JP5061441B2 - 帯電防止層用組成物 - Google Patents

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本発明は、干渉縞の発生と埃付着とを防止する帯電防止性層を形成するための組成物、及び、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイ等の光学物品の表面に用いられる反射防止フィルムに使用される帯電防止層に関する。
本発明の第1の態様及び本発明の第3の態様
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のディスプレイ等の光学物品の表示面は、その視認性を高めるために、蛍光灯などの外部光源から照射された光線の反射が少ないことが求められている。透明な物体の表面を屈折率の小さい透明皮膜で被覆することにより反射率が小さくなる現象が従来から知られており、このような現象を利用した反射防止膜を画像表示装置の表示面に設けて視認性を向上させることが可能である。反射防止膜は、表示面の上に屈折率の小さい低屈折率層を設けた単層構成、または、反射防止効果をさらに良好にするために表示面の上に中〜高屈折率層を一ないし複数層設けて、その上に低屈折率層を設けた多層構成とすることが可能である。
単層型の反射防止膜は、多層型と比べて層構成が単純なことから、生産性やコストパフォーマンスに優れる。一方、多層型の反射防止膜は、層構成を組み合わせて反射防止性能を向上させることが可能であり、単層型と比べて高性能化を図り易い。さらに、光学物品の表面に傷が付くと視認性を悪くするため、反射防止フィルムにハード性能を付与することが行われている。また、プラスチックからなる光学物品は絶縁性であるので静電気等により帯電し、表面に埃が付着すると視野性が悪くなるために、光学物品に帯電防止性を付与することが求められている。
反射防止フィルムにこれらの帯電防止性及びハード性能を付与したものとして、透明基材フィルム上に金属酸化物を含有させた帯電防止層を形成し、さらにその上にハードコート層を形成し、最上層として下層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層を形成した帯電防止性反射防止フィルムは、例えば、特開2001−255403号(特許文献1)により知られている。
特開2001−255403号(特許文献1)に記載の反射防止フィルムは、ディスプレイ表面への粉塵吸着による視野性の低下を防止するために、帯電防止材料として金属酸化物、或いは金属を用いた帯電防止層を形成している。ところで、金属酸化物、或いは金属は一般的にバインダー樹脂よりも屈折率が高く、金属酸化物或いは金属を添加した帯電防止層は、基材フィルムやハードコート層の屈折率よりも高い屈折率となり、基材フィルムと帯電防止層、或いはハードコート層と帯電防止層との間で屈折率差が生ずる。これらの屈折率差により、干渉縞が発生しディスプレイ等の光学物品の視認性を悪くするという問題があった。
例えば、従来の一般的な帯電防止層を形成した反射防止フィルムの一例を挙げれば、トリアセチルセルロースフィルム(透明基材フィルム)では屈折率が約1.5前後であり、金属酸化物或いは金属含有帯電防止層では屈折率が約1.57〜1.70であり、さらに、ハードコート層では約1.50前後であり、互いに接する各層の屈折率差が大きいため
、透明基材フィルムと帯電防止層との界面、及び帯電防止層とハードコート層との界面でそれぞれ表面側から入射した外光が反射し、これらの反射光が干渉を引き起し、干渉ムラ(色ムラ)として観察されることがあった。
従って、今尚、干渉縞の発生と埃付着とを有効に防止しうる帯電防止性層を形成するための組成物と、該組成物を用いて形成される反射防止フィルムに使用される帯電防止層との開発が急務となっている。
本発明の第2の態様及び本発明の第4の態様
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のディスプレイ等の光学物品の表示面は、その視認性を高めるために、蛍光灯などの外部光源から照射された光線の反射が少ないことが求められており、反射防止を行うために、透明基材フィルム上に直接又は他の層を介して、下層の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層を形成した反射防止フィルムを光学物品の表面に貼付することが行われている。さらに、光学物品の表面に傷が付くと視認性を悪くするため、反射防止フィルムにハード性能を付与することが行われている。また、プラスチックからなる光学物品は絶縁性であるので静電気等により帯電し、表面に埃が付着すると視野性が悪くなるために、光学物品に帯電防止性を付与することが求められている。
反射防止フィルムにこれらの帯電防止性及びハード性能を付与したものとして、透明基材フィルム上にハードコート層を形成し、その上に金属酸化物を含有させた帯電防止層を形成し、さらにその上に最上層として下層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層を形成した帯電防止性反射防止フィルムは、例えば、特開2002−267804号(特許文献2)により知られている。特開2002−267804号(特許文献2)の反射防止フィルムにおいて、帯電防止層の屈折率は1.60以上1.75以下の範囲であるとしている。
帯電防止剤として金属酸化物を含有した帯電防止層の屈折率は、通常、約1.57〜1.75である。透明基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層(屈折率n=1.42以下)からなる積層構造の反射防止フィルムにおいて、低屈折率層を波長550nmにて最低反射率が得られるように調製し、約1.57〜1.75の屈折率の帯電防止層上に、一般的な低屈折率層(n=1.42以下)を積層すると、両者の層の屈折率差が大きいため、反射率カーブがV字となり、可視光領域において短波長域や長波長域の反射率が高くなり、反射防止フィルムに赤・青味が発生し、屈折率差が大きくなる程、反射時の色味がきつくなるという問題点がある。特に、帯電防止層の層厚が50nm〜150nmの薄膜であり、且つ低屈折率層の層厚が50nm〜150nmの薄膜である場合にこのような色味が生じるという問題がある。
図1は、透明基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層からなる積層構造の反射防止フィルムにおける、低屈折率層の屈折率(n1 )を1.37とし、帯電防止層の屈折率(n2 )を1.53、1.57、1.61、1.65とした場合における、縦軸に反射率(%)、横軸に光の波長(nm)をとった反射率曲線を示す。図1において実線で示す曲線は、帯電防止層がない場合の反射防止フィルムの反射率曲線を示す。図1によれば、帯電防止層と低屈折率層の屈折率差が大きくなる程、V字曲線のカーブが大となり、短波長域や長波長域の反射率が高くなり、反射防止フィルムにおいて赤・青味の色味がきつくなることが分かる。
従って、今尚、透明基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層(薄膜)/低屈折率層(薄膜)からなる積層構造の反射防止フィルムにおける帯電防止層において、反射時の色味を防止した帯電防止層を有する反射防止フィルムの開発が急務とされている。
特開2001−255403号 特開2002−267804号
本発明の第1の態様
本発明者は、本発明時において、屈折率の高い導電性金属酸化物或いは金属を含有してなる帯電防止層形成用組成物(被覆組成物)を使用することにより、干渉縞の発生と埃付着の防止とを達成しうる帯電防止層を提供することができるとの知見を得た。本発明の第1の態様はかかる知見によるものである。
従って、本発明の第1の態様によれば、導電性物質で被覆されたコア粒子からなる導電性微粒子であって、該コア粒子の屈折率は導電性物質の屈折率よりも低い導電性微粒子、(2)電離放射線硬化型樹脂、及び、(3)有機溶剤を含んでなる帯電防止層形成用コーティング組成物を提案することができる。
より好ましくは、本発明の第1の態様は、導電性微粒子と、電離放射線硬化型樹脂と、有機溶剤とを含んでなる帯電防止層形成用組成物を提案することができ、該帯電防止層形成用組成物は、
前記導電性微粒子が、導電性物質で被覆されたコア粒子からなるものであり、かつ、前記コア粒子の屈折率が導電性物質の屈折率よりも低いものである。
本発明の第1の態様において、透明基材フィルムと、該透明基材フィルム上に、帯電防止層と、電離放射線硬化型樹脂を含んでなる組成物で形成されてなるハードコート層と、低屈折率層とをこれらの順で備えてなる、反射防止フィルムをも提案され、
該反射防止フィルムは、
前記帯電防止層が、本発明の第1の態様による帯電防止層形成用組成物を用いて形成されてなるものである。
効果
本発明の第1の態様によれば、帯電防止層形成用組成物が、導電性物質である導電性金属酸化物又は金属で被覆されたコア粒子からなる導電性微粒子を帯電防止剤として含有しており、該コア粒子の屈折率は導電性物質の屈折率よりも低い微粒子を用いているので、本発明の帯電防止層形成用組成物を用いて形成した帯電防止層は、従来の導電性金属酸化物或いは金属からなる導電性微粒子を含む組成物を用いて形成した帯電防止層よりも、低い屈折率とすることができる。そのため、本発明の帯電防止層形成用組成物を用いて形成した反射防止フィルムは、透明基材フィルムと帯電防止層との屈折率の差、及び帯電防止層とハードコート層の屈折率差の絶対値を各々0.03以内とすることが可能となり、透明基材フィルムと帯電防止層との界面、及び帯電防止層とハードコート層との界面による干渉縞の発生を有効に防止するとの効果を有する。
本発明の第2の態様
本発明者は、本発明時において、反射防止フィルムにおける帯電防止層に、屈折率の高い導電性金属酸化物を用いることにより、反射時の色味を防止した帯電防止層を有する反射防止フィルムを提供することができるとの知見を得た。本発明の第2の態様はかかる知見によるものである。
従って、本発明の第2の態様によれば、反射防止フィルムを提案することができ、該反射防止フィルムは、透明基材フィルム上に、電離放射線硬化型樹脂を含むハードコート層を形成し、次いで、導電性物質で被覆されたコア粒子からなる導電性微粒子であって、該コア粒子の屈折率は導電性物質の屈折率よりも低い導電性微粒子、電離放射線硬化型樹脂、及び、有機溶剤を含む帯電防止層形成用組成物を用いて層厚が50nm〜150nmの帯電防止層を形成し、次いで、直接接する下層の屈折率よりも低い屈折率の層厚が50nm〜150mの低屈折率層を形成してなる反射防止フィルムであって、反射色相が、JIS−Z−8729で規定される色相a* の絶対値7以下、色相b* の絶対値6以下であるものである。
より好ましくは、本発明の第2の態様は、透明基材フィルムと、該透明基材フィルム上に、電離放射線硬化型樹脂を含んでなる組成物で形成されてなるハードコート層と、帯電防止層と、低屈折率層とをこれらの順で備えてなる、反射防止フィルムであって、
前記帯電防止層が、本発明の第1の態様による帯電防止層形成用組成物を用いて形成されたものであり、
前記帯電防止層の層厚が50nm以上150nm以下であり、
前記低屈折率層の層厚が50nm以上150nm以下であり、
前記反射防止フィルムの反射色相が、色相a*の絶対値が7以下であり、色相b*の絶対値が6以下であるものである。
効果
本発明の第2の態様による反射防止フィルムにおける帯電防止層は、導電性物質で被覆されたコア粒子からなる導電性微粒子であり、該コア粒子の屈折率は導電性物質の屈折率よりも低い微粒子、電離放射線硬化型樹脂、及び、有機溶剤を含む帯電防止層形成用組成物を用いて形成されている。その結果、本発明の反射防止フィルムにおける帯電防止層は、従来の導電性金属酸化物或いは導電性金属を含むコーティング組成物を用いて形成した帯電防止層よりも、屈折率を低く調整することが可能となる。このため、帯電防止層と低屈折率層の屈折率差を調整することができるので、反射防止性を実現でき、しかも、JIS−Z−8729で規定される色相a* の絶対値が7以下、色相b* の絶対値が6以下となる色味の発生を防止できる屈折率に調整した帯電防止層を有する反射防止フィルムを得ることができる。
本発明の第3の態様
本発明者は、本発明時において、屈折率の高い導電性金属酸化物を帯電防止層形成用組成物(被覆組成物)に使用することにより、干渉縞の発生と埃付着の防止とを達成しうる帯電防止層を提供することができるとの知見を得た。本発明の第3の態様はかかる知見によるものである。
従って、本発明の第3の態様によれば、(1)空隙を有する導電性金属酸化物の微粒子、(2)電離放射線硬化型樹脂、及び、(3)有機溶剤を含んでなる帯電防止層形成用(コーティング)組成物を提案することができる。
本発明の第3の態様において、透明基材フィルムと、該透明基材フィルム上に、帯電防止層と、電離放射線硬化型樹脂を含んでなる組成物で形成されてなるハードコート層と、低屈折率層とをこれらの順で備えてなる、反射防止フィルムをも提案され、
該反射防止フィルムは、
前記帯電防止層が、本発明の第3の態様による帯電防止層形成用組成物を用いて形成されたものである。
効果
本発明の第3の態様による帯電防止層形成用組成物は、空隙を有する導電性金属酸化物微粒子を帯電防止剤として含有しているので、本発明の第3の態様による帯電防止層形成用組成物を用いて形成した帯電防止層は、空隙内に屈折率1の空気を包含することになり、従来の空隙を有さない導電性金属酸化物微粒子を含むコーティング組成物を用いて形成した帯電防止層よりも、低い屈折率とすることができる。そのため本発明の第3の態様による帯電防止層形成用組成物を用いて形成した本発明の第3の別の態様による反射防止フィルムは、透明基材フィルムと帯電防止層との屈折率の差、及び帯電防止層とハードコート層の屈折率差の絶対値を各々0.03以内とすることができるため、透明基材フィルムと帯電防止層との界面、及び帯電防止層とハードコート層との界面による干渉縞の発生を防止することができるとの効果を有する。
本発明の第4の態様
本発明者は、本発明時において、反射防止フィルムにおける帯電防止層に、屈折率の高い空隙を有する導電性金属酸化物の微粒子を用いることにより、反射時の色味を防止した帯電防止層を有する反射防止フィルムを提供することができるとの知見を得た。本発明の第4の態様はかかる知見によるものである。
従って、本発明の第4の態様によれば、反射防止フィルムを提案することができ、該反射防止フィルムは、透明基材フィルム上に、電離放射線硬化型樹脂を含むハードコート層を形成し、空隙を有する導電性金属酸化物の微粒子、電離放射線硬化型樹脂、及び、有機溶剤を含む帯電防止層形成用組成物を用いて形成された層厚が50nm〜150nmの帯電防止層を形成し、直接接する下層の屈折率よりも低い屈折率の層厚が50nm〜150mの低屈折率層、をこの順で形成してなる反射防止フィルムであって、反射色相が、JIS−Z−8729で規定される色相a* の絶対値7以下、色相b* の絶対値6以下であることを特徴とする色味を抑制した反射防止フィルムである。
より好ましくは、本発明の第4の態様は、透明基材フィルムと、該透明基材フィルム上に、電離放射線硬化型樹脂を含んでなる組成物で形成されてなるハードコート層と、帯電防止層と、低屈折率層とをこれらの順で備えてなる、反射防止フィルムであって、
前記帯電防止層が、本発明の第3の態様による帯電防止層形成用組成物を用いて形成されたものであり、
前記帯電防止層の層厚が50nm以上150nm以下であり、
前記低屈折率層の層厚が50nm以上150nm以下であり、
前記反射防止フィルムの反射色相が、色相a*の絶対値が7以下であり、色相b*の絶対値が6以下であるものである。
効果
本発明の第4の態様による反射防止フィルムにおける帯電防止層は、空隙を有する導電性金属酸化物の微粒子、電離放射線硬化型樹脂、及び、有機溶剤を含む帯電防止層形成用組成物を用いて形成されている。その結果、本発明の反射防止フィルムにおける帯電防止層は、従来の導電性金属酸化物或いは導電性金属を含むコーティング組成物を用いて形成した帯電防止層よりも、屈折率を低く調整することが可能となる。このため、帯電防止層と低屈折率層の屈折率差を調整することができるので、反射防止性を実現でき、しかも、JIS−Z−8729で規定される色相a* の絶対値が7以下、色相b* の絶対値が6以下となる色味の発生を防止できる屈折率に調整した帯電防止層を有する反射防止フィルムを得ることができる。
発明の具体的な説明
定義
本発明にあって、色相a* 、色相b* は、JIS−Z−8729(JISハンドブック33「色彩−1996」日本規格協会編集)にて規定されている色座標における指標である。JIS−Z−8729によれば、明度L*、色相a* 及び色相b* の3つの値によって、測定対象物の色調が表される。明度L*が大きいほど明度が高いことを示す。また、色相a* は赤味を表し、数値が大きいほど赤味が強いことを示し、−(マイナス)になると赤味が不足していること、言い換えれば緑色味が強いことを示す。さらに、色相b* は黄色味の指標であり、この数値が大きい場合は黄色味が強いことを示し、−(マイナス)になると黄色味が不足して青くなる事を示している。そして、色相a* 及び色相b* のいずれも0の場合は、無色を意味している。ここで、L*a*b*は、CIE色空間を示す指標であり、1975年第18回ロンドン大会において採択され、CIEL1975L*a*b*均等色空間及びこの空間に基づく色差として勧告されたものである。
本発明の第1の態様
帯電防止層形成用組成物(帯電防止層形成用コーティーング組成物)
導電性微粒子
(1)種類
本発明で用いる、コア粒子を内部に包含し、外側に導電性物質を被覆した導電性微粒子は、塗膜に帯電性を付与するための帯電防止剤として用いられる。導電性物質には、導電性金属酸化物又は導電性金属が使用できる。導電性金属酸化物には、例えば、酸化錫(SnO2 )、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化アンチモン(Sb2 5 )、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物およびこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。導電性金属には、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウム、プラチナ等およびこれらの混合物から選択されるものが使用できる。
コア粒子には、シリカ微粒子、例えば、コロイダルシリカ微粒子、酸化ケイ素微粒子等の無機微粒子;フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等のポリマー微粒子;有機質無機質複合体粒子等の微粒子が挙げられ、上記微粒子は多孔質・中空微粒子であればより屈折率が低くなる。本発明に使用可能なコア粒子は、導電性物質、例えば、導電性金属酸化物又は金属の屈折率よりも低い屈折率を持つものである。
(2)形状;粒径
本発明で用いる、コア粒子を内部に包含し、外側に導電性金属酸化物又は金属等の導電性物質を被覆した導電性微粒子の粒径は、5nm〜100nmが好ましく、さらに好ましくは10nm〜50nmである。粒径が上記範囲内にあることにより、透明性に優れ、導電性微粒子の分散が好ましいものとなる。
導電性微粒子における導電性物質の被覆量は、10質量%〜60質量%、より好ましくは20質量%〜50質量%であることが好ましい。被覆量がこの範囲にあることにより、導電性微粒子において、表面抵抗値が低くなり、所望の帯電防止性が得られ、かつ、導電性金属酸化物又は金属等の導電性物質の屈折率の低減化効果が高まり、所望の屈折率が得られる。
(3)被覆方法
コア粒子に導電性物質を被覆する方法としては、例えば、シリカ微粒子を例にすると、シリカ微粒子に金属酸化物(例えば、ATO)の水溶液中にスラリー化し、ATOを中和加水分解し、焼成することにより被覆することができる。被覆の状態は、中和加水分解条件(温度、時間、pH)や焼成条件(温度、時間、焼成雰囲気)により調整することができる。
或いは、コア粒子として酸化ケイ素塩を加熱し、得られた蒸気を反応器に導入し、熱分解反応を行うことによって酸化ケイ素粒子を生成させ、つづいて被覆層の原料となる金属塩を加熱し、得られた蒸気を上記酸化ケイ素微粒子を存在させた反応器に導入し、熱分解反応によってそのコア粒子の表面に金属酸化物の被覆層を形成する方法(特開平5−319808号公報)が適用できる。
或いは、コア粒子の存在下で、金属カルボン酸塩とアルコールとを含む混合物、または、金属アルコキシ基含有化合物とカルボキシル基含有化合物とを含む混合物を加熱することにより、前記コア粒子の表面に金属酸化物を被覆させる方法(特開2004−99358号公報)が適用できる。
電離放射線硬化型樹脂
電離放射線硬化型樹脂には、電離放射線の照射を受けた時に直接、又は開始剤の作用を受けて間接的に、重合や二量化等の大分子化を進行させる反応を起こす重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。具体的には、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性のモノマー、オリゴマーが好ましく、バインダー成分の分子間で架橋結合が生じるように、一分子内に重
合性官能基を2個以上、好ましくは3個以上有する多官能のバインダー成分であることが望ましい。しかしながら、その他の電離放射線硬化性のバインダー成分を用いることも可能であり、例えば、エポキシ基含有化合物のような光カチオン重合性のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。また、導電性を向上させるには、イオン伝搬性を良好にするような、EO変性など親水性のバインダーであることが好ましい。さらに、分子中に水酸基を残したバインダー成分を用いるのが好ましい。バインダー中の水酸基は、水素結合によりハードコート層や透明基材フィルム等の隣接層に対する密着性を向上させることが可能となる。
上記の電離放射線硬化型樹脂組成物に好ましく使用されるモノマー類としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、上記した物のEO変性品、等を例示することができる。
これらに加え、エポキシアクリレート樹脂(共栄社化学製「エポキシエステル」や昭和高分子製「エポキシ」等)や各種イソシアナートと水酸基を有するモノマーとがウレタン結合を介して重付加によって得られるウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業製「紫光」や共栄社化学製「ウレタンアクリレート」)といった数平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算数平均分子量)が2万以下のオリゴマー類も好ましく使用できる。
これらのモノマー類やオリゴマー類は塗膜の架橋密度を高める効果が高いほか、数平均分子量が2万以下と小さいので流動性が高い成分であり、コーティング組成物の塗工適性を向上させる効果もある。
さらに、必要に応じて、主鎖や側鎖に(メタ)アクリレート基を有する数平均分子量が2万以上の反応性ポリマーなども好ましく使用することができる。これらの反応性ポリマーは例えば東亞合成製の「マクロモノマー」等の市販品として購入することも可能であるし、メタクリル酸メチルとグリシジルメタクリレートとの共重合体をあらかじめ重合しておき、後から共重合体のグリシジル基とメタクリル酸やアクリル酸のカルボキシル基を縮合させることで、(メタ)アクリレート基を有する反応性ポリマーを得ることができる。これら分子量が大きい成分を含むことで、複雑な形状に対する成膜性の向上や硬化時の体積収縮による反射防止フィルムのカールや反りの低減が可能となる。
該バインダー樹脂が光硬化型樹脂である場合には、ラジカル重合を開始させるために光開始剤を用いることが望ましい。光開始剤には特に限定されないが、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物類などが挙げられる。より具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケトン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等を例示できる。これらのうちでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンは、少量でも電離放射線の照射による重合反応を開始し促進するので、本発明において好ましく用いられる。これらは、いずれか一方を単独で、又は、両方を組み合わせて用いることができる
。これらは市販品にも存在し、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンはイルガキュアー 184(Irgacure 184)の商品名でチバスペシャリティーケミカルズ(株)から入手できる。
有機溶剤
帯電防止層形成用組成物には、固形成分を溶解分散するための有機溶剤が必須であり、その種類は特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
それらの中でも、ケトン系の有機溶剤を用いるのが好ましく、ケトン系溶剤を用いて調製すると、基材表面に容易に均一に塗布することができ、かつ、塗工後において溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均一な厚さの大面積塗膜を容易に得ることができるからである。
また、溶剤の量は、各成分を均一に溶解、分散することができ、調製後の保存時に凝集を来たさず、かつ、塗工時に希薄すぎない濃度となるように適宜調節する。この条件が満たされる範囲内で溶剤の使用量を少なくして高濃度のコーティング組成物を調製し、容量をとらない状態で保存し、使用時に必要分を取り出して塗工作業に適した濃度に希釈するのが好ましい。固形分と溶剤の合計量を100重量部とした時に、全固形分0.5〜50重量部に対して、溶剤を50〜95.5重量部、さらに好ましくは、全固形分10〜30重量部に対して、溶剤を70〜90重量部の割合で用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に適した帯電防止層形成用組成物が得られる。
その他の成分
帯電防止層形成用のコーティング組成物の上記以外の成分には、必要に応じて電離放射線硬化性のバインダー成分の重合開始剤を含有するが、さらに、その他の成分を配合してもよい。例えば、必要に応じて分散剤、紫外線遮蔽剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)などを用いることができる。
帯電防止層形成用組成物の調製法
帯電防止層形成用組成物は、既にインキ化されたものを用いても良いし、導電性物質で被覆されたコア粒子からなる導電性微粒子、電離放射線硬化型樹脂、溶剤、その他の成分などを組み合わせて調製しても良い。上記各成分を用いて帯電防止層形成用組成物を調製するには、塗工液の一般的な調製法に従って分散処理すればよい。例えば、導電性微粒子がコロイドの形状であれば、そのまま混合することが可能であるし、粉状であれば、得られた混合物にビーズ等の媒体を投入し、ペイントシェーカーやビーズミル等で適切に分散処理することにより、コーティングのための帯電防止層形成用組成物が得られる。
反射防止フィルム
図2は、本発明の反射防止フィルムの層構成を示す概略断面図である。図2の反射防止フィルムは、透明基材フィルム1上に、帯電防止層2が形成されており、さらにその上にハードコート層3が形成され、さらにその上に低屈折率層4が形成されている。
帯電防止層
本発明の反射防止フィルムは、帯電防止層の層厚が0.05〜5.0μmの時に、埃付着防止のために必要な表面抵抗率が1.0×1013 Ω/□以下を実現できる。1.0×1013 Ω/□〜1.0×1012 Ω/□では帯電するが静電荷が蓄積しないため、フィルムなどに埃付着防止性が得られる。好ましくは、静電荷が帯電するが、すぐ減衰する範囲1.0×1012 Ω/□〜1.0×1010 Ω/□であり、より好ましくは帯電しない範囲1.0×1010 Ω/□以下であり、最も好ましくは1.0×108 Ω/□以下である。
帯電防止層は、上記した帯電防止層形成用組成物を、例えば、スピンコート法、デイップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の各種方法で反射防止フィルムの透明基材フィルムまたは各層の上に塗布することができる。塗工物は、通常は、必要に応じて乾燥し、その後、紫外線や電子線等の電離放射線を放射して硬化させることにより帯電防止層が形成される。
透明基材フィルム
透明基材フィルムの材質は、特に限定されないが、反射防止フィルムに用いられる一般
的な材料を用いることができ、例えば、トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、トリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル等の各種樹脂で形成したフィルム等を例示することができる。基材の厚さは、通常25μm〜1000μm程度である。
ハードコート層
ハードコート層は、積層体自体に、耐擦傷性、強度等の性能を付与する目的で形成されてなるものであり、本発明における必須構成層である。本発明にあって「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものをいう。
ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を使用して形成することが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能化合物としてのモノマー類、またはエポキシアクリレート又はウレタンアクリレート等のオリゴマーを使用することができる。
本発明の反射防止フィルムにおけるハードコート層は、ハードコート層単独では導電性の機能がなくとも、下に形成された導電性層の効果でハードコート層上でも帯電防止効果が得られる。尚、低屈折率層は、ハードコート層に比べて非常に薄膜なため、ハードコート層上に更に形成されても、その帯電防止効果は劣化しない。より高い帯電防止性を得るには、ハードコート組成物中に、導電性微粒子として、金及び/又はニッケルで表面処理されたポリスチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機ビーズやベンゾグアナミン・メラニン・ホルムアルデヒド縮合物球状粉体を添加することが好ましく、平均粒径は5μm程度が好ましい。
添加量は、全光線透過率に影響を及ぼさないよう、できるだけ微量を配合することが好ましくハードコート成分100質量部に対し、0.001〜1質量部とすることが好ましい。
本発明の反射防止積層体におけるハードコート層は硬化後の層厚が0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが望ましい。層厚が上記範囲内にあることにより、充分なハードコート性能と、外部からの衝撃に対して割れにくいとの効果を付与することができる。
本発明の反射防止積層体におけるハードコート層の屈折率は、透明基材フィルム及び帯電防止層と屈折率差の絶対値が共に0.03以内であることが、反射防止フィルムにおける干渉縞の発生を防止するうえで好ましい。
低屈折率層
本発明の反射防止フィルムの最上層に積層される低屈折率層は、一般的に用いられている低屈折率層を形成する公知の方法を用いてよい。例えば、シリカやフッ化マグネシウム
等の低屈折率無機微粒子とバインダー樹脂を含む塗工液、空隙を有するシリカやフッ化マグネシウム等の低屈折率無機微粒子とバインダー樹脂を含む塗工液、或いはフツ素系樹脂等を含有する塗工液を用いて塗膜を形成するか、或いは低屈折率無機物微粒子を蒸着により薄膜を形成することにより低屈折率層を得ることができる。
反射防止フィルムの物性
本発明による反射防止フィルムの帯電防止層は、層厚が0.05〜5.0μmの時に、表面抵抗率が、1.0×1013Ω/□以下となる。好ましくは1.0×108 Ω/□以下となる。
本発明による反射防止フィルムにおいて、即ち、透明基材フィルム上に、前記本発明の帯電防止層形成用組成物を用いて形成された帯電防止層、電離放射線硬化型樹脂を含むハードコート層、低屈折率層、をこの順で形成してなる反射防止フィルムにおいて、透明基材フィルムと帯電防止層の屈折率差、及び帯電防止層とハードコート層の屈折率差の絶対値が共に0.03以内であることにより干渉縞の発生を防止することができる。例えば、代表的には、透明基材フィルムと、ハードコート層の屈折率が約1.5の場合に、帯電防止層の屈折率は1.50±0.03となる。
本発明による反射防止フィルムの透明性は、透明基材フィルム、帯電防止層、ハードコート層、低屈折率層を含む全層を塗工後、JIS−K7361−1に規定されるヘイズ値が基材だけのヘイズ値と変わらないか又は前記基材だけのヘイズ値との差が1.5%以内となるものが好ましい。
画像表示装置
本発明の反射防止フィルムは、特に、液晶表示装置(LCD)や陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示装置の表示面を被覆する多層型反射防止膜の少なくとも一層、特に低屈折率層を形成するのに好適に用いられる。
図3は、本発明の反射防止フィルムを光透過層として含んだ多層型反射防止膜により表示面を被覆した液晶表示装置の一例の断面を模式的に示したものである。液晶表示装置101は、表示面側のガラス基板21の一面にRGBの画素部22(22R、22G、22B)とブラックマトリックス層23を形成してなるカラーフィルター24を準備し、当該カラーフィルターの画素部22上に透明電極層25を設け、バックライト側のガラス基板26の一面に透明電極層27を設け、バックライト側のガラス基板26とカラーフィルター24とを、透明電極層25、27同士が向き合うようにして所定のギャップを空けて対向させ、周囲をシール材28で接着し、ギャップに液晶Lを封入し、背面側のガラス基板26の外面に配向膜29を形成し、表示面側のガラス基板21の外面に本発明の反射防止フィルムを積層してなる偏光フィルム10を貼り付け、後方にバックライトユニット11を配置したものである。
本発明の第2の態様
本発明の第2の態様は本発明の第1の態様で説明した帯電防止層用組成物を用いて形成される反射防止フィルムである。従って、本発明の第2の態様は下記する点以外、帯電防止層形成用組成物等は本発明の第1の態様と全て同様であってよい。本発明の第2の態様における反射防止フィルムの層構成は、基材/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層となる。
帯電防止層
本発明による反射防止フィルムは、帯電防止層の層厚が50nm〜150nmの時に、埃付着防止のために必要な表面抵抗率が1.0×1013Ω/□以下を実現できる。1.0×1013Ω/□〜1.0×1012Ω/□では帯電するが静電荷が蓄積しないため、フィルムなどに埃付着防止性が得られる。好ましくは、静電荷が帯電するが、すぐ減衰する範囲1.0×1012Ω/□〜1.0×1010Ω/□であり、より好ましくは帯電しない範囲1.0×1010Ω/□以下であり、最も好ましくは1.0×108Ω/□以下である。
帯電防止層の適性な屈折率
反射防止フィルムによる反射色相が適性となる帯電防止層の適性な屈折率は、その上に積層される低屈折率層の屈折率に依存する。そのために、低屈折率層の屈折率が低くなるほど、帯電防止層の屈折率層も低くする必要がある。例えば、低屈折率層の屈折率が1.42である場合は、帯電防止層の屈折率は1.56以下にする必要がある。
低屈折率層
本発明による反射防止フィルムは、低屈折率層の層厚が50nm〜150nmとされてなる。
反射防止フィルムの物性
本発明による反射防止フィルムは、JIS−Z−8729で規定される色相a*の絶対値が7以下、色相b*の絶対値が6以下となる色味の発生を防止できる屈折率に調整可能である。
本発明の第3の態様
帯電防止層形成用組成物(帯電防止層形成用コーティーング組成物)
本発明の第3の態様は、下記する導電性金属酸化物微粒子以外は、他の成分及び調製方法等は本発明の第1の態様と同様であってよい。
導電性金属酸化物微粒子
(1)種類
本発明で用いる空隙を有する導電性金属酸化物微粒子は、塗膜に帯電性を付与するための帯電防止剤として用いられ、例えば、酸化錫(SnO2 )、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化アンチモン(Sb2 5 )、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物およびこれらの混合物からなる群から選択されるものであり、かつ、各々が空隙を有するものが挙げられる。
(2)形状;粒径
本発明で用いる空隙を有する導電性金属酸化物微粒子の粒径は、5nm〜100nmが好ましく、さらに好ましくは30nm〜60nmである。粒径が上記の範囲内にあることにより、透明性に優れ、かつ、導電性金属酸化物の微粒子の分散が容易となる。
空隙を有する導電性金属酸化物の形状は、外殻の内部に空隙を有しており、外殻は多孔質でも良く、この外殻層の厚みは1nm以上30nm以下であることが好ましい。外殻層の厚みが1nm以上とすることにより、粒子を完全に被覆することができ、バインダー成分などが微粒子内部に侵入することなく内部の空隙や多孔質構造を維持することが可能となり、低屈折率の効果を十分に発揮することが可能となる。外殻層の厚みを30nm以下とすることにより、微粒子の多孔質を維持し、屈折率を低減化する効果を十分に得ることが可能となる。
本発明において、「空隙を有する」とは、導電性金属酸化物の微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造をとった結果、或いは微粒子が集合体を形成した結果、気体が屈折率1.0の空気である場合、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の空気の占有率に反比例して屈折率が低下した導電性金属酸化物の微粒子、及びその集合体のことを言う。
(3)製造方法
空隙を有する導電性金属酸化物微粒子の製造方法は、例えば、特開2001−233611号の方法に準じて製造することができる。例えば、核粒子として、目的とする金属酸化物以外の無機化合物と目的とする金属酸化物の混合してなる核粒子分散液を調製し、次いで、該核粒子分散液に目的とする金属酸化物を添加することにより目的とする金属酸化物の被覆層を核粒子の表面に形成し、次いで、酸を加えて、核粒子の一部又は全部を除去することより、空隙を有する導電性金属酸化物微粒子の分散液を得ることができる。
核粒子分散液を調製する際に種粒子の分散液を出発原料とすることも可能である。この場合には、種粒子として、SiO2 、Al2 3 、TiO2 、ZrO2 、およびCeO2 等の無機酸化物またはこれらの複合酸化物、例えば、SiO2 −Al2 3 、TiO2 −Al2 3 、TiO2 −ZrO2 、SiO2 −TiO2 、SiO2 −TiO2 −Al2 3 等の微粒子が用いられ、通常、これらのゾルを用いることができる。このような種粒子の分散液は、従来公知の方法によって調製することができる。このようにして得た種粒子分散液に前記核粒子成分を添加することにより、核粒子分散液を得ることができる。
反射防止フィルム
本発明による反射防止フィルムは本発明の第3の態様による帯電防止層形成用組成物を用いて帯電防止層を形成するものである。従って、この帯電防止層以外の他の層構成、また反射防止フィルムを用いた画像表示層等は本発明の第1の態様と同様であってよい。
本発明の第4の態様
本発明の第4の態様は本発明の第3の態様で説明した帯電防止層用組成物を用いて形成される反射防止フィルムである。従って、本発明の第4の態様は下記する点以外、帯電防止層形成用組成物等は本発明の第3の態様と全て同様であってよい。本発明の第4の態様による反射防止フィルムの層構成は、基材/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層となる。
帯電防止層
本発明による反射防止フィルムは、帯電防止層の層厚が50nm〜150nmの時に、埃付着防止のために必要な表面抵抗率が1.0×1013Ω/□以下を実現できる。1.0×1013Ω/□〜1.0×1012Ω/□では帯電するが静電荷が蓄積しないため、フィルムなどに埃付着防止性が得られる。好ましくは、静電荷が帯電するが、すぐ減衰する範囲1.0×1012Ω/□〜1.0×1010Ω/□であり、より好ましくは帯電しない範囲1.0×1010Ω/□以下であり、最も好ましくは1.0×108Ω/□以下である。
帯電防止層の適性な屈折率
反射防止フィルムによる反射色相が適性となる帯電防止層の適性な屈折率は、その上に積層される低屈折率層の屈折率に依存する。そのために、低屈折率層の屈折率が低くなるほど、帯電防止層の屈折率層も低くする必要がある。例えば、低屈折率層の屈折率が1.42である場合は、帯電防止層の屈折率は1.56以下にする必要がある。
低屈折率層
本発明による反射防止フィルムは、低屈折率層の層厚が50nm〜150nmとされてなる。
反射防止フィルムの物性
本発明による反射防止フィルムは、JIS−Z−8729で規定される色相a*の絶対値が7以下、色相b*の絶対値が6以下となる色味の発生を防止できる屈折率に調整可能である。
本発明の第1の態様
下記の実施例A1、2、及び比較例A1において、帯電防止層の評価に関して、得られた塗膜の屈折率を分光エリプソメーター(UVSEL、ジョバンーイーボン社製:測定波長633nm)を用いて測定した。また、得られた反射防止フィルムについて、表面抵抗率(Ω/□)の測定については高抵抗率計(ハイレスタ・UP、三菱化学 (株)製)を用い、印加電圧100V、10秒にて積層体最表面の測定を行った。干渉ムラの測定については、フナテック(株)製の干渉縞検査ランプ(Naランプ)を用い、目視にて検査し、干渉縞の発生がほとんど見られない場合を良好として○、ぼんやり見えるものを普通として△、はっきり見えるものを不良として×とした。また、反射率の測定については、5℃正反射測定装置を備えた分光光度計(島津製作所(株)製、UV−3100PC)を用いて測定を行った。なお、反射率は波長550nm付近で極小値(最低反射率)となったときの値を示した。
[実施例A1](アンチモン錫酸化物被覆シリカ(SiO2 )微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して帯電防止層形成用組成物を調製した。
アンチモン錫酸化物被覆シリカ(SiO2 )微粒子分散液(平均粒径50nm、被覆量30重量%、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(EO変性DPHA)(DPEA−12:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
基材フィルム/帯電防止層からなる積層体の作製
上記組成の帯電防止層形成用組成物を厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上にバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置を用いて照射線量約20mJ/cm2 で紫外線照射を行い、帯電防止層を硬化させて、層厚約1μmの帯電防止層を作製した。得られた塗膜の屈折率を上記の方法により測定した。その結果を下記の表1に示す。
ハードコート層形成用組成物の調製
下記の組成の成分を配合してハードコート層形成用コーティング組成物を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 30.0質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 73.5質量部
金およびニッケルで表面処理を施した平均粒径5μmの有機ビーズ
(日本化学工業(株)製、商品名:ブライト20GNR−4.6EH) 0.15質量部
低屈折率層形成用組成物の調製
下記の組成の成分を配合して、屈折率1.37の低屈折率層形成用コーティング組成物を調製した。
中空シリカゾル(平均粒径50nm、20%メチルイソブチルケトン溶液)
12.85重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.43重量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.1重量部
TSF4460 0.12重量部
(商品名、GE東芝シリコーン(株)製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル)
メチルイソブチルケトン 85.5重量部
塗膜(基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層)の作製
基材フィルム/帯電防止層上に、上記組成のハードコート層形成用コーティング組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量100mJ/cm2 で紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、塗膜5μmのハードコート層を有する、基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層からなる積層コートフィルムを得た。
得られた積層コートフィルムのハードコート層上に、上記の低屈折率層形成用コーティング組成物をバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hパルプ)を用いて、照射線量200mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、層厚約100nmの低屈折率層を作成することにより、基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層からなる本実施例A1の反射防止フィルムを得た。該反射防止フィルムについて、表面抵抗値、干渉ムラ、最低反射率を上記方法にて測定し、その結果を下記の表1に示す。
[実施例A2](インジウム錫酸化物被覆シリカ(SiO2)微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して帯電防止層形成用組成物を調製した。
インジウム錫酸化物被覆シリカ(SiO2)微粒子分散液(平均粒径50nm、被覆量30重量%、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
EO変性DPHA(DPEA−12:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
基材フィルム/帯電防止層からなる積層体の作製と評価
前記工程で得られた帯電防止層形成用組成物を用い、前記実施例A1と同条件にて、層厚1μmの帯電防止層を作成し、屈折率を測定した。その結果を下記の表1に示す。
塗膜(基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層)の作製
前記実施例A1と同様のハードコート層形成用組成物、及び低屈折率層形成用組成物を用い、前記実施例A1と同様の作製条件にて、TAC基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層からなる層構成の本実施例A2の反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、表面抵抗値、干渉ムラ、最低反射率を上記方法にて測定し、その結果を下記の表1に示す。
[比較例A1](通常のITO微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して帯電防止層形成用組成物を調製した。
インジウム錫酸化物分散液 33.3質量部
(平均粒径30nm、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン)
PETA(PET−30:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
基材フィルム/帯電防止層からなる積層体の作製と評価
前記工程で得られた帯電防止層形成用組成物を用い、前記実施例A1と同条件にて、層厚約1μmの帯電防止層を作成し、屈折率を測定した。その結果を下記の表1に示す。
塗膜(基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層)の作製
前記実施例A1と同様のハードコート層形成用組成物、及び低屈折率層形成用組成物を用い、前記実施例A1と同様の作製条件にて、TAC基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層の層構成の比較例A1の反射防止フィルムを得た。得られた反射防止フィルムについて、表面抵抗値、干渉ムラ、最低反射率を上記方法にて測定し、その結果を下記表1に示す。
表1
例/評価 屈折率 表面抵抗値 干渉ムラ 最低反射率
Ω/□ (%)
実施例A1 1.50 1.9×1010 ○ 1.0
実施例A2 1.52 8.5×108 ○ 1.0
比較例A1 1.60 7.2×10 7 × 1.0
本発明の第2の態様
下記の実施例B1、2、及び比較例B1において、帯電防止層の評価に関して、得られた塗膜の表面抵抗率(Ω/□)の測定については高抵抗率計(ハイレスタ・UP、三菱化学 (株)製)を用い、印加電圧100Vにて積層体最表面の測定を行った。反射率、反射色相の測定は、5℃正反射測定装置を備えた分光光度計(島津製作所 (株)製、UV−3100PC:商品名)を用いて測定した。なお、反射率は、波長550nm付近で極小値となったときの値(最低反射率)を示した。
[実施例B1](ATO被覆シリカ微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して屈折率1.50の帯電防止層形成用組成物を調製した。
アンチモン錫酸化物被覆シリカ(SiO2)微粒子分散液(平均粒径50nm、被覆量30重量%、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(EO変性DPHA)
(DPEA−12:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
ハードコート層形成用組成物の調製
下記組成の成分を配合してハードコート層形成用組成物を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 30.0質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 73.5質量部
低屈折率層形成用組成物の調製
下記組成の成分を配合して屈折率1.37の低屈折率層形成用組成物を調製した。
中空シリカゾル(20%メチルイソブチルケトン溶液) 12.85質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.43質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.1質量部
TSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.12質量部
メチルイソブチルケトン 85.5質量部
反射防止フィルム(基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層)の作製
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、上記ハードコート形成用組成物をバーし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置を用いて、照射線量20mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚5μmのハードコート層を作製した。
得られた基材フィルム/ハードコート層からなる積層体上に上記の帯電防止層形成用組成物をバーし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量50mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚約90nmの帯電防止層を作製した。
得られた基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層からなる積層体上に、上記の低屈折率層形成用組成物をバーし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量200mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚約100nmの低屈折率層を作製することにより、本実施例B1の反射防止フィルムを得た。本実施例B1の反射防止フィルムについて、最低反射率、反射色相、表面抵抗値を上記方法に基づいて測定した結果を下記の表2に示す。
[実施例B2](ITO被覆シリカ微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して屈折率1.52の帯電防止層形成用組成物を調製た。
インジウム錫酸化物被覆シリカ(SiO2 )微粒子分散液(平均粒径45nm、被覆量40重量%、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
EO変性DPHA(DPEA−12:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
反射防止フィルム(基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層)の作製
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、前記実施例B1と同組成のハードコート形成用組成物を同条件にて塗工した。
得られた基材フィルム/ハードコート層からなる積層体上に、上記実施例B2の帯電防止層形成用組成物を前記実施例B1と同条件にて塗工、乾燥、硬化し、膜厚約90nmの帯電防止層を作製した。
得られた基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層からなる積層体上に、前記実施例B1と同組成の低屈折率層形成用組成物を、同条件にて塗工、乾燥、硬化し、膜厚約100nmの低屈折率層を作製して、本実施例B2の反射防止フィルムを得た。本実施例B2の反射防止フィルムについて、最低反射率、反射色相、表面抵抗値を上記方法に基づいて測定した結果を下記の表2に示す。
[比較例B1](通常のITO微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して屈折率1.60の帯電防止層形成用組成物を調製した。
インジウム錫酸化物分散液(平均粒径30nm、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
PETA(PET−30:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
反射防止フィルム(基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層)の作製
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、前記実施例B1と同組成のハードコート形成用組成物を同条件にて塗工した。
得られた基材フィルム/ハードコート層からなる積層体上に、上記の帯電防止層形成用組成物を前記実施例B1と同条件にて塗工、乾燥、硬化し、膜厚約85nmの帯電防止層を作製した。
得られた基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層フィルム上に、前記実施例B1と同組成の低屈折率層形成用組成物を、同条件にて塗工、乾燥、硬化し、膜厚約100nmの低屈折率層を作製して比較例B1の反射防止フィルムを得た。比較例B1の反射防止フィルムについて、最低反射率、反射色相、表面抵抗値を上記方法に基づいて測定した結果を下記の表2に示す。
表2
例/評価 最低反射率 反射色相 表面抵抗値
(%) a* b* Ω/□
実施例B1 1.32 1.75 −1.06 2.5×1011
実施例B2 1.03 4.7 −3.80 5.6×10
比較例B1 0.25 10.9 −13.3 7.2×10
上記表2によれば、実施例B1、2共に、反射色相について、色相a*が絶対値7以下、色相b*が絶対値6以下であり、反射時の色味が防止されていることが分かる。しかも、最低反射率及び表面抵抗値が良好な範囲であるため、帯電防止性の反射防止フィルムとして良好である。
本発明の第3の態様
下記の実施例C1、2、及び比較例C1において、帯電防止層の評価に関して、得られた塗膜の屈折率を分光エリプソメーター(UVSEL、ジョバンーイーボン社製:測定波長633nm)を用いて測定した。また、得られた反射防止フィルムについて、表面抵抗率(Ω/□)の測定については高抵抗率計(ハイレスタ・UP、三菱化学 (株)製)を用い、印加電圧100V、10秒にて積層体最表面の測定を行った。干渉ムラの測定については、フナテック(株)製の干渉縞検査ランプ(Naランプ)を用い、目視にて検査し、干渉縞の発生がほとんど見られない場合を良好として○、ぼんやり見えるものを普通として△、はっきり見えるものを不良として×とした。また、反射率の測定については、5℃正反射測定装置を備えた分光光度計(島津製作所(株)製、UV−3100PC)を用いて測定を行った。なお、反射率は波長550nm付近で極小値(最低反射率)となったときの値を示した。
[実施例C1](中空ATO微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して帯電防止層形成用組成物を調製した。
中空アンチモン錫酸化物分散液(平均粒径60nm、外殻厚み15nm、屈折率1.50、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(EO変性DPHA)
(DPEA−12:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
基材フィルム/帯電防止層からなる積層体の作製
上記組成の帯電防止層形成用組成物を厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上にバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置を用いて照射線量約20mJ/cm2 で紫外線照射を行い、帯電防止層を硬化させて、膜厚約1μmの帯電防止層を作製した。得られた積層体の帯電防止層の屈折率、表面抵抗値を上記の方法により測定した。その結果を下記の表3に示す。
ハードコート層形成用組成物の調製
下記の組成の成分を配合してハードコート層形成用組成物を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 30.0質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 73.5質量部
金およびニッケルで表面処理を施した平均粒径5μmの有機ビーズ(日本化学工業(株)製、商品名:ブライト20GNR−4.6EH) 0.15質量部
低屈折率層形成用組成物の調製
下記の組成の成分を配合して、屈折率1.37の低屈折率層形成用組成物を調製した。
中空シリカゾル(平均粒径0.03μm、20%メチルイソブチルケトン溶液)
12.85重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.43重量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.1重量部
TSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.12重量部
メチルイソブチルケトン 85.5重量部
反射防止フィルム(基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層からなる積層体)の作製
前記工程で作製した基材フィルム/帯電防止層からなる積層体の帯電防止層上に、上記組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量100mJ/cm2 で紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、膜厚5μmのハードコート層を有する、基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層からなる積層体を得た。
得られた基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層からなる積層体のハードコート層上に、上記の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量200mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚約100nmの低屈折率層を作成することにより、基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層からなる本実施例C1の反射防止フィルムを得た。該反射防止フィルムについて、干渉ムラ、最低反射率を上記方法にて測定し、その結果を下記の表3に示す。
[実施例C2](中空ITO微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して帯電防止層形成用組成物を調製した。
中空インジウム錫酸化物分散液(平均粒径60nm、外殻厚み10nm、屈折率1.46、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
EO変性DPHA(DPEA−12:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
基材フィルム/帯電防止層からなる積層体の作製と評価
前記実施例C1と同条件にて、膜厚1μmの帯電防止層を作成し、屈折率、表面抵抗値を測定した。その結果を下記の表3に示す。
反射防止フィルム(基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層からなる積層体)の作製
前記実施例C1と同様のハードコート層形成用組成物、及び低屈折率層形成用組成物を用い、実施例C1と同様の作製条件にて、TAC基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層からなる層構成の本実施例C2の反射防止フィルムを作製した。該反射防止フィルムについて、干渉ムラ、最低反射率を上記方法にて測定し、その結果を下記の表3に示す。
[比較例C1](通常のITO微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して帯電防止層形成用組成物を調製した。
インジウム錫酸化物分散液(平均粒径60nm、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(PET−30:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
基材フィルム/帯電防止層からなる積層体の作製と評価
前記実施例C1と同条件にて、膜厚約1μmの帯電防止層を作成し、屈折率、表面抵抗値を測定した。その結果を下記の表3に示す。
反射防止フィルム(基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層からなる積層体)の作製
前記実施例C1と同様のハードコート層形成用組成物、及び低屈折率層形成用組成物を用い、実施例C1と同様の作製条件にて、TAC基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層からなる層構成の比較例C1の反射防止フィルムを得た。該反射防止フィルムについて、干渉ムラ、最低反射率を上記方法にて測定し、その結果を下記表3に示す。
表3
例/評価 屈折率 表面抵抗値 干渉ムラ 最低反射率
Ω/□ (%)
実施例C1 1.50 8.6×10 ○ 1.0
実施例C2 1.48 1.8×10 ○ 1.0
比較例C1 1.60 7.2×10 × 1.0
本発明の第4の態様
下記の実施例D1、2、及び比較例D1において、帯電防止層の評価に関して、得られた塗膜の表面抵抗率(Ω/□)の測定については高抵抗率計(ハイレスタ・UP、三菱化学 (株)製)を用い、印加電圧100Vにて積層体最表面の測定を行った。反射率、反射色相の測定は、5℃正反射測定装置を備えた分光光度計(島津製作所 (株)製、UV−3100PC:商品名) を用いて測定した。なお、反射率は、波長550nm付近で極小値となったときの値(最低反射率)を示した。
[実施例D1](中空ATO微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して屈折率1.50の帯電防止層形成用組成物を調製した。
中空アンチモン錫酸化物分散液(平均粒径60nm、外殻厚み15nm、屈折率1.50、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(EO変性DPHA)(DPEA−12:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
ハードコート層形成用組成物の調製
下記の組成の成分を配合してハードコート層形成用組成物を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 30.0質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 73.5質量部
低屈折率層形成用組成物の調製
下記の組成の成分を配合して屈折率1.37の低屈折率層形成用組成物を調製した。
中空シリカゾル(20%メチルイソブチルケトン溶液) 12.85質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.43質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.1質量部
TSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.12質量部
メチルイソブチルケトン 85.5質量部
反射防止フィルム(基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層からなる積層体)の作製
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、上記ハードコート形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置を用いて、照射線量20mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚5μmのハードコート層を作製した。
得られた基材フィルム/ハードコート層からなる積層体上に上記の帯電防止層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量50mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚約90nmの帯電防止層を作製した。
得られた基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層からなる積層体上に、上記の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることにより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、膜厚約100nmの低屈折率層を作製することにより、本実施例D1の反射防止フィルムを得た。本実施例D1の反射防止フィルムについて、最低反射率、反射色相、表面抵抗値を上記方法に基づいて測定した結果を下記の表4に示す。
[実施例D2](中空ITO微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して屈折率1.48の帯電防止層形成用組成物を調製した。
中空インジウム錫酸化物分散液(平均粒径60nm、外殻厚み10nm、屈折率1.46、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
EO変性DPHA(DPEA−12:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
反射防止フィルム(基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層からなる積層体)の作製
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、前記実施例D1と同組成のハードコート形成用組成物を同条件にて塗工した。
得られた基材フィルム/ハードコート層からなる積層体上に、上記の帯電防止層形成用組成物を前記実施例D1と同条件にて塗工、乾燥、硬化し、膜厚約90nmの帯電防止層を作製した。
得られた基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層からなる積層体上に、前記実施例D1と同組成の低屈折率組成物を、同条件にて塗工、乾燥、硬化し、膜厚約100nmの低屈折率層を作製して、本実施例D2の反射防止フィルムを得た。本実施例D2の反射防止フィルムについて、最低反射率、反射色相、表面抵抗値を上記方法に基づいて測定した結果を下記の表4に示す。
[比較例D1](通常のITO微粒子を用いた場合)
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して屈折率1.60の帯電防止層形成用組成物を調製した。
インジウム錫酸化物分散液(平均粒径60nm、固形分30%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 33.3質量部
PETA(PET−30:商品名、日本化製薬) 10質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 90.3質量部
反射防止フィルム(基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層からなる積層体)の作製
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、前記実施例D1と同組成のハードコート組成物を同条件にて塗工した。
得られた基材フィルム/ハードコート層からなる積層体上に、上記の比較例D1の帯電防止層形成用組成物を前記実施例D1と同条件にて塗工、乾燥、硬化し、膜厚約85nmの帯電防止層を作製した。
得られた基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層フィルム上に、前記実施例D1と同組成の低屈折率組成物を、同条件にて塗工、乾燥、硬化し、膜厚約100nmの低屈折率層を作製して比較例D1の反射防止フィルムを得た。比較例D1の反射防止フィルムについて、最低反射率、反射色相、表面抵抗値を上記方法に基づいて測定した結果を下記の表4に示す。
表4
例/評価 最低反射率 反射色相 表面抵抗値
(%) a* b* Ω/□
実施例D1 1.30 1.89 −0.95 1.5×10
実施例D2 1.52 0.86 −0.98 8.7×10
比較例D1 0.25 10.9 −13.3 7.2×10
表4によれば、実施例D1、2共に、反射色相について、色相a*が絶対値7以下、色相b*が絶対値6以下であり、反射時の色味が防止されていることが分かる。しかも、最低反射率及び表面抵抗値が良好な範囲であるため、帯電防止性の反射防止フィルムとして良好である。
透明基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層からなる積層構造の反射防止フィルムにおける低屈折率層の屈折率(n1 )を1.37とし、反射防止層の屈折率(n2 )を1.53、1.57、1.61、1.65とした場合において、縦軸に反射率(%)、横軸に光の波長(nm)をとった反射率曲線を示すグラフである。 本発明の反射防止フィルムの層構成を示す概略断面図である。 本発明の反射防止フィルムを積層してなる偏光フィルムにて表示面を被覆した液晶表示装置の一例の断面を模式的に示したものである。
符号の説明
1 透明基材フィルム
2 帯電防止層
3 ハードコート層
4 低屈折率層
10 偏光フィルム
11 バックライトユニット
21 ガラス基板
22 画素部
23 ブラックマトリックス層
24 カラーフィルター
25 透明電極層
26 ガラス基板
27 透明電極層
28 シール材
29 配向膜
101 液晶表示装置

Claims (9)

  1. 透明基材フィルムと、該透明基材フィルム上に、帯電防止層と、電離放射線硬化型樹脂を含んでなるハードコート層と、屈折率が1.42以下の低屈折率層とをこれらの順で備えてなる、反射防止フィルムであって、
    前記帯電防止層が、導電性微粒子と、電離放射線硬化型樹脂と、有機溶剤とを含んでなる帯電防止層形成用組成物を用いて形成され、
    前記導電性微粒子が、導電性物質で被覆されたコア粒子からなるものであり、前記コア粒子の屈折率が前記導電性物質の屈折率よりも低いものであり、前記導電性微粒子における導電性物質の被覆量が10質量%以上60質量%以下であり、
    前記帯電防止層の屈折率が1.56以下である、反射防止フィルム。
  2. 前記導電性微粒子が、5nm以上100nm以下の粒径を有してなるものである、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記導電性物質が、酸化錫、アンチモン錫酸化物、インジウム錫酸化物、酸化アンチモン、アルミニウム亜鉛酸化物、ガリウム亜鉛酸化物およびこれらの混合物からなる群から選択されたものである、請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記導電性物質が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウム、プラチナからなる群から選択されたものである、請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  5. ディスプレイの表面に、請求項1〜のいずれか一項に記載の反射防止フィルムを備えてなる、画像表示装置。
  6. 透明基材フィルムと、該透明基材フィルム上に、帯電防止層と、電離放射線硬化型樹脂を含んでなるハードコート層と、屈折率が1.42以下の低屈折率層とをこれらの順で備えてなる、反射防止フィルムであって、
    前記帯電防止層が、空隙を有する導電性金属酸化物の微粒子と、電離放射線硬化型樹脂と、有機溶剤とを含んでなる帯電防止層形成用組成物を用いて形成され、
    前記導電性金属酸化物における外殻層の厚みが1nm以上30nm以下であり、
    帯電防止層の屈折率が1.56以下である、反射防止フィルム。
  7. 前記導電性金属酸化物が、5nm以上100nm以下の粒径を有してなるものである請求項に記載の反射防止フィルム。
  8. 前記導電性金属酸化物が、酸化錫、アンチモン錫酸化物、インジウム錫酸化物、酸化アンチモン、アルミニウム亜鉛酸化物、ガリウム亜鉛酸化物およびこれらの混合物からなる群から選択されてなる、請求項又はに記載の反射防止フィルム。
  9. ディスプレイの表面に、請求項6〜8のいずれか一項に記載の反射防止フィルムを有する、画像表示装置。
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