成分でない不要な成分を周波数領域上で除去し、その不要な成分が除去された周波数領域の信号をIFFT部28に出力する。IFFT部28は、不要スペクトラム除去部27の出力信号をIFFT処理にて時間領域の信号に変換し、第1実施形態の音声処理部6の出力信号として圧縮処理部7(図1参照)に出力する。
上記のような音声処理によって新たな指向性パターンP3を得ることができる。第1実施形態の音声処理部6では、相対パワーパラメータを用いて方向判定を行っているので、下限・上限周波数に制約はなく、広帯域の音声信号に対する方向判定を精度良く行うことができる。また、例えば図4に示すような指向特性のマイク部4を用いることにより、音源方向の相違による相対パワーパラメータの変化を大きくすることができるので、複数のマイクロホンの間隔が短くても音声信号に対する方向判定を精度良く行うことができる。
なお、撮像装置では撮影状況により主要音源とマイク部との位置関係が変化することが想定されるが、主要音源とマイク部との位置関係がどのように変化したとしても、上述した通り、例えば図4に示すような指向特性にすることにより、音源方向の相違による相対パワーパラメータの変化を大きくすることができるので、何ら問題は生じない。また、本実施形態では、正面方向からの音を判定対象としているが、メモリ部26に予め記憶させる閾値THの値を変えることにより、他の特定方向からの音を判定対象とすることも可能である。さらに、閾値THの値を複数用意し、その中から判定に用いる値を選択することにより、特定方向の切り替えが可能となる。
<第2実施形態>
第2実施形態の音声処理部6を用いる場合、マイク部4は、図6に示すようにそれぞれ近接して配置される指向性マイク4A並びに無指向性マイク4B及び4Cから成る構成とする。例えば、指向性マイク4Aと無指向性マイク4Bの中心間隔、無指向性マイク4Bと無指向性マイク4Cの中心間隔をそれぞれ2cmとする。さらに、指向性マイク4Aが図4に示す単一指向性パターンP1を有し、無指向性マイク4B及び4Cがそれぞれ図4に示す無指向性パターンP2を有するように指向性マイク4A並びに無指向性マイク4B及び4Cを配置する。
第1実施形態の音声処理部6は、図7に示すように、FFT部29及び31と、HPF(High Pass Filter)32及び33と、LPF(Low Pass Filter)34及び35と、パワー比較スペクトラム判定部36と、位相比較スペクトラム判定部37と、メモリ部38と、不要スペクトラム除去部39と、IFFT部40とを備える。HPF32及び33のカットオフ周波数、LPF34及び35のカットオフ周波数はともに8kHzとしている。
FFT部29は、指向性マイク4Aの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S1[F]に変換し、その周波数領域の信号S1[F]を、不要スペクトラム除去部39と、HPF32を介してパワー比較スペクトラム判定部36とに出力する。また、FFT部30は、無指向性マイク4Bの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S2[F]に変換し、その周波数領域の信号S2[F]を、HPF33を介してパワー比較スペクトラム判定部36と、LPF34を介して位相比較スペクトラム判定部37とに出力する。また、FFT部31は、無指向性マイク4Cの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S3[F]に変換し、その周波数領域の信号S3[F]を、LPF35を介して位相比較スペクトラム判定部37に出力する。
パワー比較スペクトラム判定部36は、周波数領域の信号S1[F]における8kHz以上の周波数成分のパワーと周波数領域の信号S2[F]における8kHz以上の周波数成分のパワーそれぞれを周波数毎に計算し、周波数領域の信号S1[F]における8kHz以上の周波数成分のパワーと周波数領域の信号S2[F]における8kHz以上の周波数成分のパワーとを比較して、相対パワーパラメータ(ここでは、周波数領域の信号S1[F]における8kHz以上の周波数成分のパワーから周波数領域の信号S2[F]における8kHz以上の周波数成分のパワーを差し引いた値とする)を周波数毎に求める。
位相比較スペクトラム判定部37は、周波数領域の信号S2[F]における8kHz以下の周波数成分の位相と周波数領域の信号S3[F]における8kHz以下の周波数成分の位相それぞれを周波数毎に計算し、周波数領域の信号S2[F]における8kHz以下の周波数成分の位相と周波数領域の信号S3[F]における8kHz以下の周波数成分の位相とを比較して、相対位相パラメータ(ここでは、周波数領域の信号S2[F]における8kHz以下の周波数成分の位相から周波数領域の信号S3[F]における8kHz以下の周波数成分の位相を差し引いた値とする)を周波数毎に求める。
メモリ部26は、図4に示す単一指向性パターンP1と無指向性パターンP2から決定される値であって図4に示すベクトルv1に対応する値である閾値THと、図4に示す角度α°に対応する値である閾値θとを予め記憶している。なお、閾値θは以下の式で表される。ただし、Fは周波数、Vは音速を表している。
θ=2.0π×F×0.02cos(90−α)°/V
パワー比較スペクトラム判定部36は、8kHz以上の周波数成分に対して、相対パワーパラメータが閾値THより大きいか否かを周波数毎に判定し、相対パワーパラメータが閾値THより大きい場合に正面方向からの音成分であると判定する。また、位相比較スペクトラム判定部37は、8kHz以下の周波数成分に対して、相対位相パラメータの絶対値が閾値θより小さいか否かを周波数毎に判定し、相対位相パラメータの絶対値が閾値θより小さい場合に正面方向からの音成分であると判定する。
不要スペクトラム除去部39は、パワー比較スペクトラム判定部36の判定結果及び位相比較スペクトラム判定部37の判定結果に基づいて、周波数領域の信号S1[F]から正面方向からの音成分でない不要な成分を周波数領域上で除去し、その不要な成分が除去された周波数領域の信号をIFFT部40に出力する。IFFT部30は、不要スペクトラム除去部39の出力信号をIFFT処理にて時間領域の信号に変換し、第2実施形態の音声処理部6の出力信号として圧縮処理部7(図1参照)に出力する。
第2実施形態の音声処理部6は、相対位相パラメータを用いて方向判定を精度良く行うことができる低周波数帯域では、相対位相パラメータを用いて方向判定を行っているが、相対位相パラメータを用いて方向判定を精度良く行うことができない高周波数帯域では、第1実施形態の音声処理部6と同様の音声処理を行っているので、第1実施形態の音声処理部6と同様の効果を奏する。
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態の音声処理部6では正面方向の音を判定したが、第3実施形態の音声処理部6では2方向(Lch、Rch)の音を判定する。第3実施形態の音声処理部6を用いる場合、マイク部4の構成及び各マイクの配置を第3実施形態の音声処理部6を用いる場合と同一にする(図3及び図4参照)。
第3実施形態の音声処理部6は、図8に示すように、FFT部41及び42と、パワー比較スペクトラム判定部43と、位相比較スペクトラム判定部44と、メモリ部45と、不要スペクトラム除去部46及び47と、IFFT部48及び49とを備える。
続いて、第3実施形態の音声処理部6の動作について図9に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ#101では、FFT部41が、指向性マイク4Aの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S1[F]に変換し、その周波数領域の信号S1[F]をパワー比較スペクトラム判定部43及び位相比較スペクトラム判定部44に出力する。また、ステップ#10では、FFT部42が、無指向性マイク4Bの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S2[F]に変換し、その周波数領域の信号S2[F]をパワー比較スペクトラム判定部43及び位相比較スペクトラム判定部44並びに不要スペクトラム除去部46及び47に出力する。
続くステップ#102では、パワー比較スペクトラム判定部43及び位相比較スペクトラム判定部44が、処理対象周波数fを最小値にセットする。
続くステップ#103では、パワー比較スペクトラム判定部43が、周波数領域の信号S1[F]の処理対象周波数f成分でのパワーPW1[f]と、周波数領域の信号S2[F]の処理対象周波数f成分でのパワーPW2[f]とを算出する。また、ステップ#30では、位相比較スペクトラム判定部44が、周波数領域の信号S1[F]の処理対象周波数f成分での位相PH1[f]と、周波数領域の信号S2[F]の処理対象周波数f成分での位相PH2[f]とを算出する。
続くステップ#104では、パワー比較スペクトラム判定部43が、パワーPW1[f]とパワーPW2[f]とを比較して、相対パワーパラメータ(PW1[f]−PW2[f])を求め、その相対パワーパラメータが、メモリ部26に予め記憶されている閾値THL,R(図4に示すベクトルvL、vRに対応する値)の±0.5dBの範囲内であるか否かを判定する。
相対パワーパラメータ(PW1[f]−PW2[f])が(閾値THL,R−0.5dB)以上(閾値THL,R+0.5dB)以下であれば(ステップ#104のYES)、L方向からの音成分、R方向からの音成分のいずれかであると判定し(ステップ#105)、ステップ#107に移行する。一方、相対パワーパラメータ(PW1[f]−PW2[f])が(閾値THL,R−0.5dB)以上(閾値THL,R+0.5dB)以下でなければ(ステップ#104のNO)、L方向からの音成分、R方向からの音成分のいずれでもなく不要音であると判定し(ステップ#106)、ステップ#112に移行する。
ステップ#107では、位相比較スペクトラム判定部44が、位相PH1[f]と位相PH2[f]とを比較して、相対位相パラメータ(PH1[f]−PH2[f])を求め、その相対位相パラメータとメモリ部26に予め記憶されている閾値θL(図4に示す角度βL°に対応する値)との差の絶対値と、その相対位相パラメータとメモリ部26に予め記憶されている閾値θR(図4に示す角度βR°に対応する値)との差の絶対値との大小関係を判定する。なお、閾値θL、θRはそれぞれ以下の式で表される。ただし、Fは周波数、Vは音速を表している。
θL=2.0π×F×0.02cos(90−βL)°/V
θR=2.0π×F×0.02cos(90+βR)°/V
相対位相パラメータと閾値θLとの差の絶対値が相対位相パラメータと閾値θRとの差の絶対値以下であれば(ステップ#107のYES)、L方向からの音成分であると判定し(ステップ#108)、ステップ#110に移行する。一方、相対位相パラメータと閾値θLとの差の絶対値が相対位相パラメータと閾値θRとの差の絶対値より大きければ(ステップ#107のNO)、R方向からの音成分であると判定し(ステップ#109)、ステップ#111に移行する。
ステップ#110では、不要スペクトラム除去部46がSL[f]=S2[f]とし、不要スペクトラム除去部47がSR[f]=0とし、ステップ#113に移行する。
ステップ#111では、不要スペクトラム除去部46がSL[f]=0とし、不要スペクトラム除去部47がSR[f]=S2[f]とし、ステップ#113に移行する。
ステップ#112では、不要スペクトラム除去部46がSL[f]=0とし、不要スペクトラム除去部47がSR[f]=0とし、ステップ#113に移行する。
ステップ#113では、パワー比較スペクトラム判定部43及び位相比較スペクトラム判定部44によって、処理対象周波数fが最大値(例えば24kHz)にセットされているかを判定する。処理対象周波数fが最大値(例えば24kHz)にセットされていなければ(ステップ#113のNO)、処理対象周波数fを更新して一段階大きい値にセットし(ステップ#114)、ステップ#103に戻る。一方、処理対象周波数fが最大値(例えば24kHz)にセットされていれば(ステップ#113のYES)、各処理対象周波数のSL[f]の集合体であるSL[F]がIFFT部48によってIFFT処理されて時間領域の信号に変換され、第3実施形態の音声処理部6のLch出力信号として圧縮処理部7(図1参照)に出力され、各処理対象周波数のSR[f]の集合体であるSR[F]がIFFT部49によってIFFT処理されて時間領域の信号に変換され、第3実施形態の音声処理部6のRch出力信号として圧縮処理部7(図1参照)に出力される(ステップ#115)。
第3実施形態の音声処理部6は、第1実施形態の音声処理部6と同様の効果を奏することに加えて、2方向の音の判定が可能であるという特徴も有している。また、メモリ部45に予め記憶させる相対パワーパラメータに関する閾値及び相対位相パラメータに関する閾値の数を本実施形態よりも増やすことによって3方向以上の音の判定が可能となる。
<第4実施形態>
第4実施形態の音声処理部6を用いる場合、マイク部4は、図10に示すように互いに近接して配置される指向性マイク4D及び指向性マイク4Eから成る構成とする。例えば、指向性マイク4Dと指向性マイク4Eの中心間隔を2cmとする。さらに、指向性マイク4Dと指向性マイク4Eが互いに異なる指向特性を有するように、より具体的には、指向性マイク4Dが図11に示す単一指向性パターンP4を有し、指向性マイク4Eが図11に示す単一指向性パターンP5を有するように指向性マイク4D及び無指向性マイク4Eを配置する。なお、図11に示す指向特性(単一指向性パターンP4及びP5)は、音到来方向別のマイク感度を表しており、パターンを形成する或る点が中心Oから離れているほど、その或る点から中心Oに向かう方向からの音に対するマイク感度が高いことを表している。
第4実施形態の音声処理部6は、図12に示すように、FFT部50及び51と、パワー比較スペクトラム判定部52と、不要スペクトラム除去部53と、IFFT部54と、利得がαである利得調整器55と、利得が(1−α)である利得調整器56及び57と、加算器58及び59とを備える。
FFT部50は、指向性マイク4Dの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S1[F]に変換し、その周波数領域の信号S1[F]をパワー比較スペクトラム判定部52に出力する。また、FFT部51は、指向性マイク4Eの出力信号を48kHzでサンプリングしてデジタル信号に変換した後、2048サンプル毎にFFT処理にて周波数領域の信号S2[F]に変換し、その周波数領域の信号S2[F]をパワー比較スペクトラム判定部52及び不要スペクトラム除去部53に出力する。
パワー比較スペクトラム判定部52は、周波数領域の信号S1[F]のパワーと周波数領域の信号S2[F]のパワーそれぞれを周波数毎に計算し、周波数領域の信号S1[F]のパワーと周波数領域の信号S2[F]のパワーとが一致しているか否かを周波数毎に判定し、一致している場合に正面方向からの音成分であると判定する。
不要スペクトラム除去部53は、パワー比較スペクトラム判定部52の判定結果に基づいて、周波数領域の信号S2[F]から正面方向からの音成分でない不要な成分を周波数領域上で除去し、その不要な成分が除去された周波数領域の信号をIFFT部54に出力する。IFFT部54は、不要スペクトラム除去部53の出力信号をIFFT処理にて時間領域の信号に変換する。
IFFT部54の出力信号は利得調整器55によって利得調整され、利得調整器56によって利得調整された指向性マイク4Dの出力信号と加算器58においてミキシングされたのち、第4実施形態の音声処理部6のLch出力信号として圧縮処理部7(図1参照)に出力される。
また、IFFT部54の出力信号は利得調整器55によって利得調整され、利得調整器57によって利得調整された指向性マイク4Eの出力信号と加算器59においてミキシングされたのち、第4実施形態の音声処理部6のRch出力信号として圧縮処理部7(図1参照)に出力される。
利得調整器55〜57は、例えば、CPU17(図1参照)から出力されるカメラのズーム情報に連動してαの値を変更し、最大ズーム時にはαを1.0、ズームをしない場合にはαを0.0とする。
第4実施形態の音声処理部6は、第1実施形態の音声処理部6と同様の効果を奏することに加えて、正面方向の音の強調を変更することができるという特徴も有している。
上述した図1に示す撮像装置は、本発明に係る判定方法を集音した音声信号を記録する際に適用した集音環境判定装置を搭載した撮像装置であるが、しかし、本発明に係る判定方法は、集音した音声信号を利用して音声信号に対する方向判定を行うため、必ずしも集音した音声信号を記録する際に判定を行う必要は無く、集音した音声信号を利用して再生する際に音声信号に対する方向判定を行うこと、すなわち、集音した音声信号を記録・再生し、その再生した音声信号を利用して判定を行うことも可能である。つまり本発明では、音声信号に対する方向判定が行われる時期が集音した音声信号を記録する際に限定されず、音声信号を再生する際であっても良い。上記の通り、本発明に係る判定方法では、音声信号に対する方向判定が行われる時期が集音した音声信号を記録する際に限定されないため、映像及び音声情報を利用して行う他の処理に応じて、集音した音声信号を記録する際又は記録した音声信号を再生する際のいずれかにおいて音声信号に対する方向判定を行うことが可能となる。
以下では本発明に係る判定方法を再生時に適用した判定装置を搭載した撮像装置について説明する。
図13は、本発明に係る判定装置を搭載した撮像装置の他の内部構成例を示すブロック図である。なお、図13において図1と実質上同一の部分には同一の符号を付している。
図13に示す撮像装置が図1に示す撮像装置と異なる点は、音声処理部6の代わりに音声処理部6aを設け、さらに、伸長処理部9と音声出力回路部13との間に音声処理部6bを設けている点である。
音声処理部6aは、音声処理部6と異なり、マイク部4からのアナログ信号である音声信号に対してA/D変換は行うが、本発明に係る判定方法と、その判定結果に応じた音声処理を行わないものである。
音声処理部6bは、FFT部がA/D変換を行わない点を除き、音声処理部6と同様の構成である。音声処理部6bにおいて行われる音声処理は、基本的に音声処理部6において行われる音声処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、本発明は、音声信号に対する方向判定に関するものであるので、映像に関連するブロックは必須のものでない。したがって、本発明は、撮像装置以外の電子機器、例えば、音声記録装置、音声再生装置、音声記録再生装置(例えばICレコーダ)等にも適用することができる。
また、上述した第1〜第4実施形態では、閾値を音声処理部6内のメモリ部に記憶させたが、メモリ18に記憶させ音声処理部6内のメモリ部を廃止するようにしてもよい。
また、上述した第1〜第4実施形態は適宜組み合わせて実施することが可能である。例えば、第1実施形態の判定手法と第3実施形態の判定手法を組み合わせ、第1実施形態の判定手法により得られた正面方向の音を利得αで利得調整したものと、第3実施形態の判定手法により得られたL方向の音を利得(1−α)で利得調整したものとをミキシングしてLch出力信号を生成し、第1実施形態の判定手法により得られた正面方向の音を利得αで利得調整したものと、第3実施形態の判定手法により得られたR方向の音を利得(1−α)で利得調整したものとをミキシングしてRch出力信号を生成することが可能である。
また、上述した第1〜第4実施形態では、音声信号に対する方向判定として、特定方向からの音成分を判定したが、本発明はこれに限定されることはなく、周波数毎に求めた相対パワーパラメータに基づいて音源方向を判定するようにしてもよい。音源方向の判定結果の利用方法としては、例えばテレビ会議システムにおいて利用し、音源方向(発言者の方向)にカメラが向くように、音源方向の判定結果に応じてカメラを制御する等の利用方法が考えられる。
本発明は、音声信号を記憶及び/又は再生する電子機器(例えば、撮像装置やICレコーダ、それらの機能を搭載した携帯機器、或いは、音声信号を記憶及び/又は再生する手段としてコンピュータを機能させるためのソフトウェアにより動作するコンピュータ)等に適用可能である。
は、本発明に係る集音環境判定装置を搭載した撮像装置の一内部構成例を示すブロック図である。 は、図1に示す撮像装置の動画撮影時の基本動作を説明するためのフローチャートである。 は、第1実施形態におけるマイク部の指向特性を示す図である。 は、第1実施形態におけるマイク部の各マイクの配置を示す図である。 は、第1実施形態の音声処理部の構成を示すブロック図である。 は、第2実施形態におけるマイク部の各マイクの配置を示す図である。 は、第2実施形態の音声処理部の構成を示すブロック図である。 は、第3実施形態の音声処理部の構成を示すブロック図である。 は、第3実施形態の音声処理部の動作フローチャートである。 は、第4実施形態におけるマイク部の指向特性を示す図である。 は、第4実施形態におけるマイク部の各マイクの配置を示す図である。 は、第4実施形態の音声処理部の構成を示すブロック図である。 は、本発明に係る判定装置を搭載した撮像装置の他の内部構成例を示すブロック図である。 は、従来の特定音源強調手法を実現するための音声処理部の構成を示すブロック図である。 は、マイクロホンと音源との位置関係を示す図である。
符号の説明
1 固体撮像素子(イメージセンサ)
2 レンズ部
3 AFE
4 マイク部
4A 指向性マイク
4B 無指向性マイク
5 画像処理部
6、6a、6b 音声処理部
7 圧縮処理部
8 ドライバ部
9 伸長処理部
10 ビデオ出力回路部
11 ビデオ出力端子
12 ディスプレイ部
13 音声出力回路部
14 音声出力端子
15 スピーカ部
16 タイミングジェネレータ(TG)
17 CPU
18 メモリ
19 操作部
20、21 バス回線
22 外部メモリ
23、24、29〜31、41、42、50、51 FFT部
25、36、43、52 パワー比較スペクトラム判定部
26、38、45 メモリ部
27、39、46、47、53 不要スペクトラム除去部
28、40、48、49、54 IFFT部
32、33 HPF
34、35 LPF
37、44 位相比較スペクトラム判定部
55〜57 利得調整器
58、59 加算器
P1、P4、P5 単一指向性パターン
P2 無指向性パターン
P3 音声処理により得られる新たな指向性パターン

Claims (9)

  1. 第1のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第1の時間周波数変換部と、
    前記第1のマイクロホンとは指向特性が異なる第2のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第2の時間周波数変換部と、
    前記第1の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーと前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーとを、所定の周波数帯域において周波数毎に比較するパワー比較部と、
    前記パワー比較部での比較結果を用いて特定方向からの音又は音源方向を判定する判定部とを備えることを特徴とする判定装置。
  2. 前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとの指向特性の相違量に基づく判定条件を格納する記憶部を備え、
    前記判定部が、前記パワー比較部での比較結果と前記記憶部に格納されている判定条件とから特定方向からの音を判定することを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
  3. 前記所定の周波数帯域が第1の周波数帯域であって、
    前記第2のマイクロホンと指向特性が同一である第3のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第3の時間周波数変換部と、
    前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号の位相と前記第3の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号の位相とを、前記第1の周波数帯域より低い帯域である第2の周波数帯域において周波数毎に比較する位相比較部と、
    前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとの指向特性の相違量に基づく第1の判定条件を格納する第1の記憶部と、
    前記第2のマイクロホンと前記第3のマイクロホンとの位置関係に基づく第2の判定条件を格納する第2の記憶部とを備え、
    前記判定部が、前記パワー比較部での比較結果と前記第1の記憶部に格納されている第1の判定条件とから前記第1の周波数帯域の特定方向からの音を判定し、前記位相比較部での比較結果と前記第2の記憶部に格納されている第2の判定条件とから前記第2の周波数帯域の特定方向からの音を判定することを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
  4. 前記第1の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号の位相と前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号の位相とを、前記所定の周波数帯域において周波数毎に比較する位相比較部と、
    前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとの指向特性の相違量に基づく第1の判定条件を格納する第1の記憶部と、
    前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとの位置関係に基づく第2の判定条件を格納する第2の記憶部とを備え、
    前記判定部が、前記パワー比較部での比較結果と前記第1の記憶部に格納されている第1の判定条件とから第1の方向からの音、第2の方向からの音のいずれかであるか否かを判定する一次判定部と、前記一次判定部によって、前記第1の方向からの音、前記第2の方向からの音のいずれかであると判定された場合、前記位相比較部での比較結果と前記第2の記憶部に格納されている第2の判定条件とから、前記第1の方向からの音であるか否かを判定する二次判定部とを有することを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
  5. 前記第1のマイクロホンの指向性パターンと前記第2のマイクロホンの指向特性パターンとが左右対称であって、
    前記パワー比較部によって、前記第1の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーと前記第2の時間周波数変換部から出力される周波数領域の信号のパワーとが等しいとの比較結果が得られたときに、前記判定部が、正面方向からの音であると判定することを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
  6. 請求項1〜5に記載の判定装置を少なくとも一つ備え、
    前記判定装置の判定結果に基づき、集音した音声信号に対して音声処理を施すことを特徴とする電子機器。
  7. 集音した音声信号の記録・再生機能を有し、
    集音した音声信号を記録する際、又は、記録した音声信号を再生する際のいずれかにおいて前記判定装置が判定処理を行う請求項6に記載の電子機器。
  8. 映像を撮影するカメラを備える撮像装置である請求項6又は請求項7に記載の電子機器。
  9. 第1のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第1の時間周波数変換ステップと、
    前記第1のマイクロホンとは指向特性が異なる第2のマイクロホンの出力信号を時間周波数変換する第2の時間周波数変換ステップと、
    前記第1の時間周波数変換ステップによって得られる周波数領域の信号のパワーと前記第2の時間周波数変換ステップによって得られる周波数領域の信号のパワーとを、所定の周波数帯域において周波数毎に比較するパワー比較ステップと、
    前記パワー比較ステップによって得られる比較結果を用いて特定方向からの音又は音源方向を判定する判定ステップとを有することを特徴とする判定方法。
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