JP5058278B2 - セラミックヒーターおよびこれを用いた加熱用こて - Google Patents

セラミックヒーターおよびこれを用いた加熱用こて Download PDF

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Description

本発明は、セラミックヒーターおよびこれを用いた加熱用のこてに関し、特に、自動車用の空燃比検知センサ加熱用ヒーター、気化器用ヒーター、グロープラグ、気化器、石油ストーブ点火・気化器、シール機、各種産業機器、半田ごて用ヒーター、ヘヤーごて用ヒーターなどに使用するセラミックヒーターおよびこれを用いた加熱用こてに関するものである。
従来から、空燃比センサ加熱用ヒーター等の自動車用のヒーターとして図4(a)に示すような円柱状のセラミックヒーターが多用されている。このセラミックヒーターは、例えば、アルミナを主成分とするセラミック体21中に、W、Re、Mo等の高融点金属からなる発熱抵抗体22が埋設され、この発熱抵抗体22の端部に形成された引き出しパターン23に電極パッド26を介してリード部材27が接続されて構成されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
上記円柱状のセラミックヒーターは、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、図4(b)に示すように、セラミック芯材31とセラミックグリーンシート30a,30bを準備し、セラミックグリーンシート30aの一方の主面にW、Re、Mo等の高融点金属のペーストを印刷して発熱抵抗体22と引き出しパターン23とを形成する。ついで、このセラミックグリーンシート30aとセラミックグリーンシート30bとを積層したセラミックグリーンシート30を、セラミック芯材31の周囲に巻付け、全体を焼成一体化した後、リード部材を取り付ける。セラミックグリーンシート30bには、図4(b)に示すように、発熱抵抗体22に接続された引き出しパターン23の末端付近に対応する位置に、スルーホール24が形成されており、このスルーホール24の内側面にはスルーホール導体層25が形成されている。これにより、焼成後のセラミック体21中の引き出しパターン23は、スルーホール導体層25を介して電極パッド26と電気的に接続される(図4(c)参照)。
また、電極パッド26およびスルーホール導体層25にはNi、Cr等の耐熱金属材料からなるメッキ層28が形成される。さらに、スルーホール24には、ロウ材29が充填される。このロウ材29は、Fe−Ni合金やNi、Cr等を含有する耐熱金属材料からなるリード部材27と電極パッド26との間にも充填され、リード部材27を電極パッド26にロウ付けして接合している。そして、このリード部材27から通電することにより発熱抵抗体22が発熱する。また、ロウ材29の表面には、さらにメッキ層が形成されている(図示せず)。
特開2001−126852号公報 特開平11−354255号公報
ところで、従来使用されている上記のようなセラミックヒーターにおいては、リード部材が取り付けられている電極パッド26に熱履歴が繰り返し加わるので、電極パッド26とリード部材27との接合部が劣化してリード部材が外れることがあり、耐久性の点で問題があった。
また、近年では、自動車の排気ガスに関する規制が厳しくなり、空燃比制御用に使用する酸素センサの立ち上がり速度を高めることが必要となっている。このため、セラミックヒーターの立ち上がり特性を改善することが必要となることで、セラミックヒーターの使用温度が高くなり、上記の問題が顕著になった。
特に、自動車用に使用するセラミックヒーターについては、高い信頼性が要求されるため、1000本中1本でも上記のような不良が発生することは好ましくない。
また、最近の半田の鉛フリー化が進む中で、ヒーターの高温化が進み、それに伴いリード部材が取り付けられている電極パッド部にかかる温度差も大きくなる傾向にある。更には、ヘアごてなどは小型化が進み、発熱部分と電極パッドとの距離が短くなる傾向にあり、温度差の大きな熱履歴が電極パッドにかかるようになってきている。
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、本発明の目的は、セラミックヒーターにおけるリード部材の接合部の冷熱サイクルに対する耐久性を向上させ、長期間にわたり使用できるセラミックヒーターおよびこれを用いた加熱用こてを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、スルーホール導体層と引き出しパターンとの間などの括れ部分に金属材料を充填し、この金属材料をリード部材に接合することで、リード部材の接合強度を著しく向上させることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のセラミックヒーターは、発熱抵抗体と、該発熱抵抗体に接続された引き出しパターンと、前記発熱抵抗体および前記引き出しパターンが埋設され、該引き出しパターンに達するスルーホールが形成されたセラミック体と、前記スルーホールの少なくとも内側面に形成されたスルーホール導体層と、該スルーホール導体層に電気的に接続され、前記セラミック体の表面に形成された電極パッドパターンと、該電極パッドパターンに電気的に接続されたリード部材とを有するセラミックヒーターにおいて、前記スルーホール導体層と前記引き出しパターンとの間に金属材料が充填されており、該金属材料が前記リード部材に接合されており、前記引き出しパターンは、前記スルーホールが形成された部分が該スルーホール側に凸状に盛り上がっていることを特徴とするものである。
また、本発明においては、前記金属材料は、前記スルーホール内に充填され、前記リード部材と接合されていることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記金属材料はロウ材であることが好ましい。
また、本発明においては、前記スルーホール導体層の表面および前記スルーホールが形成された部分における前記引き出しパターンの表面には金属メッキ層が形成されており、前記スルーホール導体層の表面の前記金属メッキ層と前記引き出しパターンの表面の前記金属メッキ層との間に前記金属材料が充填されていることがより好ましい。
さらに、本発明においては、前記引き出しパターンは、前記スルーホールが形成された部分が該スルーホール側に凸状に盛り上がっていることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記電極パッドパターンおよび前記スルーホール導体層の表面粗さ(Ra)を1μm以上とし、前記電極パッドパターン上にロウ材を用いて前記リード部材を固定することが好ましい。
また、本発明においては、前記スルーホール導体層の厚みが前記スルーホール径の5%〜25%であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記スルーホール導体層の表面に存在するSiを主成分とするガラス粒子の最大径が100μm以下であることが好ましい。
本発明の加熱用こては、上記セラミックヒーターを加熱手段として用いたことを特徴とする。
本発明のセラミックヒーターによれば、スルーホール導体層と引き出しパターンとの間に金属材料が充填されており、この金属材料がリード部材に接合されているので、アンカー効果によりリード部材とセラミック体との接合強度が飛躍的に向上し、冷熱サイクル後であってもリード部材の接合強度(引張り強度)が高く、耐久性に優れている。
また、スルーホール導体層の表面およびスルーホールが形成された部分における引き出し電極パターンの表面に金属メッキ層が形成され、この金属メッキ層が形成されたスルーホール導体層と引き出しパターンとの間に金属材料が充填されているときには、高温に耐えうる金属材料を緻密に充填できることから、更に、耐久性が良好となる。
さらに、スルーホールが形成された部分における引き出しパターンが、スルーホール側に凸状に盛り上がっているので、金属材料の熱膨張によるスルーホール導体層への応力集中が緩和され、クラックの発生が抑制され、リード部材の接合耐久性が向上する。
また、電極パッドパターンおよびスルーホール内導体層の表面粗さ(Ra)を1μm以上とし、電極パッドパターン上にロウ材を用いてリード部材を固定したときには、ロウ材とスルーホール導体層との接触面積、ロウ材と電極パッドとの接触面積が増加するので、これらの接合強度が向上して、さらに耐久性が向上する。
さらに、本発明の加熱用こては、上記セラミックヒーターを加熱手段として用いているので、急速加熱を繰り返し行った場合でも、優れた耐久性を発揮する。
本発明のセラミックヒーターの一実施形態を示すもので、(a)は斜視図、(b)は電極パッドパターン周辺の部分断面図である。 (a)は本発明のセラミックヒーターにおけるスルーホール部分を示す断面図であり、(b)は同図(a)の平面図である。 本発明のセラミックヒーターの製造方法を説明する斜視図である。 (a)は従来のセラミックヒーターを示す斜視図であり、(b)は同図(a)のセラミック体の分解斜視図、(c)は電極パッドパターン周辺の部分断面図である。
以下、本発明のセラミックヒーターの実施形態を図面に基いて説明する。
図1は、本発明のセラミックヒーターの一実施形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は同図(a)の電極パッド部周辺を示す部分断面図である。
本実施形態のセラミックヒーターは、発熱抵抗体2と、この発熱抵抗体2に接続された引き出しパターン3と、発熱抵抗体2および引き出しパターン3が埋設され、この引き出しパターン3に達するスルーホール4が形成されたセラミック体1と、スルーホール4の内側面に形成されたスルーホール導体層5と、このスルーホール導体層5に電気的に接続され、セラミック体1の表面に形成された電極パッドパターン6と、この電極パッドパターン6に電気的に接続されたリード部材7とを有している。
スルーホール導体層5の表面およびスルーホール4が形成された部分における引き出し電極パターン3の表面には金属メッキ層8が形成されている。また、スルーホール4内には、金属材料9が充填されている。この金属材料9は電極パッドパターン6とリード部材7との間にも充填されている。これにより、リード部材7は、電極パッドパターン6に接合されるとともに、電極パッドパターン6に電気的に接続され、スルーホール導体層5を介して引き出しパターン3および発熱抵抗体2と電気的に接続された構造となっている。
図2(a)は、図1(b)におけるスルーホール4周辺を拡大した断面図である。図2(a)に示すように、本実施形態にかかるセラミックヒーターは、スルーホール導体層5と引き出しパターン3との間に金属材料9が充填されていることを特徴としている。すなわち、スルーホール導体層5は、スルーホール4の内側面側に括れた厚みの薄い領域(スルーホール導体層5と引き出しパターン3との間)を有し、この厚みの薄い領域に金属材料9が充填されている。図2(a)に示すように、この厚みの薄い領域は、スルーホール導体層5の最大厚み部分よりも引き出しパターン3側の位置で、かつ、最大厚み部分の近傍に位置している。この金属材料9は、スルーホール4内に充填されており、リード部材7と接合されている(図1(b)参照)。すなわち、スルーホール導体層5と引き出しパターン3との間に充填された金属材料9によりアンカー効果が得られるので、金属材料9とスルーホール導体層5および電極パッドパターン6との接合強度が向上する。これにより、リード部材7と電極パッドパターン6との接合強度が向上することにつながり、冷熱サイクルによる熱履歴を受けた場合であっても、リード部材7の接合強度(引張り強度)が維持され、耐久性の高いセラミックヒーターを得ることができる。
金属材料9としては、Ag−Cu、Ag、Au−cu等のロウ材を用いるのが好ましい。これにより、高温での接合強度が向上し、冷熱サイクルに対して耐久性のより高いセラミックヒーターを得ることができる。一般に、ロウ材は、融点が600℃以上であり、半田と比較すると高温耐久性に優れ、冷熱サイクルにおいても耐酸化性に優れるので、金属材料9として好ましい。
また、金属材料9は、スルーホール導体層5および引き出しパターン3の間に、金属メッキ層8を介して、充填されていることがより望ましい。本実施形態では、図2(a)に示すように、スルーホール導体層5の表面およびスルーホール4が形成された部分における引き出し電極パターン3の表面には金属メッキ層8が形成されている。すなわち、スルーホール導体層5の表面の金属メッキ層8と引き出しパターン3の表面の金属メッキ層8との間に金属材料9が充填された構造となっている。これにより、リード部材7の接合強度がさらに向上し、耐久性のさらに高いセラミックヒーターを得ることができる。金属メッキ層8を形成することにより、ロウ材等の金属材料9の濡れ性が向上し、金属材料9の充填度合いも向上するので、接合強度が著しく向上し、耐久性が著しく向上する。金属メッキ層8を構成する材料としては、例えばNi、Au、Crなどが挙げられる。
また、図2(a)に示すように、引き出しパターン3は、スルーホール4が形成された部分がこのスルーホール4の開口部側に向かって凸状に盛り上がっている部分12を有しているのがより好ましい。この凸状部分12を有していることにより、冷熱サイクルで発生する金属材料9の熱膨張による応力を分散させることができ、スルーホール導体層5と金属材料9との間、および金属メッキ層8と金属材料9との間におけるクラックが発生するのを抑制でき、より耐久性の高いセラミックヒーターを得ることができる。さらに、凸状部分12が緩やかな湾曲状であるときには、鋭角な凸形状である場合と比較して、冷熱サイクルで発生する金属材料9の熱膨張による応力の集中をさらに効果的に抑制することができる。
スルーホール導体層5および電極パッドパターン6の表面粗さ(Ra)は、1μm以上、好ましくは5〜10μmとなるようにするのがよい。このようにスルーホール導体層5および電極パッドパターン8表面に凹凸を付けることで、接触面積を増やし、金属材料9との接合強度をさらに向上させることができる。一方、表面粗さ(Ra)が1μm未満では、接合強度が十分に得られないおそれがある。この表面粗さは、非接触式の3次元表面粗さ計測装置等を用いて測定することができる。
また、スルーホール4の内側面に形成されたスルーホール導体層5の厚みは、スルーホール4の直径の5〜25%の範囲内であるのがよい。スルーホール導体層5の厚みがスルーホール4の直径の5%未満になると、スルーホール4の内側面に対するスルーホール導体層5の密着強度が十分に確保されず、冷熱サイクルにおいて、金属材料9の熱膨張に伴う応力により金属材料9との間にクラック(層間剥離)が発生するおそれがある。また、スルーホール4の直径の25%を超えると、スルーホール導体層5の表面に初期クラックが発生し、その影響により耐久性が劣化するおそれがある。
また、スルーホール導体層5の厚みは、図2(a)に示すように、スルーホール4の開口側よりも引き出しパターン3側の方が厚く形成されているのが好ましい。このように開口側の厚みが薄く、引き出しパターン3側の厚みが厚いことで、金属材料9の熱膨張によるスルーホール4内への応力集中を緩和させることができる。また、引き出しパターン3側の厚みを厚くすることで、スルーホール導体層5と引き出しパターン3の間に金属材料9を充填する空間を大きくすることができるので、リード部材7の接合強度をさらに向上させることができる。さらに、スルーホール導体層5の厚みは、スルーホール4の開口側から引き出しパターン3側に向かって漸次増加しているのがより好ましい。これにより、上記した応力集中の緩和効果をさらに高めることができる。
さらに、スルーホール導体層5の表面に存在するSiを主成分とするガラス粒子の最大径は100μm以下であるのがよい。本実施形態におけるセラミックヒーターでは、焼成の際に、スルーホール4の内側面に設けられたスルーホール導体層5および電極パッドパターン6の表面にセラミック体1からセラミック体1内のSiを主成分とするガラス成分(粒子)が析出する。このガラス粒子の最大粒子径が100μmを超える場合、金属材料9、金属メッキ層8がスルーホール導体層5、電極パッドパターン6の表面と接触する妨げとなるので、冷熱サイクルで生じる熱応力により金属材料9と、金属メッキ層8およびスルーホール導体層5と間に発生するクラックの起点となるおそれがある。したがって、ブラスト処理、超音波洗浄などの処理により、最大粒子径を100μm以下にすることが好ましい。
セラミック体1は、アルミナ質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックス、炭化珪素質セラミックス等の各種セラミックスからなり、特に、アルミナ質セラミックスからなることが、耐酸化性の点から好ましい。このアルミナ質セラ
ミックスとしては、例えばAl88〜95重量%、SiO2〜7重量%、CaO0.5〜3重量%、MgO0.5〜3重量%、ZrO1〜3重量%からなる組成が挙げられる。Alの含有量が88重量%未満となると、ガラス質の割合が多くなるため通電時のマイグレーションが大きくなるおそれがある。一方、Alの含有量が95重量%を超えると、セラミック体1中に埋設された発熱抵抗体2の金属材料内に拡散するガラス量が減少し、セラミックヒーターの耐久性が十分に得られないおそれがある。
また、セラミック体1は、例えば外径が2〜20mm程度、長さが40〜60mm程度の円柱状のものが例示できる。特に、自動車の空燃比センサ加熱用のセラミックヒーターとしては、外径を2〜4mm、長さを40〜65mmとするのがリード部材接合部分の温度が異常に高温とならない点で好ましい。
セラミック体1に埋設された発熱抵抗体2としては、W、Mo、Re等の高融点金属を主成分とするものが挙げられる。この発熱抵抗体2は、セラミックヒーターの用途により、折り返しパターンの距離を変更したり、パターン線幅を変更したりするなどして、発熱位置、抵抗値を任意に設定が可能である。
次に、本発明のセラミックヒーターの製造方法について図3を参照して説明する。
まず、アルミナを主成分とし、焼結助剤としてSiO、CaO、MgO、ZrOを合計量で4〜12重量%含有するセラミックスラリーをシート状に成形したセラミックシート10a,10bを準備する。
ついで、W、Mo、Re等の高融点金属とセラミック原料、バインダー、有機溶剤等を調合、混練し作製したペーストを用いて、セラミックシート10aの一方の主面に発熱抵抗体2および引き出しパターン3をプリントもしくは転写等の手法を用いて形成する。この発熱抵抗体2は、セラミックヒーターの用途により、折り返しパターンの距離を変更したり、パターン線幅を変更したりするなどして、発熱位置、抵抗値を任意に設定が可能である。
次に、セラミックシート10bにスルーホール4を形成し、このスル−ホール4にW、Mo、Reの少なくとも1種類を主成分とする導電材料(スルーホール導体層5の材料)をスルーホール4の内側面に塗布する。この導電材料は、スルーホール4の内径、高さ等に応じて予め粘度が調整されている。この粘度調整により、スルーホール4内において導電材料が下方側に多く流れ、その一部がスルーホールの下端周縁から外部に溢れ出るようにする。この状態で、スルーホール4の内側面の導電材料およびスルーホール4の外部に溢れ出た導電材料を適当な粘度になるまで乾燥させる。これにより、スルーホール導体層5の厚みを、スルーホール4の開口側よりも引き出しパターン3側の方が厚くなるようにできる。スルーホール導体層5の厚みは、導電材料の粘度、乾燥条件などにより制御可能である。
次に、セラミックシート10bの一方の主面に電極パッドパターン6をプリントもしくは転写等の手法を用いて形成する。
ついで、発熱抵抗体2およびスルーホール4と重なる部分を除く引き出しパターン3の上にセラミックシート10a、10bとほぼ同等の組成からなるコート層を形成した後、セラミックシート10bとセラミックシート10aを積層し、所定の圧力で加圧する。このとき、加圧条件を制御することで、スルーホール4の外部に出ている導電材料がスルーホール内に押し込まれて変形することにより、スルーホール導電層5と引き出しパターン3との間に隙間が形成される。また、このとき、加圧条件を制御することで、スルーホー
ル4から逃げる圧力により、スルーホール4内の凸状部分12を形成できる。凸状部分12を形成する他の方法としては、引き出しパターン3の作製時に、スルーホール4の位置のパターン厚みを局部的に厚くした状態で、加圧・加熱密着する方法もある。
なお、導電材料の一部がスルーホール4の外部に出るようにすることで、スルーホール導体層5が引き出しパターン3と重なる部分を確実に作ることができるので、これらのパターン同士の接合状態を向上させることができる。
このようにして形成されたセラミックシート10をセラミック芯材11の周囲に密着液を用いて巻き付けて密着させ、筒状の成形体を得る。ついで、得られた成形体を1500〜1650℃程度の還元雰囲気中で焼成してセラミック体1が得られる。
その後、電極パッドパターン6の表面、およびスルーホール4内のスルーホール導体層5、凸状部分12、引き出しパターン3の表面に電解メッキ法や無電解メッキ法によりNi、Cr等の金属からなる金属メッキ層8を形成する。メッキ厚みは1〜5μm程度であるのが望ましい。金属メッキ層8の厚みが厚くなると、金属メッキ層8内で隔離が発生するおそれがある。メッキ以外の方法としては、スパッタや、溶射、サブミクロンの貴金属粒子を含む溶剤を塗布乾燥させる等の方法により、メッキ層8の代用とできる。
次に、Au−Cu、Ag、Ag−Cuなどの主成分とするロウ材を金属材料9として用い、電極パッドパターン6とリード部材7とを水蒸気を含有した還元雰囲気中で接合する。なお、メッキ面の洗浄、加熱温度・雰囲気を管理することで、スルーホール導体層5、凸状部分12、引き出しパターン3などに対するロウ材の濡れ性を向上させることができる。これにより、スルーホール導体層5と引き出しパターン3との間、およびスルーホール4内にロウ材を充填させることができる。
また、図示していないが、電極パッドパターン6および金属材料9の表面に、さらにAu、Cr、Ni等のメッキ層を1〜10μm形成すると、金属材料9の酸化劣化を抑えることができる。
なお、本発明のセラミックヒーターは、上述の実施形態に限定されるものではなく、スルーホール導体層と引き出しパターンとの間に金属材料が充填されたものであればよく、円柱状、板状等の種々の形状のセラミックヒーターに適用することができる。
また、前述のセラミックスヒーターを金属製のこて先等に固定し、温度制御装置などの電気回路と接続すれば、加熱用こてを作製することができる。本発明の加熱用こては、半田作業用こて、ヘアーカーラー用こて等に利用できる。
なお、上記実施形態では、スルーホール導体層において、スルーホールの内側面側に括れた厚みの薄い領域がスルーホール導体層と引き出しパターンとの間に存在する場合を例に挙げて説明したが、本発明では、厚みの薄い領域は、上記実施形態で例示した位置に限定されるものではなく、スルーホール導体層のいずれかの位置にあればよい。これにより、括れた厚みの薄い領域に充填された金属材料がアンカー効果を発揮してリード部材とセラミック体の接合強度が飛躍的に向上し、冷熱サイクル後であってもリード部材の接合強度(引張り強度)が高く、耐久性に優れたものとなる。
下記の形状、材料等を用いてセラミックヒーターを作製した。
ヒーターの寸法:φ3mm×長さ55mm
抵抗発熱体の長さ:5mm
電極パッドパターン:5mm×4mm
スルーホール径:500μm
抵抗値:12〜13Ω
金属メッキ層:厚み2〜4μmのNiメッキ層
金属材料:Ag−Cuロウ材、またはAg−Sn半田
リード部材:φ0.8mm×長さ20mm
以下に、このセラミックヒーターの製造手順を示す。
まず、Alを主成分とし、SiO、CaO、MgO、ZrOを合計10重量%以内になるように調整したセラミックグリーンシートを準備し、この表面に、W−Reを主成分とするペーストを用いて発熱抵抗体2をスクリーン印刷法にてプリントし、Wを主成分とするペーストを用いて引き出しパターン3をスクリーン印刷法にてプリントした。
また、別のセラミックグリーンシートにスルーホール4を設け、Wを主成分とするペーストを用いてスルーホール導体層5を形成した。このとき、スルーホール導体層5を形成するペーストの粘度および乾燥条件を調整し、スルーホール径に対するスルーホール導体層5の厚みが3〜27%のサンプルを作製した。また、同様な手法を用いてスルーホール導体層5の下部厚みの厚いサンプルを作製した。その後、スルーホール4上に電極パッドパターン6を、Wを主成分とするペーストを用いてスクリーン印刷法にてプリントした。
次に、先に発熱抵抗体2をプリントしたシートに、発熱抵抗体2の表面にセラミックグリーンシートと略同一の成分からなるコート層を形成して十分乾燥した後、さらに上記セラミックグリーンシートと略同一の組成のセラミックスを分散させた密着液を塗布し、スルーホール4,電極パッドパターン6を設けたセラミックグリーンシートと加圧・加熱密着した。ここで、従来の加圧条件の約1.5倍の圧力(約3kgf/cmの荷重)で加圧し、スルーホール4内の凸形状12を形成した。
そして、この密着させたシートの裏面にセラミックグリーンシートと略同一の組成のセラミックスを分散させた密着液を塗布して、セラミック芯材の周囲に密着し、1500〜1600℃の還元雰囲気中で焼成した。
その後、スルーホール4,電極パッドパターン6にブラスト処理を行ない、焼成により析出したガラス層の除去を行うと同時に、表面粗さを0.7〜5μmまで調整した。
次に、先に除去したガラス粒子の代わりとして、任意の粒径のガラス粒子をスルーホール内に入れた。
次に、電解メッキにてメッキ層8を設け、Ag−Cuロウ、Ag−Sn半田を金属材料9として、リード部材を接合して、セラミックヒーター試料を得た。
そして、電極パッドパターン部の温度を金属材料9の融点の1/2の温度(Ag−Sn半田の場合、約100℃。Ag−Cuロウの場合、約400℃)に設定した恒温槽に10分間保持し、25℃の空気にて強制空冷する冷熱サイクルを4000サイクル行ない、テスト後のリード部材の引張強度を測定し、リード部材の引張強度が20N以上あることを判断条件とした。
これらの結果を表1に示す。
なお、引張強度測定方法を以下に示す。
試験方法:引張り試験機にヒーターを固定し、リードを垂直方向にロードセルで32mm/minの速度で引っ張り、切断した際の加重を測定。
厚み測定方法:試験後のヒーターを樹脂に埋め込み、研磨を行ない、断面よりマイクロスコープにて厚みを測定した。
表面粗さ:表面粗さ(Ra)は、非接触式の3次元表面粗さ計測装置にて測定した。
Figure 0005058278
同表より、本発明の比較例である試料No.1は、引張強度が6Nと弱く、リード接合部の耐久性が著しく低い。これは、引き出しパターン3とスルーホール導体層5間に金属材料9が充填できないため、アンカー効果を利用できないためである。
これに対し、引き出しパターン3とスルーホール導体層5間に金属材料9が充填した試料No.2は引張強度22Nと、リード接合部の耐久性は良好な結果となった。
さらには、金属材料9に半田を用いた試料No2は、冷熱サイクルで半田の腐食が発生していたが、金属材料9にロウ材を用いた試料No3は、さらにリード接合部の耐久性が良好な結果となった。
さらに、金属材料9が、導体層5および、引き出しパターン表面3の金属メッキ層8を介して、充填されている試料No.4は、金属材料9の塗れ性が改善され、試料No.2〜3より、リード接合部の耐久性が良好な結果となった。
また、試料No5で、試料No.2〜4より、耐久試験後の引張強度の値が高いことから、スルーホール底部の凸形状12を形成する事が、リード接合部の耐久性において望ましい結果となった。
さらに、スルーホール導体層5および電極パッドパターン6の表面粗さがRa1μm以上の試料No.6〜8と、試料No.2〜5とを比較から、スルーホール導体層5および電極パットパターン6の表面粗さがRa1μm以上あることが、リード接合部の耐久性により望ましい。特に、表面粗さはRa5μmが望ましい。
また、試料No.10〜13と試料No.8、9の比較から、スルーホール内側面に設けられた導体層5の厚みは、スルーホール4の直径の5%〜25%以内である事が、リード接合部の耐久性により望ましいことが判明した。特に、スルーホール内側面に設けられた導体層5の厚みは、スルーホール4の直径の20%であることが望ましい。
更には、試料No.14〜16と試料No.12,13の比較から、スルーホール内側面に設けられたスルーホール導体層表面に残留するSiを主成分とするガラス粒子の最大径が100μm以下である事がリード接合部の耐久性において優れることがわかった。
1、21・・・セラミック体
2、22・・・発熱抵抗体
3、23・・・引き出しパターン
4、24・・・スルーホール
5、25・・・スルーホール導体層
6、26・・・電極パッドパターン
7、27・・・リード部材
8、28・・・メッキ層
9、29・・・金属材料
10、10a、10b、30、30a、30b・・・セラミックグリーンシート
11、31・・・セラミック芯材
12・・・凸形状

Claims (8)

  1. 発熱抵抗体と、該発熱抵抗体に接続された引き出しパターンと、前記発熱抵抗体および前記引き出しパターンが埋設され、該引き出しパターンに達するスルーホールが形成されたセラミック体と、前記スルーホールの少なくとも内側面に形成されたスルーホール導体層と、該スルーホール導体層に電気的に接続され、前記セラミック体の表面に形成された電極パッドパターンと、該電極パッドパターンに電気的に接続されたリード部材とを有するセラミックヒーターにおいて、前記スルーホール導体層と前記引き出しパターンとの間に金属材料が充填されており、該金属材料が前記リード部材に接合されており、前記引き出しパターンは、前記スルーホールが形成された部分が該スルーホール側に凸状に盛り上がっていることを特徴とするセラミックヒーター。
  2. 前記金属材料が、前記スルーホール内に充填され、前記リード部材と接合されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒーター。
  3. 前記金属材料がロウ材であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックヒーター。
  4. 前記スルーホール導体層の表面および前記スルーホールが形成された部分における前記引き出しパターンの表面には金属メッキ層が形成されており、前記スルーホール導体層の表面の前記金属メッキ層と前記引き出しパターンの表面の前記金属メッキ層との間に前記金属材料が充填されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックヒーター。
  5. 前記電極パッドパターンおよびスルーホール導体層の表面粗さ(Ra)を1μm以上とし、前記電極パッドパターン上にロウ材を用いて前記リード部材を固定したことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミックヒーター。
  6. 前記スルーホール導体層の厚みは、前記スルーホール径の5%〜25%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミックヒーター。
  7. 前記スルーホール導体層の表面に存在するSiを主成分とするガラス粒子の最大径が100μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミックヒーター。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のセラミックヒーターを加熱手段として用いたことを特徴とする加熱用こて。
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