JP5061900B2 - ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングシャフトを、チルト方向及びテレスコ方向の少なくとも一方に対して調整可能に支持するステアリングコラム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングコラム装置は、車両の重要安全保安部品であり、衝突時に乗員の安全を確保するために衝突時におけるその挙動を、どのように制御するかが非常に重要である。通常は、ステアリングコラム装置自体に衝撃エネルギー吸収機構を設けるともに、ステアリングホイール内に収納したエアーバッグの支持部材としても重要な役割を担っている。
【0003】
一方、運転者の運転姿勢を最適にするために、一般的なステアリングコラム装置は、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールの傾斜角度を調整でき、ステアリングホイールの軸線方向位置を調整できるようになっている。従って、ステアリングコラム装置には、コラム本体(即ちステアリングホイール)の位置や姿勢の調整が容易でなければならず、且つ衝突時には所定の位置や姿勢を確保しなければならないという相反する機能が必要になる。このような相反する機能を両立させるべく、従来のステアリングコラム装置では、種々の工夫がなされているが、ユーザーの操作性に対する要求の高まりなどにより、更なる向上が求められている。
【0004】
ここで、特許文献1においては、多板の摩擦プレートを重合させ、その間に発生する摩擦力を用いて、コラム本体を保持できるステアリングコラム装置が開示されている。
【特許文献1】
特開平10−35511号公報
【特許文献2】
独国特許第10212263号明細書
【特許文献3】
米国特許公開第2005/0016315A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、多板の摩擦プレートを重合させる機構では、構成が複雑となり、またチルト・テレスコピック調整時に多板の摩擦プレート同士がこすれ合う振動が操作者に伝わりやすく、操作フィーリングが悪いという問題もある。又、部品点数が増えるため、組立工数が増大するといった問題がある。
【0006】
一方、特許文献2においては、チルト・テレスコピック調整時には、噛合していたギヤ同士を離脱させ、調整後においては、ギヤ同士を噛合させることで、コラム本体の位置を確実に保持することができるステアリングコラム装置が開示されている。しかしながら、特許文献2に示すようにギヤを噛合させてコラム本体の位置を保持する機構の場合、調整後においてギヤを噛合させる際に、ギヤの山同士が当接し合うことで本来的に噛合不良が発生する恐れがある。特許文献2では、これを抑制しようと試みがなされているが、必ずしも十分とはいえない。
【0007】
更に、特許文献3においては、チルト・テレスコピック調整後に、ばね付勢され移動可能に保持された一方の歯を他方の歯にスムーズに係合させることができ、それによりコラム本体の位置を保持できるステアリングコラム装置が開示されている。しかしながら、かかる構成では、一方の歯をばね付勢するために複雑且つ大型化した構造を用いなければならないという問題がある。
【0008】
また、歯を噛合させるタイプのステアリングコラム装置において、衝突時にステアリングシャフトに力が付与されたとき、これに抗することができる保持力を高めるためには、噛合する歯数を増大させることが考えられる。しかしながら、噛合する歯数を増大させると、位置調整後におけるかみ合い不良が生じやすくなり、またその分だけ設置スペースが必要となるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、軽量且つコンパクトでありながら、保持力を高めることができ、又操作フィーリングに優れたステアリングコラム装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の第1の観点によれば、ステアリングシャフトを、チルト方向及びテレスコピック方向の少なくとも一方に対して位置調整可能に支持するステアリングコラム装置において、
車体側に固定された第1の歯と、
ステアリングシャフトを回転自在に支持するコラム本体と、
前記コラム本体と一体的に移動する第2の歯とを有し、
前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いに噛合して、前記コラム本体を前記車体に対して位置決めし、
前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いに離間して、前記コラム本体を前記車体に対して位置調整可能な状態とし、
前記第1の歯が第2の歯と噛み合う直前から互いの噛合が完了する間、前記第1の歯に対する前記第2の歯の接近方向が、それぞれの歯筋方向に対してなす角度を0度より大きく、90度未満に設定されるように、前記第1の歯と第2の歯は接近されて噛合し、
前記第1の歯及び前記第2の歯の一方は、対向する一対の第1傾斜面に設けられ、
前記第1の歯及び前記第2の歯の他方は、前記一対の第1傾斜面に各々対向する一対の第2傾斜面に形成される。
【0012】
本発明の第の観点によれば、第の観点によるステアリングコラム装置であって、
前記第1,2の歯が互いに離脱した状態で、前記一対の第1傾斜面間で定義される第1傾斜面の中心面と、前記一対の第2傾斜面間で定義される第2傾斜面の中心面とが互いにずれて配置され、
前記第1の歯を前記第2の歯に噛み合せる前に、前記第1傾斜面の中心面と、前記第2傾斜面の中心面とを近づけるように駆動する駆動手段を有する。
【0013】
本発明の第の観点によれば、第1又は2の観点によるステアリングコラム装置であって、前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの一方の歯に連結されたレバーを回転移動させることにより、前記レバーと共に円弧状の軌跡を有するように移動する前記一方の歯が、前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの他方の歯に係合させてもよい。
【0014】
本発明の第の観点によれば、第1又は2の観点によるステアリングコラム装置であって、前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの少なくとも一方の歯は、先端に向かうにつれて歯の断面積が小さく形成されていてもよい。
【0015】
本発明の第の観点によれば、第1の観点によるステアリングコラム装置はさらに、
車体側に固定されるブラケットと、
前記ブラケットに揺動可能に取り付けられて前記コラム本体と共にチルト移動するレバーを有し、
前記第1の歯は前記車体側に固定された前記ブラケットに設けられ、
前記第2の歯は前記コラム本体と共にチルト移動する前記レバーに設けられていてもよい。
【0016】
本発明の第の観点によれば、第1の観点によるステアリングコラム装置は
車体側に固定されるブラケットに揺動可能に支持されたレバーを有し、
前記レバーの回動に伴い、前記コラム本体を前記レバーに対するテレスコ移動が許容され、
前記第1の歯は、前記車体側に支持されたレバーに設けられ、
前記第2の歯は、前記テレスコ移動するコラム本体に設けられていてもよい。
【0017】
本発明の第の観点によれば、第の観点によるステアリングコラム装置であって、
前記一対の第1傾斜面は所定角度を有して向かい合い、くさび形を形成し、
前記一対の第2傾斜面も所定角度を有して向かい合い、くさび形を形成していてもよい。
【0018】
本発明の第の観点によれば、第1の観点によるステアリングコラム装置であって
前記第1の歯と前記第2の歯とは、前記ステアリングシャフトに力が与えられた場合に、噛み合い率が高くなる方向に歯筋が傾斜していてもよい。
【0019】
本発明の第の観点によれば、第の観点によるステアリングコラム装置であって、
前記第1の歯と前記第2の歯の間の摩擦角をμ、
前記第1の歯と前記第2の歯の半頂角をα、
前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面が、噛合面に対して成す角度をβ、
前記第1の歯と前記第2の歯筋の方向が前記力の方向となす角度をγと定義したとき、
以下の条件式を満たすように歯面が配置される。
μ>tan−1(tanα・sinβ)−(90°−γ) (条件式)

ここで、噛み合い面とは、第1の歯と第2の歯が噛み合ってから、その噛み合い率が増加するように一方の歯を移動させる際に、その一方の歯の長軸が形成する軌跡に沿う面である。
【0020】
本発明の第10の観点によれば、ステアリングシャフトを、チルト方向及びテレスコピック方向の少なくとも一方に対して位置調整可能に支持するステアリングコラム装置において、
車体側に固定された第1の歯と、
ステアリングシャフトを回転自在に支持するコラム本体と、
前記コラム本体と一体的に移動する第2の歯とを有し、
前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いに噛合して、前記コラム本体を前記車体に対して位置決めし、
前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いに離間して、前記コラム本体を前記車体に対して位置調整可能な状態とし、
前記第1の歯と前記第2の歯とは、前記ステアリングシャフトに力が与えられた場合に、噛み合い率が高くなる方向に歯筋が傾斜しており、
前記第1の歯及び前記第2の歯の一方は、対向する一対の第1傾斜面に設けられ、
前記第1の歯及び前記第2の歯の他方は、前記一対の第1傾斜面に各々対向する一対の第2傾斜面に形成されている
【0022】
本発明の第11の観点によれば、第10の観点によるステアリングコラム装置であって、
前記一対の第1傾斜面は所定角度を有して向かい合い、くさび形を形成し、
前記一対の第2傾斜面も所定角度を有して向かい合い、くさび形を形成してもよい。
【0023】
本発明の第12の観点によれば、第10の観点によるステアリングコラム装置であって、
前記第1の歯と前記第2の歯の間の摩擦角をμ、
前記第1の歯と前記第2の歯の半頂角をα、
前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面が、噛合面に対して成す角度をβ、
前記第1の歯と前記第2の歯筋の方向が前記力の方向となす角度をγと定義したとき、
以下の条件式を満たすように歯面が配置されていてもよい。
μ>tan−1(tanα・sinβ)−(90°−γ) (条件式)
【発明の効果】
【0024】
複数の直線状の歯を有するギア形状の部品を噛み合わせる場合、通常次の二つの例が考えられる。一つ目の例として、歯同士を歯筋に対して法線方向に互いに向かい合わせ、それから平行移動させることにより噛合する。二つ目の例として、向かい合う歯同士が、歯筋の接線方向に平行に移動して噛み合う。どちらの例の場合にも、噛み合うギアの歯先同士、または歯筋の先端同士が当たり、噛合不良が発生する可能性が高い。ここで、「歯筋の法線方向」とは、同じギア部品において複数の歯筋を含む仮想面に対し、当該歯筋上から延在する法線をいうものとする。
【0025】
これに対し、本発明のステアリングコラム装置によれば、前記第1の歯と前記第2の歯とは、それぞれの歯筋に対して法線方向及び接線方向(接線に平行な方向を含む)以外の方向に沿って接近させて噛合させるようになっているので、前記第1の歯と前記第2の歯の噛合不良を抑制できる。従って、多板の摩擦プレートを用いたときのように操作フィーリングが悪くなることが回避され、更に前記第1の歯と前記第2の歯が噛合した後は、大きな保持力を発揮できる。特に、前記第1の歯と前記第2の歯の最初の噛合が生じたときから、両者を歯筋方向に摺動させつつ噛み合い率を高めるようにすると、スムーズな噛合を行えるので好ましい。なお、本明細書中、「テレスコ方向」とはステアリングシャフトの軸線方向をいい、「チルト方向」とは、それに交差する方向(特に上下方向)をいうものとする。
【0026】
更に、前記第1の歯及び前記第2の歯は、対向するテーパ面の両面に形成されていると、両面における歯同士の噛合により、より強固な保持力を発揮できる。
【0027】
更に、離脱した状態で、前記第1の歯のテーパ面の中心面と、前記第2の歯のテーパ面の中心面とがズレており、噛合時に、前記第1の歯のテーパ面の中心面と、前記第2の歯のテーパ面の中心面とを近づけるように駆動する駆動手段を有すると、より円滑な噛合を実現できる。
【0028】
前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの一方の歯に連結されたレバーを回転移動させることにより、前記レバーと共に円弧状に移動する前記一方の歯が、前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの他方の歯に係合するようになっていると、簡素な構成で確実な動作を実現できる。
【0029】
前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの少なくとも一方の歯は、先端に向かうにつれて歯の断面積が小さくなっていると、前記第2の歯と噛合しやすいので好ましい。
【0030】
本発明のステアリングコラム装置によれば、前記第1の歯と前記第2の歯とは、衝突時に前記ステアリングシャフトに力が与えられた場合に、かみ合い率が高くなる方向に歯筋が傾斜しているので、前記ステアリングシャフトに与えられる衝撃力が大きければ大きいほど、よりかみ合い率が高まり、保持力を向上させることができる。又、歯数を少なく抑えても保持力を確保することができるので、軽量且つコンパクトでありながら、良好な操作フィーリングを確保できるという利点もある。
【0031】
更に、前記第1の歯と前記第2の歯の一方は、向かい合ったテーパ面に形成され、他方は、背中合わせのテーパ面に形成されていると、衝突時にかみ合い率を高めることができる。
【0032】
更に、θが摩擦角を越えないように三次元的にある一定の関係式により歯面角度α、β、γ、θを設定することで、歯筋方向の噛み合い長さの減少と、噛み合い率の低下を防止でき、ひいては過大な荷重が作用した際にも噛み合う歯が外れないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施の形態に係るステアリングコラム装置の斜視図である。
【図2】変形例に係るステアリングコラム装置の斜視図である。
【図3】噛合状態にあるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の斜視図である。
【図4】離脱状態にあるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の断面図である。
【図5】(a)〜(e)は離脱状態から噛合状態に至るテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の断面図である。
【図6】チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9との関係を示す斜視図である。
【図7】本実施の形態にかかるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の変形例を示す斜視図である。
【図8】本実施の形態にかかるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の変形例を示す断面図である。
【図9】本実施の形態にかかるチルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9の変形例を示す、図6と同様な断面図である。
【図10】テレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8の製造方法を示すフローチャートである。
【図11】(a)〜(g)はテレスコ用ギア部材8の加工状態を、製造工程順に示す図である。
【図12】(a)〜(e)はテレスコ用ギアベース6の加工状態を、製造工程順に示す図である。
【図13】テレスコ用ギア部材8の加工を行うダイスを示す図であり、(a) はその上面図、(b)はその側面図である。
【図14】変形例に係るステアリングコラム装置の斜視図である。
【図15】変形例に係るステアリングコラム装置の斜視図である。
【図16】変形例に係るステアリングコラム装置のコラム本体の斜視図である。
【図17】(a)〜(c)は別な実施の形態にかかるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の断面図である。
【図18】テレスコ用ギアベース6の歯6aの一つの斜視図である。
【図19A】第2実施例にかかる、通常時におけるテレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8を示す図である。
【図19B】図19AのXIX B矢視図である。
【図19C】図19AのXIX C矢視図である。
【図20A】第2実施例にかかる、衝突時におけるテレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8を示す図である。
【図20B】図20AのXX B矢視図である。
【図20C】図20AのXX C矢視図である。
【図21】第3実施例を説明するための従来のステアリングコラム装置を示す図である。
【図22】第3実施例を説明するための従来のギア機構を示す図である。
【図23A】第3実施例において、歯面の傾斜角をβ、歯筋の傾斜角を0度に設定した場合のギア部材の側面図である。
【図23B】図23Aの左方向から図23Aを見たギア部材の正面図である。
【図23C】図23Aの要部拡大図である。
【図23D】図23Bの要部拡大図である。
【図23E】図23CのXXIII E矢視図である。
【図24】図23Cにおいて、歯筋の傾斜角がγ度傾斜した場合のギア部材を示すである。
【図25】第4実施例を説明するための、一組の歯面によりギアの噛合が構成されている場合を示す比較図である。
【図26】第4実施例のギア部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態に係るチルト ・テレスコピック式のステアリングコラム装置を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施例)
【0035】
図1、2は、本発明の第1実施例に係るステアリングコラム装置の斜視図であり、図1はロック状態を示し、図2は解除状態を示す。
【0036】
円筒状のコラム本体1は、ブラケット2、3を介して不図示の車体に取り付けられるようになっている。コラム本体1内には、不図示のステアリングホイールと操舵機構とを連結するステアリングシャフトSが挿通され、不図示のベアリングにより回転自在に支持されている。
【0037】
コラム本体1の側部には、板状のテレスコ用ギアベース6が固定されており、一方、ブラケット2に板状のチルト用ギアベース7が固定されている。テレスコ用ギアベース6は、コラム本体1におけるテレスコ方向の調整幅に対応した長さを有している。又、チルト用ギアベース7は、コラム本体1におけるチルト方向の調整幅に対応した高さを有している。コラム本体1には、テレスコピックスライド用の長穴が成形されている。
【0038】
ブラケット2に設けられたチルト方向の長孔(不図示)と、コラム本体1に設けられたテレスコ方向の長孔(不図示)を貫通した回動可能なシャフト5aに、操作レバー5が取り付けられている。操作レバー5には、テレスコ用ギアベース6に対応して、テレスコ用ギア部材8が固定的に取り付けられ、チルト用ギアベース7に対応して、チルト用ギア部材9が一体的に形成されている。
【0039】
操作レバー5の根元には、カム式ロータリークランプ機構10が設けられている。カム式ロータリークランプ機構10は、操作レバー5を操作することにより、カム効果によりクランプを発生させて、チルト・テレスコピックを位置決めする作用を有する。又、カム式ロータリークランプ機構10に、操作レバー5のストッパー機能を持たせて、ギアベースとギア部材とのギアの噛み合い率を制御することも可能であるので、操作感に節度を持たせることができる。
【0040】
図1に示す位置に操作レバー5を回動させると、テレスコ用ギアベース6に対し、円弧状に移動しながらテレスコ用ギア部材8が噛合し、且つチルト用ギアベース7にチルト用ギア部材9が噛合する。これに対し、図2に示す位置に操作レバー5を回動させると、テレスコ用ギアベース6から、円弧状に移動しながらテレスコ用ギア部材8が離脱し、且つチルト用ギアベース7からチルト用ギア部材9が離脱するようになっている。
【0041】
図3は、噛合状態にあるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の斜視図であり、テレスコ用ギア部材8は車体に対して位置決めされた状態にある。図4は、離脱状態にあるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の断面図である。テレスコ用ギアベース6は、下方に向かうにつれて狭幅となるテーパ面の両外面に複数の歯(第1の歯)6aを有し、テレスコ用ギア部材8は、上方に向かうにつれて広幅となるテーパ面の両内面に、同じピッチで複数の歯(第2の歯)8aを有している。
【0042】
本実施の形態では、テレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8におけるテーパ面のテーパ角κを9°となるように設けてあるが、テーパ角は0度以上の鋭角であれば良い。又、テレスコ用ギアベース6の歯6aの端部(図で下端)を、曲率半径R2で輪郭付けし、それに対向するテレスコ用ギア部材8の歯8aの端部(図で上端)を、曲率半径R3で輪郭付けし、それによりテーパ面同士が嵌合しやすいにようにしている。本実施の形態では、歯6a、8aの端部を円弧で輪郭付けしたが、その曲率半径は任意であり、又必ずしも必要であるわけではない。また円弧でなく直線で輪郭付けしても良い。その場合、歯筋と直線とは任意の曲率半径の円弧で接続させることが望ましい。
【0043】
また、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の歯筋は、操作レバー5のクランプ回転軸を中心とした半径R(図1)の円弧形状に形成すると好ましい。テレスコ用ギア部材8は、操作レバー5に固定されるので、その歯8aの移動軸跡は円弧となる。そのためテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の歯筋を、同じ半径Rの円弧状に形成することで、歯6a、8a同士が噛合する際に、操作フィーリングが向上する。
【0044】
図5は、離脱状態から噛合状態に至るテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の断面図である。図5を参照して、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の噛合動作について説明する。まず、離脱状態においては、向かい合うテレスコ用ギアベース6の歯6aとテレスコ用ギア部材8の歯8aとは、歯筋の方向がはす向かいの状態になっている(図5(a))。
【0045】
ここから、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8とを相対的に接近させると、中心ズレがある場合には、一方の面の歯6aが歯8aの歯先同士(図5(b)のC点)が当接することになるが、それぞれの歯筋に対して法線方向及び接線方向以外の方向に沿って接近させて噛合させているので、C点で当接した後においても、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8とは矢印方向(図5(b))に相対移動を続けることができ、スライドしつつ互いに噛み合っていくため、このスライドの最中に歯6a、8aが容易に噛合することができる(図5(c)のD点)。すなわち、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8とが互いに噛み合う直前から互いの噛合が完了する間(図5(a)から図5(e))、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の接近方向が、それぞれの歯筋方向に対してなす角度を0度より大きく、90度未満に設定されている。このように両部材を相対的に接近させて噛合を達成する。
【0046】
一方の面の歯6a、8aが噛合すれば、それがガイドとなって、他方の面の歯6a、8aも容易に噛合することができる(図5(d)、(e))。このように、本実施の形態による歯6a、8aの噛合では、従来のギアの噛合と比較して、歯先同士が当接しあって移動が阻止される可能性が低く、操作レバー5の操作フィーリングが向上するといった効果がある。
【0047】
上記の第1実施例の場合、操作レバー5の回動により、それに取り付けられて一体となったテレスコ用ギア部材8を、テレスコ用ギアベース6と噛合させるようにしているので、操作レバー5に付与された力を直接テレスコ用ギア部材8に伝達することで、確実な噛合を行わせることができる。又、操作レバー5の回動量が、そのままテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の噛合量となるので、簡素な構成でありながら確実にコラム本体1の固定を実現できる。
【0048】
以上、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の噛合動作について述べたが、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9との噛合動作も基本的に同様である。
【0049】
図6は、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9との関係を示す斜視図であるが、説明を容易とすべく、チルト用ギアベース7は、半分に切断した状態で示している。チルト用ギアベース7は、図で左方に向かうにつれて狭幅となるテーパ面の両内面に複数の歯(第1の歯)7aを有し、チルト用ギア部材9は、図で右方に向かうにつれて広幅となるテーパ面の両外面に、同じピッチで複数の歯(第2の歯)9aを有している。更に実施の形態では、チルト用ギア部材9は、歯9aの歯筋の先端形状を、チルト用ギアベース7の歯7aの先端形状の並びに対して、ν=5度の傾斜角度を持った形状に揃えている。
【0050】
噛合時において、チルト用ギア部材9の歯9aは、チルト用ギアベース7の歯7aに噛合し始める際に、図6のA点から噛み合い始める。即ち、歯7a、9aの噛合が、ひとつの歯から始まり、更にそれに隣接する歯が順次噛合するようにすることにより、噛み合い不良の発生率を小さくすることが可能である。
【0051】
上記第1の実施例においては、傾斜角度ν=5度としたが、ギアの噛み合い開始がひとつの歯から噛み合えばよいので、その角度や形状には限定されることがない。このような構成は、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8についても同様に適用できる。更に、本実施の形態では、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8、及びチルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9を、コラム本体1の片側にのみ設けているが、コラム本体1の両側に同じ構成を持たせることで、ロック耐力を倍増すること、対称性を増し動作のさらなる安定化を図ることもできる。
【0052】
図7は、上記第1実施例にかかるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の変形例を示す斜視図である。図7の変形例においては、テレスコ用ギアベース6の歯6aと、テレスコ用ギア部材8の歯8aの歯筋を、円弧状でなく直線状にすることで、成形容易性を高めている。このような構成は、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9についても同様に適用できる。
【0053】
図8は、上記第1実施例にかかるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の変形例を示す断面図である。図8の変形例においては、テレスコ用ギアベース6の歯6aと、テレスコ用ギア部材8の歯8aの端部(点E,F)を、円弧や直線で輪郭付けしないことでシンプルな形状とし、それにより成形容易性を高めている。このような構成は、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9についても同様に適用できる。
【0054】
図9は、上記第1実施例にかかるチルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9の変形例を示す、図6と同様な断面図である。図9の変形例においては、チルト用ギア部材9は、歯9aの歯筋の先端形状を、チルト用ギアベース7の歯7aの先端形状の並びに平行に揃えて(即ち傾斜ν=0度)いる。このような構成は、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8についても同様に適用できる。
【0055】
図10は、プレス成形による方法を用いて行うテレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8の製造方法を示すフローチャートである。図11は、転造成型による方法を用いて行うテレスコ用ギア部材8の加工状態を、製造工程順に示す図である。図12は、テレスコ用ギアベース6の加工状態を、製造工程順に示す図である。図13は、テレスコ用ギア部材8の加工を行うダイスを示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその側面図である。
【0056】
図13(a)において、第1のダイスD1は円筒形状を有し、その中央に周方向に連続する突起D1aを形成し、その両側に周方向に並んだ歯D1bを形成している。一方、第2のダイスD2は円筒形状を有し、その中央に周方向に連続する突起D2aを形成しているが、その両側は円筒面となっている。図13(b)に示すように、逆方向に回転するダイスD1,D2の間に、板材Bを挿入することで、かかる板材Bに所定の加工がなされるようになっている。
【0057】
本実施の形態にかかるテレスコ用ギア部材8の製造方法について説明すると、まず図10のステップS101において、長板材を切断してブランク長さを決め、素材Bを形成する(上面図である図11(a)参照))。続くステップS102において、板材Bを、図13に示すダイスD1,D2の間をセンターをずらせて挿入することで、歯8a及び溝8c、8dを転造成形する(上面図である図11(b)及び側面図である図11(c)参照))。
【0058】
更に、ステップS103において、板材Bの歯8aが形成されていない端部側を折り曲げ(上面図である図11(d)及び側面図である図11(e)参照))、その後、溝8c、8dを中心に略U字形状に折り曲げることで、テレスコ用ギア部材8を得ている(上面図である図11(f)及び側面図である図11(g)参照))。
【0059】
一方、テレスコ用ギアベース6の加工には、第1のダイスD1を2つ用いる。本実施の形態にかかるテレスコ用ギアベース6の製造方法について説明すると、まず図10のステップS101において、長板材を切断してブランク長さを決め、素材Bを形成する(上面図である図12(a)参照))。続くステップS102において、板材Bを、図13に示すダイスD1,D2の間をセンターを合わせて挿入することで、歯6a及び溝6c、6cを転造成形する(上面図である図12(b)及び側面図である図12(c)参照))。
【0060】
更に、ステップS103において、板材Bの対向する溝6c、6cを切断することで、テレスコ用ギアベース6を得ている(上面図である図12(d)及び側面図である図12(e)参照))。かかる場合、テレスコ用ギアベース6は、一度の加工で2つ形成されることとなる。なお、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9についても同様に適用できる。
【0061】
なお、以上の例では、ギアベース又はギア部材を板金プレスにより成形するものとしたが、圧粉体成形によるもの、射出成形によるもの、ダイカスト、チクソモールディング等鋳造による方法、塑性加工によるもの、または切削による成形等、成形方法は何れを適用しても良い。更に、操作レバー5で、同時にギア部材8,9を移動させているが、別個の操作レバーによって個々に移動させても良い。更に、楔型のギア部材の成形方法としては、コラムボディ本体、或いはチルトブラケット(車体に固定側)をダイカストにより製造する際に、ギアを一体成形する方法がある。
【0062】
図14は、変形例に係るステアリングコラム装置の斜視図である。本変形例においては、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8とは、それぞれ片面にのみ歯6a、8aを形成して噛合させ、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9とは、それぞれ片面にのみ歯7a、9aを形成して噛合させている。テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9のいずれか一方の組み合わせだけ、片面にのみ歯を形成することもできる。
【0063】
テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8、チルト用ギアベース7は、コラム本体1と操作レバー5と別体にしているが、それぞれ一体的に形成しても良い。以上の実施の形態に共通して、歯形については、モジュール0.5としたが、モジュールは大きくても小さくても問題ない。また、モジュールを非常に小さくしていった際に、歯面性状は、平面板の面性状に近づくが、平面性状であったとしても摩擦による位置保持効果が得られるため、本発明によるステアリングコラム装置の保持機能は作用する。
【0064】
図15は、変形例に係るステアリングコラム装置の斜視図である。本変形例では、テレスコ用ギアベース6は、コラム本体1と一体化されており、すなわちコラム本体1の両側面に歯6aが形成されている。一方、テレスコギヤ部材8は、一端を操作レバー5にボルト止めしてなる半円筒内周面を備えた板状を有し、歯6aに対応する内周面の位置に歯8aを形成している。操作レバー5を図15に示す位置から、反時計回りに回動させると、テレスコギヤ部材8がコラム本体1の下半部を包み込むようになり、それにより歯6a、8a同士が噛合することとなる。
【0065】
図16は、変形例に係るステアリングコラム装置のコラム本体を示す斜視図である。本変形例においては、コラム本体1を板金プレスにより形成している。コラム本体1は、成形容易性及び軽量化を確保するために平板から打ち抜き、丸め込むように折り曲げて成形している。本変形例では、テレスコ用ギアベース6は、コラム本体1の一方の側縁1bと一体化されており、即ち、板金プレス前に、平板の側縁1bの両側に歯6aが形成されているため、製造が容易である。
【0066】
操作レバー5は、軸線方向にのびる長孔1aに沿って移動可能なシャフト5aの周囲に駆動可能であり、その一部に形成された歯(不図示)が、歯6aと噛合するようになっている。テレスコ用ギアベース6は、コラム本体1の他方の側縁1cに設けても良いし、両方に設けることで、保持力を高く確保することができる。なお、テレスコ用ギアベース6を形成する側縁1b又は1cに関わらず、コラム本体1の両端は、内側に丸め込むようことで、ステアリングシャフト4を回転自在に支持する軸受(不図示)の保持部1d、1dを形成することができるので、低コストなステアリングコラム装置を提供できる。
【0067】
図17は、別な実施の形態にかかるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の断面図である。本実施の形態においては、テレスコ用ギアベース6が連結された操作レバー5は、シャフト5aに固定され、一体的に回転するようになっている。シャフト5aには回転カム5bが取り付けられ、一方、不図示のコラム本体に固定カム5cが取り付けられ、シャフト5aの回転に応じて、固定カム5cに対して回転カム5bが回転するようになっている。なおシャフト5aは、図17において、予圧により右方向に付勢されているものとする。回転カム5bと固定カム5cとで駆動手段を構成する。
【0068】
テレスコ用ギアベース6の両側のテーパ面の中心面(紙面に垂直に延在)をPL6とし、テレスコ用ギア部材8の両側のテーパ面の中心面(紙面に垂直に延在)をPL8とすると、図17(a)に示す離脱状態において、中心面PL6,PL8は、シャフト5aの軸線方向にずれている。
【0069】
ここで、図17(b)に示すように、操作レバー5を回動させると、シャフト5aと共に回動する回転カム5bのカム部が、固定カム5cのカム部に乗り上がり始め、シャフト5aは図で左方へと移動する。更に操作レバー5を回動させると、回転カム5bのカム部が、固定カム5cのカム部に完全に乗り上がるので、シャフト5aは図17(c)に示す位置へと移動する。かかる状態では、中心面PL6、PL8が互いに重なる位置となる。また更に操作レバー5を回動させることで、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8同士が噛合することとなる(図5参照)。
【0070】
本実施の形態によれば、両部材6,8が離脱した状態で、テレスコ用ギアベース6の両側テーパ面の中心面PL6と、テレスコ用ギア部材8の両側テーパ面の中心面PL8とがズレており、操作レバー5を回動させることによって、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8との噛み合い開始から噛み合い完了にわたって、カム駆動によって中心面PL6,PL8とを近づけるように駆動する。この構成により円滑なテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の噛合を実現できる。以上、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8について述べたが、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9にも同様に適用できる。
【0071】
図18は、テレスコ用ギアベース6の歯6aの一つの斜視図である。長手方向に直交する断面が三角形状(二等辺三角形であれば好ましいが、それに限られない)の歯6aは、先細形状となっており、より具体的には、歯の断面積が歯筋の先端部分において小さくなっており(即ち歯の高さHと歯の幅Wの少なくとも一方が小さく)、歯の断面積が小さくなっていない部分から歯の断面積が小さくなる部分、そして、先端の細く尖った尖り部までが滑らかに形成されている。歯6aが、このような先細形状を有するので、テレスコ用ギア部材8の歯8aにスムーズに噛合することができる。テレスコ用ギア部材8の歯8aを同様に先細形状としても良い。又、このような構成は、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9についても同様に適用できる。
(第2実施例)
【0072】
次に、本発明の第2の実施例について図19、20を用いて説明する。第2の実施例にかかるチルト・テレスコピック式のステアリングコラム装置は、衝突時に負荷される力により噛み合い率ηが増加するように、歯筋が傾斜していることを特徴とする。上述の実施例1と同様の第2の実施例の部材には同一の符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
図19は、通常時におけるテレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8を示す図であり、図20は、衝突時におけるテレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8を示す図である。
それぞれ図19A、図20Aは、ギアベース6とギア部材8を車体方向側方から見た図であり、図19B、図20Bは、夫々図19A、図20AのXIX B,XX B矢視図、図19C、図20Cは、夫々図19A、図20AのXIX C、XX C矢視図である。
【0074】
本実施の形態においては、ステアリングシャフト1(図1)の軸線に対して、歯6a、8aの歯筋の角度γ=85度としており、軸線に垂直な方向よりステアリングホイール(不図示)側に傾いている。ここで、通常時における歯6a、8aの噛み合い率η′とする(図19(c)参照)。このときの保持力をF2とする。
【0075】
例えば車両の二次衝突が生じ、運転者がステアリングホイールに衝突した場合を考える。この場合、テレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8は、ステアリングシャフト1の軸線方向に相対移動するような力Fcを受ける(図20(a)参照)。しかるに、本実施の形態によれば、歯6a、8aの歯筋の角度γ=85度で傾いているので、力Fcは、歯6a、8aの歯筋に沿った方向の成分Fxと、それに直交する方向の成分Fyとに分解される。
【0076】
力の成分Fxは、テレスコ用ギアベース6を、テレスコ用ギア部材8に向かって押圧する力であるので、図20A、20Bに示すように、テレスコ用ギアベース6は、テレスコ用ギア部材8内に押し込まれる。更に、歯6a、8aは、テレスコ用ギアベース6及びテレスコ用ギア部材8におけるテーパ面に形成されていることから、歯6a、8a同士が互いに向かって押圧される。このとき、その噛み合い率η”は、通常時の噛み合い率η′より大きくなる。ゆえに、衝突時の保持力F3は、通常時の保持力F2より高まる。力の成分Fxは、力Fcの大きさに比例して増大するので、衝撃力の強さに応じて保持力を高めることができる。即ち、本実施の形態によれば、歯数を少なく抑えても保持力を確保することができるので、軽量且つコンパクトでありながら、良好な操作フィーリングを確保できる。なお、γは90度以下になるように設定されていればよい。すなわち、歯筋は衝突力方向に対して角度が設けられていればよい。チルト用ギアベース7及びチルト用ギア部材9においても、同様に歯筋に角度を持たせることができる。
【0077】
また、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の歯筋は、直線であるが、操作レバー5の中心をした曲率半径R(図1)の円弧状に形成すると好ましい。テレスコ用ギア部材8は、操作レバー5に固定されるので、その歯8aの移動軸跡は円弧状となる。なお、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の円弧状に形成されている歯筋の微小要素を取り出したときに、歯筋の傾きが0〜90度の範囲に入っていれば、衝突時の入力によりギアの噛み合い率が増加する。また、歯筋は円弧状であるので、歯6a、8a同士が噛合する際に、操作フィーリングが向上する。
(第3実施例)
【0078】
上述の第2実施例と同様に、車両の衝突時にコラムに過大な力が作用すると、ギアが緩む虞がある。ギアの緩みが発生すると、ギアの噛合率が低下してギアが破損したり、ギアの噛合自体が逸脱する可能性がある。上記のギアの緩みを押えるためには、ステアリングコラム装置に剛性の高い部材を用いたり、ギアの緩みを押える特別な機構を用いるということも考えられるが、コストが増加したり、構造が複雑になるといった観点から望ましくない。
【0079】
そこで上記問題を解決すべく、以下に詳述するようにギアの形状と寸法を定めると、ギアの歯面に作用する摩擦力によりギアが緩むという問題が解消される。また、本発明の第3実施例によれば簡単で安価なステアリングコラム装置を提供することができる。
【0080】
本発明の後述する第3実施例と比較するために、従来のステアリングコラム装置のギア構造として特開平9−221043号公報に示されるギア構造を図21,22に示す。
図21に示す従来のギア構造によれば、車両の衝突時にコラム101、レバーシャフト103、レバー104、レバー10に取り付けられたギア105には、矢印方向に移動させる衝突力が負荷される。この衝突力に対し、ブラケット102に取り付けられたギア106とギア105の噛合により、それら部材101,103,104,105の移動が抑止される。しかしながら、図22に示すように過大な衝突力Fが作用した場合には、ギア面に発生する摩擦力Fbよりも、摩擦面により衝突力が分解されて生じる分力Faが大きくなる。この結果、レバー104はギア105と共に、ギア106から離間するのでレバーのクランプ状態が開放される。つまり、ギアの噛合自体が逸脱し、クランプ状態が維持できなくなる。
【0081】
上記のクランプ機構の開放を防止するためには、摩擦力Fbを衝突力の分力Faよりも大きくなるように設定すればよい。例えば図22を参照して、ギアの頂角αを、歯面同士の摩擦角μよりも小さく設定することが考えられる。ここで、分力Faは頂角αを用いてFa=Fsinαと表され、一方、摩擦力Fbは頂角α、摩擦角μを用いて、Fb=Fcosα・tanμと表される。
摩擦力Fbを分力Faよりも大きく設定すると(Fb>Fa)、以下の式が得られる。
cosα・tanμ>Fsinα
tanμ>tanα
従って、μ>αという関係式が導出される。
【0082】
しかし、一般的にギアの半頂角は25度や30度に設定されているが、この角度よりも歯の頂角を小さく設定すると、歯元厚さが小さくなり歯の強度が十分に確保できず、また、歯の加工性が飛躍的に困難になる。よって上記のギアの頂角を摩擦角より小さく設定することは現実的な解決方法ではない。
【0083】
そこで、上記のクランプ機構の開放を防止するために以下に詳述するように、本発明の第3実施例として、歯面全体を歯の噛み合い方向からβ度傾斜させ、さらに歯筋方向を衝突力の作用する方向に対してγ度傾斜させることを考案した。
【0084】
以下に、本発明の第3の実施例について図23A〜図24を用いて詳細に説明する。本発明の第3実施例は、歯面全体をβ傾斜させ、歯筋方向と衝突力方向の成す角をγとした構成である。その他の上述の第1,2実施例と同様の第3実施例の部材には同一の符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
【0085】
図23A〜23Eに示すように、以下の説明においては、各歯の半頂角をα、歯の噛合方向に対する歯面の傾斜角をβ、歯筋方向が衝突力方向となす角度をγと定義する。
【0086】
まず、歯筋の傾斜角γが90°である実施例を示す図23A〜23Eを用いて第3実施例を説明する。図23Aはギア部材・ギアベースを車体の軸方向から見た図である。図23Bは図23Aの側面から見た図である。図23Cは図23Aの要部拡大図、図23Dは図23Bの要部拡大図である。また、図23Eは図23CのXXIII E矢視図である。
【0087】
図23Aに示したように、実施例3によるギアベースとギア部材の歯面全体は、噛み合い面に対して角度βで傾斜している。ここで、噛み合い面とは、ギアベースとギア部材が噛み合ってから、その噛み合い率が増加するようにギア部材を移動させる際に、ギア部材の長軸が形成する軌跡に沿う面である。
【0088】
面Pを図23A、図23Bに示すように、噛み合い面に平行で、かつ、歯筋の一部を横切る面で定義する。歯筋の噛合は以下に詳述するように、この面Pに現れる線分上に発生する摩擦力より維持される。
この面Pが歯を横切る際に形成される三角形において、歯の頂点に相当する点をa1、歯筋の底に相当する2点を夫々b1,b2とする。また、線分b1−b2を通過して面Pに直交する面が歯筋の頂点と交わる点をa2とする。さらに、点a2を通過する面Pの法線上における面Pとの交点をbとする。
【0089】
ここで、半頂角αは図23Eに示すように角度b1・c・b2の1/2の角度であり、歯面の傾斜角βは図23Cに見られるように角度b・a1・a2で表される。
また、角度θを線分a1−b1と衝突方向の成す角で定義する。つまり、角度θは、摩擦力が作用する方向と衝突力方向がなす角度ということができる。この角度θは後述するようにギアの抜け難さを定義するパラメータである。
【0090】
点bを通過する線分a1−a2の法線が線分a1−a2と交わる点を点cと定義する。更に、以下の説明のために点a1とbで定義される辺を辺A、点b1と点bで定義される辺を辺B、点bと点cで定義される辺を辺Cと表現する。
図23Dに見られるように、角度αはtanα=B/C、角度βはsinβ=C/Aで表される。したがって、B=C・tanα、A=C/sinβとなる。また、角度θはtanθ=A/B、であるから、θをα,βを用いて表すと、以下の式が得られる。
tanθ=(C/sinβ)/(C・tanα)=1/tanα・sinβ
よって、1/tanθ=tanα・sinβとなり、これを変形して、tan(90°−θ)=tanα・sinβより、θについて、以下の関係式が得られる。
90°−θ=tan−1(tanα・sinβ)
【0091】
ここで、歯が噛み合う方向の両歯面間の摩擦角をμとすると、歯の傾斜角度を表す90°−θが歯面の摩擦角よりも小さければ、衝突力が作用しても、歯面間の摩擦力により歯の噛み合いが緩むことがなく、また噛み合い率が落ちることを防止でき、歯とレバーとが噛み合い状態から離脱することを防止できる。すなわち、上記の条件は以下の式で表される。
μ>90°−θ
θを上記の関係式よりα、βで表現すると以下の式が得られる。
μ>90°−θ=tan−1(tanα・sinβ)
【0092】
次に、歯筋が衝突力の方向となす角度がγである場合を図24を用いて説明する。図24は図23Dに対応する図である。図24における歯筋は、図23Dにおける歯筋から衝突時に歯が噛み合う方向に(90°−γ)度傾斜したので、摩擦力の作用する方向である線分a1−b1が衝突方向と成す角はθ+(90°−γ)度となる。この時、上記と同様にして
90°−{θ+(90°−γ)}=tan−1(tanα・sinβ)−(90°−γ)と
μ>90°−{θ+(90°−γ)より、以下の条件式が導出される。
μ>tan−1(tanα・sinβ)−(90°−γ)(条件式)
上記の条件式を満たすようにα、β、γ、μを設定すれば、歯の噛合が緩むことなく、また、歯とレバーが噛合状態から離脱することを防止できる。
なお、衝突力が図24,25において上から下に作用として説明してきたが、衝突力が下から上に作用する場合(すなわち、ギアがはずれる方向に衝突力が作用した場合)においても上述の条件式が適用できる。
【0093】
*第3実施例の適用例
上述の本発明の第3実施例の具体例を以下に説明する。表1は第3実施例において、α、β、γを歯の噛合が維持される例と、維持されない例を示す。
【表1】
Figure 0005061900
上記の条件式を満たすように表1の歯の噛合が維持される例の如く数値を設定すれば、衝突力が作用しても、歯の噛合を維持し、レバーがクランプ状態に維持される。tan−1(tanα・sinβ)−(90°−γ)が負の値になるときには、衝突の際には歯が噛み込む方向に傾斜されている。さらに、tan−1(tanα・sinβ)−(90°−γ)が負の値で、その絶対値が摩擦角より大きい場合には、衝突の際に歯が噛み合い方向に滑ることを表す。さらに、γの傾斜角が衝突力により歯がはずれる方向に傾斜している場合でも、条件式を満足する場合には、歯面同士の摩擦により歯の噛み合いが保持され、歯の噛み合い率の低下を防止できる。
【0094】
第3実施例によれば、第2実施例で説明されたように歯筋方向をγ度傾斜させて車両衝突時の噛合率ηを増加させて外れにくく構成し、更に歯面全体の傾斜角度β度を規定することにより、更に抜け難い構成としたステアリングコラム装置が提供される。
このように、θが摩擦角を越えないように三次元的にある一定の関係式により歯面角度α、β、γ、θを設定することで、歯筋方向の噛み合い長さの減少と、噛み合い率の低下を防止でき、ひいては過大な荷重が作用した際にも噛み合う歯が外れないという効果を奏する。
【0095】
(第4実施例)
図25,26を用いて本発明の第4実施例を説明する。
図25に示すようにギアAとギアBの一組の歯面によってギアの噛合が構成されている場合は、ギアAとギアBとが衝突力方向、あるいは、噛合方向の法線方向に相対変位しやすい。すなわち、ギアの噛合率が落ちて最終的にはギアの噛合が抜けてしまう。これを防ぐために、ギアAとギアBの相対変位を生じさせないために、ステアリングコラム装置の各部材の剛性を高める必要がある。しかし、このような要求に応えるのは不可能に近い。
【0096】
そこで、本発明の実施例4の図26に示すように、二組のギアを所定角度を有して対向させてくさび形を形成するようにギアを配置させると、ギアAとギアBの両面で、衝突力方向と噛合方向の法線方向に作用する力を相殺できる。よって、ギアAとギアBとの衝突力方向と噛合方向の法線方向に沿ったギアA,B間の相対変位を防止することができる。
【0097】
上述の第3、第4実施例に説明されたように、θが摩擦角を越えないように三次元的にある一定の関係式により歯面角度α、β、γ、θを設定することで、歯筋方向の噛み合い長さの減少と、噛み合い率の低下を防止でき、ひいては過大な荷重が作用した際にも噛み合う歯が外れないという効果を奏する。
【0098】
以上、実施の形態を参照して本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきでなく、その趣旨を損ねない範囲で適宜変更、改良可能であることはもちろんである。例えば、ギアベースとギア部材とは逆の構成・形状であってもよく、組み合わせは任意である。また、上述の第1実施例から第4実施例とを組み合わせてステアリングコラム装置を構成してもよい。
【0099】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2005年5月6日出願の日本特許出願(特願2005−134974)、2005年5月17日出願の日本特許出願(特願2005−143434)、2006年3月16日出願の日本特許出願(特願2006−72616)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明のステアリングコラム装置によれば、前記第1の歯と前記第2の歯とは、それぞれの歯筋に対して法線方向及び接線方向(接線に平行な方向を含む)以外の方向に沿って接近させて噛合させるようになっているので、前記第1の歯と前記第2の歯の噛合不良を抑制できる。従って、多板の摩擦プレートを用いたときのように操作フィーリングが悪くなることが回避され、更に前記第1の歯と前記第2の歯が噛合した後は、大きな保持力を発揮できる。特に、前記第1の歯と前記第2の歯の最初の噛合が生じたときから、両者を歯筋方向に摺動させつつ噛み合い率を高めるようにすると、スムーズな噛合を行える。

Claims (12)

  1. ステアリングシャフトを、チルト方向及びテレスコピック方向の少なくとも一方に対して位置調整可能に支持するステアリングコラム装置において、
    車体側に固定された第1の歯と、
    ステアリングシャフトを回転自在に支持するコラム本体と、
    前記コラム本体と一体的に移動する第2の歯とを有し、
    前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いに噛合して、前記コラム本体を前記車体に対して位置決めし、
    前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いに離間して、前記コラム本体を前記車体に対して位置調整可能な状態とし、
    前記第1の歯が第2の歯と噛み合う直前から互いの噛合が完了する間、前記第1の歯に対する前記第2の歯の接近方向が、それぞれの歯筋方向に対してなす角度を0度より大きく、90度未満に設定されるように、前記第1の歯と第2の歯は接近されて噛合し、
    前記第1の歯及び前記第2の歯の一方は、対向する一対の第1傾斜面に設けられ、
    前記第1の歯及び前記第2の歯の他方は、前記一対の第1傾斜面に各々対向する一対の第2傾斜面に形成されている
  2. 請求項に記載のステアリングコラム装置において、
    前記第1,2の歯が互いに離脱した状態で、前記一対の第1傾斜面間で定義される第1傾斜面の中心面と、前記一対の第2傾斜面間で定義される第2傾斜面の中心面とが互いにずれて配置され、
    前記第1の歯を前記第2の歯に噛み合せる前に、前記第1傾斜面の中心面と、前記第2傾斜面の中心面とを近づけるように駆動する駆動手段を有する。
  3. 請求項1又は2に記載のステアリングコラム装置において、
    前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの一方の歯に連結されたレバーを回転移動させることにより、前記レバーと共に円弧状の軌跡を有するように移動する前記一方の歯が、前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの他方の歯に係合する。
  4. 請求項1又は2に記載のステアリングコラム装置において、
    前記第1の歯及び前記第2の歯のうちの少なくとも一方の歯は、先端に向かうにつれて歯の断面積が小さく形成されている。
  5. 請求項1に記載のステアリングコラム装置はさらに、
    車体側に固定されるブラケットと、
    前記ブラケットに揺動可能に取り付けられて前記コラム本体と共にチルト移動するレバーを有し、
    前記第1の歯は前記車体側に固定された前記ブラケットに設けられ、
    前記第2の歯は前記コラム本体と共にチルト移動する前記レバーに設けられる。
  6. 請求項1に記載のステアリングコラム装置は
    車体側に固定されるブラケットに揺動可能に支持されたレバーを有し、
    前記レバーの回動に伴い、前記コラム本体を前記レバーに対するテレスコ移動が許容され、
    前記第1の歯は、前記車体側に支持されたレバーに設けられ、
    前記第2の歯は、前記テレスコ移動するコラム本体に設けられる。
  7. 請求項に記載のステアリングコラム装置であって、
    前記一対の第1傾斜面は所定角度を有して向かい合い、くさび形を形成し、
    前記一対の第2傾斜面も所定角度を有して向かい合い、くさび形を形成する。
  8. 請求項1に記載のステアリングコラム装置であって、
    前記第1の歯と前記第2の歯とは、前記ステアリングシャフトに力が与えられた場合に、噛み合い率が高くなる方向に歯筋が傾斜している。
  9. 請求項に記載のステアリングコラム装置であって、
    前記第1の歯と前記第2の歯の間の摩擦角をμ、
    前記第1の歯と前記第2の歯の半頂角をα、
    前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面が、噛合面に対して成す角度をβ、
    前記第1の歯と前記第2の歯筋の方向が前記力の方向となす角度をγと定義したとき、以下の条件式を満たすように歯面が配置される。
    μ>tan−1(tanα・sinβ)−(90°−γ) (条件式)
  10. ステアリングシャフトを、チルト方向及びテレスコピック方向の少なくとも一方に対して位置調整可能に支持するステアリングコラム装置において、
    車体側に固定された第1の歯と、
    ステアリングシャフトを回転自在に支持するコラム本体と、
    前記コラム本体と一体的に移動する第2の歯とを有し、
    前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いに噛合して、前記コラム本体を前記車体に対して位置決めし、
    前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いに離間して、前記コラム本体を前記車体に対して位置調整可能な状態とし、
    前記第1の歯と前記第2の歯とは、前記ステアリングシャフトに力が与えられた場合に、噛み合い率が高くなる方向に歯筋が傾斜しており、
    前記第1の歯及び前記第2の歯の一方は、対向する一対の第1傾斜面に設けられ、
    前記第1の歯及び前記第2の歯の他方は、前記一対の第1傾斜面に各々対向する一対の第2傾斜面に形成されている
  11. 請求項10に記載のステアリングコラム装置であって、
    前記一対の第1傾斜面は所定角度を有して向かい合い、くさび形を形成し、
    前記一対の第2傾斜面も所定角度を有して向かい合い、くさび形を形成する。
  12. 請求項10に記載のステアリングコラム装置であって、
    前記第1の歯と前記第2の歯の間の摩擦角をμ、
    前記第1の歯と前記第2の歯の半頂角をα、
    前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面が、噛合面に対して成す角度をβ、
    前記第1の歯と前記第2の歯筋の方向が前記力の方向となす角度をγと定義したとき、以下の条件式を満たすように歯面が配置される。
    μ>tan−1(tanα・sinβ)−(90°−γ) (条件式)
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